社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

ルミナスホーム遠藤

2021年12月27日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ルミナスホーム遠藤
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2017年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 (法人理念)
① ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します。
② 先駆的で開拓的な事業を展開します。
(基本方針)
① 人権の尊重とサービスの向上を図ります。
② インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者主体の支援を推進します。
③ 地域との共生を目指します。
④ ニーズの多様化と複雑化に対応します。
⑤ 社会のルール遵守(コンプライアンス)を徹底します。
⑥ 説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します。
⑦ 人材確保・育成のための研修体制を充実します。
⑧ 柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。
⑨ 財務基盤の安定化に努めます。
⑩ 国際化への対応に取り組みます。
⑪ 社会貢献活動に積極的に取り組みます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 法人の理念および基本方針を遵守し、障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく契約をした知的・身体・精神に障がいのある方に対して、①在宅の知的障がい者・身体障がい者・精神障がい者が地域社会で充実した生活ができるよう支援し、②利用者・家族・関係者への連携を強化し、③地域生活を送る上での相談・調整などを図り、地域社会で豊かで充実した生活が送れるよう支援することを目指します。
入居者が元気で明るく過ごしていただくために福祉サービスを利用して休日の過ごし方を魅力あるものにしていきます。
社会のニーズに応え、先駆的な事業や質の高いサービスの提供に努めます。
適切な支援を行うためにも支援区分の見直しを図っていきます。
権利擁護と利用者主体の支援に努めて参ります。
個々のニーズに応じた個別支援計画を立て、その目標に沿って日常生活における支援の充実に努めます。
一人ひとりの障がい特性や個性にあわせた支援を大切にしていきます。
利用者のプライバシーが守れるよう配慮いたします。
サービスの向上と開かれた施設づくりのために、苦情解決制度等を積極的に活用します。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2021年04月27日
終了:2021年12月07日(評価結果確定日)
受審回数:1回(2018年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1. 利用者一人ひとりのニーズに合った支援への取組
昨年度よりコロナ禍の影響で、その対策に時間を費やすことが多かったり、日常生活も外出ができなくなったり、家族との面会なども制限するなど大きな制約を受けています。利用者に普段以上にストレスや精神面での負担が掛かることが懸念される状態が続いていることを職員が認識したうえで、利用者の生活全般をサポートし、一人ひとりのニーズに合った支援に取り組んでいます。コミュニケーションが取りづらい利用者には、職員との対話だけでなく表情や行動、過ごし方などを通じて本人の思いや意向をできるかぎり汲み取るよう努めています。職員などの交代もあり、入職してきた職員と利用者との信頼関係の構築や適切な距離感について醸成しながら、さらなる福祉サービスの向上を目指しています。
2. 利用者が相談や意見を述べやすい環境づくり
事業所のアットホームな雰囲気のなかで、利用者が職員に相談や意見を何でも言える環境づくりに努めています。利用者からあった意見については職員を含めて話し合い、問題解決に向けて一緒に取り組んでいます。
改善を求められる点 1. 余暇活動を通じたコミュニケーションの活性化
コロナ禍の影響で外出の機会も減り、利用者は気分転換やストレス等発散できない日々が続いていることから、余暇支援の充実を図るために利用者と一緒にホーム内外でのレクリエーションなどを企画し、実践に取り組みながら、コミュニケーションの活性化を図っていくことが期待されます。地域自治会の活動を捉えて地域の活動や行事等にも参加し、地域の美化清掃などを通じて、地域の中で利用者と職員が一緒に活動し地域交流を深めていくことを期待します。
2. 社会参加や学習支援における工夫
利用者にとって外部とのかかわりは重要であり、職員の支援で行っています。利用者が我慢することも少なくなく、職員は支援が十分でないと課題を持っています。職員で話し合う機会も多いので、チームプレイの良いところを活用し、支援についての新しい工夫が期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

理念、基本方針が運営法人やホーム内の文書および広報媒体(パンフレット、ホームページなど)に記載してあります。

◇課題と考えていること

Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

毎月本部から送られてくる月次決算の部門別試算表を基に各項目のチェックをしています。定期的に福祉サービスのコスト分析や福祉サービス利用者の推移、利用率などの分析をしています。

◇課題と考えていること

マイナス収支とバランスを課題としています。主に食費を中心に対策を図っています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

中長期経営計画(2020年から2023年のマスタープラン)を受けて当年度の事業所の事業計画を策定しています。今年度の重点目標を定めています。

◇課題と考えていること

近年計画通りに行かない状況が続いています。この場合には、下期の計画を変更することもあります。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

管理者と世話人の職員の資質改善については、本部扱いです。生活支援員は事業所扱いで、主に会議の後に研修会を開催しています。

◇課題と考えていること

会議欠席者(夜勤者など)や非常勤職員への周知徹底をどのように進めるのかが課題です。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

管理者は、労働環境の改善に勤め、常勤・非常勤を問わず職員誰もが働きやすい職場環境を目指しています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

管理者、世話人は本部扱いで、生活支援員は事業所が担当します。

◇課題と考えていること

求人募集をしてもが思うように採用できないことが課題となっています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

運営の透明性は、ホームページでの報告や第三者評価機関の評価公表で行っています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

町内会に加入し、町内会活動に参加しています。
大家さんとの連携が中心になっています。


◇課題と考えていること

コロナウィルスの関係からゴミ拾いなどの活動を休止しています。偏見のある方々との交流が課題となっています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

利用者一人ひとりの特性や障害に合った支援を実施しています。契約書や重要事項説明書は誰でもがわかりやすい記述になっています。

◇課題と考えていること

利用者とゆっくり対話する時間の確保が難しい状況が続いています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

個々に説明して理解を得ています。「ルミナスホーム遠藤」指定共同生活援助事業サービス利用契約書で利用者と身元引受人等の捺印を貰っています。

◇課題と考えていること

意思疎通が困難な方への配慮の方法が課題となっています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

家族会の会合時に家族の希望を聞いて取りまとめています。利用者個人個人からの聴き取りや個別アンケート方式で利用者の希望や意向を把握し、利用者満足度の向上を図っています。

◇課題と考えていること

利用者の意見などを直ぐに反映することが困難な状況にあります。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

「申し送りノート」を用いて全職員誰でもが窓口になれるようにしています。

◇課題と考えていること

特定の職員に苦手意識を持っている利用者への対応方法の改善が課題です。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

避難訓練は年に2回実施しています。
食堂の入り口には「皆様へのお願い」を掲示し、利用者への注意を喚起しています。


◇課題と考えていること

災害時に対する危機管理意識の高揚が課題となっています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

利用者との個別面談を年4回実施ししています。また、利用者の声に傾聴の姿勢で臨んでいます。

◇課題と考えていること

利用者の仕事の関係や職員の勤務時間の関係から話す時間が限られてしまうことがあります。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

利用者本人の育った環境とグループホームの環境の違いなどの基本情報と、本人との話し合いの結果を加えて個別支援計画書を作成しています。

◇課題と考えていること

捉え方の違いで異なった支援になる恐れがあります。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

法人独自ソフト「個別記録一覧」を作成して適切な記録を残すようにしています。

◇課題と考えていること

職員それぞれに表現(言い方)の違いが見られます。統一した言葉にできないか模索しています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者の自己決定を尊重した個別支援をしていく中で、利用者の話す言葉をしっかり傾聴し、寄り添いながら、一方的な支援にならないように努めています。利用者が迷っていたり心配している場合は選択肢などを提示して助言したりしてサポートしています。利用者が自己決定して取り組んだことが、万が一失敗に繋がった場合、利用者の気持ちが落ち込んだり、感情的にならないよう話し合いをするなどフォローに努めています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

権利侵害防止への取組については、ルールを一方的に押しつけないように努めています。居室に入るときはノックしたり、声かけで合図をしたり、言葉遣いに気を付けるよう職員に徹底しています。職員はいつでも利用者が相談しやすい雰囲気づくりに心掛け、相談できる場所などの環境づくりにも配慮しています。利用者が心の中で思っている本音を話してもらえるよう、傾聴に徹していますが、必要と思われるときは助言や提案も行っています。

◇課題と考えていること

A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

入所時に家族などからヒアリングした過去の生育歴や障がい特性について十分把握し、個々の職員に周知したうえで対応に努めています。洗濯・清掃について必要に応じて職員が支援しています。利用者の自立を支援していますが、気分が落ち込んでいる様子がみられた時は気持ちのバランスが崩れやすいので、買い物などの外出をして気分転換を図るようフォローしています。

◇課題と考えていること

コロナ禍の影響で地域の夏祭りなども中止され、利用者が希望する外出を伴うレクリエーションは実施出来ていません。利用者の余暇活動をどう支援していくかが課題と考えています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

日常的な生活支援は個別支援計画に基づいて取り組んでいます。利用者目線に立ち、言葉だけで伝えるのはなく一緒に行動に移して、本人のモチベーションを上げながら、身体で覚えていくよう支援しています。洗濯や部屋の整理を一緒にしたり、美容院に付き添ったりしています。
時間はかかりますが、言葉だけでなく写真などを利用して日常生活の理解が深まるよう努めています。


◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境の確保に努めています。利用者のそれぞれに合った日常生活活動における生活スタイルを見つけ出し、ルーティン化しながら、円滑な日常生活が送れるよう取り組んでいます。入浴・洗濯・夕食などの流れを写真なども活用して理解してもらい、日常生活のスケジュールを作成し、時間的な感覚も養うよう努めています。

◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

機能訓練・生活訓練については、達成感が持てるよう目標を立てて自律していくよう支援しています。いろいろな動作をパターン化し、利用者が主体的に行えるように繰返しながら取り組んでいます。感覚が掴めるまで同じ訓練を繰り返すので利用者の気持ちのモチベーションが下がらないよう利用者の心身の状況に留意しながら行っています。利用者への声かけのなかで言葉の語尾に敏感に反応したり、苗字で呼ばれることを嫌う利用者もおり、慎重に対応しています。

◇課題と考えていること

「これくらいはできるのでは」と決めつけないように、利用者の心身の状況を見守りながら利用者のペースに合わせた機能訓練・生活訓練を支援してことが大切と考えています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

利用者の健康状態の把握は適切に行っています。訪問看護師により、定期的に全員の健康管理状況をチェックし把握しています。定期通院(歯科、心身医療科、眼科、皮膚科、整形外科など)している医療面の情報共有も行い、服薬の変更などについても個別記録や業務日誌に記載し、医療的な支援が適切な手順で提供できるよう取り組んでいます。

◇課題と考えていること

通院には家族が都合で来られない場合に職員が付き添うこととしていますが、通院を拒否することもあります。経験の少ない職員には、利用者への呼びかけの際の言葉を前もって考えて接するよう指導していますが、どのように利用者と職員間の距離を縮め、適切な関係が確立できるかが課題と考えています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

社会参加や学習のための支援では、外部の通所先などでの取り組み状況、人間関係の構築や自身の力などが重要な要素となっています。外部の関係施設との連携は欠かせないものなので積極的に取り組んでいます。特に外部の人とのかかわりに慣れてもうらことが重要と捉えており、場合によっては職員が付き添い実施しています。

◇課題と考えていること

通所先では我慢していることも少なくなく、本人と不定期に面談し、目の行き届かないところを早めに見つけてフォローしていくことが大切であると考えています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

利用者の希望や意向を尊重しながら、地域生活への移行や地域生活のための支援に努めています。利用者一人ひとりに合った特性を見出し、本人が地域生活の中で出来ていることや出来てないことをしっかり把握したうえで、目標を設定して個別支援計画に組み入れ取り組んでいます。1年前に仕事に行けなかった利用者が、通所での環境に徐々に馴染み、仕事に対する意欲が湧いてきたことで達成感が持てるようになりました。

◇課題と考えていること

目標を高く設定しまうと利用者の混乱を招く恐れもあるので、本人のできる範囲内を見極めながら慎重に目標設定を検討していく必要があると考えています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

利用者の家族等との連携や交流を大切にしています。実際に事業所に来られる機会のある場合は個別に面談をして、本人の日常活動状況を伝えると共に要望等を聞いています。面談する機会がない場合は、電話等で話して情報共有をしています。家族が対応できない場合は、後見人や行政関係機関と連絡を取り連携しています。

◇課題と考えていること

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 非常勤職員への研修の実施について
職員一丸となって利用者への質の高いサポートを充実させていくために、常勤職員だけでなく、非常勤職員の研修への取り組みについても検討し、職員のモチベーションを向上させ、組織の活性化に繋げていくことが期待されます。
分類 利用者とのコミュニケーションの活性化
コロナ禍の影響で外出の機会も減り、利用者は気分転換やストレス等発散のできない日々が続いていることから、コロナ感染状況が落ち着いてきた段階で、余暇支援の充実を図るために利用者と一緒にホーム内外でのレクリエーションなどを企画し、実践に取り組みながら、コミュニケーションの活性化を図っていくことが期待されます。
分類 利用者を含めた地域交流
地域自治会の活動は現在休止されていますが、再開される機会を捉えて地域の活動や行事等にも参加し、地域の美化清掃の実践などを通じて、地域の中で利用者と職員が一緒に活動し、地域交流を深めていくことが期待されます。
分類 社会参加や学習支援における工夫
利用者にとって外部とのかかわりは重要であり、職員の支援で行っています。利用者も我慢することが少なくなく、職員も支援が十分でないと課題を持っています。職員で話し合う機会も多いので、チームプレイの良いところを活用し、支援についての新しい工夫が期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <ヒアリング対象者>
利用者本人3名(男性1名、女性2名)
① 丁寧な人が多くいます。そうで無い人も1~2名います。
・ていねいに接してくれます。
② はい。そうでないひともいます。
・たまに整理するときに持ち物に触っています。
③ はい。食事やここでの悩みの相談。
・交流について相談します。
④ はい。くれます。
・一緒に考えてくれます。
⑤ 預けています。報告をキチンとくれます。
・伝えてくれます。
⑥ 直ぐに対応してくれる場合もあります。
 相談に乗ってくれます。
⑦ はい。職場の人
・おとうさんとおかあさんです。
⑧ 直ぐに対応してくれる人もいますが、そうでない人もいます。
・そうでないときもあります。
⑨ はい。外出は自由です。
あまりないです。職場のグランツ遠藤に行きます。
⑩ はい。そのように感じます。
・大切にされていると思います。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
この度は、大変お世話になりました。開所して4年目を迎え、改めてホームの実状が掴める機会となり、職員間の連携も図ることができました。
今回の結果を踏まえ、ご利用者様、一人ひとりに、より一層の統一した支援を提供し、心から安らげる環境作りを目指してまいります。
今後ともよろしくお願い申し上げます。