社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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保育園 リエッタ

2022年05月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 保育園 リエッタ 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 100(利用者95名) 名
所在地 212-0016
川崎市幸区南幸町2-9 ラゾーナサイドビル2階・3階 
TEL 044-541-9885 ホームページ https://www.hibambina.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社ばんびーな
職員数
常勤職員:24 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:21 名
看護師:1 名
栄養士:3 名
調理員:2 名
子育て支援員:3 名
施設・設備の概要
保育室:5室
トイレ:4ヶ所
調理室:1室
事務室:1室
園庭:有 

③ 理念・基本方針
保育理念
・こどもたちのありのままを愛する保育 
・こどもたちの一瞬一瞬を大切にする保育 
・こどもたちに生きる力を身につける保育

基本方針 
こどもたちを通してつながりあい、みんなが育ち合える園

④ 施設・事業所の特徴的な取組
保護者への取り組みに関して
コロナ禍でも子どもの様子が伝わるように、連絡帳以外に定期的に保育中の動画撮影を行い保護者に配信している。また、クラス担当職員に保育内容インタビューをし、園だより配信版として毎月保護者に配信している。保護者面談はリモートで行い保護者の要望に合わせて随時行える体制を整えている。
職員への取り組みに関して                                                  新人職員へのサポート体制強化(ピアサポート、シニアサポート)、ティーチャーズトレーニング、子どもの発達研修
保育記録に関して
記録方法にルールを決め記録しやすいようになっている。また、月の保育計画は担当が一人で作成するのではなく、クラス会議を通して多面的にクラスまたは個人を捉えて作成している。
保育活動に関して                                                    法人で畑を借りているため、畑活動を楽しむことができる。園バスがあるため、広い公園や遠足に行く機会が多い。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/09/10(契約日) ~2022/04/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)子どもの感性を育む環境を整備しています
市の中心地にあり駅からも近く、とても利便性が高い立地です。ビルの1階から3階までが園舎ですが、手作り感のある木材を使った内装やコーナーが施され、温かな空間になっています。段差を利用して、子どもたちの発表に使える舞台が作られていたり、絵本のコーナーが随所にあるなど、子どもの活動を豊かにする環境づくりがなされています。子どもたちが落ち着いて絵本を読めるようなベンチや、隠れ家風のコーナーが作られています。子どもの絵本はもちろんのこと、保育士向きや保護者向きの本も豊富に揃えられ、手に取ってみたくなるような工夫が施されています。

2)ICT化による業務の軽減、効率化に努めています
ICT化が進み、タブレット端末やスマートフォン、映像などの機器が整えられ、保護者向けアプリケーションや業務用アプリケーションが導入されています。会議録も文字ではなく画像で記録され、園内の管理もオンラインで行うなど、手書きの作業を極力少なくすることが徹底され、職員の負担軽減を図っています。また、保護者向けに保育の様子や、保育士のインタビューを配信したりなど、情報発信が活発に行われ、園としての積極的な取組となっています。
改善を求められる点 1)クラス運営の特徴の保護者周知
園の方針や保育の方法について、保護者への説明を丁寧にすることが求められます。「担任を固定しない」という保育の方法をとっていますが、あらかじめ、園として、そうした保育方法を実施するべき根拠を明確にすることが必要です。一定の期間で担任が変わることが、子どもたちのためにどんな良い点があるのか、担任制をとらないことで、園はどのような保育をめざしているのかといったことを、保護者に具体的に説明することが不足していて、理解を得られていない状況が見受けられます。また、実施することで保護者が感じるであろう「予想されるデメリット」についても、あらかじめ補完の方法を提示することで、不安を取り除き、運営方法への賛同を得られるような取組が期待されます。

2)職員の働きやすい環境作り
人材の確保、育成を課題とし、対策に取り組んでいます。新人や中途入社の職員、産休後の復職など、職員の働きやすい環境に配慮しています。職員とコミュニケーションを図りながら取り組んでいますが、職員調査からは人材確保や人事管理の課題が示されています。園としての様々な取組が職員の十分な理解につながっていない状況です。園長・主任だけでなく職員も参加した取組により、働きやすい職場作りが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度初めての第三者評価受審の機会をいただき、評価機関の皆様には感染症対策への配慮をいただくことで、スムーズな評価受審を行うことができました。
今までは法人内での自己評価分析にて、自分たちなりの改善に努め保育運営をしてきましたが、今回の第三者評価受審にあたり客観的評価はどのようなものになるか不安もありました。しかし、調査開始から調査員の方々のプラス思考な保育の捉え方に励まされ、安心して評価を受けることができました。
評価項目毎に調査をすすめていく中で、事業所としてあるべき姿、現状の不十分な状況を再確認し、改善すべき点を認識することができました。保育園側の設問評価の低さについて、思いのほか高い評価をして頂き、現場の保育士の自信に繋げることができました。
今回の評価を受け、保育士はどのような姿勢で子どもたちと向き合うべきか、地域密着の保育園とはどのような連携を目指せば良いかを再確認することができました。
今回の第三者評価では有意義な機会を得られましたことに感謝いたします。

保育園リエッタ 園長 小林有希男

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念、保育理念、運営方針は、入園のしおり、園のパンフレット、ホームページに明記し、園舎内に掲示をして職員や保護者に周知しています。また、園のパンフレットには「たいせつにしていること」として、法人の理念への思いをわかりやすく説明しています。職員には入社時の研修、全体研修などで周知を図っています。しかし、園としてはコロナ禍の中、今年度は職員・保護者への丁寧な説明が十分に行えておらず、周知に対する意識が低かったという反省がありました。職員へは研修資料のビデオ確認を自主的にするように伝えています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

同法人系列園の運営、課題、改善策、対応などについて、月1回の園長会、事務会議を通じて把握しています。地域の動向について、園長は、区の園長会や、幼保小連絡会議に出席して地域の特徴、状況の変化、新設園の件、子育て支援家庭の状況等の情報収集、分析をして園運営に反映できるように努めています。園長は職員に向けてWebでこれらの業界の凡例や情報を周知しています。園はLED照明で節電をし、職員にも節電等の意識を持つように伝えています。園は、これらの情報を、職員に解りやすく伝えられるように検討中です。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

職員体制、財務に関しては法人が主となって方向を定めています。法人は、各園から報告された経営状況や設備修繕、保育内容、職員体制を把握し、分析して具体的な課題や問題点を明らかにし、改善に努めています。保育の質に関しては定期的な各指導計画の見直しをして、具体的対応等会議内で話し合い、職員で内容を共有して保育の質の向上に取り組んでいますが、さらに内容を深めたいと考えています。日々の職員の意見や要望、保護者からの要望等も汲み上げ、状況把握と分析が行われ、これらを次年度の運営に反映するように取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人としての中長期計画はありませんが、園として今後を見据えた運営の課題として、中堅の人材育成を重視しています。経営層には人材確保の予定、育成についての考えがありますが、具体的に明記されているものがありません。人材育成、保育内容など園が一番力を入れたいものを柱として、中・長期計画を作成される事で、職員にもより園の方向性や思い等が伝わりやすくなるでしょう。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

具体的な長期計画を受けて作成する中期計画が作成されていません。今年度の年度初めに、園長は職員に向けて今後のクラス運営の方向性や、そのための人材配置などについて説明し、今後の人材育成の一部を伝えています。しかし計画として視覚的にわかるような取り組みはされていません。これからどのように進めていくかなど、期間を決め、具体的な流れを園全体で確認される事を期待いたします。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

園の事業計画は、日ごろの職員の意見を踏まえて園長が策定しています。年度初めの会議で、次年度の計画を職員に伝えています。行事ごとに会議を行い、その中で出た意見等も行事等の事業計画につなげ、必要に応じて実施状況を確認し、評価、見直しを行っています。職員の園長面談時に話を聞き、意見を把握していますが、職員への周知が不十分な為、実施状況や見直しなどが不明確となっています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の内容については、「入園のしおり」を通して保護者に伝えています。「入園のしおり」には、保育の1日の流れ、年間行事、健康管理、災害時のお願い等の主な内容について記載しています。例年、事業計画(園の運営内容、行事計画)の主な内容は、4月の保護者会で説明を行い、保護者への周知に努めています。行事後に、保護者からの意見、要望を把握するように努めています。園としての「事業報告書」「事業計画書」は現在、保護者へ配付や閲覧は行われていません。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上のため、各指導計画はPDCAサイクルにもとづいて、保育の質の向上に関する評価を行ったうえで次回の計画を立てています。また、保育の質の向上に向け、年2回の「自己評価」を保育の基準にあわせて実施しています。年2回の園長面談を通じて、職員個々の課題を共有し、改善に向けてアドバイスをしています。年度末の職員会議において全職員で課題について周知し、次年度につなげています。今回、初めて第三者評価を受審し結果は、職員間で分析、検討の予定です。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

職員個々の「自己評価」、園長による個別面談等から園としての課題が抽出されます。園長は人事考課の結果を園の自己評価の一部としています。これらの課題は、日々のミーティング等で伝えています。園では「保育内容のチーム」が設けられ、オンライン会議で検討し、その結果を保育に活かすように努めています。今後はさらに、課題解決に向けた改善策の検討との実施状況に対する評価・見直しを職員参画のもとで行う仕組みを構築することが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、園の運営及び管理に関する方針と取組内容を明確にしており、年度初めの職員会議等で説明をしています。園長の役割と責任については、法人作成の職務分掌表に明示しており、有事における園長不在時の指揮権順位は、職員に周知しています。園長は、自らの役割と責任について、職員会議などで表明するとともに、最終責任は園長にあることを職員に伝えています。園長の役割と責任について、職員が理解を深められるように取り組んでいますが、さらに説明が必要だと感じています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

コンプライアンス、法令遵守規程に職員が守るべき法・規範・倫理等は就労規則に明記され、職員倫理行動については、職員会議等でも職員に周知しています。園長は法令遵守の観点での園運営に関する法人の園長研修や外部研修に参加し、市の園長会に出席して最新の情報を得たり、他園での不適切な事例等の情報を得て、職員に情報提供しています。環境への配慮を視野に入れた法令等を把握し、園舎内はLED照明器具を使用したり、園で使わなくなったベビーベッドを解体して廃材を部屋の仕切りに利用するなどエコに対する取組もしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は定期的に各指導計画や週案、日誌等の保育記録を確認し、職員会議や職員の自己評価等で日々の保育を振り返り、保育の質の現状や園が目指す保育が実践されているかを常に確認しています。年2回職員との面談で思いを聞き、研修参加の希望を聞いたり、勧めるなどして、主任と連携して保育の質の向上に向けて話し合っています。ミーティング時では各クラスの様子や困っていること、悩んでいること等を話しやすい雰囲気に配慮し、話題を提案するなど、職員が安心して保育に取り組めるように努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、人事、労務、財務等の状況を踏まえて、主任と連携して園業務全体の現状分析を行い、職員の経験年数、能力、個々の得意な事をふまえて人材配置を行っています。園長は、職員に自信を持ち、さらに自ら学ぶ姿勢を大切にして欲しい事を伝えています。職員の意見、要望はできるだけ取り入れ、業務の効率を上げるためにICT化を強化し、オンライン会議、連絡ノート、各書類もペーパーレスで行っています。園では、さらにICT化を図って行きたいと考えていますが、園内での組織的な対応にはなっていません。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園では、「優しく、冷静で保育のプロとして自分自身も高められる人」を望んでいます。今年度は、新卒の育成に力を入れています。人材の確保は、主に法人が中心となりハローワーク、園のホームページを利用して確保できるように努めています。職員募集の有料サイトでは、各園の活動内容や実際に働いている職員が仕事のやりがい、子どもとのふれあいの姿を紹介するなどして採用活動を実施しています。地方の学生とはオンライン面接を行い、人材確保の幅を広げられるよう取り組んでいます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の目指す人材像は、保育理念にある「こどもたちのありのままを愛する保育」「子どもたちの一瞬一瞬を大切にする保育」等これらを理解して保育に取り組めるプロ、としています。法人で定められた人事基準にもとづいて人事考課制度を構築し、総合的な人事管理を実施しています。園長面談を通じて、職員の自己評価をもとに進捗状況を確認し、年度末に目標達成度の評価を行い、賞与や昇給、昇格に連動しています。法人では、一般的な処遇水準などを分析し、職員の意見を反映させながら処遇改善を検討・実施しています。法人の目指す人材像を職員に、より意識付けができるように明記されることが望まれます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は、有給休暇の取得状況や時間外労働の集計事務を行っているほか、主任が作成するシフトの最終確認を行うなど、主任と連携して労務管理を行う体制を整備しています。法人では、職員の相談窓口や産業医を設置したり、家賃補助制度や園内の職員専用保育園を設けるなど、職員個々の状況に応じた対応を行っています。感染症で職員が通勤に不安を覚えた時は、近隣のホテルから通えるように、部屋を用意するなど、その時期に必要な事は迅速に対応しています。職員とのコミュニケーションを図りながら取り組んでいますが、職員への調査では人材確保や業務範囲の課題が示されています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人で定める、職員一人ひとりの育成に向けた目標管理が行われています。年間の研修計画があり、職員は必要に応じて受講しています。毎年8月、12月に職員個々のアンケートを実施し、園長との個別面談では、自己評価結果にもとづいて自らの保育実践や業務遂行に関する振り返りとともに、次年度に向けた方向性を確認しています。園長は、日々の業務の中で職員、一人ひとりの目標に対する進捗状況の確認を行い、アドバイスをしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人が定める研修制度と園内研修に加えて、外部研修で専門知識を高められるよう、本人が望む研修や園長が進める研修に参加できるように努めています。研修計画の内容は、定期的に送られ周知され、業務時間内に研修を受けられるように時間の確保がされています。また、後進を育成するためのピアサポーターの研修にも力を入れています。今後は園が目指している保育の実践に向けて、保育内容の充実につなげる研修内容等を事業計画で明示することにより職員の理解に繋がることが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

職員は年2回の人事考課表(自己チェック表)による自己評価項目ごとに振り返りを行い、年2回の個人面談でフィードバックし、次年度の目標設定を行っています。ただし、個々の経験や能力に応じて、どのような目標が求められ、そのためにはどの研修が必要かを明らかにし、研修計画を作成するまでには至っていません。職員のモチベーションアップのためにも、人材考課表と連動した期待水準の明示と個別研修計画の作成が期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

受け入れの基本姿勢、育成の手順を明記したマニュアルがあり、積極的に受け入れています。受け入れ時には職員や保護者、子どもたちに事前に知らせています。実習指導者への研修は行っていませんが、実習前にはオリエンテーションを行い、園の考え方や方針、注意事項を伝えています。また、マニュアルには実習時のアドバイスも記載し、実習生の不安の軽減に努めています。実習プログラムは育成校と実習生の意向に沿って内容を調整し、実習生は担当職員と日々の振り返り、最終日には園長、主任も加わり反省会を行い、課題を明確にしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページには、法人の経営理念や事業内容のほか、園の保育目標、一時保育の実施などを明示し、地域に対して法人及び園の存在意義や役割を明確にするよう努めています。また、園のパンフレットには1日の流れ、法人の取組、園の活動内容を地域に向けて知らせています。また、園の入り口ガラス越しに保育内容、第三者委員、地域交流などについて地域の方にもわかるように掲示をしています。第三者評価は今回が初めてで、受審することを公表していません。保護者には受審にあたり保護者アンケートをお願いしています。園では、ホームページを活用して地域のニーズに沿った情報公開を考えています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の定める規程にもとづき、園における事務、経理、取引等に関する業務は、園長が責任者となって適切に実施しており、職務分掌と権限、責任について職員に周知しています。毎月の事務報告と経理の集計データなどは、園長から法人の担当部署に報告し、法人の規程に従い、適切に内部監査が実施されています。外部の会計士や社会保険労務士などによる外部監査も定期的に実施されており、監査結果や指摘事項などについては、すぐに改善に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画には地域への支援として、地域育児相談(随時)・読み語りの会・高齢者との交流、中高生の職場体験、実習生受け入れなど、地域の子育て家庭を援助するための事業や異世代交流等を行っていくとして保育園の取組を明記しています。園では、療育機関、地域の子育て支援団体のパンフレットを置くなどして保護者に紹介しています。コロナ禍のため、地域の行事への参加や地域の人々との交流など、子どもたちと地域の交流を広げるための取組が実施できない状況です。新しい生活様式を取り入れながら、子どもと地域との交流をどのように広げていくかが、今後の検討課題となっています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れマニュアルがあり、全体的な計画にもボランティアの受け入れについて明記されています。現在園では外部からのボランティアの受け入れはしていませんが、中学生の職業体験、保護者からの本の読み聞かせなど自主的なボランティアの申し出があれば受け入れをしています。ボランティア受け入れの際はオリエンテーションを行っています。マニュアルの内容が希薄ですので、見直しを期待いたします。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の関係機関や団体、医療機関のリストを事務室に常備し、各機関との連絡方法や連携体制を職員間で共有しています。支援が必要な子どもへの対応は、職員間で周知し、園全体で同じ対応が出来るように配慮しています。地域の子育て支援拠点で行われる連絡会からの情報や、地域の虐待等権利侵害の状況について、定期的ではありませんが各機関と共有し、対応策などを協議しています。園内で虐待等権利侵害の疑いが生じた際は、園長が窓口となり関連機関と連携を図り、適切に対応を行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の保育園や子育て支援団体が参加して行われる連絡会に園長が出席し、地域の福祉ニーズや生活課題についての情報を収集しています。園では、一時保育や見学で訪れた地域の保護者から、育児に関する相談を受けて対応するなどしています。地域支援事業としての育児相談はコロナ禍のため実施が難しい状態ですが、今後、地域の福祉ニーズをより把握するためにも、園独自の方法で相談事業の実施に向けた取組が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

把握した地域の福祉ニーズ等にもとづき、一時保育事業を行っています。園では、散歩に出かけた時に、遊んでいる家庭に声をかけ、子育て世代の母親が孤立しないように配慮しています。今後も、地域への支援活動として、離乳食の進め方や手作りおもちゃの作り方などをテーマにした育児講座や地域コミュニティの活性化に向けた活動が実施できるよう、全体的な計画にもある「地域の実情に応じた事業」への取組の継続が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

理念と方針には、子どもを尊重した保育の実施について明示しています。保育業務マニュアルには、保育を行う上で大切にすべきこととして、子どもの権利の尊重について明記し、職員が理解を深めるための研修を行っています。職員個々の自己評価では、基本的人権について配慮しているかなど、自らの保育実践を振り返っています。園の本のコーナー入り口には、中国語、ベトナム語、英語で注意事項が記載され、違う言葉でも同じ事を伝えている事を子どもたちは理解しています。全体的な計画の発達についての項目には、「園の取り組みとして一人ひとりの違いが、集団としての成長に必要だと言う事を理解して保育を行う」と明記され、保護者に周知していますが、よりわかりやすく伝える必要があると感じています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の個人情報取り扱い規定があります。そこには「安全管理措置」「個人情報の取り扱い」「個人データの開示等請求等及び苦情処理」について明記されています。また、日常保育においてはプール活動や健康診断、着替え、トイレ、オムツ交換など、活動や生活の場面において子どものプライバシー保護に配慮した保育を行っています。また、プライベートゾーンについては、自分の体を大切にすることを年齢に見合った内容で職員が伝えています。園では、職員が充分に個人情報取り扱いに関する規程等を把握できていないと感じており、今後、理解できるような取組を検討しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のホームページとパンフレットには、理念や方針を明記して園の保育への取組の特徴を伝えています。パンフレットは幸区の担当部署に置いて、多くの人が入手できるようにしています。利用希望者からの問い合わせには、主に園長と主任が対応し、ていねいに説明を行っています。見学については、現在、新型コロナウイルス感染予防対策のため、保育室への入室自粛をお願いしています。そして、園の様子を映像でご案内して、保護者からの問い合わせには映像のURLとパスワードを送り、園の情報提供をしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

今年度はビデオで入園説明会を行いました。入園前健診は実施されなかったので、園からメジャーを送り自宅で測定をしてもらいました。入園が決まった家庭には入園に必要な書類を送付し、オンラインで個人面談を行いました。その際には、重要事項説明書に沿って説明をし、園の保育内容、ルール、個人情報の取り扱いなどを園長が伝えています。園では各家庭に書類を送付して記載してもらい、返却後、保護者の意向、要望などを児童票に記入し、職員間で情報共有しています。個人情報の取り扱い、重要事項の説明については、同意書を入園時に受け取っています。園では保育内容が保護者にさらに浸透するように取り組んでいます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転園の際は、法人が定めるルールに則り、保護者の同意のもとで転園先への引き継ぎを適切に行っており、保育の継続性に配慮した対応を行っています。子どもたちが習い事の後などに園に寄り、就学先の情報を教えてくれたりすることもあります。卒園式の時には、いつでも遊びに来られる事、相談事はいつでも受け付けている事を伝えています。卒園児の保護者が悩み事の相談に来ることもあり、園は保護者にも支援の継続をしています。今後、相談窓口などを口頭だけではなく、書面で知らせることが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、日々の保育の中で、子どもの言葉や表情、しぐさ、遊んでいる様子などから、子どもが満足いくまで遊び込めているかなどを把握するように努めています。保護者会では事前にアンケートを実施し、保護者の意向や思いなどを聴取し、個人面談でも園の運営や保育の内容、職員の対応などについて、どのように保護者が受け止めているか確認しています。園では、今後も利用者の満足度をさらに把握できるように、アンケートの形式などを検討していく予定です。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決責任者は園長、苦情受付担当者を各担任とし、2名の第三者委員を設置して苦情解決の体制を整備しています。苦情解決の仕組みを入園説明会や保護者懇談会で説明しているほか、玄関に掲示して保護者に周知しています。園では、苦情内容にもとづいて改善策に取り組んでおり、受付から解決までの経過を詳細に記録して、申し出た保護者に対して検討内容や対応策を個別にフィードバックしています。苦情が少ない為か、この仕組みの周知がされていなので、この制度の周知を深める取組を検討しています。園以外の公的な権利擁護機関の紹介も期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書には、相談の受付先として、園長と法人の相談窓口、第三者委員の連絡先を明記し、電話で受け付けていることを記載して、保護者に周知しています。また、園内にも苦情解決の体制について掲示をしています。保護者から相談があった場合は、2階、3階、9階にあるプライバシーを確保できる部屋を利用して話をしやすい環境を整えています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

園長はじめ職員は、登降園時など、保護者とのコミュニケーションを積極的に図ることを心がけており、保護者が話しやすい雰囲気づくりに努めています。玄関には意見箱を設置して、気になることなど、どんな内容でも気軽に利用してほしいと保護者に伝えています。相談や意見の受付対応手順などは、苦情解決規程と一体化して運用しており、すぐに対応できる事はできるだけ迅速に、検討に時間を要する場合は、○○までにと期間を伝えるなど、規程に沿って適切な対応を行っています。マニュアルは必要に応じて随時見直しをしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

安心・安全な保育環境を整備するため、園長を責任者として園運営全般のリスクマネジメントを行っています。事故対応に関するマニュアルがあり、園内外の事故発生時の対応等についての手順が明記されています。アクシデントレポート、ヒヤリハットを看護師が集計し、職員間で検証して事故、ケガの再発防止に努めています。また、他園の事例をもとに、自園と照らし合わせて事故防止に努めています。避難訓練時の振り返りで内容を確認し、マニュアルに沿った実施が出来ているかを確認し、次の計画に生かせるように努めています。園では、これからも状況に合わせて見直しをしていきたいと考えています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策の全般的な実務については、看護師、主任の指示系統により、職員全体に周知する体制が整備されています。感染症に関するマニュアルがあり、感染症予防と発生時の対応方法について、職員に周知するとともに、理解を深めるための法人研修や嘔吐処理等の園内研修を実施しています。看護師により感染症に関する最新の情報を入手して職員間で共有しています。マニュアルは最新の対応になるように配慮していますが、追記、改定の時期が明記されていないものがありますので、確認が必要です。感染症が発生した際は、状況を掲示して保護者に周知し注意喚起を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

危機管理に関するマニュアルに、災害時の職員体制や行動基準などが定められています。園では、優先順位を不審者、地震、火事、水害として毎月の避難訓練をさまざまな想定で実施しています。不審者対応として、オートロック、監視カメラの設置、警備会社などで子どもたちの安全を確保できるように努めています。保護者や職員の安否確認は一斉メールを配信して行うこととしています。保護者には入園時に周知し、重要事項説明書にも災害時の対応について明記されています。アレルギー対応の食料品のほか、備品の備蓄を整備し、栄養士が管理を行っています。今後は、保護者参加の訓練や、近隣との避難訓練などを検討されることが望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

必要なマニュアルが作成され、職務分掌にある職務の内容として、様々な援助や指導が挙げられていますが、それぞれの具体的な実施方法については文書化されていません。職員アンケートでも、現場レベルでのやり方について、共有を求める意見がありますので、実務に沿った手順書などが出来るとより一層、業務の標準化が進みます。作成が望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

マニュアルは川崎市のマニュアルを基本としていますが、法人としても作成しており、新規採用職員は入職時にマニュアルを閲覧しています。法人研修では「ティーチャーズトレーニング」と言うメソッドを用いて、子どもへの対応の方法を学び、実施の状況については、日々のミーティングで話し合われています。感染症への対応など、その都度求められる見直しは、指導計画に反映されるような仕組みになってはいません。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

全体の計画に基づき、年間保育計画が立てられています。短期の計画は、1ヶ月ごとに「クラスの様子」、「クラスの様子から捉えた保育者の考え、課題」としてアセスメントを行い、「次月にふさわしい活動内容」は、3ヶ月ごとのタームで立案されるという振り返りの仕組みになっています。実際の活動内容については、具体性に欠け、アセスメントの仕組みはあっても、機能しているとは言えません。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

0才児以外のクラスでは、年間を通して、クラス担任が交代で入れ替わるという方法をとっており、複数の保育士が指導計画についての話し合いに参加し、評価反省にもとづく計画の見直し、立案を行っています。作成した計画は共有されています。実際の活動は、その都度話し合いながら行うということが手順として定められ実施していますが、評価見直しの対象となる月案・週案・日案といった短い周期の計画がありません。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

園内の様々な場面で、ICT化が進み、業務アプリやビデオなど、手書きや紙を使用した帳票が省力化されていて、スマートフォンやタブレット端末を職員が使用しています。毎昼の会議は園内でもオンラインで行うため、全職員が参加し、情報の共有を行っています。児童票については、個別に入園時のアセスメント記録など、記録紙によってファイリングされています。伝達など不足する部分は手書で補うといった工夫もされています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報の保護についての規定があり、職員にも共有されています。「入園のしおり」には、「個人情報使用同意書」があり、個人情報使用についての説明と同意を求める文章が掲載されていますが、児童票をはじめとした園内で所有する「子どもの記録」の扱いについての説明がありません。また、多く保存されている映像についても、「使用」についての同意は得ていますが、「保存」についての規定や説明が不足しています。規定の見直しが望まれます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、運営方針や保育理念保育目標にもとづいて作成されており、各年齢の保育目標を漢字一文字で表しているところが特徴的です。法令で定められているところの「子どもの権利を守る」といった、果たすべき社会的な責任も、作成の根拠として掲げられています。発達についての考え方も明示され、「養護と教育が一体となり展開されるよう保育を行う」という保育所保育指針の趣旨にも触れられています。地域の実情については、駅から近く、若い世代が多いことなど、分析されています。職員は計画の作成には参画していませんが、毎年年度末に園長から示されています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園内は、ビルのフロアと言う事を感じさせない木の造作になっており、灯りはダウンライトや間接照明を用い、温かで落ち着いた雰囲気です。トイレや手洗いも清潔に保たれています。大きな窓があり、採光も十分で、天井は適度な高さで音が響くと感じることもありません。各保育室は開閉式の壁などで仕切られていて独立性があり、幼児クラスではピアノも配置されています。子どもがくつろいだり落ち着ける場所については、絵本コーナーが作られ、保育室以外にも十分なスペースがあり、確保が可能です。食事や睡眠のスペースを分けてはいませんが、十分な空間が確保されています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、法人の代表が推奨している「しからずに子どもと向きあえる」プログラム「ティーチャーズトレーニング」を学び、実践に生かしています。代表が法人全体で研修会を実施し、子どもへの対応の具体的な方法や、子どもとのかかわり方や、声かけの仕方など、現場の実践に繋げています。調査時の散歩に出かける場面での忘れ物を取りに戻る子どもに対する言葉がけや食事の場面で、食べるのが遅くなって残っている子どもに対しての対応も、子どもの気持ちに寄りそった対応でした。一人ひとりの発達過程や家庭環境については、児童票に記録され共有されています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

トイレトレーニングは1才後半から始めますが、トイレトレーニングを開始するタイミングについては、園内で共有している基準があり、それに沿って個別に開始しています。保護者にも事前に書面で伝え、共有して進めています。0才児から手洗い指導や歯ブラシを実施し、習慣づけています。4、5才児のクラスでは、食事の歳には、食具は自ら選んではしを使用したり、食後には進んで歯ブラシをしてから、パジャマに着替える場面があり、子どもの主体性を尊重している様子が見られました。年長児では、就学を控えて、1月中旬から、午睡をせずに過ごしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

4、5才児では、帰りの会としてサークルタイムを実施しています。サークルタイムは、輪になって保育士と子どもが話し合いを行う活動ですが、次の日に何をするかなどを子どもたちが主体となって、自発的に決めて行っています。毎年行われる生活発表会に向けては、子どもたちが劇の内容を決めて進めていきます。天気の良い日は散歩に出かけますが、法人で畑を所持していて、園バスを利用して積極的に栽培や収穫などの活動を行っています。このような園外活動を通しても、自然とのふれあいや社会活動への参加を経験する機会を得ています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0才児の保育室は、ベビーベッドが置かれ、個々の睡眠に配慮されています。子どもたちの様子は落ち着いていて、かわさき保育室(1才児~3才児)から移行したプロセスからも、しっかりとした乳児保育のノウハウが確立されています。乳児クラスでは担当制がとられていて、保育士との愛着関係の形成に配慮がなされています。離乳食は川崎市の献立を使用し、4期に分けて提供されてますが、離乳計画表が作成され、見通しを持って保護者と一緒に進めることが出来ています。連絡帳はアプリを使用し、家庭との連携を図っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

特に2才児の保育では、自我が確立する時期にあたり、個々の主張も大きく、研修や主任が適切にアドバイスをして対処しています。流れやリズムを整えて、「見守る」ことを実践し、子どもを受容する関わりを行っていますが、が職員自己評価からは日々の保育の中で、十分に「関われていない」と感じている保育士もいることが伺えます。アプリの利用により、家庭との連携はしっかりと取れていています。各保育室には部屋続きで清潔な雰囲気のトイレや手洗いが設置され、オムツ交換はそのスペースで行われています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

年齢別の保育を実施していますが、1年間を通して1人が担任をするのではなく、幼児担当保育士が輪番制で担当をしています。指導計画は幼児担当保育士が話し合ってクラスの様子、クラスから捉えた保育者の考え、課題に見合った次月の活動内容を計画しています。計画はⅠ期3ヶ月ごとに立てられ、月・週の計画は作成せず、日々話し合いが行われて、保育の活動を決めていくという保育方法をとっています。1年を通して保育体制や、保育内容に流動的な要素が多く、環境や活動の計画が行われていません。養護と教育両面にわたって、全体の計画や年間保育計画にある「ねらい」が見通しをもって達成出来るような経験や環境を子どもたちに提供できるような配慮が求められます。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園舎は段差がないようにスロープが設置され、障害への対応に配慮した整備が行われています。看護師の協力を得たり、バギーやエレベーターを使用する等の配慮もなされています。南部療育センターから助言を受けるなどの連携が取られ、個別の指導計画を立てて保育を行っています。コロナ禍でなかなか研修の機会が持てず、保育士は保護者・医療機関・専門機関とより密な連携を取ることや研修参加も必要と考えていて、発達障害への視覚的支援への配慮も、取り組む課題と認識しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

延長保育は7:00~7:30、18:30~19:30で、夕方は4名程度が利用し、夕食も川崎市の献立を使用して調理した食事を提供しています。受け入れや伝達には「登園表」を使用し、園内の業務用アプリとは別に、引き継ぎや登降園時の記録が残されています。加えて、職員間の引き継ぎ漏れや忘れがないよう、玄関にホワイトボードを設置して伝達事項等を記載し、保護者へ連絡を行っています。直接伝えなければならない事柄や必ず伝える事が必要な事柄については、連絡帳(保護者向けアプリ)に記載しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

小学校との交流会、年長児交流会への参加(年2回)、幼保小連携会議への出席などの活動を実施することが、全体の計画に記載されています。園で指導計画として作成している「育ちの記録と計画」には、「10の姿や5領域にもとづいた計画になっているか。多面的にとらえられているか。」という注釈が付けられていますが、それに見合った内容になっていない事項も見受けられます。子どもたちがスムーズに就学できるような見通しを持った保育が望まれます。保育要録は適切に作成され、小学校への申し送りも行われています。就学に向けての保護者の質問に対しては個別で対応しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

看護師が在籍しており、主に担任と共に乳児保育を担当しています。健康管理マニュアルはありませんが、看護師は毎日保育室を回り健康チェックを行っています。入園のしおりで健康管理に関する方針や取組が保護者に向けて伝えられ、「保健だより」を毎月発行して子どもの健康に関する情報の発信がされています。日々の子どもの健康状態や疾病の流行などは、毎日午睡時に行われる園内オンラインミーティングで共有されています。SIDS対策としては、0才児5分、1、2才児10分、幼児30分置きに呼吸のチェックを行っています。保護者に向けての情報提供までは行っていません。子どものケガについては、ヒヤリハットの事例が細やかに報告され、対策も講じられています。入園時に健康調査票を提出してもらい、予防接種歴や健康状態の把握を行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

健康診断は0、1才児が毎月、2~5才児は隔月に実施し、歯科健診は年1回、身体測定は毎月実施しています。結果は看護師が把握して連絡帳に記載し、口頭で保護者に伝え、職員間で共有しています。看護師は毎日保育室を巡回し、子どもの健康状態を確認しています。保育所保育指針の健康領域を「ねらい」とした活動について、保育の中で取り上げられることはあまり見られず、課題においても、健康診断の結果が保育に反映されることが少なく、取組が期待されます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギー児に対しては、川崎市のアレルギーマニュアルを使用し対応しています。マニュアルにもとづき、医師の診断書を健康管理委員会に申請しています。除去食の提供となった子どもには、別テーブル・別トレイ・別食器で対応をしています。保護者への対応としては、月一回アレルギー面談を実施し、除去食メニューを渡して、口頭でメニューを確認しています。川崎市版の献立を使用しているため、卵の提供がなく、リスク回避に留意しています。コロナ禍でもあり、アレルギー疾患についての研修を受ける機会が少ない状況があります。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育の計画が立てられ、クッキングの活動も行われています。食事の場所は保育室ですが、一定の距離が取られてテーブルが配置され、ゆったりと落ち着いて食事ができていました。栄養士ミーティングや給食会議を実施し、検討が行われています4、5才児の食事の場面では、苦手な副菜を残す様子が見られました。法人で畑を所有し、園バスを利用して、栽培や収穫を行って食についての関心を深める活動を行っています。「給食だより」が毎月発行され、「楽しく食べるために」といったコラムや、食育目標、レシピの紹介、季節の情報などが掲載されています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

保育園で導入しているアプリにより、児童の身長体重、発育状況が記録され、その記録を栄養量に反映させています。毎日行う残食調査から、子どもたちの嗜好や摂取量を把握することができ、毎日午睡時に行うミーティングには調理担当職員も参加して保育士の意見を聞き、子どもの食事について確認しています。川崎市版の献立表を使用していますが、行事食に変更することも可能で、誕生会の日は定番のメニュー(カレーライス)、クリスマスにはローストチキンを提供しています。幼児は鍋のままクラスに運び、保育士が配膳しています。衛生管理については、大規模調理の衛生マニュアルなどにもとづき実施しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の情報交換については、保護者向けアプリによる連絡帳を使用していますが、保護者からは、園からの返信の少なさや情報共有の不足といった意見も寄せられています。コロナ禍で困難な事もありますが、担任が流動的な分、コミュニケーションには一層細やかな配慮が必要です。園だより「リエッタだより」が保護者向けに毎月発行されており、誕生児や予定、今月のうた、おしらせなどを発信していますが、保育内容についての記載がありません。本年度は感染症の流行により、12月~3月までの間に全園児対象の個人面談を実施します。面談等の記録は児童票に記載されていました。乳児では「運動遊びの会」という保育参加の機会を設け、保護者と子どもの成長を共有する機会が持てましたが、幼児の「運動会」については、平日開催を求める意見も寄せられています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者アンケートによると、日々のコミュニケーションについて、情報交換や相談のしやすさ、意見や要望への対応の項目の満足度が他の項目より低くなっています。取組としては、保護者向けアプリや、動画配信などが行われていますが、重要事項説明書(入園のしおり)には、連携に関する説明がなく、どんな事がどんな方法で伝えられるのかが示されていません。担当が固定していないという園の特性を考慮すると、より一層保護者の立場に立って、積極的にコミュニケーションをとりやすい状況を用意していくことが求められます。保護者から相談があった場合は、担当、主任、園長が対応し、丁寧に答えようとする姿勢があり、記録にも残しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待防止マニュアルがあり、虐待の早期発見に取り組んでいます。入園のしおりでは、園として、児童の人権養護と虐待防止のため責任者を設置する等の必要な体制の整備を行うこと、研修実施を講じることを明示しています。利用にあたっての留意事項としても、児童への「暴力・暴言・差別」を禁止し、他児や家族への誹謗中傷を抑止することを周知しています。これまで、児童相談所から問い合わせがあったことがありましたが、特に関係機関と連携をとるようなケースはありません。虐待マニュアルにもとづく職員研修を行うのはもちろんのこと、研修に参加するなど、職員の理解や情報共有を進めることが望まれます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育実践の振り返りは、期ごとにエピソード記録をもとに行われ、話し合いを経て次の活動内容につなげられています。振り返り、保育実践の改善、専門性の向上の取組に関して、個人差が大きく、不十分と感じている保育士もいます。法人の勉強会(研修)は、年3、4回土曜日に全職員が参加して実施しています。映像を見ながらのグループワークを通して保育の振り返りを行っています。保育士等の自己評価は年1~2回行われ、その都度、園長が面接を行っています。保育所全体の自己評価にはなっておらず、公表もされていません。