社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ライム

2023年05月31日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ライム
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)
設立年月日 2007年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 (理念)
(1)障がい児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャル・インクルージョン」(共生社会)を目指します。
(2)社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。
(基本方針)
・人権の尊重とサービスの質の向上を図ります。
・インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。
・地域との共生を目指します。
・ニーズの多様化と複雑に対応します。
・社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します。
・説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します。
・人材の確保・育成のための研修体制を充実します。
・柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。
・財務基盤の安定化に努めます。
・国際化への対応に取り組みます。
・社会貢献活動に積極的に取り組みます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 事業所は、利用者が地域において共同して自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、当該利用者の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて共同生活住居において、相談、入浴、排せつ又は食事等の介護、その他の日常生活上の援助を適切かつ効果的に実践しています。
福祉サービスの実施にあたっては、利用者の意思及び人格を尊重して、常に利用者の立場に立ったサービスの提供に努めることを心掛けています。
地域及び家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村、他の障害福祉サービス事業者等その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めています。
法人が定める各種規則・規程に則り、関係法令等を遵守しています。
(事業所の取り組み方針)
(1) 事業所の職員の専門性や支援力を育て、明日の職員を育成します。
事業計画を職員間で周知し各職員が法人の理念や使命を理解して、法人の様々な指針に則り役割の自覚を持って活動を行います。
(2) 健全な財務経営のために次の取り組みをします。
社会的により高まる人権意識、障害者差別解消法を理解し、利用者さんと共により生活しやすい地域社会を拓きます。
(3) 利用者さんの暮らしの充実をめざすべく、地域生活移行を推進します。
利用者さんの持つ強みを活かして、制度環境の変化に対応し、地域社会への進出を後押しします。
(4) 利用者さんが目標を持って活動できる支援を行います。
情報の提供や自己決定の支援、活動のフォローを行い、自己の人生の中で当事者としての意識を持って活動できるように支援を行います。
(5) 利用者さんも職員と夢と希望を語り、慈しみを持って元気で明るい法人と事業所をめざします。
夢や希望を語ることから具体的な将来像を描き、より具体的な夢や希望を段階的に叶えることを経て、充実感や自己肯定感を持ちながら他者への慈しみを持ち、両者が快適に過ごせる事業所をめざします。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2022年05月16日
終了:2023年04月28日(評価結果確定日)
受審回数:2回(2019年度)
⑥ 総評
◇ 特長や今後期待される点
1)利用者の自立性を大切にした福祉サービスを提供しています
利用者の自立性を大切に考え、ホームでの生活を自立訓練の場として捉えています。利用者個人ができることを活かしながら、地域での自立生活を送ることを目指し、身体介護・家事援助・移動支援についてホームヘルパー制度を活用しながら支援しています。職員は日常生活を見守りながら、利用者の自主性を尊重し、支援が必要な場合にはいつでも対応できるよう取り組んでいます。利用者の思いや希望をしっかり聞くことを心掛けてサービス提供しています。浴室・トイレ・洗濯室等の共同施設は職員が清掃し清潔な環境づくりに努めています。

2)人権擁護・プライバシー保護を尊重した支援に取り組んでいます
事業所では、権利擁護、基本的人権、倫理行動等の研修を通じて権利擁護やプライバシー保護に対する意識を高め、虐待防止や身体拘束廃止に取り組んでいます。法人内で発生した不適切な事例を取り上げ、職員一人ひとりが日々人権について振り返り、人権擁護・プライバシー保護を尊重した支援の実践に努めています。

3)関係福祉サービス事業所や医療機関との密接な連携体制を構築しています
近隣の生活介護事業所に事業所が契約している看護師が常駐しており、必要な時は支援が受けられる関係を構築しています。協力医療機関との関係も良好で定期的な往診のほか、夜間でも支援が受けられる体制となっています。また、近くに大学病院があり幅広い医療サービスを受けることができます。

4)地域活動や行事参加で地域生活移行に向けた取組が期待されます
利用者の意向や希望を聞き取り、余暇活動やレクリエーションを実践していますが、コロナ禍で地域での避難訓練や地域行事への参加が中断しています。今後、再び、地域での自立生活への移行に向けた社会参加や地域での生活意欲を高める支援に取り組むことが期待されます。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント この度は貴重な評価を頂きありがとうございました。事業所として意識的に取り組んでいることが評価されており、方向性や支援内容は間違っていないことが確認できました。
1.利用者の自立性を大切にした福祉サービスを提供していると評価されたことについて、
身体障がいの方を対象としたホームなので、ご本人にはしっかりとした意志がある方が多いため、要望があった際は迅速により掘り下げた情報を提供して、できるだけご本人の意思や力で用件が解決できるように支援を行っています。今後もご本人の力を見極めながら支援を行います。
2.人権擁護・プライバシー保護を尊重した支援に取り組んでいると評価されたことについて、
虐待防止委員会の設置が必須となる中で、何度も倫理観や虐待の要件、身体拘束について確認し、事業所として重点的に取り組んでいることが評価されました。今後も事例を使用して多様な見聞を広げ、当事者や社会が求める知識や技術に到達できるように努力を続けます。
3.医療的な支援が厚いという評価について、
開所から15年が経ち入居者の年齢も上がっており、また個人の障がい特性により様々な症状、2次的な疾病も発症しており、必要性も高まっていることから意識的に取り組んでいるところです。医師・看護師による支援サービスを取り入れるだけでなく、予防や軽減という視点から、訪問歯科、訪問リハビリやマッサージ等の種別も積極的に受け入れて、今後も、心身共に安定して生活ができる体制づくりを心がけます。
4.地域活動や行事参加で地域生活移行に向けた取り組みが期待されることについて、
新型コロナウィルス感染症の流行もある程度収まると同時に、生活上切り離せないものとして認知されたものとなりました。利用者さん個人の余暇外出の充実、社会の一員としての実感が持てるような参加や貢献、地域の中で生活意欲を高める支援に取り組みます。その他、利用者さんにとっては、普段会うことのない専門性持った外部の方に話を聞いて頂けて、自己肯定感が高まったようで、以前よりも意欲的な発言が多くなったと感じます。
職員においては、初めて第三者評価の質疑応答を受ける職員がおり、評価者の質問に答えることによって、自分の行っている支援にどうような根拠が有るのかを自問自答することに繋がり、自発的に業務の見直しを行うことに繋がりました。改めて緊張感を持って業務と向かい合う良い機会となりました。今回の評価結果を職員間で共有して、課題については気持ちを新たにより良い事業所へ向けて取り組んでいきます。この度は誠にありがとうございました。
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

理念、基本方針は法人のホームページ等に記載され、事業所内にも掲示して、職員、利用者等への周知が図られています。職員に「職員ハンドブック」を配布し、研修や職員会議を通じて理念、基本方針、使命、職員行動指針等の理解に努め、職員一人ひとりが役割を自覚しながら支援にあたることを心掛けています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

社会福祉事業全体の動向について、法人からの資料や管理者会議等で示されており、具体的に把握しています。毎月、事業所の経常収支と予算を比べ合わせて試算表を作成し、事業所の経営状況の把握に努めています。事業活動収入、事業活動支出、人件費、資金収支差額の数値について月次と累計額をベースに現状分析を行っています。予算は半期に一度見直しを行い、制度上の加算の変更、利用状況や障害区分などを確認して予算計画の更新を実施しています。利用者が退去した時に速やかに空室を埋めることが課題です。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

中・長期計画は策定していませんが、理事長の年頭所感や年度の具体的な法人の重点目標に基づき、職員間で事業所としての重点課題を話し合い、単年度の事業計画書を作成しています。重点課題の一つとして現場力の向上を図るため、指定障がい福祉サービス事業所の自己点検シート等を活用し、利用者の要望や現状に即した個別支援計画の作成に取り組んでいます。取り組むべき課題として重点課題を設定し、働きやすい職場環境づくりや職員の質の向上のための知識や経験の習得等を掲げています。事業計画書は職員の参画のもとで、年間の活動内容や行事計画を決めていますが、利用者への周知に課題があります。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

福祉サービスの質の向上は、法人の理念・基本方針・使命・職員行動指針・法人の規定等を踏まえ、法人では入職年度ごとのフォローアップ研修やエリアでの研修等を実施し、専門知識の習得や人間性を高めていくよう取り組んでいます。非常勤職員には入職時に新人研修を実施しています。事業所では職員会議でマニュアル等を読み合わせし、支援サービスや虐待防止等の意識を高めています。事業計画に基づき、取り組んだ課題の評価結果について、毎年実施するチェック体制が確立しています。評価結果については職員間で共有しています。基礎的な介助技術の習得や社会貢献への取組等が課題となっています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

管理者は事業所の運営方針や施策を明確にして取り組んでいます。事業所として虐待防止について重点的に取り組むことを職員に伝えています。有事(災害、事故等)におけるBCPのマニュアルを整備することが今後の課題となっています。管理者会議、相模原の地区ごとのグループ会議、ホーム部門の全ホーム会議等の内容について職員会議や打ち合わせで職員に伝え、遵守すべ法令等について周知しています。管理者は法令遵守等についての研修や勉強会に参加しています。また、管理者は福祉サービスの質の現状について定期的に評価・分析を行っています。質の向上への取組を浸透させるため、職員会議でことある毎に法人のマニュアルや規程集の読み合わせをして、繰り返し周知し浸透を図っています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

常勤職員の採用や人材育成などの研修については法人が担当し、事業所では非常勤職員の採用をしており、職員の配置基準、職員の年齢構成等を勘案しながら実施しています。利用者とのコミュニケーションに努め、外出や入浴等の生活援助についてホームヘルパーを活用しています。ヘルパーの手配ができない時は職員が代替して利用者の支援をしています。働きやすい環境づくりに努め、シフトは有給取得希望を取り入れながら作成しています。資格取得や自己研鑽への取組を勧奨し専門性の向上に努めていますが、実習生の受け入れには課題があります。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

ホームページ等で法人の理念や基本方針、福祉サービスの内容、事業計画、決算情報等が適切に公開されています。定期的に第三者評価、法人内監査、神奈川県福祉部障害サービス課の指定障害福祉サービス事業所等自己点検シートを用いて事業所の運営に関しての点検・改善を行っています。財務状況については所定の様式により法人に報告し、理事会や評議員会の承認を得ています。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

事業所では、利用者と地域との交流を深めるために毎年「バーベキュー大会」を開催し、家族をはじめ利用者が利用しているヘルパー等を招待しています。今年はコロナ禍の影響もあり、感染症拡大防止の観点から、外部の人は招待せず、利用者と職員で実施しています。当地区に自治会はありませんが、近隣の自治会出張所や職員から地域の情報収集をしています。地域には病院や大学等さまざまな施設があり、日々それぞれの施設を利用する機会を通じて利用者・職員と交流しています。法人が行っている社会貢献活動として横浜市中区での炊き出し・バザー活動、日本赤十字社の献血運動に参加しています。 

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者を尊重する姿勢は理念・基本方針・職員倫理行動綱領に示され、職員倫理行動マニュアルには具体的に利用者との関係、支援の基準を明示しています。職員は配布されている利用者の権利を記載した「職員ハンドブック」で日々確認しています。また、人権擁護のセルフチェックリストで振り返り、法人主催の人権研修を毎年受講するなど利用者を尊重した支援の実施に取り組んでいます。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

家族や本人は入居時に契約書などで福祉サービスの提供内容、個人情報の保護、プライバシー保護などの説明を受け同意しています。契約書にはわかりやすくルビを振り、個別の利用料金や預かり金制度などを詳細に説明しています。意思決定が困難な利用者には後見人や家族が同席し、利用者の意思を確認しながら自己決定の援助をしています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

個別支援計画書作成時に支援サービスについて利用者と個別に話し合っています。利用者満足度調査を実施していますが、内容の変更を検討中です。また毎月管理者が参加して利用者懇談会を開催していますが、今年度は未実施です。日々の支援の中で意向やサービスの満足度などを確認していますが、同じ要望が繰り返されることがあります。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

苦情解決制度や相談支援体制でいつでも多様な方法で意見を述べられることを契約書で説明しています。利用者がわかりやすく理解しやすく工夫した担当者写真入りの苦情解決制度のポスターや法人のヘルプデスクポスターの掲示、みんなの声ボックスを設置しています。職員は「職員ハンドブック」に記載されている利用者の意見を聞く姿勢に基づき、意見の収集と迅速な対応に取り組んでいます。 
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

リスクマネジメント体制として、ヒヤリハット・インシデント委員会、事故検証委員会、感染症対策委員会、災害対策部の法人設置、各マニュアル作成、研修の実施など体制を整備しています。事故検証委員会では報告書の集計をして、傾向の分析と対策の資料を盛り込んだ委員会報告を作成し、事業所にフィードバックしています。職員会議では委員会報告の事例を事業所に置き換えて、分析と対策を検討し事故防止に努めています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

法人の理念や基本方針等を踏まえながら、「職員ハンドブック」や「倫理行動綱領マニュアル」等に基づき福祉サービスの質の確保に努めています。支援マニュアルや支援手順書等を作成し、一日の流れを文書化しています。支援マニュアル・支援手順書等についての見直しは、職員会議での話し合いをもとに、必要に応じて関係事業所や利用者が利用しているヘルパー等と連携を取りながら、状況の変化に応じて検証し、必要な見直しを行っています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

個別支援計画の策定は日常でのアセスメント記録を踏まえながら、利用者本人や家族、相談支援員、関係事業所等の意見を聞いて作成し、職員会議で内容を確認しています。個別支援計画の実施については利用者とよく話し合い、同意を得て取り組んでいます。
原則半年に一度、評価・見直しを実施していますが、入居時は必要に応じて2~3ヶ月で見直しています。見直しの際に個別支援会議を行い、利用者本人や関係者と計画の確認と共有化を図り、個別支援計画の実効性を高めるよう努めています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

日誌をもとに、日々の利用者の様子や支援経過を把握して個人記録ファイルにまとめています。定期的にモニタリングを行う必要のある課題について記録し、個別支援計画の目標として取り組んでいます。日誌や個人記録への記載についてはICT化に取り組んでいます。個人情報関係については事務室の施錠のかかるキャビネットで保管しています。利用者に関する記録は「運営管理規定」に基づいて管理しています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

日常生活のサービスは利用者の希望や生活歴を尊重して、自ら選択・決定し、その人らしい生活の実現に取り組んでいます。利用者の日々の生活上の具体的な判断に向け、さまざまな情報を提供し、職員が一緒に考え、自己決定できるようにしています。決定したサービス内容は個別支援計画書に記載し、職員間で共有し、支援を行っています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の権利擁護については「職員倫理行動マニュアル」や「職員ハンドブック」に記載され、職員は防止や早期発見、保護に取り組んでいます。利用者の権利侵害の防止のために虐待防止・身体拘束廃止委員会の設置、家族や利用者への契約時の説明、ポスターの掲示、職員の研修の実施などの体制整備をしています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

理念・基本方針、職員ハンドブック、倫理行動要綱には基本の自律・自立生活支援を記載しています。職員は倫理行動マニュアルに記載の支援の基本の具体的な自立支援方法やコミュニケーション、相談方法の実施に取り組んでいます。自立支援の環境整備や日常生活自立支援事業所、成年後見制度の利用など連携を図り、自立生活に取り組んでいます。支援計画書は法令を遵守し、求められている支援水準の達成ができるよう作成して取り組んでいます。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の日々の様子や生活歴・病歴の把握と利用者の希望、また、相談支援員や関係事業所と連携し、広く状況を把握して日常生活の支援に繋げています。嗜好や希望に応じた献立や状況に応じた食事内容の提供、心身の状況とプライバシーに配慮した支援に取り組んでいます。支援内容を個別支援計画書に記載し、情報共有を図って実施に取り組み、定期的にモニタリングし、適切な支援の検討や変更を行っています。
A-2-(3)生活環境

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

いつでも利用可能なように3ヶ所の浴室や洗濯場の設置、安全な入浴支援のための手すりやバスチェアーの設置など、生活環境の整備を図っています。業者による備品の修繕・管理を行い、職員は共有部分の清掃や温度管理により清潔で快適な環境を整えています。音や灯りにも配慮し、安眠の確保に努めています。居室は全部屋にトイレが設置されており、利用者は好みの家具などを持ち込み、思い思いに過ごしています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の希望で訪問マッサージや言語聴覚士、訪問看護を利用しています。専門職は計画に基づいて生活動作や行動の機能維持、食事内容の提案や指導、また、支援の見直しを図り、職員とも連携して日常支援に取り組んでいます。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

職員は日々の検温や体調観察、定期的な往診やかかりつけ医への受診、看護師が食事内容の指導や健康相談、体調管理、助言、医療的支援の見直しなど健康管理をしています。緊急連絡先の掲示や協力病院との連携で体調変化や急変時の迅速な対応を行うなど医療的な支援体制を厚くしています。誤薬予防マニュアルを作成し、服薬に注意を払っています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の希望に応じコンサートや旅行、ガイドヘルパーを利用しての外出など社会参加をしています。また他事業者の利用者との交流や社会での人との関わり方を学ぶために「性への勉強会」などに参加しています。スイミングスクールやパソコンサークル活動などの学習支援にも取り組んでいます。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

グループホームの理念である地域社会の中で自立した暮らしをするために、買い物、通院、役所など生活に必要な場所への外出支援やデイサービスの見学、有料老人施設の見学など利用者ができるだけ充実した地域生活に移行できるよう支援しています。家族や関係機関と連携し相談・調整を行っています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の日々の様子や相談事項は利用者に確認し家族に伝えています。利用者の自己決定や自立を望む気持ちの維持には家族の協力が欠かせず、支援歴の内容や経験を聞き取るなど連携を図っています。家族との面会は新型コロナ感染予防を図って居室内で実施しています。高齢化した場合や医療行為が必要な場合の入所など、今後の生活支援を家族と相談し支援をしています。

評価後のコメント<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:18名
アンケート調査対象:18名
ヒアリング調査対象:2名
① アンケートで評価の高い内容と %
あなたは、グループホームでは自分のペースで過ごしていますか。→「過ごしている」100%

  あなたは、職員・スタッフは丁寧な言葉で話してくれますか。→「話してくれる」100%

② アンケートで評価の低い内容と %
 あなたは今、困ったことや不安なことはありますか。→「ある」16.7%

 あなたはグループホームでの生活について不満や苦情がありますか。→「ある」16.7%

③ 調査全体でとらえた利用者の状況
 (障害特性や利用者の背景や表情等も含め記述)

褥瘡のため横になってヒアリングしましたが、情報機器を使って音声による文字の記録やテレビのスイッチをつけられる装置を使用していました。
事業所開設以来入居している方で落ち着いた口調でしっかりコミュニケーションが取れました。もう一人の方は言葉が聞きづらい面がありました。
事業所の生活はマイペースで過ごすことができ、自由度があり、ショッピングや旅行などにも一人で行くことができていたと話されていました。65歳の年齢になり、介護保険サービスに切り替わるので手続きを支援してもらっています。
 事業所で喧嘩をしているのは見たことがないと話していました。