社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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リアンレーヴ川崎幸

2024年06月05日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ミライ・シア

② 施設・事業所情報
名称 リアンレーヴ川崎幸 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム) 定員 50 名
所在地 212-0003
川崎市幸区小向町10-22
TEL 044-541-6080 ホームページ https://www.kinoshita-kaigo.co.jp/facility/lien_reve_kawasakisaiwai.htm
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2022年06月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社木下の介護
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:25 名
専門職員
正看護師:2 名
准看護師:1 名
介護支援専門員:1 名
あん摩マッサージ指圧師:1 名
施設・設備の概要
居室数:50室
設備等:食堂、浴室、共用トイレ、洗面設備、健康管理室、談話室、応接室、洗濯室、機能訓練室(食堂兼用)、地域交流スペース

③ 理念・基本方針
木下の介護は「幸せ」をつくります。木下の介護が思う4つの幸せ。
1.ご入居者の幸せ 2.ご家族の幸せ 3.ご近所の方々の幸せ 4.職員の幸せ
幸せを実現するための5つの方法。
【食】おいしい食事による幸せ【健康】健康でいられる幸せ【楽しむ】楽しく生活できる幸せ【住】快適に住まう幸せ【介護】介護の質による幸せ

④ 施設・事業所の特徴的な取組
季節感のあるレクリエーションや館内装飾、オンラインを活用したイベント等、ご入居後も毎日の暮らしに楽しみを感じて頂ける工夫をご用意しています。
1階にある広々とした地域交流スペースでは集団体操をしたり、一日に2回ヘルパーステーションに併設されている談話室にて団らんの時間を設け、ご入居者が集まるコミュニティの場がたくさんあることも特長です。お食事では旬の食材を使ったイベント食等で季節を感じて頂ける工夫をしています。医療面では日々の健康相談をはじめ、指定の医療機関と連携し健康面のサポートに取り組んでいます。
アットホームな雰囲気のなかでお過ごしいただけるホームを目指し日々取り組んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/04/01(契約日) ~2024/05/30(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長や今後期待される点
1.多様なレクリエーションを提供し、入居者が楽しく過ごせるように努めています
施設では季節に合わせたレクリエーション活動や外部からの講師を招いたイベント等を企画し、入居者に楽しんでもらっています。毎月折り紙を使用して季節に合った作品を製作しています。例えば、1月は干支の扇子、2月は赤と青の鬼、5月は紫陽花を作っています。趣味活動として、書道や歌声喫茶、施設近くの多摩川土手への散歩等を行っています。4月には「お花見イベント」を実施しています。外部講師によるイベントでは、音楽療法や南米音楽の太鼓演奏会、姿勢改善エクササイズ等を開催しています。入居者にとって脳や身体全体に刺激を受けることで、筋力の向上だけでなく、精神的安定を図りリラックス効果が得られるように取り組んでいます。
2.食事を楽しむために実費による特別メニューを選ぶことができます
1日3回の食事は外部業者に委託し、手作りで調理しています。必要に応じて医師の指導による治療食等特別食の提供も行っています。更に、週に1回特別メニューを希望者に提供しています。希望者は寿司、うな重、天ぷら、肉料理、スイーツ等を実費で選ぶことができます。日頃と異なって、外食気分を味わう事が可能になっており、好評です。また、個人的な都合により、居室で食事をする場合には、別途実費がかかりますが、選択することもできます。施設では工夫を重ね、入居者一人ひとりが食事を楽しめるように取り組んでいます。
3.施設の事業計画・中長期計画を策定し、職員と共有のうえ実行していくことが望まれます
施設長は、本年度より、見学数向上・成約率向上・退去防止策を年度目標として掲げ、それぞれについて具体的課題・施策、実行案・計画を立て、年度終了後にその結果を評価することにしています。また、損益・入居・人員それぞれに関する施策について、毎月の計画を立て、実行状況を評価しています。しかしながら、これらを包括的にまとめ、事業計画として策定し実行するには至っていません。計画を策定、実行し、その結果を把握・分析し、さらに次年度の計画に反映していくことは、施設運営にとって重要と考えられます。事業計画を策定し、職員と共有し、実行していくことが望まれます。
また、中長期計画も施設において策定されていません。理念等の実現に向けて、施設運営を進めていくためには、中長期の視点で計画を明らかにし、職員と共有しておくことが重要と考えられます。中長期計画の策定も望まれます。
4.職員の目標管理制度を整備し適切に運用していくことが望まれます
会社および施設において、年度ごとに研修計画を立てて実行し、職員の育成に取り組んでいます。また、施設では、リーダーが年度初めに職員にヒアリングを行い、年度目標を確認するとともに、定期面接を行い、目標達成への進捗状況を確認しています。しかしながら、こうした目標設定や進捗状況の確認は口頭で行い記録を残していないなど、職員の目標管理の制度としてしっかり整備、運用されていない状況です。所定の様式を作成して記録に残すなど、目標管理制度を整備し適切に運用していくことが望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
現状の事業所での取り組みについて再確認・評価でき、また、実施不十分な点について取り組む方法や改善策等見直すことができました。
引き続き、ご入居者の状態に応じて日々関連職種と連携し適切なサービスの提供に向け取り組んで参ります。
また、課題点として地域住民との交流不足や感染症や非常災害時対策について、BCP計画の具体策と職員への周知喚起が不足しているのが課題と感じました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

「木下の介護は、『幸せ』をつくります。」を企業理念としています。こうした理念や方針が会社作成のパンフレットやホームページに掲載されており、入居契約時等に入居者・家族にその内容を説明しています。施設においては、事務所や相談室に理念等が掲示され、主に職員が確認できるようになっています。一方、施設の玄関ホールや居住階には理念等が掲示されていません。入居者や家族がいつでも確認できるようにこうした場所にも掲示しておくことが望まれます。また、掲示に当たっては、文字を大きくするなど、見やすいように工夫することも望まれます。職員については入社時研修において理念等を説明、周知していますが、その後の周知が十分でない様子です。理念等は施設運営の基盤となるものです。入社後も周知を継続する取り組みが望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

地域包括センター主催の定例会議に出席し、福祉事業全体の動向や地域福祉計画の策定動向などを把握しています。入居相談や見学依頼等の件数の推移や施設利用率の分析等を本社の入居相談員と連携して行っています。また、毎月、利用者数等に関する報告書を作成し、各施設の代表者等が出席する社内の月次報告会議でその内容を報告しています。入居相談員は、各施設所在地域の地域包括センターや病院、居宅介護サービス事業者と連携して、地域の福祉サービスのニーズや潜在的利用者に関するデータを収集、把握しており、これら情報を各施設に伝え、共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

本社で開催される月次報告会議において、経営環境や経営状況を共有しています。また、施設の所在地域で毎週開催されるエリア会議においても、地域の経営環境、経営状況、課題等を共有しています。これら会議において明らかになった経営状況や改善すべき課題等については、毎日の朝礼の場や、関連資料を業務日誌に挟み込むなどして、職員に伝え周知しています。入居状況の改善等について、本社の入居相談員とも連携して課題解決に取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中長期計画は施設において策定されていません。理念等の実現に向けて、施設運営を進めていくためには、中長期の視点で計画を明らかにし、職員と共有しておくことが重要と考えられます。中長期計画の策定が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の事業計画が施設において策定されていません。中長期計画を策定のうえ、これを踏まえて事業計画を策定することが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

施設長は、本年度より、見学数向上・成約率向上・退去防止策を年度目標として掲げ、それぞれについて具体的課題・施策、実行案・計画を立て、年度終了後にその結果を評価することにしています。また、損益・入居・人員の項目に分け、それぞれについて課題・施策、実行案・計画を掲げるとともに、結果を毎月確認しています。しかしながら、これらを包括的にまとめ、事業計画として策定するには至っていません。施設の事業運営を計画、実行し、その結果を把握・分析し、さらに次年度の計画に反映していくことは重要と考えられます。事業計画を策定し、職員と共有することが望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

事業計画を策定の上、入居者・家族等に周知することが望まれます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

サービスの質の向上に向けて、職員の研修・育成を積極的に行っています。職員には職種ごとに年3回以上の研修を実施しており、施設長が研修内容を把握し、理解度を確認しています。職員の虐待防止に関する自己点検も定期的に行っています。要望・クレーム対策委員会を設置し、3か月ごとに会議を開催し、入居者・家族からの要望等を取り上げ、解決策を協議し、サービスの質の向上に取り組んでいます。また、毎年、会社が入居者・家族の満足度を調べる「CS調査」を実施し、各施設のサービス提供に対する評価や問題点を確認しています。本年度より第三者評価を受審しており、今後も定期的に受審していく予定です。なお、職員の目標管理制度が整備されていません。同制度をしっかり整え、社員のさらなる能力向上を図り、施設全体のサービスの質の向上に取り組むことが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

CS調査を踏まえて、サービス提供についての課題等を把握、分析して、業務の改善に取り組んでいます。また、社員の虐待防止に関する自己点検の結果や、要望・クレーム対策委員会での利用者・家族からの要望等に対する検討結果などを踏まえて、職員間で課題を共有しサービスの改善に取り組んでいます。また、今年度からは第三者評価を受審しています。今後は、こうした調査や評価等で明確となった課題について、職員参画のもと計画的に改善策を実行していくことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

管理者の役割・責任は、業務分掌に明記されており、社員がいつでも閲覧できるようになっています。施設長は自ら介護サービスの提供にも携わっていることから職員と接する機会も多く、こうした日常活動のコミュニケーションの中で、自らの役割等について自然に伝えるようにしています。災害等有事における施設長の役割等は、「緊急時の対応フロー」で明らかにしています。また、施設長不在時の対応についても同フローの中で明示しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は年1回職員と個別に、倫理・コンプライアンス(法令遵守)に関する「5分間研修」を行っており、職員への周知に取り組んでいます。虐待防止・身体拘束廃止に関する「5分間研修」や身体拘束禁止・高齢者虐待防止に関する集合研修(事例検討)も開催し、職員の虐待防止に取り組んでいます。新規入社の職員には、入社時に法令遵守について説明し理解を促す取り組みをしています。会社作成の倫理綱領(法令遵守【コンプライアンス】と行動指針)があり、法令遵守のみならず、社員の倫理的行動の遵守もうたっています。施設では倫理綱領を事務所内に置き職員がいつでも閲覧できるようにするなどして、その周知に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、リーダー、生活相談員とともに、継続的にユニット会議を開催し、サービスの質の現状について評価、分析を行っています。また、身体拘束禁止・虐待防止対策委員会や要望・クレーム対策委員会など、各種委員会を4半期ごとに開催しサービスの質の向上について協議するなどの取り組みを行っています。朝礼の場や、2~3か月に1回実施する職員との面談の際に職員から出された意見も汲み上げ、取り組みに反映しています。また、「5分間研修」や事例検討を行う集合研修では、医療的知識や感染症・食中毒予防、介護予防・要介護度進行予防、認知症ケアなどについて研修を実施するなど、サービスの質の向上に向けた取り組みに指導力を発揮しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は毎月、職員の稼働状況や、施設の入居率の推移、売上・原価・利益や財務状況を把握、分析し報告書を作成しています。職員の人員配置については日々本社の人事担当部門と連携して対応するとともに、設備の不具合などについても迅速に対応し、職員のサービス提供に支障がないように、就業環境整備に取り組んでいます。また、ユニット会議や各種委員会を開催し、施設運営の課題・改善点などを把握、分析して、理念等の実現に向けて、経営の改善や業務の実効性向上に努めるなど指導力を発揮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

施設において職員の人員計画を立て過不足を評価しており、不足が生ずる場合は、本社採用担当部署に依頼し新規採用をしてもらっています。一方、施設においても近隣地域所在の会社の他施設と協力し合って、職員の確保に努めています。また、ホームページに職員募集の掲示をしたり、通常の採用広告だけでなく、新聞折り込みや各家庭へのポスティングによる募集活動も行っています。会社では、職員の定着率を高めるために有効であるとして従業員紹介制度を設け、職員からの新規採用職員の紹介を促進するなど、様々な採用活動を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

業務評価表に基づき、職員の業務内容に応じた職務遂行能力や施設運営への貢献度を評価する仕組みが整っています。評価結果は、昇進や昇格の判定に反映しています。職員の給与水準が、職種、階層、経験年数ごとに明らかになっているなど、人事基準が明確に定められています。また、同一職種でのキャリアップや入社時の職種を変更するキャリアチェンジなどの制度が整えられており、職員が自らの将来の姿を描くことができるようになっています。職員の意見等を直接会社に伝えることができる意見箱も設置して、意見等にもとづき必要な改善策を検討・実施する体制を構築しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

施設長が職員の就業状況など労務管理の責任を担うことを、業務分掌に記述し明確にしています。職員の有給休暇の取得状況はシフト表作成時に、リーダーあるいは生活相談員が確認し施設長に報告しています。時間外労働時間については、タイムカードで入力したデータを本社で集計しており、施設長が定期的に集計データを確認しています。なお、会社の方針として、2か月に1回は有給休暇を取得するよう推奨しており、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行っています。施設長は、随時職員と面接を行うとともに、日常のコミュニケーションのなかでも、職員の心身の状況を把握し、職員が安心して働きやすい職場環境の構築に努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

リーダーが、年度初めに職員にヒアリングを行い、当該年度の目標を確認しています。その後、四半期から半期ごとに、定期面接を行い、目標達成に向けての進捗状況を確認しています。職員の目標や進捗の確認は、口頭で行われており、記録を残していない状況です。所定の様式を作成し、こうした内容を記録に残し、職員の目標管理制度として確立し、しっかりと運営していくことが望まれます。なお、中途入社社員については入社1か月~3か月までの間、毎月個別面接を実施し業務の進捗状況の確認を行っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の研修内容は本社の研修担当部署が計画し、実施後の結果を評価したうえで、必要に応じて計画の見直しを行っています。計画は年度ごとに本社実施の計画と施設実施の計画とに分けて作成されています。策定された計画に基づき、施設では事故防止、介護予防、認知症ケアなどの「5分間研修」と、感染症予防、身体拘束禁止・高齢者虐待防止などの集合研修(事例検討)を行っています。本社においては、専門職研修や施設長・介護リーダーなどの管理職研修を行っています。なお、研修計画の内容は施設長からの意見なども反映してまとめられています。上述した研修のほか、本社において新入社員研修や新卒フォローアップ研修、中途採用研修なども行われています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

新卒入社の職員等にOJTの期間が設定されており、所定のチェック表にもとづいて施設で研修を行っています。会社が介護リーダー、看護師、機能訓練士など職種別の研修機会を確保しており、職員は職種別に年3回以上の研修を受講することになっています。職員の外部研修への参加も奨励しています。たとえば、市の自立支援介護講習会には、2か月に1回職員が参加しています。職員一人ひとりがこうした研修に参加しやすいように、施設ではシフト調整をするなどの配慮をしています。なお、非常勤職員については、施設内で任意の勉強会を実施するなどの取り組みを行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

会社としては実習生を受け入れる方針であり、社内の他施設においては、実際に受け入れの実績があります。当施設は開所して6年が経過していますが、これまで受け入れ実績はありません。どの施設で実習生を受け入れるは会社が判断し、決定することになります。受け入れ体制は会社として整備していると思われますが、当施設ではまだ受け入れ予定がないため、手順を定めておくなどの準備は行っていません。受け入れる場合には、本社と連携してその体制を整えることになります。なお、本社で整備していると思われるマニュアル等を施設側から適時に確認することができません。本社と施設が連携して迅速に施設運営が行えるよう、連携体制の一層の強化が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

会社のホームページやパンフレットにおいて、会社の理念や方針のほか、決算情報などを公開しています。施設のホームページでは施設での活動内容や設備などについて、施設長はじめ職員が説明を加えながら、動画や写真でわかりやすく説明しています。また、重要事項説明書も公開しており、説明書の中で施設の運営方針や苦情・相談体制などについても説明しています。活動内容の紹介はSNSを利用して発信もしています。本年度より第三者評価を受審しており、今後も受審していく予定としています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設長はじめ、介護リーダー・生活相談員等職員の職務内容を明記した業務分掌を作成しています。業務分掌は事務所内に置き、職員がいつでも閲覧、確認できるようにしています。また、会社が定期的に施設に対する内部監査を実施しているなど、公正で透明性の高い施設運営に取り組んでいます。内部監査は人員・運営・設備・請求関係の各項目に分け、各施設において事務・経理・取引等が法令等に基いて実行されているかを確認しています。行政などの外部監査に関しては、監査結果や指摘事項を本社を通じて社内で共有化し、監査を受けていない施設においても、必要な改善策を実施するよう取り組んでいます。当施設においても同様の取り組みを行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域の医療機関を重要事項説明書や管理規程に明記し、入居契約締結時等に利用者・家族に説明しています。町内会に加盟し、町内会主催の地域行事などに入居者と共に参加しています。また、お祭りの際は行事運営に協力するなど、地域との交流を図っています。しかしながら、新型コロナの感染拡大もあったことから、施設として、入居者が地域の人々と定期的に交流する機会を設けることはできていません。施設長はこれを課題と捉え、コロナ感染も終息してきたことから、今後は交流を進めていきたいとしています。施設や入居者に対する地域の人々からの理解を得るためにも、交流の機会を広めていくことが期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

楽器演奏や童謡コンサート、ダンスなどのボランティアを受け入れています。昨年度は、楽器演奏と童謡コンサートのボランティアをそれぞれ1名、1回ずつ受け入れています。受け入れに当たっては施設の個人情報保護方針をボランティアに説明するなど、入居者等の個人情報の管理に特に留意しています。マニュアルなど、ボランティア受け入れに関する手順や留意事項などを文書化したものがありません。受け入れ方針や体制を明確にし職員に周知しておくためにも、こうした文書の作成が望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

管理規程等に複数の協力医療機関を明らかにしていますが、その他の社会資源については情報の明示が十分でない状況です。社会資源に関するリストを充実し、職員間で共有化するとともに、利用者・家族にも提供していくことが望まれます。市の担当部署も参加する、地域包括センター主催の地域交流会に参加し、地域の共通課題を参加者と共有しています。しかしながら、課題の解決に協働して取り組むことまではできていません。解決に向けてた今後の活動が期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域包括支援センター主催の交流会のほか、町内会にも参加して、地域における福祉ニーズの把握に取り組んでいます。町内会主催の行事に参加して地域住民と交流するなかでも、ニーズや生活課題等の把握に努めています。また、社内ではエリア会議に参加し、他の施設長と交流するなかでも、地域の福祉ニーズを確認し共有化することに努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

町内会主催行事に参加するなど地域交流に努め、地域の活性化にも協力しています。お祭りでは、神輿の運行に施設内を利用してもらうなど、積極的に行事運営に協力しています。一方、地域の福祉ニーズの把握はしているものの、法に定められた社会福祉事業にとどまらず、施設の専門性を生かした、ニーズに応える具体的活動は十分行われていない状況です。地域貢献として、こうした活動にも取り組むことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「木下の介護は、『幸せ』を作ります。」という会社の理念や方針は、入居者を尊重した福祉サービスの実現を謳っています。「幸せをつくる」ための5つの方法(取り組み)として「食、健康、楽しむ、住、介護」を挙げています。こうした理念や取り組み等は事務所、相談室に掲示すると共に、管理規程にも記載してあり、家族等にも伝えています。また、本社では、サービス提供に関する「倫理綱領」「行動指針」を作成しています。職員は毎年施設内研修会でこれらの遵守の重要性を継続して学んでいますが、施設長は職員全員への周知をさらに徹底していく必要があるとしています。今後の取り組みが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

入居者のプライバシー保護については、「管理規程」「運営規程」に個人情報の保護として明記しています。契約時には「個人情報使用同意書」の内容について説明し、入居者等から同意を得ています。また、SNS等で写真を使用する場合には、「肖像権に関わる同意書」について同意を得るようにしています。サービス提供の際には、職員は入浴介助や排泄介助時に特にプライバシーへの配慮を大切にしています。日頃から個別ファイル等の個人情報は鍵の掛かる書庫に保管する等、個人情報保護を職員間でも周知、徹底しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

入居希望者はパンフレット、ホームページ等で施設の情報を得ることができます。特にホームページでは氏名等を入力すると資料の請求や見学の希望ができるようになっています。また、入居相談員が各種相談に応じています。パンフレット、ホームページでは建物の外観、食堂等の共用スペースの様子や居室等をカラー写真で分かりやすく説明してあります。見学希望者には担当者が丁寧な対応を心がけています。まず、資料等での説明を行ってから、施設内の見学をしてもらっています。見学後には希望者からの質問等を受け付けています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービス開始にあたっては重要事項説明書と入所契約書を取り交わすと共に、本社作成のパンフレットで入居までの流れ、契約時に必要な書類(住民票、印鑑証明書、実印、認印等)の確認、診療情報提供書、入居時の持ち物について説明しています。料金支払いについては、当施設は3種類(前払い方式、月払い方式、選択方式)の利用料支払い方式を採用しているため、予め見学時に希望者には詳しく説明を行っています。サービス開始時には、かかりつけの医療機関や在宅時のケアマネージャーと連携を図り、入居者の健康状態や以前のサービス内容を把握したうえで支援計画をまとめています。計画は、利用者・家族に説明し同意を得ています。意思決定が困難な入居者については、家族に協力してもらい、本人の意向確認をしています。また、家族、身元引受人、代理人等に対して、入居者にとっての最善を確認しつつ支援を行っていく旨を伝えています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

退去して他の福祉施設・事業所に移動になった場合には、診療情報提供書等の基本情報をまとめた書類を提出しています。退去者の情報は移動先の関係者と共有し、その後の生活に不備が生じないように努めています。当施設ではサービス提供終了後でも、入居担当者が窓口となって退去した本人、家族等からの相談を受ける体制を整えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

入居者満足度調査を年1回実施しており、アンケートを家族等にメールで配信しています。その結果を踏まえて要望・クレーム対策委員会等で話し合い、業務改善への取り組みを行っています。また、年1回は施設内で「運営懇談会」を開催することが管理規程に定められています。施設職員、入居者、身元引受人等で構成され、運営状況報告等の他に、入居者や身元引受人等からの意見、要望を聞く機会を設けています。昨年度は2組の家族等の参加となっており、今後は参加人数の増加に向けた取り組みが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情受付担当者と苦情解決責任者をともに施設長とし、施設以外の苦情等の受付先として本社を窓口とするなど、苦情解決体制が整備されています。第三者委員などは特に設置していません。苦情解決の体制は管理規程の苦情処理細則や重要事項説明書に明記し、入居契約時等に入居者・家族に説明しています。会社以外の相談窓口として、県の国民健康保険団体連合会や市の担当部署も明記しています。施設玄関には苦情処理細則を掲示しています。重要事項説明書には解決責任者として施設長の名前を明記していますが、細則には施設長の名前を記載していません。また、掲示場所も玄関ホールの施錠されている扉の外側にあり、入居者の目に留まることは難しい状況です。苦情受付担当者名・苦情解決責任者名のほか施設以外の相談先を明示した、ポスターのような分かりやすい掲示物を、玄関ホール内や居住階に掲示することが望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

入居者の日々の相談相手として生活相談員を配置しています。担当ヘルパー制度を導入しており、担当ヘルパーが入居者や家族からの相談・意見の窓口ともなっています。相談等は担当ヘルパーを通して、生活相談員にも伝えられています。こうした仕組みを通して、入居者等からの相談などに迅速に対応し、きめ細やかなサービスの提供に取り組んでいます。入居者・家族には、入居契約時等にこうした体制について説明しています。なお、施設内に相談室を設けており、入居者等が相談や意見を述べやすいスペースの確保にも努めています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

担当ヘルパー等が相談・意見を受けた場合には記録に残し、担当ヘルパーのみならず、他の職員もその内容が確認できるようにしています。相談等の内容については、必要に応じて専門職とも協議し、適切に対応するよう努めています。会社は年1回、アンケート方式で全施設の入居者等を対象とした「CS調査」を実施し、満足度の把握に努めています。調査結果は全施設と各施設ごとに、別々に集計され、それぞれの施設で入居者等の満足度を把握できるととともに、全施設の集計値との比較もできるようにしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者は施設長であり、施設内の安全対策に関する業務指導を行うことなどが業務分掌に明記されています。3か月ごとに安全対策委員会を開催し、事故の未然防止や事故の発生要因の分析、再発防止策などについて検討を行っています。事故発生時の対応についてはフローチャートを作成し、職員が迅速に対応できる体制を整えています。また、事故や事故につながりかねない事案が発生した場合には、事故報告書やヒヤリハット報告書を作成し、事故等の内容や再発防止策などを記録に残しています。また、毎月、施設内で発生した事故等の内容の集計と分析を行うとともに、職員研修も行い、事故発生時の適切な対応と再発防止の徹底に取り組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策についても、施設長が業務指導を行うことが業務分掌に明記されています。3か月ごとに感染症対策委員会を開催し、感染症の予防や発生時の対応について協議しています。感染症マニュアルを会社が策定し、また、感染症対策に関する指針を施設で策定し、その内容を職員に周知しています。さらに、施設では職員の「5分間」研修・集合研修を行うなどして、感染症の発生予防と蔓延防止に取り組んでいます。感染症が発生した場合には、医療機関・保健所等と連携し、適切に対応する体制も整えています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害発生時の対応については、フローチャートを作成し、職員が適切に対応できる体制を整えています。また、年2回防災訓練を実施し、火災時の消防訓練や地震・風水害発生時の避難訓練などを行っています。消防訓練については夜間を想定した訓練や、地元消防署員の指導による消火器使用を兼ねた訓練も実施しています。自然災害と新型コロナウイルス感染症に対応した業務継続計画(BCP)を策定し、机上研修・実働訓練も実施するなど、重大災害等が発生した際の対応体制を整備しています。同計画に則り、必要物品等備蓄品のリストも作成し備蓄品の保管を行っ

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

本社作成の「倫理綱領」には利用者の尊重、プライバシー保護、権利擁護に関わる姿勢が明記されています。「倫理綱領」は事務所内に置いてあり、職員はいつでも確認することができています。また、施設内でのサービス提供に関するマニュアルとして、「感染防止のための各フロアの消毒方法」「褥瘡予防のための下肢ポジショニング」「担当ヘルパーマニュアル」等が置いてあります。特に当施設では「担当ヘルパー制度」でサービス提供をしているため、職員は同マニュアルで提供するサービスの内容を評価、確認し、入居者への適切な対応、支援を行っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

施設におけるサービス提供の標準的な実施方法については、担当ヘルパーマニュアル、終末期ケアマニュアルなど、各種マニュアル等を本社が作成、整備し、管理しています。こうしたサービスの標準的な実施方法については、その内容を検証し必要に応じて見直していますが、検証する時期や方法に関して本社で定めたうえで実施しています。施設においては、見直し等の行われたマニュアル等を常に職員間で共有し、提供するサービスの質の更なる向上に努めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

計画作成担当者は、入居に向けての意向や要望、生活歴、健康状態、日常生活動作、手段的日常生活動作等について、本人、家族等から聞き取り、アセスメントシートを作成しています。その情報をもとに介護職員、看護師等の関係職員が参加し、入居カンファレンスを実施しています。その際には入居者の意向や要望を踏まえて課題を抽出し、課題解決に向けた目標設定、援助内容を話し合っています。その後、担当者は介護計画書を作成し、入居者等に説明を行って同意を得るようにしています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

計画作成担当者が作成した介護計画については定期的に評価・見直しを行っています。施設では「担当ヘルパー制度」を導入しており、入居者の生活状況、健康状態等の変化について、担当職員から計画作成担当者への報告が速やかに行われ、月に1回の頻度でモニタリングが実施できています。モニタリング表では、短期目標達成に向けてのサービス実施状況と評価、日常生活の状況評価を記入するようになっています。半年に1回は多種の関係職員が参加した担当者会議を開催し、入居者へのサービス実施に対する評価と見直しについて話し合っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

入居者の身体状況や生活状況等は、業務報告書、入居者ケアノート、申し送りノートに記録しています。職員は出勤時に、入居者に関する記録を確認し共有した上で、計画書に沿ったサービスの提供に努めています。施設ではまず、毎日朝礼を行い、夜勤職員からの業務報告で情報共有をしています。今年度からは、夜勤職員の記録作成についてICTを整備し、タブレット端末で記録の入力ができるようになっています。記録時間の短縮が図られ、職員配置が薄い夜勤帯での業務に効果が出ています。現在、日中時間においてもICTの導入ができるように検討しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

運営規程の中で「個人情報の保護に関する法律」及び厚生労働省が作成した「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」を遵守し、入居者・家族の個人情報の適切な取り扱いに努めることを明記しています。また、ガイダンス等に沿って、入居者の記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規程を定めています。施設では個人情報の管理責任者を定め、個人情報の不適切な利用や漏洩に関する対策が取られています。入居者、家族等には入居契約時に重要事項説明書や契約書でこうした対策について説明しています。個人情報の使用については、情報の範囲、使用目的や安全管理対策等を明記した個人情報使用同意書において入居者等の同意を得ています。職員に対しては研修等で個人情報保護の理解と徹底を図っていますが、施設長は継続した研修が必要と考えています。今後の取り組みが期待されます。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

見学時や契約時に入居者の心身状態、生活歴、趣味、施設生活への意向を聴取しています。計画作成担当者はその情報をもとに介護計画を作成し、職員は入居者一人ひとりの状況を把握しサービスを提供しています。トランプ等のゲームを楽しんだり、ぬり絵に集中したりと一人ひとりが自分らしく過ごせるように日中活動の充実を図っています。気分転換や下肢筋力向上に向けては近隣の公園や寺院等への外出活動も行っています。今後は更に外部講師によるイベントの実施を増やしていきたいと考えています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:b】

職員は毎日の朝礼、業務報告書、申し送りノート、入居者ケアノート等により利用者の日々の様子を把握しています。また、個別に作成された計画書で入居者本人の意向に沿った支援を行うように努めています。自立した生活に向けては、本人ができることに対しては職員は見守り、できない部分に支援を行うようにしています。更に、入居前の生活を継続できるように居室には使い慣れた家具、趣味の物や家族写真を飾る等配慮しています。金品の取り扱いについては、契約時に施設内のルールについて説明し同意を得ています。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:b】

入居者の心身状況に応じた生活相談等については、生活相談員を配置し対応しています。また、施設では「担当ヘルパー制度」を取り入れており、介護職員は入居者一人ひとりについて日々の関わりの中で知り得た相談事等を、生活相談員に伝えるようにしています。内容によっては「ユニット会議」で話し合い、職員間で共有していますが、時には十分に周知されていない場合もあるとのことですので、今後の見直しに期待します。入居者からの要望による買い物代行は週に1回行っていますが、行政手続き等に関しては、家族に依頼しています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

計画作成担当者は入居者一人ひとりに対して、定期的にアセスメントやモニタリングを行い、施設生活への思いや要望を聞き取っています。更に、居室担当職員から得た日常生活全般や周囲との関係性等を含めた入居者個人の情報を共有し、支援に努めています。言葉での聞き取りが困難な入居者に対しては、日頃の様子や表情、しぐさから思いを汲み取るようにしています。耳が遠い入居者には耳元でゆっくり、はっきりと話すように心がける等、それぞれの状況に応じたコミュニケーションの図り方を工夫していますが、更なる工夫が期待されます。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

会社が作成している「倫理綱領」において、「身体拘束の禁止」について明記しています。契約時には、虐待予防と身体拘束廃止を施設の方針としている旨を入居者本人や家族等に伝えています。また、緊急時やむを得ない場合の対応についても説明し、同意を得ています。年に4回「身体拘束禁止・虐待防止対策委員会」を開催し議事録を作成し、職員間で共有しています。また、「身体拘束ゼロの手引き」を作成するとともに、内部研修として「5分間研修」「集合研修(事例検討)」を行い、職員が日々の入居者支援に適切に取り組めるように努めています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:b】

施設内は掃除が行き届いた清潔な空間となっています。廊下には両側に手すりを設置し、動作時や災害時には安全に移動できるように動線が確保されています。食堂は広々としており、窓からの採光は十分にあり、明るい雰囲気の中で入居者は過ごすことができています。エアコン、加湿器、空気洗浄機等を適宜使用し、快適性に配慮しています。居室にはエアコン、カーテン、ベッド、クローゼットが設置してあります。入居者は好みで家具、家族写真等を持ち込むことができ、入居者にとって居心地の良い居室の提供を心がけています。必要時にはセンサーマット、タッチアップ、手すりの提供を行い、安全面への配慮にも努めています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

施設には個浴、機械浴、大浴場があります。(大浴場は現在使用していません。)入浴方法については、入居者一人ひとりについて、介護職員と看護師、機能訓練指導員等の専門職員を交えて検討を行ったうえで、安全に実施できるように取り組んでいます。また、気分転換を図る等、入浴を楽しめるように、できるだけ本人の意向に沿った雰囲気づくりを提供しています。入浴前にはバイタルチェックを行い、体調不良の場合には看護師の指導のもと、足浴や清拭で対応しています。入浴を拒否する入居者への関わり方としては、誘導の声かけに注意したり、日程や時間を変更したりと工夫しています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

排泄については、職員が日々の関わりの中での排泄状況や、トイレでの排泄等入居者自身の目標を踏まえて、計画書を作成し支援しています。排泄チェックシートにより排泄パターンを把握し、尿量や時間帯に合わせてリハビリパンツ、パット、オムツ等の選択を検討し、パット交換やトイレ誘導の時間設定は入居者の状態に応じて行っています。その際には、周囲にわからないように声かけ、誘導をすることや、居室のドアを閉める等の羞恥心やプライバシーへの配慮には十分注意しています。無理のない排泄方法については、機能訓練指導員、看護師の多職種からの意見等も参考にして取り組むようにしています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

機能訓練指導員は入居者の移動動作を評価し、一人ひとりに「機能訓練計画」を作成しています。その際には、入居者に対して安全適切な移動方法の指導や歩行杖、歩行器、シルバーカー、車いす等の福祉用具の選定を行っています。「機能訓練計画」では、機能訓練目標、アセスメント、具体策の項目が記載してあります。例えば、「トイレに行きたい」という目標に対して、歩行能力が低下している場合には、下肢筋力向上や立位バランス向上に向けた訓練を提供しています。移動時の見守りや声かけ、転倒や衝突のリスクに対しては職員間で情報を共有し、安全に移動できる環境を整えるように努めていますが、施設では事故防止に向けて、更なる対策が必要と考えています。今後の取り組みが期待されます。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食事は基本的に1日3食提供しています。欠食希望の場合には3日前までに「欠食届出書」を提出するようになっています。食堂にはカラー写真入りのメニューが掲示してあり、毎日のメニューがわかり易くなっています。食事の調理業務は委託している外部業者が担っており、毎日変化に富んだ手作りの食事を提供しています。第三者評価の利用者調査(聞き取り方式)でも、91%の入居者が満足しています。また、実費になりますが、希望者は寿司、天丼、うな重や各種スイーツの特別メニューを選択することもできます。入居者都合による各居室での食事も有料で可能です。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

入居者一人ひとりの嚥下能力やアレルギー等の身体状況については、職員がアセスメントシート等で把握しています。食事の提供にあたっては、キッチン内の配膳車に食事形態や禁食について記入した各入居者のカードを貼っています。そのカードと食事内容を複数の職員で確認して提供しています。施設では月に1回調理員、管理者が参加した給食会議を実施しています。そこでは、入居者の食事摂取量から食事形態の状況確認を行っています。また、入居者の嚥下機能に関しては往診医に相談し、必要に応じて言語聴覚士に嚥下評価を依頼するようにしています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

週に1回は訪問歯科医が来所しており、入居者は定期的に口腔ケアを受けています。口腔ケアでは入居者によっては、正しい歯磨き指導を受けたり、入れ歯の適合具合等を診てもらっています。なお、その際には、口腔ケアの方法について歯科衛生士から指導を受け、その内容を職員間で共有しています。施設としては、口腔ケアに関する職員研修は現在行っていませんが、今後、誤嚥性肺炎予防に向けた更なる取り組みも必要と感じており、研修の実施を検討しています。今後の取り組みが期待されます。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は入浴時に皮膚状態の確認を行っています。赤み等の皮膚トラブルを発見した際には、速やかに看護師に報告し対応しています。日頃から褥瘡予防に関しては、入居者一人ひとりについて、ポジショニング、マットレスやクッションの予防具、車いすの調整、栄養状態、健康状態に関して、介護職員、看護師、機能訓練指導員等の専門職が連携を図り適切な対応に努めています。褥瘡の発生時には、看護師が中心となり職員間で情報共有に努めながら、改善に向けた取り組みを行っています。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(利用者の状況により)】

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

機能訓練指導員は一人ひとりに合った筋力トレーニングや歩行練習のメニューを作成し、入居者の意欲を引き出しながら機能訓練を実施しています。週に2~3回14時から、介護職員の指導によるストレッチを中心とした集団体操を行っています。リハビリボールや新聞紙を丸めて作った棒等で無理なく関節の可動域を広げることを目的に行っています。また、施設内で毎月開催しているレクリエーションでは、折り紙で季節ごとの花を折ったり、キーホルダー等を作成したり、書道をしたりと指先を使うことで、楽しみながら認知症予防に繋がるような活動に取り組んでいます。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

認知症の入居者への対応では、職員は入居以前の生活歴や生活状況を理解した上で、認知症状はもとより、行動変化について職員間で共有を図るようにしています。具体的な支援では、本人の居室が分かりやすいように名前とマークを付けたり、慣れ親しんだ調度品を設置することで、ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で過ごせるように配慮しています。また、職員は日々支持的、受容的な関わりや態度で接するように努めています。施設内には認知症に関するマニュアルを整備し、定期的に内部研修を実施しています。職員は新たな気づきや学び等について話し合い、その後、報告書を提出しています。しかし、より質の高いケアが必要と感じているとのことで、今後の取り組みが期待されます。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

入居者の体調変化時には速やかに看護師に報告し、看護師の確認後には医師に報告し、必要に応じて病院で受診する体制が整っています。日頃から入居者の健康状態を把握し、職員間の連携ができているため、「顔色が悪い」「ふらつきある」等のいつもと違う変化には看護師、職員間で情報共有を図り、早期発見と迅速対応ができています。高齢者の健康管理、病気、薬の効果や副作用に関する注意点については、日頃から看護師から指導を受けています。服薬に関しては、往診医からの処方箋により薬剤師が施設に来所し、入居者ごとに保健室の引き出しに薬をセットしています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設では看取りの経験をしています。終末期ケアマニュアルを整備しており、看取りの方針や手順が明記されています。看取りについては年に1回研修を行い、基本姿勢や職員の理解、サービスの質の向上を図っています。入居者の意思を尊重し、本人が望む終末期を迎えられるように職員は努めています。本人と家族の思いを聞き取り、介護職員、医師、看護師等多職種が連携して取り組んでいます。施設では24時間対応を取り、急変時には迅速に医師への連絡ができる体制を確立し、夜間でも家族が面会できるようにしています。また、看取り後の家族への精神的な配慮も心がけています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

入居者には「担当ヘルパー制度」を実施しているため、担当職員は家族との繋がりを大切にしています。イベントを行った際には、家族に手書きで写真付きの手紙を発送し、連携を図るよう努めています。また、計画作成担当者は、定期的な介護計画の見直し時に家族に連絡を取り、サービス提供に対する要望等を聞いています。同時に家族には入居者の日頃の様子や体調を伝えるようにしています。施設では年に1回「運営懇談会」を開催しています。議題は施設の運営状況及び運営計画、施設利用費や管理利用費等の料金改定、入居者や身元引受人等からの意見や要望です。前回は2組の参加でした。今後はより多くの参加が期待されます。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

今年度からICT化を図り、まず、夜勤職員についてはタブレット端末で入居者の情報を入力するようになっています。そのため、記録作業の時間が短縮できています。毎日、朝礼を実施し、夜勤職員から「業務報告書」の内容について報告を受け、職員間で共有し入居者の支援を行っています。他に記録として「申し送りノート」や「入居者ケアノート」があり、職員は記録を確認し、入居者の生活状況、健康状態を把握しています。なお、職員が支援を行う中で生じた疑問点等については各種マニュアルで確認し、対応することができています。施設長としては、定期的にユニット会議を開催し、サービス提供の充実を図りたいと考えています。今後の取り組みが期待されます。