社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

マームゆりかご かもい保育園

2023年03月10日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 マームゆりかご かもい保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 10 名
所在地 〒226-0003
横浜市緑区鴨居1-14-4 アヴォンリー鴨居101号室
TEL 045-532-4415 ホームページ https://marmuyurikago.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 特定非営利活動法人 マームゆりかご
職員数
常勤職員:4 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士:10 名
施設・設備の概要
居室:保育室
設備:厨房
設備:トイレ

③ 理念・基本方針
<保育の基本理念>
子どもの最善の利益を守り、一人ひとりを大切に、豊かでしなやかな心の成長と生涯にわたる生きる力の基礎を育みます。
<保育方針>
1.未来を担う子どもたち一人ひとりの心を大切にし、良質な水準かつ適切な内容の保育・教育の提供を行うことにより、きめ細やかで温かい保育を実践し、だれもが豊かな表情で、健やかに成長することを支援します。
2.保育・教育の提供にあたっては、子ども・子育て支援法、その他の関係法令を遵守し、保育所保育指針に沿って行います。
3.保護者や地域、まちとの信頼関係を構築していく保育を目指し、職員が一丸となって実践します。
4.子どもが健康・安全・安定した生活ができる環境を整備し、自分らしさを発揮しながら活動できるよう保育の個別化・個性化を図ります。
5.保護者等の相談や要望、意見、質問等には、速やかに回答し、説明責任を果たします。

<保育目標>
1.子ども一人ひとりの心に寄り添い、丁寧できめ細やかな温かい保育をします。
2.子どものやりたい気持ちを大切に、その活動を存分に保証する保育を目指します。
3.子ども主体で遊びの中にある学びに着目し、旺盛な好奇心や集中力、自己を統制する力、自己肯定感
など情緒をコントロールする力を育みます。
4.職員や地域、まちとの信頼関係を構築し、子どもが健康で自分らしさを発揮できる安心・安全な環境を整えます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<目指す子ども像>
マームゆりかご かもい保育園は、子どもたちが真ん中で、職員と保護者が共に力を合わせて次のような子ども像を目指します。
●心身ともに健康でたくましい子
●心豊かな子
●優しく思いやりのある子
●自ら遊べる子

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/06/20(契約日) ~2023/02/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ≪マームゆりかご かもい保育園の概要≫
●マームゆりかご かもい保育園(以下、本園という)は、JR横浜線鴨居駅から徒歩2分に位置しています。辺りは豊かな自然に溢れ、隣には広い公園があり、園の裏には鶴見川が流れ、河川敷に下りられるので、そこで四季折々の草花や昆虫に触れ、冬には都会では珍しい長い霜柱が立つ等、自然を満喫しながら子どもたちは過ごすことができています。豊かな自然を通して感性・情緒を育み、保育士と触れ合いながら散歩を楽しみ、のびのびと成長できる環境にあります。

●本園の運営母体は特定非営利活動法人マームゆりかご(以下、法人という)です。本園は、厚生労働省の「子ども・子育て支援新制度」の中の地域型保育事業の一環として平成30年4月に、0~2歳児を対象にした地域型保育事業A型をスタートしました。定員は10名(0歳児3名、1歳児3名、2歳児4名)とし、現在5年目です。法人は、令和2年4月1日に開園した「マームゆりかご ながつた保育園」も運営しています。

●園舎は、マンションの1階部分を活用しており、保育室は床暖房を完備し、安全・衛生的な環境を整えています。マンションの構造上、保育室内に配管パイプが存在し、そのパイプを園のシンボルとして、『シンボルツリーすくすくのき』と称し、四季折々に装飾を施し、子どもたちと一緒に楽しむ工夫に発想転換を図り、保育に「彩り」を添えています。テラスでは温水あそびが楽しめ、広いウッドデッキが施され、道路側の壁の内側には磁石が付く大きなホワイトボードを設け、磁石付き玩具を張り付けて遊んだり、マーカーでお絵描きをしたり等、工夫しています。保育室では、子どもの遊ぶ空間を優先し、棚は上方に作り付けにして床平面を広く確保しています。また、部屋の壁面に磁気の入った壁紙が張られ、磁石付き玩具で遊べる等、床と壁で遊べる工夫が成されており、衛生的で保育環境の一助になっています。室内の一部にはボルダリングウォールが設置されており、将来的に活用が期待されます。

●園では、子どもたちが毎日を自分らしく過ごせるよう援助し、人間力を鍛えられるような関わりに重点を置いています。また、家庭の雰囲気に近い空間作りにより、子どもたちが安心を得られるよう配慮し、豊かな人間関係を形成できるよう保育に当たっています。さらに、子どもがやりたいと思うことを実現できるよう環境を整備し、日々心に残る体験を提供できるよう努め、マーム農園での体験保育も大切にしています。

◇特長や今後期待される点
1.【子どもの「しなやかな心」の育成】
本園の理念の中には、「しなやかな心」という文言が用いられています。形容詞「しなやかな」の意に対して、園の「想い」が反映されています。近年、自分の考えが通らないと心が折れて落ち込み、引きこもりや悩む子どもが多く見られる中、水辺の葦のように、風に吹かれる柳の葉のように、AがダメならBもCもあり、幅広い選択肢や視野を持つことができるようになって欲しいという思いが「しなやかな心」として表現されています。取組みとして、異年齢の子どもたちが兄弟姉妹のように共に過ごす中で、相手の存在に気付き、年下の子を愛でたり、自分とは違う思いに触れたりしながら育ち合う環境を大切にし、様々に一つひとつを積み重ねながら「しなやかな」対応ができるよう援助しています。家庭的で目の行き届いた保育を基に育まれています。

2.【マームゆりかご かもい保育園の「目指す子ども像」】
本園の保育では、常に子どもたちを真ん中に、職員と保護者が共に力を合わせて保育に当たっています。目指す子ども像として、①「心身ともに健康でたくましい子」、②「心豊かな子」、③「優しく思いやりのある子」、④「自ら遊べる子」を掲げています。「目指す子ども像」達成に向けて、正規職員保育士3名(含む保育責任者)と協力的な非常勤職員7名がベクトルを1つにして園全体で取組んでいます。本園は、子ども10人に保育士10人の1対1体制であり、非常勤職員を常勤換算すると3人相当となり、10対6にて非常に手厚い保育の体制が整備されています。継続してこの体制の中で「目指す子ども像」への実現に期待されます。

3.【地域型保育事業認可A型の認知と周知】
課題の1つとして、「地域型保育事業認可A型」の認知と周知が挙げられます。近年、認定こども園や1日預かりを行う幼稚園等もある中、さらに「地域型保育事業認可A型」の認知度を含め、周知・浸透が求められます。「地域型保育事業認可A型」は子ども一人ひとりを尊重した保育であり、特に、優位性のある小規模保育園として個別的保育の選択ができる等、認知度が上がることが期待されます。例えば、区役所等を活用し、地域の小規模保育事業者の会合等で検討を図り、地域型保育事業認可A型の説明を行う機会を設ける等、また、内部で的確に説明ができる人材を育成していく等、契機となる活動を模索しながら努力を続けて行かれることを期待しています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名:マームゆりかご かもい保育園  
          
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫

 開園5年目の初受審は、全職員に確かな振り返りを通して評価の重要性に自ら気付くことができた貴重な経験でした。設問の言葉や用語、設問自体に戸惑いを感じながらも、時折話題になっていましたことは、そこに職員の業務啓発を認めました。
さて、本園は、新型コロナウイルス感染症の急激な蔓延や異常気象、戦争に代表される社会経済情勢の変化に伴い複雑に多様化する保護者の保育ニーズに的確に対応していく為には、小規模保育園の強みを活かしてこれまで以上に職員一人ひとりの保育力を最大限に発揮し、様々な現代的課題へ積極的に取組もうとする意欲こそが最重要です。
 ベテランも含め全職員が初めての受審であったことに時間はかかりましたが、保育支援の改善や福祉サービスの向上には、開かれた保育の指導と評価の一体化が必要であり、ベースには確固たる本園の保育理念が貫かれているのだということが明確になりました。
 職員は、キャリアパスに位置付く自らが果たすべき役割をしっかり認識し、専門的知識の習得や保育実践力の向上に努め、個の強みを表出させながらプライドと働き甲斐を実感して業務遂行ができる取組として、園内重点研修をはじめとする人材育成の整備実践が急務であると確認しました。
 本園では、職員一人ひとりの意欲面を大切にすることから、全職員に自己観察書の作成を義務付けて、個による目標管理手法を用いて実施していますが、制度活用に課題がありました。法人・園長と職員が、共通認識をもって業務に取組み、面談等で意思の疎通を図り、職務を通じて発揮された意欲や能力・実績を公正かつ客観的に評価していくという仕組みを活かし切れていなかった点です。これを活用するということは、職員の将来を見据えながら、強みは伸ばし、弱みは補って人材を育成し、能力開発・能力活用につなげることです。これができてこそ、園目標の共有化が進み、より円滑で連携の取れた業務遂行が可能となるはずです。
 本園は、第三者評価の受審をきっかけとして、全職員の意欲と能力を最大限に引き出し、夢や希望に積極果敢に挑戦する人材を育成し活用することで、手厚くきめ細やかな愛情保育サービスを実現させると共に、職場環境の改善や職員の意識改革をさらに推進し、園児を真ん中とした地域に根差した保育園であることを忘れずに邁進する所存です。

≪評価後取り組んだ事として≫

1.すくすくのき(重要事項)
  保育の理念・保育指針・保育目標のイメージ図化
2.療育・児相のリストアップ
3.倫理綱領確認
4.子どものプライバシー・ボランティアの受入れ
5.期待する職員像の原案

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

小規模保育事業の本園は、理念、基本方針を掲げ、「子どもの尊重」、「保護者との連携」、「保育士が働きやすい職場環境」、「地域との信頼関係」を大切にして、少人数のきめ細かい保育を提供しています。今回、第三者評価の自己評価を実施し、理念や方針について、全職員に周知・理解が図られていることが確認できました。非常勤職員に対しては、月1回、勤務終了後の職員会議で周知しています。保育の実施に関しては、全職員で基本方針を精査し、共通理解を図り、あらゆる環境においても判断して保育に当たれるよう教育を進めています。保護者に対しては一層、理念・基本方針の周知を図り、浸透できるよう努めて行きます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

経営をとりまく環境、経営状況の的確な把握については、大きくは厚生労働省のWAMNETや新聞報道等から入手し、自園に関係のある情報については横浜市や所轄自治体の発表、緑区で行われる私立施設長会等に参加し、地域の保育ニーズ、各事業所の現況及び対策等の情報収集を行っています。社会福祉活動等については、特に鴨居地区の活動に努めています。保育業界の動向や現状等の把握については、必要に応じて収集する他、少子化の影響により児童全体数は減っているものの共働き世帯の増加に伴い保育需要は年々増加傾向を踏まえ、需給バランス等、将来的な事業の展開や体質改善、自園における分析の参考材料とされ、現況の新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍)の影響等、広く情報収集して行かれることを期待いたします。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

本園の職員体制は14名(理事長を除く)であり、常勤職員は管理責任者1名と保育責任者を含む保育士資格を有する3名の合計4名であり、法人代表者(理事長)及び管理責任者に保育責任者を加えた3名が経営に関与し、組織的な方針をこの3人の幹部会議で決定し、職員の意見を加味して経営を進める体制を整備しています。行事等の担当は全職員で決定し、期末には年間の課題を抽出し、園内研修の場で反省と課題解決の話し合いを行い、次期計画に反映させています。経営状況、改善すべき課題についての取組みが不透明にならないよう、具体的な見える化を心がけていますが、まだ改善の余地はあります。テラスに水あそび用の水道を敷設したのち、温水シャワー装置の必要性に工事を依頼する等、日程を含め、保育現場の生の声をできる限り反映させ、長期・中期の計画に盛り込むことを反省点としています。今後、本園、姉妹園の「マームゆりかご ながつた保育園」の園長と共に確認する体制作りを考えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

待機児童や、特に0歳、1歳児の受入れが急務との観点から、小規模保育事業を立ち上げ、乳・幼児に対する制度と現有制度との整合性を常に考えながら進めています。認識を改め、先ず、小規模保育園はどうあるべきかの具体的なビジョンを打ち出し、ゴールは現有制度との有機的調和ができる形で書面に現場の考えをまとめて行くことを重要と捉え、それを中・長期的ビジョンとして進めて行く予定にしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

前述の通り、先にニーズ(特に0歳、1歳児の待機児童解消)を捉え、ビジョン、中・長期計画が作成されていない状態でしたが、単年度計画は「全体的な計画」及び保育園の理念・基本方針に沿って実質的な年間指導計画を策定し、それを展開した月間計画を中心としています。ビジョンは後発で掲げて行く形態となっています。「全体的な計画」及び年間指導計画については、培った実績によりしっかりした内容が作成され、展開が試されています。今後、前述の中・長期計画の内容に沿う形で内容を反映できる計画を策定し、書面にまとめていかれることを期待いたします。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」、年間指導計画は年度末に全体の振り返りを行い、職員が参画し、意見を集約して課題を抽出し、それらも加味して次期の「全体的な計画」他を策定しています。年間指導計画の反省は毎日、週次、月次、期毎に課題抽出を行い、総合して今期の課題等を次年度計画へ組み込んでいます。手順は事前に職員会議で確認し、実施状況に合わせて組織的に実施しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画は、年度初めに保護者へ配付し、周知しています。また、理念に基づいた保育内容、基本方針の説明、保護者対応問題等、必要に応じてその都度話し合いを設け、合意を得、理解を促しています。年間指導計画は、分かりやすく保育行事計画に置き換え、説明をしています。行事実施時期が近くなると手紙を配付し、内容説明を行い、降園時の際も口頭で伝え、参加を促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の内容に関して、日々のミーティングで話し合い、職員会議の中でも取り上げ、保育の質の向上に努めています。個人別の自己評価については、年度初めと年度末に実施し、振り返りを行っています。今後、自己評価は各自の成長に対する目標とし、また園全体の保育の質の向上に反映されるよう、全職員に再認識と周知を図り、年の途中で進捗状況を職員の面談で確認し、体質改善につなげていくよう考えています。第三者評価受審は初回ですが、受審を通して様々な気づきを得、第三者評価のスタート時点で既に改善は始まっており、今後、有意義な展開になることを期待しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

今回の第三者評価受審での評価結果を分析し、見えてきた課題を書面化し、職員会議にて共通認識及び質の向上につながる仕組みを課題として全体で共有を図り、改善策を検討及び計画を立てていく予定です。また、期末の反省を実行し、改善につなげています。特に、自己評価を通して非常勤職員の取組に成果を感じています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

本園は、理事長、施設長(①管理責任者=対外的責任者②保育責任者=園長)の組織構成であり、施設経営については理事長と管理責任者が協力して当たり、保育全般の責任は園長が担う体制にて運営を進めています。職員に対して、さらに組織・体制の理解を促していきたいと考えています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法令に関する研修等に参加し、法に則った運営を心がけ、社会通念に準拠したルールを遵守し、職務に臨むよう努めています。遵守すべき法令に関しては運営規定等に組み込み、体制を整えています。保育については、先入観を排し、子ども、保護者、保育士が互いに有益な協力関係を維持できるよう、全職員が連携して取り組んで行きます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

管理責任者は、保育の質に対して他園の園長との意見交換や、企業主体の研修に参加し、保育業界の悩みや課題を把握し、保育責任者にも伝え、情報共有に努めています。保育責任者は、保育環境の変化やニーズに対する課題等を再確認する目的で園外研修に参加し、理解を深めています。職員に対しては、両責任者が研修で得た内容を交えながら園内研修や、OJT等を行い、質の向上に向けたディスカッションを実施する等、指導力を発揮しています。また、保護者支援に対する取組みに関しても教示する機会を設けています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

管理責任者は、人事・労務・財務を踏まえた分析を行い、経営改善や業務の実効性の向上に努めています。保育責任者は、保育実務において、理念・基本方針等の実現に向けて、職員の人員配置・担当、働きやすい環境整備を行い、職員の声、意向を反映しながら改善につなげています。また、勤務シフトに配慮し、家庭と仕事の両立ができるよう配慮しています。現在、集合力による共同意識形成に向けて、正規職員の育成と非常勤職員のマンパワーの活用を基に、効率的な保育活動ができる体制作りに取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

管理責任者、保育責任者は「期待する職員像」を検討すると共に、人材採用と育成に向けて、方針を構築するよう取組んでいます。現在、法人全体の人材確保を見据え、保育士養成校と連携を図るよう努めています。人材採用に関して常時、募集強化を図り、現在必要な人材及び将来的な人材確保に努め、育成にも力を入れていくよう努めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育士の「期待する職員像」については、思い描くに留まり、具体的な明文化には至っていません。今後、本園・保育士の「期待する職員像」を作成・明文化し、互いに信頼し合える職員を求めて行く予定です。昇進・昇給に関しては、基準を定める予定であり、職員へ自己評価、向上性、信頼性等の自覚を促し、適切な基準作りに努めていきます。職員一人ひとりの力が発揮され、評価が自信につながり、定着率の向上、働きがいのある職場となるよう、本園として仕組み作りを考えています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

就業状況については常に確認し、個々の希望の休みや有給休暇の取得を考慮してシフト作成を工夫しています。業務が厳しい状況の時期でも他職員に気兼ねなく休暇が取得できるよう、速やかにシフト調整が図れる体制を構築しています。勤務形態については、職員一人ひとりの家庭等の都合に合わせたシフト体制と、年次有給休暇は100%自己申請に沿い、ワーク・ライフ・バランスに配慮するよう心がけています。その日の人員体制についても、子どもの在園状況に合わせ、早退希望者には柔軟に対応するよう考慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

管理体制として、本園、保育士の「期待する職員像」について具体的な明文化が求められ、また、本園の目標に沿った職員一人ひとりの目標設定も定型的に取り決めることが必要です。現状、自己評価の中で各自が設定している状況であり、今後は「期待する職員像」、本園の方針や目標に沿って個人別に新年度の目標を定め、年度途中に面談で進捗状況を確認・共有し、年度末に反省して次期につなげる等、仕組み作りが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」に関しては、具体的・明確に書面化は成されていませんが、本園開設時の正規職員4名でのイメージ的な構想と本園の職員として人となりについて、就業規則の服務心得に明記したものはあります。今後は、具体化した内容に階層別の期待像を加え、「期待する職員像」を作成することを考えています。職員教育については、外部研修に参加する機会を設け、非常勤職員を含む全職員に対する園内研修計画を策定し、配付を行い、参加を促し、実施するよう努めています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

研修の機会については、全職員に研修参加を促し、希望する職員には受講できるようにしています。キャリアアップ研修に関しては該当職員の意向を聞き取り、毎年研修に参加できるよう計画しています。他、横浜市等開催の研修案内を掲示し、参加を促しています。現状、非常勤職員が大きな役割を担っている運営上、時間確保の課題や、コロナ禍の影響を踏まえ、職員会議の中で園内研修を行ったり、非常勤職員と園長とのLINEを通して質の向上につながるよう工夫しています。会議では、月1回の正規職員によるマーム会議、月1回の勤務後の非常勤職員を含む職員会議、理事長・管理責任者・保育責任者による3者幹部会議を定期的に実施し、意思の統一と協調を図っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

開設後1回、実習生を受け入れた実績があります。地域型保育事A型での実習は保育士育成校で定期的に実施することはありませんが、今後、後進の育成には協力していくと共に、園としても職員の向上性、地域(学校)との連携を図るために、希望があれば受入れて行く体制は整備しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

特定非営利活動法人は法律で、開示請求があれば決算報告書等を開示することが義務づけられており、パンフレット等には理念等を記載し、緑区役所等で入手可能になっています。ホームページでは本園の情報を写真も掲載してわかりやすく提供し、SNSも活用して情報を提供し、今後も透明性の確保に力を入れていく予定でいます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経理取引ルール等に関しては、取引ルールを定め、競争入札等も含め公正な会計処理を行っています。横浜市の方針に従い、反社会的勢力との取引をしないことを明示しています。会計処理に関しては、顧問先の税理士や社労士と毎月打合せ、相談を行い、運営に活かしています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関わりに関しては、基本方針の中に「保護者や地域、まちとの信頼関係を構築」の基本的な考えを文章化し、協調を心がけています。横浜市からの情報等は、必要に応じてコーナーに掲載し、周知しています。地域とは、町内の清掃活動等へ参加し、交流を深めています(但し、コロナ禍で活動休止中)。以前は、地域の子どもたちに向けて園行事の参加を募集する等、交流を行っていました。例年、わらべ歌等で交流をしていた連携園ともコロナ禍収束後は交流を復活する予定です。現在、駅の近くに民間保育園が建設中であり、交流を予定しています。現在、地域の農家と契約し、じゃがいもやさつまいもほりを実施し、さらに土地を借用して「マーム農園」を作り、土に触れ作物を栽培する活動を行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティア受入れマニュアルを備え、受け入れ体制を整えています。しかし、保育には保育士の有資資格者しか携われない規約の下、ボランティアの受入れは難しい状況にあります。但し、地域の農家での収穫体験や、梱包ベルトを使用したインテリア作品の提供等、園外において近隣から協力を受けています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の社会資源として、地域の病院・診療所、消防署、警察署等の他、横浜市北部児童相談所、横浜市北部地域療育センター等をリストアップして活用しています。特に、療育センターには研修に参加し、消防署にはAEDの研修を受けています。緑区には毎年重要事項説明書等を提出し、横浜市こども家庭支援課とも連携を図っています。他、私立園長会に参加して連携を取り、児童相談所に関しては、現状、特に連携を取ることはありませんが、子どもへの権利侵害に関して留意し、虐待予防として登園時にチェックするよう心がけています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

保育所の地域に対して担うべき機能を、でき得る範囲で地域還元に努めたいと考えています。現状、コロナ禍であり控えています。また、地域住民に対しての育児相談等も控えています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域との関連については、3歳児以降の受入れ園として、近隣保育園や、幼稚園と日常的に連携を図っています。地域コミュニティに関しては、地域の自治会に加入していますが、福祉ノウハウを還元できるまでには至っていません。地域との関係作りに向けて、時間を重ねて構築して行きたいと考えています。被災時は、近隣の鴨居小学校が避難先であり、避難体制を整える必要があると考えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「子どもを尊重した保育」の基本事項を明示し、職員が常に意識できるよう室内に掲示し、日々の保育につなげています。また、子どもの人権に配慮し、「子どもを中心に家庭と保育園がある」という考え方を心がけています。今後、子ども・家庭環境の変化に伴う支援の必要性を視野に入れ、マームゆりかごとしての保育環境を軸に、柔軟な対応に努めて行きます。倫理綱領については、横浜市保育士会の倫理綱領を基に園内研修等を通して実践につなげています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

国及び横浜市等の条例等に準拠し、子どもや保護者のプライバシーに配慮した保育の実施を心がけています。プライバシー保護については、園での課題に加え、保護者によるSNS等での写真流出等、今後、園内研修を通して職員に徹底を図り、保護者にも啓蒙していく予定です。重要事項説明書にも記載し、入園時に周知していますが、さらに確実な実施を進めていきます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育所選択に必要な情報として、パンフレットは緑区役所に設置しています。ホームページにも情報を掲載し、さらにパンフレット、ホームページの改善を図っていく準備をしています。園見学者には、重要事項説明書を参考に保育環境や園ルールを説明し、随時質問に答える等、丁寧に対応しています。園見学者には説明終了後、保育室を案内し、在園児と触れ合う時間を設けています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始・保育内容の変更時等については、事前に保護者へ文書を配付した上で、保護者会等で説明し、了解を得ています。途中変更については、文書等で説明することを原則とし、大幅な変更がある場合は直接、説明する機会を設けています。特に、配慮が必要な保護者(外国籍等)の場合は、基本的に個別対応とし、それぞれのケースに応じた対応に努めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

本園は、卒園児(3歳児)が来園するケースはそう多くはありませんが、来園した際は歓迎し、継続性に配慮するようにしています。途中転園や卒園の場合、引き継ぎ文書に関しては保護者もしくは区役所から正式に依頼を受けた場合は提出しますが、原則は口頭にて対応しています。また、保育園の利用終了後は、保護者等が相談できるよう園長を担当者として受付け、卒園時、子どもへ贈る言葉の中にいつでも保育園に遊びに来て良い旨は伝えています。しかし、文書化はされていませんので今後、利用終了時にその後の相談方法や担当者について明文化することが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの利用者満足度は、毎日の保育の中で職員の重要な業務として把握に努めています。保護者に対しては、定期的に満足度調査は実施していませんが、送迎時、日常的にコミュニケーションを密に図り、把握するようにしています。意見等がある場合は都度、対応し、一つひとつ検討及び具体的な改善へと取組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みについては、重要事項説明書に相談・苦情受付担当者、相談・苦情受付責任者、第三者委員を記載し、苦情ポストを掲示及び設置しています。苦情を受けた場合は、迅速に対応し、結果は公表する等、苦情処理の流れを明確にしています。開園から現在まで苦情に至る重大な案件はありませんが、保育室のスペースやプライバシー保護の観点から、同マンションの他階(6階事務所)の利用等、検討予定です。今後、苦情解決に伴う研修を管理職で行い、対応基準を全体に周知する予定でいます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

文書化はしていませんが、保護者が相談しやすい環境、話しかけやすいタイミング作り、声かけ等で心のゆとりを与えられるよう心がけています。職員に対して、職場環境における「境界線」を研修等で確認及び振り返り、さらに、保護者からの相談対応及び、出来得る範囲等を検証し、通常業務でのメリハリを明確にして共通認識を図るよう進めていきます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

日々の保護者とのコミュニケーションを通じて意見、意志、意向を汲み取り、知り得た情報は「報告・連絡・相談」を行い、改善に努めています。また、遅番保育で知り得た情報は、必ず園長に報告し、必要事項は日誌、健康管理チェック表等に記載し、全職員に周知を図る体制を整えています。保護者からの相談や意見に対して、苦情処理対応と同様の流れで行い、必要に応じて園長が担当職員から引き継ぎ対応するようにしています。今後、意見箱の設置を予定しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者は保育責任者(園長)とし、正規職員者2名とヒヤリハット報告書に沿って検討を行い、結果は法人代表者(理事長)、管理責任者に、保育責任者が幹部会議にて報告しています。特に、他園での事例等(例:玩具や食材の誤飲等)に関して園内研修で話し合う等、リスクマネジメント力を培っています。リスクマネジメントは常日頃、小さな事故、事例でも管理職に報告するよう促しています。研修、活動内容等の見直しに関しては、子どもの成長に応じた内容を検討し、実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症マニュアルを整備し、園長を中心に感染症予防、感染症発生時の対応を行っています。但し、新型コロナウイルス感染症に関しては、管理職が率先対応を行っています。流行性感染症については、研修を交えながら職員に伝え、疾病の流行状況や子どもの罹患程度を踏まえ、横浜市への報告体制を敷いています。保護者へは掲示や、口頭で状況を説明し、周知しています。登園許可の必要な感染症に関しては、重要事項説明書に記載し、保護者へ周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

園舎は鴨居駅の東側、鶴見川の西側にあるマンションの1階にあり、6階を事務所としています。水害、地震が考えられる地域であることを踏まえ、避難訓練では水害に備えた垂直避難の訓練を取り入れています。子どもたちには地震の際、落下物に対応するクッション入りの帽子を採用しています。また、園長が不在時や遅番の時間帯等の対応訓練も実施しています。安否確認方法について、保護者、職員の連絡方法が限定される可能性を鑑み、今後、引き渡し訓練の実施を予定しています。備蓄に関しては、さらに計画的に整備していかれることを期待いたします。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育の提供に当たり、子ども・子育て支援法、他法令を遵守し、保育所保育指針に沿って行っています。標準的な実施方法(マニュアル・1日のデイリープログラム)を完備し、保育の標準化について職員に周知及び教育を行い、保育の質の向上に向けて力を入れています。園内研修ではマニュアルに沿って行い、継続して権利擁護、個人情報等、守秘義務にあたる法的観点を視野に入れ、体制を強化し、質の向上を図って行く予定です。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法(マニュアルのみ)の見直しについては、職員会議、園内研修の中で組織的に実施しています。職務、労働時間の観点では、正規職員と非常勤職員とで担当業務が異なり、正規職員は保育全体の振り返りが責務であり、非常勤職員は限られた時間内において専念職務が責務となります。異なる観点の下、職員会議で必要事項を話し合い、全職員で情報共有を図り、園全体の質が向上するよう、周知を大切にしています。通常業務に関しても、意見や提案を柔軟に聞き取り、職員一人ひとりのスキルアップにつなげられるよう互いに向き合う体制で進めていきます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は「全体的な計画」に基づいて作成し、正規職員、非常勤職員が協働し、アセスメントで修正を図り、保育を進めています。保護者からの要望等は、指導計画作成時に反映するようにしています。現在、支援困難児は在園していませんが、保育について、保護者と保護者関係者(祖父母)の考えに相違があるケースの場合、先ず保護者に確認しながら把握と意向に努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、立案した職員を中心に行い、月案会議の中でさらに次月の立案につなげて作成し、期・月・週・日の単位で定期的に確認しています。基本的には年間指導計画の変更は大きな変革がない限り年度内には行わず、月案、週案レベルで変更して進め、年間指導計画は期末の反省に沿い、次年度で修正を図っています。月案、週案等で変更内容については、適宜、職員会議で伝え、確認と今後の方向性を周知して共通理解をしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

保育の実施記録については、保育日誌と個人日誌に分け、全体と子ども一人ひとりに対して記録しています。個人日誌には、個別の指導計画や週案に照らし合わせた子どもの姿を記載し、ファイルに綴じ、必要に応じて閲覧できるようにしています。職員間での記録の差異については研修を重ね、統一できるよう努力しています。子どもが欠席した際は、十分確認するよう留意しています。子どもの情報共有については、正規職員でのマーム会議、職員会議、昼ミーティング(必要に応じて)で行い、ミーティングノートを基に共有化を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

記録の管理・保管に関して、特に、児童表や個人日誌保管と破棄の時期について横浜市の基準に則って行っていく用意があります。書面だけでなく、撮影した写真等を含めた個人情報の漏洩防止に関し、社会福祉事業の役割の観点から、職員に研修を通して意識の徹底を図っています。個人情報の不適切な利用、漏洩防止に努め、ロッカーに格納し、保管責任者を園長とし、管理しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の策定については、開園時に保育所保育指針を基に、幹部で作成しました。骨子が固まった段階で職員の意見を聞き、マームゆりかごの特徴を加味して策定し、毎年、見直しと改善を図っています。運動や遊びに関しても「全体的な計画」の中に盛り込んでいます。「就学までの10の姿」については、3つの視点を基に、特に、非認知能力を養う部分を加味して作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちの快適な生活に向けた工夫では、①テラスの壁面内側に自由にお絵描きができ、磁石付き玩具を貼り付けて遊べる大きなホワイトボードの設置、②室内の戸棚を天井近くに設置し、広く遊べる床面積の確保、③室内の全壁面を金属壁紙とし、掲示物等の衛生的貼付や、磁石玩具を貼り付けて遊べるよう工夫、④天井に磁石を取り付けて装飾物をぶら下げる視覚的な工夫、④クライミングウォールの設置、⑤室内柱をシンボルツリーに見立て、四季を感じるインテリアの設置等、子どもの成長に応じた様々な工夫が為されています。0歳~2歳児の異年齢保育は小さいながら上の子が下の子の面倒を見る等、自立と思いやりを育んでいます。活動内容、子どもたちが安全に遊べる環境を臨機応変に整え、各職員の指導を交えながら、子どもにストレスを極力与えないよう穏やかに保育に当たっています。同マンション6階には職員用休憩室及び、打ち合わせ用の別室を設けています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達段階や家庭環境の把握については、マーム会議で精査した後、職員会議の中で周知し、共有化を図っています。日々の事象に関してはミーティングノートに記し、全職員で確認できるようにしています。子どもに対しては穏やかに寄り添い、保育に当たっていますが、さらに、子どもへの適切な声かけをテーマに研修等を実施して研鑽しています。担当については、子どもの好み、相性を考慮しながら、子どもから懐く職員をその子の担当とする等、子どもの気持ちに配慮しながら担当者を緩やかに決めています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣を身に付けられるよう、子ども一人ひとりに合わせて援助に努め、生活に馴染めるよう配慮し、個々の個性を大切にして根気よく進めています。離乳食は基本的に外部の食配業者の食品を採用し、離乳食は中期食がベースとなり、月齢、年齢に応じて食材の大きさや食の量を増やしています。保護者へは、自宅でも離乳食を食べさせるよう奨めています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

限られた空間の中で、自ら自主的、自発的な遊びができるよう室内環境を工夫しています。子どもたちが自発性を発揮できる遊びを見守り、援助を行えるよう保育士のスキルアップに努めています。さらに、保育士の子どもへの姿勢が子どもに自然と伝わり、年上の子どもが小さい子に対して優しく接する姿につながるよう心がけています。保育では、室内活動・戸外活動を積極的に取り入れ、自然と触れ合い、思い切り体を動かして遊べる機会を多く設け、生活や遊びを通して子ども同士で協同し、健全な人間関係が育まれるよう努めています。玩具箱の設置については、空間の設定上、玩具は棚から保育士が出しており、今後、子どもが自由に出して遊べるよう、「子ども自身で出せる玩具箱」の検討をしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児の保育では大人との愛着関係を最も大切にしています。睡眠時間にバラつきのある0歳児はベビーサークルを活用してスペースを確保し、他年齢児の動きからも安全に守られてます。1歳、2歳児が外に遊びに行っている時は、サークルから出て自由に体を動かして遊び、危険に配慮しながら玩具を使う等、環境設定の工夫をしています。いつも見ている1歳、2歳児が遊んでいる玩具に触れ、0歳児も遊べて満足している様子です。また、1歳、2歳児と一緒に外で遊ぶ機会も設けています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)の保育について、安全の範囲内で戸外での探索活動ができるよう見守っています。職員は、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、待つよう配慮し、自我が出る「イヤイヤ期」にも気持ちを受け止め、一人ひとりに対応しています。家庭とのコミュニケーションについては、登降園時に子どもの姿を伝え合いながら、時には相談に応じるよう心がけています。コロナ禍を考慮しながらも、戸外活動で出会う地域の方々には職員が率先して挨拶を行い、子どもたちも真似て挨拶の言葉を発する姿が見られます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

小規模保育事業所のため、評価対象外。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもは現在在園していませんが、障害の子ども、障害があるかもしれない子どもに対しては、横浜市北部療育センターと話し合いを重ね、該当児に寄り添いながら保育に当たり、個別計画や記録を取ります。特に、子ども同士の関わりや戸外活動では安全に留意するよう配慮しています。環境に関しては、横浜市と相談しながら、受入れの際は該当児に対してより良い生活環境となるよう指導計画の下、保護者や関係機関と連携して保育を進めて行きます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1日の生活を見通してその連続性に配慮し、家庭的でゆったりと過ごすことができるよう環境を整え、子どもの体調・状態に応じた個別対応を心がけています。それが、地域型保育事業認可(A型)保育園の良い点であり、本園の特徴でもあります。開園時間内は必ず正規職員が勤務し、常に情報交換を心がけ、1日の子どもの様子を職員間で確認してから、保護者に伝えています。年齢に応じた休息時間や1日の活動に「動と静」の時間を設け、ゆったりとした時間を過ごせるよう配慮しています。食事やおやつは自園で調理を行い、子どもの発達段階に合った食材の大きさや食べやすさ、栄養価を考慮してより良い調理方法を考案して提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

小規模保育事業所であるため、評価対象外。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理については、登園時に家庭で体調の変化を確認し、降園時に園での様子を連絡帳で伝え、口頭でも詳しく説明しています。子どもの体調の変化や怪我については、必要に応じて保護者に一報を入れ、伝える場合もあります。子どもの健康状態に関する情報は必ず、全職員で共有を図り、保育に当たっています。体調不良等で欠席の場合は、保護者へ細かく聴き取り、休日の過ごし方や受診状況等を把握し、台帳に記載しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科健診については、近隣の連携園(そよかぜ保育園)の健康診断・歯科健診時に合わせて実施し、連携園が近距離なこともあり、共通園医に来園してもらい受診しています。近年はコロナ禍の影響で年2回の健診の内、1回は実施、1回は電話対応で進め、保護者へ日程を事前に伝え、欠席のないよう促しています。受診結果は、用紙や口頭で必ず伝え、情報共有を図っています。歯磨き指導については、0歳児は乳歯が生えて来たら自宅で歯磨きを始めてもらい、1歳児は職員が歯ブラシを行い、2歳児は自分で磨くよう支援しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

現在、アレルギー疾患や慢性疾患等の子どもは在園していませんが、アレルギー疾患については、医師の指示の下、完全除去食とし、家庭で食した食品のみを園の食事で提供するようにし、アレルゲンでないことを双方で確認し、家庭と連携を図りながら適切に対応しています。過去、熱性痙攣のある子どもについて、医師の指示の下、ダイアップを預かって対応し、青魚にアレルギーのある子どもに対しては、医師の指示を受け、個別対応しました。今後、受け入れた際は同様に適切に対応していきます。除去食に関しては、必要に応じてお弁当を持参してもらうこともあります。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが楽しく落ち着いて、意欲的に食べられるよう、職員の配置を工夫しています。食事量の加減については、定量以上は提供していませんが、個人差や体調に合わせて量を減らすことも考慮しています。しかし、「一口がんばってみよう」と促すと完食につながることもあり、無理強いをせずに援助しています。保護者へは、園での食事の様子を伝え、楽しく子どもが食事できるよう家庭と密に連携を図っています。コロナ禍以前は、子どもと一緒に食事をしながら会話を楽しみ、食事について話をしながら進めていました。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

外部の配食業者から食材や献立を調達しています。献立には、季節感や地域の食文化、伝統的な行事食が取り入れられ、子どもに合わせて形状の大きさや、食べやすさを工夫して提供しています。調理員は、子どもたちに声かけを行い、意欲的に食べている姿を目視し、毎月の給食会議で調理法の工夫に活かしています。また、衛生管理マニュアルを備え、毎日清掃チェックを行い、給食日誌内に確認項目を示しています。園では、1歳1か月を目安に子どもの成長に合わせ、離乳食から幼児食へ切り換えています。コロナ禍以前は、給食を保護者に食してもらう試食会を設け、家庭での参考にしてもらっていました。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳の記入は全職員が担当し、日々のエピソードを記入して子どもの様子を伝えています。降園時には、言葉を添えて保護者とコミュニケーションを取り、情報交換を行っています。行事に関しては事前に手紙で伝え、保育の意図や保育内容について保護者に理解を促す機会として活用しています。園だよりには、日々の保育の様子を掲載する等、本園の保育活動の雰囲気を伝えています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保護者とのコミュニケーションを通して、不安や不満がないかを把握し、早い段階で対応できるような職員体勢を整えています。保護者から相談を受ける場合は、記録するよう、書面の準備を行い、職員間で共有ができるよう期待されます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待等権利侵害に関して、マニュアルの備え、子ども、保護者の表情、気配等から察知できるよう「気づき」を大切にするよう日頃から指導に当たっています。特に、登園時の子どもの怪我については、自宅か園での傷か等、注意深く観察するよう留意しています。また、休み明けには特に注意を払い、新しい傷や、肌・衣服等の衛生面への配慮等、必ず確認しています。虐待等権利侵害予防として、不安要素を感じた場合は早期発見に努め、園内研修の実施により「気づき」を強化するよう心がけています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員の自己評価は年2回実施しています。本園の目標に沿った職員一人ひとりの目標設定は現状、自己評価の中で各自が設定している状況であり、定型的に取り決めることが必要に思われます。今後は「期待する職員像」、本園の方針や目標に沿った個人別に新年度の目標を定め、年度途中に面談で進捗状況を確認・共有し、年度末に反省して次期につなげる等、仕組み作りが期待されます。しかし、常に保育実践の振り返りを行う中、今回、第三者評価を通して自己評価実施の認識が深まり、気づきにつながりました。職員一人ひとりの振り返りが園全体の向上につながり、より良い保育の実践となっていくことを実感できるよう、さらなる園作りを強化していかれることを期待いたします。