社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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上大岡ゆう保育園

2021年03月09日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 上大岡ゆう保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120名 (利用者 138名) 名
所在地 233-0002
横浜市港南区上大岡西1-15-1 Camio4F
TEL 045-882-2014 ホームページ www.kanagawa-doen.jp/kamioooka-yu-hoikuen/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2004年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 恩賜財団神奈川同胞援護会
職員数
常勤職員:32 名
非常勤職員:17 名
専門職員
保育士:42 名
栄養士:2 名
調理師:2 名
施設・設備の概要
保育室:6
空調設備、床暖房、門・玄関自動ロック、ベビーカー置き場:

③ 理念・基本方針
法人理念:
1 人権を尊重します
2 幸せであるためのサポートをします
3 地域社会と共生していきます

保育方針:
明るくゆったりとした環境の中で、子どもたちの持てる力を十分発揮できるように保育を展開し、豊かな人間性を持った子どもの育成のため、家庭や地域と協力しあう。

保育目標: 
・感性豊かな夢のある子ども
・自分らしさを表現でき意欲的に取り組む子ども
・心身共に健康な思いやりを持った子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・保育室がワンフロアにあるため、担任の垣根を越え、全職員で子どもを見守り、育んでいる。
・応答的なやりとりを心がけ、温かく家庭的な雰囲気を大切にしている。
・子どものやりたい気持ちを大切に、遊びや行事への取り組みを行っている。
・一人ひとりを大切にする保育を心がけ、家庭との連携を大切にしている。
(連絡帳のやりとり、クラス懇談会、個人面談、保育参加、行事参加)
・年間を通しての、食育、縦割り活動、リズム、運動遊び、お話の会、えいごで遊ぼう等の活動により、様々なことに興味を持ち、いきいきと活動できるようにしている。
・駅前の立地を活かした休日保育の実施。
・園庭開放、交流保育、保育園体験等、子育て支援事業の実施。地域ニーズに合わせた子育て支援事業の展開。
・地域貢献事業としての相談事業の立ち上げ。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/28(契約日) ~2021/03/01(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(平成27年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)子どものやりたい気持ちを大切にしています
子どもが自分でやろうとする気持ちを大切にし、自分でできた喜びを得られるよう環境作りに努めています。玩具の出し入れは、0歳児でも自分が好きな絵本やおもちゃを自分で出し入れできるよう、場所や置き方などを工夫しています。
靴を自分で履こうとするようになった子どもには、保護者にお願いし、着脱しやすいものに替えてもらうなど、それぞれの子どもに合わせ、その子の思いを汲み取りながら、自分でできた喜びや達成感を得られるよう援助し、自主性、主体性を育んでいます。

2)子育て支援事業を重点目標として取り組んでいます
法人理念の1つである「地域社会と共生します」と運営規程に規定する運営の方針「地域社会との連携を図り、すべての子育て家庭の支援を行う」の実現のため、各種の子育て支援事業を実施しています。「交流保育」では、地域の子どもを対象に試食会、ハロウィンやクリスマスの制作、室内遊びをしています。
保育園体験では、同じ年齢のクラスで一緒に過ごします。地域の保護者、子どもへの園庭開放も積極的に行っています。また、区の「赤ちゃん教室」事業に協力して、子育て支援室を提供し、保育士、栄養士が子育て相談等に対応しています。加えて新規に計画した事業で、保育士が地域に出向く「子育てサロン」や「あおぞら保育園」の開設は、今年度はコロナ禍でまだ実施できていませんが、引き続き実施に向けて取り組んでいく予定です。地域の多様な保育ニーズに応えるため、様々な工夫による人材の確保等により、職員体制を整えて日曜、祭日、年末年始の保育を実施しています。
改善を求められる点 1)子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等の整備
子どものプライバシー保護については、職員会議等で周知を図り、また研修に参加することで、理解を深めるよう取り組んでいます。日常生活においては、着替えやトイレ、おもらしした時の着替え、日常会話での配慮にて、子どもや保護者のプライバシーに気を配っています。送迎時に保護者と話をするときも必要に応じてプライバシーが守られる場所に移動しています。
園では子どものプライバシーに配慮した保育が行われていますが、マニュアルが整備されていません。現在に実施していることを文書化して、職員での共有化と保護者への周知・理解が期待されます。

2)中・長期計画の策定
法人は、年度の事業計画として、各事業部門ごとに中・長期的な視点を持った「バランストスコアカード戦略マップ」を策定しています。そこでは外部環境の変化を分析して具体的なビジョンを設定し、その上で、地域、財務、業務プロセス等の各視点からの取り組むべき課題を明示しています。この内容は、評価できるものですが、計画期間を設定した「中・長期的な計画」にはなっていません。
単年度の事業計画を策定する上で、将来を見通した計画策定の指針となる中・長期的な計画は重要です。現行の「戦略マップ」を再構成するなどして、計画期間を定めた中・長期の事業計画、及びその財政的な裏付けとなる中・長期の収支計画の策定を期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回の第三者評価を受けるに当たり、職員みんなで自己評価を行い、足りていない部分や、改めて保育の見直しを図ることができました。結果を踏まえ、現在実施している保育の良いところはそのままに、更なる質の向上を目指し、職員一同研鑽を積んでいきたいと思います。
改善するべき点としては、プライバシー保護に関する規定・マニュアルの整備、マニュアルや計画の見直しの明確な仕組み作り、情報公開の方法、リスクマネジメントや感染症予防に関する管理体制の整備、その他足りていない部分に関して、委員会等を立ち上げ取り組んで行きます。新型コロナウイルス感染症予防対策を継続していく中で、何が出来るかを考え、実施していこうと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人理念、運営方針等は、ホームページ、広報誌、パンフレット等に明記されており、保育所の玄関や保育室に掲示されています。理念は、人権の尊重や地域社会との共生等を目指すものとなっており、運営方針等は、理念を踏まえた職員の行動規範となるような内容になっています。理念や運営方針を会議や研修等で読み合わせをするなどして職員への周知を図っています。しかし、保護者等への周知の取り組みは十分なものとはなっていません。園だより等で分かりやすく説明するなどの取り組みが期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人では、毎年、外部環境の変化を分析してビジョンを策定しています。さらに利用者・地域、財務、業務プロセス等の視点から取り組むべき課題を整理しています。施設長は、区の園長会に出席して行政施策の動向等を把握したり、地域の保育ニーズ等について情報交換をしています。また、園の見学者や電話での入園に関する問い合わせ等への対応からも、地域の状況を把握し分析をしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

毎年、「バランストスコアカード戦略マップ」を策定して経営課題を明確にして、財務、業務、学習・成長の視点から具体的な取り組みを進めています。地域の保育ニーズに対応して、日曜・祝日も開園している状況で、保育士の確保は法人の最も大きな課題の1つとなっています。そのため、法人では保育士の復職支援のための講座を開催して、「潜在保育士」の発掘、確保に取り組んでいます。また、「就職フェア」に参加して新規採用につなげています。各種課題について職員に周知していますが十分なものとはなっていません。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、毎年度の事業計画の中で、各事業部門ごとに、中・長期的な視点に立った業績評価システム「バランストスコアカード戦略マップ」を策定しています。保育事業部門としても、外部環境の変化を分析してビジョンを明らかにし、利用者・地域の視点、財務の視点等、様々な視点で具体的な施策を掲げています。しかし、事業計画の期間や事業計画に基づく収支計画の策定がされていません。3~5年の期間を設定した中・長期の事業計画の策定と財政面の裏付けとなる収支計画の策定が期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

保育所の単年度の事業計画は、法人保育事業部門の中・長期的な視点で作成された「バランストスコアカード戦略マップ」に基づき策定され、内容は具体的なものになっています。事業計画には重点目標として、「子ども主体の保育」や「地域貢献事業の継続と充実」を掲げ、それらを具体化する事業を記載しています。前項目のコメントの通り、明確な期間を設定した中・長期計画の策定が期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、園内に業務分野ごとに設けられた委員会、係等での検討結果を踏まえて策定されています。事業計画の実施状況は、委員会等で毎月把握し、評価を行っており、必要に応じて計画の見直しもしています。実施状況の把握や評価は、その都度職員会議で説明を行い、職員の理解を促す取り組みをしています。しかし、職員の十分な理解を得るまでには至っていません。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の重点事項としている子育て支援事業については、園だよりに掲載して保護者の理解を得るようにしています。しかし、保護者の理解を得る取り組みとしては十分なものとはなっていません。定期的に開催される保護者懇談会の場等で、分かりやすい資料に基づいて説明したり、園内の目立つ場所に資料を掲示するなどの周知、説明の工夫が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

指導計画にもとづいて、保育の質の向上に向けた取り組みがされています。取り組み状況の評価については、月ごと、四半期ごとにクラス、委員会等が主体になり組織的に評価する仕組みになっています。新型コロナ禍の中で中止になった行事もありますが、子どもが主体的に活動できる「お店屋さんごっこ」を実施するなどの工夫をしています。保育所の自己評価は年度末に行っており、第三者評価も定期的に受審しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保育所の自己評価の結果は、次年度の事業計画や指導計画に反映するなど具体的な取り組みにつなげています。自己評価は、クラス会議や委員会等で意見交換をして実施し組織的に取り組んでいます。自己評価結果は、職員会議で議題として取り上げるなど職員間で課題の共有化が図られるようにしています。自己評価結果にもとづく改善の課題を文書化して明確化することが求められます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、職員会議等において、自らの役割と責任を明らかにして具体的な取り組みをしています。職務分担表には施設長の権限、責任を明記して職員に周知しています。非常時等に施設長が不在の場合の権限、責任は主任保育士が代行することになっていますが、明文化はされていません。また、施設長の役割と責任は、保育所内の広報誌等で表明してリーダーシップを発揮することも必要です。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、定期開催の法人会議に参加して、経営に関する情報を得る中で、法令遵守についても学んでいます。施設長は、法人が力を入れて取り組んでいるハラスメント防止のための研修を受講してハラスメントに関する理解を深めています。また、法人内に公益通報相談やハラスメントに関する専門の相談窓口を設けています。環境への配慮として、ゴミの分別収集、廃材利用、節電にも取り組んでいます。法令遵守について、職員会議等で職員に周知をしていますが、職員への一層の周知や理解を深める取り組みが期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、保育所内に分野ごとに委員会や係等の体制を構築し、自らも積極的に参加して、保育の質の向上について指導力を発揮しています。委員会、係、クラスからの意見を反映した組織的な取り組みを行えるような仕組みにしています。保育の質の向上に向けて、職員に階層別研修等の園内研修やキャリアアップ研修等の外部研修の受講を促しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、職員の確保が厳しい状況下において、パート職員の増員やシフトの工夫等により職員の働きやすい環境整備に取り組んでいます。組織内に委員会や係等を設置して、経営の改善や実効性の向上について職員が意識的に取り組める体制を構築し、施設長は自らもその取り組みに参加して指導力を発揮しています。施設長は法人本部と連携して、さらなる経営の改善や業務の実効性の向上に取り組むことが期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

必要な福祉人材の確保と育成に関する考え方が、法人の事業計画等に明記されています。福祉人材確保が困難な状況下にあって、様々な工夫により人材確保を進めています。具体的には、「復職支援講座」を開催しての「潜在保育士」現場復帰の応援、「就職フェア」への参加、「職員紹介制度」の活用などに取り組んでいます。また、職員の定着率向上のために、時短勤務など柔軟な働き方の導入や各種福利厚生事業の拡充を進めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念である「人権の尊重」、「地域社会と共生」等に基づいた福祉サービスを実践する職員を「期待する職員像」としており、職種別、階層別に求められる行動基準を定めています。人事基準は、就業規則の中に明確に定められており、職員に周知されています。人事基準にもとづく職員の職務遂行能力、成果、貢献度を評価する仕組みがあります。処遇等に対する職員の意向等は、定期的な職員個別面談で把握しており、処遇改善につなげています。職員が、将来の姿を見通せるキャリアパスが明確化されています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

施設長等は、職員の就業状況や意向を把握して働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。有給休暇の取得促進、時間外労働の縮減、短時間勤務やリフレッシュ休暇の活用など、職員のワークライフバランスに配慮しています。職員の悩み事相談窓口を法人本部や保育所内に設け、職員が相談しやすい体制を整えています。旅行会、食事会を開催したり、家賃補助の制度を設けるなど福利厚生事業にも力を入れています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念である人権の尊重、地域社会との共生に向けた福祉サービスを実践することを目標として、目標管理制度を取り入れています。職員一人ひとりの目標は、法人及び保育所の目標を踏まえたものとなるように、施設長との面談で確認しています。中間期には進捗状況の確認、期末期には目標達成度の確認をしています。本年度はコロナ禍への対応があり中断した状況になっていますが、現在、今後の方針について検討中です。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の事業計画に、すべての職員が、法人の理念の実践に努めると明示してあります。年度ごとに策定される年間の「職員研修実施計画書」に基づき、階層別、テーマ別、職種別研修を実施しています。行政、中央福祉学院、県社協、市社協、民間研修機関が実施する外部研修への参加も職員に促しています。実施結果については、受講者の研修報告等により、研修計画の評価、見直しにつなげています。しかし、基本方針や計画の中に、職員に必要とされる専門技術や専門資格の明示がありません。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりについて、知識、技術水準等を把握し、教育・研修の機会を確保しています。保育所内では、職員の経験や習熟度に配慮したOJTを実施しており、年間研修計画にもとづき法人本部や外部機関主催の研修を受講しています。年間研修計画は、階層別、テーマ別、職種別に構成されており、職員が受講しやすいように工夫されています。職員に、キャリアアップ研修や行政研修などの情報提供をして、必要な研修を受講するよう勧奨しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生に関する基本姿勢を明文化して積極的に受け入れを行っています。実習生受け入れのマニュアルを整備して、標準的な実施方法を職員に周知しています。学校側とは実習内容等について連携して工夫をしています。しかし、専門職種の特性に応じたプログラムの用意や実習生の指導者に対する研修が十分ではありません。効果的な実習生の研修・育成を行うためにこれらの取り組みをされることを期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人、保育所のホームページに、法人、保育所の理念、基本方針、保育の内容、事業計画、事業報告等の情報が公開されています。その内容は、社会・地域に対して法人、保育所の役割を明確にするように努めたものになっています。ホームページでの「悩んだときは力になります」の呼びかけは特に積極的な取り組みと言えます。同一内容のチラシを保育所が入居しているビル内に掲示しています。第三者評価結果を保育所内に掲示しており、苦情・相談の体制については公表していますが、苦情・相談の内容や改善状況等は公表に至っていません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経理規程に、事務、経理、取引に関するルールが定められ、権限・責任は職務分担表に明確にされており、規程類はファイル化されて職員に周知されています。定期的に内部監査が実施され適切な事務・経理処理がなされています。内部監査に加え、外部の公認会計士が毎年保育所に来訪しての監査支援の実施により、適切なアドバイスを受けられ、事務改善につなげる体制になっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりについての基本的な考え方は、法人及び保育所の事業計画と全体的な計画に明記されています。法人理念には、「地域社会と共生していきます」と宣言しており、地域社会に溶け込んだ活動をしていくとしています。活用できる地域資源の情報等は玄関に置いて保護者が閲覧できるようにしています。しかし、コロナ禍の影響もあり、子どもたちは地域の行事に参加できていません。子どもの社会性を育てるために大切なプロセスですので、子どもの地域との交流の機会を設ける検討をされることを期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受け入れや学校教育への協力についての基本姿勢を明文化しています。ボランティアの受け入れについてのマニュアルを整備して、子どもとの交流について、基本的な心構えや注意事項の説明を行い適切な活動ができるように支援しています。中学校、高等学校の生徒の職場体験等を受け入れるなど、学校教育への協力を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもや保護者が利用できる地域の関係機関・団体の資料を作成してファイル化して玄関に置き、保護者が閲覧できようにしています。この情報は、職員会議等で職員に周知して共有化が図られています。虐待等の権利侵害が疑われる子どもへの対応について、必要に応じて区役所等と連携して取り組んでいます。しかし、関係機関・団体と定期的な連絡会を持つなどの継続的な取り組みをするまでには至っていません。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域に向けた子育て支援事業として定期的に実施している「交流保育」、「園庭開放」、「保育園体験」等の場を活用したり、入園希望者の施設見学や入園相談の機会に地域の福祉ニーズの把握をしています。交流保育の場では、保護者に「子育てアンケート」を実施して直接意見を聴いています。区の園長会でも地域の福祉ニーズの情報交換が行われています。しかし、地域住民との積極的な交流が十分ではありません。子育て支援関連だけにとどまらず、幅広い福祉ニーズ、生活課題についても把握する取り組みが期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

子育て支援事業の実施等により把握した地域ニーズにもとづいて、従前の「育児相談」「交流保育」「保育園体験」「園庭開放」等の子育て支援事業に加えて、新たに地域に出向いての「子育てサロン」や「あおぞら保育園」の実施を計画しました。しかし、コロナ禍の影響による地域での活動を自粛せざるを得ず実施ができていません。災害時には、被災した近隣の避難住民にも備蓄品を提供できるように準備をしています。今後は、地域行事に参加するなど地域コミュニティーの活性化やまちづくりにも貢献されることを期待します。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針に、子どもを尊重した保育の実施について明示されています。全体的な計画や職員心得にも明記されており、職員会議の中で具体的な話し合いをすることで、職員の理解と実践を促しています。だだし、子どもを尊重した保育の提供に関する「倫理綱領」等の策定がなされていません。重要事項説明書に理念、目的、方針が明示され保護者には入園時に話をしていますが、その後は特に理解を図る取り組みは行っていません。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:c】

子どものプライバシー保護については、職員会議等で周知を図り、また研修に参加することで、理解を深めるよう取り組んでいます。日常生活においては、着替えやトイレを男女別にしたり、おもらしした時は別室で着替えたり、日常会話においても、子どもや保護者のプライバシーに気を配っています。送迎時に保護者と話をするときも必要に応じてプライバシーが守られる場所に移動しています。子どものプライバシーに配慮した保育がなされていますが、残念ながらマニュアルの整備がなされていません。今後は保護者への周知も期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等を紹介した資料は、施設の写真等を入れ、分かりやすいものにし、ホームページやパンフレットで紹介しています。利用希望者には、個別に丁寧な説明を行い、見学等の希望にも対応しています。今年はコロナウイルス感染予防のため、例年通り部屋に入っての見学ができないため、新たに来園者用の資料を作成し、案内をしています。パンフレットは、公共施設等の多くの人が入手できる場所には置かれておらず、改善が期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保護者には入園時に重要事項説明書に基づき説明を行い、同意を得ています。変更する時は、懇談会で説明し保護者の意向に配慮しています。変更事項はお便りで周知し、内容によっては別途文章を作成し承諾をもらっています。現在は、配慮が必要な保護者がいないこともあり、特に配慮が必要な保護者への説明についてのルール化がなされていません。早急にルール化が望まれます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:c】

個人情報保護の観点から、転園に際しては、引継ぎ文書は出しておらず、手順や文章の定めはありません。保育所の利用が終了した後に、相談があれば対応できる体制はありますが、特に担当者や窓口の取り決めはありません。子どもや保護者等に対し、その後の相談方法や担当者についのて説明や、その内容を記載した文書は渡していません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育のなかで、子どもの満足を把握するように努めています。保護者には、行事後にアンケートを実施し、利用者満足を把握するとともに、改善できる部分の見直しを行っています。そのほか、定期的に個別の相談面接や聴取を行い、また、職員等が、利用者満足を把握する目的で、懇談会等に出席しています。把握した結果を園長、主任保育士、保育主任で検討したうえで、職員と話し合っていますが、特に検討会議等の設置はしていません。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備されて、運営規定の中に記載されています。保護者には入園時に説明を行い、仕組みは玄関に掲示されています。意見箱を設置するなど、申し出しやすい工夫をしています。内容を職員で共有、検討し、改善に向けた取り組みをしています。記録を取り、申し出た保護者には必ず伝えていますが、公表はしていません。今後、申し出た保護者への配慮をした上で、公表する事を期待します。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

毎日の連絡帳や、担当職員だけでなく主任や園長も送迎時に保護者に声掛けをするなどし、相談事や意見をうかがっています。意見箱の設置や個人面談、懇談会、行事後のアンケートなど、複数の方法や窓口があります。相談や意見はプライバシーが守られる場所でうかがっています。第三者委員は玄関に掲示していますが、複数の方法や相手を自由に選べることをわかりやすく説明した文書はありません。作成し、周知することが期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は送迎時に保護者に声掛などをし、気軽に相談できる雰囲気づくりに努めています。連絡帳には保護者からの相談事や意見が寄せられ、真摯に対応しています。玄関に意見箱を設置し、個人面談、懇談会、行事後のアンケートや、また、クラスだより等でも呼びかけ、保護者の意見を積極的に把握する取り組みを行っています。職員が相談や意見を受けた際は、速やかにクラス主任に報告し、内容に応じて保育主任、園長に伝わる仕組みになっています。対応マニュアルの定期的な見直しが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故発生時については、手順を明確にしたマニュアルを職員に配布し、周知を図っています。事故報告書、ヒヤリハット報告書には、反省点、改善点の記載欄があり、職員会議で共有し、対策を検討し、実施しています。職員に対しては、職員会議のなかで、災害時の安全確保や事故防止について教育が行われています。環境係を設置し、園内の見回りをし、危険なところ等を発見した際は、速やかに改善が図られていますが、リスクマネジメントに関する組織の設置はなされていません。より一層の体制整備が望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策マニュアルが作成されています。マニュアルは定期的に見直され、職員への周知が図られています。職員は、職員会議の中で感染症の予防や安全確保について勉強し、嘔吐物処理については、流行前に全員が対応できるよう研修会を開くなど、適切に対応できるよう努めています。保護者へは クラス内や玄関入り口に流行っている感染症の説明文を掲示し、情報提供しています。今後、管理体制の観点から責任と役割の明確化が期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時マニュアルが整備され、毎月、立地条件を考慮し、その都度想定を変えて、避難訓練を行っています。食料や備品等の備蓄リストが作成され、適切な管理が行われています。保護者への安否確認は「マチコミ」の一斉メールを活用し、職員へは「マチコミ」と法人の職員用安否確認システムで確認が取れる体制が整えられ、全職員に周知されています。ビル全体の防災訓練に参加し、連携を図っています。今年はコロナ禍で見合わせましたが、例年、職員だけでなく年長児も参加しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの人権や主体性の尊重は、運営規程、重要事項説明書、全体的な計画、職員心得等に明記されています。子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護の実施方法については、研修や職員会議等により職員への周知が図られています。園では、個別性に配慮し保育実践が画一的なものとならないよう、取り組みが行われています。子どもの安全確認とプライバシーに配慮した保育がなされていますが、マニュアルの整備や確認する仕組みが明示されていません。早急に作成が望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

法人として、保育の標準的な実施方法の検証・見直しに関する時期やその方法の定めはありません。園において、マニュアルごとに年1回、時期を定めて、実施方法の検証、見直しを行っています。検証・見直しに際し、保護者からの意見や提案を極力取り入れるようにしていますが、明確な仕組みが確立していません。今後の仕組み作りが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

主任保育士が指導計画策定の責任者となっています。入園時に決められた書式に基づき、アセスメントを行い子どもの状況を把握したうえで、全体的な計画に基づき、指導計画を策定します。計画の策定にあたり、さまざまな職種の関係職員、必要に応じて関係機関が参加しての合議、保護者の意向把握と同意を含んだ手順を定めて実施しています。指導計画には評価欄が設けられ、クラス会議で振り返りや評価を行っています。支援困難ケースに対しては、療育センターのカウンセラーや医師のアドバイスを受け、指導計画に反映させています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

クラスごとに作成された年間指導計画は、4期に分けて評価、考察を重ね、改善すべき点を検討し、見直しを行っています。見直しによって変更した指導計画の内容を、関係職員に周知する手順や、緊急に変更する場合の仕組みも定められています。保護者には行事後にアンケートを取るなどして意向把握に努めていますが、保護者の意向の反映方法や同意を得るための手順等は明確になっていません。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活状況、指導計画に基づく保育の実施状況は、保育所が定めた日誌に記録されます。個別の指導計画に基づく保育の実施状況は、記録により確認することができます。クラス会議や職員会議等で、情報は共有され、議事録に記録を残しています。記録する職員により、書き方に差異が生じており、記録要領の作成や職員への指導等が期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録の管理については「個人情報取り扱い要綱」の中に規定が定められ、適切に管理が行われています。児童ファイル等の個人情報は鍵のかかる書庫で保管しています。職員は、「職員心得」の中に個人情報の管理についての記載があり、会議の時に読み合わせをしたり、また、研修に参加しすることで、理解し、遵守しています。保護者に対しては、入園時に重要事項説明書の中で説明し、同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、法人の理念に沿って児童福祉法の趣旨をとらえ作成されています。子どもの人権と最善の利益を主旨とした保育理念と明るくゆったりとした環境の中で子どもの持てる力を発揮できるようにという方針に沿って、年齢ごとに、家庭状況や保育時間、そして地域の実態に対応した計画を立てています。
保育計画、保育内容は,養護と教育の狙いや配慮事項なども考慮のうえに作られています。全体的な計画は、園長と主任保育士が原案を作成し、職員会議に諮って策定しています。今後は、全体的な計画を、職員参加のもとに評価し、次の計画に生かしていくことが期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園はビルの4階に設置されていますが、園舎は広く、屋上園庭があります。室内の温度、湿度に関するマニュアルがあり、季節により設定を変え、心地よく過ごせるようになっています。空調はビルの一括管理ですが、床暖房となっており、適宜換気をすることで、子どもたちは快適に過ごすことができています。採光も夏は日よけを設置するなど、常に適切な状態が保てるよう努めています。
清掃マニュアル、感染症マニュアルがあり、今年は新たにコロナウイルス対応マニュアルを作成し、消毒等、時間を決めて入念に行っています。環境係を設置し、安全点検を行い、危険な個所を見つけた時は、速やかに適切な処置をとっています。各クラスとも、年齢に応じた家具や遊具の素材、配置等を行っています。子どもたちが、自分で遊びたいおもちゃの出し入れができるように工夫しています。マット等を利用し、子どもたちが落ち着けるコーナーが作られています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

入園時に把握した成育歴をはじめ、入園後の子どもの成長発達記録は、一人ひとり1冊のファイルにまとめられています。子どもの発達と発達過程、家庭環境から生じる一人ひとりの子どもの差異を把握したうえで、その子どもに合った働きかけをしています。
保育時間が長い子どももおり、子ども一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応や、落ち着いて過ごせる場所を提供しています。子どもの表現できない部分を汲み取り、気持ちを受け止め代弁するようにしています。常に、穏やかに、丁寧な関わりを心掛けています。せかす言葉や制止の言葉を不用意に使わないようにしていますが、職員全体に徹底できていないところもあります。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの基本的な生活習慣を身につける取り組みは、全体的な計画で発達年齢に合わせた目標を明示しています。一人ひとりの発達に合わせて、生活に必要な基本的な生活習慣が身に付けられるよう、目標を定めています。発達記録をつけ、その子のやりたくなるタイミングに合わせ働きかけをしています。排泄への取り組みも、年齢ではなく、その子の成長に合わせ、家庭と連携を図りながら対応しています。自分でやりたい気持ちを大切にし、一人でできた喜びを得られるよう環境作りに努めています。
玩具の出し入れは、0歳児でも、自分が好きなものを自分で出し入れできるよう、置き方などを工夫しています。生活習慣の大切さを子どもが理解できるように年齢に応じた内容で話し、保護者にも生活習慣を身に着けることの大切さを伝えています。
職員間で、一人ひとりの発達状況や家庭環境を確認し、より良い関わり方を話し合い、実践しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

子どもたちが遊びたい玩具を自分で見つけ、自分で自由に遊べるようにしています。遊びや行事についても、子どもに相談を投げかけ、子どもたち自身が、遊びを決めたり、役割を決めたり、自発性を発揮できるよう援助しています。
屋上園庭には砂場や遊具があり、夏はプールでも遊ぶことができます。天気の良い日は、散歩や広い公園に行き、自然と触れ合いながら、思い切り身体を動かしています。生活と遊びを通して、友だちと人間関係を育み、共同して活動できるよう援助しています。また、生活の中で、自然にマナーやルールが身につくよう働きかけをしています。これまで、子どもたちの地域との関わりが薄く、今年度は町内会を通して、高齢者との交流を計画していましたが、コロナウイルス感染予防から中止となりました。今後、取り組みが期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は発達が著しい時期であることから、月齢による少人数保育を行い、できる限り個別の対応を行っています。職員は、子ども一人ひとりの体調や気持ちを汲み取り、声や表情に応答的に関わり、スキンシップをはかることで、子どもが落ち着いて安心して過ごせるように努めています。また、0歳児であっても、自分が好きな絵本やおもちゃを自分で選べるように設置場所を工夫しています。
ヒヤリハット報告や環境委員会、担任からの提案で、環境の改善や遊びの工夫を図っています。保護者とは、連絡帳や送迎時に話をすることで、子どもの状況を共有しています。また、希望者には個人面談の機会を設け、家庭との連携を密にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、一人でできた時の喜びや自信につながるような保育の取り組みを、家庭と連携して行っています。園庭や散歩、公園に出かけての探索活動だけでなく、園内においても、子どもが自由に玩具を出し入れできるよう工夫し、広い廊下スペースを活用し、子どもが、探索活動を行い、やりたいことを納得いくまでできる環境を整えています。
職員は癇癪や甘えなど、子どもの気持ちを受け止め、また、遊びの中で、上手に友だちを意識できるように働きかけをしています。全体的な計画に、年齢に沿った養護、教育が記載され、養護と教育を一体的に行うことを明記しています。それを基に、適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮した各指導計画等が作成され、実施されています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、生活や遊びの中で、友達との関係が深まり、興味や関心が広がるような保育を展開しています。それぞれの発達過程に応じた配慮をしつつ、集団遊びや活動を通し、皆で楽しみながら一つのことをやり遂げる達成感や満足感を味わい、一人ひとりの力が発揮でき、自信につながるよう、職員は関わっています。
今年は5歳児クラスでは、子ども同士で意見を出し合い、子どもたちが全てを決め、お神輿づくりを行いました。職員は意見を言うのがちょっと苦手だったり、配慮が必要な子どもには、その子に合わせた声掛けや促しをして、全員がそれぞれの力を発揮して、お神輿を完成させ、発表することができました。
子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動等については、保護者や地域・就学先の小学校等に伝える工夫がなされています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮しています。
建物は段差のないバリアフリー構造になっています。個別支援計画は担任が作成し、必要に応じて、療育センター職員や医師からアドバイスを得ています。
保護者とは面談を通して、園と家庭での状況を共有し、連携を図っています。障害のある子どもの状態を把握し、クラスでの参加を無理強いはせずに、本人の気持ちを優先し、 同じ空間で過ごすことで自然に参加できるよう配慮しています。職員は、障害のある子どもの保育について研修等により、知識や情報を得ています。得た知識や情報は、回覧により他の職員への周知を図っていますが、意見交換の場を設けたり、保護者への情報の伝え方が明確になっていません。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの保育時間を考慮し、生活リズムを整えるよう配慮しています。送迎時間も、遅く帰る子どもは遅い登園も良しとするなど柔軟に対応しています。
長時間保育の子どもについては、ゆったりと過ごし、遊びもゆったり楽しめるように工夫しています。子どもの様子を見て、疲れている様子であればそれを考慮し、状況に応じて、個別に対応しています。
夕食やおやつの提供をしており、おやつは菓子ではなく、夕食の一品を出し、温かいものは温かい状態で提供しています。延長保育日誌に記録し、職員間の引継ぎはノートや口頭でも行い、伝え忘れがないように工夫しています。保護者へは、連絡帳だけでなく、お迎え時に、口頭でも様子を伝えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中に、小学校との連携(接続)の記載があり、それに基づいた保育がなされています。5歳児クラスは年間を通して就学を意識した保育が行われます。時間を意識することや、身の回りのことが一人でできるよう、生活のなかに取り入れています。就学前に近隣の小学校に行き、小学生と交流する機会を設けることで、小学校以降の生活について見通しを持てるようにしています。
保護者へは、クラスだより等で文章にして情報を伝え、安心して就学が迎えられるようにしています。施設長の責任のもとに関係する職員が参画し、児童保育要録を作成しています。子どもたちが通う小学校の先生とは、特に配慮を必要とする子どもについて、来園いただき面談しています。特に問題のない子どもについては、電話での意見交換となっており、今後、面談や合同研修を行うなど、より一層の連携が期待されます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、それに基づき一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握し、健康管理を適切に行っています。。保護者からは「児童生活調査票」や「生活調査」を提出いただき、既往症や予防接種、アレルギー等を把握しています。
入園後は随時保護者から情報を得て記録しています。視診や日中の健康観察により、健康状態を把握し、変化を見逃さないようにし、体調悪化・けがなどについては、保護者に伝えるとともに、必ず事後の確認をしています。入園時には入園のしおりで、入園後は保健だよりを発行し、感染症や保育園の子どもの健康に関する方針や取り組みを伝えています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関しては、園でマニュアルを作成し、職員に周知し、必要な取り組みを行っています。保護者には、ポスター等を貼り出し周知を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

内科健診を年2回、歯科健診を年1回行っています。クラス会議で健診結果を報告し、職員に周知しています。気をつける事があれば、保護者とも共有し、対応しています。
保護者には、結果票を個人個人に配布し、歯科健診結果は、園で歯の絵を作成し、分かりやすく結果を表示して、保護者に渡しています。
健康診断の結果は、保健に関する計画等に反映させ、保育が行われていますが、歯科健診の結果は、生かしきれていません。今後は保健に関する計画等にも反映されるよう期待します。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対して、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。保護者から提出してもらった「生活管理指導票」をもとに面談を行い、園での給食提供についての理解を得ています。アレルギーや慢性疾患等のある子どもに対して、医師の指示を受け、保護者にも伝え、職員間でも情報を共有し、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。
食事の提供については、見た目がほとんど変わらない代替食の提供や、アレルギー食材を用いない献立を取り入れるなど工夫しています。食事はメニューで保護者に確認をとってから提供しています。職員は、アレルギー疾患、慢性疾患等についての研修等に参加し、最新の知識や情報を得ています。得た知識や情報は、資料を回覧するなどして、周知しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食事に関しては、年間指導計画等に位置づけるとともに、食育計画を策定して、乳幼児期にふさわしい食生活に向けて支援をしています。食事の量は、子どもが自分で適量を判断し、加減をしています。子ども一人ひとり、それぞれの適量を盛り付けることによって、完食の達成感を味わい、食に対する意欲を高め、食べることを楽しめるように配慮をしています。
食育に関する家庭との連携のため、「食育だより」の発行や「食育ニュース」の園内掲示をして、保育所での食事の様子や内容の情報提供をしています。また、毎年「食育アンケート」を実施して、家庭での悩み、知りたいレシピ、子どもの好みのレシピ、家で人気のメニューについて聞いており、保育所の食育計画に反映するようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立や調理に当たっては、子どもの食べる量や好き嫌いをなどに配慮しています。栄養士は、子どもと一緒に食事をするなどして子どもの食事の様子を見ながら献立や調理の工夫をしています。調理の工夫・改善例としては、焼きを蒸しに変更するなど調理方法を改善しました。子どもがあまり好まない食材であっても食べて貰いたいものに興味を持って貰う工夫をしています。
食材に触れる体験、調理体験、園庭のプランターでの野菜栽培、調理に関するクイズ等で子どもたちに食材を身近に感じて貰う取り組みです。食事で季節感を感じて貰うため、七草がゆ、節分の恵方巻き、ひな祭りのちらし寿司、6月のあじさいをイメージした紫色のゼリー、ハロウィンのカボチャなど、多彩な行事食等を提供して楽しい食生活を演出しています。衛生的で安心な食事を提供するため、「衛生管理マニュアル」に基づき、調理室の衛生管理や調理をしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは登降園の際の声かけや連絡帳により日常的な情報交換をしています。保育の様子や内容については、毎月発行の「園だより」や「クラスだより」で伝えるとともに、保護者参加の行事の機会を通して保護者の理解を得るように努めています。「カーニバル」「フェスタ」「運動会」などの行事そして個人面談、保育参加の場は、保護者と子どもの成長を共有できる良い機会となっています。
「カーニバル」は、保護者と子どもが登園して一緒に遊ぶイベントですが、今年はコロナ禍で開催ができていません。「フェスタ」は、子どもが日頃練習した出し物を発表する場で、保護者・子どもが楽しみにしているものですので、感染防止に注意しながらこれから取り組む予定です。保護者懇談会や個人面談の内容は記録して関係職員で情報共有できるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは、子どもの送迎の際に声かけをしたり、こまめに連絡帳を活用して情報交換をするなど、信頼関係が築けるようにしています。定期的な個人面談の他に、必要な時にはいつでも相談を受けることができることをクラスだよりでお知らせをしたり、また個別に声かけをしています。相談の日程は、保護者の都合を優先して受けています。
相談を受ける際には、プライバシーが守られるように個室での対応をしています。相談の内容は、園長や主任保育士に報告をすることになっており、アドバイスを受けられる体制になっています。保育士は、保護者支援やカウンセリングの研修を受講するなど、相談技術の向上に取り組んでいます。相談内容は、記録に残して職員間で情報共有をし担当者だけで抱え込まないように組織的な取り組みをしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

家庭での虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように、子ども・保護者の状態を把握しており、状態の変化や様子の異常を感じたときには、園長等に報告するなど保育所内での情報共有をしています。虐待等の予防的な対応としては、保護者に声かけをして、育児等の悩み事を傾聴するなど精神面のケアをしています。子どもの日頃の様子を観察しており、着替え、箸、コップ等の持ち込みのものが清潔を保持して用意されているかを確認しています。
虐待等の事例については、区と情報共有をしています。区の保健師が来園して、子ども虐待の話をして貰うなど連携して虐待防止に取り組んでいます。虐待等を把握したときは、区の担当部署や児童相談所に連絡を取れる体制になっています。マニュアル「児童虐待の早期発見と対応」を整備し、職員会議等で内容を確認したり、市や区の関連研修を受講しています。玄関には、「STOP!こども虐待」のポスターを掲示しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育士は、年間指導計画等の実施状況について、年間計画は、4半期ごとに、月間計画は毎月、クラス内での話し合いにもとづき、自己評価を行い、次の計画の実践に反映しています。自己評価の内容は、指導計画のねらい、養護、教育、食育、配慮事項等に対応したものになっています。また、指導計画に対応した自己評価とともに、毎年、年度末には第三者評価の評価項目に対応した「理念」「計画」等の項目ごとに自己評価を行っています。この一人ひとりの自己評価と毎年実施している保護者アンケートの結果を踏まえて、保育所の自己評価をしています。事業所の自己評価は、玄関に掲示して保護者が閲覧できるようになっています。