社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ブライト保育園 横浜日吉

2024年11月05日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信

② 施設・事業所情報
名称 ブライト保育園 横浜日吉 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 62(61) 名
所在地 223-0061
横浜市港北区日吉5丁目21-1
TEL 045-565-0190 ホームページ https://www.saiseikai.net/brighthiyoshi/index.php
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人済聖会
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:8 名
専門職員
園長:1 名
保育士:16 名
栄養士:1 名
調理員:1 名
保育補助:1 名
子育て支援員:1 名
事務員:1 名
施設・設備の概要
乳児・ほふく室:2室
保育室:4室
調理室:1室
調乳室:1室
幼児用トイレ:16個
事務室:1室
屋外遊技場(園庭):175.13㎡

③ 理念・基本方針
【法人理念】
かかわる人すべてのHAPPYを追求

【保育理念】
子どもたちの「生きる力」(独り立ちし社会の中で生きていく力)の基盤づくりを支援する

【保育方針】
アタマ・ココロ・カラダの三位一体“興育”~興味・体験・感動・気づき~

【保育モットー】
「つよく、ゆたかに、キラキラと」

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【職員間での共通理解を深め、日ごろの保育実践につなげる仕組みづくりが整えられています】
 園では、月1回実施される職員会議の前にクラス報告を提出し、事前に各クラスの様子について共有しています。
 クラス報告書には、今月のクラス活動の振り返り、生活の様子、来月の活動テーマ・目標等を記載し、事前に共有された内容を踏まえ、職員会議にて質疑応答することで職員間での共通理解を深めています。
 また、園長は、年に4回の職員面談を行い、各職員の意見や意向を確認するなど、共通理解を深めるための取り組みを行っています。共通理解をもとに、日ごろの保育実践につなげられるよう、毎日の一定の事務時間が確保されています。職員は事務時間を有効に使い、写真と文書で園での子どもの様子を伝えるドキュメンテーションの作成や、手作りおもちゃを作るなどの取り組みが行われています。
 職員間での共通理解をさらに深め、日ごろの保育実践につなげるため、園長、全体リーダー、乳児・幼児リーダーで園内研修の年間計画を立てて実施しています。
 現在、職員から、日ごろの保育の中で他の職員の意見を聞いてみたいテーマなどを出し合い、その中でテーマを絞り、1週間ぐらいかけて、5~6人のグループで、同じテーマについて話し合っていく計画が立てられています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/06/01(契約日) ~2024/10/30(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【保育園自己評価の内容を事業計画に落とし込み、具体的な保育実践につなげています】
 年に1回全職員が保育園自己評価を実施し、自己評価の内容は、保育理念、保育の内容、利用者への配慮等、各項目で数値化され振り返りが行われるとともに、具体的な改善・検討策が示されています。改善・検討策は年度の事業計画に反映され、具体的な保育実践につなげています。
 自己評価の改善・検討策の一例として、「発達に合った一人ひとりに寄り添うことのできる保育を考えながら、日々取り組めるよう乳幼ミーティング・クラスミーティングの内容を検討する」「子どもが主体的に活動できるような環境作り・安全安心に過ごせる環境作りを行う」が記載されています。記載された内容に基づいて、事業計画には、保育のテーマとして「子どもの発達について理解を深めよう」が掲げられ、子どもに合った環境を整えることや緩やかな担当制の導入など具体的な保育実践につなげています。
 子どもの発達については、乳児ミーティングにおいて検討し合い、食事、排せつ、睡眠等の項目ごとの発達表を作成しています。発達表に基づいて、既成玩具だけでなく手作り玩具を用意し、遊びごとに保育室内を区切ることで子どもが遊び込める環境づくりを進めています。
 また、「緩やかな担当制」を導入し、一人ひとりの子どものペースに応じて関わることで、1日を通して、落ち着いてゆったりと過ごせるよう配慮しています。
 幼児クラスにおいても、年齢や興味に則した玩具を、自分で選び取って遊べるように、コーナーづくりを工夫して設置しています。また、遊びの中で子どもの声を拾い、活動に取り入れ広げていくことで、子どもたちが遊び込める環境への取り組みをつなげています。子どもの年齢や興味・関心により、職員が遊びのリーダーになったり、子どものそばに寄りそったり、遊びを観察し遊びが展開できるように話し合ったりして、主体的に遊べるように関わっています。
 4,5歳児クラスでは定期的に話し合いの時間を設けています。一例として、4歳児では散歩に行きたい公園などについて話し合ったり、5歳児クラスにおいてはお泊り保育や運動会等の行事について話し合う場を設けるなど、子どもが互いを尊重する心を育てるための具体的な取り組みを行っています。
 このように、保育園の自己評価の内容を事業計画に落とし込み、具体的な保育実践につなげています。


【中・長期計画、単年度計画に示された、さらなる地域・子育て支援の取り組みが期待されます】
 園では、3年後の園のありたい姿として、3本の柱を立てた中・長期計画を作成しています。
 その1つの柱に、地域・子育て支援が掲げられ、単年度計画に反映しています。単年度計画では、子育て支援・地域子育て支援の項目が設けられ、地域交流の計画化が述べられ、地域・子育て支援年間計画が立てられています。計画には、絵本の貸し出し、園庭開放、行事参加や、「ぶらっと広場」と呼ばれる活動の中で、在園児との交流や、親子体操などのイベントが計画され実施されています。計画の内容については、ホームページで知らせるとともに、園外掲示板にて知らせるなどの取り組みが行われています。
 今後は、さらに広報を工夫するとともに、園の資源を利用した園庭開放等の頻度を増やすなど、地域の方を対象とした交流の機会を定期的に設けるなどの取り組みが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度は、当園が第3者評価を受ける貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

今回、外部からの評価を通じて、私たちの保育に対する取り組みや環境づくり、保育士の業務姿勢について、たくさんのフィードバックをいただくことができました。日々の業務に追われる中、職員が子どもたちにとって良い保育を考え目指し頑張って取り組んでいることを評価していただいたことは、日吉園にとって大きな学びと自信になりました。

特に評価をいただいた環境設定に関しては、常に悩みながら模索しながらの取り組みでしたので、評価をいただけて大変嬉しかったです。引き続きその取り組みを強化し、今後もより良い保育を提供できるよう努めてまいります。
また改善が求められる地域・保護者支援については、園の保育や考えを保護者の方や地域社会に向けて発信していけるよう広報の工夫や取組みを行って参ります。

今回の第3者評価をきっかけに、改善点や目指していきたい保育について再認識することができました。日吉園が子どもたちにとって安心して楽しく通える場所となれるよう、また保護者の方や地域の皆様に信頼される保育園となれるよう、引き続き努めてまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

・園の理念や基本方針は、園のホームページ、入園のしおり(重要事項説明書)に記載されており、理念や方針から、法人や本園の行動・判断・価値基準などの基本的な考え方を知ることができます。
・法人理念である「かかわる人すべてのHAPPYを追求」が大きく掲げられ、保育理念「子どもたちの「生きる力」(独り立ちし社会の中で生きていく力)の基盤づくりを支援する」、保育方針「アタマ・ココロ・カラダの三位一体“興育”~興味・体験・感動・気づき~」を明文化しています。また、「つよく・ゆたかに・キラキラと」を保育モットーとして、子どもたちが自ら身につけてほしい姿を具体的に示しています。
・法人目標と3月末に全職員が実施する保育園自己評価を照らし合わせ、園長が園目標を作成し、園目標に対して各クラス目標が立てられています。目標を立てる過程の中で、全職員と園の理念や基本方針の共有が図られています。また、事務所に基本理念や方針を掲示し周知が図られています。
・保護者への周知は、年度始めの懇談会で、園長が各ラスの懇談会に参加し、その際に入園のしおり(重要事項説明書)の変更点を伝えるとともに、基本理念や方針を伝えることで周知が図られています。今後は、さらに周知を図るため、玄関に理念を掲示するなどの取り組みが期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向や地域の各種福祉計画の策定動向などについては、区の園長会等を通して把握に努めています。区の園長会では、保育所の0歳児の入所が減少してきているが、当園が所在する区では比較的現象が緩やかな実態であることなどを把握しています。また、区のネットワーク事業で実施されている研修や地域の遊び場の紹介などの情報も得ています。
今後は、現在予定している、エリア別懇親会等にも出席し、情報を幅広く収集して、分析につなげることが期待されます。
・月に1回、法人本部と定期的な情報共有が実施されています。共有では、園児数、職員数、職員の残業時間等を数値化し、保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等の分析につなげています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・月に数回、定期的に実施される本部会議や執行部会議を通して経営課題を明確にし、具体的な取り組みを実施しています。経営課題として、選ばれる園になるために、時代の変化やニーズを把握しながらも、園として大切にしたい点を考慮した取り組みが挙げられます。一例として、紙おむつやおしりふきを定額で使い放題にするサービスや連絡帳のICT化、また持ち物を減らすなどのニーズを踏まえ、園では連絡帳のICT化や、ICTを通してお便りの配信や写真と文字で園での子どもの様子を伝えるドキュメンテーションの配信に取り組んでいます。今後は、園での子どもの活動の様子をさらに共有することで、必然的に汚れ物が増えることなどの理解を促しつつも、ニーズを踏まえながら可能な取り組みを検討しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・園長は、3年後のありたい姿として、中・長期計画を作成しています。中・長期計画では、保育の質の向上、人が育つ・人を育てる風土づくり、地域子育て支援の3項目が掲げられ、それぞれに目標が立てられています。一例として、保育の質の向上の項目では、ゆるやかな担当制保育の浸透、地域・子育て支援の項目では、貸出絵本や園庭開放等が掲げられ、具体的な実践につなげています。
・中・長期計画は4月の会議で職員に配布し、共有が図られています。
・今後は、数値目標や具体的な成果等を設定した中・長期計画を作成し、実施状況の評価を行っていくことが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画に記載のある、ゆるやかな担当制保育の内容を踏まえ、単年度計画には、乳児クラスは「緩やかな担当制」を導入し、子どもたちの個々に寄り添い無理なく安心した環境を整えていくことが記載されています。記載された内容に基づき、食事、排せつ、睡眠等の項目ごとに発達表を作成しています。また、発達表を基に環境設定を行っています。一例として、発達に合わせた手作り玩具を揃え、子どもが遊び込める環境を整えています。
・単年度計画には、今年度の重点的な取り組みとして「保育力はチーム力」が掲げられるとともに、保育のテーマとして「子どもの発達について理解を深めよう」が記載されています。それぞれの項目に応じて具体的な取り組みが記載されていますが、実施状況の評価を行える内容には至っておりません。今後は、数値目標や具体的な成果等を設定した中・長期計画を作成し、実施状況の評価を行うことが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画は、園長、主任、全体リーダーが参加し
月1回実施される全体ミーティングの中で方向性を確認し、園長が作成しています。ミーティングの中では、全職員が年度末に実施する保育所自己評価の内容や行事後に実施する保護者アンケートの内容等を確認し、事業計画に反映させています。
・事業計画に記載のある、緩やかな担当制、安全・安心への取り組み、食への取り組み、「視える化」のより一層の推進・強化、職員体制・職員育成等について毎月1回実施される、乳児ミーティング、幼児ミーティングにて振り返りが行われています。一例として、安全・安心への取り組みとして、不適切保育チェックリストを活用し、日ごろの保育内容等を確認し合うなどの取り組みが行われています。
・事業計画は、年度始めと終わりの会議で周知されており、理解を促すための取組を行っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画の主な内容については、計画に記載されている、「視える化」のより一層の推進、強化等について、クラス懇談会等を通して共有しています。ICTアプリを使用し、お便りの配信・欠席連絡・身体測定結果の配信を行っています。また、写真と文章で保育の内容を伝える、ドキュメンテーションの配信も行っています。
・園長は事業計画に記載のある、保育の関わり方について、各クラスの懇談会に参加し伝えています。具体的には、子どもの思いを受け止める、見守り・認める保育の実践等が記載され、子どもの主体性、子ども一人ひとりに寄り添った保育の実践等について伝えています。今後はさらに、園の理念に沿った事業計画の内容について、保護者の理解を促す取り組みが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・日ごろの保育については、月間指導計画、週間指導計画などを通して、PDCAサイクルにもとづいた取り組みを行っています。また、園長は毎月1回実施される、乳児会議、幼児会議、リーダー会議に出席するなど、保育の内容について組織的に(C:Check)を行う体制が整備されています。また、月1回実施される職員会議では、事前に各クラスが、今月のクラス活動の振り返り、生活の様子、来月の活動テーマ・目標等を記載したクラス報告を提出し内容を共有しています。共有された内容を踏まえ、質疑応答することで内容の理解を深め、検討する場が、組織として位置づけられ実行されています。
・保育の質の向上に向けた取り組みとして、1年に1回、保育所の自己評価を全職員が実施し、課題を文書化した上で、結果を園内に掲示して公表しています。また、3年に1回、福祉サービス第三者評価を受審し、ホームページに結果を公表します。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・年に1回全職員が保育園自己評価を実施し、評価結果を分析した結果やそれにもとづく課題が文書化され公表されています。文書は保育園自己評価としてまとめられ、改善・検討策が共有されています。一例として、乳児クラスではゆるやかな担当制を取り入れるとともに、少人数のグループで時間差をつけて活動することで、一人ひとりのペースに沿って落ち着いて過ごせる取り組みにつなげました。また、幼児クラスでは遊びの中で子どもの声を拾い、活動に取り入れ広げていくことで、子どもたちが遊び込める環境への取り組みにつなげています。これらの取り組みについては、乳児ミーティング、幼児ミーティングで話し合い、改善への取り組みを計画的に行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長の役割は、職務分担表&組織図に記載され、周知が図られています。職務分担表&組織図には、園の運営管理、事務管理、人事管理、保育士相互のまとめ・指導、渉外連絡等の役割が記載されています。
・園長は、自らの園の経営・管理に関する方針と取り組みを明確にしています。月に1回実施される職員会議では、園長は園の全ての事を把握することはできないからこそ、一人ひとりの職員がすべきことを積極的に行って欲しいこと、また上手くいかない時は相談しながら一緒に考えていくこと、さらに保育を楽しんで行って欲しいことなど、自らの役割と責任等について表明し、周知が図られています。
・ホームページには園長の想いが記載され、「子どもたちのハッピーだけでなく、保護者の方・職員のハッピーも私たちの目標です」、「保育園って楽しい!子ども達がドキドキワクワクしながら通えるような保育園を目指しています!」が掲げられています。
・有事の際の役割と責任、また権限委任等については、危機管理マニュアルに明確化しています。園長が不在の場合の権限委任は、全体リーダーが担当することが周知されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、法人主催のハラスメント研修、不適切な保育に関する研修など、法令遵守の観点での経営に関する研修や勉強会に参加しています。また、行政主催の園長研修へ参加し、保育所保育指針に沿った保育実践等について遵守すべき法令等の把握に努めています。また、市が作成した子どもの人権に関する動画の研修を全職員が受講するなど、幅広い分野について遵守すべき法令等を把握し、取り組みを行っています。
・法人で作成している、チームメンバーハンドブックには、ハラスメントや差別の禁止、人権・男女共同参画に配慮した保育などが、わかりやすく記載されています。内容については入社時に園長と共有するとともに、必要に応じて会議等で取り上げるなど、職員に対して周知を図る取り組みが行われています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、保育の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行うため、各クラスの保育日誌を確認し、保育内容や記入方法等での良い取り組みについて、付箋にコメントを記載する形で返答しています。コメントを返答することで、職員の意欲の向上につながっています。
・園長は、保育の質の向上について組織内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画しています。一例として、園内研修は、園長、全体リーダー、乳児・幼児リーダーで年間計画を立てて実施しています。現在、職員から、日ごろの保育の中で他の職員の意見を聞いてみたいテーマなどを出し合い、その中でテーマを絞り、1週間ぐらいかけて、5~6人のグループで、同じテーマについて話し合っていく計画が立てられています。
・園長は、年に4回実施される職員面談を通して、各職員の意見を吸い上げ、保育の質の向上について、職員の意見を反映するための具体的な取り組みにつなげています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、組織の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等、具体的に取り組んでいます。一例として、非常勤職員の配置等を工夫し、毎日一定の時間帯で事務作業が行える環境を作っています。一定時間の事務時間に加え、夕方の時間に事務時間を確保できる際は、チェック項目に沿った清掃を行った後、事務作業を行うなど、業務の実効性の向上に向けて、組織内に同様の意識を形成するための取り組みにつなげています。
・園長は、全体リーダー、乳児リーダー、幼児リーダーが参加する月に1回実施されるリーダーミーティングに参加し、園内研修のテーマを決めるなど、業務の実効性を高めるために組織内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・必要な福祉人材の確保、定着等に関する具体的な方針が確立しており、取り組みが実施されています。法人グループのホームページには、求める人物像、保育方針や給食について、法人の取り組み、研修制度などについて常に掲載されています。また、キャリアパス(経験別職務到達目標)を作成し、標準勤続年数に応じた具体的に求められる姿を記載するなど、育成に関する方針が示されています。キャリアパスについては、年度初めにキャリアアップ研修計画について説明する際に、併せて説明することで、計画にもとづいた人材の確保や育成の実施につなげています。
・福祉人材の確保(採用活動等)については、園で必要な人材について、勤務形態や勤務時間帯などを法人本部に伝え、本部において広報し、人材の確保に努めています。その他、就職フェアへの参加や職員に対して紹介キャンペーンを実施し、人材確保につなげるなどの取り組みが行われてます。今後は、養成校との連携や実習生からの採用につなげるなど、園において可能な採用活動を、さらに工夫して取り組むことが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

・「期待する職員像」については、事業計画に記載されています。事業計画では、今年度の重点的な取り組みとして、「保育力はチーム力」が掲げられ、明確な目標を持ち、取り組むこと、「子どもにとって」の目線を互いに持ち、保育を行うことなど、園の理念・基本方針にもとづいた「期待する職員像等」が記載されています。また、入社時に全職員に配布されるチームメンバーハンドブックには、「期待する職員像等」として、具体的な行動基準が示されています。
・給与、退職金規定には、昇給、手当、職務分担表が明確に定められ、職員等に周知されています。非常勤職員の成果や貢献度等の評価については、時給会議が行われ、園長と本部担当者により、年度の貢献度等を共有し、処遇改善につなげています。
・園長面談を年に4回実施し、職員業務計画等を使用した面談を行っています。年度初めの面談で職員一人ひとりと目標を共有し、9月と3月の面談にて目標に対する振り返りが行われています。今後は、振り返りの際に、数値目標や具体的な成果等を評価することで、一定の基準に基づき職務に関する成果や貢献度等を評価することが期待されます。
・職員が、自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みづくりとして、キャリアパス(経験別職務到達目標)が作成されています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・福祉人材の確保や定着の観点から、日ごろから働きやすい環境を整えることに努めています。その一環として、希望日に有給休暇が取得できる体制を整えています。有給取得の際は、毎月所定のカレンダーに職員が有給希望を記入します。記載された内容を園長が確認し、園長がシフトを汲んで希望日に有給を取得できるよう配慮しています。また、園長は、組織の魅力を高める取り組みや働きやすい職場づくりに関する取り組みとして、日ごろから職員と積極的にコミュニケーションをとるとともに、感謝の言葉を伝えています。また、各職員が自身の置かれた勤務状況や家庭状況の中で、精一杯取り組んでいる姿などを全体会議で伝えるなど、職員同士が認め合う風土づくりに努めています。
・年に4回の園長面談を行うなど、定期的に職員との個別面談の機会を設けることで、職員が相談しやすいような組織内の工夫につなげています。また、園長との面談の他に、必要に応じて法人担当者との面談を行うことも可能です。
・ワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行っています。園では、毎日の事務時間が確保され、職員は事務時間を有効に使い、写真と文書で園での子どもの様子を伝えるドキュメンテーションの作成や手作りおもちゃを作るなどの取り組みが行われています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員一人ひとりの育成に向けた取り組みとして、目標管理シートを作成しています。目標管理シートには、具体的な目標を記載するとともに、目標達成までの計画・手段を記載することで、職員一人ひとりの目標管理のための仕組みが構築されています。
・年4回の園長面談が実施され、年度始めの面談にて職員一人ひとりの目標を共有しています。設定された
目標に対して、9月に中間達成度、3月に年間達成度を確認するなど、適切に進捗状況の確認を行う仕組みとなっています。達成度の評価は4段階で実施されています。
・法人作成の、チームメンバーハンドブックがあります。理念や行動基準についてのほか、身だしなみや言葉の注意、個人情報やハラスメントの知識等、組織として期待する職員像を明確にしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・事業計画の中に、年度の重点的な取り組みである、「保育力はチーム力」に基づいた「期待する職員像」が記載されています。一例として、明確な目標を持ち、取り組むこと、「子どもにとって」の目線を互いに持ち、保育を行うこと、一緒に働く仲間・相手への思いやりを持つことなどが挙げられます。
・職員分担表&組織図では、各分野のリーダーや係に求められる業務内容が詳細に記載され、園が職員に必要とされる専門技術や専門資格を明示しています。
・園長が研修計画を作成しています。研修計画には、園内研修、園長研修、主任研修、キャリアアップ研修等の研修名と共に、研修目的、研修内容等が記載され、研修計画に沿って、教育・研修が実施されています。
・研修参加後は、職員会議等で報告し園全体で情報を共有しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況等については、入社時に確認するとともに、職員一人ひとりの研修受講記録簿で把握されています。研修受講記録簿には、キャリアアップ研修、その他の研修の項目を設け、職員一人ひとりの研修受講歴や受講予定の研修等が把握できるようになっています。
・階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会を確保し、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修を実施しています。研修計画には、園内研修、園長研修、主任研修、キャリアアップ研修等階層別研修が計画されるとともに、テーマ別研修や保育語ろう会、栄養士・調理員研修など職種別、テーマ別研修の機会を確保しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生受け入れマニュアルが整備されており、実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢を明文化しています。今年度は、現時点で実習生の受け入れ実績はありませんが、昨年度については、主任が窓口となり、マニュアルに沿った受け入れを行いました。
・現在、専門職の特性に配慮した実習プログラム等については用意しておりませんが、実習形態や実習クラス(年齢)など、学校からの要請に応じて、柔軟に進めています。
・園長は市が主催する実習生の受入れに関する研修を受講し、主任に伝えるなど、実習指導者に対する研修を行っていました。
・実習生については、学校側と、実習内容について連携してプログラムを整備するとともに、実習期間中においても継続的な連携を維持していくための工夫として、学校の意向に沿って、実習計画を立てるなどの取り組みを行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人、保育所の理念や基本方針、保育の内容、事業計画、事業報告、予算、決算情報は、ホームページを活用し、公開されています。
・園内に「苦情解決の仕組み」を掲示しています。また、入園のしおり(重要事項説明書)に「苦情相談窓口」が明記され、入園の際に説明するとともに玄関に置かれ、いつでも確認できる体制となっています。
・第三者評価の受審結果については、WAM NET等を通して公表しています。苦情内容と解決に至る対応については、園内掲示や手紙の配布、ホームページ等を通して公表しています。
・園の保育内容や行事の様子等については、SNSを利用し発信していましたが、現在は園の理念、基本方針やビジョン等について、より社会・地域に対して明示・説明し、園の存在意義や役割を明確にするために、閲覧回数が多いホームページで公表しています。また、在園児の保護者に対しては、電子媒体を通して文書と写真で保育内容を示す、ドキュメンテーションを通して伝えています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園内における事務、経理、取引等に関する職務分掌と権限・責任は、済聖会事務マニュアル、経理規定等に記載されています。
・園長は会計に関するデータを、毎月本部に送ることで定期的に確認する機会を設けています。また、園の事業、財務については、法人本部の経理担当者が担当の税理士による監査支援等を実施しています。
・園で必要な物品を購入する際は、園長に相談をし、金額に応じて園における決裁、または本部に決裁を仰ぐというルールが明確にされ、職員に周知しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域との関わり方については、地域・子育て支援年間計画に記載されています。計画では、ねらいとして、「子育てを楽しめるような情報の共有、交流の場となるようにする」、「保育園の体験、園児と一緒に過ごすことを通して、保育園を身近に感じてもらうことが記載され、ホームページでも公表しています。
・玄関には、公園の写真と公園の説明が書かれた散歩マップを掲示するとともに、市の出産費用に対する助成金の案内や病児保育室の案内など、活用できる社会資源や地域の情報を収集し、保護者に提供しています。
・園や子どもへの理解を得るために、地域の人々と子どもとの交流の機会を定期的に設けるなどの取り組みの一環として、地域主催のラジオ体操への参加や、小学校との交流が実施されています。小学校との交流については、幼保小連携会議で話し合いが行われ、年長児が小学校を訪問し、5年生と交流したり、1年生が園に来て、劇を披露するなどの取り組みが行われました。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティアマニュアルを整備しており、ボランティアに関する基本姿勢を明文化しています。マニュアルには、ボランティアの受け入れ方法、ボランティア申し出者の健康診断、個人情報の保護、ボランティア受入担当者の設置等について記載されています。
・学校教育への協力の一環として、高校生の職業体験の受入れを行いました。体験の際は、マニュアルに沿って、子どもとの交流を図る視点等で必要な研修、支援を行いました。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の関係機関・団体や、個々の子ども・保護者の状況に対応できる社会資源として、園周辺のお散歩マップを掲示しています。散歩マップには、公園の写真と公園の説明が記載されています。また、近隣の病院一覧がまとめられ、事務所に掲示されています。
・関係機関や団体との連携として、子どもの発達について園医に相談したり、児童発達支援事業の巡回担当者が月に2回園を訪問し、その際に、就学に向けての子どもへのかかわり方等について説明したりと、問題の解決に向けて協働した具体的な取り組みが行われています。
・家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもについては、虐待対応マニュアルを整備し、対応できる体制が整っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・保育園見学の際の、子育てなどについての相談には、積極的に応えるようにし、地域の福祉ニーズや生活課題などの把握にも努めています。一例として、地域の福祉ニーズとして、市が主催する赤ちゃん会が0歳児を対象としているため、1歳児以上の子どもを遊ばせる場所が少なく、安心して遊ばせることができる場所が求められていることを把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・把握された福祉ニーズを基に、地域・子育て支援年間計画を作成し、公益的な事業・活動に取り組んでいます。計画では、ねらいとして、「子育てを楽しめるような情報の共有、交流の場となるようにする」、「保育園の体験、園児と一緒に過ごすことを通して、保育園を身近に感じてもらう」ことが記載され、具体的な取り組みにつなげています。絵本の貸し出しや園庭開放、行事への参加とともに、ぶらっと広場と呼ばれる活動の中で、在園児と遊ぶ機会を設けたり、親子体操を行うなどの取り組みも行われています。
・今後は、地域の防災対策や、被災時における福祉的な支援を必要とする人びと、住民の安全・安心のための備えや支援への取り組みが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・理念や基本方針、また園長が作成し、全体職員会議で共有した保育内容マニュアルに、子どもを尊重した保育の実施について明示しており、入園のしおり、チームメンバーハンドブックにも記載があります。また、市が配信する子どもの人権に関する動画を全職員が視聴し、グループごとに話し合っています。話し合われた内容については、園長が総括し、3月の職員会議で共有するなど、子どもを尊重した保育について、職員が理解し実践するための取り組みを行っています。さらに、否定語を肯定的な言い方に変えるなどの取り組みを行うとともに、全職員が所持するチームメンバーハンドブックに記載のある、人権や男女共同参画に配慮した保育のための注意点などについても理解を深めています。
・4,5歳児クラスにおいて、定期的な話し合いの時間を設けています。一例として、4歳児では散歩に行きたい公園などについて話し合ったり、5歳児クラスにおいては、お泊り保育や運動会等の行事について話し合う場を設けるなど、子どもが互いを尊重する心を育てるための具体的な取り組みを行っています。
・人権や男女共同参画に配慮した保育のための注意点が、チームメンバーハンドブックに記載され、定期的な研修を通して理解を深めています。
・今後は、性差への先入観による固定的な対応、子どもの人権、文化の違い、互いに尊重する心などについて、その方針を文書にて保護者に周知するなど、さらなる理解を図る取り組みが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どものプライバシー保護については、個人情報保護マニュアルやチームメンバーハンドブックに明記され、マニュアルやハンドブックにもとづき実施されています。一例として、水遊びの際に、露出をすくなくするため、水着に着替えず服のまま行うことや、おむつ姿の写真撮影は行わないこと、3歳児以上は着替えの際に男女別で衝立を立て着替えるとともに、カーテンを閉めることなどの取り組みを行っています。
・保護者に対しては、個人情報使用に関する同意書を通して、個人情報保護方針やプライバシーに関する内容を説明し、同意を得ています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や基本方針、保育の内容や園の特性などがホームページに詳しく掲載されています。ホームページでは、園舎全体や園内の写真が掲載され、園の様子がわかるような内容になっています。また、給食理念や、済聖会の学びの保育としての英語教室、体操教室、音楽教室、就学準備教室の実施など園の特色についても、文書と写真で掲示し紹介しています。
・園の見学については、園長が対応しています。見学ではパンフレットの説明、園舎の案内を実施後、質疑応答の時間を設けています。見学後にアンケートを実施し、保育開始予定時期、園を知ったきっかけ、感想等をいただき、年齢別に分けて保管しています。アンケート内容等をもとに、利用希望者に対する情報提供について、適宜見直しを実施しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・保育の開始にあたっては、入園のしおり(重要事項説明書)、入園説明会、個人面談などでわかりやすく説明をしています。保育内容の変更時については、文書にして説明し同意書を得るようにしています。
・特に配慮が必要な食物アレルギーの対応については、市と法人のアレルギーマニュアルに沿って必要書類の提出をお願いしています。発達に関して心配のあるご家庭に対しては、保護者との個人面談で子どもの様子について共有するとともに、必要に応じて園医の意見を保護者に伝えています。また、保育参観で園での様子について見ていただくことで理解を深めるアプローチ等も行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・保育所等の変更にあたり、保育の継続性に配慮した手順と引継ぎについては、現時点で特に転園先と情報共有を行うなどの取り組みは行われておりません。
・卒園、転園後も相談があれば気軽に相談ができることを伝えています。また、卒園児にアンケートを実施し、園生活を通しての感想等を聞き取っています。今後は卒園、転園後の相談受付け先について記述した文書等を渡すなどの取り組みが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育の中で、子どもの変化などについて、毎日実施される昼ミーティングで共有しています。また、引き継ぎ簿を通して、一人ひとりの子どもの様子を詳細に把握できるよう努めています。引き継ぎ簿には、早番・遅番より、伝達確認事項、各クラスの欠席児童と特記事項等が記載され、閲覧後、各職員の記名欄にチェックを入れるようにしています。
・夏祭り、運動会などの行事後の保護者アンケートや、年度末に保育所全体に関するアンケートを実施するなど、保護者に対し、利用者満足に関する調査が定期的に行われています。把握した結果については、職員会議等で分析・検討しています。一例として、夏祭りのアンケ―トの結果に基づき、開催時間帯や兄弟児へのお土産の配布等について検討しました。行事アンケートは集計し、改善案を記載し掲示しています。
・年に1回の個人面談、年に2回の懇談会を実施するなど、利用者満足を把握する目的で定期的に行われています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の体制が整備されています。入園のしおりに、苦情相談窓口として、相談・苦情受付担当者、解決責任者、第三者委員を記載しています。また、受付け方法として、玄関入り口にご意見箱を設置しています。
・苦情を受けた際は、苦情・相談対応記録簿に記録しています。記録簿には苦情等の内容、事実確認の状況、対応状況を記載し適切に保管しています。
・苦情内容に関する検討内容や対応策については、基本的に園長が中心となり迅速に対応するよう努めています。内容によっては、法人本部や行政の担当課に確認し、個別に伝えたり、掲示でフィードバックをしたりしています。一例として、おむつの使用枚数について意見をいただき、実際のトイレトレーニングの様子について説明し理解を得るなど、検討内容や対応策については、保護者等に必ずフィードバックしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・入園のしおりに苦情相談窓口が記載されています。また、玄関入り口にご意見箱を設置しており、いつでも保護者が相談したり意見を述べたりすることができます。
・相談をしやすく、意見を述べやすいスペースとして、相談室を設けています。
・3歳児以上にも連絡ノートを用意し、保護者からの意見を述べやすいよう、配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・園では、日々の保育の提供において、保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう、登園時よりゆとりのあるお迎えの時間を使い、丁寧なコミュニケーションを図っています。その際に、週に1回は担任が保護者とコミュニケーションをとれるよう、シフトを調整するなどの取り組みが行われています。また、保護者の意見を積極的に把握するため、玄関入り口にご意見箱の設置や行事実施後、年度末に、アンケートを実施しています。
・相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について苦情処理のマニュアルを整備しています。職員は、把握した相談や意見について、園長に相談し、検討に時間がかかる場合には状況を速やかに説明することを含め、迅速な対応を行っています。
・年度末に対応マニュアル等の定期的な見直しを行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントについては、園長が責任者となっており、事故発生時の対応と安全確保については、事故発生時のマニュアルを使用しています。園長不在時は、全体リーダーが対応します。
・事故発生時の対応と安全確保について、安全係が中心となり、災害や事故発生時に使用する役割分担カードを各クラスに設置しています。役割分担カードには、1.指令(園長)、2.119番通報、3.救急隊出迎え、4.AED担当など、救急対応の手順が1~9番のカードに記載され、救急の際に、各職員にカードを渡し、書かれた内容を各職員が実施するという流れとなっています。
・子どもの安心と安全を脅かすヒヤリハットの事例については、職員がヒヤリハットを付箋に書きA4用紙に貼ります。貼られた内容について園長がコメントを記載し、1カ月に1回、安全係と内容を共有し、職員会議で共有しています。
・園では、心肺蘇生やAEDの使い方、役割カードを使った動き方の確認など、職員に対して、安全確保・事故防止に関する研修を行っています。
・事故防止策等の安全確保策の実施状況や実効性について、避難訓練の反省等を通して、定期的に評価・見直しを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策として、安全のマニュアル、衛生のマニュアル、清掃のマニュアルを整備しています。園内で感染症が発生した際は、衛生係と園長が中心となり、感染症名、各クラスの感染者数、登園基準等を記載し、玄関に掲示するなど、保護者への情報提供が適切に行われています。
・定期的に、嘔吐処理研修を実施するとともに、嘔吐処理セットの点検を行うなど、感染症の予防や安全確保に関する勉強会等を開催しています。
・感染症の予防と発生時等の対応マニュアル等は年度末に見直しが行われています。
・ほけんだよりを通して、ノロウイルス感染症や溶連菌感染症など時期ごとに気をつけたい感染症等を紹介するとともに、首・手首・足首の3つの首を温めることで風邪予防になることなど、具体的な予防策などについて情報提供しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の対応体制として震災時マニュアル、火災発生時マニュアルなどを整備しています。
・災害時の避難場所や安否確認の方法については、入園のしおりに記載があります。災害伝言ダイヤル(171)の使用方法も合わせて掲載しています。
・子ども、保護者及び職員の安否確認の方法として、一斉連絡用のアプリを導入しています。毎月の避難訓練では、アプリにて避難訓練の様子について保護者及び職員に発信し、確認のボタンが押されていない場合は、該当者に確認するなど受信状況を確認しています。
・園では給食職員が食料や備品類等の備蓄リストを作成し、賞味期限等を把握し備蓄を整備しています。
・消防計画を整備し、計画の中には年に1回、園の避難訓練に消防署の職員が立ち会い、助言を得ています。その際に、職員は水消火器を使用した訓練を実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・散歩、事故対応、園外保育、おむつ替えの手順、プールの流れ、水遊びの安全対策・プール活動散歩等、各種保育業務に関連するマニュアル、チームメンバーハンドブックなどを通して、保育について標準的な実施方法が文書化されています。また、子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関わる姿勢については、個人情報の保護方針と同意書に明示されています。
・標準的な実施方法については、年度始めの職員会議で変更点の読み合わせを行うなど、職員に周知徹底するための方策を講じています。
・保育実践が画一的なものとならないよう、月1回実施されるクラスミーティングで、個人月案の内容について話し合いが行われています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育の標準的な実施方法に基づいた保育が行われているかについては、年に1~2回実施される、法人担当者の施設巡回を通して、検証・見直しが定期的に実施されています。
・職員会議の前に事前に提出される、今月のクラス活動の振り返り、生活の様子、来月の活動テーマ・目標等を記載したクラス報告を共有することで、標準的な実施方法等について、職員からの意見や提案が反映されるような仕組みになっています

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・アセスメントにもとづく指導計画の策定については、園長が責任者となり、クラス担任が作成しています。
・保育開始前後のアセスメントについては、新入園児面談マニュアル、アレルギー児受け入れマニュアルなどにもとづいて適切に実施されています。アレルギー児受け入れマニュアルなどにもとづいて担当職員や園長、栄養士が面談を実施し、把握された内容については、職員会議や毎日実施されている昼ミーティング等で共有されています。
・さまざまな職種の関係職員、必要に応じて保育所以外の関係者が参加して、アセスメント等に関する協議を実施しています。一例として、月に2回実施される、児童発達支援事業の巡回担当者と、就学に向けての子どもへのかかわり方等について、協議を実施しています。
・アセスメント手法として、健康(食事、生活習慣、全身運動、手指の動き)などの項目別に発達のめやすが記載された経過記録を使用しています。具体的な発達のめやすが記載された経過記録は、0~2歳児は4期、3歳児以上は2期で振り返りが行われ、達成度を確認しています。また、保護者支援、今後に向けての援助の振り返り等の項目も設けられています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の評価・見直しについては、毎月1回以上実施される各クラスミーティングにて、園長、クラス担任によって、定期的に行っています。見直された計画は園長が最終確認し、保育実践につなげています。
・天候や子どもたちの体調や様子、職員配置により指導計画を緊急に変更する場合は、各クラス担任の判断で変更し、日誌の振り返りの欄に、変更内容を記載する仕組みとなっています。
・評価した結果を次の指導計画の作成に活かしています。一例として、感触遊びを行った際に、直接触れることが苦手な様子を踏まえ、袋に入れて感触を楽しむことから始めた結果、回数を重ねることで自ら触ろうとする姿が見られるようになりました。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・個別の指導計画、保育日誌や健康の記録などにもとづき保育が実施されており、記録により確認することができます。
・記録する職員により記録内容や書き方に差異が生じないよう、園長やクラスリーダーが中心となり、必要に応じて指導等を行っています。園長は、養護の書き方については、保育者が主語になり、教育については子どもが主語なることなどを伝えています。
・毎日実施される昼ミーティングで、子どもの様子や特記事項等を各クラスが報告するとともに、周知ノートを使用し全職員に周知するなど、園における情報の流れが明確にされ、情報の分別や必要な情報が的確に届くような仕組みが整備されています。
・情報共有を目的とした定期的な会議として、毎日昼ミーティングが行われています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関して、また個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応方法については、個人情報保護方針と同意書により定めており、記録管理の責任者を園長としています。個人情報が記載された書類は、鍵付きのロッカーで保管されています。また、パソコンには全てパスワードが設定されるなど、個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応が行われています。
・記録の管理や個人情報の取扱いについては、個人情報の保護方針と同意書に記載があり、年度始めの職員会議で周知しています。保護者に対しても年度初めの説明会等にて、個人情報の取り扱いについて説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

・全体的な計画は、保育理念を、『生きる力』(ひとりで世の中を渡っていかれる力)の基礎を作るとし、保育方針をアタマ・ココロ・カラダの三位一体「興育」としています。子どもの人権について別項目で配慮事項が示され、子どもの権利に関する児童福祉の理念の趣旨に沿ったものとなっています。保育の特徴として、応答的に関わる事や共感的に関わることが明記されています。年齢別の保育目標が示され、それぞれに擁護と教育が一体的に提供されるようになっています。さらに項目を作り、食育や小学校との連携、安全管理に関すること、地域との関わり等へ配慮して作成されています。
・全体的な計画は、年度末の会議において、職員間で振り返りを行い、次年度に反映するように取り組んでいます。
・全体的な計画は、保育の内容が組織的・計画的に展開されるように作成される事を考慮し、年齢別の指導計画に関連しながら作成されることが望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・各保育室は、温度湿度計が設置され、適切な数値に保たれています。午睡時はロールスクリーンを使用して明るさを調整しています。安全衛生に関するマニュアルに従って、保育園内外の設備や用具などを定期的にチェックするとともに、職員が廊下を移動する際に意識して点検を行うなどして、衛生的で安全な環境を整えています。
・生活と遊びの空間を分け、遊び毎にコーナーを設け、マットやクッションを使用し、子どもがくつろいで落ち着けるように工夫しています。子どもの興味・関心に沿った玩具の提供や家具の配置となるように、随時環境の見直しを実施しています。食事や睡眠時の個人差に配慮した生活空間を確保し、毎日の動きが習慣となるように支援しています。
・乳児用トイレは、1・2歳児各室から利用できるように整備されています。幼児用トイレは、2・3歳児室に近い出入口、4・5歳児室に近い出入り口と2か所に出入口があり、広く、明るい空間になっています。清潔に保たれ、快適に利用できる状態になっています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入園時の資料や面談で、子どもの発達過程や家庭での生活の様子を把握し、指導計画を作成して保育を実践しています。日々の家庭・保育園連絡シート、登降園時の様子観察などから子どもの状態を把握し、ミーティング・引継ぎノートなどを活用し、職員間で共有しています。
・活動の時間に余裕を持たせ、必要に応じて職員間での協力、人的配置を工夫するなどして、子どもの気持ちに肯定的に関わることが出来るように配慮しています。子どもが安心して自分を表現できるように、子どもからの欲求に適切に応対したり、自分を表現する力が不十分な子どもには、表情やしぐさから思いをくみ取り、見守ったり、代弁したりしています。状況により、声かけを少し待って子どもからの発信を待つようにもしています。
・不適切な言葉の発信については、研修を受けたり、職員間で話し合ったりして共通認識を図り、適切な言葉がけが出来るような体制づくりに取り組んでいます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達年齢や家庭での様子に配慮しながら、必要な生活習慣が身に付けられるように援助しています。遊びの中で、遊具の中に指先の発達を促すような玩具を用意したり、紐やボタン、マジックテープなどを発達差に配慮して設置したりして、「自分で出来た・やってみよう」と思えるように工夫しています。日々の活動の中で、生活のリズムが身につくように、毎日の流れが継続的に行われるようにしています。着脱の際の支援を工夫して達成感が味わえるように、さりげない援助や最後の部分だけの援助などをしています。流し台に、手洗いや歯ブラシの仕方を、視覚的にも分かり易いように貼りだしています。
・生活の中で折に触れ生活習慣について話していますが、年齢ごとに、必要に応じてティッシュの使い方、手洗いの方法、トイレの使い方、コップでのうがいの方法、歯の磨き方などを丁寧に伝える機会も設けています。食べ物と体の関係などについては、給食職員が分かり易く伝え、年長児の当番活動の中で三食食品群の分類の取り組みなども行っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・年齢や興味に則した玩具を、自分で選び取って遊べるようにコーナーや高さを工夫して設置しています。
・子どもの年齢や興味・関心により職員が遊びのリーダーになったり、子どものそばに寄りそったり、遊びを観察し遊びが展開できるように話し合ったりして、主体的に遊べるように関わっています。職員は、園行事の準備をしていく中で育まれた人間関係が、その後ブロックやラキューなどで遊ぶ際も協力し合い、お店屋さんごっこをするなどの活動に繋がるように援助しています。積極的に戸外に出て、園庭・近隣の公園・川沿いの散歩などで体を十分に動かしたり、季節を感じたり出来るようにしています。特に地域の掲示板から情報を得て、ラジオ体操に参加し、地域の人たちとの交流を深めています。
・廃材や折り紙、テープ、絵画用品などを用意し、自由に表現活動が出来るようにする一方で、子どもの姿を職員間で共有し、じっくり取り組める環境を工夫しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・生活と遊びの空間を分け、子ども一人ひとりが生活のリズムに合わせて過ごせるように環境を整え、成長に考慮して変更しています。
・担当制を導入し、応援に入る場合も同じ職員が入るようにして、子どもが安心して愛着関係が形成できるようにしています。抱っこは前向きでする、オムツを替える時は「きれいにしようね」と言葉をかけながら行うなど丁寧な対応を心がけています。発達に応じた手作り玩具の活用や、つかまり立ちが出来るようになった子どもには視界より少し高いところに玩具を置いたり、部屋だけでなく廊下も使って体を動かす遊びを取り入れたりと、興味と関心を引き出す工夫をしています。また、子どもの表情を大切にし、応答的な関わりを通じて情緒の安定を図っています。
・保護者とは、相互の連絡帳や送迎時の会話から子どもの様子を伝え合い、保育の内容や発達についての情報発信を行い、連携を深めることで、より充実した保育環境になるように取り組んでいます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの興味や発達に合わせた玩具を用意し、配置を工夫して自ら行動しようとする意欲が持てるように環境設定を行っています。
・壁や棚に玩具を貼り付けたり、玩具の入れ替えを行ったりして、事故防止に努め探索活動が十分に行えるようにしています。散歩に行く際には、散歩バックをもって、石や木の実を拾うなどして探索意欲が満たされるように工夫しています。職員は、子ども達の自我の育ちについて、受容的に受け止め、感情をコントロールする事への気づきに繋がるように援助しています。子どもの興味関心に寄り添い、一緒に遊んだり、見守ったり、代弁したりしながら安定して友だちと関わって遊べるように配慮しています。
・家庭との連携は、担任が保護者と会えるようにシフト調整を行いながら、子どもの様子を伝え自我の育ちや排泄について共有し、連携が図られるように取り組んでいます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児には、ままごと遊び、パズル、大きいレゴブロックなどを用意し、イメージを表現することを楽しめるように支援しています。「イス取りゲーム」「フルーツバスケット」などの簡単な決まりのある集団遊びを提案し、友だちと一緒に安定して遊べるように関わっています。4歳児には、ラキューやレゴ、恐竜・お店屋さんごっこ、マグネット着せ替え人形絵本などを用意し、好きな遊びが十分楽しめるように工夫しています。職員は、猛獣狩りやピタゴラ装置などを集団で楽しむ中でも、個人の力が発揮できるように関わっています。5歳児には、器用になった指先で、折り紙や刺しゅう糸でのミサンガづくり、トミカとシルバニアなど子ども達が自由に遊べるように環境を整えています。子ども同士の話し合いから主体的に活動を進め、やり遂げた充実感や達成感が味わえるように援助をしています。
・夏祭りには、保護者、卒園児、地域の人たちを招待し、子どもの育ちや協働的な活動を伝える機会となるように取り組んでいます。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・エレベーターの設置や段差のない建物など、障害のある子どもに配慮した環境が整備されています。障害のある子どもの個別指導計画が作成され、クラスの指導計画と関連付けることで、包括的な支援が行われています。計画は、職員間での情報共有が行われ、子どもの状況や成長に応じた保育が実施されています。加配保育士が園児の気持ちを汲み取り、臨機応変に空間を共有して、子ども同士が関わったり個別の関わりをしたりと無理のないように支援して、共に成長できるよう努めています。保護者との連携も良好で、保育園での生活に配慮した対応が行われています。療育機関から月2回の訪問を受け、相談や助言を得、共通の目的に向かって協力しています。職員は障害に関する知識を深めるために積極的に研修に参加し、最新の情報を取り入れています。
・保護者向けに障害のある子どもの保育に関する情報を伝えるためのチラシ配布や、相談に応じた情報共有も行われています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・長時間にわたる保育については、1日の生活を考慮して、月間指導計画に位置づけ、子どもたちがゆっくりと遊べるように計画的な環境整備に取り組んでいます。コーナー保育や、好きな玩具を準備することで、安心して過ごせるように配慮しています。1歳児室が延長保育の保育室となっていますが、乳児と幼児は極力別に過ごせるように工夫し、合同になる時間を遅らせるようにしています。保育時間が長い子ども達には、18時40分に補食の提供が行われ、記録もしっかりと管理されています。
・職員間での引継ぎが適切に行われており、引継ぎノートや口頭での伝達により、子どもの状況が十分に共有されています。担任以外の職員も子どもの日中の様子を一言伝えるなど、連携の配慮がなされています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画の中に小学校との連携や幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿が、保育のねらい及び内容と対応して明記され、それに基づいた保育が行われています。
・子ども達は、小学校以降の生活に対する見通しを持つための機会、交流会や学校探検への参加、卒園児からの話を聞く場が提供され、ランドセルを背負わせてもらったり、教科書を見せてもらったりして、将来の学校生活についてのイメージを具体化することができています。保護者に対しても、就学に向けた見通しを持てるように懇談会を通じて交流の機会が図られ、保護者同士の情報交換や意見共有が促進されています。
・保育所児童保育要録の作成については、担任が責任を持ち、園長が確認する体制が整っています。就学先小学校から教員が訪問し意見交換を行ったり、訪問が難しい学校からは電話で話をしたりしてスムーズな就学移行が実現できるように取り組んでいます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理に関するマニュアルが整備されており、厚生労働省の指針に基づいて一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。子どもの保健に関する年間保健計画も作成されています。子どもの体調の悪化やけがについては、事故発生マニュアルに基づいて保護者に迅速に伝えて対応し、事後の確認も申し送りを通じて周知されています。子どもの健康状態に関する情報は、昼ミーティングノートを用いて関係職員への周知を図っています。また、保護者からは連絡帳や送迎時に健康に関する必要な情報が提供され、引継ぎノートなどで共有されるような体制が整っています。既往症や予防接種の状況は、都度連絡を受け記録していますが、健康台帳への記入は、定期的に返却し保護者が追記しています。
・保護者には、年度始めに保育園の健康方針や取組については説明を行い、乳幼児突然死症候群(SIDS)についての情報提供もしています。
・職員は、年度初めの職員会議で、運営本部の午睡マニュアルを活用して知識の周知と、チェック表に沿って必要な取り組みを行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・健康診断や歯科健診の実施について、園だよりや保健だよりで保護者に知らせ、医師への相談や質問事項などを事前に把握しています。また、普段の保育活動の中で子どもの健康に関して感じたことなどをまとめ、相談できるよう準備し、健診の際には、保育生活や家庭生活に助言をもらっています。各健診の結果は健診後の昼ミーティングで関係職員に周知され、記録されています。歯科健診の際は、歯科医師による歯磨き指導が行われるなど、保健活動が計画的に実施されています。
・保護者には、保護者配信アプリを通じて、健診結果とともに、相談内容への医師からの回答や、栄養士が作成する発達曲線などを配信し家庭での生活に役立ててもらえるよう取り組んでいます。加えて、当日の様子などを園だよりや保健だよりで伝え、積極的に情報共有を行っています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー疾患のある子どもに対して、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、個別に除去や代替食を提供するなどの対応が行われています。慢性疾患等のある子どもに対しては、既往歴や通院状況を保護者と共有し、園での配慮事項について相談しています。入園時にアレルギー疾患についての説明を実施し、アレルギー疾患が確認された際には、園長と栄養士との面談を行い担任及び職員間で共有しています。月ごとに献立確認や負荷試験の状況も保護者と連携し、確認する体制が整っています。アレルギーのある子どもが安心して食事を摂れるよう、マニュアルに沿って食事の提供が行われ、万が一誤食があった場合には、保護者や関係機関と速やかに連携が取れるようになっています。アレルギー疾患のある子どもに配慮した備蓄や避難時の対応が整備されています。
・職員は、アレルギー疾患や慢性疾患に関する研修に参加し、必要な知識や技術を習得しています。年度初めの職員会議で、アレルギー児の確認や提供マニュアルの確認が行われ、全職員が適切な対応方法を把握しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食に関する豊かな経験を提供するために、年間食育計画を立てています。食事の時間には担当制を導入し、月齢や個々の発達に応じた提供時間の調整が行われています。食材の大きさや硬さについて給食職員と共有し、子ども達の個々のニーズに応じた食事の援助が行われています。食べ物をすくい取り易く、手を添え易い、材質や形状にも配慮した、陶器やユニバーサル食器を使用しています。個人差や食欲に応じて量を調整し、完食を重視するのではなく、楽しく食べることを大切にしています。子ども達の食への関心を深めるため、野菜に触れる活動や、野菜スタンプ、再生栽培、バケツ稲、3色食品群ボードなどに加え、クッキーやおにぎり作りなどのクッキングを実施して食育への取り組みを行っています。
・保護者には、サンプル掲示や試食会、給食だよりの配信、食事に関する相談があった場合には、担任、必要に応じて栄養士や調理員が対応するなど、家庭と共に子どもの食生活や食育に取り組んでいます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達段階に応じて食材の大きさや硬さを調節した離乳食の提供や、子どもの好き嫌い、食べる量の把握、給食の振り返りを行いながら献立や調理方法に反映させるなど、子ども一人ひとりに考慮した対応をしています。残食の調査記録や検食簿もまとめられ、必要な改善が行われています。献立は、地産地消の旬の食材を取り入れ、季節感を味わうことができるようにしています。また地方の食文化に触れられるように、名古屋食の食文化を取り入れるだけでなく、行事食により子どもたちにとって親しみやすい食事となるようにと工夫しています。栄養士や調理員は、子ども達の食事の様子を観察し、乳児や幼児とのミーティングに参加することで、より良い食事の提供に努めています。食品群の話やクッキングなどの際には、子どもたちとの会話を通じて食育活動を行っています。
・衛生管理については、マニュアルに基づいた体制が確立されており、適切な衛生管理が行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・連絡帳を活用して家庭との日常的な情報交換を行っています。乳児については毎日、幼児については必要に応じて連絡帳が利用され、保護者とのコミュニケーションが確保されています。入園説明会で保育の理念や方針、目標について説明をしています。懇談会では、クラスの運営や保育の意図、内容などについて伝え、参観日では、直接子どもの様子や反応を実感出来る機会になるように取り組んでいます。日々のコミュニケーションや行事で子ども達の成長を確認し合い、「共に育てる」という意識を持てるよう支援しています。
・個別の面談記録を整備しており、家庭の状況や保護者との情報交換の内容が必要に応じて記録されています。日々の様子は、引継ぎノートに記録し保管されています。送迎時の会話などから拾った言葉は、職員会議で共通認識されています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・登降園時の挨拶やコミュニケーションを通じて、保護者との信頼関係を築くための取り組みを行っています。連絡帳やホワイトボードを活用して、情報共有を行っています。個人面談や懇談会、随時の面談など、保護者との相談の機会を設けることで、保護者が安心して子育てが出来るように取り組んでいます。日程調整についても事前にアンケートを取り、保護者の希望に沿った時間で面談を実施しています。保護者からの相談については、就労などの個別の事情に配慮して対応しています。保育園の特性を生かし、保護者同士が交流できる場の提供、行事の際の休憩所やクラス単位でのスケジュール調整など、多様なニーズに対応できるように工夫しています。
・面談内容は、決まった様式に記録後、関係職員との共通理解を図るなどの体制が確立しています。相談を受けた職員が適切に対応できるよう、助言が受けられる体制が整い、相談の内容によっては、園長や給食職員と連携するように周知が図られています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

・虐待等の権利侵害の兆候を見逃さないよう、送迎時の親子の様子や、着替えやトイレの手伝いの際に視診を行い、子どもの状況把握に努めています。職員が異変を感じた場合には、クラスで確認し、園長に報告が届き、適切な対応をとる体制が整っています。職員会議での情報共有も行われています。虐待等の権利侵害の予防に向けて、保護者に日頃から声掛けを行い、話や悩みを聞き、一緒に子どもの対応を考えていくなど、精神面、生活面を援助するように取り組んでいます。
・職員は、虐待等の理解を深めるため不適切保育の研修と絡め、マニュアルに基づく職員研修を実施しています。研修では職員同士が話し合う機会を設け、理解を深めるように取り組んでいます。虐待等の権利侵害を発見した際は、区役所の家庭支援課とつながり対応することになっています。
・虐待等の権利侵害への対応体制は整備されていますが、実際の運用や連携の強化が求められます。特に、情報共有と職員の理解を深めるための取り組みのさらなる強化が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・日常的な保育実践の振り返りは、次の指導計画作成時に各クラス内や職員会議での機会を通じて行われ、指導計画のねらいと内容、環境構成、援助は適切であったかについて自己評価に取り組んでいます。毎月のクラス報告の様式を変更し、クラスがどのように保育に取り組んでいるかを明確にし、職員間で意見交換を行い、一人では気づけなかった良さや課題について、学び合いの機会となるように工夫しています。保育の改善への取り組みが、園全体として行われるように、「みんなの意見を聞きたい」というテーマで職員研修が実施され、困っている事、面白い子どもの姿を出し合って、グループに分かれて話し合うなど協働の基盤が作られています。
・年度末には保育士等の自己評価に加え、園全体の自己評価が行われ、職員間での振り返りの充実と園全体の改善に向けた意見交換が行われ、園として継続的に質の向上に向けての取組となる体制が整備されています。