社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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三田かしのみ保育園

2025年12月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研Advance

② 施設・事業所情報
名称 三田かしのみ保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 130 名
所在地 214-0034
川崎市多摩区三田1-18-3
TEL 044-932-2111 ホームページ https://www.mitakashinomi.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人かしのみ福祉会
職員数
常勤職員:31 名
非常勤職員:19 名
専門職員
保育士:39 名
栄養士:2 名
看護師:3 名
調理員:4 名
事務員:1 名
用務員:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室10室、調理室、 事務室、
    保健室、談話室、 更衣室、ホール
設備等:園庭、屋上、 1・2階デッキテラス、
    エレベーター、駐車場、 駐輪場、
    シャワー室、 教材室、トイレ、書庫、
    ホール

③ 理念・基本方針
<保育理念>
多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が個人の尊厳を保持しつつ、心身ともに健やかに育成されるよう支援することを目的とします。

<保育方針>
・子どもの一日のリズムを大切に考え、健康・安全など生活に必要な基本的生活習慣を養う。
・保護者、保育者との安定した関係を築き、子どもの情緒の安定を図る。
・友達とのかかわりの中で、思いやりや憧れの気持ちを育てていく。
・一人ひとりの子どもの良いところに目を向け、認めながら伸ばしていく保育をすすめる。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 園は、閑静な住宅街にあり、3階建ての園舎で、広々とした園庭を有しています。
 園庭には「メルヘンタワー」(大型遊具)や砂場があるほか、田んぼや畑のスペースがあり、お米や野菜の栽培を食育活動の中で実践しています。2階のテラスもボール遊びや三輪車などで体を動かして遊べる広さがあり、同じく2階のグリーンテラスにある手作りのビオトープでは、メダカの飼育を行っています。3階のホールは、日常的な遊びや活動に使用しているほか、運動会や発表会、卒園式などを行っています。4、5歳児クラスの外部の専門講師による「体育」の活動も園庭やホールを使って行っています。1階の「絵本の森」には、子どもの目線で様々な種類の絵本が並び、小さな空間のスペースにあるベンチに座って、じっくりと絵本を楽しめるようになっています。
 保護者に対しては、保育参観を通して、園での子どもの様子を見てもらっているほか、活動の様子をドキュメンテーションにしてクラスごとに連絡用アプリで配信して子どもの成長を共有しています。
 法人には、子どもの発達に関する助言や相談を行う「保育アドバイザー」がおり、毎月の巡回相談で助言を受け、保育の実践に生かせるようにしています。
 地域に向けた子育て支援の取り組みとして、一時保育や育児相談、園庭開放を実施しており、暑い時期は、園庭ではなくホールを開放しています。また、未就学児の親子を対象にして、多摩区の公私立認可保育園が主催している「ママとあそぼうパパもね!」に参画し、職員が出張保育を行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2025/04/21(契約日) ~2025/11/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◆係の活動を通して、職員が主体的に園運営に関わる仕組みを構築しています 
  園では「安全係」「図書係」「防災係」「保健・衛生係」「地域支援係」「給食・食育係」を設置して、担当職員を配置し、安全な環境づくりや地域の子育て支援の強化、保育活動のさらなる充実に向けて、取り組みを進めています。各係では、適宜会議を実施して、活動内容の方向性や課題の改善策などについて職員間で意見交換を行っています。例えば「地域支援係」では、子育てに悩んでいる地域の保護者のための「かかりつけ保育園」になることや「選ばれる保育園」となるために、園の存在意義や役割を地域に伝えるための方法を検討しています。このように、チームによる係の活動を通して、職員が主体的に園運営に関わる仕組みを構築しています。

◆保育実践の振り返りを生かして、さらなる保育の質の向上を目指しています
 毎月の乳児会議と幼児会議では、多摩区の「振り返りリスト」を用いて、子どもが遊びたくなる環境づくり、子どもの主体性を尊重した関わり、プライバシーを大切にした言動などについて、各自の保育実践やクラス全体の保育のあり方を振り返り、互いの気づきを伝え合っています。また、職員個々の自己評価を3月に実施し、園長との面談を行って、頑張っていることや課題などを確認しています。年度初めには、職員一人ひとりが、年間の目標とその目標を達成するための取り組み内容、受講したい研修などを設定しています。このように、保育実践の振り返りを通して、個々の目標を具体的に設定し、意欲的に保育の質の向上を目指せるようにしています。


⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価の受審にあたり、全職員で園の運営全般について振り返り、客観的に見つめる貴重な機会となりました。
 訪問調査やフィードバックでは、保育内容だけでなく、マニュアルの整備、地域との連携、職員間の信頼関係などについてお褒めの言葉を頂き自信に繋がりました。同時に課題点もいくつか明らかになりました。今後は職員間で話し合いながら、中・長期計画の策定、園の自己評価、その他ご指摘のあった事項を計画的に進めていきます。時代のニーズに合わせて対応していく必要性も感じています。
 保護者アンケートでは、多数の方から貴重なご意見、励ましのお言葉を頂きました。その一つ一つを真摯に受け止め、共有していきます。あらためて感謝申し上げます。
 これからも子どもを真ん中にし、保護者との信頼関係を大切にしながら、安心、安全な、笑顔のあふれる保育園を目指して努力していきたいと思います。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 園のホームページやパンフレットに保育理念、保育方針、保育目標を掲載し、園の目指す方向性や考え方を明らかにしています。職員には、入職時の研修のほか、4月の全体会議で保育理念、保育方針、保育目標を周知しています。また、年度の中間時期などに乳児会議や幼児会議、リーダー会議で保育方針に沿った保育が実践できているかを確認し合っています。保護者に対しては、入園説明会で「保育園のしおり・重要事項説明書」に沿って説明するほか、年に2回実施しているクラス懇談会で、保育理念や保育方針に沿った各クラスのねらいを説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、多摩区公私園長会や系列園の園長が出席する法人の園長会に出席し、社会福祉事業全体の動向や福祉計画の内容などのほか、地域の子どもの数の推移や保育ニーズなどについて情報を収集し、分析しています。また、川崎市や多摩区から提供される情報を収集して、0歳児保育の需要などの動向について分析しています。法人で契約している公認会計士と系列園を統括している統括園長が、定期的に園を訪問し、園におけるコスト分析や利用率の分析を行って園長と共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、経営状況について現状分析を行い、安定的な利用者確保や危機管理の徹底、保育の質の向上などを課題として捉えています。園の経営状況や経営課題については、毎月園を巡回している統括園長と共有し、法人の理事会や園の状況や課題などについて話し合っています。園長は、安定的な利用者確保に向けて、選ばれる園となるために、職員として求められる姿や保育内容などの課題について職員に周知しています。また、園長は、主任や副主任、乳児リーダー、幼児リーダー、栄養士、看護師から、幅広く意見を聞き、経営課題の解決や改善に取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 経営や保育に関する、中・長期の事業計画、収支計画は策定されていませんが、保育理念や保育方針、保育目標の実現に向けた取り組みとして、統括園長と園長、主任、副主任、乳児リーダー、幼児リーダーで構成する運営会議で、保育の質のさらなる向上、職員の計画的な育成、施設設備の整備などを中・長期的な視点で検討し、単年度の事業計画の策定につなげています。今後は、法人と連携を図り、保育理念や保育方針の実現に向けた目標を明確にして、中・長期の事業計画と中・長期の収支計画を策定することが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 単年度の事業計画と収支計画を策定しています。事業計画には、クラス編成、年齢ごとの保育目標、主な年間の行事予定、健康管理、安全管理、職員構成、研修計画、各種係の活動、退職・福利厚生、修繕設備計画、災害対策、特別保育事業、保護者との連携、地域との連携などの項目ごとに取り組み内容や目標を設定するなど具体的に記載しています。今後は、中・長期計画を策定し、その内容を反映して、単年度の事業計画を策定することが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

 単年度の事業計画は、園の保育の方向性を踏まえた活動内容や行事の企画などを中心に運営会議で話し合い、その内容を園長が取りまとめて策定しています。事業計画は、5月に開催される法人の理事会で報告し承認を得ています。各クラスの保育実践の振り返りや行事後の反省会などを通して、事業計画の評価と見直しにつなげ、年度末に向けて事業報告を作成し、次年度の計画作成に生かしています。園長は、事業計画について職員がより理解を深められるようにリーダ―会議や全体会議で周知しています。今後は、事業計画の実施状況を評価する時期や手順を明文化されると良いでしょう。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 単年度の事業計画の主な内容は、入園説明会で保護者に説明しているほか、在園児の保護者にはクラス懇談会で当該年度の保育の目標や保育の方向性、安全管理、地域との連携などを説明しています。また、事業計画書は「閲覧ファイル」に綴じて玄関に設置し、保護者がいつでも閲覧できるようにしています。年間行事などは「保育園のしおり・重要事項説明書」に掲載して入園説明会で説明するほか、在園児の保護者には「保育園のしおり・重要事項説明書」を連絡用アプリで配信して周知しています。また、行事開催について詳細が決まり次第、園だよりに掲載して伝えています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

 園では、保育の質の向上を目指して、年齢ごとの年間指導計画のほか、乳児クラス、幼児クラスの全体食育計画、健康管理年間計画、年間行事計画などを作成しています。各計画に基づき保育活動や取り組みを実践し、乳児会議や幼児会議などにおける職員間での話し合いに基づいて評価を行う体制を整備しています。第三者評価は5年に一度受審し、結果は運営会議、リーダー会議、職員の全体会議で共有し、分析や検討を行っています。今後は、園としての自己評価を年に1回以上実施して、評価結果の分析を行うことが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

 園長は、第三者評価の結果やそれに基づく課題についてファイルを作成しています。提示された評価結果は、乳児会議や幼児会議、運営会議、全体会議などで職員に報告し、内容を共有しています。明確になった課題については、各種会議で話し合い、改善策を検討しています。改善策や改善の実施状況については、主任や副主任、乳児リーダー、幼児リーダーが保育の実態を確認したり、各種会議で進捗状況を聞いたりするなど実施状況の把握を行っています。今後は、園としての自己評価を実施し、課題を明確にして、園の改善に向けた取り組みを計画的に行うことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、園の経営や管理に関する方針と取り組みについて、事業計画で明確に示しており、自らの役割と責任、職務内容については「職務分担表」に記載して、年度初めの全体会議で職員に説明を行っています。また、「職務分担表」には、職種ごとの役割と業務内容などを記載し、職員間で相互理解を図れるようにしています。災害時や事故発生などの有事における園長の役割と責任のほか、園長不在時の権限委任については、主任、副主任が代行することを「事業継続計画」に明記して職員に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、多摩区公私園長会の研修に参加しているほか、法人の園長会で情報を収集し、法令遵守に関する知識を深めています。また、園の「運営規程」や「業務管理体制整備規程」に基づき利害関係者との適正な関係を保持しています。環境への配慮に関する法令等も把握し、ごみの分別などについて、子どもに分かりやすく伝えています。法人の園長会で研修したハラスメントに関する内容などを全体会議などで周知したり、遵守すべき法令等について、各会議で意見交換するなどの機会を作り、職員が共通理解を深められるように取り組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長は、リーダー会議で保育実践の状況について報告を聞いているほか、保育日誌などの記録から、園における保育の質の現状について把握して評価、分析を行っています。課題は、主任や副主任、乳児リーダー、幼児リーダーと共有し、保育の現状や課題などについての意見交換を通して、改善策を具体化できるよう指導を行っています。また、職員個々の資質や能力に応じた課題について、必要に応じて個別に指導や助言を行っています。保育の質の向上に向けて、必要な知識を身につけられるよう、外部の講師を招くなどして、園内研修の充実化を図っています。。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、園の現況を踏まえて分析を行っています。法人が契約している社会保険労務士や統括園長と連携して、円滑に業務が遂行できる人員体制を整え、働きやすい職場づくりに努めています。職員からの意見や提案を聞いて、リーダー会議で検討する仕組みを構築しており、保育業務支援システムのより有効的な活用方法や、事務業務の実施方法などについて、職員からの意見や提案に基づいて、リーダー会議で協議しながら、業務の効率化に向けて取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 福祉人材の確保と人員体制の基本的な考え方を事業計画に明記しています。園では、保育の提供に関わる保育士のほか、栄養士、調理師、看護師、事務職員、用務職員が常勤しており、それぞれの専門性を生かしながら、互いに協力して業務を遂行する体制が確立しています。福祉人材の確保は、川崎市福祉人材バンク主催の「保育のお仕事相談会」へ参加しているほか、本園で実習を行い、職員に採用になった実績があり、実習生の出身大学や専門学校への訪問を行って連携を強化しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 保育理念と保育方針に基づき、期待する職員像を「三田かしのみ保育園の職員としての心得」や「子ども理解に当たって意識して欲しい事」に定めています。人事基準については「就業規則」に定めており、職員に周知するとともに、いつでも閲覧できるようにファイリングしています。職種ごとに設定されている「自己評価表」を用いて各自が自己評価を行い、園長による評価を記載しています。処遇改善については、職員との個人面談で意向や意見を把握して、必要に応じて法人に報告し、改善に向けて検討しています。キャリアパスの仕組みとして「三田かしのみ保育園の指標」を作成し、職員に周知しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 園長は、日々の勤怠管理業務を行い、有給休暇の取得状況や時間外労働など、就業状況について把握しています。主任と連携して、職員の希望に考慮したシフト調整を行うなど働きやすい職場づくりに努めています。園長や主任、副主任は、職員の様子に応じて声かけを積極的に行って細やかに対応しています。園では職員同士の人間関係を大切にしており、互いに支え合う職場づくりに努めています。園長は職員との個人面談で、働き方に関する意向や希望を聴取するなどワーク・ライフ・バランスに配慮しています。家庭状況などに合わせて勤務時間を考慮した準職員の雇用制度を設けるなど工夫しており、定着率の安定化につなげています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員個々の自己評価を年度末に実施して、園長との個人面談で、自己評価の結果と年度初めに設定した目標の達成度について確認しています。自己評価の結果を踏まえて、職員個々が次年度の目標を設定し、園長に提出しています。年度の中間時期には、園長との面談を行ったり、園長から声かけをしたりして、目標の進捗状況を確認しています。園長は、職員一人ひとりとのコミュニケーションを大切にして、必要な時には、いつでも面談に応じており、業務遂行や資質向上の課題を把握して、一人ひとりに合わせた育成に努めています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 「三田かしのみ保育園の指標」に勤務年数ごとに必要とされる専門技術を明記しています。「研修計画」には、保育士の経験年数、看護師や栄養士事務職員などの職種別に必要な研修内容を明記して、園内研修の実施や外部研修の参加調整を行っています。園内研修は、職員の実態に応じて必要な内容の研修を実施しており、外部研修は、キャリアアップ研修のほか、川崎市や多摩区が主催する研修に参加するなどして、専門技術が習得できるようにしています。園長、主任、副主任が中心となり、緊急性のある内容などの研修を組み入れるなど、研修内容を見直しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 園では、個別の職員の研修受講記録や資格取得状況を文書で管理しています。入職時のオリエンテーションは主任が担当し、新任職員の経験年数などを考慮して、指導を担当する職員を配置し、個別的なOJTを実施する体制を整備しています。園内研修では、職員として必要な基本的な内容の研修を実施するほか、外部講師を招き「子どもの心が動く環境づくり」をテーマに保育の専門性を高める研修も実施しています。外部研修に関する情報は、職員に周知して参加を奨励しています。職員の研修受講状況などを考慮し、研修の機会を促す体制づくりに努めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 実習生の受け入れに関するマニュアルに、実習生の育成に関する基本姿勢を明文化しています。また、実習生の進め方や配慮事項などを明記しています。指導担当の職員は、実習生が、保育士としての楽しさや、やりがいを実感できるよう努めており、未来の保育士を育てる意識を持って指導に臨んでいます。指導担当者には、実習生に行うオリエンテーションも含めて指導方法について園長や主任から助言しています。学校側と連携して実習プログラムを作成し、担当者の訪問時には実習の様子や課題について共有しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 園のホームページに、保育理念、保育方針、保育内容、予算、決算情報を掲載し、園の役割や特徴について公開しています。また、第三者評価の受審結果や苦情、相談の内容についても公開しています。多摩区の「ママとあそぼうパパもね!」の出張保育に参加し、地域に対して園の存在意義や役割を明確にしています。地域に向けて、一時保育の受け入れや、園庭開放、育児相談などを行い、参加者にパンフレットや園だよりを配布しています。今後はさらに、事業計画や事業報告をホームページに公開されると良いでしょう。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 園では、「経理規程」を定め、事務、経理、取り引きなどのルールを明示しています。また、「職務分担表」に、園長や主任、副主任、事務職員などの事務や経理業務に関する職務分掌や権限、責任を明記して、職員に周知しています。園の事務、経理、取り引きなどについては、5月に監事監査を実施するほか、法人が契約している公認会計士に月次報告を行って指導を受けています。指摘事項があった場合は、助言に基づいて、適切な事務、経理が遂行できるよう、改善に取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 「運営規程」の地域活動事業の項目で、地域との関わり方について基本的な考え方を示しています。地域の医療機関や療育機関などのパンフレットや地域の情報などのチラシを常備して、保護者に情報を提供しています。多摩区主催の「保育まつり」に5歳児が参加しています。また、年に1回、近隣の高齢者施設を5歳児が訪問して交流しているほか、月に1回来園する地域のシニアボランティアとも、定期的に交流する機会を設けています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 ボランティア受け入れに関する基本姿勢と学校教育への協力についての基本姿勢は「マニュアル外部対応(ボランティア)」に明示しています。マニュアルには、具体的な内容や準備などを示しています。受け入れに際しては、有意義なボランティアになるようにオリエンテーションを行い、子どもと関わる時の注意事項などを説明しています。園では、月に1回、地域のシニアボランティアが来園し、子どもに絵本の読み聞かせを行ってもらっています。また、高校生などの保育ボランティアやインターンシップのほか、近隣の中学校と連携して、職場体験や保育体験を受け入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域の関係機関である川崎市こども未来局保育子育て推進部、川崎市北部児童相談所、川崎市北部地域療育センター、多摩区子育て支援センター、近隣の医療機関などの一覧表を作成しています。また、病児・病後児保育施設の情報をホームページからリンクできるようにしています。必要な場合は、いつでも対応できるように職員間で情報を共有しています。園では、虐待等権利侵害が疑われる事案が生じた際は、川崎市北部児童相談所、多摩区地域みまもり支援センター、多摩区の保健師やソーシャルワーカーとの四者会議を行って、協議しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、多摩区公私園長会、法人の園長会に出席するほか、多摩区の子育て支援のイベントなどに参加して、地域の民生委員から地域の情報を聞き、地域の福祉ニーズや生活課題の把握に努めています。園では、育児相談を実施しているほか、園庭開放や一時保育で来園する地域の保護者からの相談に対応し、地域の状況を把握するよう努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域で把握した福祉ニーズに基づき、5歳児が地域の高齢者施設を訪問し、世代間交流を行っているほか、一時保育の受け入れを行い、地域の保護者の精神的負担を軽減する役割を担っています。こうした取り組みは、事業計画に記載して計画的に取り組んでいます。また、子ども110番やAEDの設置を知らせるステッカーを園前に掲示して、地域に貢献できるよう努めています。多摩区の「ママとあそぼうパパもね!」に職員が参加し、育児相談に対応したり、遊びを提供したりして専門的な情報を地域に還元しています。防災対策では、備蓄品の提供や施設開放など可能な範囲で地域に向けた協力を行う体制を整備しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人が掲げる保育理念、保育方針に子どもを尊重した保育について明示しています。多摩区公私立保育園が協同で作成した「振り返りリスト~子どもの人権を尊重する保育のために私たちが大切にしたいこと~」を用いて職員間で話し合いながら振り返りを行っています。子どもを尊重した保育の基本姿勢は、年齢ごとの年間指導計画の年間目標などに位置付けられています。また、子どもへの対応については「三田かしのみ保育園の職員としての心得」に、子どもへの声かけや配慮する内容などを明記して保育に反映しています。国や地域で文化の違いなどがあることを受け止め、互いに尊重する心を大切にすることを子どもたちに伝えています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

 子どものプライバシー保護に配慮した職員の姿勢については「個人情報保護とプライバシー保護のマニュアル」に明記しています。職員は、マニュアルに基づき、子どものプライバシーに配慮した保育への意識を持って実践しています。着替えの際はカーテンを閉める、おむつ替えの際はパーティションを置く、水遊びでは道路に面した柵に目隠しの布を掛けるなどして配慮しています。また、4、5歳児クラスでは、看護師からプライベートゾーンについて分かりやすく伝えています。園での取り組みについては、クラス懇談会で保護者に伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 園のホームページに、保育理念、保育方針、保育目標、保育内容、園の一日、年間行事などを掲載しています。子どもたちの活動風景や製作品、地域支援の取り組みの様子を写真を用いて紹介しています。毎月の献立表や園だよりも掲載して園の様子が伝わるよう工夫しています。園見学の日程や園庭開放の日程、一時保育の利用方法を分かりやすく掲載し、電話での問い合わせに丁寧に対応しています。園のパンフレットは、多摩区の子育て支援のイベントで配布しています。見学対応は、主任と副主任が担当し、パンフレットに沿って園の保育の特色などを丁寧に説明しています。ホームページとパンフレットの内容は適宜見直しを行って更新しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園説明会を開催し「保育園のしおり・重要事項説明」に沿って、説明を行っています。準備する持ち物の実物を見てもらいながら、名前の付け方などを分かりやすく説明しています。個人面談では、慣れ保育の資料に沿って説明し、保護者の意向や就労状況、子どもの様子に応じて相談しながら進めていくことを確認し合っています。説明後は、保護者から同意書を受領しています。進級時には「保育園のしおり・重要事項説明」を在園児の保護者に連絡用アプリで一斉配信しています。日本語での会話が難しい場合は、重要事項説明書にルビを振り、個別に対応することとしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 転園先に引き継ぎを行う際の手順と所定の文書を用いて引き継ぐことを「退園・転園時の手順」に明記しています。転園後の相談対応は、園長や主任、元担任の職員が中心となって行っており、転園時に保護者に「メッセージカード」を渡して、いつでも相談に対応することを伝えています。卒園後の相談対応については、卒園前に発行するクラスだよりに掲載して保護者に伝えることとしています。入学式の日には、卒園児とその保護者がランドセル姿を見せに来園することが、毎年恒例となっており、卒園後も良好な関係性を継続しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 職員は、日々の保育の中で、子どもを観察し、子どもの状況を理解し、気になることがあれば柔軟に対応しています。職員は、送迎時に子どもの様子や園生活について、保護者に伝えるとともに、質問に丁寧に対応しています。保護者に声かけをすることや、年に2回実施するクラス懇談会のほか、年に1回実施する個人面談で保護者の満足度を把握しています。クラス懇談会や個人面談で出た意見や「父母の会」からの意見を検討し、改善に努めています。今後はさらに、保護者に対して、満足度に関する調査を定期的に実施されると良いでしょう。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 苦情解決の体制を整備し、玄関に掲示するほか、「保育園のしおり・重要事項説明」に明記し入園説明会で保護者に説明しています。苦情があった場合は記録し、ファイルに綴じて事務室に保管しています。受け付けた苦情内容は、職員で共有して対応策や改善策を検討し、当事者に丁寧に説明しています。また、内容によっては当事者の承諾を得て、保護者全員に掲示などで伝えています。職員全体で共有した苦情内容は、職員で検証し保育内容の充実に向けた取り組みをしています。今後はさらに、保護者に苦情記入のアンケートを行事後や年度末に実施するなど、苦情を申し出しやすい工夫をされると良いでしょう。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 「保育園のしおり・重要事項説明」に苦情相談窓口について面接、電話、文書などの方法で受け付けることを明記し、玄関への掲示や入園説明会で説明しています。また、保護者には意見箱の設置、相談・苦情受付担当者や責任者、第三者委員への連絡など、複数の相談先や意見を述べる相手と方法があることも伝えています。保護者から相談を受けた場合は、事務室や談話室、ホールなどを使用し、プライバシーに配慮した環境で、相談者が安心して意見を述べやすいようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 園長はじめ職員は、保護者とのコミュニケーションを大切にして、日々の送迎時の会話やアプリ連絡帳などで丁寧に対応しています。意見箱を玄関に設置し、保護者がいつでも意見を申し出ることができるようにしています。クラス懇談会や行事後に保護者から出た意見を積極的に把握するように努めています。相談や意見を受けた際の報告手順や記録方法、解決に向けた検討などは「個人面談マニュアル」に示しており、園長への迅速な報告と解決に向けた会議を行っています。受け付けた意見は、職員に周知し保育の改善や向上に努めています。マニュアルの見直しは、年度末に運営会議で行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 「運営規程」にリスクマネジメントに関する責任者は園長と明記しています。事故防止や対応などリスクマネジメントを行う体制を整備し、安全管理を適切に行っています。事故発生時の対応や安全確保について「事故防止マニュアル」を作成し、危険予知、救急救命、ヒヤリハット事例のほか報道等で取り上げられた事例などを題材にして事故防止や対策を学んでいます。安全確保・事故防止に関する研修は、看護師による心肺蘇生法、気道異物除去のほか、不審者訓練も実施しています。園庭遊具の点検を定期的に実施して、安全確保、事故防止に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策については、園長を責任者として看護師を中心とした体制が整備されています。感染症の予防と発生時の対応手順などは「感染症対応マニュアル」を作成し、看護師が職員全体に周知徹底しています。マニュアルに基づいて、看護師の指導による嘔吐処理研修を行っています。感染症が発症した際には、マニュアルに沿って対応し、プライバシーに配慮して状況を掲示して保護者全体に周知し、二次感染予防を伝えています。マニュアルは、行政からの情報に基づいて、看護師と衛生係の職員が中心となって速やかに見直しを図り、職員に周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 災害時の対応体制と役割分担は「災害時職員体制」に明記しています。「事業継続計画」を「地震」「風水災害、土砂災害」に分けて作成しています。本園の一部が土砂災害警戒区域となっているため細かく対策を設定しています。安否確認は、連絡用アプリや災害用伝言ダイヤルを利用することを保護者及び職員に周知しています。防災係の職員が中心となって、食料や備蓄品などのリストの一覧表を作成し、期限の管理を行っています。「避難訓練年間計画表」に、火災や地震、土砂災害などを組み入れて毎月訓練を実施しており、避難訓練計画書を消防署に提出しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 園では、各マニュアルに保育の標準的な実施方法を文書化しています。各マニュアルには、子どもの尊重やプライバシーの保護、権利擁護に関わる職員の姿勢について明示しています。職員の入職時の研修では、マニュアルを活用した研修を実施し指導を行っています。また、クラス内の話し合いでは、日常の保育について職員同士で知識を共有したり助言したりするなどしています。標準的な実施方法については「振り返りリスト~子どもの人権を尊重する保育のために私たちが大切にしたいこと~」を活用し、乳児会議や幼児会議で確認しています。また、子ども一人ひとりの発達や成長の状況に基づいた子どもを尊重した保育を実践しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 年度末にクラス内での話し合いや、乳児会議、幼児会議、全体会議、運営会議で各マニュアルの見直しを行っています。年齢ごとの年間指導計画に基づく保育について、運営委員会で問題点などを話し合い標準的な実施方法について検討を行っています。記載事項に変更や追記が必要な場合は、実態に沿って対応しています。保育の標準的な実施方法について保護者から意見や提案があった場合は、職員間で検討して見直しを行っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画に基づいて年間指導計画を作成し、月間指導計画、週案、日案の作成につなげており、各種指導計画は園長が最終確認を行って完成させています。クラス内での話し合いで、個々の子どもの状況や課題、今後に向けた目標、配慮事項などについて話し合い、必要に応じて、園長や主任、副主任、看護師、栄養士も参加して意見交換を行うほか、保護者からの情報や意向も反映させています。こうした話し合いをもとに、全クラスの「発達記録」や0~2歳児の月間個別指導計画を作成しています。障がいのある子どもの個別指導計画は、法人の保育アドバイザーや療育機関の助言を踏まえて四半期ごとに作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 年齢ごとの年間指導計画は、四半期ごとに評価を行い、年度末に年間の見直しを行っています。月間指導計画、週案は、それぞれ月末、週末に評価と見直しを行っています。指導計画の評価にあたっては、保育の標準的な実施方法に反映すべき事項のほか、子どもや保護者への対応に関する課題を明確にして、次期の計画作成に生かしています。日案や週案を緊急に変更した際は、事務室にある「ミーティングノート」に記載して周知しているほか、保育業務支援システムを用いて、各クラスにあるタブレットで確認できる仕組みを整備しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 全クラスで「発達記録」の書式を用いて、個別の状況を記録しているほか、0、1歳児クラスでは、保育業務支援システムの「個別日誌」に日々の様子を記録して、指導計画に基づいた保育が実施されていることが確認できるようにしています。全体会議では記録の書き方について確認し合い、必要に応じて乳児リーダーや幼児リーダーなどがアドバイスを行っています。各クラスの「伝達メモ」に登園時や日中の様子、保護者への伝達事項などを個別に記載し、情報を的確に共有できるようにしています。また、保育業務支援システムを用いて職員間の情報交換をタイムリーに行っています。毎月の運営会議、全体会議、乳児会議、幼児会議で子どもの状況を共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 子どもに関する記録の管理責任者は園長としています。「個人情報保護方針」に、利用目的、管理、漏えいの防止、開示についてなどを記載しているほか「個人情報保護とプライバシー保護のマニュアル」に、守秘義務や記録類の保管と破棄の留意事項、パソコンの利用に関する注意事項などを明記して職員に周知しています。入職時の研修で守秘義務について伝えているほか、全体会議で個人情報の取り扱いや記録類の管理方法について確認し合い、事例を挙げて注意喚起を行っています。「保育園のしおり・重要事項説明書」に「個人情報保護方針」を記載し、入園説明会で個人情報の取り扱いについて保護者に説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画は、児童福祉法に基づいて保育所保育に関する基本原則を明記しています。また、保育所保育指針が示している「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」、0歳児の「3つの視点」、1歳以上児の「5領域」に沿った保育内容や配慮事項を設定しています。園の保育理念、保育方針に基づいて、年齢ごとの保育目標を設定し、年間指導計画の作成につなげています。特色ある教育と保育として「絵本、音楽、身体を通した表現活動」「4、5歳児の体育指導」「統合保育」などを記載しているほか、小学校との連携や地域の実態に対応した保育事業、子育て支援などの取り組みについて記載しています。年度末には、年齢ごとの年間指導計画の評価を通して、全体的な計画の見直しについて職員間で話し合っています。そこで出された意見を踏まえて、園長と主任が中心となって次年度の全体的な計画を作成し、各クラスに配布して職員全体に周知しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 各保育室に換気システムを導入し、適正な室温と湿度を保てるよう職員が定期的に確認を行っています。用務職員がトイレやホール、廊下などの清掃を担当し、各保育室や玩具の消毒は職員が交代で実施して常に清潔な状態を保持しています。調理室の扉などに、用務職員が作成した季節を感じられる切り絵を飾り、温かな気持ちになれる空間づくりを工夫しています。1階の「絵本の森」は、ベンチに座ってじっくりと絵本を読んだり、くつろいだりできるようになっており、保育室内には、マットや手作りの仕切りを配置して子どもが落ち着けるスペースを設定しています。食事や午睡の前に清掃と消毒を行って、子どもが気持ちよく生活できる環境整備に努めています。午睡時はカーテンで部屋の明るさを調整し、オルゴールや絵本などを用いてゆったりとした環境の中で心地よく入眠できるよう配慮しています。2階のトイレには空調設備を設置して快適に利用できるようにしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 日々の保育の中で子どもの様子を観察し、個人差を把握して職員間で互いの気づきを伝え合い、個々に応じた対応方法や言葉かけの方法などを話し合っています。一人ひとりに丁寧に関わることを職員間の共通認識として大切にし、子どもとの信頼関係を築けるよう心がけています。子どもの思いをくみ取って代弁したり、場合によっては一対一で時間をかけて向き合ったりしながら、子どもが発する言葉をしっかりと受け止めて共感し、子どもが安心して自分の気持ちを表現できるようにしています。子どもが遊びに満足できるまで見守りながら、次の活動に期待が持てるような声かけをすることで気持ちを切り替えられるようにしています。言葉かけについては、子どもに分かりやすい言葉づかいで穏やかにゆっくり話すことや、一人ひとりのペースに合わせて対応し、せかす言葉や制止する言葉を不必要に使用しないことを職員間で確認し合っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 基本的な生活習慣の習得にあたっては、一人ひとりの発達に応じて丁寧に対応しています。個別に記録している「発達記録」に個々の状況や今後に向けた目標を記載して職員間で統一した援助や声かけを行いながら、無理なく習得できるようにしています。入園から卒園まで、動物や乗り物などの同じ個人マークを靴箱やロッカーなどに使用することで、自発性を促しています。子どものやりたい気持ちを尊重して、自分でできるところまで見守り「お手伝いしてもいいかな」と子どもの意思を確認してから援助するようにしています。自分でできたときは、一緒に喜んで自信につなげ、次への意欲が持てるようにしています。食事のマナーや衣服のたたみ方などは、職員が一緒に行いながら見本を示し、絵本や歌を通して手洗いやうがいが健康な体作りのために大切なことを伝えています。体を動かす活動の際は、個々の体調にも考慮しながら、適宜休息を促すなどして配慮しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 保育室内には、様々な玩具を準備し、子どもの目線で手の届くところに配置して、子どもが好きな遊びを自分で選べるようにしています。また、音楽に触れて歌やダンスを楽しんだり、園庭で拾ったドングリや葉っぱで製作遊びやままごと遊びをしたり、子どもたちが想像力を膨らませながら活動できる環境を整えています。広い園庭やホール、テラスなどで進んで体を動かせる環境があるほか、近隣の公園へ散歩に出かけるなどの戸外活動も多く取り入れています。訪問調査日には、広々とした園庭やホールで思い切り体を動かして思い思いに遊んでいる子どもたちの姿が確認できました。3歳児クラスから当番活動を取り入れて、友達と協力し合って役割を果たすことを経験しています。散歩の道中では、近隣の人と挨拶を交わしたり、交通ルールを学んだりしています。2階のグリーンテラスのビオトープで、メダカを飼育しているほか、園庭の花壇で花を育てて生長の様子を観察しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児クラスでは、遊びのスペースをパーティションで区切り、安全な環境の中で、一人ひとりの発達や月齢に合わせた遊びを行えるようにしています。授乳や食事、おむつ替えなどの際は、笑顔で目と目を合わせて応答的に対応しています。子どもの発する喃語や表情から、子どものやりたいことや思いをくみ取り、言葉にして伝えています。音の出るおもちゃや絵本などを用意しているほか、マットの斜面を上り下りしたり、氷や寒天を使って感触を楽しんだり、ふれあい遊びやわらべうたなどでスキンシップを図るなどして、子どもの興味や関心を引き出せるようにしています。体調や発達に関することや離乳食の進め方などについては、看護師や栄養士と連携して、個々の状況を共有しながら対応しています。入園後に初めて園で離乳食を食べる際には、保護者に食べている様子や、形状、量などを確認してもらっています。連絡帳アプリでは、日々の子どもの様子を細やかに伝え合っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 1、2歳児クラスでは、子どもの自分でやりたいという思いを大切にして見守りながら対応することを職員間で共通認識として保育にあたっています。一人ひとりに合わせた対応や肯定的な言葉かけを行うことで、子どもが安心して過ごすことができるようにしています。園庭では、1歳児と2歳児が一緒に虫を探したり、どんぐりや葉っぱを拾ったりして遊び、砂場では、1歳児が一人で集中して山を作り、2歳児は砂でご飯を作って友達とごっこ遊びをするなど、成長に合わせた遊びが展開できるよう援助しています。小さな揉め事の際には、双方の思いを受け止めて代弁したり、言葉で表現できるよう声かけしたりしながら、仲立ちしています。3歳以上児とクリスマスや夏祭りなどで交流しているほか、職業体験で来園した中学生に遊んでもらうなど、年上の子どもたちと関われる機会を設けています。保護者とは、日々の会話や連絡帳アプリを通して子どもの様子を共有しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 3~5歳児クラスでは、縦割りグループで活動する「なかよしデー」を年に数回行っています。5歳児がリーダーシップをとって、グループの名前や何をして遊ぶかなどを話し合い、一緒に活動する中で、互いに成長し合えるようにしています。3歳児クラスでは、友達との関わりを通して、ごっこ遊びやブロックなどを楽しみながら、自分たちで遊びを展開できるよう、玩具の配置や部屋のレイアウトを整えています。4歳児クラスでは、カードゲームなどのルールのある遊びを取り入れて、職員も一緒に遊びに入り、会話を楽しみながら友達との関係性を深められるよう援助しています。5歳児クラスでは、発表会で何をするかをみんなで意見を出し合って決めています。米作りでは、みんなで協力し合って、園庭の田んぼで代掻きから田植え、稲刈り、籾すりを行い、収穫後に「おにぎりパーティ」をしています。園のホームページに活動の様子や作品の写真を掲載して、子どもたちの取り組みを保護者や地域に伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 園舎内は段差の無いバリアフリー仕様となっており、エレベーターを設置しています。また、障がいのある子ども一人ひとりの状況に応じて、パーティションやマットなどを使い、落ち着いて過ごせるよう環境を整えています。法人の保育アドバイザーの巡回相談を毎月実施しており、担当職員などとケース会議を行って、個々に応じた対応方法について確認しています。個別指導計画は、クラスの指導計画と関連づけて四半期ごとに作成し、無理のない範囲でクラスの活動に入れるよう援助しています。また、子ども同士が自然に関わりを持てるよう配慮しています。保護者とは、適宜面談を実施して、保育アドバイザーや療育機関からの助言を伝え、対応方法を共有しています。職員は、発達障害に関する外部研修に参加して、研修内容を職員間で共有し、実践に生かせるようにしています。発達に関する相談を保護者から受け付けた際には、療育機関や相談機関などを紹介しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 各クラスの週案で設定している「今週のねらい」に沿って日案を作成し、子ども主体の活動内容と職員の配慮事項を記載して実践につなげています。夕方以降から延長保育の時間帯は、マットを敷いているスペースで横になったり、座ってゆったり遊んだりして、おだやかに過ごせるよう環境を整えています。また、スキンシップを多くとり、一対一で対応するなど、家庭的な雰囲気づくりにも配慮しています。0~2歳児と3~5歳児は安全面に配慮して別々の部屋で過ごし、いずれも年齢の低い子どもに合わせた玩具を準備しています。18時以降に降園する場合はおやつを提供し、19時以降に降園する場合は希望により夕食の提供を行っています。日中の子どもの様子や降園時に保護者に伝える内容については、各クラスの「伝達メモ」に個別に記載し、職員間で適切に引き継ぎを行っています。また、担任が保護者と連携が図れるよう、シフトを調整しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 5歳児クラスの指導計画に就学に向けた配慮事項や活動内容を設定しています。ホワイトボードに一日の予定を記載して見通しを持てるようにしているほか、遊びの中で鉛筆の持ち方やはさみの使い方などを伝えたり、生活の場面で時計やカレンダーの見方を伝えたり、活動を通して必要なことを身につけられるよう援助しています。近隣の小学校への訪問では1年生に校内を案内してもらい、他園との年長児交流では公園でドッジボールなどをしています。保護者へは、小学校の「学校だより」を掲示して情報を提供しているほか、クラス懇談会で就学に向けた配慮事項を説明したり、個人面談で相談に対応したりして保護者の不安を解消できるよう配慮しています。5歳児の担任が幼保小連携事業の研修や会議に参加して小学校教員や他園の職員と接続期に関することなどを話し合っています。保育所児童保育要録は、園長の責任のもと、5歳児クラスの担任が中心となって作成しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 「健康管理年間計画」を看護師が作成し、四半期ごとの目標や留意事項、職員研修の内容などを記載して健康管理の取り組みを適切に行っています。日々の健康観察は「川崎市保育施設健康管理マニュアル」に基づいて行い、個々の特記すべき状況を各クラスの「伝達メモ」に記載して職員間で共有しています。保育中の体調変化やけがは、看護師が保健室で対応しています。保護者へは降園時に伝えるか、状況に応じて電話連絡して対応を話し合っており、次の登園日には、必ず事後の状況を確認しています。既往症や予防接種の状況は、個別の「すこやか手帳」で管理し、年度末に保護者に戻して、新しい情報を追記してもらっています。毎月の「三田っ子!元気だより」に健康に関する情報を掲載して保護者に伝えています。乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防策として、0、1歳児クラスで、午睡時の確認を行っており、保護者へは園の取り組みなどを入園説明会で説明しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 園医による健康診断は、0、1歳児は2か月に1回、2~5歳児は年に2回実施しています。また、歯科健診は年に2回実施しています。健康診断と歯科健診の結果は、個別の「すこやか手帳」に記載して、職員間で共有し、配慮事項などを確認し合っています。保護者への報告も「すこやか手帳」を用いて行っており、気になることがある場合は、看護師が個別に対応を行っています。健診前には、保護者からの質問を受け付けて、園医からの回答や助言を保護者にフィードバックしています。健康診断や歯科健診の結果を踏まえて、歯磨きや手洗い、うがいなどの保健指導について「健康管理年間計画」に記載し、絵本や紙芝居、歌などを用いて、子どもたちが楽しみながら、習得できるよう工夫して実践しています。また、個別に配慮が必要な事項があった場合は、0~2歳児の個別指導計画や3~5歳児の発達記録に記載して、対応方法を職員間で共有しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に沿って、アレルギー疾患のある子どもの対応を適切に行っています。慢性疾患のある子どもについては、医師の指示に基づいて対応しています。食物アレルギーのある子どもに対しては「川崎市保育施設における食物アレルギー対応マニュアル」に基づいて対応しており、個別の献立表を作成して、毎月保護者に確認してもらっています。年に1回、看護師や栄養士も参加して面談を行い、子どもの状況や対応について確認しています。マニュアルに沿って食事の提供方法に関するフローチャートを作成し、適切に提供や配膳を行っています。園内研修では、子どもの慢性疾患について学び合っているほか、食物アレルギーのある子どもへの食事の提供方法や事故発生時の対応方法などについて確認しています。「保育園のしおり・重要事項説明書」に食物アレルギーの対応について記載し、入園説明会で保護者全体に説明しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 年間の「食育計画」を立案し、年齢に応じて様々な食育活動を実践しています。子どもたちが栽培したキュウリやナスをサラダや漬物にして給食で提供しているほか、テーブル拭きや配膳、片づけなどを自分たちで行うことで、食への関心が深まるようにしています。職員は食事の前に室内の環境を整え、和やかに食事ができるよう言葉かけを行っています。時には、テラスでおやつを食べるなど、楽しく食べられるよう、雰囲気づくりにも配慮しています。苦手な食材が少しでも食べられるよう言葉かけを行い、完食を目標とせず、無理なくおいしく食べられることを大切に援助を行っています。食器は年齢や発達に応じて形状を変えて提供しています。保育参観の際に保護者に試食をしてもらう機会を設けています。日々のメニューは、玄関にサンプルを展示して保護者が降園時に確認できるようにしています。「給食だより」には、旬の食材の紹介などを掲載し、保護者に情報を提供しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 栄養士は、身体測定の結果を踏まえて定期的に給与栄養目標量を見直しています。子どもの年齢や発達を考慮して食材の大きさを変えて対応しています。日々の食事の様子を見て子どもから直接感想を聞き、残食量の確認をして子どもの好き嫌いの把握に努めています。各クラスの職員が記載する「喫食状況報告書」のコメントや給食係の会議で職員からの報告を参考にして、味付けや食材のカット方法などを改善し、よりおいしく食べられるよう工夫しています。季節感を大切にして旬の食材を使い、ひな祭りのちらし寿司や七夕の七夕そうめんなどを提供しています。沖縄県の「チャンプルー」や「もずくの味噌汁」などの「日本各地のご当地グルメ」を提供しているほか、地域の特産物である「のらぼう菜」を使い、サラダやお浸しを提供するなど地産地消にも取り組んでいます。調理室の衛生管理や食材の管理は「川崎市公立保育所給食の手引き」に基づいて適切に行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は降園時に、その日の子どもの様子を保護者に伝えているほか、連絡帳アプリを用いて、0~2歳児クラスでは、毎日情報交換を行い、3~5歳児クラスでは必要に応じてやり取りを行っています。また、保育活動の様子をドキュメンテーションにしてクラスごとに連絡用アプリで配信しているほか、クラスだよりにも写真を掲載したり、行事やイベントの写真を玄関に掲示したりして、子どもたちの様子を保護者に伝えています。クラス懇談会は、年に2回実施して、保育のねらいを分かりやすく伝えています。保育参観を積極的に受け入れて普段の園生活の様子を見てもらっています。3~5歳児クラスでは、運動会や発表会を通して、成長の様子を共有しています。保護者との日々の情報交換の内容については、個人面談記録に記載して必要な職員間で共有できるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長はじめ職員は、日々の保護者とのやり取りを通して、話しやすい雰囲気づくりを心がけ、信頼関係を築けるよう努めています。登降園時の会話の中で、保護者の話を傾聴し、気持ちに寄り添って丁寧に対応しています。保護者から相談の申し出があった場合や、面談が必要と感じた際などは、保護者の就労状況に応じて日時を設定して対応しています。子どもの体調や健康面に関する相談には、看護師が直接対応しているほか、食事に関する相談には、栄養士の助言を聞いて保護者に伝えています。保護者の負担軽減のため、食事用のエプロンや口拭きタオルの定額利用サービスを導入しています。相談内容や対応については「個人面談記録」に記載して個別にファイリングし、必要な職員間で共有して統一した対応を行えるようにしています。相談を受けた職員は、園長や主任、副主任に報告してアドバイスを受けており、場合によっては同席して適切に対応できるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

 「虐待対応マニュアル」を整備し、登園時や着替えの際に、体に傷やあざが無いかを確認しているほか、子どもの様子や言動の変化、保護者と子どもの関わり方などを観察し、家庭での虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように努めています。気になることがあった場合は、速やかに園長や主任、副主任に報告し、検討会議を行って対応方法を確認しています。保護者に対しては、コミュニケーションを図りながら気持ちに寄り添い、子育ての不安や悩み、家庭や仕事での困りごとが無いかなどをさりげなく聞いて、不安が解消できるよう対応しています。必要に応じて、多摩区地域みまもり支援センターや川崎市北部児童相談所と連携を図って対応方法について確認しています。今後はさらに、虐待等権利侵害の早期発見や早期対応について職員全体で共通理解を深められるよう、マニュアルに沿った園内研修を実施することが期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

 毎月の乳児会議と幼児会議では「振り返りリスト~子どもの人権を尊重する保育のために私たちが大切にしたいこと~」に沿って各クラスの保育実践について振り返りながら、互いの気づきを伝え合っており、子どもの思いに寄り添い、その主体性を大切にして保育にあたることなどを確認し合っています。職員個々の自己評価は「自己評価表」を用いて3月に実施し、課題を各自が記載して園長との個人面談で確認し合っています。年度初めには、課題の改善に向けて、年間の目標と目標を達成するための取り組み内容、受講したい研修などを「職員自己目標と研修希望」の書式に記入しています。こうした職員間での話し合いによる保育実践の振り返りや個々の自己評価の実施を通して、互いの学び合いや意識の向上につなげ、専門性の向上に向けて意欲的に取り組んでいます。今後は、各クラスの保育実践の振り返りや職員の自己評価結果を踏まえて、園としての自己評価を実施することが期待されます。