社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ハーブの里

2020年01月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ハーブの里
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2005年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 運営理念として
1.共生社会を目指します。
2.先駆的で開拓的な事業を展開します。

理念の達成のために、
・人権尊重とサービスの向上 ・インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者主体の支援・地域との共生 ・ニーズの多様化複雑化への対応 ・コンプライアンスの徹底 ・説明責任の徹底 ・人材確保育成 ・ガバナンスの強化 ・財政基盤の安定化 ・国際化 ・積極的な社会貢献活動への取り組み 等の11項目の基本方針をあげています。

法人の方針を踏まえたうえで、4点の方針を掲げています。
〇職員一同で利用者が元気で明るく生活できるように取り組み、自分のグループホームを「自慢したくなるような」魅力あるホームにしていきます。
〇利用者も職員もひとりひとりが大切な存在だということをお互いに意識し、それぞれの権利を守っていきます。
〇帰る場所があることの幸せを深く理解し、「このままホームでくらしたい」と選んでいただけるホームを目指します。成年後見制度の利用、生活保護への移行も積極的に行ないます。
〇行動障害のある人の暮らしの質を確保しチームで支援していくことを考えています。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 JR相模線番田駅から徒歩15分ほどの処に、同じ法人のグループホームとショートステイが立ち並ぶ中の2階建ての建物(2階部分:グループホーム、1階部分:ショートステイ)があります。
グループホームの利用者は知的障害を持った男女計6名です。20代から50代(平均年齢40代)の方まで幅広く、利用者の家族は高齢化が進んでいます。
ある利用者は施設の建設段階より係わり、完成後に入居しています。当初より生活の場であると同時にその設立プロセスを大事にすることで利用者と職員の間で共有することが行なわれてきました。単に施設を利用するのではなく利用者自らが主体的にここで生活をするという意識が強く、その後もサービス内容や利用者間の生活の場での問題解決などにも、その精神が活かされております。カンファレンスや利用者会議等でもプロセスを大事にした取り組みを行なっています。
ショートステイ(4部屋)はレスパイトを目的とした利用の他、在宅の利用者がグループホームの入居に向けた練習の場として機能しています。夕食体験や初回の利用は通所先の職員の協力を得て宿泊する等、ショートステイをストレスなく楽しんでもらうように心がけており、過去に述べ180名近くの方がこのショートステイを利用して、グループホームの利用につながっています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2019年03月30日
終了:2020年01月06日(評価結果確定日)
受審回数:1回(2019年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1. 家族との交流を促進しています
宿泊旅行、利用者・家族・職員懇親会、家族・職員懇談会、サロン(利用者・家族・職員によるホットケーキ・すいとんづくり等)など、家族を交えた行事等も多く、ホームと家族との円滑なコミュニケーションが図られています。母の参加が多い中、将来の生活を考え、父や兄弟姉妹の来所も促しています。
また週末や長期帰宅の送迎サポートを行い、家族の高齢化に伴う負担軽減を図っています。こうした信頼関係を基盤に、親亡き後についても共に考え、成年後見制度の利用推進を図っています。


2. 職員の働き方改革を推進しています
 サービスの質の向上に向けて、働き方改革が積極的に行われており、断続勤務数を徐々に減らし、残業時間が削減となり効果が現れました。そのプロセスでは、職員間の話し合いを重視し、「働き方」について話をする機会を多く持ち、実施による問題点を共有しながら話し合いを重ねました。
改善を求められる点 1. 職員間での情報共有の強化による支援力の向上
法人で導入が進められている統一された記録ソフトは、入力時に個別支援計画の項目が見えるものとなっています。システム導入に併せて、いままで限定的だった個別支援計画等の情報を常勤・非常勤問わず共有できるようになります。ソフト導入と活用促進によって、支援の考え方や視点の共有が図られます。職員間での情報共有による支援力の向上が期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

法人の基本理念・方針のほかに事業所としても「自慢したくなるような」魅力あるホームを目指すことなど、運営方針を明文化しています。
これらの周知については理事長の年頭所感や所長会議の報告を兼ねて職員会議などで説明の機会を設けています。


◇課題と考えていること

勤務シフトの関係で、会議に出られない職員への周知が課題です。議事録の回覧やデータの閲覧では伝えきれないことも多く、所長としては、各職員が安心して働くことができるように対面で丁寧に伝えたいと考えています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

法人全体の経営動向に関しては所長会議・事業計画・事業報告などで把握しています。
事業所に関しては毎月の試算表を通して具体的な数字を把握・分析し、事業所として求められている福祉ニーズをどのように実現できるかを考えています。


◇課題と考えていること

週末帰宅や長期帰宅は利用率におよび経営に影響します。利用者が家族との大切な時間を過ごせるようにサポートして経営維持が課題となっています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

ホームの事業計画は毎年3月の職員会議にてホームとしての方向性を話し合い、その後更に常勤の職員間で話し合った上で作成しています。
常勤はハーブの里のほか、階下の短期入所や隣接する同法人の2つのグループホームに計7名おり、所長はこれらの長を兼ねて調整しています。


◇課題と考えていること

事業計画については、新しい職員が理解できるように、いかに説明の機会を多く設けるかが課題です。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

他の施設の間で常勤職員間で協力しあい、職員不足・超過勤務の解消や・休日の確保に向けて業務の効率化や働き方改革に力を入れています。
常勤はいずれの事業所も相互に担当し、サービス管理責任者も複数の事業所を担当することで風通しのよい職場づくりにもつながっています。一方、非常勤職員は事業所のスペシャリストを目指して業務にあたっています。


◇課題と考えていること

Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

所長は、常勤・非常勤に関わらず、職員との話し合いを基本として業務を行うことが重要であると考えています。所長は日々の活動の中で、職員の話を聞くこと、職員に話をすること等を心がけ、「当たり前のことを当たり前のようにする」努力を職員に伝えています。

◇課題と考えていること

週末のみ勤務する職員は、勤務職員が一部の職員同士となりがちで他の職員と話し合う機会も限られています。今後、週末勤務の職員に向けては、支援の考え方や方法等についてサポートの工夫が必要であると考えています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

人材の確保については法人が一括して行っています。アルバイトの大学生は長年にわたり、先輩から後輩へとアルバイト業務を引き継ぎ、中にはそのまま就職に至った大学生もいます。そのほか職員からの推薦も重要な人材確保の手立てとなっています。

◇課題と考えていること

人材確保に向けては、人との縁を大切にすることや、経験談を交えながら仕事の面白さや醍醐味などをアピールする機会をいかにつくりだすかが課題であると考えています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

法人は理念や基本方針、提供する福祉サービスの内容、事業計画や報告、予算・決算情報をホームページで公表しています。
事業所では、職員会議において、事業所の経営状況を随時職員に報告し周知しています。また、法人のホームページを活用しグループホームの生活の様子などを発信しました。
1階で行うショートステイは述べ180名近くの利用あり、グループホームの利用につながっています。


◇課題と考えていること

グループホームの生活について、ホームページでの更なる情報発信が課題です。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

自治会に加入しており、自治会主催の防災訓練や救命救急講習・地域清掃や廃品回収に参加しています。そのほか、夏祭りの手伝いや冬の積雪時には近隣の雪かきも行いました。
近隣の方とはできるだけコミュニケーションを図り「近所づきあい」をする様に心がけています。


◇課題と考えていること

近隣は高齢者の多い地区であり、災害時の場所の提供など、地域に対するバックアップも念頭に、地域との協力体制の整備が課題です。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

法人の倫理行動マニュアル・倫理行動綱領・職員ハンドブックに、利用者を尊重する姿勢が明示されています。
倫理行動マニュアルにおいては人権への取組みとして体罰の禁止、差別の撤廃、プライバシーの保持、人格の尊重などが挙げられています。


◇課題と考えていること

倫理綱領や倫理行動マニュアル等による職員の学びや振り返りをいかに繰り返し行うかが課題と考えています。シフト勤務も勘案し、全職員が学びの機会を得られる研修や勉強会の計画的な実施の工夫が課題です。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

サービスの提供にあたっては、ホームの見学や体験利用、写真やパンフレットを用いた具体的な説明により同意を求めることとしています。
利用促進に向けては所長が家庭訪問をし、家族・親族を交えて説明を行うなど、個々に応じた対応を地道に行ってきました。また、利用者には多くの支援者が関わることが望ましいと考えており、外部のサービスを用いる場合には、当該サービス提供者から説明を受けられる様にサポートしています。


◇課題と考えていること

家族が元気なうちに成年後見人制度の利用が開始されることが望ましいと考えています。利用に至っていない家族には、今後もアプローチを継続し、いかに理解を求めるかが課題です。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

行事前後の利用者ミーティングの場面や必要に応じてサービスに対する希望などについて利用者への聞き取りを行っています。
日頃の利用者との会話や、食事の食べ方、表情などにも利用者の意向や希望など重要な情報が含まれており、満足度把握に活かしています。観察の視点を職員会議の場などで共有し、支援の質を問いながら利用者満足度の向上に努めています。


◇課題と考えていること

利用者満足度の向上に向けて、全職員が、利用者から発信される情報を集め、必要な情報発信ができる「専門性の向上」が課題です。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

聞き取る職員によって利用者の意見が変化することもあるため、複数の職員で意見の集約をし、周知しています。職員以外の関係者が聞き得た意見も共有しています。
苦情解決のしくみについては、法人の「苦情解決に関する規則」を基にして、対応を図っています。


◇課題と考えていること

利用者の意見等を把握し組織的な対応を図るためには、個々の利用者に応じたコミュニケーション探り、共有化することが大切であると考えています。そのためにいかに職員間の十分な意見交換の場を設けるかが課題です。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

自治会主催の防災訓練に参加しています。ホームの昨年度の避難訓練はホーム内火災と大規模地震を想定で実施しました。
防災計画には避難訓練のほか、防災器具の保守点検や3日分の備蓄非常食、飲料水のチェックと入れ替え、3日分の備蓄服用薬、処方箋のチェックと入れ替えなどが計画されています。


◇課題と考えていること

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

利用者支援は、法人の理念・基本方針・使命・職員行動指針の理解に基づいて行い、繰り返し周知する機会を設けています。
職員には具体的に分かりやすく伝える様に配慮しています。


◇課題と考えていること

全職員に浸透させるべく、計画的に繰り返し周知することが課題です。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

アセスメントに基づき、利用者のニーズを反映した個別支援計画を策定しています。
個別支援計画を踏まえ、チームワークにより最善の実践を展開するための支援を行っています。


◇課題と考えていること

常勤・非常勤など勤務形態等に関わらず、全職員が各利用者の個別支援計画を理解し、職員間で支援に関わる必要な情報共有が円滑に行われるしくみづくりが課題です。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

現在は主に手書きで日誌や記録を作成しています。
法人の個人情報保護規程を根拠とし、利用者の記録の保管や情報提供等を行っています。


◇課題と考えていること

記録が手書きであるため、情報共有の困難さが課題となっています。今年11月より法人で新たな記録システムを導入予定で、記録ソフトの入力時には、個別支援計画の確認が可能となり、情報の共有も容易です。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者の希望や意見を日々の支援を通じて把握するように努めています。関係事業所と連携等を通して広く状況把握するように努めています。
個別支援計画の策定について、家族・通所先の担当者への聞き取りを行い、関係者の共通認識としています。必要に応じて計画の見直しも行います。


◇課題と考えていること

緊急事案発生には、日中の施設等関係事業所や後見人等に同席してもらい、幅広い協力者の意見も取り入れていくことを視野に、連携関係を構築していく仕組みが課題です。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

職員会議等で虐待の事例等を題材として話しあっています。当事業所内ではどのような場面で起きえるかを想定して支援の振り返りの機会を設けます。虐待防止法の内容を確認して、職員の気づきを促し支援の見直しをしていきます。
法人では「正しい声掛け」「行動指針」「身体拘束」「虐待防止」等のDVDを作成し、職員で回し観して研修しています。日常の支援の中で思わず出てしまった言葉等による権利侵害については、所長が具体的にどう悪かったか伝えるようにしています。


◇課題と考えていること

職員の間には温度差があり、自分の施設は大丈夫だ、と思っている人もおり、当事者の幅を広げた場面を想定して対策を検討する事が課題です。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

主に職員会議や連絡ノートを通じて職員間で共有しています。対応の難しい事例が発生した場合には、直ちにその日に勤務の職員同士で話し合い、共通認識を持って対応するようにしています。
夜勤体制も近隣の3施設の夜勤者三人と夜8時に顔合わせをし、相互協力体制をとっています。一人体制の日もあり、判断に迷いが生じる時は、常に常勤職員とも電話やネットで連絡はとれるようにはしています。


◇課題と考えていること

一人体制の場合でも十分な対応がとれるように、支援者にあった職員のスキルアップも早急な課題です。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

個別支援計画に基づいて基本的な支援は行われています。複数の職員が関わることで、緩慢とならず、その都度話し合いながら支援に携われることは強みになっています。

◇課題と考えていること

全職員が個々の利用者の支援計画に触れることが無く、意識だったモニタリングがされてきませんでした。記録管理ソフトの導入で職員は入力時に個々の計画と触れる機会も増えるため、支援に対しての考え方のすり合わせを行うことが課題です。
A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

グループホームの利用者は、建物内を自由に行き来できます。食事や朝の時間などは、ホームとショートステイの方がリビングで過ごしています。
利用者間の無用な生活上のトラブル等を避けるためにもルール作りが必要ですが、実際に不定期ながら事あるごとに利用者ミーティングで話し合い、自分たちの暮らしについて考える機会を作っています。


◇課題と考えていること

利用者ミーティングでは意見を言える人に引っ張られてしまう傾向もあり、公平な支援者の力量を高める必要があります。また決められたルールと現状とを整合させる力量も必要と考えています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

利用者の偏食等への対応等としてそれぞれのペースを守りながら、主体的に行っていくことを優先しています。
生活の場であるため、急激でなく地道に長いスパンで考える必要もあると考えています。良かれと思っても職員がやりすぎないことも必要で見守りに徹する、一旦引く等のマイナスの支援も時として取れるよう配慮しています。


◇課題と考えていること

職員間で統一の支援のために、支援の在り方と利用者の意向のバランスに関しては常に話し合って決めていく必要があります。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

看護師の健康観察などをはじめ、個々の利用者の状況に合わせて通院同行・カンファレンスなども行っている。日中施設との連携なども生かされており、日中を通して健康観察が出来ている。

◇課題と考えていること

利用者個々の緊急時の対応が一部の職員に集中しているため、新しい職員にも対応ができるようにすることが課題です。適切な食事量・内容の確認・記録といった日常支援のレベルアップも課題です。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

毎日の通所以外にもガイドヘルパーの利用・自治会の行事への参加等も行っています。また開所から毎年利用者さん全員と職員で旅行に行っています。最近は2泊3日の旅行に行くことになっています。積極的に外に出ていく機会を大事にしています。
利用者によっては、東京大学や市の主催の人権フォーラムで「グループホームの生活について」の講師として参加、本人活動への参加なども協力しています。


◇課題と考えていること

外出や移動の支援については主に常勤職員が行っており、すべての職員が関わることが課題です。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

利用者家族とはカンファレンスなどにも積極的に参加しています。利用者の地域生活においてそれぞれの立場で感じていることを共有するとともに利用者本人が目指している生活に向けてどのようなことができるのかを一緒に考え、連携し、協力しています。

◇課題と考えていること

建物の建て替えや、利用者の思いも含めて、地域生活への移行の問題を総合的に捉えていくことが課題です。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

日々の業務の中で家族が判断の必要な時やお知らせする必要があるときには家族等に連絡を取っています。週末に自宅に帰った場合には、家庭での様子を把握して情報の共有を行っています。利用者の状況だけではなく、家族の困りごとも丁寧に拾うようにしています。
年に数回、利用者・家族・職員で一緒に余暇を楽しむ日や休日に気軽にホームに来ていただけるようなサロンを開催しています。交流によって横のつながりも出来、ホームで暮らす利用者への理解が広がり大きなトラブルにつながりにくくなっています。


◇課題と考えていること

利用者及び家族の高齢化に伴い、意思疎通が難しくなる中で状況を理解してもらうことが課題です。また、家族を交えたサロンや旅行などの参加を親だけでなく兄弟等にも広げてゆく必要があると考えています。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
項目 職員間の情報共有による支援力のアップ
支援を行なう職員の間での情報共有の在り方は、いままで個別支援計画について常勤職員の間でのみ共有されていました。また、職員の入れ替えもあり、非常勤職員の方が在籍年数も多く利用者との馴染みも深いこともあり、日常の支援の視点や支援の在り方、または身体拘束や権利擁護といった点で常勤職員と非常勤職員の間で理解に温度差が出来てしまいました。
現在導入が進められている記録ソフトは入力時には、個別支援計画の項目が見えるものとなることもあり、システム導入に併せて、個別支援計画や支援の視点の共有が全職員で図られることが期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <利用者調査の対象>
3名の利用者にヒアリング調査を行いました。

<利用者調査の方法>
一人ずつヒアリングを実施。

<利用者調査の結果>
①・スタッフは乱暴な言葉遣いや態度をすることはありません。

②・スタッフは私の部屋に勝手に入り、無断で私の持ち物を触ることはありません。

③・食事や入浴、ほかの利用者との関係について、私からスタッフに相談することはありません。
 ・スタッフは私の意見や希望を聞いてくれません。

④・スタッフは私の生活の目標や計画について私の意見をききながら、一緒に考えてくれているかは分かりません。
 ・一緒に考えてくれません。

⑤・スタッフにお金を預けていますが、お金の使い道や使った金額などを毎月報告してくれているかは分かりません。

⑥・ホームの暮らしについて、嫌なことや困りごとをスタッフに相談しません。
 ・ホームの暮らしで困りごとはありません。

⑦・スタッフ以外にホームでの困りごとを相談できる人はいません。
 ・相談はしません。

⑧・スタッフは私が具合の悪い時やけがをした時、病院にも連れて行ってくれます。
 ・分かりません。

⑨・私は好きな時に外出したり、買い物に行ったりホームで好きなことができます。
 ・ガイドヘルパーさんと出かけたり、部屋でTVを見たり,音楽、CDを聴いています。

⑩・私はスタッフから大切にされているかは分かりません。ホームでの 暮らしは楽しく、ちょっと好きです。
 ・大切にされていると感じます。ホームの暮らしは好きで楽しいです。
 ・この施設にも職員の対応にも大変満足していますし、ここにずっといたいと思っています。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
第三者評価が入ったことで、改めて職員一同 気が引き締まる思いでした。今までやってきたことを
調査員の方々に説明しながら、自分たちが行ってきたことを振り返ることができ、とても重要な機会となったかと思います。
また、今まで私たちが大切に行ってきたことを調査員の方々に理解していただき、そこを評価して頂いたことはとても職員の自信になったのかと思います。
利用者さんのコメントには少し思っていた回答とは違っていましたが、そこは真摯に受け止めていいのではないかと思います。最後の質問でおおむね皆さん、楽しく暮らしホームが好きな様子を感じることが出来、よかったかと思います。
これから先も、もっともっと楽しく暮らしたいという利用者さんの想いがあるのなら、その想いに添った皆さんへの支援を考えていきたいと思います。住んでいるみんなで一緒に旅をすることも、みんなが望むうちは続けていけるように努力したいと思います。地域の中で利用者さん一人一人が自分の暮らしに自信を持ち、輝くような笑顔で過ごしていけるように今後も多くの支援者と一緒に考えていきたいと思います。