社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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一之宮愛児園

2023年05月31日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 一之宮愛児園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 定員:180名 (利用者:199名) 名
所在地 253-0111
高座郡寒川町一之宮8-3-1
TEL 0467-75-0729 ホームページ http://www.kanagawa-doen.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1963年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人恩賜財団神奈川県同胞援護会
職員数
常勤職員:26 名
非常勤職員:12 名
専門職員
施設長:1 名
主任:1 名
保育士:21 名
保育補助:1 名
調理員:4 名
施設・設備の概要
保育室:9室
トイレ:6ヶ所 
調理室:1ヶ所 
事務室:1室
遊戯室:1室
職員研修室:1室
休憩室:1室
更衣室:2室
園庭:有

③ 理念・基本方針
法人理念:
1 人権を尊重します
2 幸せであるためのサポートをします
3 地域社会と共生していきます                                                  

基本方針:
① 子どもを人格のあるひとりの人間として尊重し、理解していく。
② 成長の発達段階を踏まえ生活・遊び・教育・環境を通しての総合的保育をめざす。
③ 保護者との連携をとり、一緒に子どもを育てていく。
④ 保育の質の向上を図るために、専門性と人間性を深める努力をする。
                          
保育目標:
1.元気にあいさつができる子ども
2.心身ともに元気でおもいやりのある子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
住宅に囲まれた環境でありながら、まだ、畑や田んぼが多く残り、自然豊かな環境にあります。散歩コースの範囲内には、小さな公園があり、季節ごとに木の実や草花に触れる機会を取り入れています。メダカや亀、ドジョウ、ザリガニ、ベンケイガニを飼育しながらふれあっています。園には、第2グラウンドがあり、伸び伸びと遊べる環境を持ち、戸外遊びを多く取り入れています。片栗粉、水風船などを利用し、感触遊びをして少しずつ水遊びの導入を行いダイナミックに遊びます。園庭の一角や、近くに畑をお借りしていて、さつまいもやじゃが芋をはじめ、枝豆、ミニトマト、ピーマン、すいか、大根などを、種まき、苗植えから収穫まで体験して、収穫後にスイカ割りをしたり、クッキングをしたり、焼き芋をしたり、食べる楽しみにもなっています。伝承行事、餅つき、どんど焼きなども行っています。コロナ禍でできていない行事もあります。 障害のある子なども一緒に過ごす中で、子どもたち自身が認め合い助け合い成長しています。 3~5歳児は外部講師を呼び、リトミック教室を行っています。日々の保育や、行事の様子を写真に撮りその日のうちに掲示することで、保護者の方に園の様子を知らせしています。月1度の誕生会には、保護者の方にも参加して頂き、一緒にお祝いするとともに、直に雰囲気を味わって頂く事もできます。 給食もメニューが豊富で、季節や行事に合わせた献立が工夫されています。食材に触れる機会、リクエストメニューなど、食育に繋がる様な工夫がされています。 

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/09/01(契約日) ~2023/04/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2015年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)自然環境を活用し食育に力を入れています
年間の食育計画があり、食に関する活動・野菜の育成と観察・調理などで食への意識作りに努めています。園庭の一角や、近くに借りている畑で、ミニトマトやそら豆、スイカ、さつまいも、かぼちゃ、大根など本格的な野菜栽培に取り組んでいます。大根は土が軟らかくないと育たないため、土づくりから始め、種から栽培して収穫までたどり着きました。収穫したスイカでスイカ割りをしたり、さつまいもの芋ほりをするなど、自ら関わって育てた作物を収穫し、食するといった活動を食育の一環として取り入れています。自然豊かな環境の中で貴重な食育の体験を取り入れ、子ども達が楽しみながら食への興味関心を育めるよう取り組んでいます。

2)地域と良好な関係ができています
法人の理念に「地域社会と共生していきます」を掲げ、設立当初から地域との関係を大切にしています。法人の特色として、高齢者の相談を受け付けたり、地域での防災拠点としての役割を果たし、福祉の情報発信基地として幅広く地域社会に溶け込んでいます。同一法人が運営する寒川町の3園共催の「保育園であそぼう」を年9回開催し、子育て世代の交流の場、子どもの居場所となっています。他に園庭開放や子育て相談も行っています。7月に開催した「どろんこ遊び」で子どもたちは洋服のまま泥んこになって遊び、普段、家庭ではなかなかできない遊び方を体験する機会として好評でした。保育園の「どんど焼き」「焼き芋」を行う上で、薪の提供の協力を得るなど、地域の中の保育園として良好な関係を築いています。

3)職員が積極的に自己評価に取り組んでいます
今回の第三者評価の受審は、職員の半数以上が初めてでした。自己評価への取組は日々の保育を振り返ることになり、職員はチェック項目一つひとつを保育日誌・月案・週案などに広げ、該当する箇所に付箋を貼り確認していきました。その結果、自分達の支援を見える化でき、できていることや改善できる点が明確になりました。今回の自己評価の取組は、経験豊富な職員も学ぶことが多く、園全体で保育の質の向上につながっています。

4)外門のセキュリティ強化の検討が望まれます
現在、園の外門には施錠がなく、誰でも入ることが可能な状況です。玄関は事務所の横にあり、事務所がガラス窓のため見通しは良いものの、安全面が心配です。今後、安全対策として、外門の施錠設備を施すなど、セキュリティ強化への検討が望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度第三者評価を受審するにあたり、職員一人一人が保育を振り返り、複数で話し合う機会を作ることの大切さを感じました。日々の保育の中で、話し合いの時間を捻出することはとても大変でしたが、評価は日々の保育を裏付け、自分たちで評価することで、改めて自分たちの行っている保育が間違っていないと確信でき、意味のあることだと認識できる機会となりました。
マニュアルなどは紙面で整えるだけでなく、これから職員や保護者に周知してもらえるように工夫し、努力をしていかなければいけないと感じました。
これからも保育の質の向上はもちろんですが、職員の業務を見直し、課題である効率化を進めてきつつ、子どもたちを中心に安全で安心な保育を展開していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

パンフレット、重要事項説明書(入園のしおり)、法人・園のホームページ等に、園の目指す方向としての理念・保育方針等が明記されています。理念は玄関、各保育室、職員休憩室にも掲示しています。職員は、法人の階層別研修の中で周知しています。理念や基本方針は保育の基礎となる指導計画の基なので、毎年、職員会議で確認をしています。また、保護者には入園時や、保護者懇談会等で説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業全体の動向について、施設長は、法人の保育部門会議で外部環境の変化を把握・分析してバランススコアカード(BSC)を作成し、法人内の他の園と情報交換を行っています。保育のコストや利用者の推移等も報告しています。園長は、幼保小連絡会や園長会議等に出席し、寒川町子育て支援課から町内の待機児童の動向や地域福祉ニーズの情報を入手しています。園全体で経営環境の周知・把握することが課題となっています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

事業報告書、決算書をもとに、施設長会議で各項目の現状報告・分析等を行い、改善すべき問題点を明らかにしています。0歳児入所の減少や保育士不足が課題ですが、法人内で作成したフリーペーパーやクリアファイルを利用して人材の確保を図っています。法人は、施設長会議を毎月開催し、改善すべき課題や問題点を共有しています。職員への周知を図っていますが、まだ限定的です。課組織的に、題の解決・改善に向けて取り組んで行くことが望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、保育にかかわる政策の方向性を見通し、保護者のニーズや職員、各保育園からの意見などを踏まえて、中・長期計画を策定し、事業を計画的に実施しています。計画書の各事業、活動は、具体的な内容で、事後の検証・評価が可能となっています。中・長期計画を振り返り、検証・評価して見直すことは、毎年度行われてはいません。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画は、園の特色や重点目標を明示し、園の保育の方向性を全職員で確認しています。計画の表記は、具体的な内容となっており、検証・評価が可能となっています。クラスの状況・子どもの様子・園を取り巻く環境の変化等を反映しています。中・長期計画を踏まえての園独自の事業計画への反映は課題となっています。事業計画内の重点目標で、継続的に取り組むべきとして「地域貢献」や「保育の質の向上」を掲げています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、前年度の反省を基に、職員の意見の集約・反映の下で策定されています。職員会議で職員に説明し周知しています。特に取り組むべき課題や方向性については、様々な話し合いの場を設けることで理解、浸透が図られるよう取り組んでいます。事業計画が計画通り遂行されているかの実施状況の把握や評価、見直しは、その都度職員会議で話し合っています。しかし、理解が十分でない部分もあり、職員への周知が課題となっています。今後も職員への周知に取り組まれることを期待します。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画について入園前の保護者に説明会を行い、玄関に掲示しています。年間行事計画、苦情解決や、個人情報の保護等主な内容については、各家庭に配布するとともに掲示を行い、周知しています。しかし保護者にわかりやすくという視点での作成はされていません。今後、事業計画作成時の工夫に期待します。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

園ではPDCAサイクルを通じて、保育の質の向上に向け、職員の自己評価や第三者評価の受審等、組織的に取り組んでいます。指導計画をもとに保育を行い、年齢会議、乳幼児部門会議、職員会議で問題点や課題を見出し、話し合い、また自己評価チェック表、振り返りシートを利用して振り返りを行っています。園は年1回自己評価を行う等、保育の振り返りを行っています。今年度、第三者評価を受審し、課題等がある場合は解決のための取組を行う予定です。今後、組織として課題を検討する場を位置づけることが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果を分析した結果やそれに基づく課題は文章化され、会議で職員に配布し、周知しています。評価結果から明確になった課題について、職員が参画し、職員会議等で改善策や改善計画を策定していますが、周知や理解が課題となっています。園の重点目標は園だよりで伝えると共に、園の重点目標をもとにクラス目標を立て、4月の懇談会で保護者に今年度の取組を伝えています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は年度当初、事業計画をもとに職員会議において、経営や管理に対する具体的な取組を明確にしています。法人の職務権限規程や自園の事務分担表で施設長の権限、責任を知らせていますが、明文化による周知に課題があります。非常時、施設長不在の際は、主任保育士が代行すると明確にしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、社会福祉法人の職員、認可保育園の管理者、労務管理の責任者の立場から、最新の児童福祉法をはじめ保育所保育指針など関係法令・通知・基準の改正事項を、保育の専門誌や法人施設長会議等の提供資料から把握し、遵守しています。さらに職員とともに環境配慮の観点からごみの分別、エコキャップの回収、廃材利用、節電・節水などに取り組んでいます。職員に対して、職員会議で業務マニュアルの読み合わせ等を行っていますが、具体的な取組は十分ではありません。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、定期的に、保育の質の維持・向上に関する課題を把握し、改善に向けた取り組みを行っています。各指導計画や週案及び保育日誌等を確認し、適切な保育ができているかどうか保育現場を巡回しています。課題があると感じた時は職員間で共有すると共に改善のための話し合いを行っています。保育の質の向上については、研修計画表をもとに、キャリアアップ研修や、階層別研修への受講を勧めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮し、法人施設長会議で職員確保状況や財務状況を報告したり、課題分析等を行っています。業務の実効性を高める活動は、職員の理解に課題があります。施設長はクラスの様子や職員の状況を把握し、人員配置や働きやすい環境整備に努めています。また、非常勤職員も含めたシフトの作成により、職員の負担軽減・残業軽減に努めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人として事業計画に必要な人材確保に関する考え方が確立しています。具体的には、復職支援講座を開催し、潜在保育士の現場復帰につなげたり、法人のホームページに求人を掲載し、人材確保に取り組んでいます。計画的に養成校を訪問し、施設を紹介し、クリアファイルとともに実習生に配布して人材確保に努めています。しかし、十分に確保できていません。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念である「人権を尊重します」、「幸せであるためのサポートをします」、「地域社会と共生していきます」に基づいた福祉サービスを提供する職員を「期待する職員像」とし、職員心得に明記しています。職員は「職員育成目安表」により、専門職としての将来像を描きながら保育実践、研修を通じて職業能力の開発に努めています。「職員育成目安表」では職種ごとに階層別に必要とされる技術や役割を明記し、施設長や主任保育士との面談により評価しています。就業規則に人事に関する基準が明記されていて、職員が自らの将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みがあります。人事基準などへの職員への周知と理解に課題があります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

施設長は職員の有給休暇や労働時間のデータ等を毎月必ず確認し、職員の就業状況を把握し、業務時間の平準化につなげています。シフトはワーク・ライフ・バランスに配慮して作成しています。多様な価値観や働き方に配慮し、働きやすい職場環境作りに努め、有給休暇の取得の促進や、時間外労働の把握、縮減促進、育児時短勤務などに取り組んでいます。法人にハラスメント相談窓口を設け、園内でも職員面談を行いながら、相談しやすく働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園では「期待する職員像」を明確にし、職員一人ひとりの目標管理のための仕組みが構築されていますが、職員の理解に課題があります。目標管理の体制としては、全職員から年度始めに自己分析シートを提出してもらい、年度末に評価、反省など振り返りを行っています。振り返りは自己分析シートに基づいて行い、施設長との面談で来年度の目標等について確認を行っています。園の目標や方針を徹底し、日頃のコミュニケーションにより職員一人ひとりの目標が明確にされています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

園では、「期待する職員像」を定め、事業計画や「職員の心得」でも明確にしています。階層別に望ましい職員像を示すとともに、社会人としての基本事項を明示し、キャリアパスイメージには、必要とされる専門技術を示しています。毎年研修計画を見直し、園全体で課題としているテーマに応じて研修計画を作成しています。園内研修のほか、職員に外部の集合研修・オンライン研修に参加してもらい、個人の職業能力の開発を支援しています。研修計画は、年度ごとに見直し、必要な研修に参加できるようにしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は職員の知識や技術、経験、資格などを把握し、過去に履修した研修を踏まえ、研修計画を策定しています。研修計画表では、階層別、年齢別、テーマ別、職種別に配慮し、外部研修についても受講を勧めています。職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTも実施しています。また、職員一人ひとりが研修に参加しやすいよう、シフトの調整等に配慮し、キャリアアップ研修等に参加できるよう積極的に支援しています。ネット環境も整備し、Web研修にも参加しやすくしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生受け入れマニュアルを整備し、積極的な受け入れや、基本方針等を明確にしています。主任が担当となり、保育士養成校と連携を取りながら、調整を行っています。効果的な実習となるよう学校側と確認を取りながら必要なプログラムを整備して対応しています。指導担当の主任は実習期間中は、専門職であることを意識した指導を心掛け、有意義な実習となるよう継続的に支援しています。今後は、指導者に対する研修の実施が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人、園のホームページに、法人、保育所の理念、基本方針、保育内容等を公開し、積極的に情報提供しています。寒川町ホームページにも情報公開されています。また、玄関に重要事項説明書(入園のしおり)を置き、入園説明会等でも運営内容・書類関係の説明を行っています。情報公開については十分でなく、課題を感じています。今回の第三者評価の受審結果は公表する予定です。地域に向けた発信は大切だと考えており、園の理念・基本方針・活動等を説明したパンフレット等で存在意義や役割を明確にしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人では経理規程を設定し、これに従って社会福祉法人の施設会計処理を行っています。職務分担表には、階層別に役割・職務内容が示され、権限が明確となっています。施設長は月次報告として、出勤簿、入所状況、保護者徴収簿、小口現金帳簿などを法人に報告しています。法人では、毎年度、監事による業務・会計監査を受けるほか、年間を通じて会計士による財務指導を受けています。日ごろから会計についての支援を受け、適正な事務処理、運営を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人理念の中で「地域社会と共生していきます」を掲げ、事業計画、保育園のしおり等に明記しています。地域のJAの畑を利用したさつま芋の苗植えや芋掘り、すいせんの球根を植える活動、冬のひまわり見学のお誘いなど、地域の方と一緒に楽しむ活動にも多く参加しています。寒川町のファミリーサポーターの会員養成講師として、地域支援をしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れマニュアルを整備し、ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明文化しています。保育園への理解を深め、地域社会との架け橋、窓口になると記載されています。事業計画に小・中・高校生等の社会体験・職場体験等への協力も明記し、実施しています。ボランティア受け入れマニュアルに基づき、関係機関と連携をとり、事前にオリエンテーションを実施して個人情報の取扱いなどを伝えています。実施後はアンケートを行い、結果を今後の実施内容に生かしてしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

園では、小児科などの医療機関や消防署、警察署、寒川町子育て支援課、寒川町子育て支援センター、寒川町ファミリー・サポート・センター等などの関係機関のリストを作成し、事務室に常備しています。リストについては職員会議等で、全職員が共有しています。特に、家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、速やかに行政や神奈川県中央児童相談所へ連絡が取れる体制を整えています。地域の課題解決に向けて、施設長会議や保育園事業者団体と協働して取り組んでいますが、その他の機関との連携に課題があります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

施設長は定期的に寒川町内の法人の園長会や事業者団体の地区会議に出席し、地域の保護者ニーズや福祉の現状、他の保育園の取組など、情報の収集に努めています。収集したニーズ情報は職員会議で共有し、地域の課題解決に向けて、園でできる活動などを検討しています。コロナ禍で一部制限はあるものの、「保育園で遊ぼう」では、育児相談、園庭開放、交流保育などを実施し、地域の親子との交流、支援に取り組んでいます。法人の強みを活かして多様な地域住民の相談に結びつけるなどしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に地域社会との連携や防災対策での連携を明示しています。地域のニーズに沿って一時保育に取り組んでいます。防災については、AED設置を掲示板で知らせたり、地域住民の避難所となることも視野に入れ、支援できる準備をしています。主任保育士が中心となり、地域の子育て家庭の居場所づくりとして、「保育園で遊ぼう」や園庭開放を行っています。地域住民の方にクリスマス会や、どんど焼きなどの行事のお誘いをしています。コロナ禍のため一部実施できていませんが、地域の方にお声がけ頂き、地域に出て芋苗植えや球根植えなどを行っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育方針に、子どもを人格のあるひとりの人間として尊重し、理解していくと掲げており、「保育園のしおり」に明示し、保護者に周知しています。また、園玄関や各保育室にも掲示し、保護者と職員の目に留まるようにしています。職員は年度初めの職員会議で基本方針・保育目標を確認し、職員間の保育観や人権尊重についての認識のすり合わせをしています。職員は法人内研修で、福祉サービスの基本理念と職業倫理の基本を受講して知識を得ており、職員全員で子どもを尊重した保育に取り組んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

プライバシー保護に関するマニュアルが整備されており、職員会議などで共通理解のもとに保育に努めています。身体検査や園庭でのプール遊びの際は、少人数で着替えるようにしています。玄関横にある子ども用トイレの外にスペースがあるため、トイレ後ズボンを外で履くことがあります。玄関横で来訪者もありますので、玄関から子どもが見えないようにする工夫が望まれます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のホームページは、写真を活用し保育内容や設備を視覚的にわかりやすく掲載しており、パンフレットは寒川町役場、健康管理センター、子育て支援センターに置き、必要な情報を積極的に提供しています。園見学の希望者には主任が対応しており、法人理念や基本方針が明示されたパンフレットに沿って、説明しています。園内の見学は午前中の1時間程度を目安としており、園内見学時は新型コロナウイルス感染防止に十分配慮して案内をしています。見学者からの質問などにも、一つひとつ丁寧な説明を心掛けています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園の際に、「保育園のしおり」で持ち物などをイラスト入りでわかりやすく明示しています。また、重要事項説明書に沿って保育施設の概要や保育における基本的なルールの説明を行い、個人情報の取り扱いなどについて意向確認・同意を確認しています。日本語に不慣れな保護者には、漢字にルビを振ったり、通訳の方に同席してもらって内容をわかりやすく説明するようにするなど、丁寧な対応を心掛けています。アレルギー疾患のある児童の受け入れ時は、保護者の要望や状況に応じて柔軟に対応するよう努めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

寒川町にある、 同じ法人の保育所への変更の時は、主任保育士会を利用して引き継ぎなどを行っていますが、他市町に転園する際の引き継ぎなどは行政が行っています。保護者には、転園や卒園した後も相談に応じることを口頭で伝えており、転園した先から問い合わせがあった場合は、必要に応じて保育の継続性に配慮した対応に努めています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、「明日も来たいな。と思える園づくり」を目指して取り組んでいます。保護者の意向を把握するため、個人面談を全員対象に上半期に1回、さらに希望者は下半期に1回行っています。行事後の感想などは連絡帳でやり取りしており、送迎時の会話から保護者の満足を把握するようにしています。日々の保育の中で子どもの表情や集中力、言葉などから子どもの気持ちを理解するように努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「保育園のしおり」に苦情解決の仕組みについて明示しており、入園時に説明しています。年度初めに、全家庭に、苦情解決の仕組みをフロー図でわかりやすく説明してあるお知らせを配布しています。園には、意見・苦情を受け付けた際の手順と受付書が定められており、対応と経過を詳細に記録し、職員会議等で職員に周知を図り、速やかに園全体で対応して取り組む仕組みを構築しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

日ごろから保護者と良好な関係を築けるよう心がけており、保護者からの相談や問い合わせには、いつでも対応しています。相談窓口が複数あることを周知しており、担任保育士に限らず、食に関する相談には調理師も一緒に相談を受けることがあります。アレルギー疾患児に提供される給食の代替えおよび除去食の相談や、離乳食の移行など、園と家庭で連携を図って進めています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

日頃から連絡帳や送迎時に保護者とのコミュニケーションを大切にし、相談や要望を述べやすい雰囲気づくりに努めています。玄関には意見箱を設置しており、意見・要望を言いやすい環境を整えています。保護者への周知方法など、意見を取り入れる仕組み作りが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

園では、4ヶ所に防犯カメラを設置しており、安全対策に取り組んでいます。また、事故対応マニュアルを定め、事故の予防と対応方法について手順を明確にしています。リスクマネジメントに関する委員会や責任体制の組織化は課題となっています。緊急時や災害時に落ち着いて対応ができるよう、電話機の近くにマニュアルを貼っており、いつでも誰でもが対応できるようにしています。事故報告書や、ヒヤリハット報告書は、職員会議などで情報共有しており、年度末に分析し対策を検討しています。緊急時、災害時は施設長や主任保育士が責任者となり、連絡体制を明確にしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対応マニュアルを定め、感染症の予防や発生時の対応方法について職員へ周知を図っています。法人では、基本業務マニュアルによる研修を行っており、職員全員が受講しています。園内研修では、嘔吐物の処理方法を確認しています。職員は、感染症予防のため、安全確認シートで玩具や室内の消毒の実施状況を確認しています。保護者には、園内での発生している感染症名や感染者数を玄関に掲示して情報提供しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

事業計画に防災計画が策定されており、毎月の避難訓練の項目と目標が明示されています。また、年1回、保護者の協力のもと、寒川町の小学校・幼稚園・保育園合同で、緊急時園児引き渡し訓練を行っています。アプリの登録と手順書を配布して、保護者、職員の安否確認の方法を定めています。園内に災害専用ダイヤルを設置しています。園では災害時事業継続マニュアルに基づき備蓄品リストを作成しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

寒川町内の法人の3保育園共通の保育マニュアルが整備されています。マニュアルは個別案件が中心であり、標準的な実施方法が盛り込まれていません。職員はマニュアルを1冊ずつ持っており、常に確認できるようにしています。マニュアルを共通理解しているため、担任以外の職員でも、いつでもフォローできる体制が整っています。日誌や指導案の反省を、主任保育士、施設長が確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

年度末に行事の検証や書類の見直しを行って、次年度計画に反映させています。保育の内容についてはクラス会議で話し合いを行い、リーダー会議や職員会議で情報共有しています。標準的な実施方法についてのマニュアルが整備されており、文書とイラストを使用して職員が共通理解できるよう工夫して作成しています。年度末には保護者アンケートを行い、保護者からの意見や要望などを検討する仕組みになっています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

入園時に保護者から提出された児童票で、子どもの成育歴や既往歴、発達課程などを把握しています。アセスメントを実施していますが、その手順や参加者などは明文化していません。保護者とは日々の連絡帳や登降園時の会話で家庭や園での様子を情報交換しています。把握された内容は職員会議等で共有しています。子ども一人ひとりに配慮した指導計画を適切に作成しています。アレルギー疾患児には栄養士や調理員も参加し見直しを行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

週案は毎週、月案は毎月、クラス会議で話し合い見直しをしています。年齢毎に1年の期を変えており、0歳児は12期(毎月)、1、2歳児は7期(4月と5月移行は2ヶ月単位)、3~5歳児は4期に分けて反省と振り返りをしています。子ども・保護者のニーズを把握するアンケートを年1回行っていますが、見直し時期によっては保護者の希望や要望が取り入れられずにいます。指導計画の見直しにあたり、保護者の意向を把握する仕組みの検討が望まれます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの保育内容は個別に記録しており、適切に保管されています。個人別指導計画や保育経過記録には、発達状況や生活状況も記録しています。職員により記録の書き方に差異が無いよう、園内で記録の書き方の研修をクラス会議・年齢会議で行っており、適切な保育情報の記録を行っています。記録は、主任保育士、施設長が確認して、職員会議などで情報共有しています。今は紙媒体を主にしていますが、電子媒体など迅速に情報共有できる仕組みの検討が望まれます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人では、個人情報に関する基本方針を、園では、個人情報の利用目的について定めています。保護者に個人情報の利用目的を示したうえで、個人情報の使用に係る同意書を提出してもらい管理しています。子どもに関する記録の管理体制を整えて適切に情報管理をしており、入園から退園までの期間保管しています。職員の心得にも個人情報についての記載があり、職員全員が法人内研修の個人情報保護研修を受けています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、園の保育目標「元気にあいさつができる子ども」「心身ともに元気でおもいやりのある子ども」に基づいて作成しています。子どもの発達過程、子どもの家庭状況や保育時間、地域の実態なども考慮され、全体的な計画から年間計画・月間計画・週間計画へと落とし込んでいます。担任は、日頃から子どもの様子を観察し、職員間で情報共有しています。年度末にはクラス会議で振り返りを行い、次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

室内の温度、湿度、換気、採光などの環境について、常に適切か考えながら保育に努めています。日頃から、換気や玩具の消毒など衛生管理に気を配っています。毎日の掃除は職員で分担し、掃除当番表をつけて管理しており、掃除状況を見える化しています。園の設備や用具、エアコンフィルター掃除、網戸の修理は職員が行い、カーテンなどは専門業者に依頼するなど衛生管理に努めています。今年度は内装工事を行い、床や廊下がクッション性のある床材に、トイレの床は乾式に変更しました。0・1歳児の保育室は床暖房を設置しており、日当たりも良く、心地よく過ごせるよう整備されています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時に提出してもらう児童票をもとに、発達過程や家庭環境に応じて、子ども一人ひとりに個人差があることを理解し尊重した保育に努めています。0、1歳時は毎日連絡帳で園と家庭での様子を情報交換し、園と家庭での連続性に配慮した関りをしています。職員は子どもに優しく穏やかな口調で関わり、子どもたちが安心して自分の気持ちを表現できる環境を整えています。表現することが苦手な子どもには、時間をおいて個別に話を聞くなど、気持ちを汲み取るよう努めています。クラスの情報は担当職員間で常に共有しており、ミーティングノートに記録し、職員会議で全体共有しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、生活に必要な基本的な生活習慣を身につけられるよう、1日の保育の流れをルーティン化しています。指導計画は、子ども一人ひとりの発達に合わせて、排泄、着替え、食事など日々の生活習慣を身につけられるよう計画を立てています。基本的な生活習慣を身につけるには個人差があるので、保護者とは連絡帳や受け入れ時の会話などを通して連携しながら、子ども一人ひとりに適した活動と休息のバランスが保たれるように配慮しています。手洗い場には、子どもが手を洗うことの大切さについて理解できるよう、手の洗い方に関するチラシを貼っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

園では、子どもたちが自主的・自発的に遊びを選択できる環境を整えています。園の廊下の空きスペースには、誰でも使えるように玩具が置いてあり、自由に遊べるようになっています。園には、園庭と第2グランドがあり戸外で遊ぶスペースが十分にあります。園庭には花壇があり、乳児が外に出て日なたぼっこを楽しんでいます。第2グランドでは幼児がボール遊びや巧技台・ハードルなどで、思いきり体を動かして遊んでいます。日々の生活とは別に行事を通して、集団の中で友だちとの関係を育み、協力して活動できるように保育をしています。新型コロナウイルス感染症の影響で、地域の方々との交流行事が開催できずにいますが、第2グランドの周りは住宅で囲まれているため、遊んでいると地域の方が声を掛けてくれたり、挨拶を交わすなど日常的な関りがあります。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児の年間保育目標は、「一人ひとりの生活リズムを整え、保健的で安全な環境で過ごす」となっています。0歳児が長時間過ごす場であるという意識のもとで環境設定を行っています。発達の個人差が著しい時期のため、入園時に児童票の他に生活の記録や食材一覧表を提出してもらい、家庭との連携を図っています。言葉で表現できない子どもの表情や発声を大切にし、愛着関係(情緒の安定)が持てるよう、できる限り同じ職員が関わるように配慮しています。登園時には保護者が保育室で手拭きタオルの準備などしながら、子どもの様子を職員と情報共有しています。職員はゆったりとした言葉がけやスキンシップをとりながら、日頃からよく観察しており、表情や仕草などからも体調に配慮しています。離乳食の提供では、事前に献立表を保護者へ渡し、初めて食べる食材の確認をし、予め家庭で試すように依頼をしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体の計画や指導計画のもと、身の回りの事や遊びの中で、子どもが自発的にしようとする気持ちを尊重しています。自我の育ちに関しては、自分でできることが増えてくる時期なので、子どもが自分でやりたいというサインを受け取ることを大切にし見守っています。園では、2歳児から上履きを履いて生活をするようにしています。毎日の保育の様子は写真に撮ってプリントしており、その日の保育内容を保護者に見てもらえるよう玄関に掲示しています。保護者とは毎日の連絡帳で情報共有しており、子ども一人ひとりの様子を把握しています。把握した情報は担任間でスムーズに申し送りされています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

集団の中で、遊びを中心とした活動に取り組めるような環境を整えています。「できたね。」「がんばったね。」と認め、気持ちに寄り添う言葉を掛けています。その日の体調や気分によって、集団の生活に馴染めない時は、個別に事務所で半日過ごせるように配慮し、子どもの気持ちを大事にしています。運動会や保育発表会では、自らやりたいと思えるような声がけをしています。体で表現することが苦手な子も相談しながら、個性が生かされるような参加の仕方を工夫しています。職員は、制作遊びの中で道具の正しい使い方を指導しており、ハサミやノリなどを使っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもの受け入れには、寒川町の福祉課や地区の相談支援事業所と連携を図っています。日々の保育は個別指導計画を作成し、職員会議で全体共有して担任以外の職員にも周知しています。必要な時には関係機関から保育士の関わり方やなどの助言を受けています。障害児保育の研修に参加した職員は、園内研修で受講していない職員に情報提供しています。別室など落ち着いた環境の中で個別対応を行うこともありますが、本人の気持ちを優先してクラスで無理のない範囲で安心して過ごせるよう配慮しています。園はエレベーターの設置がない為、車いす生活の子どもの保育では、職員が2階まで抱きかかえて対応しています。安全面での検討が期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

職員は、子ども一人ひとりの保育時間を把握し、長時間の保育がストレスにならないよう、家庭での生活リズムも考慮して過ごせるようにしています。子どもの状況に応じて職員が一対一で対応をすることもあります。保育の引き継ぎを適切に行うため、その日の子どもの情報は、送迎者や保育時間を毎日クラス名簿(レシート※子どもの登園時から降園時までの様子が個人単位で記録されているものを、細長いレシート用紙に記録しています)に記録しています。会議録や連絡ノートと、さらに口頭でも職員間で引き継ぎを行い、お迎え時に保護者に子どもの様子を伝えられるようにしています。また、子どもの様子に加え保護者の様子にも配慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

5歳児の年間指導計画に、小学校との連携や就学に向けた取組、職員の配慮事項が盛り込まれています。年間を通して小学校生活を見通した保育内容となっています。時間を意識する声がけは4歳児から継続して行っており、立ったまま靴をを履く練習や、立って着替えをするなど就学後に困ることのないよう指導しています。小学校見学も予定していますが、散歩の際に近隣の小学校の前を通り、校庭や小学生の様子を見学するなどの活動を意図的に取り入れています。懇談会や個人面談などで、小学校以降の子どもの生活について、保護者も見通しが持てるよう働きかけています。個々の子どもの様子については、施設長の責任のもと、関係する職員が参画し保育所保育要録を作成しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、マニュアルに基づき健康管理を行っています。入園時に「保育園のしおり」を保護者に配布しており、感染症について、感染しやすい期間と登園の目安を一覧にしています。入園時に児童票にて、アレルギー疾患、既往症や予防接種の状況、検診の受診状況を把握しています。追加接種した予防接種については、保護者からの連絡により児童票に追記しています。保健計画、指導計画を作成し、季節の感染症などの発生状況や感染者数は玄関のボードで毎日情報提供しており、家庭での予防対策を依頼しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する知識を全職員が学んでおり、保護者には入園時に説明し、園内にポスターを掲示しています。睡眠時呼吸チェック表で睡眠時の呼吸チェックを、0歳児は5分おきに、1歳時は15分おきに手を胸に当てて上下しているか、顔色と体位を確認し記録しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断は年2回、歯科健診を年1回実施しています。歯科健診に関しては、コロナ禍の感染防止対策のため医師が使用する手袋を一人ひとり付け替えて行い、安全対策を十分に行って実施しています。結果は保護者にも伝え、家庭での健康管理に役立てるよう配慮しています。身体測定は毎月行っており、身体検査表で保護者に知らせています。職員は健診の結果を把握し、職員会議で共有し、保健計画や日々の保育に反映しています。健康診断の日程は保護者に事前に伝えていますが、やむを得ず欠席した場合は、職員が後日、保育時間中に嘱託医へ同行して健康診断を受けています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育所におけるアレルギーガイドライン」を整備しています。アレルギー疾患のある子どもは医師の生活管理指導票に基づき、栄養士、調理員、主任保育士、担任、保護者でアレルギー会議を行い、保護者に食べることができる食材を確認してもらっています。また、アレルギー疾患のある子どもは毎年アレルギー検査を受けてもらい、その結果を反映した指示書を提出してもらっています。保護者に個別のアレルギー児献立表を毎月確認してもらい連携をとっています。配膳の際は、食器の色を変え、お盆や食缶に入れて他児と区別しており、誤食防止や安全のため食事中は職員が付き添っています。代替食は通常メニューと見た目が変わらないように配慮して提供しています。職員は、アレルギー疾患や慢性疾患についての外部研修に参加し、職員会議で他の職員にも情報共有しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

年間給食食育計画表を作成しています。毎月の食事目標を設定し、指導計画で年齢や季節に合った食育に関する取組を明示しています。毎月、同じ法人内の3保育園の栄養士・調理員・主任が集まって献立会議を実施しています。会議では、毎日の給食日誌で喫食状況を確認し、子どもが食べづらいメニューの提供方法の改善、検討を行うなど情報交換をしています。園では野菜を栽培し、収穫したり、調理前の食材を見たり触れたりするクッキング保育を取り入れており、食事への興味を促しています。子どもの様子を見ながら、食べられるものが少しずつ増えて食事が楽しくなるように配慮しています。玄関横の給食室前にその昼食のメニューを展示し、産地食材一覧表を掲示しています。人気メニューのレシピを作成し、保護者が持ち帰れるようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

離乳食は家庭で試した食材だけを使用し、形状も一人ひとりの発育に応じて調整しています。離乳食の移行時期などは保護者からの情報やその子どもに携わる職員全員で話し合い、次のステップに進めています。同じ法人内の3保育園の栄養士が集まって毎月離乳食会議を行っており、離乳食の献立を立てています。月に一度食育の日には、調理員が保育室に入り、食事の様子を見ています。食に関連したクイズなどで、例えば「ひじき」など目立たない食材に興味を持たせ、食欲に繋げています。献立は季節に合ったメニューになっており、1月の七草の日は、朝に実際の七草を見てからおやつに食しています。調理室は日々の点検に加え、害虫駆除、冷蔵庫点検を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園の際に園生活について丁寧に説明をしています。園は日ごろから保護者とのコミュニケーションを図るように努め、登降園の際に挨拶し声がけを行っています。また、連絡帳を利用するなど、情報交換を行っています。園だよりや年齢だよりを発行し、行事前には詳細についてお知らせで伝えています。運動会や、発表会、個人面談、懇談会など保護者の集まる場所では、保育生活の様子や、子どもの成長を共有できる良い場になっています。個人面談・懇談会で得た情報は個人面談記録や懇談会記録に記入し、職員間で共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では保護者との日々のコミュニケーションを大切にしています。日ごろから気軽に相談できる雰囲気づくりを心掛け、保護者の気持ちに寄り添って対応し、信頼関係の構築に努めています。個別に相談を受ける際は、必要に応じて部屋を用意し、保護者の都合に合わせて日時を設定して対応しています。栄養士や調理士が同席することもあります。送迎時や連絡帳を通じて、保護者の悩みごとや困っていることなどを把握し、声がけを行ったり、保護者の思いを傾聴したりするなどしています。保育士は、保護者の重荷になるようなアドバイスはしないようにしています。受け付けた相談内容は、日誌や個別の面談記録に記録し、継続的に支援を実施できるようにしています。 相談を受けた保育士が、園長や主任からアドバイスを受けられる体制があり、適切に対応しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

入園時の提出書類や個人面談等を通じて、子どもの家庭の状況・生育歴を把握しています。送迎時の様子や、着替えの時の視診、子どもの言葉からも様子を知り、気になる怪我や傷があった時には、その都度保護者に確認するなど、変化を見逃さないようにしています。気になることが見られた時は、園長に報告し、記録を残しています。虐待の疑いや、虐待が明白になった場合には、速やかに行政や神奈川県中央児童相談所へ連絡を取る体制を整え、必要な情報を職員会議等で共有しています。虐待等権利侵害になる恐れを感じたら、保護者の心身状態を見ながら気持ちに寄り添い、ゆっくり話せるような機会を作るようにしています。職員には、虐待に関する園内研修を実施し、知識を深めています。また、マニュアルの読み合わせを行い、虐待について理解を深め対応できるようにしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は主体的、定期的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めています。職員は個人の振り返りを基に、法人独自の自己評価表を使って振り返りをしています。職員会議で内容を共有し話し合いをしています。自己評価結果をまとめ、園の課題を明確化し、課題事項は園内研修につなげています。自己評価にあたっては、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの育ち、意欲や取り組む過程に配慮しています。職員一人ひとりが、課題を明確にして、園のめざす保育の実現に向けて取り組み、園としての自己評価につなげています。