社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

ファミリーナ宮下

2023年01月20日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ファミリーナ宮下
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)
設立年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人県央福祉会
③ 理念・基本方針 〈法人理念〉
(1)障がい児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャルインクルージョン」(共生社会)を目指します。
(2)社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。

〈法人基本方針〉
1 人権の尊重とサービスの向上を図ります。
2 インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。
3 地域との共生を目指します。
4 ニーズの多様化と複雑化に対応します。
5 社会のルール(コンプライアンス)を徹底します。
6 説明責任(アカウンタビリティ)を徹底します。
7 人材の確保・育成の為の研修体制を充実します。
8 柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。
9 財務基盤の安定化に努めます。
10 国際化への対応に取り組みます。
11 社会貢献活動に積極的に取り組みます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 当ホームは知的障がいの程度が重い方が多く在籍されています。自発的に何かに取り組んだり余暇を楽しんだりすることが難しく単調な生活になりがちですが、少しでも潤いある生活を送って頂けるよう季節行事やイベントなどを企画して工夫しております。利用者の方の共通嗜好として「食べること」があげられましたので、月一回恒例で食事のデリバリーサービスを利用するなどしています。また休日の余暇支援においては、職員の人員不足もあり外出機会に限りがあるため、室内でできる催し物を重点的に実施しています。職員と一緒にゲームをしたり昼食やおやつ作りをやってもらったりして楽しんで頂ける機会につなげています。
 利用者さんの潜在的に持っている力(ストレングス)を意識した支援を目的として、職員に「ニヤリホッと報告書」を毎月提出してもらっています。ニヤリホッと報告書はヒヤリハット報告書から派生したものでポジティブな部分にスポットを当てています。利用者さん本来のストレングスをしっかりと受け止め活かすことが結果的にQOL向上につながるものと考えます。また、職員間で評価しあう取り組みとして「ホメールカード」を積極的に活用しています。共に働く職員の頑張りや支援等で共感できたことを評価しあい、職員自身のやりがいにつなげています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2022年05月16日
終了:2022年12月13日(評価結果確定日)
受審回数:2回(2019年度)
⑥ 総評
◇ 特長や今後期待される点
1)利用者の自己決定を尊重した支援を行っています
入居している利用者は、言葉による意思表現が難しく、自分の思いを正確に伝えられず、違う言葉を発してしまう事もあります。利用者の意向を把握するため職員は表情や素振りをよく観察しています。利用者がうまく伝えられない場合は、ジェスチャーで表現する等の工夫をしています。いつもと違う様子はないか、何を伝えたいのか、本人の思いをその前後関係からさぐり、把握するよう努めています。ホームでは専門的な知識、技術を習得して「現場を強くする」ことを目標にしています。

2)質の向上に向けて管理者はリーダーシップを発揮しています
事業所運営で支援の要となっている非常勤職員が気持ちよく業務にあたれるよう育成に取り組んでいます。職員の個性に応じ、日中活動・年間行事・パソコン関係など、いままでの業務にプラスして仕事の幅を広げ、やりがいにつながるよう進めています。常勤職員の業務負担が多い中、仕事を共有し連携することで、利用者支援の向上に努めています。

3)支援マニュアルを作成して共有し支援を実施しています
利用者の性格や障害特性に考慮し、ホーム独自の手順書や個人別支援マニュアルを作成しています。入居者の潜在能力、長所など本来持っている力を把握し、職員間で共有しています。マニュアルは、どの様に支援すれば良いのか細かい手順がわかりやすく書かれています。職員の力量や相性によって、発揮される能力に差が生じることがありますが、マニュアルの活用により、職員間の業務の標準化が出来るよう努めています。

4)地域との交流・地域貢献が期待されます
コロナ禍以前は利用者も自治会の夏祭りや防災訓練に参加するなどして交流して来ました。ホーム開設以来満室の状態が続いているため、対外にパンフレット等を置く活動や、見学会を実施する等のホーム紹介活動は実施していません。社会福祉法人の使命として、地域住民に障害者支援の啓発活動や相談支援を通して存在価値を高める活動の実施が期待されます。また、地域住民との顔の見える関係を広げることで、緊急時や災害時の協力者を増やすことが期待されます。

5)利用者への休日支援体制の強化が期待されます
利用者は月曜日から金曜日まで毎日通所事業所に通い、作業等に従事しています。土日の休日は自由時間がありますが、現在は外出の支援が出来る職員体制になっていません。本人の様子や意向を汲み取りつつ外出を支援し、外気に当たり、季節を感じ、時には地域の人たちとの交流も期待されます。また、室内で過ごす時も、ゲームや軽い運動等の室内アクティビティ活動の支援が出来る職員体制の構築が期待されます。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 今回の評価を受け改めて事業運営における課題や改善点を把握する機会となりました。近々の課題としては、休日の余暇支援が挙げられます。職員の人手不足もあり、利用者の意向に沿えれていない現状が続いています。業界自体、人材難であり人手が集まりにくい状況ではありますが、今後は求人媒体だけに頼るのではなく、地域住民の協力(ボランティア)などインフォーマルサービスも積極的に取り入れていきたいと考えています。
当ホームは意思疎通が難しい方が多く支援の難しさを感じていましたが、その中でも利用者の自己決定を尊重した支援を評価して頂けたことは自信と励みになりました。

ファミリーナ宮下
中村 仁也
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

理念・基本方針は法人のホームページや職員ハンドブック、法人案内パンフレット等に明文化されており、職員、利用者・家族等への周知が図られています。ホームでは職員の入職時の研修と、事務室の掲示で理念や基本方針を職員に周知しています。日中は利用者が通所先に出向くため、非常勤職員の勤務時間は朝と夕方以降になっており、会議や研修会への参加機会が殆どありません。非常勤職員への定期的な周知を課題としています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

社会福祉事業の動向については法人が全体を把握しています。ホームでは地域の各種福祉計画の策定動向と内容の把握を課題としています。毎月試算表を作成し、福祉サービスのコスト分析や、福祉サービス利用者の推移、利用率等の分析等をきめ細かく実施しており、経営状況や改善すべき課題を把握しています。法人とは改善計画の提出を通じて課題を共有しています。経営状況については会議で周知していますが、非常勤職員の関心が薄く感じられ、課題としています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人・ホーム共に中・長期の事業計画及び収支計画は確認できませんでした。単年度の事業計画は、常勤職員等の参画や意見の集約・反映のもとで実行可能な具体的な計画として策定されています。職員には期のスタートの4月と、9月にホーム会議(職員会議)等で周知され、家族には例年秋に実施する「親睦会」で周知し、家族から意見・要望を聞いています。職員個々の意識の差がある為、共通認識を深めることを課題としています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

福祉サービスの内容や方法についてはマニュアル化され、ホーム全体で支援内容を日常的にチェックしています。また職員は法人で定められた「職員セルフチェックシート」で毎月自己評価し、サービスの質の向上に取り組んでいます。利用者は、一人ひとりの特性が大きく異なるため、支援方法については個別に課題を設定する必要があり、毎月のホーム会議等で改善策を話し合い検討しています。毎月の自己評価の仕組みを今後非常勤職員にも広げることを課題としています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

管理者研修を受講し、現場の利用者支援に積極的に携わっています。自らの役割と責任についての職務分掌等を文章化し、毎月のホーム会議において周知しています。福祉サービスの向上に意欲を持ち、ホーム独自の「ニヤリホット報告書」を取り入れ、特に事業所運営の要である非常勤職員が気持ちよく業務にあたれるよう、積極的にコミュニケーションを取っています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

求人の募集は法人への要請だけでなく、事業所単位で、写真や様々な情報を掲載し、工夫して採用活動を行っています。入職前には5日間の実習を行い、また入職後の研修を通して法人の基本理念の周知に努めています。有給休暇は時間単位でも取ることができ、職員とは定期的に個人面談の機会を設け、働きやすい職場作りに努めています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人ホームページや冊子に理念や基本方針、提供する福祉サービスの内容が公開されています。玄関ホールには苦情解決制度が掲示されています。今年は2年ぶりに家族との親睦会を開催しました。家族から、コロナ対策や利用者の日頃の生活や体調の変化についての質問が多く、「家族の高齢化に伴う対応」の課題等、これから支援する上で、有意義な意見を聞くことが出来ました。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎年、自治会が開催している納涼会に利用者と出かけ、防災活動に職員が参加するなど、事業所や利用者の存在を知っていただく機会を作っています。コロナ禍のためここ数年はイベントの自粛が続き、交流の場が途絶えています。利用者と地域との交流を広げるための取組が課題となっています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人の理念、倫理行動綱領やホームの事業計画書等に利用者尊重を明記しています。利用者の個別能力を汲み取り本人の意思決定を尊重した支援の提供に向けて法人作成のDVD等も活用して職員研修を実施しています。利用者一人ひとりの特性に応じた支援マニュアルを策定・支援し、職員は毎月セルフチェックを行い、支援の振り返りを行っています。プライバシー保護については規程・マニュアルを整備し利用者のプライバシーに配慮した福祉サービスの提供に努めています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

福祉サービス開始時は利用希望者の障害特性から、本人との直接の意思疎通が困難なため、家族等と面談し、福祉サービス内容や料金等が記載された重要事項説明書や、ルビ付き契約書により内容を説明しています。サービスの変更時には、利用者・家族の同意を得たうえで内容を書面で残しています。現在は満室の為、パンフレット等の資料を公共施設等に置く等の活動を停止しています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者満足に関する調査は、直接利用者から聴取するのが困難なため、家族等とコミュニケーションを取ることで行っています。毎年、所長・常勤管理者・2階利用者担当等が出席し、親睦会(家族会)を開催しています。会では家族の意向や苦情等を直接聞き取り、利用者満足の向上に向け具体的な改善に取り組んでいます。コロナ禍の昨年の親睦会は1階利用者家族、2階利用者家族に分けて、密にならないように配慮して実施しています。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

苦情解決の体制(苦情責任者・受付担当者の設置、第三者委員の設置)を整備し、重要事項説明書に記載して契約時に説明しています。玄関ホールには体制を明示した掲示物が掲示されています。家族とは「連絡ノート」や電話で苦情や意見を受けることが多く、受付と解決内容の記録を適切に保管し、対応策について家族等に必ずフィードバックしています。苦情の公表はしていません。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

リスクマネジメント体制を構築し、福祉サービスの質の向上に努めています。事故防止に向けて、ヒヤリハットを積極的に収集し、要因分析と再発防止に取り組んでいます。水害対策として洪水時の避難計画書を策定し、市にも提出しています。新型コロナ対策を始めとして感染症の予防策はガイドラインに沿って対策を実施し、利用者の安全確保に努めています。職員に対して、安全確保・事故防止に関する研修の実施を課題としています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

基本的な流れは法人共通の手順書を活用しています。またホーム独自の手順書や利用者個人の特性に合わせた支援マニュアルを作成し共有しています。夜勤者には、「夜勤者チェック表」を通して支援漏れのないよう努めています。慣れるに従って効率を優先する職員が見受けらる為、定期的に福祉サービスの振り返りを実施する仕組みづくりを課題としています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

サービス管理責任者は利用者の基本的な情報をまとめたフェイスシートを作成し、利用者の希望・課題の把握・日常生活への評価をしたアセスメントを基に、家族・利用者と面談を行って個別支援計画を作成します。ホーム会議で話し合い、家族に説明して同意をもらいます。半年毎に中間評価を行い、支援の見直しをしています。話し合いには通所先の職員も参加して、通所先での様子を報告し、また毎年家族から提出してもらう「意向調査表」も参考にしています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

日誌の記載は夜勤者と日勤者が担当し、記録は法人共有のクラウドサービスを利用しています。記録により個別支援計画に基づいてサービスが実施されていることを確認しています。また、いつもと違う行動など、その時の利用者の状況や反応をケース記録に残しています。ケース記録は、利用者にとり大切な情報なので、毎月のホーム会議で報告し議論をして情報の共有を図っています。記録の管理については、個人情報保護規定等を遵守しています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者一人ひとりの個性を尊重して、本人の意向を言葉だけでなく表情や素振りで判断し、利用者の自己決定を尊重した個別支援を行っています。作業所からの帰宅後の飲物の提供では、コーヒーはブラック、砂糖入りなど一人ひとりの嗜好に合わせる等利用者本位の支援に努めています。意思疎通が難しい利用者への支援は、職員側のペースになりがちであるため、本人の尊厳を尊重した支援を見つめ直す機会が必要で、課題としています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人の基本方針に人権の尊重を掲げ、「職員倫理行動マニュアル」や「職員ハンドブック」に具体的に分かりやすく記載しています。権利擁護マニュアルに則り、職員は人権擁護のためのセルフチェックを毎月行っています。ホームでは支援の実際の場面を通して管理者等が権利侵害防止の具体例を職員に伝えるとともに、定期的に研修や会議で周知・確認をしています。利用者に対する呼称や言動に関する配慮、身体拘束への対応等について職員間で理解し共有をしています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者の自立した生活を支援することをホームの基本姿勢としています。個別支援計画をもとに、利用者の障害特性を考慮しながら、一人ひとりがその人らしく生活出来るよう支援しています。言葉で自分の思いを伝えられない利用者にはジェスチャーを使い、その様子を観察し、原因をさぐり、本人の気持ちを理解するようにしています。職員の力量や相性により発揮される能力に差が生じています。職員間の力量を標準化する取組を課題としています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

食事は、朝夕共に栄養バランスを考慮して配食サービスを利用しています。配達後は保温庫に入れ、温かい食事を提供しています。朝食は一日毎にパン食とご飯を準備しています。食事は、日常生活において大きな楽しみとなるため、利用者の希望がかなえられるよう業者と調整しています。入浴は、毎日入ることが出来、同性介助で支援しています。排泄は、利用者特性に配慮しながら定時誘導しています。
A-2-(3)生活環境

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

各居室や共有スペースは毎日清掃を行い衛生保持に努めています。廊下には大きめのソファーが置かれ、利用者がくつろげるスペースとなっています。ホームは住宅街にあり、隣には畑が広がり静かな環境です。居室環境は利用者の意向を尊重すると共に、夜間、立ちあがり時に転倒の危険がある利用者には、安全の為、床に布団を敷くなど、一人ひとりの特性に配慮した配置になっています。入浴リフトの導入により、重度身体障害のある利用者も、毎日湯船に浸かれるようになり、生活の質の向上につなげています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

ご家族の希望で、重度身体障害の利用者は訪問リハビリを受けています。主に拘縮を予防するストレッチ、マッサージや歩行訓練を行っています。理学療法士に実施記録を作成してもらい、訓練の状況を家族や職員にも把握出来るようにしています。機能維持のため、専門職の指導のもと、日常生活の中でも行える訓練の実施を課題としています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

入浴や起床介助など、利用者と接するタイミングで心身の状態把握に努めています。訪問看護ステーションと契約し、月1回看護師による健康状態の把握や、医療機関の受診の判断を仰いでいます。体調変化の際は24時間連絡が取れます。利用者はそれぞれのかかりつけ医を受診しています。薬の管理ができる人には1週間ごとに薬を渡して自己管理してもらい、管理の難しい人は事務所で預かり、服薬支援をしています。現在、医療的な支援が必要な利用者はいません。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

休日は毎月1回以上、ホームの車両を利用して外出サービスを提供しています。主に利用者が希望する外食(ハンバーガー、牛丼等)に出かけています。職員体制に余裕がないため、ガイドヘルパーと調整して外出する機会を提供しています。その際、利用者の興味や関心のある事を伝えて満足が得られるように支援しています。毎年、地域の盆踊りや例大祭に出かけ地域住民との交流を図っていましたが、コロナ禍の為、自粛を余儀なくされています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

地域生活への移行については利用者の意思や希望を確認し尊重しています。現在、実家への帰宅や転居、一人暮らしを希望する利用者はいません。利用者がこのホームにおいて地域生活を続ける為に、生活意欲を高める支援や、地域の社会資源に関する情報の提供など、利用者の将来を職員全体で考え続け、快適なホーム生活を継続する取組を課題としています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

週末に実家に帰る利用者は、金曜日に作業所から直接自宅に帰っています。土曜、日曜日と家族と自宅で過ごして、月曜日の朝直接作業所に通います。帰宅の際は、連絡ノートを介して、日常の様子を共有し、家族からの相談はその都度メールか電話で受けています。個別支援計画のモニタリングで年2回面談を行い、支援状況を伝えています。年1回、家族との「親睦会」を開催し、家族相互の交流の場としています。

評価後のコメント<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:12名
アンケート調査対象:12名
ヒアリング調査対象:2名
① アンケートで評価の高い内容と %
・あなたは、グループホームでは自分のペースで過ごしていますか      過ごしている  83%


②  アンケートで評価の低い内容と %
・あなたはグループホームでの生活についての不満や苦情(困っていること)がある時に、誰かに伝えることが出来ますか   できない    67%


③  調査全体でとらえた利用者の状況
 (障害特性や利用者の背景や表情等も含め記述)

・障害度が高い利用者が多いホームです。(療育手帳 A1(最重度)とA2(重度)の利用者が合計11名です。)

・利用者は職員に親しみを持ち、信頼し、何でも相談できています。ホームでの生活では困ったことはなく、自分のペースで暮らし、満足して過ごしています。また、もう一人の利用者は自閉症の特性により、質問の理解も難しい様子でした。馴染みの職員の顔を見ると安心した様子で笑顔になり、単語ですが様々な言葉を話していました。職員は、意思表示があまりない利用者に対しては、表情や素振りを注意深く見守り本人の意思を汲み取って支援しています。