社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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上小田中保育園

2023年10月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 上小田中保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120 名
所在地 〒211-0053
川崎市中原区上小田中1丁目28番25号
TEL 044-982-9215 ホームページ https://www.keiwa-kai.jp/kamikodanaka/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 けいわ会
職員数
常勤職員:25 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:25 名
看護師:1 名
栄養士:3 名
調理師:2 名
幼稚園教諭免許所持者:13 名
発達支援 コーディネーター:3 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
居室:一時保育室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:遊戯室
設備:図書コーナー
設備:教材室
設備:事務室
設備:医務室
設備:更衣室
設備:みんなのトイレ
設備:トイレ
設備:テラス
設備:園庭
設備:エレベーター

③ 理念・基本方針
<法人理念>
豊かな人間性をはぐくみ、明日につなぐ、心の声を聴き、信頼しあえるパートナー

<基本方針>
1.保育所保育指針に基づき、子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を増進するという役割を認識し、保育の目標・方法・環境等、計画的に工夫する。また、保育の知識、経験、技術を地域の子育て家庭や地域社会に貢献するという社会的責任も果たすとともに、子ども一人一人の人格を尊重して、保育を行う。
2.「養護」は生命の保持と情緒の安定で構成され、「教育」は健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域から構成されている事を念頭に置き、養護と教育を一体的に行うよう意識して保育にあたる。
3.保育の質を保つため、保育の計画及び評価に重点を置く。
4.幼児教育を行う施設として共有すべき事項「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を理解し保育にあたる。

<保育目標>
1.生き生きと生活し 遊ぶこども
2.健康なこども
3.意欲のあるこども
4.感性豊かなこども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<上小田中保育園の特徴的な取組み>(基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●家庭と同じように子どもが安心して過ごせるように、0歳児から2歳児までは育児担当制を導入している。
●3歳児からは、サークルタイムを取り入れ、自分の気持ちを伝え相手の話を聞き、思いやりの心や自主性を育んでいる。
●様々なカリキュラムの導入は、子ども達に多くの経験の中から、一つでも、好きなもの得意なものを見つけてほしいという思いで取り組んでいる。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/05(契約日) ~2023/10/10(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ≪社会福祉法人けいわ会 上小田中保育園の概要≫
●上小田中保育園は、社会福祉法人けいわ会(以下、法人という)の経営です。法人は昭和37年、東京都杉並区で読書グループ「青い実の会」からスタートし、昭和42年に無認可保育所を開設し、そして、昭和54年、社会福祉法人けいわ会として認可保育所を設立しました。以来、目覚ましく発展を遂げ、現在は、東京都に9園、川崎市に1園を経営し、法人理念を大切にして運営を実践しています。

●上小田中保育園は、旧公立保育園の民営化により同じ園名にて平成26年に開設しました。園は、南武線武蔵新城駅から徒歩7分程度の住宅地の中に位置し、周辺は1戸建てを中心とする住宅及び新興のマンション等が開発された地域であり、マンションエリアには上小田中西公園、他自然が残った公園も点在しています。園舎は2階建てで、2階は乳児スペース(0歳児~2歳児)と大きなホールを設け、1階には幼児スペース(3歳児~5歳児)と一時保育室、厨房、図書コーナーがあります。また、広い園庭を有し、屋上にも園庭があり、伸び伸びと遊べる環境作りが成されています。また、園庭開放や絵本貸し出しを行い、地域の子育て家庭への支援も積極的に取り組んでいます。

◇特長や今後期待される点
1.【育児担当制の採用と実施】
 上小田中保育園では、法人系列全園で家庭と同じように子どもが安心して過ごせるよう、2歳児までは担当制保育を実施しています。一人の保育士が少人数の子どもを担当し、一人ひとりの子どもと信頼関係を構築し、きめ細やかな保育を提供しています。また、個々の成長に個人差が見られる場合や個別対応等、保育効果が期待できています。いつも決まった保育士が保育・身の回りの世話をすることで、様々な気付き、子どものSOSに気付くことができ、その子の成長ぶり等、より一層把握することが可能となります。何よりも、決まった保育士の保育等により、子どもの安心・安定を保障しています。

2.【サークルタイムの実施】
 上小田中保育園は、法人系列全園含め、3歳児~5歳児対象に「サークルタイム」を導入しています。3歳児~5歳児では社会性育成の重要性を鑑み、友だち関係が芽生えて来た成長を見逃さず、自然な形で友だち関係ができる、友だちを思いやる心、助け合う心を育むよう、「サークルタイム」を取り入れています。「サークルタイム」では、子どもたちが輪になって座り、互いに一人ひとりの顔を見ながら対話や意見交換を行い、保育士は温かく見守りながら成長を見届けています。さらに、「嬉しかったこと」、「悲しかったこと」、「やってみたいこと」等、自分の気持ちを伝えるだけではなく、他児の話も聴くことで、自己表現やコミュニケーションを育み、自分とは違う考えや経験に触れ、協力、共感の大切さを学ぶ機会を提供しています。

3.【食育への取り組み】
 子どもたちが健康に成長するために「食事」を大切にしています。子どもたちの保育園在園期間は味覚が形成される大切な時期と捉え、出汁は昆布や鰹節でしっかりと取り、旬の素材を多く使用し、確かな味覚が育つよう、味わい深い豊かな給食を提供しています。食育の第一歩は「今日の給食は何かな」から始まり、食への興味から食への意欲につなげ、健康な体を作り上げるよう力を入れています。園では、食育を日々の取り組みとして取り入れ、「食べる意欲を持ってもらう」ことに重点を置き、様々な活動(野菜の栽培や年齢に応じた調理体験等)を実施しています。また、園庭で季節の野菜を栽培し、収穫した野菜を給食に取り入れることで苦手な野菜も食べられるようになり、調理体験ではカレー、うどん、蒸しパン、クッキー作り等を行い、楽しい体験から料理の興味につなげています。栄養教室では身体を作る栄養等について栄養士から学び、また、食事のマナー教室を開催し、「いただきます」「ごちそうさま」の意味や、箸の使い方、食事の姿勢等を知り、吸収しています。食事を通して子どもたちの元気な体作りは保育園の1つの使命と考え、取り組んでいます。

4.【様々なカリキュラムの導入】
 子どもたちに、多くの経験の中から、1つでも多く得意なものを見つけてもらえるよう、豊富なカリキュラムを提供しています。基本的に外部から講師(体操・英語・リトミック・科学)を招くことを原則とし、子どもと一緒に保育士も学び、一人ひとりの保育に幅を持たせることも視野に入れて進めています。体操教室では、様々な運動遊びに興味を広げ、多種多様な運動ができるようになることに加え、集団での決まりやルールを覚えています。英語教室では、言葉、ゲーム、歌を通じて異文化に触れ、リトミック教室では、楽器、リズム遊びを通じて表現力やリズム感、協調性を育み、科学遊び教室では、たくさんの不思議を体験しています。この多くの学び・経験が子どもたちを大きく育てると考え、力を入れています。

5.【ボランティアの取組について】
 園は、公立認可保育所からの移管であり、学校教育に協力し中学校の体験学習や高校生のインターンシップの受入れを行うと共に、一般のボランティアの受入れ実績も過去にありましたが、コロナ禍により現状、一般ボランティアとは希薄の状況です。体験学習等については、でき得る限り受入れを考えていますが、十分とは言い難い状態です。今後、ボランティア等の活用が以前の状態に戻るよう努力を希望します。さらに、ボランティア受入れに関する基本姿勢、地域の学校教育等への協力について基本姿勢の明文化が求められます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 社会福祉法人けいわ会 上小田中保育園   
              
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫

 施設運営に対する客観的な評価を得られたことで、結果を真摯に受け止め、課題や問題点を職員全員で共有し、さらなる向上に努めていきたいと思います。

≪評価後取り組んだ事として≫

1.保護者役員会に参加し、保護者会を負担に感じている方がいることを知らせた。
今後、役員会の議題に挙げていくとのこと。

2. 防犯面での評価から、自動ドア入口に警察立寄所のステッカーを貼り、保護者へ周知した。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人理念として「豊かな人間性をはぐくみ、明日につなぐ、心の声を聴き、信頼しあえるパートナー」を掲げ、基本方針に「保育所保育指針に基づき、子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を増進するという役割を認識し、保育の目標・方法・環境等、計画的に工夫する。また、保育の知識、経験、技術を地域の子育て家庭や地域社会に貢献するという社会的責任も果たすとともに、子ども一人一人の人格を尊重して、保育を行う。」とし、法人理念を大切にしてきめ細かい保育を提供しています。法人理念及び基本方針は、新人教育のオリエンテーション及び法人系列各園で期初冒頭の職員会議で周知徹底を図り、唱和を行い、理解を深めています。保護者に対しては、年度初めの保護者会にて資料を配付及び説明を行い、周知・浸透に努めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

経営をとりまく環境、経営状況の的確な把握については、法人の拠点は系列保育園(東京都杉並区)が集中し、地域の保育園のとりまとめも担っていることもあり、この地域での特徴・変化等の経営環境や課題等については把握・分析はできています。しかし、川崎市に所在する上小田中保育園については、地域の園長会への参加や保護者からの情報収集に留まり、当該園の経営環境が適切に把握・分析されているかについては希薄です。今後、地域の福祉に対する需要の動向、子どもの数や利用者像の変化、保育のニーズ、潜在的利用者に関するデータ等の情報を、経営の長期的視野に立ち進めて行かれることを期待いたします。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

方針について、法人本部が決定をする体制ではなく、職員が協同で共に取り組む体制が定着しています。月1回、専門職会議を開催し、全体の具体的な事項を決定し推進を図っています。但し、労基法関連については、法人の専門家が推進しています。方針の具体的展開については、2ヶ月に1回、副主任会議を行い、ベクトル形成を行い、職員の意見も加味しながら組織的に取り組んでいます。また、内部の体制について、職員配置の適正化を検討し内部統制の強化に取り組んで行きます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

理念・基本方針に基づき、経営状況等を踏まえ、ビジョンに「働き方改革」を根幹に据え、法人で中・長期計画の策定を行い、予算編成については管理職員等が参加しています。職員へは職員会議で法人から説明を行っています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画を踏まえて、単年度の計画を策定しています。法人系列各園から単年度の事業計画と、全体的な計画及び年間指導計画を法人本部へ提出し、法人として単年度の計画を策定しています。単年度における事業計画内容では特に、職員の育成・研修計画を法人全体で作成し、系列園間で統一して展開し具体化を図っています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画(中・長期計画と単年度計画)は、策定や評価での体制、職員の参画・理解の下に組織的な取り組みを進めることが重要です。また、職員が十分に理解していることが必要です。「全体的な計画」、「年間指導計画」「月案」「週・日案」等はPDCAのサイクルに沿って確認、行動し、経験値の浅い職員へもPDCAサイクルの重要性について理解を促し、課題意識を一層持って業務に当たることが期待されます。事業計画は職員が良く理解することは計画達成のために欠かすことができない要件ですので、職員への周知は各計画を文書にして配付する等、理解の促進の取り組みが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画の主な内容として、年間指導計画について年度初めに保護者へ配付及び説明を行い、理念に基づいた保育内容、基本方針の説明も行い、理解を促しています。また、単年度の事業計画に基づく行事計画等については、保護者の参加を促す観点から周知、説明をするようにしています。行事の実施時期には事前に手紙等で伝え、降園時にも口頭にて促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

個人別目標設定の管理手法としてDO(行動)に重点を置いたDO-CAPシートを採用し、個人の目標として、年2回、正規職員がDO-CAPシートに基づいて管理職と面談し、保育の質の向上に取り組んでいます。保育の内容に関しては日々のミーティングで話し合い、職員会議の中でも取り上げ、チェックを行う体制を整え、保育の質の向上に努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

取組むべき課題及び評価結果の課題等については、法人内で月1回の「専門職会議」にて結果等を分析し、見えてきた課題を明確化しています。質の向上につながる仕組みとして、各園の職員会議の共通認識として共有化を図り、改善策を検討し、改善計画を立てて改善を進めています。期末には課題の改善計画についての結果を確認しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

各職位の役割と責任については、新年度初めに理事長が年度当初の方針を示し、その方針に沿って各園の事業計画に園長の方針を示しています。また、園だよりに年度に対する園の考え方を表明し、保護者へも発信しています。園長方針については、理事会等で承認を得、職員に対しては教育も含めて周知及び指導し、園としての推進を図っています。責任・役割分担については職務分掌を明確に規定し、相応の権限移譲も行っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、法令に関する研修等に参加し、法に則った運営を心がけ、社会通念に準拠したルールを遵守し、職務に臨んでいます。遵守すべき法令に関しては規定等に組み込み、体制を整えています。保育については、先入観を排し、子ども・保護者・保育士が互いに有益な協力関係を維持できるよう、全職員が連携して取り組んでいます。法的に不明な点については相談できる外部機関の指導も受けられる体制を整えています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

法人で月1回、系列園全体の施設長会議を開催し、施設長の役割を確認しています。園長は、保育の質に対して系列他園との意見交換や、法人主体の研修等に参加し、保育業界の課題等を把握しています。また、保育環境の変化やニーズに対する課題等を再確認する目的で園外研修にも参加し、理解を深めています。職員に対しては、得た情報の共有を図り、園内研修やOJT等を行い、質の向上に向けた活動を意欲的に取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、人事・労務・財務を踏まえ、経営改善や業務の実効性の向上に努めています。また、保育実務においても、理念・基本方針等の実現に向けて、職員の人員配置・担当、働きやすい環境整備を行い、職員の声、意向を反映しながら改善につなげています。また、勤務シフトに配慮し、家庭と仕事の両立ができるよう配慮しています。評議員会では、園長が所属する園の課題や経営状態等を事業報告という形で説明しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

園長は、人材採用と育成に向けて、方針を構築するよう取組んでいます。現在、法人全体の人材確保を見据え、保育士養成校と連携を図るよう努めています。人材採用に関して常時、募集強化を図り、現在必要な人材及び将来的な人材確保に努め、育成にも力を入れていくよう努めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

保育士の「期待する職員像」については入職オリエンテーション等の資料に明文化されています。「期待する職員像」については年2回、面談時に確認し、改善と向上に努めています。具体的には処遇改善等加算等についても明示し、昇進・昇給に関して基準を定め、職員自身による自己評価、向上性、信頼性等の自覚を促し、適切な基準作りに努めています。職員一人ひとりの力が発揮され、評価が自信につながり、定着率の向上、働きがいのある職場となるよう、仕組み作りを考えています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

就業状況について日頃から確認し、職員の出退勤、超過勤務管理、休暇取得状況を管理し、休暇取得、仕事の進捗状況を確認しています。シフト調整については、職員が希望する休みや、有給休暇の取得を考慮し、業務が厳しい状況の時期でも他職員に気兼ねなく休暇が取得できるよう、調整が図れる体制の構築に努めています。勤務形態は、職員一人ひとりの家庭等の都合に合わせたシフト体制と、年次有給休暇は自己申請に沿い、ワーク・ライフ・バランスに配慮するよう心がけています。年2回の職員面談の他、様子が気になる際や、相談後の状況確認等、必要に応じて職員と面談を行い、コミュニケーションを取るようにしています。変更のあった規定等に関しては、法人の施設長会議や事務会議において説明を受け、職員に職員会議等で分かりやすく示しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員の育成については、法人で教育体制を調え、法人全体としての研修体制を確立しています。法人の研修と併せて各園独自で園内研修を実施し、園の実情に合わせた研修体制を整えています。外部の研修については情報を提供し、希望者が参加できるよう配慮しています。個人的なスキルアップについては、個人の年間の目標を定めて取り組み、法人独自のDO-CAPシートと面談により、個々の対応を実施しています。クラスの年間指導計画と個人のDO-CAPシートによりPDCAに沿った管理体制の強化に努めています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の教育・研修に関しては、入職オリエンテーション等の資料に明文化されている「期待する職員像」、職員の教育・研修に関する基本方針、行動指針等に沿って法人で実施しています。また、職員としての「人となり」については就業規則の服務心得等に明記し実務につなげています。職員教育については、外部研修に参加する機会も設け、非常勤職員を含む全職員へ園内研修計画を配付し参加を促しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

研修の機会については、全職員に参加を勧奨し、希望する職員には受講できるようにしています。キャリアアップ研修に関しては該当職員の意向を聞き取り、毎年研修に参加できるよう計画しています。その他、川崎市等開催の研修案内を掲示し、参加を促しています。現状、離職率は比較的低く、経験ある職員が在籍し、系列園への異動はあるものの、安定した人員が確保できており、体制が維持できるよう維持改善に努めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受入れについては、コロナ禍でも受入れは実施していました。プログラムについては、基本的に各養成校の要望に沿った実施を原則とし、受入れ担当者を置き、各クラスに組み入れ、OJTを中心として育成を行っています。実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について基本的な姿勢を明文化し、さらに実習生等の目的や職種等に考慮した効果的なプログラムを用意する工夫が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉法人として、WAMNETに事業報告書、予算、決算情報、定款等を公開しています。園のホームページにも資金収支計算書、事業活動計算書を開示し、保育目標、地域の福祉向上のための取組の実施状況、第三者評価の受審、苦情・相談の体制や内容について公開しています。保育園の活動は掲示やホームページ等でお知らせしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経理取引ルール等に関しては、取引ルールを定め、競争入札等も含め公正な会計処理を行っています。一定金額以上の取引については複数社から見積もりを取る等、明朗な会計処理を実施しています。また、川崎市の方針に沿い、反社会的勢力との取引をしないことも明示しています。会計処理に関しては、法人顧問の税理士や社労士と打合せ及び相談を行い、運営に生かしています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関わりに関しては、川崎市からの移管後、従来の公立園の活動を継承し保護者会も継続しており、地域との交流についても従前と変わらない体制で取り組んでいます。特に、地域の子育て親子に園庭開放(こっこ広場)を継続し、好評を得ています。地域の行事についても協力しています。反面、地域における社会資源については利用させてもらい、変わらぬ交流ができています。また、地域の親子に向けて園行事の参加を募集する等の交流も行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受入れについては、受け入れに対するマニュアルを備え、受け入れ体制を整えています。現状では中学校の職場体験、高校生のインターンシップ等、でき得る限りの受入れを考えています。今後、ボランティア受入れに関する基本姿勢、地域の学校教育等への協力について基本姿勢の明文化が求められると共に、ボランティア受入れの取組みについて努力を期待いたします。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の社会資源として、地域の病院・診療所、消防署、警察署等の他、川崎市中央児童相談所、川崎市中央療育センター等をリストアップして活用しています。特に、療育センターの研修に職員が参加し、消防署にはAEDの研修を受けています。その他、園長は私立園長会に参加する等、関係機関等との連携が適切に行われています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園は、地域の中核保育園として機能していた旧公立園と同様の機能を期待されており、地域の福祉ニーズに対してはでき得る最大限の還元に努めています。各種会合の取りまとめや、地域団体、民生委員・児童委員等との連携、地域住民への相談事業等、役割を果たしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域との関連については、地域の子どもの育成・支援、近隣保育園との連携、福祉サービスの提供に関するノウハウや、専門的な情報の還元など図っていますが、地域コミュニティの活性化や町づくり、地域の防災対策等、被災時における福祉的な支援に関しては行えていません。今後、公立センター園と協力し、できる範囲で協力を考えて行く予定です。災害時の行政や地域との連携・協力に関する事項の決定及び確認、そして、保育所の役割、取組みを日頃から地域に知らせるための情報提供等、取り組んで行かれることを期待いたします。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念が「豊かな人間性をはぐくみ、明日につなぐ、心の声を聴き、信頼しあえるパートナー」であり、基本方針を「保育所保育指針に基づき、子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を増進するという役割を認識し、保育の目標・方法・環境等、計画的に工夫する。また、保育の知識、経験、技術を地域の子育て家庭や地域社会に貢献するという社会的責任も果たすとともに、子ども一人一人の人格を尊重して、保育を行う。」と定めており、日々の保育でその実践を心がけています。また、川崎市の子どもの権利条例に則り、性差、人権、文化等の違いを尊重する保育を行っています。法人から人権に関する動画配信を受け、職員会議やクラス会議時に学び、人権チェックリストで確認して共通認識を図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

国及び川崎市の条例等に準拠し、子どもや保護者のプライバシーに配慮した保育の実施を心がけています。プライバシー保護については、園での課題に加え、保護者によるSNS等での写真流出等、今後、園内研修を通して職員に徹底を図り、保護者にも啓蒙し「上小田中保育園のしおり」にも記載しています。特に、プールや着替え時には外から見えないよう配慮する工夫をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育所選択に必要な情報として、パンフレットは中原区役所に設置しています。区の保育園紹介誌「このゆびと~まれ」にも掲載されています。ホームページに園情報を掲載し、さらにパンフレット、ホームページの改善を図っていく準備をしています。園見学者には、重要事項説明書を参考に保育環境や園ルールを説明し、随時質問に対応しています。説明終了後は保育室を案内しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始・保育内容の変更時等については、保護者へ事前に文書を配付し保護者会等で説明を行い、了解を得ています。園主催の懇談会は年2回(春と年度末)実施し、同日に全体会とクラス懇談会を開催しています。在園途中での変更については、小さな変更は文書等で説明し、大幅な変更がある場合は直接、説明する機会を設けています。特に、配慮が必要な保護者(外国籍等)の場合には、基本的に個別対応とし、それぞれのケースに応じた対応に努めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

卒園児が来園した際は歓迎し、継続性に配慮するようにしています。転園児に関しては、個人情報の保護という観点から、引き継ぐ必要のある健康カード等のみ引き継ぐ形をとっています。途中転園の場合、引き継ぎ文書に関しては保護者もしくは区役所から正式に依頼を受けた場合は提出しますが、原則は口頭にて対応しています。保育園の利用終了後は、保護者等が相談できるよう、その時の園長が受け付け、卒園児の場合には、子どもにいつでも保育園に遊びに来て良い旨は伝えています。しかし、文書化はしていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの利用者満足度は、毎日の保育の中で職員の重要な業務として把握に努めています。保護者に対しては、行事ごとのアンケートの実施、また、送迎時や日常的なコミュニケーションの中で把握するようにしています。保護者会で意見を聞くこともあります。意見等がある場合は都度、その回答と公表を行い、一つひとつ検討及び具体的な改善に取組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みについては、重要事項説明書に相談・苦情受付担当者、相談・苦情受付責任者、第三者委員、苦情処理の流れを記載し、苦情箱を設置しています。苦情を受けた場合は、迅速に対応し、結果は公表する等、苦情処理の流れを明確にしています。これまで第三者委員にまで上がったケースは1度もありませんが、苦情や意見及びそれに対する対応については書面で残しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見がある場合には、複数の方法や相手を自由に選べることを保護者懇談会他で伝えています。保護者が相談しやすい環境、話しかけやすいタイミング作り、声かけ等で心のゆとりを与えられるよう心がけています。園には旧公立園から引き続き保護者会を継続し、取り扱いについても保護者会と協議して方向性を決めています。意見を述べやすいスペースの確保等の環境については、他人に見られず相談できる部屋が十分に確保できる状態にあります。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

保護者からの相談や意見に対しては、基本的には苦情処理の流れに準じて対応するように心がけています。これまで深刻な苦情には至っていない状態であり、日々の保護者とのコミュニケーションの良さを活用しつつ意見、意向を伺い、改善に努めるようにしています。また、得た情報は必ず園長に報告し、必要事項は日誌、健康管理チェック表等に記載し、全職員に周知を図る体制を整えています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関してはアクシデント(事故報告)とインシデント(ヒヤリハット)を中心に展開しています。アクシデント(事故報告)の内、通院に至ったものについては事故報告書を作成しています。リスクマネジメントは常日頃、小さな事故、事例でも管理職に報告するよう促し、職員間で共有しています。今年度より法人全体でBCP会議が設置され、その中の議題の1つに上げて取り組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症マニュアルを整備し、看護師を中心に感染症予防、感染症発生時の対応を行っています。看護師は感染報告、受診報告を詳細に記入しています。流行性感染症については、研修を交えながら職員に伝え、疾病の流行状況や子どもの罹患程度を踏まえ、川崎市への感染症発生情報の報告体制を敷いています。保護者へは掲示や、口頭で状況を説明し、周知しています。登園許可の必要な感染症に関しては、「上小田中保育園のしおり」に記載し、保護者へ周知しています。新型コロナウイルス感染症の流行時には、衛生面で消毒作業を徹底して行いました。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害に関しては、月1回、避難訓練を様々な想定の下で実施しています。特に、地域的には多摩川の中流域に当たり、日常的な災害に加えて河川の氾濫に備えて2階への垂直避難訓練も取り入れています。避難訓練では、職員個々が避難時の持ち出し物資等の場所を認識しているかの確認もしています。避難先の学校の場所、行き方も確認しています。災害に対する安全ガイドブックも作成し、配付しています。また、BCP計画も園ごとに作成され、安全確保策の実施状況や実効性の確認を行っています。園のBCP(事業継続計画)の観点から屋上に物を置かないことを徹底しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法(業務マニュアル)を完備し、保育の標準化について職員に周知及び教育を行い、保育の質の向上に向けて力を入れています。園内研修ではマニュアルに沿って実施し、質の向上を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法(業務マニュアル)の見直しについては、法人として年1回、主任会で修正する体制となっており、法人系列10園の主任が集まり、修正があれば検討し実施しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は「全体的な計画」に基づいて作成し、各年齢担当者会議、専門職会議で検討したものを持ち寄り、アセスメント会議で摺り合わせを行って修正を図り、各年齢の指導計画を作成し保育を進めています。保護者からの要望、地域の事情等は、指導計画作成時に反映するようにしています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、各園のみならず、法人全体で行う各年齢担当者会議や専門職会議、主任会議、施設長会議等においても周知しています。微修正については各園、各クラスの月案等で進捗状況によって実施しつつ、年間の達成を進めています。
月案、週案等の変更内容については、適宜、職員会議で伝え、確認と今後の方向性を周知し共通理解をしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

保育の実施記録については、保育記録と個人記録に分け、全体と子ども一人ひとりに対して記録しています。個人日誌には、個別の指導計画や週案に照らし合わせた子どもの姿を記載し、ファイルに綴じ、必要に応じて閲覧できるようにしています。子どもの欠席確認にも留意しています。ICT化についても順次導入を進めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

記録の管理・保管に関して、特に、児童表や個人日誌保管と破棄の時期について法律の基準に則って行っています。書面だけでなく、撮影した写真等を含めた個人情報の漏洩防止に関して社会福祉事業の役割の観点から、職員に研修を通して意識の徹底を図っています。個人情報の不適切な利用、漏洩防止に努め、事務室のロッカーに格納し、保管責任者を園長とし、管理しています。個人情報保護の研修をパート職員も含め、全員受けています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の策定に当たっては、法人系列各園の主任が中心となり専門職の職員の意見も参考にして作成しています。また、前年度の反省と課題を抽出し計画へ組み込んでいます。計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針等の趣旨を捉え、理念、保育方針や目標に基づき、子どもの発達過程、子どもの保育時間、地域の実態を考慮して作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちの快適な生活に向けた工夫では、①広くゆったりした保育室、②衛生環境の整備、③子どもが寛いだり、落ち着ける場所の確保、④睡眠のための空間の確保、⑤安全、衛生の配慮等がなされています。広く、ゆとりのある空間を如何に子どもにとって良い環境に作り上げられるかについて、常に検討を行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりの個人差を十分に把握し、尊重した保育を行っています。乳児では育児担当制で子ども一人ひとりの発達・個性を尊重し、幼児ではサークルタイムを導入して自分の気持ちを相手に伝えることや、相手の話を聴き、思いやりの心や自主性を育んでいます。これらの活動状況の確認を毎月、クラス会議においてセルフチェックを行い、活動に反映させています。子ども本位の保育に努めています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣を身に付けられるよう、子ども一人ひとりに合わせて援助に努め、生活に馴染めるよう配慮する等、個々の個性を大切にして根気よく進めています。このためにも育児担当制が有効であり、同じ職員が食事と排泄を担当しています。勿論、他の保育も担当が主体的に行いますが、特に、食事と排泄では好き嫌いや、体調を把握するのに最適です。担当保育士は子どもたちが今何に興味があるかがすぐに分かり、やりたいことを提供し、それぞれの能力に応じた生活習慣を身に付けられるよう取り組むことができます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

様々なカリキュラムは、習熟を目指すものではなく、子どもが自分の好きなこと・得意なことを1つでも見つけられるよう取り入れています。幼児のサークルタイムでは、子どもがやりたいことを話し合い、担当保育士は子どもの意見を尊重しつつデイリープログラムを実施しています。子どもは自分たちで決めたことをやっていると体感し、友だちとの話し合いの経験と、やりたいことをやる楽しさを味わいつつ毎日を過ごしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

法人系列全園で、家庭と同じように子どもが安心して過ごせるよう、2歳児までは大人との愛着関係を大切にし、担当保育士を置いて「育児担当制」を採用しています。特に、意思を言葉で表現できない0歳児については、決まった保育士が見てくれていることで、子どもは安心し、大人との愛着関係も育まれます。0歳児について、「育児担当制」で行っていることは主に食事と排泄で、これについては必ず1対1で行っています。育児担当制の導入で、子ども一人ひとりの成長をしっかり見ることができています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)については、3歳児以上を視野に入れ、友だちとの関係等社会性にも配慮しつつ、愛着関係の形成には特定の大人を信頼する基礎をしっかり持てるように「育児担当制」を継続し、人を信頼するスキルの形成を継続しています。また、子どものSOSに速やかに気付くことができるようにしています。遊びではコーナーを設定し、一人ひとりの好みの遊びを楽しめるよう工夫しています。家庭とのコミュニケーションについては、登降園時に子どもの姿を伝え合いながら、必要に応じて相談を受けられるよう心がけています。毎日の連絡帳や年1回以上の個人面談、保育参観等を実施し、保護者との共有を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育に関しては、サークルタイムの実施と様々なカリキュラムの導入を特徴としています。3歳児~5歳児になると社会性の育成が重要で、2歳児の段階で友だちの関係が芽生えて来た成長を見逃さず、友だちとの付き合いが自然な形でできる、思いやる心、助け合う心を育むために「サークルタイム」を行っています。「嬉しかったこと」、「悲しかったこと」、「やってみたいこと」等を話し、自分の気持ちを伝えるだけではなく、友だちの話も聴きます。そんな毎日の積み重ねが、他人を思いやる心や自主性を育みます。保育士は子どもたちの成長を楽しく見届けています。様々なカリキュラムでは、外部から講師を招くことを原則とし、子どもと一緒に保育士も学び、自身の保育に幅を持たせることも考えて進めています。体操教室では様々な運動遊びに興味を持ち、多種多様な運動ができるようになることに加え、集団での決まりやルールを覚えています。英語教室では言葉、ゲーム、歌を通じて異文化に触れ、リトミック教室では楽器、リズム遊びを通じて表現力やリズム感を育み、科学遊び教室では沢山の不思議を体験しています。この多くの経験が子どもを大きく育てると考え、実施しています。小学校に向けては、保育所保育要録で個別に伝えるようにしています。小学校のスターティングプログラムに合わせたアプローチプログラムも実施しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どもは現在在園していませんが、障害の子ども、障害があるかもしれない子どもに対しては、川崎市中央療育センターと話し合いを重ね、該当児に寄り添いながら保育に当たり、個別計画や記録を取ります。特に、子ども同士の関わりや戸外活動では安全に留意するよう配慮します。環境に関しては、川崎市と相談しながら、受入れの際は該当児に対してより良い生活環境となるよう指導計画の下、保護者や関係機関と連携して保育を進めて行きます。職員には発達コーディネーターの研修に多く参加させ、研鑽を図っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

特に長時間、保育園で過ごす子どもについては、1日の生活を見通しその連続性に配慮し、家庭的でゆったりと過ごすことができるよう環境を整え、子どもの体調・状態に応じた個別対応を心がけています。保護者とは、常に情報交換を心がけ、1日の子どもの様子を職員間で確認してから、保護者に伝えています。年齢に応じた休息時間や1日の活動に「動と静」の時間を設け、ゆったりとした時間を過ごせるよう配慮しています。食事については、家庭での食生活(朝食を抜く等)を鑑み、教示すると共に早目の食事等で配慮するようにしています。長時間過ごし同じクラスの友だちが少なくなる頃には、異年齢保育(名称:ミックスジュース)の活動や、サークルタイム等で他クラスの子ども同士が知り合う誘いや、安心した気持ちを引き出す取り組みも行っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

計画の中に小学校との連携や就学に関連する事項が記載され、それに基づいた保育を行っています。子どもが、小学校以降の生活について見通しを持てる機会を提供し、小学校との連携を企画し実施しています。保護者にも小学校の情報を伝える機会を設けています。幼保小連携会に参加し、アプローチプログラム→スターティングプログラムについて話合い、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」等の考え方についても話し合っています。就学に関して、近隣の小学校から(コロナ禍が沈静した昨年)、小学校で机に座っていられること、ひらがな、数字が書けること等、子どもたちに話してもらいました。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理については、看護師が中心となって健康教育、感染症情報の伝達、性教育(プライベートゾーンの話等)、トイレの使い方等を教育しています。保健だよりで様々な情報を提供すると共に、健康教育の実施・報告も丁寧に行っています。登園時に家庭で体調の変化を確認し、降園時に園での様子を連絡帳で伝え、口頭でも詳しく説明しています。子どもの体調の変化やケガについては、必要に応じて保護者に一報を入れてから伝える場合もあります。子どもの健康状態に関する情報は必ず、全職員で共有を図り、保育に当たっています。体調不良等で欠席の場合は、保護者へ細かく聞き取り、休日の過ごし方や受診状況等を把握し、台帳に記載しています。SIDSについては、定時のチェックと併せてルクミー午睡チェック(午睡チェック用センサー・記録アプリ)を活用しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科健診については、嘱託医による内科健診は0歳児、1歳児は2ヶ月に1回、2歳児以上は4か月に1回実施しています。歯科健診は年1回実施しています。内科健診委嘱医院は皮膚科の医師も在院し相談できる体制があります。健診の結果は健康カードに記載し保存しています。健診の結果、異常が見つかった場合には精密検査を促しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患については、医師の指示の下、完全除去食とし、家庭で食した食品のみを園で提供するようにし、アレルゲンでないことを双方で確認して家庭と連携を図りながら適切に対応しています。アレルギー児用の献立表の作成・配付は毎月行っています。また、入園面接には栄養士または看護師も同席しています。アレルギー食については食器・トレーの色を分け、食札を付け、保育士間でトリプルチェックを実施して提供しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

法人系列全園で、食育に関して力を入れ、食事を大切にしています。子どもたちにとって、保育園在園期間は味覚が形成される大切な時期と捉え、昆布や鰹節でしっかりと出汁を取り、旬の素材を多く使用し、確かな味覚が育つよう、バリエーション豊かな給食を提供しています。食器についても拘り、沖縄で作られた深めで、重みがあり、子どもがすくい易い形状の陶器を採用しています。陶器は壊れやすいですが、丁寧に扱うことを教える意味で敢えて採用しています。食事量の加減については、個人差やその日の体調に合わせて提供しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

食事の献立は、季節感や地域の食文化、伝統的な行事食を取り入れる工夫をし、おせち、七草粥等、日本の食文化を組み入れ、和食中心で構成しています。また、形状の大きさ、食べやすさを工夫して提供しています。おやつ、延長食も手作りで提供し、お誕生日会のメニューを設けています。毎月、給食会議で保育士から様々な意見を聞き、月1回、法人全体の栄養士会議で献立を検討し、調理法の工夫に生かしています。また、衛生管理マニュアルを備え、毎日清掃チェックを行い、給食日誌内に確認項目を示しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育参観・保育参加・個人面談は随時対応していますが、年1回は全家庭に参加を義務付けています。保護者懇談会の出席率も高い状態にあり、保護者の意識も高く見られます。行事に関しては事前に手紙で伝え、保育の意図や保育内容について保護者に理解を促す機会として活用しています。園だよりには、日々の保育の様子を掲載し、活動報告や連絡帳も写真を活用して分かりやすく配信し、園の保育活動の雰囲気を伝えています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保護者とのコミュニケーションを通して、不安や不満がないかを把握し、早い段階で対応できるよう職員体勢を整えるよう努めています。保護者から相談を受けた場合は、記録の書面準備を行い、職員間で共有ができるよう期待されます。また、保護者が保育士に言ったことが伝わっていないとの意見が数件見られています。保護者の相談内容、その支援の状況を適切に記録し、またどのように職員間で共有していくかが求められます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待等権利侵害に関して、マニュアルを備え、子ども、保護者の表情、気配等から察知できるよう「気づき」を大切にするよう日頃から指導に当たっています。虐待チェックシートを活用してキャッチに努め、法人から配付された虐待に関するビデオを見て研修を行っています。特に、登園時の子どものケガについては、家庭か園での傷か等、注意深く観察するよう留意しています。また、休み明けには特に注意を払い、新しい傷や、肌・衣服等の衛生面への配慮等、必ず確認しています。虐待等権利侵害予防として、不安要素を感じた場合は早期発見に努めています。中央児童相談所には具体的なケースがあれば相談できる体制はあります。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員の自己評価はDO-CAPシートにより、年2回実施しています。年度途中に面談で進捗状況を確認・共有し、年度末に反省して次期につなげる仕組みは確立されます。職員の定着性も良く、働きやすい保育園として、産休、育休も取り易い体制としています。しかし、実例では産休・育休の取得が残っている職員の負担増になっている等の要因も見えています。園では、国や法人の施策がプラスに働かずマイナスに働いていると捉え、再構築を検討する意向です。保育士等の保育実践の振り返り(自己評価)は、保育士等が個別に行うだけではなく、職員間相互の話し合い等を通じて行い、一人では気づけなかった保育の良さや課題の確認につなげ、学び合いや協働の基盤を作ることも大切です。職員の意識向上につながる取り組みに期待いたします。