社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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介護老人保健施設 港南あおぞら

2020年05月11日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 介護老人保健施設 港南あおぞら 評価対象サービス 高齢者福祉サービス版
対象分野 介護老人保健施設 定員 150 名
所在地 234-0056
横浜市港南区野庭町2187-1
TEL 045-844-6661 ホームページ http://www.himawarifukushi.or.jp/k-aozora/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2000年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 ひまわり福祉会
職員数
常勤職員:65 名
非常勤職員:56 名
専門職員
介護職:49 名
医師:4 名
看護師:11 名
准看護師:8 名
介護支援専門員:3 名
支援相談員:5 名
理学療法士:5 名
作業療法士:7 名
管理栄養士:2 名
施設・設備の概要
居室:4人部屋 33室
居室:2人部屋 5室
居室:1人部屋 8室
設備:鉄筋コンクリート陸屋根3階建

③ 理念・基本方針
<ひまわり福祉会の理念>
● 個人の尊厳ある日常生活の保持を目指し、良質なサービスの提供に努める。
● 利用者の意向を十分に尊重し、いつでも誰でも安心して利用できる総合的なサービスの提供に努める。
● 地域福祉の拠点として、開かれた施設作りと地域貢献に努める。

<介護老人保健施設港南あおぞらの方針>
● 施設サービス計画に基づき、看護、医学管理下における介護及び機能訓練、その他必要な医療並びに日常生活のケアを行う。
● 可能な限り自宅における生活への復帰を目指し、入所者が有する能力に応じて自立した生活ができるよう努める。
● 明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結びつきを重視するよう努める。
● 法令を遵守した運営を行う。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●介護老人保健施設港南あおぞらは、1.「利用者の安全に努めるために利用者の日々の細かな情報等を担当する職員が共有できるようにする。」、2.「地域包括支援施設として自宅に帰るお役立ちをするため、在宅復帰強化型を取得した。」3.「仕事の内容を細分化し、短時間労働でも戦力になるように働き方改革を進めている。」等の3つの特徴的な取り組みを実施及び、推進を図り、理念である在宅復帰を目指し、利用者本位のサービスの提供に努め、利用者一人ひとりと職員が信頼関係を築き、グループケアの実践に取り組んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/05/21(契約日) ~2020/04/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2008年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇特に評価の高い点

1.【パーソン・センタード・ケアの取り組み】
●介護老人保健施設港南あおぞらの定員150名の内、認知症専門棟の定員は50名であり、入所者の1/3に相当するため特に、認知症ケアについては重点的に取り組んでいます。施設では、「パーソン・センタード・ケア」の考え方を導入し、利用者一人ひとりを尊重し、認知症の方の心理的ニーズを理解して個々に合わせたケアに努めています。施設では、利用者を数名のグループに分け、グループごとに出来得る限り同じ職員が支援に当たり、同じ利用者を観察等することにより理解を深め、利用者も何時もいつも見慣れた職員が生活の中に存在することで不安等が軽減され、利用者の精神の安定を図り、信頼関係の構築につなげています。

2.【施設の在り方】
●介護老人保健施設は基本的に中間施設であり、介護老人保健施設港南あおぞらは、看護・医学的管理の下、介護・機能訓練、その他必要な医療を行い、利用者の有する能力に応じて自立した生活を営むことができるよう、在宅復帰を目指し、他職種のケアの質を高め、リハビリの強化に努め、在宅の福祉サービスをスムーズに利用できるようサポートに努めています。職員は、利用者一人ひとりに寄り添い、家庭的な雰囲気で支援に当たっています。利用者本人調査でも「職員の対応」について満足度が高く、要望等も気軽になんでも言える関係が醸成されていることが確認でき、「目的」の為の支援と共に利用者とのコミュニケーションの良さ=信頼関係の築きはこの施設の特記する点です。

3.【地域の他業種・多職種間の有機的連携】
●地域の居宅介護事業所が中心となり、「見える事例検討会」が開催されています。一つの事例をもとに他業種で課題や提案等を出し合い、方向性を出していく取り組みです。港南あおぞらも港南区の「見える事例検討会」に2か月に1回のペースで参加しています。そこでは地域の介護・医療関係者だけでなく、一般住民の方や行政の方、弁護士等も参加し、ここに研鑽を図っています。また、医師会を中心に、医療(医師、看護師)、福祉(介護士、療法士、社会福祉士等)、行政など60事業所から150名ほどが集まる「医福(いっぷく)ネット」にも参加しています。事例検討を通して個々の知識の底上げや、他職種連携の推進を図り、地域の医療、福祉の情報交換の場として地域の有機的な連携を図っています。学び得た検討結果、他業種間での見解等は個々に生かし、利用者の満足度につなげています。

改善を求められる点 ◇改善を求められる点

1.【配置の最適化への改善について】
●介護老人保健施設港南あおぞらの構造上において、利用者の居室は2階、3階に設けられ、建物1階には事務所、応接室等、来客に向けたスペースを配置し、浴室は1階に集中しています。内部動線、連携等を踏まえ、職員の集合においても非効率な現状を考慮し、3年を見据えて改善に向けて取り組む予定でいます。ぜひ、配置の最適化、同じフロアでの浴室設備の実現が望まれるところですので、改善に向けて期待いたしております。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名  社会福祉法人ひまわり福祉会 介護老人保健施設 港南あおぞら
施設長名 渡邉 浩之            

≪第三者評価を受審した感想≫

・第三者評価内容を理解することでサービスの質の在り方を見直すことができた。

・他職種の協働連携と意識統一の必要性を再認識し、施設内の状況を実感できた。

・今回は内容チェックをグループ分けし、全職員で実施したことで職員全員が施設のサービス内容・サービスの質を再確認する機会が持て、各自気づきが得られた。


≪評価後取り組んだ事として≫


1.施設全体の運営方向性を再統一し、周知に努めた。

2.評価内容に応じて再確認し、提供しているサービスの質を見直し、行動することを再指導した。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

●理念、基本方針については社会福祉法人ひまわり福祉会(以下、法人という)のホームページに掲載し、施設のパンフレットを来訪者の目につく場所に設置して周知しています。施設の方針については、各階・各部署の職員の目に触れる場所に貼り出し、確認できるように啓蒙しています。また、新年度職員会議(年1回)、施設運営委員会(年2回)、4/1の全体集会の場等で施設長から理念、基本方針について示し、職員間で共通理解を図っています。利用者、ご家族に対しては重要事項説明書に明示して配付し、理解を促しています。人材教育、評価については、コンピテンシーを導入し、各科で半期ごとに目標設定を行い、上期3回、下期3回の上長との個人面談を実施して目標管理を行い、職員のスキル、能力の「見える化」を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●経営環境の把握については、法人の管理者会議や、運営委員会、全福祉ネット、事例検討会、法人の税理士情報等から動向を見据え、地域性に関しては地域の町内会長や港南区役所高齢課等と連携を図り、情報を収集し、運営に活かしています。収益と稼働率グラフも月次で作成し、運営委員会に報告しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●経営の課題については、法人の管理者会議で法人系列各施設から情報を収集して分析を行い、課題を抽出及び検討を図り、検討結果は法人理事会、施設運営委員会で報告及び共有して経営判断をしています。運営委員会の内容は各科会議に下ろし、分析・対応策の検討を行い、実施しています。各科の取り組みについては運営委員会で進捗を報告しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期計画は3年(短期)~5年(中長期)で計画を策定し、中・長期の3年計画を基に今年度の目標を立て、年度計画は上期・下期に分けて展開しています。計画は具体的に入所稼働率や在宅復帰強化型のポイント等を組み込み、年度計画は毎月、法人の管理者会議にて評価及び見直しを実施して着実に進めています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期計画に沿って前項に如く、上期・下期に分けた年度計画、単年度の目標を策定して実施しています。各科では年度計画を「方針」と「目標」の2本立てで策定し、特に、「目標」については計画化と細分化を図り、1日の行動を設定して日々着実に達成して目標に到達できるよう進めています。目標の進捗状況については毎月の運営委員会で報告しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

●事業計画は、運営委員会に各科の長が参加し、各科の意見・意向を吸い上げ、意見等を反映させて策定しています。事業計画や目標値については、年初4月の新年度職員全体集会において各科の長が発表し、施設全体で共有し、半年後に上期の実施状況の評価・反省を行い、下期目標の修正を図り、目標達成に向けてリトライを行う体制を構築しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画は、事業報告書として開示し、1階の事務所窓口に設置して誰もが閲覧できるようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●PDCAサイクルについては、「R4システム」(全老健版ケアマネジメント方式)を導入し、他職種協働の実践の促進を図り、組織的に取り組んでいます。「R4システム」の活用により、利用者のアセスメントからケアプラン(P)、ケア実績(D)、評価(C)の構築に主眼を置き、チーム介護の効率化を図ってます。データはパソコンのクラウドで共有し、マネジメントしています。「R4システム」でのワークシートはカンファレンス、継続検討会議の見直し判定に活用しています。職員の接遇に関しては、「接遇チェック表」を活用して半期に1回評価を実施し、1次評価者が接遇(言葉遣い、挨拶、コミュニケーション等)をチェック後、人事考課面談時に活用し、チェック内容については教育委員会で内容の改善を図り、施設全体でサービスの質の向上に取り組んでいます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

●「R4システム」のプレインテークA-3(生活機能(ICF)アセスメント)を活用し、入所後の利用者の状態の判定と合わせて実行状況の見直し・判定を行い、また、モニタリング(評価)と併用しながらA-4(A-3同シート)に他職種がカンファレンスに参加(パソコン上)することにより、現状、課題点、対応策が抽出され、確約した対応策について次回の評価日を決定し、実施しています。評価結果は、継続検討会議(3か月ごと)において毎月の評価報告を行い、施設の体質改善に取り組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●職務権限規程、業務分業規程があり、施設内において職務や仕事を分けて持ち、その職務の責任の所在を明らかにしています。毎年、施設長として方針と目標を表明し、各科に施設長名で掲示して示しています。年度初めに運営委員会でも方針と目標を示し、毎月の委員会で目標の進捗状況について意見や考えを述べ、ベクトルを定めています。施設長不在時の権限委任については、事故対応マニュアル及び防災マニュアルで明確にしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●遵守すべき法令等については、就業規則に明示して周知し、遵守しています。コンプライアンスを含むマニュアルを整備し、半期に1回、全体研修を実施し、職員は理解を深めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●サービスの質の向上についての評価、分析については運営委員会が中心となって取り組んでいます。施設長は、介護職員の人材不足を鑑み、サービス低下を防止するため看護科やICT委員会によるサポートを推進し、外国人技能実習制度等も活用してサービスの質の向上に取り組んでいます。職員に対しては、コンピテンシー面接を実施して職員の意見・意向等を把握し、助言・指導に努めています。施設長は、各委員会に出席または議事録を確認し、詳細に指示を出し、指導力を発揮しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●経営の改善についての活動は運営委員会が推進を図り、半年に1回、職員が希望する勤務の形態を確認し、働きやすい職場環境作りに努めています。非常勤の働き方については勤務時間(長さ、時間帯)等の希望、要望等を聞く機会を設け、各科においても職員の希望等を把握し、業務効率化や生産性向上につながるよう取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●福祉人材の採用に関しては、法人の理念・職員の姿勢に基づいて採用活動を進めています。専門学校や各種媒体を通じて募集を行い、実習生の受け入れを積極的に行い、実習を通じて採用につなげています。また、「初任者研修」、「実務者研修」の講師を引き受け、採用活動の一助とし、人材の確保に努めています。法人の教育委員会が主催する研修会に参加を促し、職員の育成に力を入れ、中途採用、新入職員についてはOJTで丁寧に指導を行う等、定着についても配慮しています。今後、現場見学や就職説明会の開催等を実施する等、人材の確保の工夫に期待がされます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●「期待する職員像」について、法人の規定に明示し、人事考課の「基準要領規定」にも記載しています。「期待する職員像」については、各科に備え、誰もがいつでも確認できるようにしています。また、法人の理念には「期待する職員像」の精神が示されています。人事考課では、コンピテンシーを活用して公正に評価を実施し、職員にフィードバックしながら助言・指導を行い、個々の長所を伸ばし、短所を長所で補いながら改善が図れるようキャリアアップにつなげています。入職前の採用パンフレットにはキャリアプラン(キャリアパス制度)を示し、入職後の期待につなげています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●各科の上長は、職員の就業状況、意向等を把握し、働きやすい職場環境作りにつなげています。上長は、勤務システムにより有給休暇の取得、残業時間の状況を毎月把握し、安全衛生委員会で把握した職員の心身の健康情報を共有し、必要に応じて面接を実施して現状把握に努めています。福利厚生では、産業医によるストレスチェックの実施や、特に職員一人ひとりの精神面に配慮しています。また、余暇に職員間のコミュニケーションを兼ねて運動クラブ活動を設けています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●目標管理について、「期待する職員像」、人事考課を基に個々の状況に応じた目標管理を実施しています。正規職員は3ヶ月おきに個別面談を実施し、個人目標については目標設定面談・中間面談で推進を確認し、上期、下期の目標管理表を作成して育成につなげています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●期待する職員像を示し、実現のために必要な接遇、専門技術の向上に努めています。研修計画については、法人主催でスキルアップの機会の提供や、施設内の教育委員会で策定した研修を実施し、毎月の委員会で評価と見直しを行い、相乗効果のある教育体制で実施しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●職員の教育・研修については、階層別研修、職種別研修、外部研修、OJTを計画的に実施しています。階層別では新人研修、階層別、職種別の他、勉強会、外部研修、テーマ別研修等を活用して細分化を図り、有効的に実施しています。新任職員については6ヶ月間OJT指導職員を付けて丁寧に実施しています。各科の管理職は職員一人ひとりのスキルを確認し、必要に応じて外部研修に参加を促し、個々のスキルアップ向上に努めています。外部研修は掲示を行い、自主的な研修の参加を推進しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生の受け入れでは、オリエンテーション資料、実習生受け入れのマニュアルを整備し、職種別に実習プログラムを準備し、実習依頼校の要望に応じて特性に配慮した実習指導に努めています。当施設は介護福祉士養成実習施設であり、実習生の指導者に対する研修にも力を入れ、実習指導員特別講習会に参加し、修了した職員は計8名在籍しています。また、専門学校で開催される学生の発表会、講師を交えたディスカッションに指導員の職員が参加する等、研鑽を図っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●運営の透明性については、社会福祉法人であり、法人のサービス内容、事業計画、事業報告、予算決算報告等をホームページ及び、介護情報サービスかながわに公表しています。相談窓口、苦情対応については重要事項説明書に明示し、相談窓口・苦情担当者、苦情解決責任者を記載し、施設内にも掲示して周知しています。重要事項説明書は利用者、ご家族に配付すると共に玄関に掲示しています。苦情を受けた場合は、解決策も含めて施設内の掲示版に公開するようにしています。広報委員会では施設内広報誌を作成し、情報を掲示して運営の透明性に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●職務権限について職務表に明確化を図り、運営状況実績表により物品購入等のルール化を図っています。また、定期的に内部監査を実施し、年1回、運営状況点検書を作成し、改善状況を確認しています。毎月、管理者会議に税理士が参加し、監査支援や経営改善について話し合い、公正かつ透明性の高い経営に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域との関わりについては、「施設方針と目標」の中で文書化し、明示しています。地域のクリーンアップ活動に協力し、2ヶ月に1回、施設の入口から環状3号線まで職員等で掃除を行い、地域や施設の周辺の草刈り等を実施し、地域に貢献しています。また、感染症情報について地域へ注意喚起を行う活動も実施しています。毎月、「港南区ななの会」(ボランティア団体)に施設を開放し、利用者と地域の方々が交流する機会を提供しています。近隣の資源の活用では、地域の公園へのドライブや「31アイスクリーム企画」等を利用しています。成年後見制度については、来訪者が確認できるようポスターを貼り出し、事務所に成年後見人の冊子も準備しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティアの受け入れについては、ボランティア受け入れのマニュアルを整え、オリエンテーションを行い、登録用紙、個人情報保護法に関する誓約書、活動記録用紙等を準備し、中学校の職業体験を受け入れています。大学の教員免許取得に際した体験実習も受け入れ、実地の指導を丁寧に行い、その後も必要に応じてフォローを行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関・団体のリスト一覧を備え、協力医療機関は半径5Km以内の医療機関をリストアップし、戸塚共立、病院、栄共済病院、東戸塚記念病院等とは地域医療連携において連絡会に出席し、連携を図っています。協力医療機関については各フロアの電話の側に一覧を設置して緊急等に対応できるようにしています。また、利用者に必要に応じて適切な病院を紹介できる体制も整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域のニーズ等を把握するため、年2回、施設運営委員会に協力医療機関の代表者や近隣自治体の代表者が参加し、施設の取り組み等を発表し、情報共有及び地域のニーズを把握しています。また、地域の自治体の会議に参加し、介護老人保健施設の機能等の説明や、質疑応答の機会を設ける等、活動を行い、小山台町内会等にも説明を行っています。地域で開かれる連絡会等にも定期的に参加し、地域での課題について共有しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

●地域に向けた公益的な事業として、リハビリ科で地域のケアプラザ等へ講師派遣を行い、リハビリや疾患等に関する知識を伝えています。リハビリテーションについては施設内に相談窓口を設置し、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所のケアマネージャー、利用者家族等からの相談に対応しています。地域貢献の事業活動としては、単年度の「施設方針と目標」にも明記し、クリーンアップ活動(地域の清掃活動)を実施しています。また、日野南連合会の夏祭りにも利用者と参加し、出店しています。港南あおぞらは、港南区と防災協定を結び、緊急時は地域の福祉避難所として開放し、備蓄も備えています。防災に関するマニュアルも整備しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の尊重については、施設の基本方針に明示しています。法人の倫理綱領がマニュアル化され、介護業務マニュアルにも職員の行動指針として介護作業の手順書を示し、利用者の尊重について理解を深めています。毎年、法人主催の人権擁護研修に参加し、毎月、身体拘束適正化委員会で状況の確認及び、評価を実施しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●利用者のプライバシー保護については、個人情報保護規程のマニュアルを整備し、重要事項説明書でもプライバシー保護について明記し、各科にマニュアルを設置して周知徹底を図っています。特に、入浴時のプライバシーへの配慮では配置や物品等に工夫し、配慮しています。利用者については、個人情報について入所前の面接時及び入所契約時に十分説明を行い、同意書を得ています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●利用希望者への情報の提供として、ホームページ、施設パンフレットや、「老健とは」(資料)を事務所窓口に設置し、施設見学者に配付し、個別に丁寧に説明しています。施設パンフレットは写真付きで分かりやすく、理解しやすいよう提供しています。利用希望者に対して、サービスに変更のある場合には適宜、書類を訂正して配付しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●使用開始時は,契約書及び重要事項説明書によりサービス内容・利用内容を丁寧に説明し、利用当日に契約書に沿って詳細の説明後、同意書を交しています。高齢等により意思決定が困難な場合には、ご家族、身元引受人等に説明し、同意をいただいています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●他福祉施設の変更や家庭への移行に関しては、看護サマリーを主としてご家族にデータを提供し、必要に応じてケアプランのアセスメントも提供し、円滑な移行やサービスの引継ぎができるよう配慮しています。利用終了後についても相談や助言を実施することにしており、相談員、ケアマネジャーが窓口となり、サービスの継続性に配慮しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者満足度の向上に関して半期に1回、利用者接遇アンケートを実施し、ケアマネジャーを中心に対象を介護士、看護師に実施しています。毎月、ケアプランについて説明を行い、ケアプランの満足度も確認し、職員は、「ケアケア交流会」に参加し、利用者家族、居宅介護支援事業所のケアマネジャーから意見等を聞き、利用者満足の向上につなげています。担当者会議については随時、開催して話し合い、サービス向上に取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについては、苦情解決マニュアルを整備し、苦情解決の体制を整えています。また、重要事項説明書に明示し、施設の掲示板に掲示して周知しています。また、玄関に意見箱を設置し、苦情等を受けた場合は内容や対応策についてご家族に報告し、当該苦情者に同意の上、施設内の掲示板にも掲示しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●利用者が意見を述べやすい環境の整備については、重要事項説明書に相談窓口、苦情対応について明示し、苦情相談の体系については第三者の相談窓口等(行政窓口等数ヶ所)も玄関に掲示し、相談のための応接室や相談室を備え、安心して相談できる環境を整えています。また、意見箱も設置していつでも意見等が述べるようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●港南あおぞらでは、グループケア(少人数制)、パーソンセンタードケアを実施し、きめ細やかなサービスに努め、職員は日頃から利用者の言動に注視し、利用者が抱える思いに耳を傾けるよう心がけています。「苦情・対応マニュアル」を整備し、利用者の要望や、苦情等受け付け時の状況に応じて適切かつ迅速に対応できるようにしています。マニュアルの整備については定期的に教育委員会が見直しを図っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●事故発生の防止及び発生時対応のマニュアルを整備し、ケアの向上による事故の軽減、利用者の安全・安心の確保を目指し、リスクマネジメント委員会を設定して毎月、リスクマネジメント委員会議を開催しています。リスクマネジメント委員会では、利用者の安全な療養生活に重点を置いた利用者に関するリスクと、運営上のリスクを踏まえ、事故対策委員会、身体拘束適正化検討委員会を設置して活動しています。また、ひやりはっと事故報告書に沿い、迅速にカンファレンスを実施し、リスクの未然防止及びリスク対応力の向上に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●施設内の感染症の発生や発生時の感染拡大防止のために感染症対策委員会を設置し、感染症に関するマニュアルを整備し、「責任と役割を明確にした管理体制」、「感染症予防・発生時対応」を明示して職員に周知を図り、利用者の安全確保のために取り組んでいます。定期的に感染症委員会を開催し、見直し及び今後の取り組みについて検討しています。インフルエンザについては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づいて作成された「インフルエンザに関する特定感染症予防指針」に基づき、施設内感染対策の指針を策定しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時の対応については、防災マニュアルを備え、対応体制、安否確認等について明示して職員に周知を図っています。基本的に消防計画に準じて実施し、年2回様々な場面を想定した防災訓練を行い、消防署の指示の下、避難訓練を年1回実施しています。また、福祉避難所として港南区との連絡訓練も実施しています。食糧等の備蓄については栄養士がリスト化し、什器備品・消耗品、発電機等については事務員が作成して連携を図り、整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

●提供するサービスの標準的な実施方法については、各種マニュアルを整備し、利用者の尊重・プライバシーの保護・権利擁護に関する姿勢を明示し、全職員はマニュアルに沿って定期的に勉強会を行い、標準化を図り、日々実践しています。新人入職者に対してはOJT制度を設け、標準的な実施方法を徹底しています。利用者に対しては、重要事項説明書、契約書に示し、サービス情報の公表も毎年実施しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●標準的な実施方法については、基本的に教育委員会が中心となり定期的にマニュアルに関する検討、見直しを実施しています。サービス提供については利用者一人ひとりの状況に応じて適切に対応するよう努め、見直しはカンファレンス等で職員や利用者の意見を反映して変更するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

●ケアプランはケアマネジャーが責任者となり作成し、各科の担当者がR4システムによりA-3、A-4にてアセスメントを行っています。ケアプラン作成に係るカンファレンスは毎月、多職種共同で開催し、総合計画書には個別のニーズも記載しています。自宅復帰者や困難ケースに関しては、職員及び外部の事業者等と話し合いを行い、自宅で虐待が疑われる場合には行政や知己の関係者と共にアセスメントを実施し、問題解決に努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●福祉サービス実施計画の評価・見直しについては、入所検討会議を1週間に1回、入所継続会議はフロアごとに1ヶ月に各1回ずつ多職種間で実施しています。内容についてはR4システムのA-3(実行状況の判定結果)で周知を図り、パソコン内で共有化を図り、改善が必要なサービス内容や課題等を明記しています。緊急的にプランを変更する場合にはケアマネジャーを中心に各職種間でカンファレンスを行い、変更内容については申し送り時に説明しています。在宅復帰についてはカンファレンスを1ヶ月ごとに実施しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●サービス実施の記録については、各フロアで「介護・看護記録(カーデックス)」に統一して記録しています。記録の記載の仕方については指導を行い、記載、記録の仕方の統一を図っています。利用者の生活状況はカーデックスで日常管理を行い、ケアプラン(総合計画書)を差し込み、どの職員でも解かるように工夫しています。
また、R4システムでの「介護支援経過」を活用し、多職種間で確認できるよう取り組んでいます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●利用者の記録の管理体制については、個人情報保護マニュアルに、「保管、保存、廃棄、情報提供、不適正な利用や漏洩に対する対策」を規定しています。個人情報に関する責任者は施設長とし、毎年、全職員対象に個人情報保護の研修を実施しています。個人情報の取り扱いについては、入職時に全職員は同意書にサインし、入所者からも契約前・契約時に個人情報同意書を得ています。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●利用者本人の意向に沿って生活が送れるよう、インテーク時にR4システムのA-1、A-2にて目標やこれまでの状況、心身の状況を記録し、全職員で共有を図り、個別の状況に応じて支援しています。フロア(一般棟、認知症棟、要介護棟など)ごとに利用者一人ひとりの心身の状態に応じて臥床時間やレクリエーション、入浴、リハビリテーション等、利用者一人ひとりに応じて日常が過ごせるよう支援しています。また、音楽療法は月2回認知症専門棟で実施し、学習療法は毎週1回各フロアで実施し、自立支援に努めています。カンファレンスは定期的に開催し、ケアプランの見直しにつなげています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:b】

●港南あおぞらでは原則グループケアを実施し、利用者一人ひとりの意向は把握しやすい体制にあり、個々の心身の状況に合わせた支援をしています。日々、利用者の心身の状態、意欲の程度、変化等に注意をしつつ、様々な面で生活行為での目的を伝え(在宅復帰等)ながら、利用者の選択権を尊重して自立支援に努めています。また、ケアマネジャーをはじめ多職種間で情報の共有・共通認識を図り、各科との情報共有等、全体で各方面から自立性向上の可能性を探る体制を確立しています。自宅復帰については、退所前連携をして居宅介護支援事業所のケアマネジャー等へ情報を提供しています。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者個々について、出来ること、出来ないことを把握し、職員間で情報を共有を図り、必要時の支援や多職種による支援や意見を基に、利用者の心身の状況に応じて支援しています。入所中のレクリエーションについては、共通のレクを用意し、利用者の希望に応じて散歩や様々なプログラムを用意して生活のサポートを行っています。月2回のボランティアが来所した際は、通所やショートステイの利用者も一緒に参加してもらい、交流をしています。また、ドライブ企画や31アイス企画も希望者を募り、各フロアで実施しています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者とのコミュニケーションについては、コミュニケーションを通して得た情報等は記録を残し、失語など意思表出の困難な方については、ノンバーバルコミュニケーション(50音リストや筆談ボード等の活用)の可能性を探り、メッセージを受け取れるよう心理描写を読み取るよう努めています。職員に対しては、「接遇マナーチェックリスト」を作成し、各職員にフィードバックをして支援の向上に努めています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

●利用者に対する権利侵害については、マニュアルに届け出の手順書や再発防止に係わる詳細を定め、高齢者虐待の警告の掲示を行い、全職員に啓蒙しています。年に1回、人権擁護の研修を実施し、後期勉強会にも組み込み、職員は研鑽を図っています。身体拘束委員会は月1回開催し、現状を把握しながら年2回、リスクパトロールを実施し、特に認知症病棟等、言葉で伝えられない利用者が入所している棟については重点的に注力しています。止むを得ず身体拘束を行わなくてはならない場合は、「緊急止むを得ない理由」をカルテに明記し、保管しています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●施設環境について、清掃については清掃業者に委託し、職員で清掃する部分と併用しながら常に施設内の清潔さを確保しています。共有部分、居室の温・湿度の調整や換気を適宜行い、利用者に快適な環境を提供しています。施設内は、利用者のレクリエーションを通じて季節ごとの作品を飾り、四季折々の季節感を醸し、利用者と職員、ご家族との会話にもつなげています。食堂や廊下にはソファーや椅子を設置し、利用者が寛げるよう配慮し、心地よい空間を提供しています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

●入浴については一般浴、リフト浴、機械浴を設備し、入浴形態は随時、現状のADL、リハビリ職員の評価、利用者本人の意向を考慮して検討して支援しています。入浴前にはバイタルチェックを行い、体調を確認して個別に対応し、入浴拒否や体調不良のある利用者については更衣、陰洗、清拭で対応しています。また、バルーンカーテル留置中の利用者については入浴順を配慮しています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

●排泄については個人別に尿意、便意、ADL等、利用者の心身の状況を踏まえて支援するようにしています。排泄介助マニュアルに沿い、排泄形態については担当者間で話し合いながらベッド上でのパット交換や、2人介助によるトイレ介助等を行っています。排泄では、1人の空間を作ることを心がけ、プライバシーにも配慮しています。排便困難者については水分の促しを行い、排泄後は記録しています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

●移動支援については利用者の心身の状況を踏まえ、できることに注目し、出来る限り自力で移動ができるよう、日中だけでなく夜間帯のADL状況、現病歴や既往歴を考慮して介護職員、看護職員、リハビリ職員で情報を共有しながらその方に適した移動方法を検討し、対応しています。歩行に関してはリハビリ職員から「自立」の評価が得られない場合は、付き添い、片側介助、手引き介助を実施し、車椅子を必要としない時期についてもリハビリ職に相談、助言を得るようにしています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●食生活については、栄養士が献立を設計し、毎日バランスの取れた食事を提供しています。栄養士は昼食時に巡回し、利用者の聞きとりから意見や喫食状況を参考にし、介護、看護、栄養士で検討を図り、調理の工夫や献立に反映させています。毎月、行事食のサービスを実施し、季節感と共に旬の食材や日常と異なる特別な献立を提供し、利用者の喜びにつながっています。利用者本人調査でもおいしい食事が提供できていることを確認できています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者一人ひとりの体調、嚥下状況、栄養面に配慮し、個人に合った食事を提供しています。食事に時間がかかる方には「早出し」をして食事時間の早い段階から食事を開始するよう配慮し、自分のペースで食事ができるよう援助しています。嚥下チェックリストを活用したモニタリングを実施し、嚥下リスクの高い方については嚥下機能スクリーニング等を行い、見守り席等を準備して摂取状況の観察を行っています。身体状況に配慮し、介助スプーンの提供や介助皿の提供を行い、利用者一人ひとりの特性に応じて食具を用意しています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の口腔ケアについては、訪問歯科医と月1回会議を設けて口腔ケアマネージメントについて話し合い、口腔ケアの状況の助言を受け、結果は利用者本人に伝え、口腔機能の保持、改善に取り組むことができる利用者には自主的に口腔ケアを行ってもらい、できない方については不十分な部分の介助を職員がするようにしています。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

●褥瘡のケアについては、褥瘡マニュアルを整備し、褥瘡発生予防に関する指針、実施方法を明示しています。職員に対しては、褥瘡について全体研修を定期的に実施し、標準的な実施法を周知しています。また、感染症褥瘡委員会を定期的に開催し、多職種で検討しています。褥瘡のある方については、週1回、褥瘡回診を行い、リハビリ科、看護科、栄養科を中心に褥瘡予防のための安楽物品や体位交換時間等を随時検討する等、積極的に日常ケアに取り組んでいます。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●介護職員による喀痰吸引や経管栄養についてはマニュアルを整備し、医師、看護師の指導の下、定期的に各職員へ個別指導を行い、医師の指導により喀痰吸引等について資格を習得し、神奈川県に書類を提出しています。看護師の指導の下、資格取得した介護士が実施しています。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

●個別の機能訓練は、利用者の心身の状況に合わせて実施しています。リハビリ担当者は、利用者本人、介護職員に助言や情報の共有を行い、生活リハビリの内容等を決定しています。リハビリ職員は要望に応じて利用者個々に合った「自主メニュー」を作成し、利用者本人で介護予防を実施してもらっています。また、自宅復帰の際も自宅でのメニューを作成して提供しています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

●認知症については、認知症高齢者マニュアルを備え、支援的・受容的関わりの援助内容を示しています。パーソンセンタードケアを中心に、医師をはじめ他職種で支援方法、その方の生活について記録に沿ってカンファレンスを行い、療養生活を安心して過ごせるよう計画を立て、共有してケアに当たっています。職員に対しては、前期、後期に分けて認知症に関する研修会を実施し、職員間で理解を深めています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者の急変時の対応について、緊急・急変時対応マニュアルを整備し、少しでも体調不良が見られた場合は、職員間で連携を図り、日頃の健康状態をカーデックス内に記録し、医師の診療が受けられるよう迅速に対応する手順を確立しています。職員は、利用者の体調変化にいち早く気づくよう、定期的及び入浴前にバイタルチェックを実施し、新人研修で高齢者の身体的特徴について学び、注意すべき利用者を確認し、注意深く観察を行うようにしています。誤嚥、窒息時の対応について全体研修を定期的に実施し、緊急時に対応できるように共通理解を図っています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●ターミナルケアについてはマニュアルを整備し、方針、手順等を詳細に明示し、協力医療機関についても記載し、対応の手順を確立しています。看取り期に入ってきた利用者に対しては、ご家族に説明し、納得の上、看取り同意書を得、ターミナルケアプランに移行していきます。ターミナルケアプランを実施している利用者については、1週間に1回、見直しを実施し、特定の職員の負担軽減を図り、多職種間で情報を共有して取り組んでいます。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●ご家族等へは、利用者の急変、状況に変化した際は必ず報告し、経過についてカーデックスに必ず記録し、不在時には「家族電話不在ノート」に詳細を記入して説明を行い、支援を適切に行っています。詳細は月1回のケアプラン説明会時に介護職員、看護職員、支援相談員等から状況を伝え、サービスの説明、要望の拝聴に努めています。また、ご家族からの相談は傾聴する等、連携を図り、カーデックスや支援経過に記録するようにしています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●安定的で継続的なサービス体制について、多職種間でカンファレンスを実施し、必要時内容を部門間で共有する体制を構築しています。R4システムの「介護支援経過」を活用し、パソコン内で閲覧・記録ができる環境を整備し、定期的に全職員を対象とした研修を実施し、グループディスカッションを行う等、サービスの質の向上を図っています。さらに、OJTファイルを作成し、随時指定状況の把握と情報共有ができる体制を整備しています。また、在宅復帰した場合の家庭の状況等も確認し、利用者状況を共有し、サービス提供に取り組み、安定的かつ、継続的に実施する体制を整えています。