社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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フェアリーテイルそら

2022年03月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 フェアリーテイルそら 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 19名(16名) 名
所在地 222-0033 
横浜市港北区新横浜3-23-3 新横浜AKビル 1階 
TEL 045-474-2504 ホームページ https://www.o-planet.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 オレンジプラネット
職員数
常勤職員:5 名
非常勤職員:4 名
専門職員
保育士:7 名
栄養士:1 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
保育室:1
トイレ:1
調理室:1
事務室なし:保育室とワンルーム
園庭:なし

③ 理念・基本方針
株式会社オレンジプラネットは「おうちの方が働いている間に表現力、感性をみがき、体を鍛え、能力開発もしてしまう」理想の「子育て・保育施設」です。お子様をお預けになる保育者様の心に寄り添い、安全と安心をもとに21世紀を生き抜いていく子ども達の能力開発をおこなっていく高品質保育園です。また、「思いやり」「感謝」そして「自分の足で歩み、目的を達成しながら成長すること(達成感)」この三つを大切にしています。

目標1 思いやりの心を育てます。
目標2 感謝の気持ちを育てます。
目標3 心身共に元気な子どもを育てます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
「おもちゃ」必要なものをより安全に
おもちゃや食器など、子ども達が触れたり口にしたりする生活用品には特にこだわりました。
経験豊富なスタッフが繰り返し話し合い検討を重ね、安全性も本当に納得出来るものを厳選しています。

「食事」美味しくて安全で豊かな食事
子ども達の成長にとって食事はとても大切です。新鮮で安全な食材を使い、栄養バランスの取れた献立であることはもちろん、四季を感じられる旬の食材を積極的に取り入れて豊かな感性を育みます。

「スタッフ」子育てのプロにお任せ
単に子どもを預けるというより、ご自身が仕事をしている時間は「子育てをプロに任せている」とお考え下さい私たちは、豊富な経験をもとにしっかりとした躾を行うだけでなく、強い体ややさしい心を育てます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/10/27(契約日) ~2022/02/10(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)基本的な生活習慣を身に付ける取組
園での受け入れは2歳児までが対象のため、卒園後には3歳児としての基本的生活習慣が身につくように、計画的な援助をしています。保育室は全体が見渡せるワンフロアのため0歳児は1歳児、1歳児には2歳児というお手本となる子どもが同じ空間で過ごしています。常に身近に接することで2歳児にとっても年下の子どもを慈しむ心が養われます。保育士は、大人が見本となることを意識して、丁寧な行動を心がけています。こうした環境で子どもたちは基本的生活習慣を確実に身に付けていきます。食事の際のスプーンの持ち方は、年齢ごとに目標をもって進めています。2歳児になると発達過程に応じてトイレトレーニングを開始しています。排泄毎に排泄の状況が一目で分かるようにトイレチェック表に記入し、個々にあわせてパンツへの移行を丁寧に援助をしています。衣服の着脱では、園でスモックを着たり、ズボンや靴下をはくときは、子どもが自分でできた達成感を得られるような援助をしています。年齢に応じた見守りと援助により、子どもが主体的に活動できるようにする支援にもつながっています。

2)食に関する豊かな経験
食べることを大切に考え、食育を保育目標にも掲げ、食に関する豊かな経験ができるよう保育計画を立てて取り組んでいます。昼食時には、職員が見本となって静かに座って対応することで、子どもたちも落ち着いて食事がとれています。子どもの発達、月齢に合わせて、持ちやすいようコップの持ち手を両手から、片手、持ち手なしに変えるなど食器の形や食具の大きさを変えることで、子どもの発達に合わせ支援しています。食事の提供は、子ども一人ひとりの食事量に合わせて調整し、完食できる喜びや達成感を持つことが他の活動にもつなげられるようにしています。苦手なものも食べないのではなく、一口でも食べることで、少しずつ食べられるものが多くなるようにしています。保育室の隅でシイタケを栽培し昼食で食べたり、三大栄養素の説明をし、メニューを色で説明するなど乳児でも興味が持てるよう工夫して取り組んでいます。食材は、なるべく旬のものを使い、節分には、鬼の形のごはんなど行事食を取り入れた献立にするなど、食について関心を深めるための取組をしています。
改善を求められる点 1)中・長期的なビジョンを明確にした計画の策定
理念や目標を実現する取組は、単年度だけの計画だけでは十分ではなく、中・長期的な視点が欠かせません。保育目標の実現のためには、人材育成、人事考課制度、施設設備の整備などの現状分析を行い、課題を明らかにして解決に取り組む必要があります。3~5年をスパンとする「中・長期の事業計画」とその財務面の裏付けとなる「中・長期の収支計画」の策定が期待されます。

2)地域との交流と貢献
全体的な計画に地域社会との交流について明記していますが、交流や連携は不十分です。運営委員会で地域の福祉ニーズを把握するように努めています。地域の子育てサロンのホームページに、園に遊びに来てもらうように案内をしています。保育所が持つ保育技術を地域に貢献しようとしていますが、実績につながっていません。地域の状況を把握して、本来の保育業務に支障のない範囲での公益的な事業を検討されることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
初めてのことで準備段階からとても緊張しました。
当日は、私のつたない説明を一生懸命聞き取って下さり、またそこから理解しようという姿勢が感じられ本当に感謝しております。
毎日、丁寧な保育を心がけてきて、そこを評価していただいたことは、とても嬉しいです。
ご指摘を受けたところで、直ぐに直せるところは、早速実行しております。
一つ一つ、今までを振り返ることが出来、よい経験となりました。
ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針は、法人のホームページ、入園のしおり、パンフレットに記載されており、保育所の目指す方向や考え方が示されています。法人では理念を周知するために職員に対し、毎年「理念マスターテスト」を実施しています。しかし、理念や基本方針は、ホームページ、入園のしおり、パンフレット、全体的な計画でそれぞれ記載内容が異なっています。分かりやすく整理をされた上で、職員や保護者等に周知されることを期待します。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

保育所が立地している地域は、交通の便が良い反面、商業、業務施設が集積している関係で、子どもの保育ニーズが必ずしも高くない傾向があるため、将来の保育ニーズの把握が課題となっています。毎年の予算策定に際しては、収支の見込みを算定するため、利用者数の推移や経費について分析を行っています。区が策定している地域福祉計画についても内容を把握し分析されることが望まれます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

商業・業務地域に立地するため、地域内での保育ニーズが必ずしも高くない現状を踏まえ、事業計画に「選んでもらえる園」を掲げて取り組んでいます。この事業計画(株式会社オレンジプラネット指針)については、法人主催で全職員に周知するための説明会を実施しています。今年はコロナ禍のため、オンラインでの実施となりました。しかし、課題解決に向けての取組には、法人と保育所職員との連携が十分でない面も見られるようです。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

3~5年をスパンとする「中・長期の事業計画」とその財務面の裏付けとなる「中・長期の収支計画」が策定されていません。保育目標の実現のためには、職員体制、人材育成、施設設備の整備などの現状分析を行い、課題を明らかにして解決に取り組む必要があります。その解決のためには中・長期的な視点が必要となりますので、単年度の計画だけでなく中・長期の計画の策定が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の計画は、収支の目標、「選んでもらえる園」となるための職員研修の充実やサービス向上に向けた取組など、具体的な施策を掲げており、実施状況の評価を行える内容となっています。しかし、中長期の計画が策定されていないため評価結果はCとなります。事業の実施にあたっては中長期の視点が欠かせませんので、中長期の計画の策定が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、「株式会社オレンジプラネット指針」として、法人内全事業所を対象に策定されています。例年、法人内全社員を対象として「指針」の説明会を実施していますが、今年はコロナ禍のためオンラインで実施しました。説明後、社員は「指針」に対する意見等についてレポート提出を義務づけられており、法人からは意見等に対するコメントがあります。事業計画の策定は、法人で行われており、保育所の現場ではその策定過程は明確なものになっていません。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

事業計画のうち、行事計画については保護者に参画を促す観点から、年間行事予定を配布するとともに、毎月発行の園だよりに分かりやすく説明がされています。しかし、事業計画にある保育の質の向上に関する取組等についての保護者への周知はされていません。これらの内容についての保護者周知も必要な取組です。保護者説明用の分かりやすい資料を作成し丁寧な説明が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

各指導計画にもとづく保育実践について、週毎、月毎、期毎に振り返りを行い保育の質の向上に取り組んでいます。小規模園ですので、クラスの垣根を越えて職員全員で話し合い、課題や解決策について話し合っています。保育所の自己評価は定められた評価基準にもとづいて年度末に実施しています。しかし、評価結果を分析し保育の質の向上につなげる仕組みが十分ではありません。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

指導計画にもとづく保育実践について、毎日のミーティングや職員会議で話し合って、課題の解決、保育の質の向上に取り組んでいます。しかし、年度末の保育所の自己評価では、評価結果の分析や課題の文書化がされていません。また、評価結果にもとづく改善計画が文書化されておらず、計画的な改善の取組も十分ではありません。課題については改善に向け、計画的に取り組まれることを期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、職員会議や毎日のミーティング、日常の保育実践の場で、日頃から施設長の役割と責任について職員に明確に伝えています。施設長が不在となるときは、その都度職員に権限委任をしています。運営規程には、責任者の職務内容が記載されていますが、具体的なものにはなっていません。施設長が組織内でリーダーシップを発揮するためにも、職務分掌を文書化して役割、権限、責任を明らかにするなど更なる取組が期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、法令遵守の立場から、利害関係者とは適正な対応を心がけています。就業規則と、全社員に配布している法人作成の「手帳」に掲載されている「行動指針」に法令遵守が規定されています。施設長は、それらの規定をもとに常日頃から職員に対し注意喚起をしています。環境への配慮の取組として、牛乳パック等の廃材を子どもの制作活動に活用したり、節電・節水に取り組んでいます。施設長が、法令遵守の観点での経営に関する研修会等に参加する等の取組は不十分です。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、各指導計画にもとづく保育実践に対する保育士の振り返りや自己評価をもとに、週ごと、月ごと、期ごとに保育の質の現状について評価・分析を行っています。その際、保育士等とは丁寧な意見交換をするなど、指導力を発揮しています。保育士等も園の運営に参加しており、備品チェック、書類整理、環境設定、行事等の役割を担っています。保育士等は年間研修計画にもとづいて必要な研修に参加しています。また、施設長は毎月テーマを決めて園内研修を実施するなど積極的な取組をしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、人員配置の工夫等により、事務作業を時間内に処理できるようにしており、残業のない勤務体制を整備しています。また、休暇を取りやすい雰囲気作りを心がけており、職員が働きやすい環境作りをしています。業務の実効性を高めるために、施設長の責任のもと、職員に業務を担当してもらう体制を築いています。登降園システムを導入し、保護者への一斉送信の機能を活用することによってペーパーレス化を図っています。保育所の立地する地域が保育ニーズが高くない等の事情から、利用者が定員に達していないという経営的な課題があります。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の事業計画では、人材確保のためグループ内会社との連携を掲げています。グループ内事業所の卒業生へのアプローチ、アルバイト職員への保育士資格取得の推奨、グループ内事業所間での保育士派遣などを想定しています。人材育成としては、園長による効果的な園内研修、将来を展望できるキャリアプランの策定を掲げています。しかしながら、効果的な採用活動の展開については確認ができませんでした。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

全社員に配布される「手帳」に記載されている「行動指針」に、法人が求める職員像についての説明があります。採用、異動、昇進、昇格等の人事基準は、就業規則に定められています。職員一人ひとりの成果や貢献度等を評価する人事考課制度は確認できませんでした。また、職員の処遇水準についての同一地域、保育施設間等での比較・検討やキャリアパスの整備についても確認できませんでした。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

施設長は、職員の有給休暇の取得状況等の就業状況を把握しています。保育記録等の事務作業は、時間内に処理できるように職員体制を整えるなど、時間外労働をなくすよう努めています。有給休暇を取得しやすい環境作りをするなどワーク・ライフ・バランスに配慮した取組をしています。職員との面談は、定期面談のほか、必要に応じて随時行っています。福利厚生事業として、家賃補助、懇親会補助、施設利用の補助などの制度があります。働きやすい環境づくりのための改善策は、計画にもとづく継続的な取組にはなっていません。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度当初に職員一人ひとりが取り組む計画を設定して、PDCAを回す仕組みがあり、年に3回自己評価をしています。しかし、計画の設定は施設長とのコミュニケーションのもとに実施されていません。また、目標水準、目標期限が明確にされていません。保育所全体の目標と職員一人ひとりの目標を統合する、という目標管理制度の趣旨を踏まえた仕組みの整備が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人として、年間の研修計画を策定しています。年度毎にカリキュラムや研修内容を評価、見直しを行い、より効果的で適切な研修となるように努めています。全職員に配布される「手帳」に記載された「行動指針」には期待される職員像の説明がありますが、保育方針や計画の中に「期待する職員像」の明示がありません。また、職員に必要とされる専門技術や専門資格の明示がされていません。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、職員一人ひとりの知識、経験等を踏まえて適切なOJTを実施しています。具体的には毎月テーマを決めて実施し、その内容を保育実践につなげて、結果を文書で報告するという取組があります。研修計画には、階層別、テーマ別、職種別研修が用意され、職員一人ひとりのニーズに応じた適切な計画になっています。しかし、小規模保育所の少人数職場のため、職員体制に余裕がなく、積極的な研修参加には制約もあります。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

小規模事業所で更に人見知りのある低年齢児を対象としているため、実習生の受入れが難しいと考え、受入れを行っていません。しかし、福祉人材の育成は保育所の社会的責務の一つでもあり、また人材確保の一環としても一定の受入れが期待されます。受入れにあたっては、受入れに関するマニュアルの作成や保護者等の理解を得るなど、受入れ体制の整備が必要となります。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページには、保育所の理念等について掲載されていますが事業計画、事業報告、予算決算情報は公開していません。苦情、相談の体制は保育所の玄関に掲示していますが分かりやすいものとはなっていません。具体的な苦情に対する解決の状況について、保護者に周知しています。保育所のパンフレットは、地域の子育てサロンに置いてもらい、地域への周知に取り組んでいます。また、地域の情報紙にも保育所の詳細を掲載しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育所では、備品、消耗品、絵本等の購入のための小口資金の管理が任されています。物品購入等の決裁権限や経理処理のための規定があり、施設長が現場の責任者となっています。これらの経理処理や事務処理に対する内部監査の仕組みは整備されていません。また外部の専門家による監査支援は、保育所では確認ができませんでした。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画には、「保育所の社会的責任として、地域社会との交流や連携を図り、保育の内容を適切に説明する」と明記していますが、交流や連携は不十分です。3歳児以降に転園が必要となることもあり、近隣の幼稚園や保育所の運動会の情報等について、玄関に掲示したり登降園システムで発信していますが、地域との交流の機会を広げる取り組みとしては不十分です。保育指針では、1~2歳児について、「その際、保育所内外の行事や地域の人々との触れ合いなどを通して行うこと等も考慮すること」とありますので検討を期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

これまで、低年齢の子どもを対象とした保育を行っている小規模な事業所であることや新型コロナ禍の影響等によりボランティアの受け入れは行っていません。しかし、今後、新型コロナの感染状況等を見ながら、地域の方に保育の仕事を知っていただくためにも、ボランティアの受け入れについて検討していきたいと考えています。ボランティアの受け入れを検討されるに当たっては、保護者等に説明し理解を得ること、トラブルや事故を防ぐためのボランティアへの研修が必要です。また、受け入れのマニュアルの整備も求められます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

病後児保育のニーズがある保護者等には対応できる施設等を紹介する資料を渡したり、発達に課題のある子どもの保護者を保健所や療育センターへつないだりできる体制を整えています。しかし、保護者等が必要とする社会資源についての資料は整理が十分にできていません。また、関係機関と定期的な連絡会を行ったり、協働して具体的な協力を行うなどの継続的な取組ができていません。コロナ禍にあって、園医と連絡を取り合って感染防止等に努めています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

年2回開催している運営委員会での意見をもとに、保育所内の危険箇所の改善に取り組んでいます。しかし、地域の福祉ニーズを把握するための取組にはつながっていません。保育所は、公益性のある組織として、地域の具体的な福祉ニーズを把握し、地域社会で必要とされる役割があります。保育所の置かれている状況を勘案しながら、可能な範囲での取り組みについて検討されることが期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

地域の子育てサロンのホームページに、園に遊びに来て欲しい旨の案内をしています。親子で保育所の給食を試食する体験をして貰ったことがあります。しかし、職員体制等に余裕がなく成果はほとんどない状況になっています。本来の保育業務に支障のない範囲での公益的な事業を行うことについて検討されることを期待します。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育については、理念、基本方針、全体的な計画等に明示しており、毎日の保育の中で実践しています。毎日のミーティングや職員会議では、具体の保育実践について振り返り、意見交換をして基本的人権への配慮について確認をしています。保育士は、保育の中で子どもに対して「ありがとう」の言葉を伝え、子どもを尊重する姿勢を示しています。この姿勢は子ども同士でもお互いに認め合い、尊重し合う心を育てると考えるからです。「男の子だから」、「女の子だから」という言葉は使わないようにしています。子どもを尊重した保育に関する「倫理綱領」や規程類の整備はしていません。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どものプライバシー保護に配慮した取組をしています。おむつ替えは保育室では行わず、必ずトイレ内のスペースで行っています。着替え、身体測定、水遊びの時は、裸にならないように工夫した対応をしています。子どもが落ち着きたいときには、他の子どもから離れて個室で一人になれるように配慮し、保育士が付き添っています。プライバシー保護に関する規程等の整備と保護者等へのプライバシー保護の取組についての周知が望まれます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

保育方針、保育目標、保育計画、行事等をわかりやすく詳細に記載した「入園のしおり」を作成し、地域の子育て拠点のイベントで配布しています。また、ホームページを開設して、園を紹介しています。保育園の利用希望者には、入園のしおりなどを使い丁寧に説明し、見学の希望にも丁寧に対応してます。利用希望者に対する情報提供については、イベントや給食一覧などの写真を使い、わかりやすい資料を作ることを計画しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始や、保育内容の変更時には、わかりやすく工夫した入園のしおりや重要事項説明書を使い、丁寧に説明し、同意の署名をもらっています。園名や保育時間の変更時には、説明文書を作成して丁寧に説明し、保護者の了解を得ています。配慮が必要な保護者への説明は、口頭・手紙・ICTシステムなどいろいろなツールを使い、最適な方法を職員で検討し、理解しやすいように工夫しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

入園のしおりに保育所等の変更方法についての記載があります。保育所の変更は、連携園については、施設長が園児の様子を伝えています。それ以外は個人情報保護の観点から特に対応は行っていませんが、依頼があれば対応する体制はできています。保育が終了した時に、その後の相談方法や担当者について説明し、その内容を記載した文書を作成して渡すことを期待します。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

連絡帳の内容や、子ども一人ひとりの様子をしっかり見ることで子どもの満足度を把握しています。コロナ禍で、保護者会などは中止しているため、今年は個人面談を年2回行い、送迎時の保護者とのやり取りで保護者の気持ちを把握するよう努めています。面談後は、職員ミーティングで情報共有を図っています。例年は、職員が保護者会に利用者満足を把握する目的で出席しています。保護者アンケートは、昨年実施していません。保護者アンケートの実施や保護者会、個人面談の内容を話し合い、把握した内容を分析・検討して具体的な改善を行うことを期待します。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決規定を作成しており、重要事項説明書に苦情相談窓口の設置と窓口の受付担当者・責任者・第三者委員の名前、電話番号が記載され、苦情解決の仕組みを説明した書面を玄関に掲示しています。苦情記入カードの配布や匿名のアンケートの実施、意見箱の設置など、保護者が苦情を申し出やすい工夫を期待します。苦情内容の受付と解決を図った記録を保管しています。苦情内容に関する検討内容や対応策について保護者へのフィードバックが期待されます。第三者委員に苦情を申し出た保護者に配慮したうえで、公表しています。職員は、苦情について、話し合いを重ね、同じ苦情が起きないよう、保育の質の向上をめざしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書に「面談、文章、などの方法により、随時相談・苦情を受け付けています」と記載し、窓口の相談・苦情受付担当者、相談・苦情解決責任者、第三者委員の名前と電話番号を明示しています。目につきやすい玄関に苦情・相談の受付についてと窓口を記載した文章を掲示しています。保育室のスペースの問題により、保育時間中は相談スペースの確保が困難ですが、保護者の希望により、相談方法、場所、時間などを選択しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

送迎時の保護者との会話、連絡帳、保護者懇談会、個人面談など保護者の意見を積極的に把握しています。保護者からの意見については、職員ミーティングで対応策を検討しできるだけ迅速に対応し、保育内容なども見直し、保護者に伝えています。苦情解決規定を整備し、解決方法や、話し合い、事後の報告などの手順を決め、随時見直しています。意見箱の設置、意見カードの配布、匿名アンケートの実施や、意見・要望・苦情への対応マニュアルの定期的な見直しを期待します。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

ケガや事故の発生時には、その日のうちに施設長を中心に職員ミーティングで内容を分析し、今後の対応を話し合っています。事故、病気の対応マニュアルがあり、内容の変更を事故等に合わせて行っています。市や区からの安心や安全を脅かすヒヤリハットの事例を収集し、職員に周知し、発生原因の分析や改善策や再発防止策を職員ミーティングで話し合っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策は施設長を中心に責任と役割を決めています。感染症対応マニュアルを作成し、手洗いや嘔吐処理の方法などが決められており、随時見直ししています。感染症の予防や安全確保について、職員ミーティングで話し合っており、予防策として、徹底した消毒と丁寧な手洗いを行い、加湿機能付き空気清浄機を設置しています。感染症が発生した際には、区のこども家庭支援課に報告しています。また、保護者には、感染症やインフルエンザなどの発生や行政からの地域の感染症についての情報をICTシステムでお知らせしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時の対応として、毎年9月1日に引き取り訓練を行い、毎月、あらゆる災害を想定した避難訓練を行っています。施設が洪水浸水想定地域にあるため、建物の管理人と連携し、緊急避難場所として建物の5階に避難する訓練を行っています。地震対策として、部屋のロッカーなどは壁に固定し、引き出しなどは飛び出し防止ストッパーをつけています。緊急連絡は、保護者にはICTシステムを使い、職員はSNSを使うことが決められていますが、安否確認に伝言ダイヤルなどの活用の検討を期待します。食料や備品など備蓄リストを作成し、施設長が管理しています。今後、災害時の分担表の作成や建物の防災担当者と連携していくこと、施設長不在時の権限委譲について明確化することを期待します。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー対応マニュアルや乳幼児マニュアル、睡眠、食事などについては毎日のチェックリストなど、標準的実施方法が文書化されています。保育における確認事項に人権の尊重と守秘義務についての記載があります。職員は、施設長から個別の指導をうけマニュアルなどにそって言葉遣いや態度など、丁寧な保育を実践し、毎日チェックリストで確認しています。子どもの様子を見ながら、小規模園のよさを生かし柔軟に対応しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

マニュアルなど職員ミーティングで話し合い、随時見直しています。見直しにあたり、指導計画の内容が反映されています。検証見直しにあたり、職員ミーティングでの職員意見を反映し、保護者については、連絡帳や送迎時の意見、保護者懇談会の意見などを反映させています。今後マニュアルなどの定期的見直しや、保護者アンケートなどを実施して見直しに反映させることを期待します。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

施設長を中心に全体的な計画にもとづき年間指導計画や月案、週案などを作成しています。入園時の提出書類や面談情報、個別記録などから、既往症や家族状況等子どもと保護者の状況を把握しています。計画の作成にあたり、施設長、栄養士など職員全員が参加し、責任をもって作成していますが、アセスメントの意味や手法についての共通認識は不十分です。支援困難なケースへの対応は、区のこども家庭支援課などからの資料を検討し、保健師や療育センターなどと相談しながら適切な保育が行われることを期待します。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

運営委員会を開催し、保護者代表などから指導計画の内容などについて意見を聞いています。年度末、月末、週末に年間指導計画、月案、週案について、それぞれ職員ミーティングで振り返りを行い、次の計画を作成しています。また、職員の自己評価や園の自己評価の内容なども検討しています。また、急な変更にも同様の対応をすることが可能です。今後、指導計画の評価・見直しにあたって、保護者のニーズ等に対する課題などの検討を期待します。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活状況などは、子ども一人ひとりの個別記録に記載されており、確認することができます。また、職員全員が職員ミーティングで共有しています。今後は、職員ミーティングの話し合いの内容をまとめ、記録を残すことを期待します。記入要領の作成については、施設長が職員研修で書き方の説明や、他の職員の書き方を参考に作成するなど工夫して指導しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規定を定めており、業務上知り得た、保護者や子どもの秘密を保持することが定められています。また、入園時、施設長から保護者に説明し、写真撮影や園だよりの子どものなまえの記載などについての個人情報に関する同意書をもらっています。記録管理の責任者は、施設長と決め、職員は入社時に研修を受講しています。子どもの記録は、鍵のかかる場所に保管し、書類の廃棄はシュレッダーを使用するなど、規定を順守しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画には、「人権に配慮する。子どもの人格を尊重した保育を行う。」と明記され、保育所保育指針等にもとづいて作成されています。また、保育所の理念や保育方針を踏まえたものになっています。しかし、理念や基本方針は、ホームページ、パンフレット、入園のしおり及び全体的な計画の記載内容がそれぞれ異なっているようですので整合されることを期待します。全体的な計画は、前計画を評価して見直しを行っています。全体的な計画の見直し、作成にあたっては職員参画の上で行っており、年間指導計画、月案、週案の作成につなげ、保育目標の達成に向けて全職員一丸となって取り組んでいます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室は大きなガラス窓に面し、空や緑が望まれ採光がよく明るい空間になっています。夏は、室温20度、湿度60パーセント、冬は室温22度、湿度60パーセントを目安に、子どもにとって快適な温湿度設定をしています。子どものおもちゃや絵本は、毎日アルコールや次亜塩素酸で消毒をして感染症等の予防をしています。小規模事業所で十分なスペースの確保は困難ですが、保育室のレイアウトや活動の工夫により、子どもが落ち着いて過ごせるように配慮しています。食事が終わると午睡の時間になりますが、食事中に午睡の準備ができる空間を用意しており、落ち着いて食事をすることができます。子どもの発達に応じて、家具の配置を変えたり、遊びも変えています。職員は子どもの安全のために、室内の危険箇所を点検し、室内に掲示して注意喚起をしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の「ねらい」には、「個々の生活リズムを大切に」、「一人ひとりの欲求を十分に満たし」等と記載し、一人ひとりの子どもを受容する援助内容が記入されています。職員は、一人ひとりの子どもに個人差があることを理解し、きめ細かな関わりをしています。子どもには、分かりやすい言葉で穏やかに話しかけることを心がけ、子どもが安心して自分の気持ちを伝えることできるようにしています。子どもが、したいことをができた達成感を味わう援助も大切にしている取組です。ズボンや靴下を履くときなどは、自分でしようとする気持ちを大事にして、少しだけ手伝うようにしています。言葉で伝えられず、友だちに手を出してしまうことがありますが、子どもの気持ちを受け止め、保育士が子ども同士の仲立ちをしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもが基本的な生活習慣を身に付ける取り組みを丁寧に進めています。子どもの自分でやろうとする気持ちを大切にし、尊重して援助を行っています。スプーンの持ち方は、最初は「上から握り」、次に「下から握り」、それから卒園の2歳児の終わり頃には「鉛筆持ち」になり、箸を使える段階になることが目標です。排泄では、2歳になると発達過程に応じてトイレトレーニングが始まります。トイレチェック表に、排泄毎に排泄の状況が分かるような記号を記載します。保育士はその表を確認しながら、パンツへの移行を丁寧に援助しています。着脱の援助では、園でスモックに着替えるときは、保育士は首だけ入れて、あとは自分でやって貰い、自分で着替えられた達成感を味わえるようにしています。保護者とは、子どもができていることを伝え合って、子どもの状況を共有できるようにしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

園ではモンテッソーリ教育の理念を意識して、子どもが主体的に活動できる環境を整備しています。子どもの発達にあった知育を中心にした教材は職員が手作りしています。子どもたちがしたいことを日々の保育の中で意識して、モンテッソーリ教材やおもちゃを子どもが自由に触れる場所に置いて、自分で選ぶことができるようにしています。子どもたちがおもちゃを手に取るときには、子ども同士のトラブルが起きることがあります。保育士は、それぞれの気持ちを代弁して仲立ちをしています。パズル遊びやカード遊びでは、子どもが協同して活動するように援助をしています。年に1回の発表会に向けての練習など様々な表現活動ができるようにしています。近隣には緑豊かな公園等があり、毎日散歩に出かけて自然と触れ合っています。コロナ禍の影響もあり、現在のところ地域の方との交流の機会がありませんが、今後検討していきたいと考えています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育室は全体が見渡せるワンフロアですが、間仕切りや敷物を利用して、発達に応じて0歳児が生活しやすい空間や環境となるよう工夫をしています。担当保育士が子どもと愛着関係を築けるように応答的な関わりをしています。ワンフロアの保育所のため、他の保育士も日頃から声をかけるなど関わりを持っており、子どもは安心して生活と遊びを展開することができます。月齢に合わせて興味や関心のある生活ができるように、1歳を過ぎた子どもは1歳児クラスの活動に入るなど柔軟な保育をしており、小規模保育園ならではの対応となっています。家庭とは、食事の仕方や離乳食の進め方について綿密に相談をしています。今年は地域の特性から、0歳児の利用はありませんが来年に向けて受け入れの準備をしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳以上3歳未満児は、自我が芽生える時期でもあり、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重した関わりをしています。ズボンや靴下を履くときなど着脱の援助の際は、子どもが気がつかないようにさりげなく援助をして、自分でできた達成感を味わえるようにしています。自分でできた時は保育士も一緒になって喜び、子どもの自信につなげています。自我の発達とともに自己主張もでてきますが、子どもの気持ちを受け止めつつ、「先生は悲しいな」などと保育士の気持ちを伝えるようにしています。栄養士も食事の時間に声かけをしたり、月に2回の食育活動で子どもとの関わりを持っています。家庭とは、子どもの園での生活と家庭での生活について情報交換をする等、子どもの育ちを共有するようにしています。また、保護者が保育所に何を期待しているかを汲み取って保育の内容に反映するようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳児施設のため取組はありません。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

これまで障害のある子どもを受け入れたことがなく、受け入れのための環境は整備されていません。配慮の必要な子どもについては、個別記録を作成し、他の子どもと一緒に活動していますが、子どもの意向や様子を確認しながら、机を分け、コーナーで落ち着くのを待つなど状況に合わせた対応をしています。区の子ども家庭支援課に相談し、年1回の療育センターの巡回相談などから、職員は必要な知識や助言を受けて子どもに関わり、保護者にも療育センターとの連携について伝えています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

小規模園のため、担当は決まってはいますが、保育士全員で全ての子どもを見ることができており、家庭的な穏やかな環境で子どもたちは過ごしています。朝夕の合同保育時間は、少人数なので、一人ひとりが好きな玩具を使って好きな遊びをして穏やかに過ごしています。17時以降利用の子どもにはお茶を提供しています。現在は18時30分までの利用が多く、延長保育があるときは、軽食の提供を行っています。保護者から口頭や連絡帳などで得た子どもの状況については、ボードに記載して共有しています。また、引き継ぎ内容については午後の職員ミーティングで話し合っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳児施設のため取組はありません。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理についての規定があり、保健に関する計画を作成しています。子どもの体調悪化やケガなどについては、予防対応マニュアルに沿って対応しており、職員は毎日のミーティングで情報共有しています。子どもの健康管理に関する方針、取組について入園のしおりに記載されており、入園時に施設長から保護者に説明しています。乳幼児突然死症候群の対応について施設長が職員に指導し、乳児用マニュアルに沿って、タイマーを使い、基準にもとづくブレスチェックを行っており、ブレスチェック表を部屋に掲示しています。乳幼児突然死症候群に関する保護者への情報提供は、今年度コロナ過で保護者会などが中止になり、説明できていません。子どもの健康状態に関する情報は、個別票に記載されており、予防接種などの情報についても接種日や種類を保護者に記入してもらっています。職員は情報を共有しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断や歯科健診は、嘱託医により、年2回定期的に実施しています。結果は個別診断表に記録し、保護者へお伝えし、職員にも周知しています。また、必要があれば病院での受診をすすめています。健康診断や歯科健診の結果を保健計画に反映した保育を行っています。歯科健診の結果は区のこども家庭支援課に伝えています。今年度も、保健計画に沿って、コロナ対策をしながら歯磨きの練習をはじめる予定です。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもには、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、アレルギー対応マニュアルを作成して対応しています。慢性疾患のある子どもに対しては、保護者に医師の指示書の提出と年1回の受診を依頼しています。アレルギー疾患のある子どもの保護者と面談し、子どもの状態を詳しく聞き取り、栄養士や職員が共有しています。食事の際は、他の子どもと机を離し、専用の机、椅子、台ふき、口ふきタオル、食器を用意しています。また、職員1名が必ずそばについて対応しています。職員はコロナ禍で研修参加が難しい状況ですが、可能な限りオンライン研修等に参加し、職員ミーティングで共有しています。食事やおやつ対策を取っています。また、保護者には園だよりの中の「保健コーナー」でアレルギー疾患について説明しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

保育計画の中で食に関する豊かな経験ができるよう計画し取り組んでいます。昼食時には、職員が見本となって静かに座って対応することで、子どもたちも落ち着いて食事がとれています。子どもの発達、月齢に合わせて食器や食具の形を分けることで、子どもの発達に合わせた支援をしています。食事の提供は、子ども一人ひとりの食事量に合わせて調整をしています。苦手なものも食べないのではなく、一口でも食べることで、少しずつ食べられるものが多くなるようにしています。保育室の隅でシイタケを栽培し昼食で食べたり、三大栄養素の説明をし、メニューを色で説明するなど乳児でも興味が持てるよう工夫して取り組んでいます。保護者にはその日の昼食やおやつを玄関に掲示してお知らせしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立や調理方法は、施設長と栄養士が相談して決めています。年齢に応じて味付けや食材の刻み方を変えるなど考慮して提供しています。また、体調が悪い子どもには、牛乳をお茶に変えたり、量を減らすなど個々に対応しています。食事中、栄養士が子ども一人ひとりの食べ進み具合を見ており、食事量や好き嫌いを把握しています。また、職員ミーティングでも話し合っています。残食記録をまとめ、次月の献立などに反映しています。食材は、なるべく旬のものを使い、節分には、鬼の形のごはんなど行事食を取り入れた献立にして食への関心を高める工夫をしています。調理室の衛生管理マニュアルに基づき、保育室の衛生管理を適切に行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

連絡帳や毎日の送迎時に、保護者と情報交換しています。年2回個人面談を行い、保育の意図や内容の理解を得ています。園だよりや発表会、ICTシステムに掲載した子どもの写真などで、子どもの成長を共有しています。家庭の状況や保護者の相談内容などは、個々の「個別記録」に記載しています。保護者から相談などがあった時は、相談内容や対処方法をまとめた記録を作成することを期待します。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

送迎時の保護者とのコミュニケーションにより、信頼関係を築いています。保護者から相談を受けたときは、職員が施設長に相談し、助言を受けて対応しています。また、職員間でも共有し、個々の個別記録ファイルに記録しています。また、より良い対応の方法を職員で話し合い、意見を出し合う機会を設けています。施設長でも解決が難しい場合は、経験の長い前施設長に相談しています。要望や相談があった際には、個々の記録だけでなく相談内容や対処などをまとめたファイルを作ることが期待されます。小規模園の特性を生かし、毎日の職員ミーティングで、子どもの状況を各クラスで報告し、共有しています。保護者の相談は、個別面談希望票にもとづき、日程などを決めて実施しています。また、突発的な相談にも応じています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

登園時に必ずケガや痣などがないか身体を確認し、お迎えの時間や持ち物の汚れや忘れもの、おむつの替え具合、肌の状態などで、子どもや家庭の状況などを確認しています。子どもの心身の状態や家庭での養育の状況で普段と異なる様子がある場合は、毎日のミーティングで報告し話し合って共有しています。また、必要がある場合は施設長を通し、区のこども家庭支援課などに連絡し保健師に相談しています。悩みを持つ保護者には話す機会を必ず持ち、まずは保護者の気持ちに寄り添い、状況を確認し、園が支援できることはないかなど一緒に考えています。運営規程に虐待防止のための措置の記載があり、職員ミーティングで話すことで一歩踏み込んでの対応の共通理解が進んでいます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

業務の質の評価について規定があり、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程に配慮して保育を実施しています。保育士は他の保育士の良いところを学びあっています。行事については、各担当が主体になり計画から反省まで話し合いながら進め、振り返ったことを次の行事の改善策として記録しています。区の乳児保育研修に参加し保育の改善や専門性の改善に努めています。保育士の自己評価を園の保育実践の自己評価につなげています。また、全体的な計画の振り返りについては、施設長が自己チェックリストを使って実施しています。保育所の自己評価は自己チェックリストなどを使い、個人の取組でなく職員の参加のもとで進めることを期待します。