社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ナーサリースクールT&Y本郷

2023年04月19日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ナーサリースクールT&Y本郷 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 78名(69名) 名
所在地 243-0417
海老名市本郷2693
TEL 046-259-8631 ホームページ http://www.satori-hoikuen.com/ty-hongo/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人さとり
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:9 名
専門職員
園長:1 名
主任:1 名
保育士:16 名
保育補助:1 名
園務員:1 名
施設・設備の概要
保育室:2室
トイレ:2カ所 
調理室:1カ所
事務室:1室
医務室:1室
園庭:あり

③ 理念・基本方針
【保育理念】子ども一人ひとりを大切にし、保護者との一体感を持ち、地域との交流を深め、愛される保育園を目指す。   

【保育方針】豊かな人間性を持った子どもを育成する。                                

【保育目標】 
・心身ともに豊かな子ども
・たくましい身体づくり
・思いやりのある子ども
・意欲を持つ子ども
・自分で考えて行動出来る子ども                                   

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園は最寄りの駅から徒歩20分程度で交通の不便さはありますが、園周辺は田んぼや畑があり四季折々の雰囲気を味わうことが出来る環境です。近隣には大小さまざまな公園や小学校、中学校、コミュニティセンターも近くにあります。また園近くに流れる川沿いには遊歩道があり、散歩コースに利用したりと自然環境にも恵まれています。そういった環境のなか下記の取り組みを行っています。

屋外活動の充実・・・園庭もありますが天気の良い日は近隣の公園へ散歩へ出かけます。目的やその日の状況に応じて散歩先を決め、幼児クラスでは子どものリクエストで散歩先を決めることもあります。行き帰りの交通ルール、マナー、約束事も学んでいます。行き帰りには地域の方々への挨拶もしています。近くに新幹線を見ることができる公園があり子ども達に人気のスポットになっています。園近くの川沿いの遊歩道は歩行者の通行も少ないので自然観察やかけっこ、散歩にも活用しています。


食育活動への取組み・・・・園から幼児の足で20分ほどのところに自園の畑を持っています。畑ではサツマイモを中心に季節の野菜を栽培しています。種まき、水やり、観察、収穫、を体験しています。収穫した野菜は、触れる、スタンプに使う、絵を描く、調理するなど年齢に応じて保育に取り入れています。収穫物を使用したクッキング活動や給食提供で食への興味・関心を育てる取組を行っています。
 
今年度の取り組み・・・コロナ禍で、改めて健康である大切さを感じた為、今年のテーマを「心身ともに健康な体づくり」にしました。子ども達には食育・体の使い方など自分が健康であるためにどうすれば良いかを考えるような保育を年齢に応じて無理のないように行うよう取り組んでいます。
基本的に子ども自身のやりたい気持ちを尊重して実施しています。気分が乗らずやりたくない、参加したくない子どもには別に保育者が対応して気持ちが落ち着くまでやりたい遊びができる環境をとっています。保育者との関わりのなかで、誘ってみたり、子どもが興味を持てそうな声かけや働きかけはしますが、子どもの気持ちを優先にするようにしています。年齢、個々の成長や状況に応じての対応がとれるようにしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/09(契約日) ~2023/03/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)豊かな自然と触れ合う保育
天気の良い日には全クラスが散歩へ出かけ、積極的に戸外活動を行っています。恵まれた自然環境の中、園周辺は田畑が広がる環境で、満足するまで遊びこめるようにしています。人数分の虫かごや網などを用意して野原で虫取りをし、用水路で捕っためだかを園で育てています。拾ったどんぐりと紙粘土でケーキを作ったり、自園の畑の芋づるでクリスマスリースを作るなど、自然との触れ合いで自由で豊かな表現を生み出しています。また、毎日の散歩は子ども達の丈夫な体づくりにもつながっています。近隣には保育所専用の畑があり、子どもたちが野菜の栽培、収穫に利用しています。採れたサツマイモは焼き芋にしておいしく食べています。

2)生活を豊かにする保育環境
園は、鉄筋コンクリート2階建の建物で、周辺環境に溶け込むデザインを意識したものになっています。各保育室は大きなガラス戸越しに明るい陽光が入り、広いテラスに直接出られる開放感のある構造になっています。このテラスは建物を一周しているだけでなく、スロープや階段で1階から屋上までつながっており、子どもたちの冒険心を刺激します。天気の良い日には、広いテラスにテーブルを出し、外で食事を楽しむ事もできます。玄関を入り2階へ昇る階段下に絵本コーナーがあります。そこに設置した大きな水槽には、キラキラ光るきれいな魚が群れをなして泳いでいます。子どもが落ち着いて過ごせるよう工夫した空間となっています。

3)事業計画の職員周知
事業計画は法人が策定しており、法人ホームページで公開しています。職員の計画策定への参画がなく、周知も不十分です。保育の質の向上に向けての経営課題の解決のためには職員の参画や情報共有が必要です。事業計画策定に職員が参画したり、経営改善について情報共有するなどの検討が期待されます。

4 )保育理念、保育方針の保護者や職員への周知
保育理念、保育方針の保護者周知が不十分です。保護者と職員が一体となり連携して保育を進めることが必要です。保育理念、保育方針に基づき、保護者と職員で保育の考え方や姿勢を共有する事が前提となります。保護者に丁寧に説明し、理解を深める取組が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度、第三者評価を受けさせていただき、運営や保育内容を振り返る良い機会となりました。豊かな自然に恵まれた環境の中にある保育園なので自然と触れ合い子どもたちが五感で楽しめるような保育を目指しています。職員が工夫しながら行っている保育内容も認められて今後の励みになります。
 これからは保育の質の向上に向けて職員と経営課題を共有してより良い保育を目指していこうと思います。また、コロナウイルス感染症予防の為、懇談会など保護者へ情報提供する機会が少なかったので、今後は保育園の方針等発信を意識して理解を深める取り組みを増やしていきたいと思います。
 新たな課題も明確になったので、記載されている内容を理解して、今後は職員と課題解決に向けて検討していきたいと思います。
 第三者評価を受けたことで新たなスタートを迎えることができるよう今後も努力していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念、基本方針、保育目標が玄関、事務室に掲示され、職員や保護者等がいつでも確認できるようになっています。「保育園のしおり」や園のパンフレットにも記載してあり、保護者には入園説明会で「入園のしおり」をもとに内容を説明しています。職員会議では園長から折に触れて理念等に関して話をしています。園長は、園だよりを活用して、理念に基づく保育について語り、保護者の理解が進むように努めています。しかし、理念や基本方針の周知状況について確認するなどの継続的な取組について十分なものとはなっていません。今後の取組が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

保育所の位置する地域は、最寄り駅から距離があり、工場や倉庫等が多く立地し、子どもの数がそれほど多くはないという状況を把握し分析しています。そのため園児の確保が課題であり、今後、子ども・保護者から選ばれる保育所となる工夫が必要と考えています。法人の方針として、経営、コスト分析、経理処理等は法人で行い、保育現場は保育に専念する体制をとっています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:c】

人材の確保と育成に取り組んでいます。保育所は、交通の便に恵まれていない地域にあることなどで、人材の確保が課題になっており、派遣職員や非常勤職員で人員体制を整えています。また、市が主催する就職セミナーに参加して園の紹介に努めるなど積極的な採用活動を行っています。法人は事業計画に経営課題として掲げていますが、保育現場への説明がありません。経営に関することは法人が担当するという方針ですが、保育現場にも情報を伝え、共通認識を持って取り組むことが望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人が、中・長期の事業計画を策定し、「サービスの向上」、「組織の強化」、「人材の育成と強化」を掲げています。ただし、事業計画の裏付けとなる収支計画の策定がされていません。また、中期事業計画の内容は現場では十分把握されていないため、経営課題の解決に向けた具体的な内容や実施状況の評価等は確認できませんでした。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人では、中・長期計画に基づいた単年度の事業計画と収支計画を策定しています。その事業計画には、中・長期の事業計画と同様に、「サービスの向上」、「組織の強化」、「人材の育成と確保」の項目を掲げ、具体的な取組内容を記載しています。しかし、保育現場ではその内容を共有していません。保育所で作成している行事計画は具体的な内容になっていますが、事業計画としては不十分です。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

園の行事計画は、前年度の実施状況を踏まえ、職員会議で意見交換して策定されています。中・長期の事業計画及び単年度の事業計画は法人で策定されています。策定過程に職員の参画はなく、策定後も説明や情報提供が不十分です。法人作成の事業計画の内容を保育現場でも共有し、実施される体制づくりが望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

毎月発行の園だよりは、各月の行事や保育の内容について記載し、保護者に周知しています。年度始めの園だよりでは、今年度の園目標について説明をしています。保護者に行事参加を促す観点から、年度始めに年間の行事日程表を手渡しています。コロナ禍により、保護者懇談会を開催しての説明・周知はできていません。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

指導計画に基づく保育実践の振り返りについてクラスごとに話し合い、各指導計画の振り返りや評価の欄に記載しています。園長、主任保育士はその内容を確認し必要に応じて指導やアドバイスをしています。話し合いや振り返りの結果を踏まえて次の指導計画の作成につなげています。年度末には「年度の振り返り」として、「保育計画」、「保育環境」、「危機管理」、「地域との連携」、「小学校との連携」の項目ごとに振り返っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

評価結果に基づく課題は、職員間で共有されていますが、明確な文書化がされていません。課題については、事業計画の中で位置づけを行い、法人と連携して改善に取り組んでいます。しかし、職員参加のもとでの改善計画策定や計画的な改善の取組とはなっていません。自己評価の結果に基づく課題について文書化し、明確にすると共に、職員参加のもとでの改善計画策定と取組ができる体制の整備が期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、年度始めの職員会議で年度の方針を説明しています。また、毎月発行される園だよりを活用して、園長自らの保育内容の考え方を表明しています。事務分掌表があり、園長の権限、責任等について明確に定められています。園長不在時は、主任保育士に権限委任することも定められています。しかし、事務分掌表についての、職員への周知が不十分です。園長の権限、責任、役割を明らかにすることが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、関係法令、就業規則、職員の心得、各種マニュアルを理解して、利害関係者と適正な関係を保持するよう努めています。研修機関が実施する「園長研修」を受講し、法令遵守について学んでいます。職員に対して職員会議の場等で法令遵守について説明したり、関係規程等をファイル化して事務室で職員がいつでも確認できるようにしています。また、牛乳パックやダンボール等の廃材を子どもの制作活動に活用するなど環境への配慮も意識しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、指導計画に基づく保育士の振り返りを確認するなど、必要な指導、アドバイスを定期的、継続的に行っています。特に、子どもへの声がけは、子どもを尊重しているかに気を付けています。職員は交代で毎月の避難訓練、危機管理点検、会議の司会等の担当を分担し、年間の行事の担当者も定めて組織的な取組をしています。職員会議等での職員の意見を保育の質の向上に反映しています。職員は研修を受講できる機会を確保されていますが、必要な研修が計画的に受講できるよう、体系的な研修計画の策定が望まれます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、保育所運営に必要な人員配置や職員の働きやすい環境整備に努めています。組織内に行事担当等を設置し、組織的な運営に取り組んでいます。ICTシステムを導入して登降園管理や請求・支払い業務に活用するなど、業務の実効性を高める取組をしています。保育士が保育記録を作成する時間を確保するため、フリーの保育士を配置し、超過勤務が発生しないようにしています。また、職員が有給休暇を取得しやすくしたり、休憩時間を確実に確保できるようにするなどの配慮をしています。園長としてさらに経営の改善に向けた積極的な関わりが期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の事業計画に人材の育成と確保の考え方及び保育所の人員体制が示されています。人材確保のため市主催の就職フェアに参加したり、養成校を訪問しています。また、派遣職員や非常勤職員の受け入れにより人員体制を整備しています。今後、法人と連携し、実習生を積極的に受け入れて養成校との関係を深めるなど、さらなる人材の確保が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員の専門性や職務遂行能力等は、知識及び技術等の評価項目ごとに評価を実施しています。職員の処遇水準については、人材確保の観点からも検討しています。勤務条件等を規定した就業規則は、職員がいつでも確認できるように事務室に常備しています。しかし、異動、昇進、昇格等に関する人事基準は職員に周知されていません。さらに、職員が自らの将来を描く事ができるキャリアパスの明確化が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は、職員の有給休暇の取得状況や超過勤務の状況等を確認するなど、労務管理に当たっています。職員との個別面談を実施したり、日常のコミュニケーションにより、職員が相談しやすい環境に心掛けています。法人はハラスメント対策の相談窓口を設置しており、事務所内に掲示するなど周知をしています。休暇を取りやすい環境にしてワーク・ライフ・バランスに配慮しています。福利厚生事業として、契約保養施設、職員寮、家賃補助の制度を用意しています。人材確保・定着の観点から、さらに働きやすい環境づくりに関する取組が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、年度当初に年間目標を定めて、12月と年度末の園長との面談で目標の達成状況について確認をしています。しかし、目標設定の前提となる「期待する職員像」の明確化がなされていません。また、目標項目の他に目標水準、目標期限が明確にされる事が必要です。今後の取組が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の作成した事業計画には「職員研修について」として、「研修受講の課題」や階層別の「受講目的」を明らかにしています。外部研修として、キャリア別、年齢別、専門講座、地域支援、部門別、キャリアアップの研修計画が明記されています。また、園内研修として、個人情報保護、ハラスメント、ヒヤリハット、感染症等の計画がありますが、計画通りの実施がなされていません。職員の計画的な研修受講のために、スケジュール等を明確にした具体的な研修計画の策定が望まれます。職員研修実施の前提として、「期待する職員像」の明確化も必要です。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

職員は、キャリア別研修、年齢別研修、テーマ別研修、キャリアアップ研修等を受講できるように配慮されています。外部研修については、その都度職員に周知して必要な職員が参加できるようにしています。職員が外部研修に参加する際には勤務扱いとし、受講費用も法人負担で、参加しやすい環境になっています。新任職員等は、業務の習熟度に応じて先輩職員等がOJTを実施する体制になっています。今後、スケジュール等を明確にした具体的な年間研修計画の策定と、園内研修の計画的な実施が期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

法人の事業計画には、「人材の育成の確保」として、「実習生の積極的受け入れ」が記載されていますが、これまでに受け入れ実績はありません。実習生受け入れのマニュアルやプログラムの用意もない状況です。実習生受け入れなど福祉人材育成への協力は、保育所の社会的責務の一つでもあります。体制を整備すると共に、養成校に働きかけるなど、実習生の積極的な受け入れが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人ホームページには、事業計画、事業報告、財務諸表について公開しています。保育理念や基本方針は、保育所玄関や事務室に掲示し、リーフレットに記載しています。苦情相談の体制は玄関に掲示すると共に、「保育園のしおり」に明記しています。自治会活動に参加して保育所の役割等について地域の理解を得られるように説明をしています。市役所には、手作りの保育所紹介のポスターを掲示し、地域への周知に努めています。今後は、苦情・相談の申出者等の意向を配慮しながら、その内容と対応、改善の状況を公表することが望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園長、主任保育士、保育士等の職務分掌等は、運営規程や職務分担表で明確にされ、職員に周知しています。保育士の負担軽減のため、経理や事務作業は法人で担当していますが、小口の物品購入等の事務は園長が行っています。園長は法人に月次報告を送り、適正な執行に努めています。毎月税理士による監査支援を受けると共に、外部監査も入り、適正な経営・運営が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念や全体的な計画に子どもと地域との交流を位置づけています。近隣の老人ホームに敬老の日やハロウィンの機会に訪問し、歌を披露するなどして入居者と交流をしています。近年はコロナ禍で訪問ができていませんが、子どもたちが制作したものを届けています。散歩では地域の人と声を掛け合って交流をしています。また、畑で収穫した芋を近所の家庭に届けています。出初め式に参加して消防車に乗る、という楽しい経験もしました。活用できる社会資源の案内チラシを玄関に置いて、保護者に情報提供しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れに対する基本姿勢が明文化されておらず、ボランティア受け入れマニュアルが整備されていません。ボランティア登録・申込手続き、子ども・保護者、職員への事前説明、ボランティアへの説明・研修などを記載したマニュアルを整備するなど、受け入れ体制の整備が必要です。中学生の職業体験や高校生のインターンシップへの協力をしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の関係団体として、市の所管課、児童相談所、小学校等の資料をファイル化して、職員で情報共有できるようにしています。職員会議では、子ども・保護者支援について、関係機関とどのように関わるか情報交換し、職員間で共有できるようにしています。要保護児童対策地域協議会に参加して、関係機関と連携し、問題の解決に取り組んでいます。関係機関・団体との定期的な連絡会等を行うような取組はしていません。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

自治会活動に参加して、地域住民との意見交換の中から地域の福祉ニーズの把握に努めています。自治会のメンバーである民生委員・児童委員からの情報も把握しています。毎週1回実施している園庭開放の中で、地域の保護者の相談対応から必要な情報を収集しています。子育て相談の対応はしていますが、生活課題までの把握はできておらず、公益性のある組織としてさらに積極的な取組が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

自治会主催の災害を想定した避難訓練に職員が参加しています。玄関には、AEDを設置し、地域の人も必要な時に利用できるようにと考えています。近日中に案内を玄関先に掲示する予定です。地域貢献に関わる公益的な事業としてはこれまで実施していませんが、コロナ禍が終息するなど条件が整えば実施に向けて検討する考えです。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育理念や保育方針に基づき子どもを尊重し、子ども一人ひとりに寄り添った保育に取り組んでいます。職員用に「保育の心得」があり、具体的な行動指針となっています。園内は子どもがゆったりとのびのび過ごせるように配慮をしています。子ども同士のトラブルがある時には、双方の話を丁寧に聞き、仲立ちをするなど、子ども同士がお互いを尊重する心を育てるようにしています。子どもを尊重した保育について、保護者の理解を図る取組も期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもにとって生活の場にふさわしい快適な環境が提供できるよう、プライバシー保護について職員間で話し合っています。年長児が着替えをする際には、男女別々の場所を確保するようにしています。おむつ替えは沐浴室を使用したり、お漏らしの時はトイレで下着を替えるなど他の子どもの目に付かないように配慮しています。絵本コーナーは、一人になりたい時や、落ち着いて過ごしたい時に使用しています。子どものプライバシー保護についての規程やマニュアルの整備、保護者への周知が期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

法人ホームページ、園のパンフレット、市のホームページ内の「保育園のしおり」に理念・基本方針・日課・行事等を掲載しています。市役所に手作りの保育所紹介ポスターを掲示しています。利用希望者からの問い合わせには、園長、主任が対応し、見学希望者には9時、11時、15時いずれかの開始時刻で1組ずつの見学を調整しています。見学は、感染防止のため保育室を周回するテラスから行い、園長か主任がパンフレットを用いて説明しています。利用希望者への情報提供について、よりよい方法や内容を工夫し、適宜見直しを行うことが期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園前に保護者への説明会と面談を行っています。保育園のしおりや家庭調査票など十数種類の関係資料は、説明会の案内に同封して送付しており、事前に目を通すことが可能です。「重要事項説明書」「保育園活動に関わる園児の肖像権等の個人情報提供及び利用について」や、災害共済給付の加入については保護者に書面で説明し、同意のサインを収受しています。行事に関する変更は掲示や手紙で周知しています。特に配慮が必要な保護者への説明についての説明手順・内容をルール化することが期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の利用が終了した後に、保護者等から、登校しぶりや学校でのトラブルなどの相談があった場合は、園長か主任が窓口となり相談を受けています。保育の継続性を損なわないため、他の事業者への情報提供については、保護者からの同意を含め、引き継ぎや申し送りの手順、文書の内容等を定めることが期待されます。また利用終了後に子どもや保護者が相談を希望した場合のために、相談方法や相談窓口を書面で伝えることも期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

運動会や発表会の終了後は、保護者アンケートを行い、利用者満足の把握に努めています。運動会のアンケートでは日程、会場、駐車場、発表内容や保育園に関することなどについて記入を依頼しています。今年度は小学校の体育館を借りてクラスごとに開催し、観覧は1家族2名までとの制限の中でしたが、コロナ禍での開催への感謝、子どもの成長を感じられた喜びなどの記載がありました。長期化するコロナ禍において、個別面談、保護者懇談会、参観等の実施方法の工夫により、利用者満足の一層の向上に繋がることが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置し、苦情解決体制を整備しています。「ご意見等受付票」と「ご意見等解決結果報告書」により、申出人及び第三者委員への報告の仕組みも整えています。苦情内容はミーティングノートや会議で職員への周知に努めています。法人ホームページで意見・要望の公開が可能ですが、園の公開実績はありません。保護者に向けては「保育園のしおり」の配布や掲示により苦情解決体制を周知しており、意見箱も設置しています。第三者委員については周知が不十分なため、一層の工夫が期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

入園時に保護者に配布される「保育園のしおり」に、保護者に相談や意見がある時は、方法や相手を選択できる旨を明記しています。保育園についての悩みや意見・要望は、全職員が受けることとし、電話や送迎時に保育士に直接相談するか、連絡ノートの利用を勧めています。現在、保護者の相談を受ける場所としては、廊下や事務室前、事務室内、空いたクラスの部屋を使用しています。事務室を利用するときは、他の職員は出入りしないように配慮しています。ハード面の限界はありますが、保護者が安心して相談できるよう、プライバシーに配慮した相談環境づくりについての工夫が期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの意見は、運動会や発表会後、及び年度末の保育に関するアンケートのほか、「ご意見用紙」の玄関設置などで積極的に把握する取組を行っています。相談を受けた職員は、主任、園長に報告し、アドバイスを受けるなど速やかな対応に努め、相談内容は経過記録に記載しています。相談や意見はミーティングノートや職員会議等により職員全体で共有・検討し、必要な改善策を図っています。対応の標準化に向け、相談・意見を受けた際の記録の方法、報告の手順、対応策の検討などについてのマニュアルの整備が望まれます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

「危機管理マニュアル」を整備し、職員に周知しています。事故発生時は「事故報告書」を作成し、ヒヤリハット事案の発生時は、「ヒヤリハット報告書」に発生時刻、場所、状況、問題点等を記載しています。事故・ヒヤリハット発生後は職員会議で職員に周知しています。今後は、リスクマネジメント体制の整備、職員への事故防止研修の実施、事故等の再発防止策の定期的な評価・見直しの実施が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策のガイドライン等に基づき、感染症への予防及び発生時の対応を行い、午睡時には椅子、テーブル、ロッカー、玩具等の消毒を徹底しています。感染症が発生した場合は、職員へ一斉メールで周知すると共に、玄関ホールの「感染お知らせボード」に感染症の種類と罹患人数を掲示し、家庭への注意喚起をしています。新型コロナウイルスについては、海老名市所管課からの情報提供等に基づいて対応しています。今後、定期的な勉強会等の開催により、感染症対策について職員の一層のスキルアップが期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

防災計画を整備し、毎月避難訓練を実施しています。職員に時間を予告しない形で地震想定訓練も実施しました。消防署への通報訓練は年2回実施し、職員は、自治会主催の災害を想定した避難訓練にも参加しています。発災時は園長より保護者に緊急連絡メールを送信し、安否確認を行い、一定期間保護者の迎えがない場合は、本郷コミュニティセンターに移動して保護者を待ちます。自治会長の調整により、コミュニティセンターへの避難訓練も実施しています。保護者には入園時に災害時の対応について周知しています。園では3日分の非常用食料を備蓄していますが、今後、アレルギー疾患のある子どもの食料の備蓄の確保が望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

法人が作成した保健衛生、感染症対策、危機管理、園外保育など各種マニュアルを整備しています。これらはファイリングされ、いつでも閲覧可能です。また、別途各マニュアルを順次回覧し、職員への周知徹底に取り組んでいます。法人作成の「職員の心得」には、子どもの人権の尊重や保育に係る留意事項、「保育者としての心得7カ条」などを明示しており、新年度の会議において職員全員で読み合わせを行っています。職員の違いによる保育の水準や内容の差異をなくすため、標準的実施方法について、職員の理解を図る取組の工夫が期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

各種マニュアル等は法人で作成しています。園内で行われる(3歳)未満児会議・(3歳)以上児会議・職員会議・パート会議・リーダー会議等で出された意見や、気づいたことなどは、園長を通じて法人の園長会議の場で意見を挙げたり、法人に連絡をとり、マニュアルの見直しに反映させることが可能です。保育の質の向上に向けては、法人との連携の下、保育現場においてもマニュアルの定期的な検証・見直しを行う仕組みづくりが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画に基づき年間及び月間指導計画、週日案を作成しています。全園児のアセスメントについては、「家庭調査票」で出生時からの発育や健康状態が把握できるほか、「児童票」には四半期ごとに教育5領域について子どもの姿を記載しています。障害のある子どもには、個別支援計画を作成し、生活習慣、遊び、コミュニケーション等についてアセスメントに基づく支援に努めています。今後、個別の指導計画については、保護者の意向把握や同意の手順を定めると共に、意向や希望の明示が望まれます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

各クラスの年間指導計画は、四半期ごとに振り返りを行っています。「振り返り」の記載欄に担当が記載後に園長、主任が決裁しています。月間指導計画では、毎月、「養護」と「教育」それぞれについて評価を行い、担当が「評価」欄に記載後、園長、主任が決裁しています。月間指導計画は、毎月クラスの入り口に掲示しており、保護者はいつでも閲覧が可能です。指導計画を緊急に変更する場合の仕組みづくりが望まれます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達や生活状況等は、家庭調査票、児童票、経過記録、週日案の振り返り欄の記録等で把握することができます。職員によって記録の書き方に差異が生じない様に、園長や主任が口頭や付箋の貼付により、その都度指導しています。(3歳)未満児会議・(3歳)以上児会議・正職員による職員会議・パート会議などを情報共有の機会としています。記録は手書きで作成しており、パソコンは、写真の編集や保育要録の作成時等に使用しています。今後、コンピューターネットワークの構築により的確で速やかな情報共有の仕組みづくりが期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

「個人情報保護の方針」に基づき個人情報保護に努めています。入園時に配布する「保育園活動に関わる園児の肖像権等の個人情報提供及び利用について」に基づき、園児の写真や作品、活動の成果、氏名等の掲示・掲載について、保護者から承諾書を収受しています。法人の「職員の心得」には守秘義務のほか、連絡ノート、出席簿等が他の保護者の目に触れないよう注意することなどを明記しています。個人情報を記入した書類は園外に持ち出し禁止とし、保管は鍵付きキャビネットを使用するなど、情報管理に留意しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画には「児童福祉法」を守り、「保育所保育指針」を基本として保育を実践する旨を明示しています。また、全体的な計画は、理念、保育方針に基づき作成しています。計画では、乳児から5歳児まで各年齢の発達過程に応じた保育のねらい、内容、配慮事項等を記載しています。コロナ禍以前は近隣の老人ホームとの交流や夏祭りなど地域との交流も活発に行っていたため、こうした地域の特色も計画に反映させています。現在、全体的な計画は園長が作成していますが、園内のリーダー会議で課題について話し合うなど、全体的な計画の策定過程に職員の参画も想定しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

大きな窓からの採光により室内は明るい雰囲気です。各保育室には除湿空気清浄機を設置し、適切な温湿度管理に努めると共に、適宜窓を開け換気しています。衛生管理面では、寝具は毎週持ち帰りを依頼し、簡易ベッド(コット)は毎週土曜日に消毒をしています。食事やおやつの前後には拭き掃除や消毒を行っています。おもちゃ類は、オゾンで除菌できる箱に入れたり、午睡の時間を利用し手拭きにより消毒しています。安全面では、毎月の避難訓練の日に安全チェックリストを用いて2人1組で危険個所の点検しています。絵本コーナーには熱帯魚の水槽を置き、送り迎えの保護者や泣いた子どもが落ち着ける癒しの場所としています。ハード面の限界の中で、ロッカーやロールカーテンの設置により、各クラスのスペースの確保に工夫を凝らしていますが、クラスによっては子どもがトイレに行き来する通り道になっており、落ち着かない保育環境が課題となっています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

0歳児では保育者のスキンシップや触れ合い遊びなど、愛情豊かな保育者の受容により信頼関係の基礎づくりに努めています。3歳未満児では、身の回りのことなど自分でやろうとする意欲を尊重し、できた喜びを味わえるようにさりげなく援助しています。また友だちとの気持ちのぶつかり合いを経験する子どもの不安、主張を受け止め、一緒に考えながら援助しています。3歳以上児については、個々の子どもの気持ちを十分に受け入れながら信頼関係を築き、遊びや生活の中で褒められたり、認められたりする中で、自信を持って主体的・意欲的な活動ができるよう援助に努めています。職員には、集団保育の中では、個々の子どもを十分受容しきれない場面もある、と悩む声もきかれます。組織として課題を共有化し、更なる支援の質の向上への取組を期待します。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

食前や戸外遊びの後の入室時の手洗いにより、清潔の心地よさや病気の予防になることを伝えています。食事を楽しく自分で食べられるように見本を見せたり、食べたがらない子には「一口でも食べてみたら」などの声がけをしています。ズボンを脱いだり履いたり自力で行おうとする子どもには、時間がかかっても見守るようにしています。トイレトレーニングでは子どもがパンツに憧れをもてるような言葉がけをし、意欲的にトイレに向かえる様に促しています。他児がトイレに行く際に「一緒に行ってみる?」など、楽しみながらトイレに慣れるよう配慮しています。就学前の午睡は一律には決めず、寝たい子どもに午睡を取らせています。家庭とは、親のペースや家庭での子どもの様子にも気を配り、登園、降園時のコミュニケーションや連絡ノートを通じて情報共有を図り、基本的生活習慣の習得に向け、協力して取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

屋上、テラス、園庭など、子どもが主体的に思いきり身体を動かして遊べるように環境整備をしています。屋上では、ボール遊び、なわとび、三輪車で遊んだり、夏季は日除けシートを張り、水遊びを楽しんでいます。屋上には子ども用トイレも設置しています。周回するテラスは子どもが走り回って遊べるスペースとなっています。全クラスで毎日のように散歩に出かけ、近隣の公園の遊具で遊ぶほか、豊かな自然と触れ合い、野原で虫取りをしたり、用水路で捕っためだかを園に持ち帰って育てたりしています。拾ったどんぐりと紙粘土でケーキを作ったり、自園の畑の芋づるでクリスマスリースを作るなど、自由な表現の機会の提供に努めています。近隣の老人ホームとの交流については、近年はコロナ禍で中断していますが、子どもたちが制作したものを届けています。芋ほり後には近所の家庭に芋を届けるなど、身近な交流をしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

保育者は子どもの情緒安定のために温かく受容的で応答的な関わりに努め、子ども一人ひとりとのスキンシップを通じて、愛着関係がもてるように配慮しています。好きな歌を歌ったり触れ合い遊びを一緒に行うことで、指差しや喃語で好きな音楽の要求をアピールしたり、リズムに合わせて色々な表現をしたり、保育者を真似て手足を動かし楽しむ場面がみられます。戸外遊びや散歩を取り入れ、身体をのびのびと動かしたり、集中して遊びを楽しめるよう配慮しています。真夏は水遊びで十分に体を動かし、水の感触を楽しんでいます。家庭とは、連絡帳や聞き取りで授乳時間や離乳食の進め方など子どもの様子を伝え合い、家庭と園の生活がスムーズにつながるように配慮しています。ハード面では、隣のクラスの声や給食室の音が響いてしまう保育環境の課題があります。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

興味が広がり動きも活発になるため、安全な保育環境を整え、保育者は連携して見守りに努めています。1歳児の制作では自由に思う存分楽しめるように、補助し過ぎないよう配慮しています。ままごとなどで友だちと一緒に遊ぶうち物や場所の取り合いになることもありますが、友だちと同じ遊びをすると楽しい、と思う体験を重ねられるよう援助しています。2歳児の戸外活動では人数分の虫かごや網などを用意し、自然に触れ、満足するまで遊びこめるよう工夫しています。けんかや言い合いの場面では自分の思いを言葉にしたり、相手の思いを知る機会と捉え、気持ちに寄り添いながら仲立ちをしています。状況によってはトラブルや怪我を防ぐため、職員間で連携し、1対1で子どもに関わる場面もあります。保護者とは、登園時や連絡ノートで健康状態を丁寧に確認しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児は、友だちと一緒に身体を動かし簡単なルールの遊びをしたり、絵本の読み聞かせから劇ごっこなどを楽しんでいます。思いや考えを伝え合い、友だちとの関わりを楽しむ一方でトラブルになることもあり、保育者が言葉で伝えられるように仲立ちしています。4歳児ではグループ活動や集団ゲームなどを通じて、協力や団結、共感する気持ちなどを育てています。生活や遊びの中の約束事を繰り返し伝え、皆で話し合う場も設けています。5歳児では、行事等を通して友だちと同じ目標を持ち、励まし認め合い、成し遂げていく中で仲間意識を深め、充実感・達成感を味わえるよう援助しています。運動会に向けての取組や役割は子どもの大きな自信につながっています。友だち同士で問題解決しようとする姿には介入しすぎず見守るよう配慮しています。コロナ禍で地域との交流は限られていますが、保育参加や発表会等を工夫し、保護者と子どもの育ちを共有しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもには個別支援計画を作成し、個々に応じた援助を工夫しています。集団ではその子なりの参加の仕方に配慮し、参加できない場面では、職員が個別に安全に配慮しながら行動を見守っています。他児が優しく手を貸すなど、自然にサポートする姿が日常となっています。月1回地域の療育機関から心理士が巡回相談に来園し、保育場面を見たり、専門的アドバイスを行うほか、園長、担任の同席の下、保護者の相談に乗っています。助言内容は「わかばノート」に記録し、職員間で共有しています。職員会議では必要に応じて子どもへの接し方等について情報共有や話し合いを行っています。障害が疑われる子どもについては、保護者に向けて行事や保育参加を案内するなど、子どもの発達の理解につながる働きかけに努めています。保護者全体に向けて、障害のある子どもの保育についての情報提供は行っていません。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

夕方の延長保育時間には、1歳児の部屋に2歳児から5歳児を順次合流させる形とし、0歳児は危険のないよう離れた場所としています。全クラスの子どもが多数集まる時間帯は、ゆったりと落ち着いて過ごすことは難しい状況です。おやつは18時半以降におせんべいやケーキ、クッキー、煮干しやするめなどを提供しています。迎えの時間が遅い子どもにはおやつのおかわりを勧めるなどの対応もしています。担当の保育士等から保護者に連絡事項がある場合は、連絡簿に伝言内容を赤字で記載しておき、遅番の勤務者から保護者に忘れずに伝えてもらうようにしています。保護者からの伝達事項も同様に連絡簿に記入します。駐車できる台数が少ないこともあり、迎えの時間帯は保護者と慌ただしいやりとりとなっています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」には小学校との連携(接続)について、創造的な思考や主体的な生活態度など基礎を培うこと、小学校教諭との意見交換・研究による円滑な接続、的確な保育要録への記録、などを明記しています。5歳児の年間指導計画では「就学に向けて基本的な生活や態度を身につける」ことを目標とし、不安な思いを受け止め、小学校への期待感が持てるような情報を伝えるなどの配慮をしています。クラス担任は「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」を基に個人目標をたてています。5歳児クラスのみ、就学に向けて9月に保護者と個人面談を行っています。コロナ禍で幼保小連携会議は中止となり、就学先とは電話による申し送りを行うのみとなりました。小学校との子ども同士の交流は中止しましたが、代わりに1年生が学校生活の紹介DVDを作成して園に届けてくれたり、園からは感想を手紙に書いて小学校に届けるなどの交流を行いました。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育園のしおり」により、薬の管理、感染症、登園停止の病気、事故や怪我についてなど、必要な事項を保護者に周知しています。健康状態の確認については、0歳児の登園時の検温、視診のほか、連絡ノートの体温チェック表や熱、鼻水、咳など症状の記載内容を職員間で情報共有しています。既往症や予防接種の状況は、入園時に保護者が記載する「家庭調査票」で確認し、更新時には別途個人記録にも記入します。年間保健計画では、年間目標や四半期毎の目標、保健行事等を立案しています。保護者に向けては「ほけんだより」で健康に関する情報を発信しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防の取組については、午睡時に0歳は5分おき、1歳は10分おきに視診や手で触り、幼児も目の届く場所で把握に努めています。保護者に対しては、入園説明会でSIDSについての情報提供と注意喚起を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回内科健診を、年1回歯科健診と尿検査を行っています。職員は診断結果について健康診断簿で確認します。異常がない場合には、保護者に連絡ノートによりその旨を伝えています。何らかの異常がみられた場合は、直接保護者に口頭で説明しています。歯科健診では、結果を記載したチェック用紙を保護者に渡しています。年間保健計画には、「歯を大切にする」という目標や、歯磨きの励行を掲げており、歯磨き指導も行っています。入園時に配布する「保育園のしおり」では、夜の仕上げ歯みがきは保護者がしっかりと行うように注意喚起しています。医師からは、健康な永久歯のためには、乳歯のうちから虫歯を作らず歯の健康を保つことが大切、とのアドバイスがあり、園だよりで紹介しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

マニュアルに基づき、アレルギー疾患のある子どもの対応に配慮しています。家庭との連携に努めると共に、全職員で誰に何のアレルギーがあるかや、緊急連絡方法について周知徹底しています。食事は、テーブル、トレイの色を変えて個別の席で提供し、アレルギーがある子どもが食べ終わるまで他児を動かさないなど、事故防止に努めています。ふきんは使用せずペーパータオルでテーブルを拭き、他児の食後の手洗いを徹底するなど細心の注意を払っています。職員研修については、エピペン(アナフィラキシー補助治療剤)対応のシミュレーションの回数を増やし、一層のスキルアップを図る方針です。そのほか熱性けいれんの既往歴のある子どもについては、保護者への連絡の目安を通常は37.5℃のところ、37.0℃としています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に「食育の推進」として位置づけを行い、食育計画を作成し食育を進めています。食育計画には、目標として「楽しく食べる体験を深め食を営む力の基礎を培う」として、四半期ごとに「ねらい」を定め、子どもの発達に合わせた取組をしています。食事の際は、保育士がテーブルごとについて、子どもが自分で楽しく食事ができるように援助をしています。個人差に応じて量を調整したり、苦手な食材があるときは、「少し食べてみようか、おいしいよ」、「食べられたね」等と声がけを行っています。各保育室の大きなガラス戸からは明るい外光が差し込んでいます。また、どの保育室にも広いテラスがあり、開放的な環境になっています。陽気の良いときは、テラスで外気に当たりながら食事をすることもあります。専用の畑があり、子どもたちが野菜を栽培して収穫をすることにより、食材への関心を深めています。子どもは、サツマイモ掘りや焼き芋体験に大喜びです。保護者に、子どもの食事の状況を連絡帳や口頭で伝えています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

乳児は発達の差が大きいので子ども一人ひとりに合った食事の提供をしています。特に0歳児の離乳食は、初期、中期、後期、完了期と分けてきめ細かな対応をしています。1歳児も保護者と相談し、必要に応じて食材を細かく切る等の対応をしています。子どもの食べる量や好き嫌いを把握し、量や味付け等の工夫をしています。毎月の職員会議に調理員も入り、子どもの喫食状況を踏まえて次の献立に反映しています。食材は地元の旬のものを使うように心がけ、子どもが畑で栽培・収穫した野菜も食卓に載せています。季節ごとの行事食も子どもを喜ばせています。七夕には星形のオクラを入れたソーメン、ハロウィンにはお化けをかたどったカボチャご飯、クリスマスには鳥の唐揚げなどを提供しています。外部委託の調理員が時折食事の様子を見たり、声がけをしていますが、関わりが十分でないと感じています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの家庭とは、連絡ノートや送迎の際のコミュニケーションで、日常的に情報交換を行っています。連絡ノートは、0~2歳児は毎日、3~5歳児は必要に応じて使用しています。個人面談を行い保育の意図や内容を伝えています。コロナ禍で、個人面談は保護者の希望に応じての実施になっています。毎日の保育活動の内容は各クラスの連絡ボードに記入し玄関に掲示しています。運動会や発表会の場は、保護者に子どもの成長を感じてもらえる機会になっています。0~2歳児は「ふれあい遊び」として行い、保護者に参加してもらっています。コロナ禍で参加者の少ない状況でしたが、保育参観も実施しています。情報交換の内容は定められた様式に記録して個人ファイルに保管しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは、毎日の送迎の際に声がけを行うなどコミュニケーションをとり、信頼関係を築いています。保護者から相談があれば適宜個人面談を行っています。個人面談の日程は保護者の都合を優先しており、プライバシーの保護にも配慮して、事務室や空いたクラスの部屋など、落ち着いて話ができる相談場所を確保しています。事務室を利用する時は、他の職員は出入りしないように配慮しています。相談があったときは、園長、主任保育士に報告し、必要なアドバイスを受けられる体制をとっています。また、関係職員とも情報共有し、組織としての対応をしています。相談内容は定められた様式に記録し、子どもの個人ファイルに保管しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

家庭での虐待等を予防するための取組をしています。子どもの登園の際には、視診により子どもに傷や痣がないかチェックし、子どもの着替えの際に身体の状況を確認しています。また、送迎の際の親子の様子を観察したり、子どもの話を聞くなかで虐待等の兆候を見逃さないようにしています。虐待等の恐れが感じられるときは、予防のために保護者に声を掛けたり、話を聞くようにしています。虐待の兆候が確認された時は、園長、主任保育士に報告し、市の所管課や児童相談所に連絡し、連携して対応する体制になっています。速やかな対応ができるよう報告や対応の手順を定めています。職員の虐待防止に関する理解を深めるため、外部の虐待防止の研修に参加した職員が職員会議でその内容を報告し、職員間で情報共有しています。虐待防止マニュアルが整備され、職員は定期的に内容を確認するようにしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

各指導計画に基づく保育実践について、指導計画の振り返り欄に、週ごと、月ごとに「振り返り」を記載しています。主任保育士、園長が確認し必要に応じてアドバイスを行っています。振り返りの際にはクラス内で話し合いをしていますが、その過程は保育の質の向上に向けて職員の気づきを促す機会になっています。また、職員は年度末に一人ひとり「年間振り返りシート」に基づいた自己評価を行い、保育所全体の自己評価(振り返り)につなげています。必ずしも保育士一人ひとりの自己評価が保育所全体の自己評価につながっていない面もあるため、双方の様式の整合性を図るなど、さらなる工夫が期待されます。