社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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介護老人保健施設三田あすみの丘

2025年01月17日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 介護老人保健施設三田あすみの丘 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 介護老人保健施設 定員 84 名
所在地 214-0034
川崎市多摩区三田1丁目14番2号
TEL 044-935-5401 ホームページ https://www.misasakai.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2009年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 三篠会
職員数
常勤職員:42 名
非常勤職員:24 名
専門職員
医師:1 名
看護師:12 名
薬剤師:1 名
管理栄養士:2 名
作業療法士・理学療法士:4 名
介護支援専門員:1 名
支援相談員:2 名
施設・設備の概要
居室数:26室(4人部屋17室、3人部屋3室、2人部屋1室、1人部屋5室)
設備等:食堂、浴室、トイレ、厨房、趣味活動スペース等

③ 理念・基本方針
 法人理念「あゆみのこころ」を大切にし、施設内での目標を定める。
 利用者の尊厳を守り,安全に配慮しながら生活機能の維持・向上を目指すため『包括的ケアサービス』『リハビリテーション』『在宅復帰』『在宅生活支援』『地域に根ざした施設』という5つの役割と機能を念頭に,利用者に応じた目標と支援計画を立てサービスを展開していく。
在宅復帰に向けて,利用者の目指す生活スタイルに近づけるよう情報収集し,カンファレンス等にてニーズを掘り下げ,利用者の家族,地域との結びつきを深め,支援の過程を通して,地域福祉への貢献を図る。
また,心身機能の低下や家庭状況により在宅復帰が困難な利用者に対しては,利用者一人ひとりが満足できる生活が送れるよう日々の関わりを持ち,心身両面の支援を行う。
市区町,居宅介護支援事業所,地域包括支援センター,病院等の関係機関と協力,連携し,入所・通所のサービスが利用しやすいよう支援する。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
ノーリフティングケアの推進。身体拘束ゼロと虐待防止の推進。多職種が関わる尊厳のある質の高い看取りの実施。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/07/10(契約日) ~2025/01/10(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(令和3年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 特長
・経営努力により、安定した運営を目指した物価高騰への対応を進めている
昨今の物価高騰や米価上昇といった経済的影響に対し、法人単位での対策を検討し、安定したサービス提供に努めている。物価上昇による経費の増加は単に支出を抑制するのではなく、稼働率を高める経営努力によって対応を進めている。特に、日々の施設管理や修理についても、必要なメンテナンスを怠らず、施設の質を維持しながらも、効率的な運営によってコスト管理を行うように取り組んでいる。物価高騰に伴う支出の増加を単に利用者に転嫁することなく、内部での稼働率改善や効率化により吸収し、運営の質を落とさずに持続可能な施設運営を目指している。

・看取り介護の充実に力を入れている
利用者本人または家族の意向に基づく「看取り介護の質の向上」に力を入れて取り組んでいる。食事が取れない、意識がはっきりしないなどの状況を受け、終末期を迎える利用者に対し、事前に家族へ施設医より状態の説明、看取りに対する意向確認を行い、意向に沿った看取りケアに努めている。看取り介護が決定すると、医師や看護師、介護職員、栄養士、リハビリ担当者などの職員が連携し、慣れ親しんだ環境で、その人らしい最期を安心して迎えられるよう、支援に努めている。快適な環境整備、好みの食事ほか、清潔の保持、身体のマッサージなど、寄り添う介護を提供している。

・ノーリフティングケアの定着や栄養面からの支援などによって、褥瘡ゼロに取り組んでいる
施設全体で「褥瘡・拘縮ゼロ」を目標に掲げており、これは法人全体で推奨している「ノーリフティングケア」定着を図るとともに、褥瘡の改善には、栄養面からの支援も欠かせない。よって、栄養ケア計画に基づき、高リスク者に対してこまめなモニタリングと栄養補助食品提供、食欲が増す環境づくりなどに努めている。これらの結果、褥瘡を患う利用者が減少傾向にあり、今後も継続して取り組むことにしている。さらに、褥瘡予防・栄養管理委員会において、栄養管理表を毎回更新し施設独自に作成したブレーデンスケール点数・栄養状態・食事摂取状況からご利用者の褥瘡リスクについて評価し検討している。

今後期待される点
・中長期的な方向性を示す計画策定の強化が期待される
認知症ケアの3年計画のように単年度計画では実現が難しい長期的な目標も持っているが、現状では中長期的な計画が明確に示されていないため、今後は年度を超えて継続する計画を中長期計画として体系的にまとめ、方向性を示すことが期待される。こうした計画には各年度ごとに達成すべき目標を設定し、年度ごとの事業計画とも連動させることで、計画の実現性を高め、着実な実行に結びつけることを目指したい。具体的には、認知症ケアや設備面の改善を含む長期目標を設け、各年度の進捗を測りながら事業計画に反映し、組織全体としての方向性が共有される体制が求められる。

・「楽しみ」の場を提供をさらに充実させることが望まれる
食事や入浴、リハビリテーションはある程度一定の時間を設定しているが、それ以外は原則自由とされており、思い思いに生活できるようにしている。また、離床を促がし共有スペースで生活してもらうことにも取り組んでいるが、居室で自分の時間を過ごしたり、ベッドで好きな時間に横になったりすることもできるようにしている。また、不定期ではあるが、書道、麻雀、フリスビーなどのクラブ活動を開催したり、生け花、塗り絵などは定期的開催して多くの利用者が参加している。さらに、ボランティアなどの人的な社会資源を活用するなど、心身の活性化につながるレクリエーション活動を充実させることが望まれる。

・各種マニュアル、手順書の整備と定期的見直しが望まれる
各種マニュアルは法人全体で整備され、パソコン内のフォルダで保管し、各階の介護職員室にも紙ベースでファイルされている。感染症対策や緊急時対応などの手順書は身近にすぐ目立つところへ掲示してある。マニュアルなどの定期的な点検・見直しは各委員会において実施する予定であるが、今のところできていない。今後、各委員会活動を活発化させ、事故、感染症、災害などのリスクマネジメントに適切に対応するためにも、各種マニュアル、手順書の整備と定期的な見直しが望まれる。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受審し、現在行っているサービスについて振り返る機会となりました。また、職員の聞き取りでは、虐待防止、感染症対策のアドバイスをいただき、大変参考になりました。委員会を活性化させ、各種マニュアルの見直しに着手していきます。
利用者及びご家族調査では、施設職員だけでは伺う事が難しい情報を得ることができました。この度、得たご意見を参考に、ご利用者の生活が充実できるようサービスを実施したいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

・法人理念「歩・実・心」を全職員に配布し、入職時のオリエンテーションや研修、さらに定期的な法人内研修や会議を通じて周知を図っている。
・施設独自の理念と基本方針を作成し、各部署や職員と共有するために、施設内に掲示している。全職員が理念を理解しやすい環境が整えられており、職員一人ひとりが理念に基づいた行動を取ることが促進されている。
・法人理念を大切にしつつ、施設内では「稼働率向上」や「利用者目線でのケア」を大目標として掲げている。また、利用者の尊厳を守りつつ、安全性を確保しながら、利用者ごとに適切な目標と支援計画を立てている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

・国の報酬改定や加算算定要件については、積極的に情報を収集し、施設運営に反映させ、経営の安定化と効率的な運営を図っており、定期的に加算の確認を行っている。
・利用者の推移は、老健指標に基づいて定期的に分析されており、経営改善のためのデータとして活用されている。リーダー会議などで必要な情報を共有し、経営方針に反映させるプロセスが整っている。
・利用者や職員の意見は、第三者評価の利用者調査や職員面談を通じて収集され、経営改善やサービスの向上に役立ている。地域住民からも交流事業を通じて現状を把握し、地域福祉に貢献する運営を目指している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

・法人理事長との定期的な経営状況の分析を行い、利用料金の支払い状況や収入の改善に努めている。リーダー会議や委員会を活用し、計画の進捗状況を検証しながら施策の実行に取り組み、必要な情報は職員に伝達を行っている。
・稼働率向上に向けて、居宅や介護支援施設への働きかけを強化しており、10%の増加を達成し、施設の収益向上につながっている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人としての中長期的なビジョンを踏まえた単年度事業計画を策定しており、リーダー会議での協議を通じて施設の課題やニーズを抽出している。また、前年度の収支状況を分析し、予算編成に反映させることで長期的な視点からの改善策を講じている。
・単年度事業計画書には、施設が目指す長期的な展望が盛り込まれており、毎年更新している。計画の進捗状況はリーダー会議や委員会を通じて定期的に検証され、着実な実行を目指している。
・施設目標は上期・下期の目標記入シートに具体的な形で明示されており、各部署や職員の個別目標もそれに基づいて策定され、職員一人ひとりが目標に向けて取り組めるようになっている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中長期計画は策定されていないものの、施設改善を含めたテーマが毎年議題に上がっており、それを反映させた単年度の事業計画が策定されている。単年度事業計画には、施設の運営方針やサービスの基本方針が明示され、具体的な施策項目に落とし込まれている。前年の事業内容を評価し、リーダー会議での検証を踏まえた計画策定プロセスとなっており、実行可能な計画を立てるようにしている。
・各部署や個人の目標は、上期・下期の目標記入シートに明示され、具体的な目標設定が行われている。これにより、組織全体で目標達成に向けた取り組みが進められている。目標が未達成の場合は計画の継続も考慮されている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・毎年、前年の事業内容を評価し、次年度の計画策定に反映させている。各部署担当者が事業報告書を作成し、施設長のチェックを経て、組織的に評価と見直しが行われている。事業計画の進捗についてはリーダー会議で定期的に報告され、当初の予算との乖離があれば原因を分析し、補正予算の策定など迅速な対応を取るように努めている。
・施設の目標は年初に全職員に説明され、目標記入シートを用いて施設、部署、職員それぞれの目標が明示されることで、職員全体に理解が浸透している。リーダー会議で進捗状況の報告と協議が行われ、必要に応じて調整が図られている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

・事業計画の利用者や家族への周知は現状では行われておらず、今後の課題として掲示や説明の機会を設ける取り組みが必要とされている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

・福祉サービスの質向上のため、各委員会(衛生、褥瘡予防、感染対策、リスクマネジメント、虐待防止、身体拘束廃止、ノーリフティング、サービス向上、ターミナルケア)で役割を分担し、組織的に取り組みが進められている。
・各部署では定期的にミーティングを行い、サービスの質に対する評価と改善に努めている。また、ノーリフティングケアについては法人全体で評価を行い、職員の介護技術向上に取り組んでいる。
・施設全体で年に1回、自己評価を実施しており、これを通じて福祉サービスの質の向上が図られている。経営層も定期的に就業状況や勤務態度を把握し、人員配置や職員の育成に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・各委員会は、福祉サービスの質の向上に向けて、役割分担を明確にし、具体的な取り組みを実施している。部署ごとのサービス評価はミーティングで行われ、具体的な事例に基づいて行われている。その結果をリーダー会議で整理し、組織的な改善に努めている。
・施設長を中心に、リーダー会議や各種委員会、法人内の会議に参画し、施設内外の課題を把握・分析し、明確化している。これに基づき、計画的な改善策を組織全体で共有し、実行に移すよう取り組んでいる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・施設長は年初に施設の大きな目標を策定し、それに基づいて各部署や委員会が具体的な目標を設定するプロセスをリードしており、職員に対して明確なリーダーシップを発揮している。
・リーダー会議や個別の面談を通じて、施設長は経営管理に関する方針や自らの役割と責任を職員に伝達し、理解を促している。また、職員面談を通じて個別の業務内容や取り組むべき課題を示すことで、職員の業務に対する責任を明確化している。
・施設長は積極的に、職員全体が一体となって福祉サービスの改善・向上に取り組む環境づくりを推進しているが、職務分掌の周知や広報活動については今後の課題とされている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設長や相談員は、法改正や条例の変更について理解し、リーダー会議を通じて職員に周知を図っている。また、集団指導や制度に係る説明会に参加し、最新の法令や規定に基づいた情報を入手し、必要事項を組織全体に伝えている。
・入職時のオリエンテーションや定期的な研修を通じて、職員に対して遵守すべき法令や規程、倫理に関する教育が実施されている。ハラスメント防止に関する法令の周知を図り、意識調査や研修を実施して、職員が法令を正しく理解し、適切に対応できる体制を整備している。
・環境への配慮として、ごみの削減にも取り組むなど、社会的責任にも努めている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・施設長は福祉サービスの質向上に強い意欲を持ち、現場職員との面談や会議を通じてサービスの現状を把握し、課題解決に向けたリーダーシップを発揮している。相談員と共に各委員会に参加し、具体的な取り組みが行われるように適切なアドバイスや助言を行い、職員一人ひとりに明確な業務内容を提示することで、組織的な福祉サービスの質の向上に取り組んでいる。
・職員教育においては、研修への積極的な参加を促し、職員のスキル向上を支援している。特にノーリフティングケアの実践において、現場主体の取り組みをサポートし、担当職員の介護技術向上に寄与している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・法人全体では、介護報酬改定を見越して職員配置や賃金の見直しを行い、経営改善に取り組んでいる。施設単位では、リーダー会議で経営方針を明確に伝え、施設の特色を活かした介護の実施に向けた取り組みを指導している。
・衛生委員会を通じて、職場環境の整備に取り組んでいる。特に、現場職員の働きやすさを重視し、業務の実効性を高めるための改善策を計画的に取り組んでいる。
・物価や米価の高騰といった外部要因に対しては、経営努力として稼働率の向上に注力しており、支出削減よりも収益の確保に重きを置いた方針で経営改善を図っている。職員間の交流機会が制限されている中でも、職場環境改善や経営効率化に向けた指導力を発揮している。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・法人全体として、介護報酬改定を見越した職員配置や賃金の検討を行い、適材適所な人員配置を進めている。経営層は職員の就業状況や勤務態度を把握し、必要な福祉人材の確保と定着に努めている。
・新規採用職員に対しては、施設内で新任研修や分野別の研修を実施しており、職員のスキルアップと定着を支援している。さらに、法人全体で職種や施設を越えた研修も行い、人材育成を図っている。
・中途採用に関しては施設内で対応しており、応募件数は安定している。専門職に対しては、働き方の条件提示を重視した採用活動が進められており、定着率も良好である。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

・法人全体で統一した人事管理基準が設けられており、施設もその基準に準じて人事管理を実施している。新任研修で人事基準の周知を図り、職員が基準に沿って理解を深められるよう取り組んでいる。
・施設内では、目標記入シートを活用した評価制度を導入し、職員の育成状態を適切に把握している。また、半年ごとに上長面談を実施し、年1回は施設長による面談も行い、個々の職員に対する適切なフィードバックと人事管理が行われている。面談時には、職員の業務内容に加えて、体調管理や勤務状況などに関する幅広い内容を確認し、職員が安心して働ける環境づくりに努めている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

・職員の就業状況や意向を把握するため、年3回の定期的な個人面談(上長2回、施設長1回)を実施し、職員のニーズや育成計画について確認している。面談を通じて、職員の目標やキャリア展望を共有し、個々の成長をサポートしている。管理者と部署長は、職員が作成した目標記入シートを共有し、各職員が目指す方向性を確認しながら、施設全体としての人材育成に取り組んでいる。
・職員の休暇状況にも配慮し、有給取得が少ない職員には取得を促すなど、職場環境の維持に努めている。ノーリフティングケアの導入や、立地や労働条件、給与などの要素も職員から評価されていることがうかがえる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・新任職員に対しては、法人全体での研修に加え、施設内でも研修を実施し、基礎的なスキル向上を図っている。現任者に対しても定期的に研修を行い、職員の継続的な成長を支援している。
・上期・下期ごとに目標を設定し、目標記入シートを通じて職員一人ひとりの進捗を管理している。部署長が定期的に面談を実施し、職員の成長状況を把握しながら、必要な指導や助言を行っている。
・人事希望聴取用紙を配布し、職員の資格取得希望やキャリア目標を把握した上で、個々の適性に合った役割を担わせることで成長を促している。また、資格取得費全額支援などの待遇改善に力を入れ、職員の意欲向上と定着を目指している。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・法人では、新任職員研修、フォローアップ研修、リーダー研修など、職員の年次や職制に応じた研修計画が策定され、継続的な育成が行われている。施設内でも年間研修計画を作成し、各職員のスキルの向上を目指した研修が実施されている。
・事業計画には、「新任職員・指導職員双方に成長を感じられるOJTの実施」や「内部・外部研修の計画的参加と研修報告による介護技術と知識の向上」が掲げられており、これに基づいて計画的な教育・研修が行われている。身体拘束廃止や感染症対策など、職場での重要なテーマに基づいて行われており、外部研修への参加や内部でのスキルアップ研修の推進に努めている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・法人では、新任研修、フォローアップ研修、リーダー研修など、年次や職位に応じた研修を毎年計画的に実施し、職員一人ひとりに研修機会を確保している。施設内では年間研修計画を作成し、ノーリフティングケアなど重点的に取り組むテーマについて学ぶ機会を設けている。参加を促すためにスケジュールやシフトの調整も行い、職員が研修に参加しやすい環境を整えている。
・外部研修に関しても、本人の希望を尊重しながら積極的に参加を支援している。特に勤続年数の少ない職員には外部研修参加を奨励し、必要なスキルを習得できるよう取り組んでいる。また、施設長は認知症ケアを重視し、全職員が2〜3年かけて参加できる計画を推進している。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・法人では、作業療法士や教職員の介護体験実習生の受け入れを行っており、実習の主旨に沿った体験ができるよう、オリエンテーションやプログラムを整備している。個人情報の取扱いについても、実習開始時に説明を行い、適切な対応を行ってる。事業計画には「地域との連携」の一環として、多くの実習生の受け入れを目指しており、特に大学生の介護実習に力を入れている。
・介護福祉士実習指導者の研修にも参加しており、指導担当者を選任し、実習生に対して質の高い指導ができる体制を整備している。外部研修を受講する機会も提供されており、オンライン形式での参加も促進されている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・重要事項説明書や運営規程を玄関エントランスに掲示し、来訪者が容易に確認できるようにしている。また、福祉サービス第三者評価の結果もホームページ上で公表し、運営の透明性を確保している。
・法人として、定款や役員名簿、男女の賃金格差などの情報をホームページで開示し、さらに決算公告についてはワムネットを通じて公開している。これにより、法人全体の透明性を向上させ、地域社会や関係者に対しての信頼性を確保している。
・施設の活動については、ホームページや施設案内を通じて情報発信しており、地域との関係を築くための取り組みも行っている。今後は、理念や基本方針を説明する印刷物の配布も検討しており、地域社会との連携を強化していく方針を示している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・施設では、事務、経理、取引に関して内部監査を定期的に実施し、外部の専門家による監査も行うことで、透明性の高い運営が確保されている。監査で指摘された事項は改善に取り組み、公正な運営に努めている。福祉サービス第三者評価の結果や重要事項説明書を掲示し、利用者や地域に対して情報を公開している。
・運営規程や就業規則に基づき、個人情報や施設の運営に関する情報を適切に取り扱っており、利用者や家族には利用開始時に説明を行っている。また、職員への研修を通じて規程やルールの周知の徹底を図り、公正で透明性の高い経営を支える体制を整えている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域とのつながりを広げるために、施設内にウッドデッキを増設し、七夕飾りやクリスマスイベント、地域の井戸端会議スペース、子どもたちの遊び場などを開催できるような環境を整備している。また、リハビリ職員が地域包括支援センターの企画に講師として参加し、地域住民向けの体操教室を実施するなど、地域との連携に取り組んでいる。
・防災訓練や地域イベントへの参加、敷地内の開放を通じて、地域住民との交流機会を提供し、地域資源を利用者に還元する取り組みを実施している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・施設では、地域社会との連携を深めるために、ボランティアの受け入れ体制を整え、基本姿勢を明確にしている。地域のボランティア情報誌「たまぼら」に募集要項を掲載し、ボランティア活動の推進に努めている。ボランティア受け入れはコロナの影響で一時的に制限されていたが、現在は通常の受け入れが可能となっているので地域に働きかけていく予定である。
・事業計画には「地域との連携」の一環として、小学校・中学校・高校との職場体験受け入れを通じた交流の取り組みが明記されており、地域の若者が福祉に関わる機会を提供している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・「地域連携および地域貢献」を重要課題として位置付けており、地域の各機関と協働しながら地域福祉への貢献を推進している。区社会福祉協議会や老健事務長会、地域包括ケア連絡会議など、地域の関係機関とのネットワークに参画しており、地域資源を明確にした上で、連携を強化している。
・事業計画には、在宅復帰を目指す利用者に対して、市区町や各居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、社会福祉協議会との連携を通じて課題解決に取り組む方針が掲げられている。通所利用者に対してもケアマネジャーと連携し、利用者と家族のニーズに応える体制を整備している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・施設長や相談員は、区社会福祉協議会や老健事務長会、地域包括ケア連絡会議などの地域の各種会議に参加し、地域の福祉ニーズや課題を把握するための情報収集に努めている。収集された地域のニーズや課題は、リーダー会議を通じて職員に共有され、適切な対応が行われる体制が整備されている。
・新型コロナウイルス感染防止対策の影響で、地域交流活動は一時的に自粛しているが、コロナ収束後には地域住民を招待した行事や交流活動を再開する計画を立てており、地域のニーズに応えるための活動を積極的に進めていく方針である。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・施設長や相談員は、区社会福祉協議会や地域包括ケア連絡会議などに参加し、地域の福祉ニーズを把握した上で、地域に根ざした公益的な事業や活動を展開している。地域包括支援センター主催の体操教室にリハビリ職員が講師として参加するなど、地域の高齢者向けの健康促進活動にも関わっており、地域ニーズに応じた福祉サービスを提供している。
・川崎市高齢者委託事業として、「川崎市高齢者等短期入所ベッド確保事業」や「川崎市高齢者等緊急受入体制整備事業」に参画している。在宅生活が困難となった高齢者や緊急対応が必要なケースについて、24時間365日体制で受け入れを行うことで、地域福祉の安全網として機能している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・法人理念に基づき、施設では利用者を尊重した福祉サービスの提供を目指し、職員にその理解を深めるための研修や目標設定を行っている。身体拘束禁止や虐待防止に関する委員会や研修を定期的に実施し、職員が基本的人権に対する意識を高める取り組みを行い、利用者の尊厳を守るための具体的な方法や倫理的な行動を職員に促している。また、事業計画では身体拘束ゼロを掲げ、人権尊重の意識を高め、サービスの質の向上に努めている。
・利用者やその家族に対して、個人情報の使用に関する説明を行い、同意書に署名捺印を得ることで、個人情報の適正な管理と利用者の権利保護の徹底に努めている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

・個人情報の取り扱いについては、利用開始時に「個人情報の使用に係る同意書」を説明し、同意を得ている。また、職員やボランティア、実習生にも個人情報保護の取り扱いに関するオリエンテーションを実施し、理解の徹底に努めている。
・写真撮影や記録の際には、事前に同意を得ていても、改めて利用者や家族から許可を得ている。施設行事風景をホームページに掲載する場合も同様に許可を得ることで、プライバシー保護に努めている。
・多床室が中心のため、居室内での支援時にはプライベートカーテンを使用し、脱衣場にはパーテーションを設置するなど、外部から見えないように配慮し、利用者のプライバシー保護の徹底に努めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

・法人全体でホームページを作成し、施設の情報を掲載することで、利用希望者が施設概要を確認できるように整備している。施設の理念や基本方針も来客者が見える位置に掲示し、透明性を確保している。パンフレットやホームページを通じて、施設の事業内容全体を分かりやすく紹介し、利用希望者や地域社会への情報提供を行っている。
・利用希望者やその家族に対しては、相談員が個別に説明し、施設見学を実施している。また、短期入所からでも対応できるようにするなど、柔軟な対応を行っている。さらに、市区町や居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、病院などと協力し、利用希望者がスムーズにサービスを利用できるよう連携を図っている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

・入所前には、相談員が施設見学や施設概要の説明を行い、入所時には重要事項説明書をもとに利用者や家族にわかりやすく説明している。入所後、サービス内容の変更が生じた際には、家族に面会時に説明や書類を郵送することで、適切な情報提供を行っている。質問があった場合には、わかりやすく丁寧に回答することに努めている。
・初回アセスメントにあたる事前面談では、決められた書式を用いて利用者の生活歴や希望を詳しく聞き取り、その情報を現場職員と共有することで、適切なケアに活かしている。利用者や家族との信頼関係を大切にし、丁寧な説明とコミュニケーションを心がけている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・在宅に戻る利用者に対しては、相談員、リハビリ職員、看護師が家庭訪問を行い、生活環境の整備や日常生活のアドバイスを行うなど、在宅移行後の生活支援に力を入れている。家庭での生活が安心して送れるようフォローに努めている。
・利用者が特別養護老人ホームなどでの長期生活を希望するケースが多いため、利用希望者に対しては市内の他施設も含め、目的に適した福祉サービスを紹介している。他施設に転所が決まった際には、継続的な支援を提供するため、家族の同意を得た上で、利用者の様子や必要な情報を伝えるとともに、ケース記録や看護サマリーを提供している。転所後のフォローも行い、利用者が安心して次のステージへ移行できるよう、サービスの継続性に配慮した対応を心がけている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者満足の向上を目的として、利用者から希望する活動や行事に関する聞き取りを行い、その意見を反映させている。具体的には、町田のリス園への訪問や回転寿司に行くなどの外出イベント、日頃のリハビリ職員同行の散歩が実施されている。また、3か月ごとにカンファレンスを開催し、リハビリテーションの達成状況を把握しつつ、利用者の意見や希望を聞き取って支援に反映している。
・家族会や利用者会は開催されていないが、コロナ禍以降の家族の集まりの減少に伴い、従来の家族会の形を見直し、新たな仕組みを模索している。家族への情報共有は、面会時に各担当者が利用者の生活状況を伝える形で行われており、事故時などは電話による連絡も行っている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・入所契約時に「重要事項説明書 利用約款」を通じて、利用者や家族に対して苦情解決制度や外部の苦情相談窓口を利用できることを説明し、周知を図っている。施設の1階玄関エントランスには、苦情解決窓口の案内を掲示し、利用者や家族がいつでも苦情を申し立てられる環境を整備している。
・苦情や相談を受けた場合には、迅速に対応し、その内容や解決策を利用者や家族にフィードバックすることで、問題解決の透明性と信頼性を確保している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

・各フロアの介護ステーションはカウンター形式で、職員に声がかけやすいように配慮されており、フロア内での相談が難しい場合は会議室などを使用して、プライバシーを守った相談環境も提供している。
・重要事項説明書には、支援相談員の連絡先に加え、川崎市健康福祉局長寿社会部高齢者事業推進課や神奈川県国民健康保険団体連合会の連絡先も明記しており、外部の相談窓口を利用できることを利用者や家族へ周知を図っている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

・利用者からの相談や意見に対しては、ケアカルテに記録を残し、迅速な対応を心がけている。相談内容は適切に共有され、必要に応じて施設全体で検討され、改善策が講じられるような体制が整っているが、苦情対応マニュアルは未整備の状態である。
・入所時には、「介護老人保健施設サービス説明書」に基づき、苦情時の対応について説明を行っている。支援相談員が相談を受け付け、内容は苦情処理委員会で検討され、速やかに対応される旨が記されている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

・リスクマネジメント体制として、リスクマネジャーを委員長とするリスクマネジメント委員会が中心となり、利用者の安全確保に向けて取り組んでいる。各フロアで提出されるヒヤリハット報告書や事故報告書の集計結果を確認し、再発防止策を講じている。事故や感染症などが発生した際には、リスクマネジメント委員会がその要因と対応を分析し、再発防止に努めている。リーダー会議においてもリスク対応方法を検討し、改善を図っている。
・隣接するマンションと共同で避難訓練を実施し、災害時に備えた防災対策も講じている。さらに、地域の災害リスクに応じたハザードマップを掲示し、風害や地震などの災害への備えを強化している。施設内のリスクとしては火災や転倒事故が挙げられ、これらのリスクに対しても計画的な対応が行われている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・感染症の予防や発生時の安全確保のために、リスクマネジメント委員会が中心となり、感染対策マニュアルの適時更新を行っている。新型コロナウイルス感染症などに対応する業務継続計画(BCP)が策定されており、各フロアに配布して周知徹底を図っている。全職員対象の感染対策研修を定期的に企画・運営しており、職員が迅速かつ適切に対応できるようにしている。研修では、感染症予防および発生時の対応について具体的な情報提供を行い、職員の理解を深めている。
・新規入所者の体調確認や、来所者に対する体温測定、手指消毒、マスク着用の徹底を行い、感染の持ち込みを未然に防ぐ対策を講じている。さらに、施設内の清掃、消毒、換気を徹底し、最新の感染情報に基づく感染対策を取り組んでいる。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

・災害時における利用者の安全確保のため、施設では備蓄品を利用者および職員の3日分を用意し、緊急時に職員に迅速に連絡が行きわたるように連絡網を都度更新している。また、自動参集の仕組みも策定しており、災害時の対応を強化している。定期的に消防・防災訓練を実施し、隣接するマンションとの連携による避難訓練も行っており、地域ネットワークを活用した相互支援体制を構築している。また、災害時に施設単独での事業継続が困難な場合を想定し、地域の関係機関との協力体制の強化を日常的に図っている。
・防災に関する業務継続計画(BCP)は各フロアに配布し、職員に周知徹底を図っている。また、不審者対策や風水害への対応についても継続的に検討し、災害時の利用者安全確保を目的としたリスクマネジメント体制の強化に努めている。さらに、今後予想される地震や大規模災害に備えたリスクマネジメントの必要性を認識し、業務継続計画の早期策定を目指して取り組んでいる。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

・各種マニュアルは法人全体で整備され、パソコン内のフォルダーで保管し、各階の介護職員室やユニットにも紙ベースでファイルされている。業務の標準化のための業務マニュアルやルールブックを設けており、入職時に配布するとともに新人研修で説明し理解を深められるようにしている。感染症対策や緊急時対応などの手順書は身近にすぐ目立つところへ掲示してある。個々の介護については、リーダー職員から基本的な介助方法を指導しているが、マニュアルなどの定期的な点検・見直しは各委員会において実施する予定であるが、今のところできていない。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

・施設内各委員会にて業務内容の見直しを行い、標準的なサービス実施に努めている。個別的な事例についてはカンファレンスでケアプランに反映をしている。ノーリフティングケアに関しては、外部から指導者を招き介護技術の取得、向上を目指し、施設内周知を図っている。現場のケアが不適切な場合にはリーダー職員が指導している。職員の定着化を図って介護技術の均一化に努め、業務内容そのものを検討することも望まれる。リスクマネジメントに適切に対応するためにも、各種マニュアル、手順書の整備と定期的見直しが望まれる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

・アセスメントシートへADL、IADL、生活歴、家族関係などを記述し、利用者の心身状況や生活状況を把握している。入居時にはアセスメントシートをもとにケアプランを作成し、各担当者が家族へ説明し、署名・押印をもらっている。アセスメントシートは状況が変われば、担当職員が赤字でパソコン上に加筆し、モニタリングは3が月毎に実施している。利用者や家族のニーズはアセスメントシートに記載し、ケアプランに反映させることにしている。各職種の意見をまとめ、利用者の実情に即したケアプランの作成に努めているが、サービス実施計画の進捗状況の確認については、さらに精度を向上させることを目指している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

・アセスメント情報をはじめ、利用者との日常的な関わりや家族の意向などから導き出された課題を基にケアプランの作成に取り組んでいる。具体的には、多職種が出席するケアカンファレンスにおいて、介護職員が作成したプラン原案を各職種が検証し、ケアマネジャーがまとめる流れとしている。また、各職種で支援した内容の達成状況を確認し、関わりの中で新たに気づいた課題などを共有している。今後の取り組み方針や在宅復帰の可能性も含め検討し、カンファレンスも適時行い適正な評価見直しにつなげている。緊急にケアプランを変更する場合は他部署からの意見を集約し見直しにつなげている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

・記録システム(ケアカルテ)を使用し、各職種の記録の一元化を図ったり、記録の書き方については、部署ごとに指導を行ったりしている。利用者の日常生活の様子はバイタル、排泄、入浴、食事量、過ごし方などは記録システムに記録し、特記事項があればメモをしておき、後からパソコン上のケース記録へ入力している。記録システムにより全ての職員が情報を共有することができ、また申し送りノートでも情報共有をしている。フロアミーティングでは介護職員、看護師、支援相談員が参加し情報共有だけでなく、業務改善などの取り組みを行っている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

・PCでの重要な情報の処理・保管についてはアクセス権限を設定し、経営に関する重要な情報や給付管理・経理管理などは、管理基準を設定してデータの紛失に備えている。また、紙ベースの重要な情報については文書取扱規則に基づいて整理・保管され、必要な人が必要な時に活用出来る仕組みを整えている。業務特性に応じた情報の保護・共有にも努めており、利用者個人別の情報はファイリングされ、施錠できる書庫に保管されている。個人情報保護規程に基づき状の保管や廃棄、開示を行っている。入職時に個人情報の取り扱いについて説明を行い、新任研修時にも個人情報保護についての理解を促している。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:b】

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:b】

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:b】

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】