社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ブックカフェひばりが丘

2023年01月20日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ブックカフェひばりが丘 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 就労継続支援(B型) 定員 20名(利用人数:26名) 名
所在地 252-0003
座間市ひばりが丘1-45-21  
TEL 046-200-9627  ホームページ http://tomoni.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2020年09月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人県央福祉会
職員数
常勤職員:4名 名
非常勤職員:3名 名
専門職員
社会福祉士:3 名
精神保健福祉士:2 名
看護師:1 名
介護福祉士:1 名
施設・設備の概要
カフェ:1
作業室:2
食堂:1
相談室:3
多目的室:2
男子更衣室:1
女子更衣室:1
男子トイレ:1
女子トイレ:1
みんなのトイレ:2
静養室:1

③ 理念・基本方針
①理念
・ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します
・先駆的で開拓的な事業を展開します

②基本方針
・人権の尊重とサービスの向上・インフォームドコンセント及びエンパワメントを大切にした利用者支援・地域との共生・ニーズの多様化と複雑化に対応・社会のルールの遵守(コンプライアンス)の徹底・説明責任(アカウンタビリティー)の徹底・人材の確保、育成のための研修の研修体制の充実・柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)の徹底・財務基盤の安定化・国際化への対応・社会貢献活動への積極的な取り組み

④ 施設・事業所の特徴的な取組
★古本のインターネット販売、カフェの営業を通じて社会参加の場を作ります
①古本のインターネット版売のためのデータ入力作業を提供し、在宅(引きこもり)の方の社会参加の機会を作ります。
 
②古本販売のための書籍の寄付を募るチラシを作成、近隣の住民の方へ寄付をお願いするポスティング作業を行うことで、地域の方との接点を持つ機会を作ります。

③養護学校、特別支援学校の学生、在宅の学生向けに見学と作業の体験実習の機会を設けています。

④毎月第二土曜日に子ども食堂を開催し、地域の方のコミュニティーの場を作ります。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/05/16(契約日) ~2022/12/13(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)多種多様な作業の提供
事業所では「カフェ作業」と「古本作業」を提供しています。カフェ作業では来店者の誘導やオーダー確認、商品提供の接客作業、トイレ掃除、テーブルや椅子、窓ガラス拭きなどの環境整備作業があります。古本作業では寄付された本のやすり掛け、クリーニング、パソコンでの入力、本の集荷や出荷や本棚の整理などがあり、利用者の希望や特性に配慮した作業を提供することができています。また、利用者の体調変化などにより提供する作業の変更にも柔軟に対応し、一人ひとりへ活動の場を提供しています。

2)地域と利用者が関わる機会
事業所は開設3年目ですが、地域との関わりを大切にし、利用者も様々な機会で交流をしています。事業所内で運営しているカフェでは利用者が接客をするほか、社会福祉協議会と連携した社会貢献活動の「こども食堂」を毎月開催し、利用者も参加をしています。地域の高校には法人の他事業所で焼いたパンを利用者と販売に出かけています。納品や本の引き取りは車で出かけるのでドライブを兼ねた気分転換の機会にもなり、利用者に人気があります。地域イベントがある時はお知らせを配付し、参加を呼び掛けています。また地域から提供を受けた野菜を定期的に販売しており好評を得てます。

3)専門資格や知識を生かした利用者支援
管理者は日々現場に入っているため、職員からの意見を日常的に把握できています。事業所の状況を分かりやすくまとめた資料「ブックカフェひばりが丘の役割 2021年度の私たちの実績を振り返って」を通して福祉サービスの質に関する課題を把握し、改善のための具体的な取組を職員が主体的に考えることができる体制を整えて指導力を発揮しています。常勤職員は社会福祉士、精神保健福祉士(両方取得者もあり)の資格を持っています。非常勤職員にも介護福祉士資格取得者がおり、利用者それぞれの行動や生活の状況に応じた支援を行っています。本人の生活しづらさについて抱えている問題に職員は気づきの視点を持った上で、本人が納得し自発的に行動を起こせるまで、丁寧に傾聴し寄り添うことを実践しています。

4 )事業所としてのマニュアルの整備
法人として一定の基準を満たすための各種マニュアル類を整備しています。しかし、事業所運営や利用者支援に必要な事業所独自のマニュアルや手順書などは、作成をして活用しているものもありますが、今後の検討課題としているものもあります。今後の取組が期待されます。

5)作業以外の余暇活動やレクリエーション活動
他事業所のカフェに行ったり、事業所が休日の日曜日開催の自治会行事に利用者と参加したりしていますが、いずれも単発的で、事業所の適切な活動プログラムとして定着しておらず、今後の課題としています。利用者の希望や意向を把握しながら定着化していくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回、客観的な評価を頂き、改めて課題が見えてきました。
1.場所長からの事業所スタッフへの、事業所方針の明確なメッセージの作成
2.事業所独自の中長期的計画の策定
3.災害対策の整備
4.ボランティアの受け入れ時マニュアル
5.より標準化された支援マニュアル作り
6.支援時の細かな記録作り
上記6点を日々改善していきます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念、基本方針及び職員倫理行動綱領で利用者の人権を尊重し、法人として目指す方向、考え方を明文化しており、それらは、職員の行動規範となる具体的な内容になっています。職員には入職時の面談や職員倫理行動マニュアルの配付、毎月の事業所会議を通して理念・方針の理解や確認をしています。利用者・家族には理念・方針のある冊子を配付していますが、管理者は利用開始時等での説明やわかりやすい資料で周知を図る必要があると考えています。今後も理念・方針の周知に向けた取組の更なる工夫が望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向について、法人が主催している管理者会議等を通じて情報提供され、把握しています。ブックカフェ形態運営での事業所に対する地域のニーズや潜在的利用者については、座間市の支援調整会議や法人内の相談支援事業所などと連携し、把握に努めています。また、福祉サービスのコスト分析や利用者の推移、利用率等について法人からデータが還元されています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人が収集・分析した事業所運営に影響のある重要な情報や課題は管理者会議の中で示され、その後運営に必要性のある内容に関しては事業所会議で報告し、重点課題として設定されていく体制があります。事業所はコロナ禍の令和2年9月に開所していることもあり、利用者獲得及び利用率を向上させ、事業所としての収支を改善していくことが経営課題の一つとなっています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画については法人が策定(訪問調査時点では最新版は未策定)し、法人の理念や基本方針を明確にしています。法人の理念や基本方針をベースに、管理者は事業所が具体的に目指す方向について、中長期的な検討をしていますが、明確化には至っていません。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の事業計画は毎年作成し、実行可能な具体的な内容で実施状況の評価を行える内容となっていますが、中長期計画の策定がないため、計画を反映した内容にはなっていません。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

単年度事業計画は、全職員から「やりたいこと」を聞き取り、それらを反映させて管理者が策定しています。現状としては目標とする常時利用20名に届いていないので、それを実現させ、黒字化することの重点課題について、結果、まとめを計画期間中の「上半期事業報告書」として作成しており、PDCAサイクルで取り組んでいます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の主な内容について、利用者に年間カレンダーや毎月の予定表を配付しています。行事を行う際はその都度案内を配付して知らせ、参加を呼び掛けています。しかし、家族に対しては家族会の設置をしていないこともあり、周知方法について課題と考えています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画、個別支援計画作成等全てサービスの質の向上に向け、PDCAサイクルに基づいて取り組んでいます。事業所はコロナ禍の令和2年9月開所で、カフェという事業形態が含まれることなどを踏まえ、感染防止に注力しながらサービスを提供しています。事業所の自己評価は実施しておらず、事業報告と収支報告をその位置づけとしています。福祉サービスの質の向上に向けた第三者評価受審について、今年度開所3年目で初受審となっています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

事業所の自己評価は行っておらず、事業報告をする際のまとめ・課題をその位置づけとしています。事業計画の振り返りのなかで課題について職員間で共有し、実習生の積極的な受け入れや提供するサービスの見直しなどを行っています。単年度で解決できないことは次年度にも引き継ぎ、計画的に取り組んでいます。福祉サービスの質の向上に活かすために、毎年事業所の自己評価を行い、改善の課題を明確にし、改善策を実施していくことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

管理者は、事業所の経営状態、管理に関する方針と具体的な取組、目標等を全職員に説明していますが、明確化には至っていません。管理者自らの役割と責任については「運営規定」に明記され、職員に周知しています。また、管理者不在時の代行職員を決めていますが、明確化には至っていません。管理者自らの事業所の経営・管理に関する方針と取組、管理者不在時の権限委任について何らかの形で明確化することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針の中に法令遵守の徹底があるほか、管理者自ら率先して学び、幅広く正しく把握・理解するように努めています。職員には利用者支援に対し、根拠となる法律は何か、ということを伝えています。事業計画の重点課題の一つにSDGs(持続可能な社会)を上げており、開設にあたっては既存の建物をリフォームしています。また、古本のインターネット販売が利用者活動の一つでもあり、SDGsな取組になっています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

管理者は、毎月の「収支予実対比表(試算表)」で事業所の現状について把握しています。サービスの質の現状については日々の記録、報告等から評価・分析を行い、各会議で職員にフィードバックしています。管理者は現場にも入っているので、職員の意見は日常的に聞いています。「2021年度の私たちの実績を振り返って」においても福祉サービスの質に関する課題を把握し、職員が改善のための具体的な取組を主体的に考えることができる体制を整え、指導力を発揮しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

管理者は効果的・効率的な事務、超過勤務の削減、費用対効果など分析し、事業所としての将来や経営資源の有効活用などを常に考えて運営を行っています。管理者は、本人の希望、人員配置等考慮し、組織体制作りをしています。また、各会議で課題や改善に向けた方向性を示し、業務の効率化、記録時間の確保、休憩のとり方等働きやすい環境作りに取り組むことで組織内に同様の意識が形成されるようにしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

福祉人材の採用や人員配置の指針、計画については法人が策定し実施しています。非常勤職員の確保については法人に伝え、事業所裁量で採用しています。しかし、事業所の現状では、利用者の獲得とそれに合わせた収益の安定(収入と人件費)の妥当なバランスが最優先のため、事業所の今後を見据えた必要な人材の確保には至っていません。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の基本方針や職員行動指針があり、期待する職員像を明確にしています。また、法人の人事規定があり、キャリアパスや異動、昇進などの人事基準を明確にし、職員の処遇改善の分析や評価を行っており、給与に反映しています。これまでは、年2回の職員面談のほか、クラウド型人事評価(パソコンソフトで目標設定・管理)を活用していましたが、今年度途中でクラウド型人事評価を中止しています。それに替わる人事評価の仕組み作りが望まれます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

管理者は職員の心身状況、事情、就業状況、意向を確認し、勤務調整をしています。全職員は法人が実施する年2回のストレスチェックを行い、希望すれば法人の「心の相談室」でカウンセラーによる面談を受けることができます。管理者は日々現場に入っているので、相談や話がしやすい環境があり、何か気がつけば随時面談の時間を作っています。その他、ワークライフバランス、家族や家庭の状況を考慮し、勤務時間やシフトに配慮しています。管理者は働きやすい環境作りに取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士といった専門資格を持った職員が多くいますが、管理者は職員のさらなるキャリアアップのための資格取得を推奨しています。職員一人ひとりの業務に対する目標に対し、管理者と共有する場を設けています。しかし、今年度途中で法人のクラウド型人事評価が中止となり、それに替わる職員一人ひとりの目標管理の仕組み作りが望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針や職員行動指針があり、その中で「期待する職員像」を明確にしています。 法人の研修部で内部研修の計画を作成し、見直しをしています。内部研修は、常勤職員のスキルに応じた階層別研修のほか、エリア主催、部会主催(生活介護部、就労支援部会等)、委員会主催(安全運転管理者委員会、人権委員会等)等があり、必要な職員が教育や研修を受けています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員の資格取得の把握をし、共有できるよう法人に申請をしています。法人内の階層別研修では事前、事後課題があり、経験に合わせた研修内容や振り返りが設定されています。希望する職員には国家資格に必要な外部研修受講も勧めています。非常勤職員は入職時や法人全体研修の機会を設けています。また、事業所職員のスキルに必要な送迎車両の運転に関して、管理者が指導者となり、事業所独自の講習をしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

「相談援助実習・実習指導ガイドライン及び評価票」があり、実習生受け入れに関する基本姿勢やマニュアルとしています。実習生を受け入れた際は、指導者の資格を持っている管理者を中心に、ソーシャルワークとしての役割を担う福祉拠点として、次世代層へ学習する機会を提供するよう心がけています。積極的な受け入れがあり、社会福祉士を目指す実習生複数名を受け入れています。実習プログラムに関しては、学校側と打ち合わせや学校側の巡回があり、有効な実習となるよう配慮をしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページや法人を紹介する冊子があります。事業所の概要についてはホームページのほか、「障害福祉サービス等情報検索」などに掲載されており、情報公開しています。今年度初受審をした第三者評価は今後公表する予定です。利用者・家族等からの苦情・要望に関しても公表する体制があります。地域へ向けて、座間市のホームページでこども食堂の案内をしています。養護学校・支援学校には、卒業後の進路先として、事業所のさまざまなデータとともに説明会を実施し、事業所の役割を伝える場を設けています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業所における事務、経理、取引等に関するルール等については権限・責任が明確にされ、職員に周知されています。法人の企画セクションより定期的に内部監査が実施され、受けた指摘やアドバイスを適切な運営に生かしていこうとしています。法人において、外部の専門家による監査支援を実施し、監査支援等の結果などに基づき経営改善を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

運営規定の中で「地域との結びつきを重視し、市町村、他の障がい福祉サービス事業者その他の保健医療サービス及び福祉サービスを提供する者との連携に努めるものとする」と述べています。社会資源の利用や地域で催される情報等は「お便り」を通じて利用者に知らせています。また、社会貢献活動として「こども食堂」を毎月開催するなど、地域の人たちとの交流に努めています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアの受け入れや学校教育への協力を行っています。ボランティアについては「ボランティアカード」を作成、氏名、住所などの他に得意分野について記載しています。受け入れ時の事前説明では、基本姿勢として法人作成の倫理行動マニュアルを使用しています。今後もボランティアの受け入れは積極的に図って行く方針にありますが、現在はまだ明文化されていません。今後に期待します。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

事業所内にある計画相談支援事業所や座間市の障がい福祉課や生活援護課、社会福祉協議会地域包括支援センター、グループホームなどと連携を図って利用者支援を行っています。支援内容は事業所会議で話し合うなどして職員間で共有しています。利用者が地域に根ざした生活を行うためには、地域でのネットワーク化が更に必要と思われるため、今後は個々の利用者の状況に対応したリストや資料作りの作成を行っていく予定です。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業所として座間市主催の「支援調整会議」に参加しています。「誰一人取り残されない地域社会」という座間市長の公約のもとに地域連携を図りながら、地域ニーズや生活課題の把握に努めています。生活困窮者の自立支援のため自立訓練事業に参加したり、事業所内のカフェでは毎月こども食堂を開催しています。地域コミュニティの場を提供することで、ニーズの発掘を心がけています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者が社会と交流を図り、地域と触れ合いながら暮らすために、法で定められた社会福祉事業に留まらない地域貢献に関わる事業や活動を実施しています。例えば、社会福祉協議会と連携した「こども食堂」に利用者が参加して活動したり、地域から寄付された野菜の販売などを行っています。また、座間市の生活援護課からは「自立支援事業」についての相談も受けています。ただし、地域の防災対策については事業所の特性も考慮し、支援への取組は今後の課題になっています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の人権を尊重し、その立場をよく理解して信頼関係を築くよう努力する、という法人の理念や基本方針に沿ってサービスの提供を行っています。職員は法人内の人権研修や事業所会議を通じて「倫理行動綱領」を確認しています。特に事業計画書の作成時には、理念、基本方針をまず記載してから、事業所としての方針や重点目標を設定しています。事業報告書は半年ごとに作成し、重点課題の結果などの評価を行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

利用者のプライバシー保護に関しては、法人の「倫理行動綱領」「倫理行動マニュアル」で述べられており、職員はプライバシーに配慮したサービスの提供を行っています。利用者は男女別々の更衣室で鍵のついたロッカーを使用しています。また、職員は利用者からの相談に対し、相談室や多目的室を利用し、他の利用者に知られないように対応しています。契約時には秘密保持について説明し、利用者及び家族からの同意を得ています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針、実施する福祉サービスの内容や福祉施設・事業所の特性などを紹介した資料は事業所併設のカフェに置いており、いつでも手に取って見ることができるようにしています。事業所のパンフレットでは建物、カフェ、本の写真やカラー地図、鳥のイラストを使用して分かりやすくレイアウトされています。また、法人ホームページには所在地や電話番号が記載してあり、利用希望者は確認することができます。問い合わせや見学には担当者が対応し、資料だけでなく口頭でも丁寧に説明しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービス利用開始時には利用者、家族に契約書、重要事項説明書で丁寧に説明するように心がけています。同意にあたっては利用者の自己決定を尊重し、事業所としては1週間後に再度同意を得るようにしています。また、「指定生活介護事業」利用者への契約書に関しては漢字にルビを振り、内容を分かりやすく配慮するなど工夫しています。意思決定が困難な利用者への配慮については、家族からの同意は得ていますが、ルール化はされていません。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

他事業所への移行については著しい変更や不利益が生じないように、事前に本人も交えて関係機関との情報共有を図っています。カンファレンスではまず、本人の意思確認を行い、家族や計画相談事業所、グループホーム、市役所担当者が様々な角度から状況を判断し、検討した後最終決定を行っています。利用者が移行した後も関係機関との繋がりができるように、事業所としては担当者や窓口を設置し対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所では今年1月に「利用者アンケート」を実施しています。その際に「利用者にとって楽しいこと」を聞き取ったところ、「納品、本の引き取りに車で出かけること」が52%と多く、続いて「昼ご飯」、「自販機での買い物」、「作業・工賃」の順になっています。また、年2回の個別支援計画作成時には利用者、家族からの要望や意見を聞く機会を設けています。現在、利用者会、家族会は行っていないため、満足度の把握には利用者会、家族会の開催を検討していく必要があると考えています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

契約の際に「苦情解決」「苦情受付担当窓口」について、契約書及び重要事項説明書で利用者、家族に説明し、同意を得ています。事業所では苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員の設置し、苦情解決に向けた体制を整備しています。玄関には苦情解決に関するポスターを掲示しています。苦情内容は法人に報告し、解決に至るまでのプロセスを知見として活かす体制づくりを行っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

契約書、重要事項説明書のサービスの内容では「利用者及び家族が希望する生活や利用者の心身の状況を把握し、適切な相談、助言、支援を行います」と書かれており、契約時に利用者、家族に個別の相談について説明しています。事業所ではいつでも利用者、家族が見られるように玄関に関係書類などを掲示しています。利用者からの相談を受ける際には相談室を使用し、話しやすい環境作りに努めています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は利用者からの意見、相談が述べやすいように、定期的に面談を行うようにしています。利用者アンケートからも意向を把握しています。最近では昼食の弁当の変更に関する意見が多く寄せられています。事業所としてはできるだけ迅速に対応するよう努め、11月より弁当持参を可とすることになっています。相談対応に関するマニュアルは法人が作成しており、定期的な見直しもされています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者は管理者になっています。法人では危機管理、リスクマネジメント委員会が設置され体制を整備しています。利用者が巻き込まれる事件や事故に関しては職員間で学習会を開催したり、各種ハラスメント対策を行っています。ただし、事業所では併設されたカフェでの火災など事故発生時の対策や事業所内に設置された書庫の地震対策が不十分な状況になっています。現在検討を行っているとのことで、対策が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人は感染症委員会を設置し、感染症マニュアルを作成して管理体制を整備しています。「新型コロナウイルス防止対策」については協力医療機関の医師による講義があり、職員は参加しています。事業所では食事の提供も行っているため、特に衛生管理を徹底しています。朝、夕の清掃や消毒作業は利用者、職員で毎日行い、マスクの正しい付け方、手洗いの手順など周知しています。コロナ禍であり、常に新しい情報を収集するためにマニュアルの見直しを行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

消防署より災害時には利用者の安全確保のため、利用中には避難するより、事業所内で留まるように言われており、職員間で周知しています。法人の安否確認システムが職員に関しては確立していますが、利用者についてはまだ確立できていません。防災訓練は8月に実施していますが、自治会などへの周知が十分とは言えない状況です。備蓄リストの作成はできていません。消防署より事業所内の書庫の耐震性が不十分との指摘もあり、今後の改善に期待します。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:c】

福祉サービスの標準的な実施方法に関しては、法人で「倫理綱領」「倫理行動マニュアル」を作成し、利用者の尊重、プライバシー保護、権利擁護に関わる姿勢を明記しています。事業所では現在、標準的な支援についての文章、実施方法、検証、見直しに関して職員間で取り決めができていません。今後事業所会議などで、標準的な実施方法での支援について話し合う必要があると考えています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:c】

標準的な支援について、現在のところ文章化はされておらず、実施方法や、検証、見直しについても今後の課題となっています。利用者個々の福祉サービスの提供に関しては個別支援計画に基づいて支援しています。サービス提供を行う上で職員誰もが実施する事項を共有化するための標準的な実施方法の文書化と、検証、見直しの仕組みづくりが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

サービス管理責任者は契約時に利用者の健康状態、生活歴などを利用者、家族から聞き取り、「生活に関するアセスメント表」「健康・医療ケアの関するアセスメント表」に記録しています。「生活アセスメント表」には日常生活動作や社会生活における意思疎通、問題行動などの項目があります。また、「健康・医療アセスメント表」では既往歴、主治医、服薬情報の項目があります。この2種類のアセスメント表をもとに利用者、家族の意向や希望を聞き取り、職員の意見も取り入れて個別支援計画を作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画は半年ごと定期的に見直しています。現在は利用者の入所時期により別々に半年ごとの見直しを行っていましたが、今後は全員が4月と9月に行うように変更する予定です。事前に利用者、家族から意向や希望を聞き取り、主治医、看護師などを含む関係機関の意見を参考に、職員と話し合って個別支援計画の見直しをしています。また、体調変化などによる急な計画の変更の対応はできており、職員間で共有しています。支援計画作成マニュアルは作成されておらず課題になっています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

職員全員が就業時間内に法人の記録ソフトにその日の利用者一人ひとりの身体状況、生活状況の情報を入力しています。職員はパソコンを開くことでいつでも情報が共有でき、必要時には提供しているサービスが個別支援計画に基づいているかを確認したり、また、支援計画の見直し時にも日々の記録を活かしています。記録方法については全員が担当部署から指導を受けており、書き方に差異が出ないようにしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人は個人情報保護規程を定めており、個人情報の管理、利用及び提供、開示、利用目的など詳細に記載し、不正な利用や漏洩対策、対応方法を規定しています。記録管理の責任者は管理者で、職員には個人情報保護規程についての研修を実施し、理解と共に遵守することを周知しています。利用者に関する記録及び情報は契約終了後5年間保存しています。利用者の個人ファイルは施錠された書庫に保管しています。また、契約時には利用者、家族に個人情報保護について説明し同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者への個別支援は、運営法人の理念・方針・ミッション・職員倫理行動綱領等に基づいています。利用者一人ひとりの利用目的を理解し、「遅刻をしない」「仲間とより関わりたい」といった本人が個々に望む生活について、支援者の指示がなくても自分で考えて、判断をしていくことを支援し、常にフィードバックをしています。衣服・理美容・嗜好品等については家族やグループホーム職員と連携を図りながら必要な支援をしています。作業に集中できるよう、お互いの視線が気にならない個別の机やパーテーションを用意したり、甘えとも受け取れる意向に関しては丁寧な傾聴および話し合いを重ね、本人が納得できる具体的な支援方法を探ったりなど、個別に合理的な配慮をしています。利用者の権利については研修で学び、理解や意識を深めています。しかし、今年度の重点目標の一つである、「利用者主体の会議を設け、会議から出されたアイディアを踏まえ、支援を進めていく」に関しては、実践に至っていません。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

「職員倫理行動綱領」を基本に、職員としてあるべき姿をさらに具体的に規定した「職員倫理行動マニュアル」を整備しています。このマニュアルには「利用者さんに対して、命令語あるいは禁止用語は極力使わないこととし、特に必要と判断し使用する際は、その理由を説明しなければならない」「いかなる理由があっても、利用者さんの人権侵害に通じる行為を行ってはならない」など、利用者支援の最低基準を示しています。事業所内の職員間で起こった不適切事案に関しては、法人に報告し、懲罰委員会で裁定をしています。その後は、職員一人ひとりが気を引き締め、まとまっていこうとしています。開設から利用者への権利侵害にあたる事案はありませんが、今後に向けては、利用者が自身の持っている権利についてさらに理解が深まるよう虐待等の具体的内容や事例を分かりやすく周知していくことも望まれます。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者一人ひとりの思いや意向の実現のため、それぞれの疾病・心身状態や障がい特性を適切に把握し、それに配慮した環境設定や支援内容を工夫しています。例えば、本人が心を開くまで寄り添う、本人の行動の意味を理解する、行動パータンを掴むなどをしています。本人の生活しづらさについて抱えている問題などを職員は気づきの視点を持った上で、本人が納得し、自発的に行動を起こせるまで、丁寧に傾聴し寄り添うことを実践しています。多目的室、相談室、静養室といった個室を多く設けているので、本人が作業に集中できたり、職員がマンツーマンで対応できるようにもなっています。通所をすることでこれまでの環境が大きく変化し、混乱が大きい場合も関係者を集めた会議を開き、不安を探り、それを取り除くように検討しています。利用者は、将来の自立生活(グループホーム入居、アパートで独り暮らしなど)を見据えた、短期入所、移動支援など法人内のほか、法人外のサービスも利用しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

ほとんどの利用者とは会話でコミュニケーションをとっていますが、意思表示能力・理解力が利用者によって異なるので、一律的なやり方ではなく、それぞれの利用者に合ったコミュニケーションツールを考えています。言葉での意思疎通が難しい場合は、表情や動作、癖、本人が安定している時の声の出し方、体の動かし方などから推し量り、非言語でのコミュニケーションを図っています。言語での表現が不十分で、本人が表出する言葉と真意に齟齬が見られる場合には、家族や支援者など利用者とかかわりの深い人から聞き取りを行い、裏付けをとるなどして理解に努めています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者が職員に悩みや相談したいこと、話したいことを話せるよう、職員は利用者と向き合い、積極的にコミュニケーションをとっています。本人から相談の意向があった時に、落ち着ける環境で、プライバシーにも配慮ができる場所として相談室(個室)があります。本人から「相談がある」「話を聞いてほしい」と持ち掛けられた時は必ず当日に話を聞いています。電話やメールによる相談にも丁寧に対応しています。本人が入居するグループホームに赴き対応した事例もあります。必要な情報はわかりやすい形で提供し、利用者の意思決定を助けています。職員は毎日朝礼、夕礼を行い、相談内容、職員対応について共有しています。必要に応じて個別支援計画の支援内容の変更や調整を行うこともあります。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所では、カフェ部門(調理に関しては業務委託)での接客、店内の清掃、古本販売部門での寄付本の集荷、パソコンでの情報入力作業や書類作成を主に行っています。ポスティング、チラシの折り作業、寄付された野菜の仕分け作業なども提供しており、作業活動スキルを高めるとともに、働く喜びや充実感が持てるような支援を心がけています。納品や本の引き取りは、車で出かけるのでドライブを兼ねた気分転換の機会にもなり、利用者に人気があります。地域イベントがある時はお知らせを配付し、参加を呼び掛けています。しかし、開所から3年目ということもあり、作業以外の余暇活動やレクリエーション活動については、他事業所のカフェに行ったり、事業所が休日の日曜日開催の自治会行事に利用者と参加したりなどで、いずれも単発的であり、事業所の適切な活動プログラムとして定着しておらず、今後の課題としています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

常勤職員は社会福祉士、精神保健福祉士(両方取得者もあり)の資格があり、専門知識を習得し、利用者それぞれの行動や生活の状況に応じた支援を行っています。こだわりが強い、生活リズムを整えるのが難しい、音に敏感に反応するなど個別対応の必要な利用者に対しては、事業所会議で日中活動や生活支援の検討を重ね、支援内容の見直しなどをしています。家族、利用者が入居しているグループホーム、生活支援センターなど関係者との連携も綿密にしています。事業所は20代から60代まで幅広い年齢層の利用があり、利用者同士ラインやメールの交換はしないルールをきめるなど、状況に応じて関係の調整等も行っています。トラブルが大きくならないよう職員がさり気ない配慮をしているほか、お互いのためになることは何かを職員は検討しています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

昼食に関しては法人の方針により、年度途中から委託業者が調理したお弁当(管理栄養士によるバランスのとれた献立)が届けられています。水分補給に関しては自由に飲めるよう、事業所で用意をしています。水分摂取制限がある場合は個別対応をしています。レクリエーションで事業所のカフェで皆でお茶を楽しんだこともあります。排泄に関しては現在は自立している利用者のみですが、多目的トイレの設置があるので、職員の支援を受けながらの対応も可能です。食事に関しておかずが苦手な場合には、おにぎりを提供したり、食数表で一人ひとりの盛り付けを加減したり、アレルギー対応をしたり、カフェ部門の職員が一品プラスでおかずを提供してくれるなど工夫していますが、以前のように選択制で食べたいものが選べなくなってしまったことへの利用者の不満が残っている状況があります。今後の食事に関する満足度向上のために工夫の継続が期待されます。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

事業所内はカフェと古本販売のための一連の作業のための場を分けています。どちらも窓が多く陽光を取り入れることができます。新型コロナウイルス感染予防の観点から窓は常に開けている状態でエアコンを使用しています。大型の空間除菌脱臭機を設置しています。日々の清掃は職員とともに利用者が行っています。相談室、多目的室、静養室といった個室を多く用意してあり、利用者の状況に応じて過ごせるようにしています。作業場の隅にはソファーが置いてあり、そこで寛ぐこともできます。利用者の障がい特性(人と関わることが苦手、一人のほうが安定するなど)や新型コロナウイルス感染予防の観点から、食事は2交代制にし、利用者同士視線が合わないテーブル配置に配慮をしています。古本作業場内に設置された書庫の地震対策が不十分な状況になっています。今後の対応が期待されます。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

作業療法士や理学療法士による専門的な機能訓練が必要な利用者はいませんが、生活動作や行動の中でADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)の確立に向けた支援は職員が行っており、体制はあります。現在は、心身面や健康面で看護師の指示やアドバイスを活かしています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は利用者の来所後、家族からの連絡帳や本人からの聞き取りで日々の健康状態を把握しています。利用者一人ひとりの体調変化については迅速に職員間で情報共有しています。協力医は月1回、看護師は月2回出勤し、利用者の血圧などの状況を確認したり、健康相談を受けています。事業所では希望する利用者に対して年1回健康診断を実施しています。診断結果は事業所で管理し、治療などが必要な場合は家族、グループホームと連携し対応しています。服薬に関しては基本自己管理ですが、利用者によっては職員が来所時に預かり、食後に本人に渡しています。、現在利用者の健康管理についての職員研修や職員の個別指導を行うことはありますが、定期的に行っているとは言えない状況です。今後に期待します。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

非該当

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の希望と意向を尊重し、その有する能力を活用して社会参加ができるように学習、体験の機会を提供し、社会参加への支援を行っています。事業所の主な活動は「カフェ作業」と「古本作業」で、カフェ作業では環境整備と接客などがあり、古本作業では寄付本のクリーニング作業、パソコンでの情報入力作業、本の集荷や出荷作業などがあります。職員は個別支援計画に基づいて、利用者一人ひとりの希望や意向を反映した作業を提供しています。例えば、接客希望の利用者には挨拶やマナーを身につける機会を提供し、地域の人々と交流を行っています。また、ひとりでの作業を好む利用者にはパソコンでの情報入力などを行うことで、就労支援事業との連携を図っています。ただし、現在はコロナ禍の影響があり、外出・外泊への支援については困難な状況にあります。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所では利用者の地域生活への移行支援に取り組んでいます。利用者、家族からの希望に対しては、地域のグループホームや計画相談支援事業所などの関係機関の情報を提供しています。例えば、計画相談の提案により、グループホーム移行への準備期間として、まずショートステイの利用提案をしています。これにより利用者が徐々に生活環境の変化に慣れていくことができるようにしています。地域生活への移行に関しては自治会などの関係機関との連携も重要と考え、地域の情報収集を行っています。草むしりの参加やこども食堂の開催などの活動を通じ、地域での課題を把握し、利用者支援に結び付けていけるように努めていますが、利用者の意思や希望を尊重するところまでには至っていない状況です。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

家族との連携・交流にあたっては、利用者の意向を尊重し、事前に確認をした上で行うようにしています。家族への報告は連絡帳を使用していますが、送迎時や電話など口頭で伝えることを大切にしています。利用者に関する家族からの情報は記録して職員間で共有しています。事業所には家族会はありませんが、今後は開設していく予定です。年2回の個別支援計画作成の際には、家族からの支援に対する意向、希望の確認を行うため連絡を取り合っています。利用者のグループホーム移行に関する家族からの相談については、資料の提供、グループホーム見学の同行など迅速に対応しています。契約時には緊急時の支援についての説明を行っており、同意を得ていますが、事業所内での報告、連絡ルールが明確にされておらず、課題になっています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者のストレングス(強み)や課題点などを含めて全体像を把握し、働く力や可能性を引き出すような支援を心がけています。事業所では「カフェ作業」「古本作業」があります。職員はそれぞれの作業において、個別支援計画に基づき、本人の希望や特性を把握した上で、接客、環境整備、パソコンでの入力、チラシ折り作業などを提供しています。例えば、古本作業のパソコンでの入力手順や梱包・発送手順などは、カラー写真付きで分かりやすく工夫されているマニュアルが整備してあります。事業所では働く意欲の維持、向上の取組として、プラスのフィードバックを心がけ、定期的に利用者と話し合いを行っています。現在、就労支援については、すぐに一般企業への就労希望者がいないため、今後の課題としています。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の意向や心身の状況、生活習慣などに配慮して作業時間、内容、行程を決めています。特に作業時間については、利用者の意向を反映して半日利用も可能にしています。また、本人の得手不得手を把握し、カフェ作業、古本作業の中でも細かく作業内容を選択することができています。利用者の達成状況は半年ごとに評価しています。ニーズ整理表やモニタリングシートを作成し、本人との面接により希望する作業、特性に合わせた作業内容や行程を個別支援計画に記載しています。工賃規程があり、工賃を支給する目的、工賃支給対象、工賃支給に関する内容などを分かりやすく文書化し説明しています。職員は地域の関係機関との連携を図り、受注先の開拓や工賃アップに繋がる取組に努力、工夫をしています。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

開設からまだ3年ということと、すぐに一般企業への就労を希望する利用者がいないため、職場開拓、就職活動や定着支援などは現在は行っていませんが、今後必要となる状況を想定し、地域の企業との関係性の構築やハローワークなどの関係機関との連携に取り組んでいます。「座間市生活困窮者調整会議」に参加し「座間市生活困窮者自立支援事業所」として認定を受け、離職者などの受け入れを行っています。事業所内のカフェでは社会福祉協議会と連携をした「こども食堂」を毎月開催しています。また、県からの補助を受け、地域の高校に、法人他事業所で焼いたパンを利用者と販売に行っています。また地域から提供を受けた野菜を定期的に販売しており、近隣の人々に好評です。現在は地域の機関などを中心に関係性の構築や障がい者の働く場への働きかけを行っています。