社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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介護老人保健施設ハートケア横浜

2023年12月19日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 介護老人保健施設ハートケア横浜 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 介護老人保健施設 定員 150名(利用人数:144名) 名
所在地 220-0011
横浜市西区高島1-4-18
TEL 045-440-0722 ホームページ https://www.hcyokohama.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2003年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 医療法人社団愛友会
職員数
常勤職員:131 名
非常勤職員:36 名
専門職員
医師:1 名
看護師:17 名
准看護師:1 名
支援相談員:4 名
介護福祉士:73 名
介護士:9 名
リハビリ職:27 名
介護支援専門員:4 名
管理栄養士:2 名
施設・設備の概要
多少室(4人部屋):34室
2人部屋:2室
1人部屋:10室
診察室:1室
調剤室:1室
相談室:1室
理美容室:1室
機能訓練室:1室
事務室:1室
宿直室:1室
休憩室:1室
ボランティア室:1室
浴室(一般・座位式機械浴槽・臥床式機械浴槽):
トイレ:
厨房:
エレベーター:
倉庫:
食品庫:
談話コーナー:

③ 理念・基本方針
【施設理念】
地域の皆さまに愛し愛される施設

【基本方針】
(尊重)利用者様、ご家族に寄り添ったサービスの提供に努めます
(向上)常に向上心を忘れず、介護サービスの質の向上に努めます
(笑顔)利用者様、ご家族、職員が笑顔となるように努めます

【施設目標】
良質で安全・安心・信頼の医療・介護を提供し、地域に貢献する

④ 施設・事業所の特徴的な取組
ハートケア横浜は2013年より在宅復帰強化型施設として、在宅復帰率50%以上を維持し稼働しています。
理学療法士12名、作業療法士10名、言語聴覚士5名とセラピストが多数在籍しており、在宅復帰に向け、ADL中心にリハビリを提供しています。
入退所前後訪問を積極的に行い、自宅環境に沿った在宅復帰に向けてのリハビリをセラピストだけではなく、フロアの介護士も生活リハビリとして日常生活の中に取り入れて行っています。セラピストは各フロア担当制となっており、フロアの介護士と連携し、より効果的な生活リハビリが提供でき、機能向上に努めることが出来ています。
また、より自宅に近い環境の設定としてADL室を設置し、生活動作の訓練を行っています。言語聴覚士は言語だけではなく、多職種と協働し嚥下機能の維持向上も図っています。退所予定前に、セラピストはご本人と一緒に自宅へ訪問し、実際の環境の下、ご本人とご家族へ指導を行っている他、在宅復帰される方に対しては、法令で定められている回数以上に、リハビリ回数を増やして提供しています。そして、在宅復帰後も継続的に利用される馴染みの方々に対し、多職種協議で終末期ケアを行っています。当施設のお看取り後の取組の特徴として、職員とご家族のグリーフケアを目的にご家族と思い出話をする会を偲ぶ会と名付け、終末期ケア開始当初より設定し行っています。偲ぶ会はご利用者が生前好んで召し上がっていたものなどを用意し、リラックスした雰囲気の中でご家族からは過去のお話を、職員からは施設生活でのエピソードを、お互い写真などを持ち寄り語り合います。時には、笑いが絶えない会になる事もあります。
これからも西区唯一の老健として在宅復帰から終末期ケアまでの一貫したサービスを提供し、地域の皆さまに貢献していきたいと考えています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/04/06(契約日) ~2023/12/12(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)生活リハビリにより無理なく在宅復帰を目指した支援がされています
フロアにはリハビリ職員が常駐しているため、利用者のその日その時の心身状態や生活状況に応じたリハビリテーションが実施できています。トイレに行く気配があれば、トイレ移動に付き添ってごく自然にトイレ内動作を介助し、より安全な動作を提案しています。テーブルまわりを歩行器で移動する利用者には、適切なタイミングを見計らって方向転換のポイントを伝えます。殊更にリハビリテーションの時間や場所を設けなくても、フロアで過ごす毎日の生活がリハビリテーションそのものになっています。便座からの立ち上がりや浴槽のまたぎ越しなど具体的な動作についてリハビリ職から指導を受けることにより、自宅での生活がイメージしやすくなり、利用者の在宅復帰への自信が高まっています。

2)多職種協働により利用者本位のケアを提供しています
利用者に下痢が続いた際、介護職員、看護師、栄養士が原因究明に動き、食事記録や食事箋から栄養補助食品や経管栄養剤に起因すると突き止めたことがあります。また、在宅復帰を遂げた利用者が自宅で立ち上がれなくなったとの電話を受け、介護職員とリハビリ職員が介助に駆けつけたこともあります。人員配置の状況により可能であれば自宅訪問に対応した経験を通して、地域における施設の存在意義を職員間で共有しています。日々のケアから多くの経験と学びを重ねてきたリーダーたちによって「今、利用者のために私たちは何をすべきなのか」を常に思い描く職場風土ができ上がっています。人が人を支援することを真摯に受け止め、利用者にとっての最善策を共に考える「利用者本位のケア」が多職種協働により実現しています。

3)福祉の質の向上に向けて職員の育成に取り組んでいます
法人のキャリアシステム「職種別クリニカルラダーシステム」により、新人職員レベルⅠ~Ⅱ・独り立ち職員レベルⅢ・チームリーダー候補Ⅳ・主任職候補レベルⅤと分け、レベル毎に必要で目指すべき技術や知識「ラダーレベル別到達目標」が設定されています。目標到達に向け先輩職員のOJTが行われています。定期的な自己評価や指導職員の評価・テストを通じ施設職員としての技術や知識の向上、さらにはサービスの質の向上が図られています。新人職員には先輩職員が1年間指導にあたるプリセプター制度により丁寧な指導が行われています。さらに上位をめざす職員には「マネジメントラダー」が整備され、管理者の育成も行っています。分かりやすいレベルの設定により職員は自分が目指す将来の姿が描け、モチベーションの向上にも繋がっています。

4)地域との関わりを深め、専門性を還元する取組が期待されます
施設の理念に「地域の皆様に愛し愛される施設」を掲げています。利用者が地域の商業施設や公共施設に出る機会をもっています。地域ケアプラザや西区との連携によりリハビリテーションについての研修等を実施し地域に貢献していますが、地域と直接の交流機会が充分ではありません。施設の立地環境として難しい部分もありますが、地域と関りを深め、直接ニーズを捉える機会をもち、「リハビリ」という強みを活かして在宅で役立つ情報発信を行うなど、地域に根ざした施設となることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者による客観的な視点で取り組みの評価を受けることは、自分達が日々行っていることを見つめ直す良い機会となりました。

受審準備の際には役職者だけでなく、職員全体が関わることで各専門部署の取り組みや抱える課題を共有することができ、施設職員がより深く自施設を理解することに繋がりました。

自己評価には非常に苦慮致しましたが、評価結果を受けて、普段当たり前に行っていることに対し高評価をいただけたことは働く職員の励みや自信となりました。
                      
今後、よりいっそう利用者様、地域や社会に貢献していくため、ケアや各種サービスの質の向上に向けた新たな取り組みへ挑戦していきたいと思います。
         
今回の受審にあたりご協力をいただいた、利用者様及び家族様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

施設では「地域の皆様に愛し愛される施設」を基に利用者・家族に寄り添ったサービス「尊重」、常に向上心を忘れず、介護サービスの質の向上に努める「向上」、利用者・家族・職員が笑顔となるよう「笑顔」を基本理念としています。基本理念はホームページやパンフレットに記載されている他、1階ロビー、事務室、各フロアのサービスステーションに掲示しています。職員に対しては入職時の研修で周知し、理念を記載したカードを渡し名札とともに常に携行することでいつでも確認できるようにしています。利用者・家族に対しては利用開始にパンフレット等を用いて説明していますが認知度は高くありません。施設としても利用者・家族に対して理念の周知方法を課題と考えています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

福祉事業全体の動向や福祉計画の策定動向等については、法人内の経営管理本部が把握をし、各施設に情報提供を行っています。情報は毎月開催される管理職者会議で確認し各部門に周知されています。管理職者会議では利用者数や実績等目標達成状況の確認、コスト等についての情報をまとめて法人に伝えています。西区内唯一の老人保健施設としての役割を踏まえ、地域に還元できるサービス提供をめざしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

毎月開催される管理職会議にて稼働率やコスト等経営状況を分析し、課題の抽出解決策を検討しています。各部署の責任者と施設長も参加する運営委員会では部署毎の目標の達成状況を確認し、法人の理念の達成に向けた次の目標設定を検討しています。設定された目標は部署毎の会議で周知するとともに、目標に向けた進捗状況についてはフロア会議を通じて施設全体に周知しています。会議には非常勤職員の参加が難しいこともあり書面や口頭での伝達をしていますが、周知状況が十分ではないため、確実な伝達方法の検討が望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中長期計画は施設のビジョン「良質で安全・安心・信頼の医療・介護を提供し、地域へ貢献する」を基に基本方針「突破」を掲げています。また、経営や運営についての具体的な目標を設定し「地域ニーズに応じられる事業規模への拡大と利用者・職員から選ばれる施設へ」をの実現を目指した内容となっています。中・長期計画は管理職者会議で共有し、フロア会議で職員に周知しています。施設の立地による地域性に合わせた活動内容の検討が課題と考えています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画は法人の方針に沿った中・長期計画を基に、前年度の計画の達成状況や課題を踏まえて、施設長・事務長、看護部長が分析の上原案をたてています。原案は管理者会議を通して各部署に提示し、意見を収集し、修正を行って最終的な事業計画としています。事業計画では各部署の具体的な数値目標(入所稼働率、在宅復帰・在宅療養支援等指標、職員の離職率等)をたて、年度末に達成状況を分析し「成果発表」にて職員に向け周知しています。「成果発表」は職員全員参加とはなっていないため、施設内での周知には至っていません。職員全員が目標の達成状況を確認し、次の目標に向けた取組に関わることができる体制構築が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

各部門での目標の達成度を、年度末に開催される成果発表の資料で確認し、施設長、各部門の主任からなる「運営委員会」で事業計画が策定されます。事業計画を基にし、主任を中心に各部門の職員で内容を検討して具体的な「目標」「目標達成のための具体的な施策」「数値目標」を定め、年度始めの「キックオフ大会」において施設全体に周知しています。目標に対しての進捗状況は毎月の運営委員会で確認し、評価し、必要があれば見直しを行っています。職員の意見を集約する機会は毎月実施されるフロア会議ですが、全員が集まることは難しいため、より多くの意見を集める方法の検討が望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は施設内に設置して閲覧できるようにしていますが、コロナ禍により面会も制限されていたため利用者や家族に対しての周知は十分ではありません。今後事業計画についてはその内容、施設全体の取組、各部署の取組等を家族会で分かりやすい資料の配付や、年3回発行されている広報誌「ハートケア横浜だより」への掲載等で周知に努める計画をしています。家族会不参加の家族に対しても資料の郵送等を検討しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

毎年各部門の主任が「運営状況点検書」で自己評価を、法人により「介護・看護の質調査」を実施し、施設のあり方、生活支援の基本・権利擁護・環境整備・生活支援・家族との連携・感染症や安全対策等について調査しています。利用者・家族に対して2年に1度「満足度調査」を実施することで外部からの意見も取り入れています。第三者評価の定期的な受審や「優良介護サービスかながわ認証」に応募することで福祉サービスの質の確認をしています。それらの結果は各部門の職員から構成される「介護の質向上委員会」で分析・検討し、更なる質の向上に努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

法人が実施している「介護・看護の質調査」の結果を施設内の介護主任会・看護師会で分析・検討し、施設として取り組むべき課題の抽出を行っています。今年度は胃瘻に対する理解が低いとの結果から、看護師会メンバーで検討し、施設内勉強会の年間計画の中で研修を実施しています。昨年度はコロナ禍のため集合研修や会議を控えていたため、十分な話し合いや研修が実施できていませんでしたが、今年度からは課題に対して職員全体の意見を踏まえた改善計画を策定していく予定です。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

法人策定の職務分掌の中に施設長の職務や役割が明確にされ、職務分掌は各フロアに設置しています。しかし、その役割や方針を会議や研修等で施設内に表明する機会はもたれていません。平常時、災害発生時の責任者は施設長と定め、施設長不在時の権限委譲についても職務分掌には明記されています。今後職務分掌で明確化されている施設長の権限・役割・方針などについて施設内に表明する機会や方法の検討が望まれます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は施設として遵守すべき法令について横浜市が作成している運営の手引きの理解や、行政からの情報、法人からのメール等での情報提供により介護保険関連法のみならず、安全、衛生、虐待防止、経営、経理、雇用、環境等幅広い法令の理解に努めています。法改正についても早い段階で情報を得て理解するよう務めています。遵守すべき法令については年間計画の中で職員にも理解を促す取組を行っています。研修に参加できなかった職員に対しては伝達研修や動画視聴等にて周知に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

法人が実施する介護・看護の質調査や2年ごとに利用者・家族の満足度調査を実施し、その結果を施設の各部門の職員から構成される「介護の質向上委員会」で分析し、課題の抽出等を行っています。各部門の職員で構成される「教育・研修委員会」にて課題解決に必要な知識や技術の向上のための研修を含めた年間研修計画をたて月2回の研修を実施しています。また、各部門毎の課題を研究し、その成果を施設内で発表する機会を持ち、優秀な研究演題は全国老健大会、横浜市介護老人保健施設研究大会等にて演題発表もしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長・事務長・看護部長による幹部会の中で、経営や施設運営、業務の実効性等について検討し、その向上に必要な解決すべき課題把握に努めています。各職種ごとの会議、フロア会議、看護・介護リーダー会を通じて報告を受けた課題についても職員から出される意見や提案を尊重し、課題解決に向けた取組を運営委員会を中心に施設全体で検討・実行できるよう指導しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

施設に必要な人材については法人のキャリアシステム「職種別クリニカルラダーシステム」により、職種や勤務年数ごとに必要な知識・技術・資格等が設定されています。「クリニカルラダーシステム」の中に細かく階級が設定され、システムに基づいた研修や教育が行われています。人材の確保については年間の採用人数、職種等の見通しをたて計画的に実施していますが、状況により中途での採用もしています。また、介護管理者候補の獲得に向け、法人の「介護ケアマネジメント職採用プロジェクト」へ参加をしています。実習生からの採用や無資格者の採用もし、資格取得の支援体制も確保しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のキャリアシステム「職種別キャリアラダーシステム」に必要な資格・知識・技術が明記され、入職後は職員個々のレベルや希望に応じた育成を計画的に行っています。法人の人事考課制度に基づき年に3回自己評価、主任の評価、係長の二次評価を実施し賞与や昇格に繋がる仕組みが規程されています。また、法人が実施する「職員満足度調査」において職員の意向等を把握・分析しています。希望する職員は法人のキャリアサポートセンターで面談を受け、将来の方向性を見いだせるよう助言や必要な研修が受講ができる等の支援体制があります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

出退勤時間、時間外労働、有給取得状況等職員の就業状況は法人の勤怠管理システムにより適正な管理をしています。有給取得については各部門の主任が希望を確認し、シフト作成をしています。各フロアの責任者が年に3回職員と面談を行い、業務や職場環境、仕事と生活のバランス等についての相談やアドバイスをすることで職員が心身の不調なく働けるよう配慮しています。子育てや介護をしながらも働けるよう時短勤務を行う仕組みがあります。職員の急な欠勤等に他の職員の負担を最小限に抑えるための「ヘルプ体制」の構築もしています。宿泊や食事、靴の購入が割引で利用できる等の福利厚生のシステムも充実しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人が職員に期待する職員像は「職種別クリニカルラダー」のレベルごとに知識や技術等の到達目標が設定され明記されています。レベルはⅠ~Ⅱ新人、Ⅲ独り立ちした職員、Ⅳチームリーダー候補・主任職候補、さらに管理職を目指すマネジメントラダーⅠ~Ⅲが設定され、フロアの先輩のOJTにより目標達成に向けた指導をしています。各フロアの責任者は職員の目標達成度を年3回の面談やテストにより確認し、達成者はレベルごとのバッジを名札につけることで現在認定されているレベルが確認できるようになっています。新人職員にはフロアの先輩がプリセプターとして付き、1年間業務や接遇等を丁寧に指導しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「期待する職員像」については法人の「職種別クリニカルラダー」の中に職種や勤務年数等により必要な資格・知識・技術等が明記されています。それぞれの知識や技術の習得のために教育・研修委員会による年間研修計画がたてられており、目標を目指して段階的に成長できる仕組みとなっています。研修の内容を研修ごとに振り返り、年度末には教育・研修委員会で受講職員の意見を踏まえた評価と見直しを行い、次年度の研修計画に活かしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員個々の資格取得状況については入職時やその後取得した情報を法人の総務部により把握しています。新入職員に対しては1年間プリセプターによる指導を、クリニカルラダーシステムによるレベル別の指導は各部門の主任や先輩が職員個人に合わせた指導をしています。また、法人のキャリアサポートセンターに職種や働き方、必要な研修について相談できる仕組みがあります。外部研修の情報は職員の更衣室前に掲示し周知しています。職員から受講したい研修の申し出があった場合は、必要に応じて費用負担をする等、職員の資質向上を図っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

介護・看護・リハビリテーション等の大学・専門学校等からの実習生を受け入れています。「実習生受け入れマニュアル」が整備され、専門職ごとに実習指導者研修を受けた職員が実習生の指導にあたっています。実習前に学びたい内容や目標を実習生・学校の指導者と設定し、実習の途中でも進捗状況を報告する等学校と連携を取り、目標・目的に応じた指導をしています。実習生の育成や教育体制が評価され、実習から卒業後に入職することも多くみられています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページには理念や方針、施設のホームページには施設の理念や概要、サービス内容、料金、個人情報保護方針等を掲載しています。年に3回発行している施設の広報誌は施設での活動を掲載し、配布しています。定期的に第三者評価やかながわ認証等の評価を受審し、結果のリンク先を掲載していますが、リンク切れとなっている部分があります。事業計画や事業報告、予算、決算情報等は作成されていますがホームページや広報誌等への掲載はありません。今後事業計画・事業報告、予算・決算情報、第三者評価受審結果等の公表により、運営状況の透明性の確保が望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人策定の経理規定により事務、経理、取引等に関するルールが明確に定められ、入職時や会議等で職員には周知しています。職務分掌も策定され権限・責任も明確にされています。適正な取引が実行されているかは月次試算表を法人の会計責任者に提出する他、「介護の質向上委員会」による定期的な内部監査を実施し確認しています。外部の専門家の直接的な監査支援はありませんが、法人全体の監査を行う監査法人から施設の運営について指導やアドバイスをもらい、経営改善に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

施設の理念を「地域の皆さまに愛し愛される施設を目標に活動を行っています」としていますが、施設の立地は商業施設等が多く、コロナ禍だったこともあるため地域との交流等の機会は多くもてていません。施設利用者を地域と捉え、利用者と山下公園に散歩をしたり買い物をする等してきました。コロナ禍前には地域から情報提供があり、近隣で開催されたジャパンフィッシングショーに職員付き添いで参加しています。今後、施設の立地地域の特性を踏まえた社会資源の利用や、地域との交流の機会に向けた取組が期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れに関し「ボランティア受け入れマニュアル」が整備されています。ボランティアの受付は事務員が行い、受付時オリエンテーションで注意事項や守秘義務等について説明し、誓約書を交わしています。活動前にはボランティアの内容確認、職員・利用者への説明や挨拶を行ってから活動することとしています。コロナ禍前には腹話術、紙芝居、話し相手、ドッグセラピー、近隣の小学校の福祉体験で利用者と小学生がコミュニケーションをとる等様々なボランティアを受け入れてきました。コロナ禍では受け入れが縮小していましたが、今年は近隣の中学校の和太鼓部を招き交流しました。今後は職業体験等教育に向けた取組への発展が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

近隣の区役所、地域ケアプラザ、医療機関、消防署等との連携は図られていますが、関係機関の連絡先等のリスト化や職員への周知が充分ではありません。災害時に迅速で確実な連携が図れるよう、区、消防署、施設の看護師による連絡会に参加しています。また、職員は消防署で開催される消火栓操法の練習や、消防操法技術訓練会にも参加し、消防・防災の技術や知識の向上を図っています。「訪問リハビリテーション会議」では区役所や地域ケアプラザと協力し、地域での介護予防に取り組んでいます。認知症疾患医療センター地域連携会議にも参加し、近隣のクリニック、区役所等関係機関と地域の認知症高齢者の状況について話し合っています。今後関係機関のリスト化、職員への周知が望まれます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設の職員で構成される「地域交流委員会」にて、地域のニーズの収集や、ニーズに対して施設が実施できる地域交流・地域への貢献等について検討しています。リハビリテーションの知識や技術を施設の強みとし、地域ケアプラザ、区役所、自治会等と連携して地域住民に対し介護予防に向けた体力測定や体操教室、リハビリテーションについての講義・研修等を行っています。地域のニーズを収集するにあたり、より積極的に地域と関わる方法を検討することが望まれます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

把握した地域のニーズに対し地域に向けた公益的な事業として、地域ケアプラザで開催されるリハビリテーションの研修や講座にリハビリテーション科から講師を派遣し、様々な疾患やリハビリテーションに関する知識を伝える等しています。災害時には地域の高齢者等の要援護者のうち、地域防災拠点での避難生活が難しいと判断された方を受け入れるための二次的な「福祉避難所」として横浜市と協定を結び、受け入れ体制をとっています。災害時利用者・職員、福祉避難所受け入れ人数に対し、必要な水・食料3日分程度を備蓄しています。地域の特性もあり地域コミュニティの活性化等への活動を今後の課題と捉えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

基本理念を展開したプリンシプルに「尊重、向上、笑顔」の文言が並び、「尊重」とは利用者と家族に寄り添ったサービス提供に努めることだと明記しています。倫理規程と行動指針にも人権の尊重を謳い、「利用者の権利章典」の第一節に個人の尊重を書き表しています。これらの重要性を毎年施設内勉強会で職員に周知し、学びを継続しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者のプライバシー保護についても倫理規定に明記しています。行動指針では「プライバシーの保障」の項を設けて記載し、毎年の施設内勉強会で職員の理解を図っています。各フロアに掲示する介護基準・手順とケアマニュアルでは、入浴介助や排泄介助など利用者支援の随所にプライバシーへの配慮の重要性を記載しています。カーテン、パーテーション、ドアの使用、多床室での排泄介助など、実際のケア場面で先輩職員が指導しています。利用者や家族には入所契約時に説明して周知を図っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

施設理念を明記したA4型パンフレットを近隣の医療機関や居宅介護支援(ケアマネジャー)事業所に持参、ホームページや動画では多職種連携や在宅復帰の取組を紹介しています。パンフレットやホームページにはみなとみらい地区の風景を載せ、利用詳細や料金についてわかりやすく説明しています。利用希望者への電話相談や見学にも丁寧に対応しています。料金改定など内容変更の都度見直しを行い、ホームページでは広報誌「ハートケア横浜だより」を季節ごとに更新する他、コロナ禍での面会や外出外泊の変更についても報告しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

契約時には重要事項説明書と入所契約書を取り交わすとともに、別紙「ハートケア横浜のご案内」「介護保険施設サービスについて」「個人情報の利用目的」を説明し、利用者と身元引受人の十分な理解の上で同意の署名押印をもらっています。これらの書面は平易な言葉を用いて、簡潔な文章で表現しています。留意点にマーカーを引き、1ヶ月の利用料計算方法に当てはめて金額を伝えるなどの工夫をしています。意思決定が困難な利用者に対しては、家族、身元引受人、代理人などに説明し、利用者にとっての最善を確認しつつ支援を開始しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

入所時は医療機関や在宅時の担当ケアマネジャーと連携をとり、利用者状態と従前のサービス内容の把握に努めながら利用者支援にあたっています。退所して他の施設や事業所に移る際は、診療情報提供書や看護サマリー、退所時指導報告書、退所情報提供書などの提出文書を定めて、引き継ぎを行っています。退所時家族にケアマネ連絡書を渡し、再入所の希望や帰宅後の困りごとには支援相談員が窓口となり対応する旨を伝えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者満足度調査を隔年継続実施し、結果を踏まえて介護の質向上委員会で話し合っています。その後各部署で改善への取組を行うとともに、調査結果や意見、要望を利用者家族に郵送し、フィードバックしています。エアコンの設定温度の調整、リハビリ状況の報告、自立に向けた見守り時間の拡大など、細やかに対応しています。また面会やサービス担当者会議など来所の折に家族の意見を聞き取り、ケアに反映しています。家族交流会はコロナ禍で中止していましたが、今年度11月に再開予定となっています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情対応体制基準とマニュアルの整備により、苦情解決の仕組みを確立しています。苦情解決体制として苦情解決責任者と苦情受付担当者、第三者委員を設置し掲示物で周知を図るとともに、重要事項説明書に担当窓口や申出先公的機関を明記し、契約時に利用者や家族に伝えています。苦情を受け付けた際は相談・苦情受付報告書に記入の上、フローチャートに沿って迅速な対応を心掛けています。相談苦情接遇対策委員会やフロア会議での共有を経た後、1ヶ月後にも経過確認を実施しています。苦情の公表方法を検討課題としています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

相談対応体制について各サービスごとに常設窓口と担当者を設置し、氏名と連絡先を明記の上、周知しています。重要事項説明書には相談窓口として介護看護部長と支援相談員が名前を連ね、ケアに関する相談は主にケアマネジャーが受け付けるなど、複数の相談方法や相談相手の対応体制があることを説明しています。1階ロビーには相談窓口などについて掲示し、傾聴の場として1階に相談室を設置しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

各フロア担当のケアマネジャーが相談窓口となっていますが、フロアには介護職員、看護師、リハビリ職員が常駐しており、利用者とのコミュケーションの中から相談や意見を聞き取っています。入所時に意見箱設置について説明しています。昼食時には管理栄養士が食事についての意見を聴取、年2回利用者対象にて食事満足度調査を実施しています。相談や意見に対しては迅速な対応に努め、責任者不在時に解決を急ぐ場合は次席に判断を任せる事案もあります。相談苦情対応マニュアルを整備し、年度末に見直しを行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

安全管理委員会と安全対策部会の委員長には介護老人保健施設リスクマネジャー資格者がその任にあたっています。安全管理委員会ではヒヤリハット収集などからインシデント発生の傾向を分析し、周知を図っています。事故発生時には各部署で分析シートを使用して原因究明と再発防止を話し合い、1週間後の評価・見直しにつなげています。困難事例は安全対策部会で、ヒューマンファクター工学の手法を用い、アクシデントの要因を分析して再発防止に向けて取り組んでいます。施設内勉強会には清掃・厨房・ドライバーを含む全職員が参加し、施設全体でリスク管理に取り組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長を災害発生時の責任者とする管理体制を整えています。毎月開催の感染予防委員会では感染拡大情報を伝達し、マニュアルや感染症対策BCP(業務継続計画)の見直しと改訂を行い、職員に周知徹底しています。施設内勉強会を設けるとともに「三次感染を起こさない」との目標を掲げ、標準予防策として手洗いや防護服着用のシミュレーションを実施しています。感染症発生時には迅速周知をモットーに、報告書を全部署へ配布しています。また臨時感染予防委員会を開催し、対応の確認と見直しを図り、感染が疑われる場合は早期の隔離をしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

現在、災害対策委員会にて策定中の自然災害発生時のBCPに対応体制を明記しています。防災訓練を年2回実施し、火災、地震、風水害の避難方法を実地で訓練しています。施設内勉強会でも災害時対応方法について周知し、新入職員や中途入職者対象に災害対策講習を行っています。災害時には一斉メール配信により職員の安否確認を可能にしていますが、家族との連絡方法は課題となっています。利用者150人3日分と職員50人3日分の食料と飲水を備蓄している他、福祉避難所として区役所と協定を締結し、横浜市の備蓄を預かっています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

各職種別業務手順書が整備され、各フロアのステーションに設置されています。職種手順書には看護や介護等の実施方法や手順だけでなく、利用者の尊重、プライバシー保護や権利擁護についての姿勢が明示され、職員はその内容に沿ったケアを実践しています。職員個々の標準的な実施方法の実践状況は、法人の「クリニカルラダーシステム」内の「クリニカルラダーレベル別評価チェックリスト」、「接遇チェック表」、「基本技術評価チェック表」、「ラダーレベル別到達目標」を基に自己評価や主任との面談、評価で確認し、適切な指導を行っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

各部門の年間目標の中に「マニュアル・手順書の見直し」が設定されています。標準的な実施方法の実践や検証・見直しについては「部門別年度品質目標実施計画兼進捗管理表」を利用して管理しています。見直しや更新にあたり、各部門や委員会で出される職員の意見だけでなく、利用者からの意見や要望を「満足度調査」や家族会や面談等で収集し、取り入れ反映できる仕組みとしています。部門により更新が定期的にできず遅れている現状があります。今後、施設全体として定期的な検証・見直しが実施できることが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

入所者に対しては入所申込み時の情報を入所判定会に向けて各職種で共有し、入所日に本人、家族、ケアマネジャー、看護師、リハビリ職、介護職、管理栄養士等による入所カンファレンスを実施しています。利用者・家族の施設生活や今後の方向性等の意向を聞き取り、職種間で共通の情報共有、意向の把握をし、ケアマネジャーが施設サービス計画書を作成しています。退所が近い利用者に対しては退所前カンファレンスも開催し、施設での生活・リハビリでの改善状況等を確認し、退所後の生活について利用者・家族の意向が実現できるよう支援しています。毎月ケースカンファレンスを開催し、支援困難事例についても対応策等を検討しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

施設サービス計画書作成の際にそれぞれの課題に対して目標達成の時期を定め、その時期ごとにケアマネジャーを中心に利用者・家族・各職種が参加するサービス担当者会議で達成状況の確認や次期の目標設定等が検討されています。急な体調変化がある場合は医師が行うインフォームドコンセントにケアマネジャーも同席し状況を確認し、計画の変更を行っています。施設の性質上ターミナル期の利用者を積極的に受け入れてはいませんが、ターミナルケアとなった場合にはターミナルケアカンファレンスを毎週実施し、計画の変更等を検討しています。施設サービス計画書は各フロアに保管され、多職種がいつでも確認できるようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

利用者の身体状況や、生活状況(食事・排泄・水分補給・保清など)は施設で統一した様式を使用して記録しています。記録の書き方については「介護看護記録基準」が設定され、各フロアに設置し常時確認できるようにしています。ケアマネジャー、看護師、介護職、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士が参加し毎週開催のサービス担当者会議にて利用者の状態を確認し、サービス提供内容の確認、見直しを行っています。サービス利用状況や記録ファイル等の情報は、施設内の共有サーバーを通じて共有されています。記録は紙面を使用している部分もありますが、今後施設内では全ての記録を一括で管理する新しい共有システムが整備される予定です。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護法に基づく厚生労働省の「医療・介護事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」に沿って法人の個人情報保護規定が策定され、利用者の記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規定が定められています。施設には個人情報管理責任者の設置や情報セキュリティ対策を行う等、個人情報の紛失、破壊、改ざん、漏洩の防止に努めています。職員に対し入職時に誓約書を交わし、研修を行う等個人情報保護規定の理解の徹底を図っています。利用者・家族に対しては契約時に重要事項説明書、契約書を用い個人情報保護について説明し、個人情報使用同意書にて同意を得ています。規程や利用者・家族に説明する書類の中で個人情報漏洩時の対応についての説明が不充分です。個人情報管理責任者と対応策の明確化が望まれます。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

入所時にアンケートを行い、利用者の心身状態、生活歴、趣味、嗜好、施設生活への意向を聴取して、ケアプランや介護計画に個別ケアを位置付けています。懐かしの歌謡曲を楽しみ、ナンバープレイスパズルやぬり絵に集中したりと、一人ひとりが自分らしく過ごせるように日中活動の充実を図っています。利用者が選択できるように、5社の新聞を購入し提供しています。また、山下公園や大さん橋で港の風景を満喫するなどの外出レクリエーションも企画しています。食事エプロンを畳んだり、広告チラシを使ったゴミ箱作りを率先して行い、施設での役割を担う利用者もいます。職員は、利用者の主体性を大切に見守っています。フロアの介護職員が月次のチーム会議で支援方法を振り返っています。3ヶ月ごとに開催するサービス担当者会議では、多職種合同で目標の評価と見直しを行っています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設生活への意向や要望は日々の利用者との関わりの中で把握するとともに、家族からの電話相談や入退所時のサービス担当者会議でも丁寧に聴取しています。3ヶ月ごとに開催するサービス担当者会議では、自宅環境に合わせてトイレ内動作や夜間帯のポータブルトイレ使用を検討するなど、利用者の自立に向けた個別支援に努めています。心身両面の活性化を目指して、早口ことば、ことわざクイズ、しりとりゲーム、歌唱、ソフトクリームやホットケーキ作りなど多彩なレクリエーションを提供し、利用者同士で楽しく過ごせる機会としています。家族から虐待を受けていた利用者に対して面会者を限定することで、本人の精神安定につながった例もあります。不在者投票の実施、ケアマネジャーによる要介護認定申請の代行、生活保護受給者については西区生活支援課への定期報告や相談など、利用者一人ひとりに応じた支援を行っています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

「立って歩きたい」「大きなお風呂がいい」など、日々の利用者との関わり中で思いや希望を聞き取っています。その上で日常生活全般や周囲との関係性、個別の環境なども含めた利用者の全体像について、ICF(日常生活情報)シートを活用して職員間で情報共有に努めています。言葉での聞き取りが難しい利用者には、日頃の様子や表情、しぐさから思いを汲み取っています。また言葉に頼らずに、人と人との関係性を重視するユマニチュードケアの実践を継続しています。難聴や失語の症状がある利用者にはホワイトボードを用いて筆談したり、ジェスチャーや絵カードを使用するなどの個別対応をしています。対応方法については、毎月開催の介護チーム会議で見直し、再検討を重ねています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

入所時に利用者と家族とともに「身体拘束廃止に関する説明書」を読み合わせ、虐待予防と身体拘束廃止を施設の方針としている旨を伝えています。緊急やむを得ない場合の対応についても説明し、同意を得ています。職員倫理規程と行動指針では利用者の権利擁護ついて明文化、身体拘束適正化委員会と高齢者虐待防止委員会を毎月開催し、マニュアルの整備や不適切ケア防止についての話し合いを重ねています。年2回の施設内勉強会では、清掃、厨房、ドライバーを含む全職員への周知と更なる理解を図っています。職員用のご意見用紙を各フロアに設置することで、不適切ケアや利用者の変化への気づきを促し、権利侵害の早期発見に役立てています。接遇を虐待予防の基本と捉え、半年ごとに接遇チェック表(利用者に対する指示や命令の禁止、言葉遣い、ケア前の声かけや説明の励行、職員自身の感情コントロールなどの項目)を用いて自己評価と上職評価を行っています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

施設内は掃除が行き届いた清潔な空間となっており、廊下や動線には極力物を置かず、動作時や災害時の安全を確保しています。食堂は広々として、大きなガラス窓から採光が得られ、明るく開放的な雰囲気の中で利用者は日中の時間帯を過ごしています。エアコンや加湿器を適宜使用して、利用者の快適性に配慮しています。要所要所に設えたベンチは職員と話したり、ひと休みできるスペースになっています。認知症介護専門棟の回廊は、利用者の気持ちの切り替えや生活場面の転換に有効利用できています。利用者の意向や状態を考慮して、居室や食事席の変更を随時行っています。居室には家族写真、ぬいぐるみ、布団、書籍など馴染みのものの持ち込みを勧め、居心地の良い居室の提供に努めています。居室が認識しやすいように、オレンジや黄などの目立つ色で表札を作成したり、布団使用の習慣を継続するなど、利用者一人ひとりの意向や要望に沿って支援しています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

初回入浴時にリハビリ職員が動作や環境の評価を行い、本人の意向を踏まえながら大浴槽、個浴槽、チェアー浴、シャワー浴などを検討しています。入浴前にはバイタル測定を励行し、利用者の状態によっては浴槽台やスライディングボードを利用したり、職員2人の介助もあり、浴室専従職員とフロア職員の安全な人員配置のもとで入浴支援を行っています。入浴順番について、感染症罹患時には最後になることに理解を得たり、退所前日には入浴できるようスケジューリングするなどを心掛けています。同性介助の希望には可能な限り対応し、浴室内は同性のみの使用を徹底しています。脱衣後はバスタオルで身体を覆うなど、利用者の羞恥心へ配慮しています。入浴を拒否する利用者への関わり方としては、誘導の声かけに注意したり、シャワー浴を試してみたり、日にちや時間を変更したりと工夫しています。信頼関係の構築に向け、利用者の希望や意向を優先的に受け入れています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄のスクリーニングを行い支援計画をたて、自然な排泄やトイレでの排泄など利用者自身の目標を聴取し、支援のよりどころとしています。経過記録と介護シートにより排泄パターンを把握し、尿量や時間帯に合わせてオムツや下着の種類を検討し、ポータブルトイレ設置の可否、パット交換やトイレ誘導の時間設定など、利用者の状態に応じて支援しています。周囲にわからないように誘導する、カーテンを引くなど利用者の羞恥心への配慮やコールへの迅速対応は、ケアの基本として根付いています。リハビリ職員の評価を踏まえた無理のない安全な介助方法を選択し、排泄観察を通じて病状変化の早期発見や身体状態の維持を図っています。3ヶ月ごとの担当者会議では多職種が集い、専門性の視点を得て、支援計画の検討と見直しを行っています。利用者や家族からの排泄についての相談に応じたり、自宅でのトイレ介助方法を一緒に検討するなど、在宅復帰に向けた支援にも取り組んでいます。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

リハビリ職員が利用者の移動動作を評価し、安全適切な移動手段や福祉用具の選定を行い、リハビリテーション計画書を立案しています。歩行杖、車いす、サークル歩行器、シルバーカーは各種取り揃えており、個別の状態に応じて選択しています。体調不良時には車いす介助に変更するなど、無理のない対応を心掛けています。車いすで自操する目標を掲げた際には、ブレーキ操作を練習したり、フットレストを外して移動するなど、自立に向けて細やかに支援しています。チーム会議やサービス担当者会議など多職種参加の場で情報を共有し、移動時の見守りや声かけ、転倒や衝突のリスクにはヒヤリハット収集により対策を講じるなど、安全に移動できる環境を整えています。また、安全管理委員会では事故防止に向けて、動線や補修必要箇所の確認を行っています。家屋調査の実施により自宅での移動手段を検討し、使用練習を繰り返して、利用者の在宅復帰への自信につなげています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

毎月季節感溢れる行事食を企画、ポスター掲示により利用者にお知らせしています。利用者の誕生月にはケーキのプレゼントを添えたり、おやつバイキングやセレクトメニューの楽しみもあります。郷土料理や海外グルメの日を設けるなど、バラエティーに富んだ食生活を提供しています。食事中は、テレビを消してBGMを流す雰囲気作りを大切にするとともに、管理栄養士がフロアを見て廻り、利用者の食事への意見や好みを聴取しています。利用者を対象とした半期ごとの食事満足度調査実施により、献立への意見聴取や食事内容の検討を通じて食事満足度向上を目指しています。栄養管理委員会や検食簿から職員意見を汲み上げ、改善につなげています。日頃のメニュー作成と調理は業者に委託して効率を図り、フロアの状況を報告したり、食事箋の詳細をやり取りするなど連携を取っています。マニュアルに沿った衛生管理とフロアでの消毒を徹底し、衛生管理を適切に行っています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

フロアでは介護職員が食事と水分の摂取量を記録、言語聴覚士が誤嚥リスクを、また管理栄養士が低栄養をスクリーニングし、摂食機能評価を医師に依頼しています。また、管理栄養士が利用者の食事摂取量や栄養状態の評価を基に栄養ケア計画を作成し、栄養ケアマネジメントを実施しています。常に多職種で情報共有に努める体制があり、咀嚼や嚥下能力に見合った食形態の提供や、利用者個々のペースに応じた食事時間の調整、誤嚥や窒息防止のための見守りなどの支援を行っています。多職種による経口カンファレンスを毎月実施する中で、経口での食事摂取継続に向けて、食形態やトロミの使用、食事介助の方法を検討しています。自力での食事摂取継続に向けては、自助具や自助食器、滑り止めマットレス、ベッドテーブルの使用、車いすのポジショニングなど、食事環境の検討と見直しに取り組んでいます。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

毎月開催の口腔衛生管理委員会では歯科衛生士の口腔機能維持管理に関する助言を得て、職員に周知しています。職員は施設内勉強会でも口腔衛生について学び、歯科衛生士に利用者の歯のぐらつきや義歯の不具合などの変化を報告、口腔ケアについて質問し、相談できる体制となっています。施設内研究発表会では舌苔の清潔保持についてプレゼンテーションしました。舌苔の取り方やクリーナーの選び方、予防法などを説明し、サービスの質の向上に向けて取組を継続しています。口腔ケアアセスメントシートに口腔ケア状況、義歯の有無、口腔環境を職員間で共有しつつ、必要に応じて介護職員が仕上げ磨きや義歯の洗浄を行っています。毎食後の歯磨きが習慣づいた利用者には、居室の洗面所で念入りにブラッシングする姿も見られます。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

入所時に褥瘡予防に向けた評価を行い、計画書を作成し、サービス担当者会議にて多職種で褥瘡予防対策について検討しています。利用者一人ひとりに見合ったポジショニング、マットレスやクッションの予防具、車いすの調整、栄養状態や健康状態について話し合いを経て、介入しています。褥瘡発生時にはマニュアルに沿ったケアを実施し、経過を記録し、改善に向けて取り組んでいます。入所時に既に褥瘡が発生している利用者についても、皮膚科医師の指導の下、カンファレンスや写真、支援記録、随時の報告などで情報共有に努めながらチームケアを行い、治癒を実現しています。日頃から皮むけや皮膚剥離を早期発見した際にはヒヤリハットで報告し、早急に対策を講じています。褥瘡予防委員会を毎月開催、施設内勉強会を実施して、褥瘡予防対策やケア方法についての学びを深めています。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(利用者の状況により)】

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの状態に見合った筋力トレーニングや歩行練習をベースとし、自主トレーニングメニューを作成して、利用者の意欲を引き出しています。更に食事、排泄、入浴など日常生活で必要な動作について、生活の場であるフロアでトレーニングを行っています。介護職員とリハビリ職員が連携をとりながら、フロアで行うリハビリテーションが成果を上げています。在宅復帰を念頭に自宅の家屋調査を経て、洗濯、調理、買い物などの家事動作練習も実施しています。介護職員が利用者のできていること、できることを見極めつつ介助することで、自立支援と介護予防が実現しています。認知機能の維持や悪化予防に向けては回想法や言葉遊びなどで精神活性化を図り、症状変化に気付いた際は看護師へ報告し、医療につなげて、早期発見と早期対応を励行しています。3ヶ月ごとのサービス担当者会議で情報を共有し、利用者支援の検討と見直しを行っています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

認知症介護専門棟は1フロア23名の少人数定員であり、ゆったりと落ち着いた雰囲気の中できめ細やかなケアを行っています。居室やトイレがわかりやすいように表札やマークをつけ、一方で不必要な掲示物や装飾品などの刺激を遠ざけてシンプルな環境づくりをしています。介護チーム会議では生活歴、生活状況、認知症状は基より、行動変化や些細なひと言などについても情報を共有して、支援方法の見直しを図っています。1対1の人間同士として「利用者を大切に思う気持ち」を伝えるユマニチュードケアの実践により、テーブルを叩き続けたり叫んだりの不穏状態が収まり、穏やかに和やかに過ごせるようになった利用者もいます。利用者の状態によっては施設精神科医の診察やアドバイスを受けて対応しています。施設内勉強会で認知症の理解を行き渡らせるとともに、外部研修にも積極的に参加して、より質の高いケアが行えるように日々学びを深めています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の体調変化時には看護師へ迅速に報告、確認後は医師へ報告、必要に応じて病院へ受診する体制を確立しています。日頃から各フロアでは介護職員、看護師、リハビリ職員の連携が密であり、「立ち上がりにふらついた」「顔色が悪い」など利用者のいつもと違う変化を共有できているため、早期発見と迅速対応が可能となっています。急変時と与薬のマニュアル、看護手順・基準を整備しており、確認の上対応しています。急変時のフロア人員配置として、一斉放送により別フロアからの応援要請ができる仕組みができています。施設内勉強会で急変時対応と胃ろう造設についての知識を得て、実際の対応に備えるとともに、新入職員に対しては先輩職員が現場での個別指導を行っています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

終末期ケアマニュアルを整備しており、看取りの方針や手順が明記されています。看取りについては毎年の施設内勉強会で基本姿勢を学び、職員の理解とサービスの質の向上を図っています。利用者の意志を尊重し、本人が望む終末期が迎えられるように人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)のプロセスを大切にしています。本人と家族の思いを聞き取り、多職種と医師とが連携して、終末期ケアを具体化しています。利用者の食べたい物、好きだった物を家族に持参を依頼、食事も入浴も時間にとらわれず体調に合わせて実施し、夜間でも家族が面会できるように支援体制を整えています。利用者と家族の願いが叶えられるように職員が一丸となって、施設としてできる限りの最善を尽くしています。看取り後には家族と職員がグリーフケアの場となる「偲ぶ会」に集い、利用者の在りし日の思い出を語り合う機会を設けています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

家族は面会、洗濯物回収、ケアプランへのサインなどに来所されるので、その機会に利用者の日頃の様子や体調を伝えています。ケアプランの初回作成時や見直し期には家族の要望を聞き取り、サービス内容への説明を励行しています。家族からの要望や相談は主にケアマネジャーが窓口となっており、内容によっては複数の部署でも対応しています。また体調悪化や転倒事故などは必ず家族に連絡を入れ、その都度指定用紙に記録をしています。コロナ禍でもできる限り面会希望に応じるように努め、15分、30分と時間設定をしたり、ドア越しの対面、オンライン面会など工夫を凝らしています。請求書を家族に送付する際に、利用者が書いた手紙と施設生活の写真を同封するなども試み、利用者の個性や家族への思いがにじみ出た手紙となっています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(特養、通所、養護・軽費)】