社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

ポピンズナーサリースクール綱島

2024年02月09日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 ポピンズナーサリースクール綱島 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50 名
所在地 223-0052
横浜市港北区綱島東3-2-15
TEL 045-859-9892 ホームページ https://www.poppins.co.jp/educare/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社ポピンズエデュケア
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士:22 名
栄養士:3 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室5室、調理室、医務室・相談室
設備等:冷暖房、床暖房、空気清浄機、自動昇降機

③ 理念・基本方針
ポピンズナーサリースクール 目標:人生で最も重要な時期の人間教育を目指します
寛容な人間、(異年齢のお友だちの触れ合いを通し、多様な価値観に触れ、人との関係性を築いたり、協調する大切さを学ぶ)
聡明で愛情深い人間、(会話の中で、人格を尊重する姿勢と倫理的思考を育み「人の思いやり」を学ぶ)
心旺盛な人間、(日々のプログラムのほか、四季折々の様々なプログラムを通して知的好奇心を刺激し、お子様が自発的に取り組み、表現する力や考える力を伸ばす)
グローバル社会で活躍できる人間、(多文化教育をカリキュラムに取り入れ、視野の広い人間を目指す)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・エデュケア…ポピンズ独自の教育(エデュケーション)と保育(ケア)・を融合させた「エデュケア」でお子様一人ひとりの個性と能力を育てていく。
・ドキュメンテーション…お子様の成長に寄り添ったエデュケア実践を可視化し、活動を振り返ったり、保護者の方と共有し、成長を喜び合う機会とする。
・SDGS…グローバルに羽ばたくお子様に向けて、日常の活動の中でSDGS教育を行なう。
・食育…お子様の生きる力で重要な「食」自分たちで育てた野菜を収穫し実際に食べてみる。多文化教育で今月の国のおやつを食べてみる。など栄養士と保育士が協力しながら実践。
・IT活用…最新のITシステムで担任との連絡はWebでやりとりしたり、お子様の当日の様子も保護者の方と共有。
・ポピンズプラス…荷物は最小限(着替えのみ)で大丈夫。タオルやおむつのオプションサービスあり。また昨年度より体操教室、ポピンズイングリッシュを導入し希望者だけレッスンを受講。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/07/12(契約日) ~2024/02/06(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 特長
・子どもたちの学びを豊かにとらえたドキュメンテーションに力を入れている
子どもたちの成長と学びの過程を大切に記録しており、具体的には、SDGs(持続可能な開発目標)に関連したテーマとしてカブトムシの飼育を選択し、子どもたちの興味や関心に基づいた活動を丁寧にドキュメント化している。命の始まりと終わり、生命サイクルの理解など、子どもたちの学びを深めるとともに、その過程や気づきを保護者にも伝えている。担任だけでなく、主任やクラス以外の職員も、子どもたちの成長や活動に気づいたことをドキュメンテーションに加えることで、子どもたちの多面的な成長を捉え、家庭にも共有している。

・園全体で子どもの発達状況や配慮への理解を深めている
合同保育時間を含むさまざまな機会を通じて、担任以外の職員も子どもたちと関わる時間を確保しており、それにより、一人ひとりの子どもの発達状況や必要な配慮について理解を深めている。職員がお互いに情報を共有することで、支援が必要な子どもに対しても適切な対応を可能としており、子ども一人ひとりに合った保育を提供する基盤を強化している。

・地域社会との連携を深め、子どもたちの社会性を育むことに取り組んでいる
近隣の保育園や小学校、子育て関連施設との定期的な交流を通じて、年長児同士の相互理解と協力を促進している。小学校生活へのスムーズな移行支援にもつながっており、子どもたちの社会性を育むことができるよう援助している。ハロウィンや敬老の日などのイベントでは、デイサービスや子育て支援拠点と協力し、地域との絆が深まるように工夫をしている。子どもたちに多様な社会経験を提供するとともに、地域との関わりを強化できるよう取り組んでいる。

今後期待される点
・保護者アンケートへの丁寧なフィードバックに期待したい
今回実施した保護者アンケートにおいては、全体的に大変高い満足度が示されており、ポピンズナーサリースクール綱島としての保育活動が、保護者に理解され支持されていることがうかがえる。満足度は高いながらも、具体的な改善などを望む声も数件は聞かれていることから、丁寧なフィードバックを行うことに期待したい。

・施設長のビジョンを計画に落とし込み、園としての中長期計画を策定することに期待したい
中長期計画については本社が主導し策定しており、園としての策定は行っていない。しかしながら、施設長として、ビジョンを掲げており年初には職員へその思いを伝えている。このビジョンを具体化して計画に落とし込むこと、さらに職員への共有と保護者への周知を行うことにも期待したい。また、事業計画の推進にあたっては客観的な評価が不可欠であることから、体制を整えることも期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
客観的な目で施設全般を確認して頂いたことによって、今後力を入れていくべき方向性が具体化された。
1点目は事業計画の策定にあたり、施設長としてのピジョンに基づいた、具体的な策定に向けた取り組みを行っていく。また園の課題も取り入れ、客観的な達成基準なども示して、保護者にも周知してもらえるよう説明していく。
2点目として、今まで対応の必要がなかった障害のある子ども、支援困難のケースや実習生の受け入れについても体制を整えていく。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・企業理念と保育目標はホームページに掲載されており、園内では玄関に掲示して保護者や来園者に見てもらえるようにしている。また、職員も日常的に確認し振り返ることができる。新入職員はポピンズエデュケアの研修を受講し、理念と保育目標を学び理解を深めている。保護者には入園時や重要事項説明書で理念を説明し、理解を促進している。
・社長からの通達は施設長を通じて職員に伝えられ、働く母親を支援する理念が職員間で共有されている。組織全体で理念への共感を深めるよう取り組んでいる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・横浜市の施設長会に加入し、港北区運営の施設長会議や地域の保育園交流会を通して、社会福祉事業の把握に努めている。地域の特性や変化に関しても、近隣施設との連携により現状把握が行われている。港北区の施設長会でネットワークを形成し、綱島東小学校との交流や近隣園との協力を通じて地域での連携強化に取り組み、日々の情報共有も行っている。
・近隣には保育園が多く、新しい駅の開設に伴う影響を近隣園と協議している。港北区からの新園に関する情報も取得し、見学の反響も大きいため、定員割れの懸念は当面ないと判断されている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・処遇改善1・2、賃借料補助金、施設強化費などの助成金について、計画的に申請・報告を行い、職員への周知の徹底にも努めている。
・開園7年を迎え、保護者の意見からも職員の定着率が高く、残業が少なく、職員が余裕を持って働いていると評価されており、人員的な経営課題は今のところないことが報告されている。また、産休で2名の職員が欠ける状況になるが、横浜市の基準を満たしており、人員配置には問題なく園運営が可能である。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・株式会社ポピンズエデュケアの認可チームとして、担当や役割を明確にし、毎月のミーティングで課題や改善点、達成目標を振り返り、本社及び施設長と共有している。
・中長期計画は本社にて策定されているが、園として具体的な計画には至っていない。施設長はビジョンを持っていることから、具体的な策定にむけた取り組みが期待される。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・本社で策定された中長期計画に基づき、施設長会で社長からの説明を受けた施設長が、各施設の状況を踏まえながら年間計画を策定している。
・「事業計画書」では実行可能な具体的な内容として行事計画だけでなく、アレルギー対応、感染症対応、給食、安全計画、地域との連携などが記載されているが、園の課題などは明示されていない。また、客観的な達成基準などを示すことも必要とされる。「事業計画書」には年度末の実施状況の評価も含まれ、その結果は本社にも共有されている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・法人が定めるフォーマットに従い、特別保育事業(延長保育、障害児保育)、年間行事計画、地域子育て支援、保護者との連携、第三者評価への取り組み、セルフモニタリング、苦情対応、職員研修計画、労働条件・環境保持、健康管理、安全・安心、虐待防止、給食、保護者費用、施設修繕、備品購入、業務委託についての計画及び報告を策定している。
・事業計画と報告は、組織全体での評価と見直しの対象となっているが、職員間での理解と実施状況の把握には至っていないことを課題としている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・昨年度はコロナ禍のため、保護者向けの説明会は実施されず、代わりに施設長が保護者個々に事業計画の変更点などを説明配布を行っている。しかしながら、行事計画に関する内容に留まっているため、今後の課題としている。
・事業計画は施設内に配置され保護者に見てもらえるようにしているが、実際にはほとんどの保護者には見られていないため、周知にむけて具体的な説明や工夫が必要とされる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・園の自己評価は年度末に行われ、項目ごとに分けてミーティングを行い、約1か月で自己評価を完了し、改善点を明らかにしている。自己評価の結果は園内に掲示され、保護者からの意見も受け入れており、保護者とのコミュニケーションも促進されている。
・事業計画にはセルフモニタリングの実施計画、施設の自己評価(年度末実施)、職員自己評価(保育日誌の振り返り、週のミーティングでの評価反省)が含まれている。
・ポピンズエデュケア全体では、毎月事故の共有やマニュアルの勉強会を行い、体制強化に取り組んでいる。年に1度、職員全員で自己評価を行い、翌年の活動に反映させている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・開園初期の3~4年は運営に集中していたが、自己評価を通じて地域支援や研修機会減少の課題が明らかになり、今年度はこれらに計画的に力を入れている。港北区にこにこ広場での地域の育児支援活動や、毎月の見学会での育児相談実施など、地域への積極的な関与を実施している。
・地域に向けての発信力に課題を見出し、積極的な参加と話し合いについては議事録に残しているが、さらに事業計画に反映することも望まれる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・施設長として7年間務めており改めての所信表明は行っていないが、園としての年度目標と、その実現のために必要な支援を惜しまない旨を伝えている。また、子どもや保護者に対する最終的な責任者であることを職員に伝えている。
・職務分掌について特別な規定はなく、施設長不在時は法人のオペレーション部門からのサポートで運営する体制となっているが、これはルール化されていないため、権限の委譲に関する明示が望まれる。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・横浜市や本社が開催する法令関連の勉強会にも積極的に参加し理解を深めており、就業規則などについても職員に周知を図っている。
・倫理観に関しては、子どもに対する適切な言葉がけを実際の保育中に示し、その重要性を職員に伝えている。行事の際には、施設長が倫理観の重要性を事例を交えて伝え、職員に日々意識してもらうよう促している。
・職員に対しては、怪我を恐れることよりも子どもたちのチャレンジを重視し、その支援と責任を持つことの大切さを伝えている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園の自己評価は振り返りを通じて活用されており、時系列の分析を客観的に進めることでさらなる向上が期待される。
・保育の質に関する理解として、子どもが安全に過ごし、保護者と共に成長を喜び合うことを重視し、この考えを職員に共有している。
・ドキュメンテーションを定期的に作成し、ミーティングでの勉強会を通じて保育の質の向上を目指している。SDGs教育を保育計画に取り入れ、各クラスがテーマに基づいた活動を行い、可視化にも取り組んでいる。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画において管理経費の縮減を目指し、園児の利用予定時間に応じて必要人数を算出し、無駄な人件費が発生しないようシフトを作成する計画を実施している。
・事務費や事業費に関しては、月毎の予算に則った計画的な経費利用で経費節減を実施し、職員には玩具などの物品購入時に必要性や期待される効果を確認し、予算利用についての認識を高めるよう努めている。残業に関してもその理由を明確にし、人件費の意識形成に注力している。
・定員50名を維持し、適切な職員配置で働きやすい環境を目指して日々努力している。その結果、退職率が低く、定員一杯の50名を維持できている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・人材確保計画は本部で管理され、新入職者は園の定員基準と希望に応じて配置している。飛び込みでの園見学からの保育士採用例もあり、積極的な人材獲得が行われている。
・事業計画には職員の労働条件維持のための取り組みが含まれ、就業規則の理解促進、計画的な有給の取得、残業の管理、勤務態度や健康状態の把握、面談による相談環境の整備が実施されている。
・退職率が低く、新規採用も順調である。2023年3月の退職者はなく、4月には新たに4名の保育士が採用され、本社の人材開発部との連携により安定した人材確保ができている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・職員間のコミュニケーションが良好で相談しやすく、職員が施設長に対して信頼を置いている。この結果、職員はのびのびと保育を行える環境で働いている。
・ポピンズエデュケアの人材開発部と連携しながら、総合的な人事管理を実施しており、この体制により配置基準以上の保育士を確保し、効果的な人材配置が行われている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・人的余裕があり、残業が少なく、有給休暇の取得が容易な環境が整備されている。産休・育休の取得が実際に行われており、若い職員が将来のキャリアプランをイメージしやすい環境となっている。施設長は職員からの話を常に耳を傾け、職員も話しやすい雰囲気を感じている。職員間のコミュニケーションが良好であることがうかがえる。
・開園から7年が経過し、16名の常勤職員のうち6名が開園当初から勤務しており定着率の高さが働きやすい環境を示している。健康診断を含む福利厚生の充実も職員の働きやすさに貢献している。残業が少なく、ワークライフバランスに配慮された職場環境が実現されている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・ドキュメンテーションを保育の質の向上の手段として活用し、全職員が発表することで相互に刺激を受け、質の向上につながっている。
・MBO(Management by Objectives:目標に基づく管理)シートを作成し、施設長との相談を通じて成長を目指す目標を設定、年に2回の面談で進捗を確認し、計画の修正を行いながら育成につなげている。
・ポピンズエデュケアのエデュケアドキュメンテーション作成に取り組み、発表を通じて職員の保育に対する意識を高めている。施設長との年2回の面談と、MBOシートに基づく評価制度を設けて職員の育成に努めている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・各職員の能力に合わせた研修の申し込みが計画的に行われており、処遇改善2の対象職員はすでにキャリアアップ研修を受講済みである。今年度は新たに2名が研修を受講予定で、他にも3名が2講座目のキャリアアップ研修への申し込みを済ませている。
・市からの研修は都度実施されるため、未受講者がキャリアアップ研修に参加できるよう調整している。一人ひとりの研修実績は個別に把握し、研修修了証をファイリングして管理している。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・法人主催の研修については、シフトの計画的な調整を行い、職員が参加しやすい環境を提供している。市の研修に関しても、参加者が決定した場合は職員に声をかけ、シフトを調整して参加を支援している。研修は勤務時間内に実施され、受講料金や交通費は園の予算から支出されるため、職員にとって負担がない。
・ドキュメンテーションの作成と発表を園内での教育機会として活用し、職員のスキル向上と知識共有の場として機能している。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

・実習生の受け入れに関しては現在体制が整っていない、また、受け入れについては現時点では行われていない。
・将来的には、職員の保育の質の向上のためにも、実習生の受け入れに前向きであり、依頼があれば積極的に受け入れを検討したいと考えている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・ホームページを通じて情報公開を実施しており、利用希望者などが自由にアクセスできる状態にある。園の見学者には情報の配布や説明を行っている。また、事業計画や重要事項説明書は園の玄関に配置し、訪問者に対して情報を提供している。
・民生委員には、活動計画及び報告を行っており、地域との関係性を重視している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・経理規定において役割が明確に定められており、外部の会計事務所が経理業務に携わり経理処理の公正性と透明性が確保されている。
・法人で推奨される購入先に従っており、金額の大きな取引に関しては稟議書を作成し法人の決済が必要となるシステムを導入することで、経費の適正な使用を徹底している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・近隣の保育園や小学校、子育て関連施設とは定期的に関わりを持ち、地域の年長児同士の交流を促進しており、異なる施設間での相互理解と協力が深まっている。
・ハロウィンでは地域のデイサービス施設や子育て支援拠点に協力を要請し、子どもたちにお菓子を渡せるような取り組みを行った。さらに、コロナ禍で中止していた交流を再開しており、敬老の日にデイサービス施設を訪問するなどの活動を実施している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・今年度の夏に中学生2名のボランティアを受け入れた実績がある。これにより、若い世代との交流が実現されている。ボランティア希望者が学生の場合は、その学校や港北区の担当者と協議して受け入れを行っている。受け入れにあたっては、施設長から注意事項を伝えている。
・ボランティア受け入れに関する文書化された方針などはなく、施設長の判断で衛生面や保険などを考慮しながらボランティアの依頼を受けている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・横浜リハビリセンターとの連携が重要事項説明書に明記されており、心配な保護者に対して必要な支援が提供できる体制が整っている。
・地域施設長会を通じて、近隣の保育園、子育て拠点、小学校との間で相互協力と相談が可能な関係が構築されており、地域社会との密接な連携が促進されている。
・虐待防止のための取り組みとして、虐待防止マニュアルの作成・実施、登園時の健康観察、関連機関との連携が事業計画に組み込まれており、子どもたちの安全と健康を守るための体制が確立されている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・近隣の保育園や小学校と定期的な交流会を行い、子育て支援拠点「どろっぷ」とも連携している。また、地域の民生委員2名が運営委員として参加しており、情報共有が効果的に行われている。
・港北区や地域の施設長との会話を通じて、地域の福祉ニーズや子育てに関するニーズを把握し、地域の状況に合わせたサービスを提供するよう努めている。地域では子どもが多く、保育施設の定員も一杯という状況から、働く保護者への支援が特に求められていると認識し、それに応えるための取り組みを行っている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の保育園入園希望者向けの見学会を実施し、7月末には定員一杯となるなど、地域の福祉ニーズに対応できており、保育園への需要が高い地域の実情に応えている。
・港北区主催の子育て広場には毎年参加しており、保育園を利用していない保護者や子どもたちへの支援に努めている。保育士が年に2回参加し、親子手遊びや育児相談などを通じて、地域の子育て支援に関わるようにしている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員全員が毎年、子どもの人権に関する研修を受講し、その内容をミーティングで共有している(今年度は5月に受講済み)。また、SDGs教育を取り入れ、平等な教育の重要性について全職員へ理解を促している。
・子どもが主体的に活動できる環境を提供し、子どもの意思を尊重することに重点を置いている。施設長が保育の中でサポートし、職員が子どもの自主性を尊重しやすい環境を整えている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・水遊びの際にはプライバシーを守るために園庭に目隠しのすだれを設置し、着替えは幼児の場合、男女別の場所で行うなどの配慮をしている。看護師によるプライベートゾーンの保健指導も毎年実施し、保護者からの評価も高い。
・子どものプライバシーに関する保護者の懸念に対応する際は、職員の感覚的基準と施設長の感覚的基準を照らし合わせ、別室を利用するなどの配慮をしている。お漏らしなどの事故が発生した際には、子どもの自尊心を損なわないよう配慮し、適切な対応を行うよう職員に指導している。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・保育所の理念や重要事項説明書を玄関に設置し、ホームページとパンフレットで園内の様子を可視化している。利用希望者が保育所の情報をいつでも入手できるようにしている。
・毎月第4土曜日に実施される見学会は予約制で、ホームページを通じて情報を提供し、メールや電話での問い合わせを受け付けている。現在は予約が埋まっている状況となっている。見学会では利用希望者にパンフレットを渡し説明と、園内を案内している。0〜1歳児を持つ親が主な見学者であり、見学後には質問や疑問に答えて理解を深めてもらう機会を提供している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・重要事項説明書は年に1度見直しを行っており、変更点がある場合は施設長が個々に対応し説明を行っている。これに加えて、園の行事やその他の変更点は、毎月発行されるニュースレターを通じて伝えており、担任からも保護者に声をかけるようにしている。
・入園説明会は10人(5組)を対象に約1時間の説明と、その後の質疑応答の時間を設けており、保護者が保育所の運営や方針を理解しやすいように工夫している。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・転居などによる保育園の変更や退園などにあたっては、必要に応じていつでも相談や質問などに答える体制であることを保護者に説明している。継続希望の書面も用意しているが、文書での情報提供は行っていない。また、卒園生が気軽に遊びに来れるよう声がけをして継続性に配慮をしている。
・転園した場合の特別なやり取りは行っていないが、転園先からの問い合わせに対しては、必要な範囲で情報を提供している。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・年に一度、ポピンズエデュケア全体で利用者満足度調査を実施しており、昨年12月には100%の満足度を得ている。得られた意見は職員全員で共有し、改善点について話し合って保護者にも紙面を通じて情報を提供している。
・園の規模が小さくアットホームな雰囲気であり、園全体で子どもを把握し保育に取り組んでいることから、その様子が保護者に伝わっていることがうかがえる。サービス面の充実も考慮されているが、職員全員の育てる姿勢が利用者満足に大きく寄与していると考えられる。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・重要事項説明書や玄関に苦情受付の情報を記載している。また、満足度アンケートを実施しており、これまでのところ具体的な苦情はなく、フィードバックや公表の必要がなかったとのことである。
・保護者は職員に対してフランクに声かけができ、直接的なコミュニケーションが可能な関係性が構築されている。玄関にはご意見箱を設置しており、保護者からの意見や苦情を受け付ける体制を整えている。
・苦情対応・解決のための計画として、第三者委員による苦情解決制度を実施している。第三者委員は2名おり、苦情解決の要領に基づいて保護者からの苦情を対応する。入園時に連絡先を配布し、第三者委員制度に関する情報を玄関に掲示する計画も進めている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・日常の送迎時でのコミュニケーション、懇談会、個別面談などを通じて、保護者との信頼関係を築けるように努めており、いつでも気軽に声をかけてもらい相談しやすい環境づくりに努めている。入園時、懇談会などにおいても、相談や意見はいつでも受け付けていることを話している。
・送迎時には施設長が必ず受付カウンターにいるようにしており、保護者と挨拶を交わし会話の機会を持つようにしている。園内には相談室を設けプライバシーに配慮した環境で相談などを行うことができるようにしている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・アンケートを通じて得た保護者の意見などは職員全員で共有し、必要に応じて検討のうえ保護者へフィードバックを行っている。意見箱を設置しているが、これまで意見が寄せられたことはなく、保護者は主に直接担任や施設長に意見を伝えているとのことである。
・園内の事柄に関しては、施設長が最高責任者として迅速に対応するよう努めており、保護者の意見や相談に対してタイムリーな対応が可能になっている。
・子どもの発達などに関する相談には、施設長、看護師、担任が協力して対応し、手順に従って進めることで、保護者の意向に沿った対応となるように努めている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・事故予防のため、毎週のミーティングでヒヤリハット事例を共有し、過去の事故を振り返り季節ごとのリスクを検証している。病院受診の必要性は施設長と看護師が協力して判断し、重大な怪我の発生を未然に防ぐように努めている。
・自然災害への対策として、地震や洪水に対する避難訓練を実施し、訓練後には反省会を通じてマニュアルの改善を行っている。
・事業計画には、防火・防災対策として毎月の避難・消火訓練、園児への防災教育、消防用設備と防災設備の定期点検、保護者との緊急連絡安否確認システムの利用、備蓄品の充実などが含まれており、リスクに対する体制を整えている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症が発生した際は、保護者及び職員に迅速に情報を伝達し、マニュアルを確認して登園再開の目安や必要書類について保護者に通知している。感染拡大防止のため、消毒方法について看護師から職員に指導し、消毒作業を徹底している。また、毎週のミーティングで感染症に関する勉強会も実施し、職員の知識を更新している。
・今年度はインフルエンザが早期に発生したが、事前の体制作りではなく、園での実際の発症に基づいて実践的な対応を行うことができている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の役割分担が明確に決定されており、月に1度の避難訓練や洪水訓練を実施しており、子どもたちと職員が災害発生時の対応を身体で覚えられるようにしている。
・食料や備品の確認は毎月係の職員が実施しており、備蓄品の管理が適切に行われている。コロナ禍により地域の防災訓練が行われない中でも、消防署への訓練報告や近隣の小学校、保育園との連携体制作りを進めている。
・備蓄品は子どもと職員を合わせて最低3日分を確保し、消費期限の管理は栄養士が担当となり、期限間際の備蓄品は給食に利用したり、職員に配布したりして有効活用し、訓練の際に実際に使用することも行っている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・保育の標準的な実施方法が文書化されており、職員はこれに基づいて保育を提供している。嘔吐処理などの緊急時対応に関するマニュアルは必要な場所に掲示し、職員がいつでも参照できるようにしている。また、事務所にもマニュアルを置き、必要に応じて確認できる環境を整えている。
・子どもの尊重、プライバシーの保護、権利擁護などの重要な姿勢が明示されており、職員にはこれを理解し実践することが求められており、適切に行われているかを確認するための仕組みが整っている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育日誌を用いて日々の保育の反省と考察を行い、これを翌日の保育に活かす取り組みが行われている。各担任は毎週及び毎月の保育について振り返り、その内容を施設長が確認することで、保育の質の維持と向上に努めている。
・救命研修や感染症対応の研修は毎月定期的に行われ、看護師による専門的な指導も実施することで、全職員が標準的な手順を理解し、実践できるようにしている。子どもの人権保護に関するセルフチェックを全職員が定期的に行い、その結果に基づいて5月には全員が研修を受講し、受講レポートを提出している。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

・子ども一人ひとりの発達状況や個別のニーズを正確に把握し、それに応じた保育を提供するため、アセスメントに基づいた指導計画の策定に取り組んでいる。担任、主任、施設長が連携をとり、子どもの発達に関する詳細なアセスメントを行い、それに基づいて各クラスや個々の子どもに合わせた保育の指導計画を策定につなげている。
・支援困難ケースは現在のところ発生していないため、具体的な取り組みは行っていない。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は年次ごとに見直しを行っており、特に自治体から提供された意見やフィードバックには確実に対応している。計画に変更があった場合には、職員全員に情報の周知を図り、全体としての理解と協力を得る体制が整っている。また、評価の結果は次年度の計画立案における重要な課題として位置付けられ、継続的な改善に取り組んでいる。
・指導計画の評価と見直しは定められた期間において定期的に実施されており、子どもたちの発達や興味・関心などに基づいた具体的な指導計画の策定につなげている。月の保育計画では、その月に行われた保育の自己評価を共有し、次の月の保育計画の作成に反映できるようにしている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもに関する保育の実施状況の記録は、統一の書式によって適切に行われており、職員間で共有されている。個々の子どもの発達、行動、健康状態などが詳細に記されており、職員はこれらの情報を基に、子ども一人ひとりに合わせた支援や指導を行っている。また、これらの記録は定期的に見直され、子どもの成長に応じた保育計画の調整に役立てられている。
・子どもや家庭の状況に変化などが生じた場合には、担任が窓口となり把握に努め、保護者対応シートに記録し、週のミーティングで全体共有している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・個人情報の保護と適切な運用について、個人情報保護運用マニュアルに従って厳格に管理を行っている。職員全員が毎年研修を受け、個人情報保護に関する知識と意識を共有し、更新している。また、個人の記録は鍵付きの書庫で管理され、使用後は必ず戻すこととして周知徹底に努めている。不要となった記録は、シュレッダーを使用して確実に破棄されることで、漏洩のリスクを最小限に抑えている。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・ポピンズナーサリースクールの理念、保育方針、目標に基づき本社にて全体的な計画が策定されており、園においては前年度の反省を踏まえ、子どもの状況を考慮し年間計画、月案を作成し週案につなげている。それぞれの指導計画は、日、月、期ごとに評価と反省を行い、見直しを行っている。指導計画はすべてポピンズシステムで作成されており、ファイルとともに全職員がその内容を確認することができる仕組みである。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・保育室内は子どもたちが自由に手に取り、片付けもしやすいように年齢に応じた玩具や絵本を設定し、幼児クラスでは廃材コーナーを設けて子どもが製作活動を自由に楽しめるようにしている。安心スペースとして部屋の角に小さなスペースを作り、子どもが落ち着いて過ごせるよう配慮をしている。
・1歳児と2歳児は食事と遊びのスペースを分けて安全に活動しやすい環境設定であり、幼児クラスは3歳児用と、4、5歳児用とにスペースを分けて使用している。活動内容によってホールのように広く設定し、異年齢の合同保育を行う場合もある。保育室内は清潔が保たれており、職員と業者による定期的な清掃、0歳児室は毎日の玩具消毒などを行っている。各クラスには体温、健康状態、日中のけがなどの特記事項を記録する指導表を準備し、子どもたちの安全と健康を共有できるようにしている。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・新学期のスタート時には、各クラスにおいて一人ひとりの子どもの姿とクラスとしての状況の把握に努めており、日々の対応のなか子どもの気持ちを受け止めながら保育にあたっている。毎週のミーティングでは、全体でクラスの状況を把握できるよう情報共有を行い、担任以外でも対応できるように取り組んでいる。乳児は毎月の成長記録、幼児は4期ごとの成長記録によって子どもの成長や配慮、課題などを把握できるようにしている。
・言葉づかいに特に注意を払い、職員間、子どもたちに対しても丁寧な言葉を使うよう心がけており、保護者からも評価されている。また、子ども同士の言葉づかいについても注意し、間違った言葉づかいをした際は正しい言葉選びを指導している。1階受付は保育室とつながっている作りであるため、施設長と看護師は受付から保育の様子を確認することができる環境となっている。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもたちが基本的な生活習慣を身につけられるよう、日々の活動を通じて援助をしている。幼児クラスの子どもたちは金曜日に玩具の片付けや絵本棚の整理、床の水拭きなどを行い、清潔で気持ちの良い環境で新しい週を迎えられるよう促している。3歳児クラスからは自分の持ち物について意識し、道具箱の中のクレヨンや粘土などの使い方と保管ができるようにしている。また、幼児に対しては背もたれのない椅子を使用し、正しい椅子の持ち方や座り方を指導している。
・乳児クラスでは興味を示した物や事柄に対してその都度声をかけながら、生活の中で着替えや片付けなどの習慣を身につけられるよう援助している。また、2歳児は食後の着替えや手洗いを保育士が手助けしながら行い、トイレトレーニングでは子どもの成果を共に喜び、肯定的な支援を心がけている。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・幼児クラスでは自主性を持って活動に取り組めるよう、様々な場面で子どもたちの意見を大切に活動に取り入れるようにしている。発表会や運動会などの行事では、子どもたちが自分たちの演目を選ぶことができるように話し合いの場を設け、積極的に意見を出し合い、協力して活動を進めることができるようにしている。運動会のダンスでは、年長の子どもたちが応援団になり、年中の子どもたちを応援するなど、子どもの意見からの取り組みによって、年齢を超えた連携も促進している。
・全クラスでダンスや音楽遊び、製作活動を取り入れ、各担任は子どもたちの反応や興味に基づいて活動を選択している。また、園では毎月の取り組みを保護者に伝えるために掲示を活用しており、子どもたちも自分たちの作品や活動を振り返ることができるよう、見える場所に掲示している。
・園外活動にも力を入れており、天候が許す限り、公園や土手へ出かけている。自然との触れ合いを大切にし、自然物を使った遊びや栽培活動を通して、季節の変化を体感する機会を提供している。園庭では、トマトやカボチャ、ひまわりなどの野菜や植物を育て、収穫物は給食にも活用し食育につなげている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・新入園児には「慣らし保育」を行っており、3週間の期間を設け1時間から開始し、徐々に保育時間を伸ばしていくことで、子どもたちが園生活に慣れるための時間を十分に確保している。保護者と密接に相談しながら進めており、受け入れ時間の調整にも配慮し、保護者と子どもの双方にとってストレスのないような環境作りに努めている。また、離乳食の進行に関する相談に応じるなど、栄養士や看護師も関わり、個々の子どもと家庭の状況に合わせた、きめ細やかな対応を心がけている。
・保育室は、子どもたちが安全に過ごせるよう点検を行い、子どもの発達に合わせて玩具や環境設定の変更を行っている。離乳食の進行状況に応じて、食事中は集中できるよう仕切りを設けている。朝と夕方には0歳児と1歳児が合同で過ごす時間を設け、絵本の読み聞かせなど共通の活動を行い、年齢の異なる子どもたち同士の交流を促している。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・1歳児と2歳児は食事時間を一緒に過ごし、統一された流れ(「いただきます」の合図で食事を開始し、食べ終わったら手洗いや着替え、トイレを済ませてからお昼寝に入る)に沿って生活している。年齢ごとに適切な活動を行っており、子ども同士の関わりにおいては、トラブルが生じた際には言葉のやりとりを通じて解決を図り、感情の理解を深めるために喜怒哀楽の表情を共に確認することで、互いの気持ちを理解するきっかけを作るようにしている。
・遊びにおいては、手作りのおもちゃを取り入れ、子どもたちが自ら作ったり遊んだりすることで、創造力を育むことができるようにしている。2歳児は、机上遊びやままごと、お店屋さんごっこなど、さまざまな活動から選んで遊び、豊かな想像力と協調性を育てながら日々の保育を充実させている。
・乳児クラスでは、日々の保育においてポピンズメモリーを活用して、トイレや食事量などの細かい記録とコメントを行い、さらに口頭でのエピソードなども保護者に伝えている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・幼児クラスの子どもたちは、異年齢での多くの共同活動を通じて互いに学び合い、成長できるように援助している。年長児はリーダーシップを発揮し、年少児を手を取ってサポートするなど、年下の子どもたちとの関わりを通じて責任感や思いやりを育んでいる。年度後半になると、子ども同士の交流が増え、異年齢間での関係が深まっている姿が報告されている。
・クラスの日常や特別な出来事は一斉送信で迅速に保護者に伝えられ、健康やその他の心配事については、専用のフォームに記入することで具体的な情報交換が行われている。子ども同士のトラブルに対しては、自分たちで解決できるように見守り、必要に応じて仲立ちし互いの気持ちを理解し合えるよう援助している。
・年長児クラスでは年度後半は昼寝をなくし、より集中して学習に取り組む時間が設けられている。野菜の栽培を始め、読み書き、時計、数字パズル、ひらがな表を使った学習や絵日記など、小学校入学に向けた準備を充実させている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・特別な配慮が必要な子どもの保育にあたっては、保護者や療育センターなど関係機関との連携に努め、また、園内でも全体での共有を行い対応できるように努めている。保護者との情報共有は、園での様子や療育センター(リハセンター)からのアドバイスを含め、定期的に行われており、家庭と園での支援が一貫性を持ち、子どもの成長を効果的に支援する体制が整ってる。
・クラス保育だけでなく合同保育においても子どもの具体的な姿や対応を伝えながら連携を取ることができており、子ども一人ひとりに対する配慮が行き届いていることがうかがえる。また、保育士同士での協議や本社・外部での研修を通じた知識と技術の向上を図る体制がある。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・延長保育では、子どもたちが安心して楽しく過ごせるような配慮がなされており、夕食や補食の提供も希望に応じて行われている。人数が少なくなる夕方の時間帯は、子どもたちにとって特別な時間として捉えられ、好きな遊びや保育士とのかかわりを通じて、充実した時間となるよう援助している。また、異なる部屋での遊びも積極的に取り入れられており、日中の活動に続いて、変化を楽しむ機会作りを行っている。
・担任から遅番担当者への情報伝達は視診表による書面と口頭での確認を通じて適切に行われ、一日を通した子どもの様子やその日の注意点などがスムーズに共有されている。子どもたちが健やかに成長するためには、活動と休息のバランスが重要であり、その点も十分に考慮されていることがうかがえる。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・地域の小学校との交流会を通じて、小学校での生活について学ぶ機会を持ち、小学校生活への移行をスムーズに進めるよう配慮されている。1年生の案内によって小学校での活動や教室での過ごし方を体験することで、子どもたちが実際の小学校の雰囲気に触れ、不安を軽減する機会につながっている。また、年長児同士の交流会も設けられ、地域の公園での遊びを通じて、小学校入学後にも続く友だち関係が築けるように援助している。これらの交流活動は、子どもたちが小学校生活にスムーズに移行するための大切な一歩となり、保護者の安心にもつながっている。計画されている今後の交流活動にも、子どもたちの成長や心の準備を考慮した配慮が期待される。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・マニュアルに基づき、看護師を中心に子どもたちの健康状態の管理や怪我の対応が適切に行われている。また、保護者に対しても、状況の説明や協力のお願いが効果的に行われ、円滑なコミュニケーションが保たれている。看護師によって各クラスの状況は毎日確認され、感染症が発生した際には自治体に通報し、保育園内での対応を速やかに行っている。
・日々の保育の中で年齢や発達に応じた健康教育を実施しており、歯磨きの指導や汚れが見える工夫をした手洗い指導なども取り入れている。さらに、SDGsの観点から命の大切さを伝える教育の実施や、水遊び前の着替えやプライベートゾーンについての教育も行っており、その内容は掲示や保護者への情報提供を通じて共有されている。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・定期的な内科健診や歯科健診を実施し、嘱託医との連携により子どもの健康管理に取り組んでいる。健康診断前には、保健指導の一環として子どもたちに対し事前に練習を行うことで、安心して健診を受けられる環境を整えている。健診結果は当日中に保護者に共有しており、円滑な情報伝達が行われていることがうかがえる。保護者の不安を軽減するため、健診前に保護者の心配事などを聞き取り、それらを医師に伝えるという配慮も行われている。
・ニュースレターを通じて健康に関する情報や流行感染症についての情報を保護者に定期的に提供しており、保護者と園が連携し、子どもたちの健康管理を効果的に行うことができるように努めている。職員は救命研修を受講しており、万が一の事態に備えて、適切な対応ができるように準備している。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー疾患については、ガイドラインに基づき除去食の対応を行っており、栄養士を中心に看護師、保育士が情報を共有し、適切な対応に努めている。定期的な病院受診の奨励や、生活管理表の提出を通じて保護者とのコミュニケーションを密にすることで、子ども一人ひとりの健康状態や保護者の意向を反映した個別対応が実現されており、アレルギー疾患を持つ子どもが安心して保育園生活を送れる環境が整備されている。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・基本献立については2週間サイクルを採用しており、1週目の子どもたちの反応を見て、食材の切り方や子どもの意見を反映させながら献立を調整し、子どもたちが食事を楽しむことができるよう工夫している。好き嫌いに対しては無理強いすることはないが、一口だけでも挑戦するよう促すことで、食への意欲を持つことができるように援助している。また、離乳食に関しては、それぞれの月齢に合わせた対応を行い、食事調査票を活用して保護者と密に連携を取り、家庭での食事の様子を踏まえた上で、園での食事提供を行っている。食材や量についても家庭での様子を参考にしながら調整し、月齢だけでなく子ども一人ひとりの成長に合わせた食事の提供に取り組んでいる。栄養士は園での経験年数が長く、経験を活かしたきめ細かな対応が行われていることがうかがえる。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・子どもたちの健康や発育に配慮しながら和食を中心にバランスの取れた食事を提供するとともに、日本の食文化にも親しむことができるように工夫をしている。郷土料理や多文化料理を取り入れることで、様々な食文化にも触れる機会を提供し、料理の写真やわかりやすい説明を掲示して、食べ物に対する知識や興味を深めている。午後のおやつ時間も、日々の楽しみの一つとしており、お誕生日会でのカップケーキなども取り入れている。
・行事などに合わせた食育活動を積極的に行っており、子どもたちが食に対する興味や理解を深められるような工夫がされている。節分ではきびだんご風のおにぎりを提供するなど、季節感を取り入れたメニューを採用している。また、栽培活動を通して、子どもたちが収穫した野菜を実際に食べる経験を通じて、食材がどのように育つのかを理解し、食への興味や感謝の気持ちを育む機会を提供している。
・SDGsに関連して、お米の生産過程を学ぶなど、子どもたちに食の重要性や自然環境への理解を深めるための取り組みも行っている。乳児に対しては、感触遊びを取り入れ、食材に触れることで感覚を育む活動を行っており、食材の感触を通じて五感を刺激し、食に対する関心を自然に高めることができるよう配慮している。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者とのコミュニケーションを重視し、日々の送迎時での会話、連絡帳、情報配信、掲示物など様々な形で情報交換を行うように努めている。年に2回の懇談会では、園の全体的な情報共有の後、各クラスで保護者間の話し合いも行える機会を設けており、保護者同士の交流と情報交換を促進している。また、面談は10月に希望者を対象に行い、その他の時期にも必要に応じて個別に対応している。面談では事前に質問や相談内容を提出してもらうことで、事前に内容を把握し適切な対応に努めている。保護者のニーズに応じた柔軟な対応を心がけており、記録を残すことで情報の共有と引き継ぎを効果的に実施できるようにしている。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者からの相談は、面談時期以外でもいつでも応じる体制であり、相談内容に応じて担任だけでなく、栄養士や看護師など専門職からのアドバイスや施設長、主任の同席なども可能としている。
・保護者の参観を希望者にはいつでも受け入れており、保護者が子どもの園での様子を直接見ることができる機会を提供している。参観では子どもの成長や園での生活、保育士との関わりなどを実際に見て感じることができ、家庭との信頼関係を深め、子どもへのより良い援助につながることが期待されている。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの安全と健康を最優先に考え、受け入れ時には視診を行い保護者に子どもの健康状態などを確認している。異常や気になる点がある場合は、施設長や主任へ報告、職員間で情報を共有し、必要であれば写真を撮って記録を残すなど、慎重な対応に努めている。
・地域の関係機関との連携にも力を入れており、民生委員や区役所との協力体制を整え、子どもや保護者へのサポートを強化している。さらに、定期的にマニュアルに基づいた研修を受け、救命救急の知識や技術を習得し、緊急時にも適切な対応ができるよう努めている。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・園では年間を通じて、保育の質の向上に努めており、具体的には年度末に各クラスで保育の振り返りを行い、その内容を会議で共有し、施設長がそれを総合的にまとめる体制としている。3月には園の評価を保護者に開示し、透明性を確保している。この振り返りと評価のプロセスは、保育の質を定期的に見直し、改善点を明確にし、次のステップへとつなげるための大切な機会となっている。加えて、ドキュメンテーションの作成や共有、外部研修への参加を通じて、職員の専門性の向上にも積極的に取り組んでいる。