社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ナーサリースクールT&Y南台

2023年05月12日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ナーサリースクールT&Y南台 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60名 (利用者:59名) 名
所在地 252-0314
相模原市南区南台1-4-20
TEL 042-851-5828 ホームページ http://satori-hoikuen.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人さとり
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:5 名
専門職員
保育士:21 名
栄養士:1名(委託業者) 名
調理員:3名(委託業者) 名
施設・設備の概要
保育室:3室
トイレ:7ヶ所 
調理室:1室
事務室:1室
園庭:屋上遊技場 139.82㎡   (建物隣に公園有り)

③ 理念・基本方針
【保育理念】
・子ども一人ひとりを大切にし、保護者との一体感を持ち、地域との交流を深め、愛される保育園を目指す。
【保育方針】
豊かな人間性を持った子どもを育成する。
【保育目標】
・心身共に豊かな子ども
・たくましい体つくり
・思いやりのある子ども
・意欲を持つ子ども
・自分で考えて行動する子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
◆異年齢保育の実施
  3,4,5歳児は一緒に生活しながら、小さい子は大きい子を見本に、時に助けられながら自然とたくさんのことを学んでいる。大きな子は小さな子を助けながら自覚を持ち、当番活動や遊び、生活全般をリードしている。ただし、クラス活動も大切にし、その年齢ならではの活動もじっくり行えるように配慮している。
  3歳未満児では緩やかに各クラスを仕切り、お互いの生活や活動を意識しながら、担任とじっくりと愛着関係を深め、年齢なりに友達を意識し、少しずつ関わりや遊び、興味関心が広がるような保育を心がけている。コロナ禍で難しくはなったが、戸外への散歩などは、年齢の違うクラスが一緒に手つなぎで出かけたりしている。
◆ECC
ECC による英会話(年間22回。2,3,4、5歳児が無理のないレッスン時間と内容で楽しんでいる。)
◆空手
5歳児、5歳に進級時前の1月から月1回の講師を招き練習し、年末の発表会では保護者に披露している。胴着を着用し、5歳児ならではの姿を見せ、子どもたちの自信にもなっている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/08(契約日) ~2023/04/13(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)「言葉がけ」を大切にして一人ひとりに寄り添った保育を行っています
子どもに対する「言葉がけ」を大切にしています。内部研修で取り上げたり、倫理規程にも具体的に例をあげ、使ってはいけない言葉が示されています。職員会議で確認し合い、保育の場面で実践しています。全体への指示が理解できず動けない外国籍の子どもや障害のある児童には、個別に丁寧に言葉がけをし行動を促しています。基準より多く保育士が配置され、一人ひとりに寄り添った保育を行っています。

2)絵本コーナーが充実しています
空きスペースの小部屋を利用した絵本コーナーがあります。量も豊富で、子どもたちの興味関心に即した絵本や、定番絵本など、様々な絵本が揃っています。子どもたちが自由に絵本を出して読めるように揃えられ、絵本を読むことで豊かな人間性に繋がることが期待されます。今後も増やしていき、地域への貸し出しを行う等、さらなる活用が望まれます。

3)研修による職員育成が期待されます
全体的な計画に職員の資質向上・専門性向上に向け研修計画を作成し、取り組む旨が明記されています。園では今年度まで「保育士等キャリアアップ研修」を主任・副主任等を対象に研修受講の機会を確保し支援してきました。対象者は専門リーダーや分野別リーダーの資格を取得し、今後専門的知識・技能を保育の現場で発揮されることと期待されます。個人別年間研修計画を策定し、階層別研修等への継続的な参加と、非常勤職員の教育・研修の実施が期待されます。

4 )事業計画や手順書により職員の情報共有が期待されます
事業計画書並びに前年度の事業報告書は、例年法人が作成しています。園の自己評価で振り返り、課題・重点取組等の目標を掲げた独自の事業計画書を作成することが期待されます。また、保育計画は担当部門ごとに振り返り等を通して話し合って作成されていますが、標準的な実施方法や手順書が文書化されていません。保育の水準を保つことを目的にした実施方法を定め、職員が共有する取組が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回2回目の第三者評価を受けさせていただきました。園の方針や保育を見直す、良い機会になったと思います。
 今回ご指摘頂いた項目に関しては、職員間で話合い、改善に努めてまいります。優れている点については、これからも大切にしていきたいと思います。これからも、子ども達が伸び伸びと過ごし、主体的に活動できるような保育園であるよう、職員で一丸となって運営していきたいです。
 保護者の方にはお忙しい中、アンケートのご協力を頂きました。結果を今後に活かして行きたいと思っています。ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の保育理念、及び園の保育方針、保育目標は明文化されており、入園説明会で「保育園のしおり(重要事項説明書)」により保護者へ周知が図られています。4月のクラス懇談会では保護者に保育目標の中の、『自分で考えて行動できる子ども』を説明し、伸ばしていきたい旨を伝えています。理念や方針、保育目標等は玄関・事務所等に掲示していますが、職員会議等での説明や保育への生かし方の話し合い等、職員への継続した取組を課題としています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:c】

法人の園長会は現在、毎月リモートで開催されていますが、社会福祉事業全体の動向や地域の福祉計画、利用者の動向等の分析資料の提供はありません。園独自でも地域の特長・変化等経営環境や課題の把握・分析は実施出来ていません。相模原市の認可保育園園長会に毎月参加し、地域の情報はミーティング等で職員に周知していますが、園が位置する地域での保育ニーズの変化や経営環境等の把握・分析等は課題としています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人はこの地域を中心に保育所の運営を展開しています。保育の内容や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等を掌握して現状分析に基づき、具体的な課題や問題点を明らかにしています。園は年度予算にもとづき運営していますが、法人から財務状況等、経営の情報が伝わっていない為、経営状況や改善すべき課題について、具体的に意識した取り組み出来ていません。また、職員にも経営状況や改善すべき課題等の周知は行われていません。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人では「中期計画(3~5年)」及び「短期計画(1~3年)」を作成し、ホームページで公開していますが、園での計画内容の確認は出来ませんでした。また、中・長期の収支計画はホームページ等でも確認できませんでした。中・長期の事業計画、及び収支計画の策定や、経営課題、問題点の長期にわたる改善・改革の取組が期待されます。策定にあたっては、数値目標や具体的な成果等を設定し、実施状況の評価を行える内容にすることが期待されます。また、中期計画の内容が職員に周知されることが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の計画は、事業計画書として法人が作成し、例年ホームページで公開していますが、法人全保育園共通の内容の為、具体的な計画内容の記載がありません。また、今年度は公開されていません。園の計画は、保育内容について「全体的な計画」、「年齢別(クラス別)年間指導計画」に記載され、その他「子育て支援計画」、「職員育成・キャリアアップ研修計画」、「年間行事計画」等それぞれ項目別に計画されています。中期計画の内容を踏まえ、職員の参画のもと、園独自の計画の策定が期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

法人共通の事業計画は園の職員等の参画はありません。現在の園の事業計画は、行事等の予算案だけの内容です。実質的には「年間指導計画」等項目別の計画を別途策定しています。「年齢別(クラス別)年間指導計画」や「職員育成・キャリアアップ研修計画」等は、職員が参画し、前年度の実態を踏まえ、意見の集約・反映の基で策定しています。今後、法人全体で事業計画の内容を検討され、計画書の様式を定めて各園ごとに年度の重点取組や項目別の計画を策定することが望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

法人作成の事業計画は例年ホームページで公開され、保護者はいつでも閲覧することができます。保護者には入園説明会時に「保育園のしおり」を用い、事業計画の主な内容の説明をしています。今年度は事業計画の公開が実施されていませんが、主な内容は例年と同様です。保護者向けの年間予定表を、年度始めの保護者会で配布し、内容の説明をしています。園の職員等の参画や意見の集約・反映のもとで策定され、保護者会等で理解しやすいように説明することが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

毎年年度末に、職員は園独自のフォームで「保育園の自己評価」と「保育士の自己評価」を実施し、振り返りを行い保育の質の向上に努めています。自己評価の内容は集計され、エントランスに掲示し、保護者や職員に周知されています。PDCAサイクルが取り組まれていますが、集計結果に基づいた職員の話し合いの場がなく、組織的に評価(C)が行われていないことを課題としています。日々、担任同士は会議前などに話し合いの場を持ち、保育の質の向上に努めています。会議内容は全て全職員が閲覧するようにしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

自己評価の結果は園としてまとめられて公表し、職員間で課題の共有化が図られています。これまで公表はしてきましたが、取組状況や課題について話し合う機会を持てていません。評価結果から明確になった課題について、職員の参画のもとで改善策や改善計画を策定することが期待されます。保護者アンケートの結果も、掲示されていますが、これまでは保護者から率直且つ具体的な意見が聞けていないため、現在アンケート項目や内容を見直し、検討して実施する準備を進めています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、理解されるように積極的に取り組んでいます。「なーさりーだより」(園だより)4月号では今年度の保育目標等を記載し、保護者に自らの役割と責任を伝えています。新年度には園内の職務分掌を作成し、職員には会議等で伝え周知しています。有事(災害・事故等)における施設長の役割と責任について、不在時の権限委任等を含め明確にされています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は自ら短期大学等の外部研修に参加したり、法人園長会での研修や市の園長会後の園長研修にも積極的に参加して研鑽を積んでいます。利害関係者(取引事業者、行政関係者等)とは適正な関係を保持しています。職員に対して園の管理運営規定等の規則や職員の心得等を周知しています。環境への配慮等も含む幅広い分野について、遵守すべき法令の把握や取組を課題としています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は保育の質の向上に向け、組織内に副主任2人体制を構築し、チーム力強化に取り組んでいます。主任、副主任の協力を得ながら園内研修を行うなど、保育の質の向上に努めていますが、課題を明確に把握して、組織的に取り組む等の指導力発揮についてはまだ課題があるとしています。職員とは年2回を目標に個別面談を行っています。面談では保育のコーナーづくりや散歩についての相談や悩みも聞いています。職員が休み時間取得や有給休暇、残業などで困っていないかヒヤリングし、困りごとに対してアドバイスしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は保育方針、保育目標の達成に向けて、人員配置や職員の働きやすい環境整備等に取り組んでいます。配慮が必要な子どもには保育士を加配するなど具体的に取り組み、昼食時間等クラスに出向いて子ども達の様子を確認しています。経営要素の職員については園で把握していますが、物・金・情報は法人主管のため、園での経営改善の取組は限定的です。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方、福祉人材の確保と育成に関する方針が確立しています。採用活動は法人が実施していますが、配属前に園長も面談しています。現在、派遣社員の採用なども実施していますが、人員不足の状態が解消していません。東京都に近く競争の厳しい立地条件のため、職員の満足度を上げて職員紹介制度などを通じた人材確保等の取組が期待されます。職員にキャリアアップ研修の受講を推進し、対象者に専門リーダー資格の取得を支援しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は、人事基準を明確に定めています。職員は年2回園長・主任と面談し、専門性や職務遂行能力、職務に関する成果、貢献度等が評価されています。人事基準は公表されていますが、面接後に評価の結果が告知されていません。評価基準を明示して、面談結果を本人に告げ、現在の課題や今後の目標を相談する等の取組が期待されます。「職員の心得」が配布され、職員は業務規範を学んでいますが、「期待する職員像」の明示や自ら将来の姿を描けるような総合的な仕組みはありません。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は、職員の有給休暇取得状況や時間外勤務の実態を月初に把握し、就業状況を確認しています。有給休暇は有給申請簿で申し出ます。子育てや介護などで休暇の希望を申請した場合は、通常休みが取得できる環境にあり、職員同士がお互いに休日を調整し合っています。新入職員には担当者をつけて、職員の保育経験等によりOJT期間を設定し、指導に当たっています。人材の確保、特に常勤職員の増員を課題としています。職員体制の充足により組織の魅力を高め、働きやすい職場づくりへの取組が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は年度末に、園及び保育士個人としての自己評価を行い、園長と面談をしています。以前は、年間目標を設定し、前期終了時及び後期に園長と面談で振り返りを行っていました。現在は職員の負担に配慮し、前期終了時の面接は中止して、年度末の自己評価を行っています。今後の目標管理の取組方を現在検討中です。職員一人ひとりの育成に向けた目標管理制度の趣旨や内容を職員に周知し、目標管理制度が活かされる体制づくりが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の教育・研修に関する基本方針は「全体的な計画」等に明示され、実施されています。園ではキャリアアップ研修に取り組み、個人別に対象となる8講座について、受講済・未受講の管理を行い、対象者はほぼ専門リーダー・分野別リーダーの資格を取得しました。研修は相模原市主催や短期大学主催、保育研修業者主催など多岐に渡り、園では研修受講料等を支援しています。勤務時間の制約のため非常勤勤務になっている職員に対する外部研修が実施出来ていません。今後は非常勤職員に対する研修の実施が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

園では今年度までキャリアアップ研修を主体に教育の機会を確保し推進してきました。キャリアアップ研修は外部で実施されており、園では対象の職員が受講できるよう勤務シフトを組み支援しています。キャリアアップ研修の受講履歴は個人別に把握されていますが、これまで他の階層別研修や職種別研修、テーマ別研修等、外部研修等の職員個々の研修履歴の管理が弱く、個人別年間研修計画がありません。今後、相模原市等で実施している階層別研修への計画的な研修参加と、非常勤職員の教育・研修の実施が期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

新型コロナ感染予防対策を実施しつつ、実習生やインターンシップを受け入れています。申し込みは学校から園に直接申し込んでもらっています。実習生受け入れに関しては、マニュアルを整備し、オリエンテーションを実施しています。事前の面談で、どのクラスの実習を経験してきたかを確認し、実習生の希望も踏まえ、実習クラスや内容などを決めています。主任・副主任は相模原市の実習生受け入れに関する研修会に参加し、プログラム等を準備しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人ホームページでは理念や保育方針、保育目標、財務内容などを毎年掲載していますが、今年度は事業計画が掲載されていません。ホームページには園内の写真や保育園の一日、年間行事など、パンフレットには保育の理念や保育目標、開園時間などを記載しています。地域支援活動として毎週木曜日に園庭開放・園内開放などを実施しています。第三者評価の受審結果は玄関に冊子を置き、閲覧が可能です。今後、園の事業計画を公開し、自治会等と連携して地域に対しての基本方針やビジョン、役割等を明確にされることが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われています。園における事務・経理は担当者が実施し、園長が管理しています。園での取り扱いは小口現金のみで、出金は全て法人が管理しています。法人は公認会計士による監査を実施し、監査結果をホームページで公開しています。園における事務・経理・取引等に関するルールは保育士等には周知されていません。また、園に対する法人の内部監査は実施されていません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

新型コロナ感染予防により、感染の状況を見ながら地域との交流を行っています。コロナ禍以前は、読み聞かせのボランティアが来所して、紙芝居風にお話を聞かせてもらったり、地域のグループホームと交流し、歌やダンスを披露しています。グループホームの高齢者とは敬老の日にメッセージを渡したり、ハロウィンイベントでメッセージをもらったりして交流しています。コロナ禍以前は自治会の餅つき大会や公園清掃等に参加し、地域の人々との交流を行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れの体制を整えています。現在コロナ禍で外部からの来訪者は基本的に受け入れていませんが、今後は情報収集を積極的に行い、ボランティア受け入れを進めたい意向です。地域の学校教育などへ協力・連携しています。インターンシップも実施して、例年夏休み頃に保育や食事の体験をしてもらっています。保育では3歳以上児での実習となっています。参加者にオリエンテーションは実施していますが、研修や支援活動は出来ていません。入所時は保護者に知らせています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもにより良い保育を提供するために必要となる関係機関・団体への連絡などは園長・主任が対応しています。個々の子ども・保護者の状況に対応できる社会資源を把握し、職員会議で説明するなど、職員間で情報の共有化が図られていますが、リストなどの資料は作成されていません。課題があった際は、相模原市南子育て支援センターに相談・通報し、情報交換をしています。これまで具体的な取組を実施した事例はありません。関係機関のリスト作成や掲示を実施し、職員に虐待発見時の通報義務等を改めて研修・周知することが期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

相模原市私立保育園園長会が毎月開催され、保育に関する地域の課題等の話し合いや研修を実施しています。普段は在園していない乳幼児も、災害時などに保育園で一時預かりをするシステム「災害時乳幼児支援ステーション」を相模原市私立保育園園長会が考案し、災害時の育児支援協定を市と締結しています。園は現在近隣4園共同で災害時の対応施策を準備しています。今後、民生委員・児童委員等との連携強化や、地域に対する定例的な育児相談会などの実施により、地域の具体的な福祉ニーズの把握が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍以前は市・自治会主催の「地域防災ネットワーク」に参加し、防災連携の話し合いや、防災訓練等を共に実施してきました。コロナ禍で昨年から開催が中断しています。東日本大震災時の現地の教訓からスタートした「相模原市災害時乳幼児支援ステーション」事業に参加し、災害時は在園していない子どもも一時預かりするなどの計画を立て、準備しています。自治会や近隣住民等と、災害時の協力体制の構築に向けた話し合いの実施が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

性差により、色を変えたり、活動を分けたりすることはせず、固定的な対応をしないよう配慮しています。外国籍の子どもも在籍していますが、自然な様子で周囲の子どもたちから受け入れられ、クラスの中に溶け込んでいます。子どもの尊重については、「一人ひとりを大切にする」事が理念とされています。利用者の基本的人権尊重に関する基本姿勢を明示し、保育計画に反映される事が期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもの人権に関するマニュアルがあり、プライバシーの保護に関しても職員間で共有しています。夏季の屋上でのプール活動の際には、目隠しをし、プライバシー保護対策を講じています。土曜日の異年齢での合同保育は、乳児の保育室を使用しています。トイレに扉がない乳児用の設備のため、年齢の高い子どもへのプライバシー保護への配慮が期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

来園した見学者にはパンフレットを渡していますが、園外への配架等はなく、多くの保護者が情報を得ることができるのは法人が作成しているホームページとなっています。見学は随時受け付けていて、個別に園内を案内したり、説明を行っています。法人ホームページに掲載されている「保育理念」・「保育方針」は、保育園として掲げているものと違っているため、適宜見直すことが必要です。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

「入園のしおり」「重要事項説明書」を用いて保護者にわかりやすく説明をし、同意を得ています。年度始めにクラス懇談会を開催し、園長が保育や運営について説明を行っています。年度末にも懇談会を実施し、年長クラスについては、就学に向けての説明などを行っています。行政の指示により、新型コロナウィルス感染防止への対応のお知らせを配布しました。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の利用が終了した後も、保育所としては相談を受けることを歓迎しています。卒園児童が保護者と一緒に顔を見せに来てくれたり、運動会に招待したりする事があります。就学時の保育要録については、研修に参加したり、定められた文書で作成し、小学校へ引き継ぎを行っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で子どもの満足状況を把握し、保護者には満足度調査を行っています。園長または主任が個人面談に同席し、保護者の意向を聞きとっています。行事に関するアンケートを毎年実施していますが、保護者の要望を明確にするため、項目の工夫を検討しています。過去に実施したアンケートの事例として、「リレーをやってほしい」と言う意見があり、職員で意見を出し合い検討した結果、実現しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制が整えられ、保護者にも周知されています。入園のしおりに記載して入園の際に保護者に説明を行うほか、玄関のコーナーに配架し、保護者が閲覧できるようにしています。ご意見BOXが用意されていますが活用されていません。全クラスに連絡帳があり、保護者は相談や意見をいつでも園に伝えることができます。出された意見については、職員間で話し合い、対策を検討し、対応する姿勢はありますが、公表することは出来ていません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制についてのお知らせでは、第三者委員始め、他の機関も記載されています。送迎時には、限られた時間の中で保護者とコミュニケーションを取り、話しやすい雰囲気づくりを心掛けています。個人面談や相談記録などの記録があり、朝の職員会議で共有しています。保育室以外の部屋が多くあり、個室で保護者と面談をすることが可能です。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

日頃から話しやすい雰囲気を心掛け、保護者とコミュニケーションを取っています。連絡帳に相談や意見があった場合は、園長・主任に報告し、すぐに対応しています。対応についてマニュアル化はされていませんが、すべてのことが速やかに園長・主任に報告、連絡される体制となっています。対応に差異が生じないよう、組織としての対応方法の明確化が期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

毎月避難訓練を行い、リスクマネジメントの責任者は園長となっています。避難訓練担当が安全チェックや設備等のリスク管理を行い、安全管理について職員会議で話し合う体制を取っています。相模原市や国からの通達、事故事例などは、職員間で共有しています。建物の構造上、階段が急傾斜であったり、外部からの侵入が容易であったりするため、より実効的なリスク管理が望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対応マニュアルがあり、また、相模原市・厚生労働省の感染症ガイドラインを使用して職員に周知徹底を図っています。ガイドラインは改訂されるので、その都度定期的な見直しが必要です。嘔吐物の処理について内部研修を行い、処理方法を共有しています。感染症発生時にはお知らせボードで保護者に発生状況を知らせています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

危機管理マニュアルには、様々な災害に際しての対応がフローチャートで示されています。職員が閲覧し、理解するようにしています。毎月、様々な災害を想定した避難訓練を行っています。自治会の防災会議にも出席し、つながりを持っています。防災に関する連携園が近隣にあり、災害時にはお互い助け合える体制が作られています。備蓄リストが作成され、園長が管理しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:c】

必要とされるマニュアルは揃えられていますが、保育について職員の経験、レベルによって差が出ないような具体的な実施方法を文書化した手引や手順書はありません。まずは、現行のマニュアルに、実際の保育の実施方法を定め、職員が共有する取組が求められます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:c】

標準的な実施方法が園として決められていてこそ、職員が実際に行えているかどうかを検証することができます。まずは、実際に行われている手順が、子どもの尊重や権利擁護に見合ったものか検証し、職員や保護者の意見を反映させたうえ、園としての手順書の作成が望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画立案の責任者は園長がとなっています。全体の計画が作成され、それに基づいて長期計画(年間保育計画)から短期計画(週案)まで、細やかに立案されています。入園時には調査票があり、アセスメントが行われています。指導計画や日誌には「子どもの姿」を基に「評価反省」が行われ、次の計画に反映される仕組みが確立しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

園としての標準的な実施方法が確立していないため、指導計画との関係性が明確ではありません。ただ、職員会議などで職員間の話し合いが活発に行われており、日々保育の見直しが行われています。行政からの指導で最低基準の見直しをするばかりではなく、「保育の質の向上」という観点からの見直しも期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

個人ごとに児童票があり、記録は施錠できる書庫に保存され、閲覧はいつでも可能です。乳児・障害児は個別指導計画があり、評価反省も行われています。毎朝10分間のミーティングで、子どもに関する情報を共有しています。毎月職員会議が開かれ、ケースについての話し合いや共有が記録されています。その他にリーダー会議があり、状況を共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人として個人情報保護規定があり、職員にも周知されています。様々な個人情報は事務室の鍵のついた書庫に収納されています。日頃から個人情報の管理については、ミーティングや職員会議で共有しています。記録管理の責任者は園長です。保護者とは、子どもの写真の取り扱いや掲載について説明し、入園の際に書面で同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画には「保育理念」や「保育方針」、「園の保育目標」、「子どもの保育目標」が記載されています。保育指針にある「保育の目標」などは、そのまま指針の文面通り記載されています。園の計画は、その趣旨を捉えて作成することが必要となりますが、現状では園としての計画に反映されていません。保育所保育の基本という指針の趣旨を捉え、保育園として創意工夫や一貫性のある計画を構成することが求められます。盛り込むべき内容を咀嚼し、整理していく作業を期待します。全体的な計画は園長が作成していますが、保育に関わる職員の参画がありません。定期的な評価と次の作成に生かす作業も期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

室内は、快適に過ごせるように保たれています。窓が多く、採光や換気も十分に行われています。1階の0、1、2才児クラスは曇りの網入りガラスで覆われていて、外の様子が見えないことを改善の課題と考えています。保育室には手作りおもちゃがあり、0才児のスペースでは、コーナーを設置したり、鏡をつけたりと工夫しています。清掃も行き届き、寝具は幼児がコット(簡易ベッド)、乳児は布団を使用しています。ホールもあり、園全体はゆったりとしていますが、クラスによっては、一人ひとりがくつろいだり落ち着けるスペースがないと感じています。園庭はありませんが、屋上でプール遊びができ、隣接する公園で低年齢児も安心してゆっくり遊ぶことができます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもに対する「言葉がけ」を大切にしていて、内部研修で取り上げたり、倫理規程にも具体的に例をあげ、使ってはいけない言葉が示されています。職員会議で確認しあい、保育の場面で実践しています。外国籍の子どもや障害のある児童に対しては、全体への指示が理解できずに動けない場合がありますが、個別に丁寧に言葉をかけ、行動を促しています。保育士は基準より多く配置され、一人ひとりに寄り添って言葉がけをしています。3~5才児は合同保育を行い、異年齢集団での生活や活動が多く、3クラスの担任が協力しながら個々の育ちに合わせた保育を進めています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画には、基本的生活習慣を身に付ける事ができるよう、年齢なりの課題が取り上げられていてます。トイレトレーニングに関する決め事はありませんが、保護者と連携を取りながら、その子に応じて進めています。やりたいことを大切にという方針で、一人ひとりのやる気やできることを大切にしながら、さりげなく援助することを実践しており、子どもたちから求められた時に、援助や言葉がけを行っています。3、4、5才児は水筒を持参して、水分補給を行うなど、日常的に自分で考え、判断することに取り組んでいます。保育室の入り口には上着掛けがあり、自ら取りやすいように配慮しています。生活環境の整備は、気づけば常に改善の検討を行っています。手洗いしやすいように、手洗い場のリフォームを予定しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

隣接した公園には大きな銀杏の木があり、土管など素朴な遊具が配置され、走り回ったり落ち葉を拾うなど、のびのびと自然とふれあい、探索活動を行っています。隣接する集合住宅の自治会とは、良好な関係性の下、交流が行われています。室内にはブロックなど、創造的な遊びができる環境が用意されています。周辺には公園が多く、徒歩での遠足や芋ほりなど、豊かな自然の中で保育活動ができる環境にあります。園の保育目標の中でも特に「主体性を育てる」事を目指し、様々な取組を行っています。発表会では子どもたちの話し合いをもとに、友だちと協同して取り組んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

担当制は採用していませんが、少人数のクラスで、愛着関係が形成されています。定員に満たない児童数でも定数の保育士を配置し、ゆとりのある保育を実践しています。保育室は安全に過ごせるよう、マットを敷き、ロッカーの角にはクッション材を貼っています。保育士が工夫してコーナーで仕切り、じっくり遊べるようにしています。探索活動をしやすいように仕掛けやスペースを作っています。手作り環境で、テープの剥がれがあり、誤飲防止の注意が必要です。消毒できない素材であったり、1、2才児との保育室の共有については、感染症対策に配慮が求められます。連絡帳は複写式で、家庭と子どもの様子を共有し、連携を密にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

建物の構造や設計上、保育室は奥まったところにあり、外の景色が見えない環境を課題としています。ワンフロアを仕切って保育を行っており、限られた保育室の環境でも探索活動が十分できるよう、押し入れ下のスペースを工夫して、隠れ家的なコーナーを設置しています。公園が隣接しているため、戸外活動が十分行える環境があり、保育士が見守る中、のびのびと遊んでいます。連絡帳で家庭との連携が図られ、また、引き継ぎノートや朝のミーティング、職員会議などで職員間の共有が行われています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3、4、5才児は各クラス10名程度で、合同での活動や生活が多く、3クラスの担任が連携を取りながら環境を整えています。週案は3クラスで作成し、見通しをもった集団での活動が計画されています。週1日外部講師による空手、英語の指導があります。英語については、子どもたちにとって楽しい活動になっているのか、職員間で検証し、話し合い、来年度以降に向けて検討されています。小学校には電話等で、就学児童の様子を伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害児の保育には、職員を多めに配置し、個別に対応できるようにしていますが、登ってしまうような危険な箇所には囲いを作るなど対策を施しています。一人になれる空間や落ち着けるスペースの確保が難しく、環境面での課題となっています。保護者への伝達は細かに行い、情報を共有していますが、保育者と保護者との連携について、まだ不十分と感じており、今後の課題としています。障害のある子どもについては、アセスメントが行われ、個別の計画が立てられていますが、保護者と共有することはできていません。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

延長保育は平日18時~19時となっています。全体の計画や年間指導計画・月案には延長保育・長時間保育への配慮が記載されています。クラスでも、ミーティングの際に、長時間保育の過ごし方などを検討しています。連絡ボードに連絡事項を書きとめて担当の保育者に渡し、伝達事項のくい違いや伝達もれなどがないように配慮しています。時間によって異年齢での合同保育になるため、低年齢の子どもが一緒に遊ぶことを踏まえ、安全で適切な玩具を出すようにしています。時間に見合った補食として菓子類のおやつの提供があります。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

接続期の保育は、アプローチカリキュラムや10の姿が指導計画にとりあげられ、それに基づいた保育が行われています。小学校で開催される「秋フェスタ」に参加したり、小学校1年生を招待するなど交流を行っています。戸外活動の際には、連携小学校だけでなく、他の就学予定の小学校にも行き、校庭で遊ぶ小学生を見るなど小学校生活をイメージできるような機会を持てるように配慮しています。相模原市で幼保小連携を目的とした研修会があり、年長児担当職員が参加し、意見交換や交流をしています。2月中に保護者と就学に向けての面談を実施したり、午睡をしない日を設けるなど就学へ向けての取組を行っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の検温などの時間は決められていますが、健康管理マニュアルや手順書は作成していません。怪我報告書を作成し、担任が保護者に直接伝えられない場合も、怪我をした時の様子、原因、怪我をした部位をしっかり伝えられるようにしています。入園時には、児童家庭調査を提出してもらい、既往症や予防接種の状況など、保護者から健康に関わる情報を得ています。個人面談の際には母子手帳を持参して見せてもらい、予防接種の状況を追加するなど、必要な情報を常に得るようにしています。保健計画は作成していませんが、毎月法人看護師による「保健だより」が発行されていて、保護者へ情報提供しています。入園のしおりにはSIDSについて記載があり、午睡時の呼吸チェックも決められ、行われています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

身体測定を毎月、健康診断は隔月、歯科健診は年2回実施しています。各健診の結果は、職員会議や朝のミーティングにおいて職員間で情報共有し、記録し、適切に保管管理をしています。保護者にはその日のうちに結果を伝え、結果によっては病院の受診を勧めています。健康診断・歯科健診の結果が保健に関する計画等に反映され、保育に生かされるような事例や取組はありません。年間指導計画では、健康に関する「ねらい」が立てられていますが、領域としての「健康」には反映されていません。絵本や紙芝居を通して、子どもたちが健康に興味を持てるような取組を行っています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人としてのアレルギーガイドラインがあり、それを使用して運用しています。除去やメニューの変更については読み上げ、全体に周知できるようにしています。園で対応できないメニューについてはお弁当の持参で対応しています。アレルギー児に対しては、誤った食事を提供しないよう、最初に配るようにしたり、トレイや食器の色を変えたりしています。給食室からの受け渡しの際、ガイドラインとの相違があるので見直しが必要です。エピペンの使い方やアレルギー児への対処方法を職員研修で共有しており、全職員が対応できるようにしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画、月案では、食育の内容が記載されています。食事のスペースはゆとりがあり、落ち着いて食事をとっています。食育に関する絵本や紙芝居が豊富に用意されていて、食べ物の出てくる絵本を見せながら、共感できるような言葉がけをしています。トマト、なす、きゅうり、オクラなどの野菜を栽培し、食育に役立たせています。子どもたちは、食べられる量を調整したり、お代わりをすることもできます。給食だよりを毎月発行して情報提供を行い、毎日給食サンプルを展示し、保護者と連携を図っています。保育ボランティアで保育参加が行われる際には、保護者は給食の試食をすることができます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

給食メニューは月2回のサイクルメニューとしています。麦ごはんを取り入れたり、旬の食材を使用したり、月1回「おたのしみ給食」を実施するなどの工夫をしています。残食調査や給食会議を行い、献立や調理の工夫に反映しています。給食会議での話し合いをもとに、子どもたちにとって食べにくいレバーなどを調理方法や味付けの工夫で人気メニューとなった事例があります。給食は栄養士、調理員共に委託業者によって調理されており、実際の食事の様子を見たり、子ども達とのふれあいを持つことが少ない状況です。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

各クラス連絡帳があり、家庭と連携しています。送迎時には、その子の様子を伝え、健康に過ごせたり、成長が感じられるような話をしています。早番遅番で伝えられない保護者には、連絡帳で日々の様子を伝えています。懇談会は、それぞれの子どもの様子を聞いたり情報交換の機会となっていましたが、コロナ禍以降実施を見合わせています。園だより、クラスだよりが発行され、保育内容や保育の意図を保護者に伝えています。ドキュメンテーションを作成し、掲示して保護者に保育の様子を伝えています。家庭の状況や情報交換の内容は、朝ミーティングで共有され、ノートに記録されています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

送迎時に保育園での様子を話し、コミュニケーションを取る様にしています。個人面談が行われ、16:00~16:30の間一人15分程度の時間を取っています。クラス担任と園長もしくは主任が同席し、保育士では対応できない相談について、適切な助言を行っています。保護者からの希望で行われることもありますが、あらかじめ保育園で聞きたいことをまとめておいてもらい、限られた時間を有効に使えるようにしています。相談記録、個人面談記録が保管されています。クラス懇談会は、年度始めや終わりに実施され、園長が保育の説明を行っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待防止マニュアルがあります。相模原市が作成した「児童虐待早期発見・対応の手引き」があり、それに基づいて取組が行われています。緊急時対応のフローチャートが作成されていますが、園長・主任に速やかに伝えられ、対応をする体制が作られています。自宅での怪我は必ず理由を聞くようにし、身体測定時全身をさりげなく見て、あざ等がないかを見るようにしています。また、育児等で悩んでいる家庭には、面談をして話を聞き、保育時間の相談など保育園で協力出来る事は積極的に提案するようにしています。虐待防止についての研修に副主任が参加し、研修後、園内研修として職員で共有しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育日誌、月案に、評価反省の欄があり、日々・1ヶ月ごとに保育を振り返り、良かった点、改善した方がいいと感じる事などが記載されていて、次の日、次の月の保育に生かしています。複数担任のため、それぞれがどうかかわりたいかを話し合い、保育に反映させています。個々の保育士が行う保育実践についての自己評価は年度末に実施され、それをもとに園長・主任が、職員一人ひとりと面接を行っています。個々の自己評価をもとに職員相互で話し合ったり振り返りを行い、園全体の自己評価につなげるような取組が期待されます。