社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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レイモンド西橋本保育園

2021年04月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信

② 施設・事業所情報
名称 レイモンド西橋本保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 80 名
所在地 〒252-0131
相模原市緑区西橋本1-7-1
TEL 042-703-7268 ホームページ https://www.lemonkai.or.jp/school/nursary/leimond-nishihashimoto-hoikuen/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2007年02月14日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 檸檬会
職員数
常勤職員:10 名
非常勤職員:7 名
専門職員
園長:1 名
保育士:12 名
調理員:3 名
栄養士:(本部に)1 名
施設・設備の概要
乳児室:2室
保育室:4室
沐浴室:1室
調乳室:1室
事務室:1室
調理室:1室
トイレ:4個
一時保育室:1室
屋外遊技場:276.77㎡(屋上・地上)

③ 理念・基本方針
【法人理念】
・子育てに喜びを、社会に新しい風を
・笑顔あふれる子どもが住む、未来の地球のために

【保育理念】
・人・命を愛する心
・自然を愛する心
・創造(想像)する

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【日ごろから「つながる遊び」に取り組み、職員や保護者等と子どもの育ちを共有しています】
 園では、「つながる遊び」をテーマに、日々の保育実践に取り組んでいます。「つながる遊び」は、日ごろから1日の遊びを、その日限りにするのではなく、次の活動につなげたり、作った作品などを残せるようにし、次の日にまた、続きから活動できるようにするなどの取り組みが行われています。一例として、「色」をテーマに、「つながる遊び」に取り組みました。まず部屋の中にある色探しから始め、戸外に出て自然物の色などにも注目しました。その後、戸外で見つけた落ち葉や小さい木の枝などの色を、冬を表現する色として、大きな紙に貼り、冬という季節の表現につなげました。これらの、「つながる遊び」の取り組みは、法人全体で行われ、職員は定期的に研修を受講しています。各園の取り組みはWork placeと呼ばれる電子媒体のシステムを使用して法人職員が共有できる体制になっています。また、園では、これらの実践をドキュメンテーションと呼ばれる、子どもたちの活動の様子を写真と文章で示した記録で掲示し、保護者等と共有しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 (契約日) ~(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【一人ひとりの子どもたちが十分に遊び込めるよう、人的、物的、空間的環境を整えています】
 各クラスの保育室は、子どもの興味や発達に合わせた手作り玩具や知育玩具等が豊富に揃えられているとともに、一人ひとりの子どもたちが十分に遊び込めるよう、遊びの種類ごとにコーナーを設置しています。また、絨毯や置き畳なども常設され、ゆったりと休むことができる環境にも配慮しています。保育者は子どもたちが遊び込んでいる際は傍で見守るなどの“見守る保育”を実践するなど、保育者の人的な環境にも十分配慮しています。また、1階と3階の園庭には、乳児用の丸太吊り橋や幼児用のロープを使った木製のアスレチック遊具、雲梯などが設置され、戸外でも子どもたちが十分に遊び込める環境づくりを行っています。これらの環境づくりについては、固定的なものではなく、定期的に見直しがなされ、子どもの興味や関心に沿って、環境設定を変える取り組みを行っています。これらの、保育者等の人的環境、玩具等の物的環境、さらにコーナー作り等の空間的環境を整え、一人ひとりの子どもたちが十分に遊び込めるよう取り組んでいます。

【さまざまな自己評価を行い、保育の質を高めるとともに、実践内容を保護者等と共有しています】
 園では、各職員が年に2回実施される園長面談と個人別目標カード等を通して、目標の達成度について自己評価を行っています。また年に1回、保育所保育指針に沿った項目に対して、自身の保育実践を振り返り、自己評価を行っています。また、園全体の自己評価として、園長、主任及び各クラスの担任が参加し、保育環境評価スケールに取り組んでいます。評価スケールでは、空間と家具、養護、言葉と文字、活動、相互関係、保育の構造の項目ごとの詳細な内容について自己評価を行っています。自己評価の結果にもとづいて、玩具の配置や種類等についても、固定的な環境ではなく、子どもの成長に合わせて配置の工夫や玩具の入れ替えを行うなどの取り組みにつなげています。これらの取り組みは、SNSを使用し、保護者等にも伝えています。
改善を求められる点 【園の理念、方針に沿った具体的な園独自の中長期計画の策定が望まれます】
 単年度計画では「保育面」「人材面」「運営面」「財務面」の項目ごとに目標及び重点取り組み内容が記載されています。取り組み内容に対しては、中間報告を記載するとともに、年度末に結果を含め振り返りを行うなど、実施状況の評価を行える内容になっています。一方で、中・長期計画については、法人本部が当園を含めた法人全体の計画を作成しています。計画には、理念や基本方針の実現に向けた保育指針や施設の課題等が挙げられ、目標を明確に定めています。今後は、園の課題として取り上げられている、在園児数の増加等に関する具体的な取り組みを明確にし、数値目標や具体的な成果等を設定し、実施状況の評価を行える内容を踏まえた、園独自の中・長期計画の策定が望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回評価を受けるにあたり事業所の方へ何度か質問事項を上げさせていただきました。其の度に丁寧に説明をして頂き着眼点を伝えて頂けたので分かりやすく進めることが出来ました。今、園で実施されていることに対して振り返りをすることが出来、今後の課題についても考えていく機会になりました。また今回の評価は日ごろの保育に対しての励みにもなり、日々の継続を続けていくことが大切なことだと改めて感じること
が出来ました。運営状況に関しても本部との連携を密にして様々な意見を取り入れ今後もより良い保育園を目指していきたいと思います。丁寧にみていただいた第三者評価の方々に感謝いたします。
書類に関しては普段保育を行うために様々なツールを使用し保育の記録やノウハウを文章化して残していますがかなりの量を行っていることに気づきました。IT化をしていくことに便利さは感じますがシステムを使いこなすには個人差があるので保育の専門以外にもPCを扱うことを同時に勉強していかなければならないことを感じています。特に年齢が高い先生は手書きの時代なのでシステム系は扱うのに抵抗感があります。今後は保育の仕事にもPCが必須になると思いますので保育の専門性プラスの学びが必要になることでしょう。檸檬会の保育園はIT化が進んでいると思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や方針は、パンフレットやホームページに記載されるとともに、法人のバイブルである「れもんのこころ」や、法人の保育内容が記載された「TACTICS」に記載されています。
・保育理念は、全ての子どもに対し、短期的な結果を求めるのではなく、生涯消える事の無い“生きる力”「3つの心」を育てることが謳われ、「人・命を愛する心」「自然と共に生きる心」「想像(創造)する心」を掲げています。
・理念や基本方針は、新人研修やTACTICSと呼ばれる、法人の保育内容に関する研修、また中途採用者を対象としたメンバーシップ研修等、本部主催の各種研修にて、周知が図られています。また、日々の職員会議においても、具体的な保育内容と共に職員への周知を図っています。
・保護者に対しては、パンフレットや重要事項説明書等を通して、入園時の個別面接や入園式等で伝えています。パンフレットには、「乳児の育児担当保育」や「子どもの自主性を大切にしたコーナー保育」など、法人が大切にする13の保育について記載されています。また、園の理念や方針に沿った具体的な活動内容を、写真と共に文章で説明し、毎日玄関に掲示することで、保護者にわかりやすく周知を図る取り組みが行われています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向については、年に2回実施される、法人全園を対象とした園長会や、月に1回実施される、法人の関東園を対象とした園長会等を通して把握に努めています。具体的な内容として、保育所等の開園状況や待機児童数等について把握し、年度ごとの推移等についての分析につなげています。
・地域の各種福祉計画等については、新型コロナウイルス感染症対策や地域の子育て支援の状況、また保育所等の開園状況について把握しています。把握された内容は、法人の経営戦略部や広報部と共有し、課題の把握と分析を行っています。
・在園児数や職員の退職者数、また補助金等について財務部法人管理部の担当者と情報共有し、保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等の分析につなげています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・経営課題として、在園児数の増加が挙げられます。課題については、月に1回実施される、法人の関東園を対象とした園長会や法人本部での定期的な本部会議を通して、共有されています。
・経営課題については、日々の職員会議や月に1回実施される、全体職員会議、また職員研修等を通して職員に周知しています。
・経営課題に対しての具体的な取り組みとして、園の活動内容の情報発信に取り組んでいます。具体的にはSNSを使用し、活動内容を動画で紹介することや、運動会や発表会等の園行事に、地域の方が参加できる体制を整える等の取り組みが実施されています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画は法人本部が当園を含めた、法人全体の計画を作成しています。計画には、理念や基本方針の実現に向けた保育指針や施設の課題等が挙げられ、目標を明確に定めています。
・今後は、園の課題として取り上げた、在園児数の増加に関する具体的な取り組みを明確にするとともに、数値目標や具体的な成果等を設定し、実施状況の評価を行える内容を踏まえた、園独自の中・長期計画の策定が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・単年度計画には、法人理念、ビジョン、保育理念、が掲げられるとともに、保育方針、施設の課題の項目が挙げられ、具体的な内容が記載されています。保育方針は、「子ども一人ひとりの育ちに寄り添い、それぞれの生きる力を育む」「さまざまな体験を通して、しなやかな身体と豊かな感性を育む」「人との“つながり”、社会との“つながり”を育む」の項目ごとに、具体的な取り組み内容が記載されています。また、施設の課題では、「保育面」「人材面」「運営面」「財務面」の項目ごとに目標及び重点取り組み内容が記載されています。取り組み内容に対しては、中間報告を記載するとともに、年度末に結果の振り返りを行うなど、実施状況の評価を行える内容となっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画は、各職員との面談内容や年に3回実施される、働きやすさ等を含めた園運営全般に関する職員アンケートの内容を反映させ、作成しています。
・事業計画の実施状況については、年度内の中間報告及び年度末の振り返りが定められ、実施されています。また、年度末の結果は、次年度の事業計画に反映させています。
・事業計画の職員への周知については、月1回実施される全体職員会議で共有するとともに、回覧をすることで全職員の理解を促す取り組みにつながっています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画の保護者への周知については、玄関に事業計画を常備し、財務状況等も含めていつでも閲覧できるよう整備されています。
・事業計画に記載がある、保育内容の取り組みについては、連絡ノートや送迎時のコミュニケーション、また、ドキュメンテーションと呼ばれる、活動内容の写真とエピソードを文書で示した記録の毎日の掲示などを通して、保護者に分かりやすく周知を図っています。さらに、園だよりやクラスだよりを通して、事業計画に関連する具体的な保育内容等を伝える取り組みが行われています。


Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育については、週案や月間指導計画、個別指導計画等の各種指導計画やその振り返りを、主任と園長が保育所保育指針等を踏まえ確認し、次の計画に反映させることで、保育の質の向上につなげています。また、日々の職員会議や月に1回実施される全体職員会議にて、各クラスの状況や反省、配慮が必要な子どもへの関わりやヒヤリ・ハットなどについて記載した資料を、全職員で共有するという組織的な体制が整備されています。
・保育所全体の自己評価として、園長、主任及び各クラスのリーダーが参加し、保育環境評価スケールに取り組んでいます。評価スケールでは、空間と家具、養護、言葉と文字、活動、相互関係、保育の構造の項目ごとの詳細な内容について自己評価を行っています。結果は、職員会議で共有されるとともに、SNSを使用し、保護者等にも伝えています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・自己評価の結果にもとづいて、子どもの興味や関心、成長に合わせて環境を変えていくことに取り組んでいます。一例として、玩具の配置や種類等についても、固定的な環境ではなく、その時期の子どもの成長に合わせて配置の工夫や玩具を入れ替えるなどの取り組みを行っています。これらの取り組みは、写真と共に文章も添えて、SNSを使用し、保護者等にも伝えています。
・評価結果にもとづく取り組みについては、製作活動や音楽表現などの表現活動を、子どもの興味や関心を踏まえ各クラスの指導計画に反映させるとともに、職員会議で定期的に共有しています。また、必要に応じて事業計画等の見直しに反映させています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長の役割については、職務分担表に記載され、自らの役割と責任について表明しています。具体的には、日々の保育や行事に関する指導、施設職員の人事管理等が挙げられています。
・園長は、職員全体のチームワークのかじ取りを行う
とともに、一人ひとりの子どもたちの状況に応じた、具体的な関わりについて、職員への助言を行っています。一例として、職員会議の際に園の保育について、職員が意見を出し合い、それを生かして来年度の計画等を作成するなど、職員全体で保育の方向性を共有することで、チームワークの向上に努めています。また、日ごろの具体的な保育実践として、配慮が必要な子どもへの関わりや、給食の喫食状況など一人ひとりの子どもの状況に応じた関わりについて、助言を行っています。
・有事(災害、事故等)における園長の役割と責任及び不在時の主任への権限委任等については、危機管理マニュアル等や職務分担表に記載されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、法人園長会を通して、遵守すべき法令等の把握に努めています。園長会では、労務、採用、人事、広報、財務等の各部署から法令遵守の観点での説明があり情報共有を行っています。把握された内容については、職員会議等を通して職員に周知を図っています。
・遵守すべき法令等の周知の一環として、園長は、職員会議等を通じて就業規則について説明しています。また、就業規則への理解の促進として、必要に応じて個別に伝えることもあります。就業規則は、事務所に保管されいつでも閲覧できるとともに、Work place及びteach me bizと呼ばれる電子媒体を通して、職員はいつでも確認することが可能です。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、毎日行われる職員会議、月に1回実施される全体職員会議、時間給職員会議、給食会議等を通して、各クラスの情報や行事等について、定期的、継続的に評価・分析を行っています。
・園長は、積極的に現場に入り保育技術面での指導等を行っています。0歳児~5歳児の子どもたちが集まって行われる園行事等では、職員が手遊びやパネルシアターなどを行い、必要に応じて園長は技術面等の助言を行っています。また、月に1回実施される全体職員会議の中で、危機管理や乳児保育等について園内研修を行うなど、保育の質の向上について、自らもその活動に積極的に参画しています。
・以前の誕生日会等の園内行事は、担当者と主任が行っていましたが、現在は、担当者が職員会議で内容を周知し、職員全員で取り組む体制を構築しており、チームワークの向上につながっています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園全体の人員配置については、法人の採用担当と連携を図り、職員体制を充実させることに取り組んでいます。
・職員の働きやすい環境整備等については、シフトの調整等に取り組んでいます。また、法人全体で職員に対して行うアンケートとして、現在勤務する園の「良かった点」や「物足りなかった点」などについて把握し、具体的な改善案を検討し、実践につなげています。さらに、園独自でも職員アンケートを実施し、各職員の思いや意見などの把握に努め、改善に取り組んでいます。
・園長は、各種会議等を通して、各クラスの状況や行事の進捗状況等について確認し、必要な助言を行うことで、業務の実効性を高める取り組みに積極的に参画しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方については、法人のバイブルである「れもんのこころ」や事業計画に記載されています。れもんのこころには、「保育の振り返り指針」として、「学び」「養護」「環境」「保育者」の項目ごとに具体的な確認事項が記載され、必要な福祉人材の方針が確認できます。また、事業計画には、「職員の継続及び確保」「職員のチームワークの向上と連携強化」「新任保育士への指導と支援」の人材面の項目が挙げられ、具体的な計画内容が記載されています。
・新人職員定着のため「メンター制度」を設けています。新人職員は、社内のすべての人をつなぐコミュニケーションツールの機能の一つである、「Work chat」や電話を通して、法人本部がマッチングをした先輩職員に定期的に悩み等を相談できるなど、きめ細かい体制を整えています。
・採用については、法人の人事担当が行うとともに、園でも独自の取り組みを実施しています。法人では、
効果的な福祉人材確保につなげるよう、園ごとの募集から、法人の関東園を対象としたエリア募集に切り替えるなどの取り組みが行われています。園独自の取り組みとしては、園長が直接養成校を訪問し、人材確保に努めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像等」については、法人のバイブルである「れもんのこころ」の質の高い「保育者」という項目に具体的な職員像として記載されています。
・年に2回実施される園長との面談は、個人別目標カード等を使用して行われています。目標カードでは、個々の目標を記載し、達成度の自己評価を行っています。各職員の自己評価に対して、園長評価及び本部評価を行い、その結果をもとに、給与や賞与等の処遇に反映させています。処遇結果については、園長が個々の職員に説明しています。
・職員が自らの将来像を描く仕組みづくりの一環として、キャリアアップ研修及び管理職登用制度があります。管理職登用制度においては、園長、主任、副主任ごとに研修が実施され、最終で試験を行うという仕組みが整備されています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・ジョブカンと呼ばれる電子媒体の勤怠システムを通して、職員の有給休暇の取得状況や時間外労働のデータを定期的に確認するなど、職員の就業状況を把握しています。また、ジョブカンでは、職員自身も休暇取得の状況がいつでも確認できる体制となっています。
・職員が相談しやすい組織内の工夫として、日ごろから園長は職員の話に積極的に耳を傾けています。そのため、職員が一日の終わりに個別に園長に相談するということが日常の中で行われています。また、本部への相談ラインである「レモンホットライン」では電話やメールで相談ができる仕組みが整えられ、職員の心身の健康の確保の一環となっています。
・年に2回、法人全体で、各園の職員に対して、wevoxというスマートフォンを利用したアンケートを行い、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。アンケートでは、勤務する園の良い点や物足りない点等についてヒアリングを行い、結果内容は、園長にフィードバックされます。園長は、結果内容を踏まえて改善策を立て、事業計画に反映させています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・年に2回実施される、園長との面談で使用する目標カードにもとづいた人事評価制度の仕組みが構築されています。目標カードでは、各職員が目標の達成度に対して自己評価を行うとともに、園長の評価も行われます。その際に、園長は各職員に応じた必要な助言を行い、年度の中間面接にて、再度、達成度や取り組みについて確認しています。園長は、共有された内容をもとに、職務遂行能力や成果、貢献度の最終評価を行っています。評価内容については、園長と本部で共有し、給与や賞与等に反映しています。
・各職員の評価については、データ化され年度ごとの評価推移を確認できる体制が整えられており、職員一人ひとりの進捗状況の確認が行われています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」については、法人のバイブルである「れもんのこころ」や、法人の保育内容が記載された「TACTICS」に明示しています。
・資格取得支援金制度の対象資格が一覧になっており、保育士、栄養士、調理師、施設長などの職種別に受講できる資格種類が明示され、職員は希望に応じて受講することができます。一例として、おもちゃコーディネーター資格、幼児体育指導者資格、パソコンのスキル関連の資格等、幅広い分野が対象となっています。資格取得費用については、各職員ごとに年度につき、一定の支援金が支給される仕組みになっており、職員の教育、研修の機会となっています。
・日々の職員会議や月に1回実施される全体職員会議等を通して、研修報告会を実施し、研修内容について職員間の共通理解を図っています。その際に、研修内容を踏まえ、定期的な計画の評価と見直しに取り組んでいます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・法人主催の研修として、入職前のウェルカム研修、3年目職員のフォローアップ研修、5~10年目の中堅職員研修、管理職員研修が行われています。新任職員に対しては、2泊3日の宿泊研修が行われ、法人のバイブルである、「れもんのこころ」について、周知徹底が図られています。また、在職者研修として、法人の保育内容が記載された「TACTICS」の内容を、年間3~4回の研修を通して、学ぶ機会を設けています。さらに、中途採用職員に対しては、メンバーシップ研修として、年に4回程度の研修が実施されています。年間を通して、各職員が5~10回程度の研修に参加しています。このような経験や習熟度に配慮した個別的な研修が実施されています。 

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢については、実習生マニュアルに明文化されています。実習生の受け入れや指導は、主に園長と主任が担当しています。
・実習日誌の記入方法などについては、時系列の記入方法やエピソードを通した記入方法などがあり、具体的な内容については、実習が充実した経験となるよう、学校側と連携してプログラムを整備しています。
・実習生に対する指導等については、園長が主となり実施しています。その際に、「保育は楽しい」ということを感じてもらえるような指導に配慮しています。
・指導者に対する研修が実施されているとともに、園長が指導者に対する助言を行っています。
・学校側と継続的な連携を維持していくために、実習生の状況について、必要に応じて電話での情報共有や担当教員の巡回の受け入れなどを行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育所の基本理念や保育内容については、園のホームページやSNSを使用し、具体的な活動内容を動画で紹介する等の取り組みが実施されています。事業報告や決算情報は、園の玄関に常備し、保護者等がいつでも手に取って見ることができるよう整えられています。
・園における地域の福祉向上のための取り組みとして、園庭開放やお話し会などを行っています。また、地域の方を対象とした保護者の癒しの場の提供として、園が主催し、年に1回「親子コンサート」を開催しています。園見学に来られた方に招待状を送るとともに、SNSを通じて案内をするなど、社会や地域に対して、園の役割を明確にするよう努めています。
今後は、近隣の商店街等にポスターを掲示し、広く周知することを検討しています。
・園の自己評価として、園長、主任及び各クラスのリーダーが参加し、保育環境評価スケールに取り組んでいます。評価結果については、SNSを使用し、内容にもとづく改善・対応の状況等について公表しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園における事務、経理、取引等に関するルール、職務分掌と権限・責任等については、職務分担表に示さされ、職員に周知しています。また、財務マニュアルが整備され、必要に応じて職員に伝えています。
・園で、必要物等の購入の際は、園長決裁で購入します。また、一定金額以上や修繕等に関する内容は、ワークフローに沿って本部に申請し、購入等を行っています。
・園では小口現金を扱い、使用状況について、本部と共有の出納帳にその都度記録しています。また、金種計算表にも記載しています。
・外部の専門家による監査支援等として、市の監査を受けています。結果や指導事項にもとづいて、経営改善を実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域との関わり方についての基本的な考え方は、全体的な計画に記載されています。全体的な計画の、地域支援・連携の項目では、未就園家庭の支援、地域連携、小学校連携、職場体験実習受入の項目ごとに、具体的な取り組み内容が記載されています。
・活用できる社会資源や地域の情報については、園内に散歩マップが掲示され、公園ごとの遊具の写真や、公園までの道のりの交通量や危険個所等の情報も提供しています。また、園の玄関には、就学相談の案内や発達支援の情報等、市や区からの情報を提供しています。
・例年、近隣の高齢者施設との交流を行っています。職員は、必要に応じて、高齢者施設の花植えなどの手伝いに取り組んでいます。
・地域の人々と子どもの交流の機会として、近隣の農家よりスイカをいただき、園でスイカ割りを実施、その後お礼の手紙を渡すなどの取り組みが行われています。また、園のオーナーが所有する畑で、芋ほりを行ったり、近隣の駄菓子屋へ買い物に行くなどの取り組みが行われています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティアの受け入れについては、保育業務マニュアル内の「ボランティアの受け入れの規定」に定められています。
・例年、学校教育への協力として、職場体験等のボランティアの受け入れを行っています。今年度はコロナ禍の為、実施していませんが、実習生の受け入れは実施しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・区の担当課や近隣の病院、また療育センターや児童相談所等の関係機関を明示したリストが作成され、事務所に掲示されています。内容については、職員会議等を通して、職員に周知しています。
・関係機関との定期的な連絡会等として、園長は市の園長会に出席しています。また、日ごろから区の担当課と入園児の様子などについて情報共有を図っています。
・家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、保育業務マニュアル内の、「登園時の保護者対応の方法」「降園時の保護者対応の方法」などに具体的な対応が示され、実施できる体制になっています。また、必要に応じて、児童相談所等の関係機関と連携を取ることができる体制が整えられています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・市の園長会や、区の担当課との情報共有により、待機児童の状況など、地域の福祉ニーズ等を把握することに努めています。
・園見学の対応の際は、保育所の入園に関することや、子どもの発達に関することなど、見学者からの相談に積極的に応じる中で、地域の福祉ニーズや生活課題等の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・把握した福祉ニーズ等にもとづいて、園庭開放やお話し会などを行っています。また、地域の方を対象とし、保護者の癒しの場の提供として、園が主催し、年に1回「親子コンサート」を開催しています。また、電話育児相談として、入園を検討されている方等からの問い合わせに対して、離乳食に関することなどを答えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもを尊重した保育の実施については、法人のバイブルである「れもんのこころ」や、法人の保育内容が記載された「TACTICS」に記載されています。
・法人主催で、法人のバイブルである「れもんのこころ」や「TACTICS」に関する研修が実施され、全職員が共通認識をもって保育実践できるよう取り組まれています。また、保育所保育指針にもとづき、個々の子どもに合わせた月間指導計画、週案、日案などを作成し、子どもを尊重した保育実践につなげています。
・子どもを尊重した保育実践の具体的な取り組みの一環として、「つながるあそび」や「コーナー保育」に積極的に取り組んでいます。「つながるあそび」では、遊びを一日で終わりにせず、子どもたちが作ったものを残せるように環境を整えたり、一人の子どもが興味をもった遊びを他の子どもたちにも広げ、遊びをつなげていくなどの取り組みが行われています。「コーナー保育」では、ブロックコーナーや、廃材利用の工作コーナー、文字を書くコーナーなど子どもの興味に合わせてコーナーを設置し、一人ひとりの子どもが、自分の興味と関心に応じて遊びこめるよう環境を整えています。
・多様性の理解については、玄関に英語の絵本を並べたり、園内に世界の民族衣装を着た人形を飾るなど、日ごろから生活の中に取り入れ、自然と子どもたちが理解できるよう工夫されています。性差への先入観による固定的な対応への配慮については、男の子がピンクのドレスを着ることなども含め、個々の興味に応じた遊びを認める取り組みが日ごろから行われています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育業務マニュアル内に、「プライバシーの尊重と保護」が規定され、職員会議や園内研修等を通して、職員への周知や理解が図られています。
・子どものプライバシーへの配慮として、おむつ替えは、沐浴室で行っています。また、3歳児以上のクラスでは、着替えの際は男女に分けて行うなど、子どものプライバシーを守れるよう配慮しています。
・プライバシーの保護に関する内容については、園のしおりに記載され、入園時に説明するとともに、保護者より同意書をいただいています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や方針等については、ホームページに記載されています。また、保育内容については、SNSを使用し、活動内容を動画で視聴できるようにするなどの取り組みが行われています。
・園を紹介するパンフレット等は、イラストや具体的な活動写真、また図で示すなど、誰にでもわかるような内容となっています。内容については、法人の広報課が適宜見直しを実施しています。
・園見学については、園長が対応しています。電話で見学希望を受け付け、要望に応じて、土曜日に実施することなども含め、柔軟に対応しています。



【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・保育の開始にあたっては、園長が入園前に各家庭との個別面談を行っています。面談では、重要事項説明書、入園のしおり等を使用し、園の理念や方針、具体的な提出物や持ち物、個人情報等の扱いについて説明しています。
・説明にあたっては、子どもの様子を聞き取る、「プロフィールシート」や、1日の生活の様子を聞き取る、「1日の生活記録」等、保護者が理解しやすいよう工夫した資料を用いて説明しています。
・アレルギー等に関する内容については、食物アレルギー対応マニュアルに沿って、説明しています。合わせて、マニュアルに定められた書式の説明を行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・保育所等の変更の際は、市の書式を使用し、保護者に必要事項を記載していただいた上で、市の担当課に提出しています。また、必要に応じて、子どもの様子や共済保険等の加入状況等について、転園先との情報共有を行うこともあります。
・保育所の利用が終了した後も、保育所として子どもや保護者等が相談できるように、担当職員と主任、園長が窓口となり、相談等を受けています。今後は転園、卒園後の相談受付先について記述した文書等を渡すなどの取り組みが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育内容について、職員会議等を通して、職員間で情報を共有することで、子どもの様子や満足等を把握するよう努めています。
・保護者の満足に関するアンケートとして、行事後のアンケートを実施しています。アンケート結果については、満足度についてグラフ等で示し、文面とともに分かりやすく保護者に伝えています。
・日々の連絡ノートでのやり取りや、個人面談等を通して、定期的に保護者の意向や満足について把握に努めています。
・今年度は、コロナ禍の為、保育参観が実施できませんでしたが、保護者の希望を踏まえ、日常の子どもの様子を撮影し、写真販売を行いました。また、発表会についても、園で撮影、編集を行い、保護者の方が閲覧できるよう取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の仕組みについては、園のしおりや重要事項説明書等に記載されています。苦情受付担当者を主任とし、苦情解決責任者を園長としています。また、2名の第三者委員を設置し、連絡先を合わせて記載しています。苦情解決の仕組みについては、園内にも掲示されています。
・保護者等が苦情を申し出しやすい工夫の一環として、意見箱を設置しています。苦情内容については受付と解決を図った記録を、苦情・相談報告書に記載し、適切に保管されています。
・子どもの遊びの様子やオムツの使用状況等について、保護者から申し出があったことが挙げられます。その際は、申し出た保護者等に配慮した上で、個別に具体的な改善策等を伝えています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・保護者が相談したり意見を述べる窓口として、苦情受付担当者である主任や苦情解決責任者である園長の他に、第三者委員や各都道府県に設置された運営適正化委員会等があることを、園のしおりや重要事項説明書等に記載し、説明しています。また、苦情解決の仕組みについては、園内に掲示されています。
・保護者が相談しやすく、意見を述べやすいよう、使用していない部屋を確保するなど、環境に配慮をしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう、登園時または降園時には担任が保護者と直接対応できるよう配慮しています。また、日々の連絡ノートを通して、適切な相談対応と意見の傾聴に努めています。
・相談や意見を受けた際の対応については、保育業務マニュアル内に、「登園時の保護者対応の方法」や「降園時の保護者対応の方法」が整備され、実施されています。また、園長は日ごろから、相談を受けた際は必ず園長に報告するよう、職員に周知しています。
・保護者からの意見として、持ち物の入れ間違いに関する内容がありました。その際に、職員会議等で検討し、子どもたちが持ち物等を片づけた後の最終確認は必ず職員が行うという対策を講じ、保育の質の向上への取り組みの一環となりました。
・保育業務マニュアルについては、必要に応じて職員会議等を通して、具体的な事例と照らし合わせ、見直しが実施されています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントに関する内容については、危機対応マニュアルが整備され、園内研修等を通して、職員の理解を深めるとともに、各職員にマニュアルを配布し、周知を図っています。
・子どもの安心と安全を脅かす事例については、ヒヤリ・ハットを記載し、職員会議等で共有しています。また、月に1回実施される全体職員会議では、事前に各クラスの担当者が、クラス内におけるヒヤリ・ハットに関する内容を記載し、全職員で共有する体制が整えられています。共有された内容については、改善策・再発防止策が検討され、実施につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策については、感染症マニュアルや新型コロナウイルス感染症マニュアル等で明確にされ、職員に周知しています。また、行政からの指導や、法人の指示に沿って、感染症対策が適切に講じられています。
・感染症に関する園内研修や法人主催の研修等を通して、定期的に感染症の予防や安全確保に関する勉強会が行われています。
・感染症の予防策として、検温をはじめ、消毒や手洗いの徹底が行われています。
・保護者への情報提供として、保健だよりにて、今後流行り始める感染症や具体的な予防策等を伝えるなど、適切な情報提供が行われています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の対応体制については、緊急対応マニュアルに記載されています。マニュアルでは、フローチャートが使用され、緊急時の対応が分かりやすく示されています。
・子ども、保護者及び職員の安否確認は、キッズリー連絡アプリと呼ばれる電子媒体を通して行うことになっており、全職員に周知されています。また、年に1回、引き渡し訓練を実施し、災害時の連絡体制等について保護者と共有する機会を設けています。
・食料や備品類等の備蓄リストを作成し、担当職員及び調理師が管理者となり、備蓄を整備しています。
・地域の消防署の方を園に招いて、消火訓練の指導を受けたり、警察署の方を招いて、さすまた等を使用した不審者対応訓練等に取り組んでいます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・標準的な実施方法については、子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関わる姿勢等を含め、保育業務マニュアルに、各保育内容ごとに詳細に記載されています。各保育内容ごとのマニュアルは、teach me bizというシステムを利用し、各部屋に設置されているスマートフォンを使用して、全職員がすぐに確認できる体制になっています。
・標準的な実施方法については、園内研修や、法人のバイブルである「れもんのこころ」や、法人の保育内容が記載された「TACTICS」に関する研修が行われ、職員に周知徹底しています。
・標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかについては、職員会議等を通して振り返るとともに、日案や週案、月間指導計画等の各種指導計画を通して確認する仕組みがあります。また年に2回実施される園長面談により、各職員の取り組み状況等を確認しています。
・標準的な実施方法により、保育実践が画一的なものとならないよう、子どもたち一人ひとりの発達について、担任や遅番担当の職員など、子どもに関わる職員のさまざまな視点を共有し、個別指導計画を作成し実践しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育の標準的な実施方法については、園の実情に合わせ、見直しを行っています。
・検証・見直しにあたっては、日々の職員会議や月に1回実施される全体職員会議等で得られた職員の意見を反映するとともに、行事後の保護者アンケートから得られた、保護者の意見等も考慮する仕組みになっています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画は各担任が作成し、園長が責任者になっています。
・入園前は、園長が保護者との個別面談を行い、その際の子どもの様子を記入するプロフィールシートや家庭状況を把握する、児童家庭調査票等を通して、適切なアセスメントにつなげています。また、在園児に対しては、健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域ごとに、一人ひとりの発達状況を記載し、アセスメントを行うとともに、必要に応じて区の療育担当とアセスメント等に関する協議を実施しています。
・全体的な計画にもとづき、各種指導計画が作成されています。個別指導計画は、離乳食やトイレトレーニング等、子どもと保護者の具体的なニーズ等も反映させ作成しています。
・各種指導計画にもとづく保育実践については、日々の職員会議をはじめ、月に1回の全体職員会議や時間給職員会議等を通して、振返りや評価を行う仕組みが構築され、機能しています。
・支援困難なケースについては、日々の職員会議等で共有されるとともに、月に1回実施される全体職員会議では、事前に各クラスの担当が支援が必要な子どもへの具体的な様子について記載し、職員全体で共有を図っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の見直しについては、週案、月間指導計画等、各種指導計画に応じて見直しを行う時期が定められ、実施されています。
・見直しによって変更した指導計画の内容については、クラス会議等を通して報告し、関係職員に周知する手順を定めて実施しています。また、指導計画を緊急に変更する場合については、園長が最終確認をする仕組みになっています。
・指導計画の評価・見直しの内容は、クラスの担当者間で共有され、次の指導計画の作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況等については、個別指導計画書、個人記録、保育日誌、健康記録、連絡帳等の園が定めた統一した様式によって把握し記録しています。
・個別の指導計画には、子どもの姿を踏まえたねらいと内容が記載されるとともに、具体的な環境構成及び保育者の配慮と家庭との連携が記載されています。また、一人ひとりのねらいと内容に沿った振り返りが記載され、個別の指導計画等にもとづく保育が実施されていることを記録により確認することができます。
・記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないよう、園長は各種指導計画等の提出書類について、保育所保育指針に沿った内容であるかどうかを確認し、指針に合わせた内容を記載できるよう指導等の工夫をしています。
・子どもの登園状況や、子どもの様子については、ワークチャットと呼ばれる、園内のすべての人をつなぐコミュニケーションツールを使用し、職員間で共有しており、必要な情報が的確に届くような仕組みが整備されています。
・情報共有を目的とした会議として、毎日の職員会議や、月1回の全体職員会議、時間給職員会議、その他全体会議などが定期的に開催されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・個人情報に関する規定が定められ、子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供等が適切に講じられています。
・個人情報が記載された書類等は鍵付きの書庫に保管され、使用の際は事務室で使用することになっています。また、園長のみが使用する資料については、園長専用の書庫で保管されています。
・園で使用するパソコンにはすべてパスワードが設定され、個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応方法が講じられています。
・個人情報保護規程等については、職員会議で共有されるとともに、法人主催の研修にて教育が行われています。
・個人情報の取扱いについては、入園時に園のしおりや重要事項説明書等を使用して、保護者に説明し同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

・全体的な計画の骨子は、法人が作成し、地域支援や連携、保育における必要な配慮・工夫等については、園内で実施する、職員アンケート等で得られた各職員の意見を取り入れるなど、園の実態を考慮し作成しています。作成の際は、保育に関わる職員が参加し作成しています。今後は、各年齢ごとの保育目標や、園の実情に合わせた年齢ごとの内容を職員会議等で共有し、作成されることが望まれます。
・全体的な計画は、行政監査後に定期的に評価を行い、次の作成に生かしています。一例として、保育における必要な配慮・工夫の項目にある、「在園時間が異なる園児への配慮」の項目を設け、具体的な内容の記載につなげました。


【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・保育所内外の設備・用具や寝具の衛生管理については、チェック表や衛生管理点検表を使用し、衛生管理に努めています。チェック表には、日々の衛生管理の他に、土曜日に実施するエアコン清掃や布団カバー等の掃除についても項目があり、適切な管理を実施しています。
・一人ひとりの子どもが、くつろいだり、落ち着ける場所として、保育室にはソファーやラグ、また置き畳などが設置され、ゆったりと過ごせるよう配慮しています。また、遊びの種類ごとにコーナーが配置され、十分に遊び込める環境づくりにも配慮されています。このような環境設定は、子どもの体調や興味に応じて配置換え等の工夫をしています。
・食事や睡眠のための心地よい生活空間の確保として、各クラスごとの食事のスペースと午睡のスペースを分け、一人ひとりの生活リズムに合わせて過ごせるよう配慮しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの個人差については、日々の職員会議や、月に1回実施される全体職員会議等で共有され、個別の指導計画に反映し、実践につなげています。
・子どもが安心して自分の気持ちを表現できるよう、乳児の育児担当保育を行っています。保育者との1対1の関わりや少人数での関わりを通して、一人ひとりの子どもの想いを丁寧に受け止め、応答的な対応ができるよう配慮しています。
・子どもの欲求を受け止め、子どもの気持ちにそって適切な対応ができるよう、見守る保育を実践しています。見守る保育では、子どもたちが集中して遊んでいる際は、保育者は遊びには入らずに傍で見守り、安全な環境の中で、十分に遊び込めるよう配慮しています。
・子どもへの話し方や言葉づかいに配慮しています。話し方については、遠くから大きな声で話しかけるのではなく、子どもの側で話しかけるようにしています。言葉づかいについては、「早く」や「みんな」などの言葉は使わず、個々のペースに合わせて、興味に応じた言葉を選び伝えることで、一人ひとりの気持ちを引き出せるよう配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの発達に合わせて、生活に必要な基本的な生活習慣を身につけられるよう、家庭との連携を大切にしています。日々の連絡帳や送迎の際のコミュニケーションを通して、園での様子と家庭での様子の共有を図っています。
・生活習慣の習得にあたっては、子どもの主体性を尊重し、年齢に応じた関わりをすることで、自ら取り組めるよう配慮しています。一例として、着脱については0歳児であれば、靴下等を自分で持ってくることから始まり、年齢が上がるにつれて、自分で脱ぐことから着ることに移行し、3歳児では立って靴を履くなど、年齢ごとに段階を踏んだ関わりを実践しています。また、食事の際は、子どもの主体性を尊重し、一斉に食事を摂るのではなく、個々のペースでゆったりと食事が摂れるよう配慮しています。3歳児以上は、給食が専用のワゴンで運ばれてくると、一人ひとりの子どもが、ワゴンから給食をテーブルに配膳し、自分のペースで食事を摂り、挨拶を終え、食器を片付けています。これらの生活習慣への取り組みについては、子どもの様子も踏まえ、保護者にも伝えることで、主体性を尊重した生活習慣の習得につなげています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・各クラスにおいては、子どもの発達や興味に応じた遊びの種類毎にコーナーを設定し、子どもが自主的・自発的に遊び込めるよう環境を整備しています。
・遊びの中で、すすんで身体を動かすことができるよう、日ごろから跳び箱やマット、縄跳び等の活動を行うとともに、2歳児以上を対象として、外部講師を招いた体操教室を月に2~3回実施しています。
・戸外で遊ぶ時間の確保として、週に3~4回程度の散歩を取り入れるとともに、園庭で遊ぶ時間を確保しています。園庭は、1階と屋上にあります。1階の園庭には人工芝が敷かれ、乳児用の丸太吊り橋が設置されているなど、乳児の発達に合わせた環境が設定されています。3階の園庭には、木製の斜面をロープを使って登るアスレチック遊具や雲梯、また三輪車や竹馬、縄跳びなど幼児の発達に合わせた環境が設定されています。
・身近な自然と触れ合うことができるよう、園庭で季節に応じた植物を育てるとともに、室内では、カブトムシやドジョウ、メダカなどの飼育に取り組んでいます。
・様々な表現活動が自由に体験できるよう、製作コーナーを設置し、製作で使用する道具や素材を整えています。また、文字に興味を持った子どもが自由に文字で表現できるよう、ひらがなの書き方を示した掲示とともに、手紙等を自由に書ける環境設定も行っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・0歳児が、長時間過ごすことに適した生活への配慮として、食事のスペースを仕切り、保育者と1対1で落ち着いて食事が摂れるよう配慮しています。床暖房の機能を備えた室内には、置き畳やクッションなどが置かれ、ゆったりと過ごせる環境が整っています。また、室内からすぐに園庭に出ることが可能であり、子どもの欲求に応じて戸外での活動が取り入れやすい環境になっています。
・子どもが、安心して保育者等と愛着関係が持てるよう、育児担当保育を実践しています。育児担当保育では、食事の介助等も含め、保育者との1対1の関わりや少人数での関わりを大切にし、あたたかく応答的な言葉や共感的な態度で接しています。
・発達過程に応じた保育実践として、月齢差や個々の興味に応じた環境設定に取り組んでいます。室内には、安全面に配慮された、クッション性の段差がある遊具などが置かれ、発達に応じた粗大運動を楽しめるよう配慮されています。また、子どもの興味に応じた手作り玩具等も設定されています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・子どもたちが自分でしようとする気持ちを大切にしています。一例として、生活面では、子どもたちが自分で着脱がしやすいよう、トイレ付近に着脱用の椅子を設置するなどの環境を整えています。
・子どもが安定して遊びを中心とした自発的な活動ができるよう、遊びの種類ごとにコーナーを設定しています。ごっこ遊びのコーナーやつまむ・入れるなどの手先を使って遊ぶコーナーなど、子どもたちは自由に玩具を取り出して遊ぶことができる環境になっています。玩具棚は子どもが使用しやすい高さであるとともに、子どもが片付けやすいよう、各玩具の置き場所には玩具の写真が貼られています。また、室内にはござや絨毯、置き畳などが設置されているとともに、家庭的な照明器具や天蓋なども設定され、1日を通して家庭的な雰囲気の中で、ゆったりと過ごせるよう配慮されています。
・保育者は子どもの目線になって、一緒に遊ぶことを大切にしています。また、遊びの中で、模倣遊びや音楽遊びなど発達段階に即した遊びを取り入れるよう、配慮しています。
・自我の芽生えについては、自分でやりたいという気持ちを十分に受け止めた上で、代弁することや適切なタイミングで言葉がけすることなどに配慮しています。また、職員間で連携し、保育者が一人ひとりの子どもとじっくりと関わることができるよう配慮しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児では、集団の中で安定しながら、遊びを中心とした興味関心のある活動に取り組めるよう、個々への対応を大切にしています。生活や遊びにおいて、個々への対応をする中で、一人ひとりのペースに合わせて徐々に自立した活動に取り組めるよう配慮しています。また、発達段階で見られる、言葉の獲得やルールを守る気持ちの芽生えに配慮した関わりを大切にしています。
・4歳児では、集団の中で、相手を受け入れたり、自分の気持ちを伝えられるよう、保育者が必要に応じて仲立し、友だちとともに楽しみながら遊びや活動に取り組めるよう配慮しています。また友だちとイメージを共有して遊ぶことができるよう、必要な素材を用意したり、各コーナー遊びの設定を変えることなどにも配慮しています。
・5歳児では、遊びの中で創意工夫し、友だちと協力して生活や遊びに取り組めるような環境づくりに配慮しています。生活面では、食事の配膳の手伝い等を行う当番活動を取り入れています。また、遊びの面では文字や数字、異文化の国旗など年齢に応じた遊びの環境を整えるとともに、子どもたちでビー玉を転がすルートを作り、上手に転がす遊びなど、プログラミングの要素を取り入れた玩具等も用意されています。さらに、友だちと協力して一つのことをやり遂げる機会の一例として、発表会の際は、子どもたちで話し合い、日ごろ遊んでいるぬり絵に描かれたお菓子の家を題材に劇を演じることを決め、配役などの決定にも取り組んでいます。
・子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動等については、活動の様子を写真と文章で説明した、ドキュメンテーションと呼ばれる記録を玄関に掲示しています。また、園だよりを近隣の小学校に送付し、就学先の小学校等に伝える工夫や配慮がされています。敬老の日には、例年祖父母参観を実施しています。今年度は、コロナ禍の為実施できず、祖父母の方に向けて日ごろの感謝をこめた、手紙を送る取り組みを行いました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・支援が必要な子どもについては、個別の指導計画を作成し、月間指導計画等と関連づけています。また、月に1回実施される全体職員会議では、各クラスの担当者が支援が必要な子どもの様子について、状況と反省、及び配慮事項をまとめ、全職員で共有しています。さらに、気になる様子が見られる子どもについても、日常の様子をまとめ、全体職員会議で共有しています。
・保護者との連携については、園での具体的な関わりや発達段階に応じた子どもの様子などについて、保護者面談等を通して共有しています。
・専門機関との連携として、区の発達支援員の巡回訪問を通して、相談や助言を受けています。
・職員は、区が主催する発達支援コーディネーターの研修を受講するとともに、キャリアアップ研修の保護者支援・子育て支援分野を受講し、障害のある子どもの保育について研修等により必要な知識や情報を得ています。研修で得られた内容については、職員会議等で共有されています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・長時間にわたる保育については、全体的な計画に、「保育時間が長時間になるので体調を確認し心の安定と休息を考慮して個々に配慮を行う」ことが記載され、子ども主体の計画性をもった取り組みにつなげています。
・ソファーの常設やラグなどを敷き、家庭的でゆったりと過ごすことができるよう配慮されています。また、遊びの種類ごとにコーナーを設け、一人ひとりの子どもが自分のペースでゆったりと好きな遊びを楽しめるよう配慮しています。
・年齢の異なる子どもが一緒に過ごす際は、0,1歳児と2~5歳児が過ごす部屋を分けることで、安全面への配慮及び各年齢ごとの発達に応じた遊びの環境づくりを実践しています。
・職員間の引き継ぎについては、1階の0,1歳児、2階の2~5歳児ごとに専用の引き継ぎノートを使用し、文書と口頭で適切に引継ぎを行っています。
・シフト等を調整し、可能な範囲で担当の職員が保護者対応できるよう配慮しています。また、連絡ノートで日中の様子を伝えるとともに、早番・遅番担当の職員に日中の子どもの様子を引き継ぐことで、保護者との連携が十分にとれるよう配慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画には、小学校連携の項目が設けられ、連携校との交流の実施について記載されています。また、就学に関連する事項については、全体的な計画の6歳の欄を就学前として、保育目標及び健康、人間関係、環境、言葉、表現についてそれぞれ具体的なねらいが記載されています。
・子どもが、小学校以降の生活について見通しを持てるよう、年間を通した小学校との交流についての計画を作成しています。計画にもとづき、小学校の場所の確認や小学校見学等を行い、見学後は小学校へ手紙を書くなどの取り組みも行っています。これらの取り組みについては、クラスだよりや見学の際の写真と文書を掲示することで、保護者が、小学校以降の子どもの生活について見通しを持てる機会にもつながっています。
・就学に向けた小学校との連携として、1年生の担当教諭と、年長児の子どもの様子について共有する機会を設けています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康に関するマニュアルとして、健康観察、熱性けいれん、乳幼児突然死症候群(SIDS)、感染症対策等に関連するマニュアルを整備し、それにもとづき一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。
・子どもの保健に関する計画として、乳児用、幼児用の保健年間計画を作成しています。保健年間計画では、月ごとの目標、配慮・留意点、保健行事、保護者への連絡、関わりとともに、年齢ごとの配慮点が記載され、実施後の振り返りが行われています。
・一人ひとりの子どもの健康状態については、登園時の視診で確認し、日々の職員会議等で周知、共有しています。また、予防接種の状況などについては、連絡ノートを通して保護者から情報を得て、関係職員で共有しています。
・毎月の保健だよりを通して、感染症対策や、予防接種後の登園は体への負担が大きいことなどを保護者に伝えています。
・職員は、乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する研修を受講しています。また、乳幼児突然死症候群(SIDS)について記載された情報を玄関に掲示し、保護者に対する情報提供に努めています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・0,1歳児を対象とした月に1回の乳児健診、及び2~5歳児を対象とした年に2回の健康診断を実施しています。また、0~5歳児を対象とした年に2回の歯科健診を行い、これらの健診結果を書面にて保護者に伝えています。
・健康診断・歯科健診の結果については、乳児用、幼児用で作成されている保健年間計画の各年齢の配慮事項に反映させ、歯の磨き方の個別指導等を実施しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー疾患のある子どもに対しては、アレルギー児マニュアルをもとに、状況に応じた適切な対応を行っています。
・食事の提供の際は、調理の段階から専用の器具を使用するとともに、専用の食器に盛り付け、配膳します。配膳の際は、アレルギーチェック表を使用し、配膳担当者が配膳します。給食室で提供内容を確認した際に、配膳担当者が押印し、担当者が保育室で職員と提供内容を確認した際にも、職員が押印するという仕組みになっています。
・職員は、法人が主催するアレルギー疾患等の研修を受講し、必要な知識・情報を得たり、技術の習得に努めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食に関する豊かな経験ができるよう、食育年間計画書を立てています。計画書には、月ごとにみそパンつくりやカステラつくり、またうどんつくりなど季節の行事に応じた活動内容とともに、調理方法が記載されています。また、食育の内容に関連した絵本が記載され、生活の中でより親しみをもって食育に取り組めるよう配慮されています。さらに、年齢ごとの食育計画が立てられ、年度を4期に分けて、それぞれの期に応じたねらいと、具体的な活動内容が記載されています。
・食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう、また、子どもが食について関心を深められるよう栽培に取り組んでいます。バケツを使用したお米作りや、オクラ、スイカ、レモンなどを育て、給食で提供しています。
・子どもの食生活や食育に関する取り組みについて、毎月の食育だよりなどを通して、家庭との情報共有を行っています。食育だよりでは、園で育てているお米の収穫や、季節の旬の食材、また冬至など二十四節気に関連する食べ物などについて紹介しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・離乳食等については、月齢に応じた、刻み方や硬さなど、子どもの発育状況や体調等を考慮した、献立・調理の工夫をしています。
・食べる量や好き嫌いなどについては、保護者に向けて子どもの嗜好調査を実施しています。嗜好調査の結果は、園での献立等に反映させています。また、調査の結果については、朝食を食べているかなどの生活習慣に関することや、子どもの好き・苦手な野菜や料理をグラフやランキングにしてまとめ、保護者に伝えています。
・残食の調査記録や検食簿をまとめ、本部に意見書を提出しています。意見書の内容は、法人で一括して作成している献立に反映されることもあります。
・季節感のある献立となるよう、あじさい寒天や七草うどんなどの献立を取り入れています。
・調理員は、各クラスを巡回し子どもの食事の様子を見たり、子どもたちの話を聞いたりする機会を設けています。また、食具の使い方なども確認しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の連絡ノートや送迎の際のコミュニケーションを通じて、家庭との日常的な情報交換を行っています。
・保育の意図や保育内容についての保護者の理解を得る機会として、毎日、活動の写真と文章を記載した、ドキュメンテーションと呼ばれる記録を掲示しています。掲示された内容はファイリングし玄関に常備することで保護者がいつでも閲覧できるよう整備しています。
・保護者と子どもの成長を共有できる機会として、日々の活動内容を伝えるとともに、例年、個人面談や保育参観及びクラス別の懇談会等があります。また、レモンスポーツと呼ばれる運動会や発表会等の、園の行事があります。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・送迎時の際は、可能な限り担任が保護者とコミュニケーションを取れるよう配慮し、保護者との信頼関係を築くよう取り組んでいます。
・保護者等からの相談に応じる体制として、年に1回の個人面談を実施するとともに、必要に応じて随時面談を受け付けています。面談内容については、適切に記録し関係職員の共通理解を図っています。
・例年、夏祭りや保育参加、年度末のクラス別の懇談会を通して、保護者同士が交流できる機会をつくるなど、保育所の特性を生かした保護者への支援に取り組んでいます。
・相談を受けた保育士等が適切に対応できるよう、必要に応じて栄養士や園長に相談し、助言が受けられる体制が整えられています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう、登園や着替えの際の視診、また日中の子どもの様子を観察し、子どもの心身の状態、家庭での養育の状況について把握に努めています。
・虐待等権利侵害の可能性があると職員が感じた場合は、速やかに園長に報告し、職員会議等を通して情報共有をするとともに、対応を協議する体制が整えられています。
・職員は、法人が主催する保護者対応等の研修を受講するとともに、キャリアアップ研修の保護者支援・子育て支援の分野の研修を受講することで、虐待等権利侵害に関する理解を深めています。
・関係機関との連携については、必要に応じて区役所や市役所の担当課と連携するとともに、児童相談所と連携する体制が整えられています。
・虐待等権利侵害を発見した場合の対応等については、「虐待防止について」のマニュアルを整備しており、早期発見、通告の義務等について、職員の理解を促すための取り組みにつなげています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育については、日案や週案、月間指導計画等の各種指導計画を通して、一人ひとりの子どものねらいや育ちを記述し、実践後の保育の振り返りを行っています。
・職員は年に2回の園長面談を通して、個人別目標カード等を使用し目標の達成度について、自己評価を行っています。また、年に1回、保育所保育指針に沿った項目に対して、自身の保育実践を振り返り、自己評価を行っています。
・保育所全体の自己評価として、園長、主任及び各クラスのリーダーが参加し、保育環境評価スケールに取り組んでいます。自己評価の結果にもとづき、玩具の配置や種類等は固定的な環境ではなく、その時期の子どもの成長に合わせた配置の工夫や入れ替えなどを行う取り組みにつながりました。また、製作活動や音楽表現などの表現活動は、子どもの興味や関心を踏まえ各クラスの指導計画に反映させる取り組みなどにもつなげています。