社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

児童発達支援センターうーたん

2022年03月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 児童発達支援センターうーたん 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 児童発達支援センター 定員 30 名
所在地 253-0072
茅ヶ崎市今宿473-1
TEL 0467-87-3839 ホームページ http://www.syonokai.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年07月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人翔の会
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:21 名
専門職員
臨床心理士:4 名
公認心理師:1 名
作業療法士:2 名
言語聴覚士:2 名
施設・設備の概要
5クラス:遊戯室、サーキットルーム

③ 理念・基本方針
◇法人の基本理念
 誰もが地域で暮らせるために
 [大切にしたいこと]
 1.一人ひとりをかけがえのない存在として尊重します。
 2.本人を中心として寄り添う支援を行います。
◇法人の運営方針
 ・利用者本人を中心とし、本人の意向を尊重した支援を行います。
 ・利用者の人格と性差を尊重した介助を行います。
 ・利用者の権利擁護とサービスの向上を目指して、事故と虐待を防止し、利用者の権利を守ります。
 ・ソーシャルインクルージョンの理念に基づき、全ての人が地域の中で互いの生き方を尊重し合い、交じり合って生活ができる共生社会をめざします。その実現のため多職種他機関との連携を大切にします。
 ・職員のキャリアアップに努め、職員研修の充実を図ります。
 ・職員が安心して働き続けられる職場作りを目指します。
 ・適切な財務管理と会計処理システムに努め、信頼性の高い効果的・効率的な経済体制を確立します。
 ・サービスの質の向上のため、リスクマネージメントの充実やコンプライアンスの徹底、情報公開による透明性の確保を図ります。
◇児童発達支援センターうーたん運営理念
 ・自分を大切に思える人
 ・だれをも大切に思える人
 ・やわらかに開かれた心をもち、さまざまな人とともに生きていける人
 ・その人なりのからだと心の調和のとれた成長を支えます
 ・ご家族とともに子どもの育ちを守って行きます

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○発達に課題のある子どもや、医療的なケアが必要な子どもを専門的に受け入れている。日常生活の基本動作の訓練や、発達に合わせて楽しく遊ぶ体験を通して、子どもたちの成長を促している。地域の中の児童発達支援センターとして、中核的な役割を担っている。
○日常生活の支援は、保育士が子どもの発達に応じたプログラムを作成して、ボールプール遊びなどの運動や音楽遊び、パズル、創作遊びなど、子どもたちがさまざまな活動を体験できるよう支援している。保育士の他、臨床心理士や作業療法士、言語聴覚士を配置し、医療的なケアが必要な子どもも通っているため、看護師を配置している。
○子どもたちへの支援は、あくまでも子どもの主体性を尊重し、まずは子どもがやりたいことが行えるよう支援している。写真カードや活動の工程表を確認しながら、子どもたちが「自分でやってできた」経験を積み重ねていくことができるよう、スタッフは見守り、ときには介入し、動機付けや必要な支援を行っている。
○今年度の法人全体の取り組みのひとつとして、医療的ケアが必要な方の受け入れ整備をあげている。法人全体で、喀痰吸引の研修会を年2回開催して、医療的ケアを行うことができるスタッフを養成している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/09/01(契約日) ~2022/02/09(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○児童発達支援センターうーたんは、複合支援施設「ちがさきA・UN」の1階の奥にあり、うーたん保育園と隣りあっている。1階にはその他、就労継続支援A型事業所「カフェあうん」や、重複障害のある方が利用している「おーらい」がある。また、2~4階の特別養護老人ホーム「ゆるり」では高齢者が生活を送っている。
○児童発達支援センターうーたんには、基本的に3歳以上の未就学児が登録し、平均して週2~3回、センターを利用している。子どもたちの多くが幼稚園や保育園に並行して通い、8割の子どもは、センターの送迎サービスを利用している。
○活動は5クラスに分かれ、年少クラスは親子クラスとし、親子で一日を過ごしている。保護者は子どもへの関わり方なども学んでいる。他のクラスは年齢や発達段階に合わせたクラスとしている。子どもたちは、遊戯室やサーキットルーム、中庭などで、活動を楽しみながら身体を動かしている。
○自分の気持ちを表現することが苦手、言葉での発信が苦手、言葉が不明瞭で伝わりづらいなど、個々の特性に合わせて表現しやすい方法を探りながら支援している。50音の文字盤を使って気持ちを表現することで言葉が少しづつ出るようになったり、絵カードを使用してコミュニケーションを図ったりしている。
○食事は、管理栄養士が子どもたちの成長に合ったバランスの良い献立を作成して提供している。スタッフが好きなもの、食べたいものを子どもたちに聞き、管理栄養士に伝えて献立に反映している。それぞれの障害に合わせ、ペースト状のものや刻み食も用意している。また、経管栄養の子どももいるため、看護師が管理、対応している。
○清潔を意識し、毎日、子どもたちが帰った後に、清掃や消毒を行っている。安心できる環境設定のため、パーテーションでクラス内を分けるなど、それぞれの子どもに合わせた環境作りをしている。全体会やクラス会議で、危険個所について話し合いを行い、スタッフ間で把握し対策を立てている。安全対策として設置したガードに登ってしまうなど、新たな危険個所の発生に対しても、その都度、スタッフ間で話し合い、危険回避の支援を行っている。
○法人内に医療に関する安全対策委員会を設け、マニュアルを整備して、医療面での安全管理を行っている。センターでは、胃ろうや経管栄養、喀痰吸引など、医療的支援が必要な子どもを受け入れているが、今後も希望があれば受け入れていく方針である。
○送迎時には、保護者から身体状況の変化や生活の様子など、家庭での状況を詳しく聞いている。また、全員が「連絡ノート」を使用して、毎日の家での様子やセンターでの様子を伝えている。「連絡ノート」は1冊だと、その日の子どものようすを詳しく報告できないため、2冊用意し、センター利用時に交換するようにしている。
○保護者との面談は、個別支援計画作成時と見直し時の年2回、必ず行う他、希望に合わせて随時行っている。懇談会はクラスごとに行い、保護者同士が話し合える場を設けている。保護者同士でコミュニケーションが取れることで、安心できる場となっている。

改善を求められる点

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・ご家族とのご連絡のやり取りが、十分行えていない事に気がつかされました。不安を抱えておられるご家族の方も多いと思われます。ご家族との情報のやり取りを密に出来るように改善を図っていきたいと思います。
・コロナ禍の事もあり普段の活動の様子が見られない状態になっています。今回の評価(ご家族アンケート含)普段の様子が知りたい(見たい)との希望が多くありました。今の状況の中で出来る方法を探っていきたいと思います。
・地域との交流では、以前から課題があり事業所として地域交流をどのように行っていくか検討していきたいと思います。
・事業所の運営・支援について振り返る良い機会となりました。改善を図りながら、ブラッシュアップを行っていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

毎年4月から5月にかけて、法人の全体研修があり、「誰もが地域で暮らせるために」の法人理念や、その年度の運営方針を確認している。全体研修には、非常勤のスタッフも参加している。理念や運営方針、重点課題などは、主任以上のスタッフを対象にして、2月に次年度説明会を開催し、内容を説明している。新人職員は3月末に内定者の研修を行い、理念や運営方針を周知している。また、中途採用者を対象に、年3回は新人研修を開催している。コロナ禍で今年は開催できなかったが、保護者には、年2回、家族懇談会を開き、理念や方針などを話している。5月の懇談会は保護者全員に集まってもらい、後半の懇談会は、クラス単位で行っている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人内の施設長が集まる管理職の会議を毎月開催し、社会福祉事業全体の動向を把握している。各施設長が地域の高齢・障害・児童の計画策定の会議に参加して、管理職会議でその動向や内容を共有している。また、2ケ月に1回、課長以上が参加する会議を開催して、各事業所の毎月のコストや利用率について具体的に報告し、状況を共有して、必要に応じて内容を分析している。課長会議を開催しない月には、防災や人権、虐待防止、利用者支援などのカテゴリー会議を開催している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

管理職会議では、経営環境やサービス内容、設備、職員体制、処遇、人材育成、財務状況などについて、課題や問題点を抽出している。具体的な課題や問題は、プロジェクト会議やカテゴリー会議を開催して、解決や改善の取り組みにつなげている。施設長を中心としたプロジェクト会議は、不定期の開催になるが、新しい事業の話などがあがった時に集まっている。カテゴリー会議は、課長以上が担当に分かれて、2ケ月に1回開催している。最近では、国からの「障害者の身体拘束の適正化の指針」に合わせ、どう研修会を企画するかなどを検討している。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人全体で中・長期計画を策定していたが、高齢、障害、児童と、対象となる分野も多岐にわたり、制度の改正なども多く、現在は策定していない。中・長期計画という名称は使用していないが、制度や法令、地域のニーズ、各分野を総合的に把握し、法人の理念を具現化した重点目標を立てている。また地域からも、こんな事業に取り組んでほしいとの声がある。法人の理念や基本運営方針の実現に向け、法人全体で課題や問題点の解決や改善に取り組んでいる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念を踏まえ、単年度の事業計画は、実行可能な具体的な取り組み内容としている。事業計画には、スタッフの意見や利用者、地域の意見も取り入れるようにしている。今年度の法人全体の計画の主な取り組みとして、医療的ケアが必要な方の受け入れの整備と、障害が重い方の働く場の整備をあげている。法人全体で、喀痰吸引の研修会を年2回開催し、医療的ケアを行うことができるスタッフを養成している。医療的ケアが必要な子どもは、センターでも昨年度から受け入れ、現在、2~3人の子どもが通っている。ただし、医療職以外のスタッフによる喀痰吸引は、センターは小さな子どもが対象で、リスクが高いことから、実施事業所としての登録は行っていない。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画の策定にあたっては、職員会議や全体会、クラス会議を月1回開催する中で、スタッフの意見を集約している。また、保護者からは、家族懇談会や、1階の喫茶店を活用した「朝カフェ」の場で声を聴いている。地域の自治会に参加して、地域の声も聴いている。それらを踏まえ、年度末に1年の振り返りを行い、施設長が事業計画を策定している。事業計画は、年度初めの法人の全体研修で内容を説明する他、半期で見直しを行い、9月に「上半期事業報告書」をまとめている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍のため、今年度は年度初めの家族懇談会を開催できず、事業計画書の個別配布ができていないため、工夫が必要と捉えている。保護者へは毎月、家族向けの広報誌「にじいろ」を配布して、子どもとスタッフの関わりや専門職の関わりを伝えている。保護者とは「連絡ノート」で情報を交換し合い、センターの取り組みへの理解を促している。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

法人内に、主任以上が参加する人権委員会を置き、ニコリ・ホット(利用者やスタッフの行動や支援場面のプラス面の報告)を評価し、年5回、虐待防止のポスターを作成して、各事業所に配布している。また、全体研修で60数項目の「職務基準書」をスタッフに配布して、スタッフ自らが1年間を振り返り、自己の支援内容の評価を行っている。自己評価の結果は、管理職会議で内容をまとめ、職員会議や全体研修の場で、スタッフにフィードバックしている。第三者評価の受審を法人全体ですすめ、提供する福祉サービスの質の向上に向けた取り組みを、組織全体で行っている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

「職務基準書」によるスタッフの自己評価の結果は、全体をまとめて分析し、課題を文章化して、全体研修や職員会議の場などでスタッフに周知している。今年度は利用者への言葉かけや対応などに課題があり、「さん」付けで呼びかけるなど、具体的な対応方法をスタッフに示している。「職務基準書」の評価項目についても、毎年、管理職の会議で内容の見直しを行っている。法人内の事業所は、高齢・障害・児童と広範囲だが、利用者の権利擁護に関しては共通しているので、毎年、家族に向けた成年後見制度の研修会や相談会を、法人全体で行っている。研修会には、茅ケ崎市成年後見支援センターの職員や弁護士を講師に招き、説明会のあとは個別相談につなげている。家族の成年後見制度への関心は高く、現在コロナ禍で開催を中止しているが、ニーズも多いことから、今後も普及に努めていく予定である。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

職員会議や全体会にでき得る限り参加して、会議の冒頭で、施設長の話の時間を設け、施設長の役割と責任を表明し、言葉遣いなどについて話をする他、部署の方針や取り組みについて説明している。施設長を含め、スタッフの職務分掌については、現在、見直しを行っているところである。また、責任等級についても、法人全体で整理しているところである。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法令を遵守するよう、県や市からの通知を確認しながら、事業所運営に取り組んでいる。常勤の職員会議や、非常勤職員も参加する全体会にでき得る限り施設長が参加して、スタッフと情報を共有している。また不定期の開催になるが、臨床心理士や作業療法士、言語聴覚士との専門職会議にも参加して、情報を共有している。法令の変更や改正については、法人の管理職会議で内容を確認し、スタッフに報酬改訂などの情報を周知している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

日々の取り組みを振り返り、職員会議や全体会などで確認を行っている。県の知的障害施設団体連合会の施設長会に参加して情報を交換し、児童発達支援センターのグループの研修会にも参加して、質の向上を目指している。また、法人内の人権委員会や研修委員会などを通して、提供する福祉サービスの質の向上を目指している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

課長会議とは別に、法人内の課長以上が参加する月次決算会議を開催し、各事業所の毎月の決算分析を行っている。また、「人件費分析報告書」を毎月提出し、人事や労務の分析を行っている。管理職会議の場においても、組織体制や人員配置について検討し、他事業所の管理職と協働して、経営の改善や業務の実行性を高める取り組みを行っている。コロナ禍で、予算通り業務が執行できず、人件費も嵩んではいるが、子どもたちが安心して利用できる取り組みをすすめている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の採用は、法人内に採用活動のスタッフを配置して、計画的に必要な人材を確保できるよう取り組んでいる。現在、退職するスタッフも少なく、スタッフ数は安定している。ハローワークなどの合同説明会や学校説明会には、採用担当と一緒に、若手のスタッフや卒業生が参加して、仕事の魅力をアピールしている。採用後は、スタッフの等級に合わせて、研修を企画、開催している。また、法人全体でスタッフの資格取得を支援し、法人内で年2回、実務者研修を開催して、スタッフに積極的に参加を促している。医療的ケアの対応に向け、喀痰吸引の研修会も開催している。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

福祉人材については、法人で確保や育成の方針を定めている。「職員体制組織図」を整え、各事業所の職員配置数や有資格者数を明確にし、専門職が不足している事業所や、必要な事業所に対して、法人全体で調整する体制を作っている。スタッフの採用活動は、法人全体で力を入れており、合同説明会などに参加する他、インターネットの活用などを通して、積極的に働きかけている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

月1回開催する管理職会議では、各事業所のスタッフの有給休暇取得率も確認している。現在、有給休暇は、特に問題なく消化している。スタッフには、年1回、満足度調査や意向調査を行い、その結果は施設長との個人面談につなげている。また、年1回、スタッフのストレスチェックを実施し、必要に応じて産業医につなげている。スタッフには、年1回、日常の業務を離れ、1日を好きなことに使える「ワンデイプログラム」を設け、仕事への意欲を高めている。「ワンデイプログラム」は、スタッフが企画書を作成し、高齢者施設の現場に赴いたりして自分の事業所以外で自己研修を行っている。他法人の事業所にも出かけている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「キャリアパス総括表」や「職務基準書」、「翔の会職員倫理規程」により、スタッフ育成の方針を定めている。スタッフは、年度初めに「目標シート」にて、1年の自己の目標を決め、年度途中に、目標の進捗状況を確認する面接を行っている。また、年度末に目標の達成度を評価して、次年度の目標につなげている。日頃より、本人との話し合いを重視して、いつでも面接ができるよう働きかけている。気になるスタッフには、こちらから声かけし、面接につなげている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「キャリアパス総括表」や「職務基準書」、「翔の会職員倫理規程」にて、法人が期待する職員像を示している。法人の研修委員会で、スタッフの教育、研修の計画を作成している。新人研修、新人振り返り、2~3年目、1・2等級、3等級など、階層別に研修会を企画し、資格取得に向けた勉強会も開催している。外部研修の参加は、階層に配慮し、また、スタッフの意向や方向性も大切にして、施設長が派遣者を決めている。センターの内部研修は、専門職と連携し、スタッフに向けた研修会や保護者に向けた説明会を行っている。また、法人全体で、他の分野から就職した年齢の高いスタッフを対象に、シルバー研修も開催している。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

今年度の外部研修の参加は、コロナ禍のため、オンライン研修になることが多い。スタッフ一人ひとりの研修参加状況や保有資格を把握して、総合的に教育や研修の場に参加できるよう配慮して、施設長が派遣者を決めている。スタッフに、階層別や職種別、テーマ別の研修の場を確保し、研修会の開催の情報を提供している。外部研修に参加したスタッフは、報告書を提出し、職員会議や全体会の場で、研修報告を行っている。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

課長を担当者として、実習生の受け入れやオリエンテーションを行っている。今回のコロナ禍においても、次世代の担い手の育成のため、実習生を積極的に受け入れている。実習予定者は、2週間前から行動記録を付け、実習に参加している。今年度は、保育関係8校、15人くらいの実習生を受け入れている。スタッフにとっても、振り返りの時間に答えたり、自己の支援内容を振り返る機会になり、勉強の場と捉えている。実習生は、今後も引き続き積極的に受け入れていく予定である。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページや、年3回発行する法人の広報誌「NEWS翔」などで情報を公開し、運営の透明性を確保するよう努めている。広報誌「NEWS翔」は、保護者やボランティア、他の福祉施設、行政関係などに広く配布する他、1階の受け付けにも置き、地域の方がいつでも閲覧できるようにしている。法人内の事業所のいずれかが、毎年、第三者評価を受審し、オンブズマンや第三者委員も定期的に訪問し、運営の透明性を図っている。オンブズマンや第三者委員とは、定期的にスタッフとの話し合いの場を設け、アドバイスをもらっている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

年1回、法人内の施設長及び課長が、各事業所を回り、入出金の管理などがルール通り行われているか、内部監査を実施する他、外部の監査会計の会社による外部監査を行っている。法人のリスクマネジメント委員会では、年2回、各事業所の防災面のチェックや安全マニュアルの確認などを行っている。会計事務所や顧問弁護士、社会保険労務士、設計士などに、いつでもアドバイスを受けることができる体制を確保して、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営に取り組んでいる。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりについては、「職務基準書」などで基本的な考え方を示している。法人内の大きなイベントや社会福祉協議会、他施設のお祭りなど、利用者の多くが参加できるものは、掲示やお知らせなどで周知し、保護者や子どもたちがお祭りなどに参加している。地域の自治会に参加して、合同の防災訓練を行ったり、地域の協力で毎週金曜日に、建物の前で野菜を売っている。地域の幼稚園や保育園とは現在も連携しているが、さらにつながりを深めていきたいと考えている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

施設長と課長が、ボランティアの受け入れを担当している。ボランティアの希望は、基本的に受け入れることとしているが、コロナ禍の中での受け入れは難しく、ここ2年は受け入れを中止している。以前は、月1回、「おはなしのたまご」のボランティアが訪れ、子どもたちに絵本を読んだり、手遊びなどを行っていた。ボランティアの希望があった時は、センターに来てもらい、まずは児童発達支援センターを理解してもらうよう努めている。現在、積極的なボランティアの情報は提供していないが、社会福祉協議会の冊子には、情報を掲載している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

幼稚園や保育園に並行して通っている子どもが多いので、幼稚園や保育園との連携を中心にしている。また、市の子どもセンターを経由して利用する子どもも多い。市の子どもセンター、家庭児童相談所、相談事業所、県の療育センターとも、定期的に連絡を取り合い、問題解決に向けて話し合いを行っている。市や県の関係団体との連絡会に施設長が参加して、関係機関との連携や地域の課題など、情報を共有している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人として、地域の各種団体(高齢者や児童の当事者団体、当事者の親の会など)が参加する「運営協議会」を開催し、地域の福祉ニーズを把握する取り組みを行っている。NPO法人茅ケ崎市民活動サポートセンターや各福祉団体とも連携し、福祉ニーズの把握に努めている。地域には、自分で買物に行くことができない高齢者や、自力で通院できない障害者が多くいることから、買物援助のグループに法人の車両を提供している。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人として、団地の子供食堂の運営団体に、料理と場所を提供するなど、地域に向けた活動を積極的に行っている。また、湘南地区まちぢから協議会の「お出かけワゴン」(買物に出かけるのが難しい人を対象)に、法人の車両を提供している。児童発達支援センターとしても、地域と積極的に関わっていきたいと考えているが、利用している子どもたちの特性から、地域への発信は難しい面もある。まずは、地域の公園への散歩を積極的に行い、子どもたちが地域の方々と触れ合う機会を多く持つようにしている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念や基本方針に利用者中心のサービスを実施することを掲げ、倫理綱領や規程を策定し、基本姿勢を「職務基準書」に掲載している。利用者中心のサービスについては、1年間の「重点課題」を決めて取り組んでいる。人権について特に配慮し、今年度はオンラインでの開催になるが、法人全体で顧問弁護士の下テーマを決めて、グループワーク形式で、全員参加の研修会を開催している。意思決定支援については、法人内の他事業所で、県のモデル事業として取り組んでいる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

スタッフの入職時に、プライバシー保護の規程などを説明し、スタッフから同意の署名をもらっている。写真の取り扱いや情報の漏洩、SNS(インターネット上のコミュニティサイト)など、利用者や家族のプライバシーに関わる情報については、十分に配慮するよう、会議などでスタッフに周知している。スマホでの写真撮影は禁止し、各クラスにデジタルカメラを置いている。広報誌「にじいろ」に掲載する写真についても、事前に保護者から同意をもらっている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に限らず、見学者などを含め、希望する方には、絵や図、写真などを使用してセンターの説明を行い、十分理解できるよう工夫している。また、電話などでも不明点に答えるようにしている。3~4ケ月に一度、子どもセンターが見学者を連れてくることがあり、その際はパワーポイントや写真を使って、わかりやすく説明している。また、現在はコロナ禍で中止しているが、こちらから子どもセンターに出向き、個別の説明を行っている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保護者の希望に合わせて、サービス内容の変更を行っている。変更する場合には、利用する子どもにもわかりやすく伝わるよう、写真や絵カードを使用している。子どもたちには、1日の流れを絵カードで示しているが、絵と文字が一緒だと混乱する子どももいるため、子ども一人ひとりの特性に合わせ、絵と文字を別にするなど、個別に対応している。保護者には、子どもへの声かけの仕方などをアドバイスし、協力しながら対応している。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの内容を変更する場合には、法人の理念「本人中心の支援」に立ち返って支援内容を見直している。福祉サービスの変更や、就学に向けた卒園などの際は、保護者の了解があれば、基本情報の他、障害の特性や個別の対応などを文書で引く継ぐとともに、面談や電話でのやり取りなどで個別に対応している。細かなケアが必要な場合は、卒園後も含め、スタッフが移行先の施設や学校を訪れ、日常のケアの方法を直接、説明している。保護者には、卒園後も連絡や相談ができる体制を整えていることを説明している。いつでも相談できる場があることで、保護者も安心している。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

年1回、保護者とスタッフから、「サービス評価表」を用いたアンケート調査を行い、集計した結果を、ホームページに掲載している。今年度は第三者評価を受審した際の「保護者アンケート結果」をホームページに掲載する他、保護者に内容を返していく予定である。保護者との面談は、年2回定期的に行い、面談で把握した希望などは、会議の中で検討している。その他に、専門職との面談にも、希望に応じて、いつでも対応できることを保護者に伝えている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情受付担当者や苦情解決責任者、第三者委員を置き、苦情解決の仕組みを重要事項説明書に記載して、契約時に内容を説明している。受け付けた苦情や意見は記録し、法人のリスクマネジメント委員会で内容を確認して、改善やサービスの質の向上につなげている。利用者全員が「連絡ノート」を使用し、保護者とのやり取りを丁寧に行いながら、支援に活かしている。「連絡ノート」は1冊だと、その日の子どもの様子を細かく記載できないため、2冊用意して、利用の際に交換するようにしている。利用時の怪我などの報告は、速やかに電話で保護者に状況を伝えている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者には、いつでも相談や意見を述べることができることを伝えている。利用者が未就学児ということもあり、なかなか自分の思いを口にできない子どもが多いので、本人の様子などを注視しながら、思いに寄り添えるよう環境を整えている。スタッフは、子どもたちの表情や仕草などから、本人の思いを汲み取る力が必要で、常に子どもに真摯に向き合うよう心がけている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

定期的な面談や「サービス評価表」での意見、日常の会話、「連絡ノート」などでのやり取りで、意見や相談しやすい環境に配慮している。相談や意見に対する「苦情受付マニュアル」や手順を整備して、できるだけスムーズに答えを出すようにしている。保護者からの意見や相談内容は、事業所のサービス向上に活かしたり、マニュアル類の見直しにつなげている。受け付けた苦情や意見に対しては、電話で回答したり、説明の場を設けたりして、状況に応じて対応している。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

法人に事故防止委員会を設置して、事故発生時の対応や手順を、フローチャートを用いて、職員にわかりやすく示している。事故の内容はレベルに分けて分析し、改善策を検討している。各事業所の施設長をリスクマネジャーとしている。事故の内容は理事会や行政にも報告している。また、事故の発生を防止するため、特に車両の運転スタッフを対象に、年2回、「運転シミュレーター」を使った研修会を開催している。研修会を修了したスタッフが、送迎車などの運転業務に従事している。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

今年度はコロナ対策に力を入れ、換気に気を付け、スタッフの健康管理に努め、手指消毒、食事は子どもたちと一緒に摂らない、おもちゃや床の消毒などを行っている。法人及び各事業所に衛生委員会を置き、感染症対策のマニュアルを整備し、感染症の予防や対応方法を職員に周知している。感染症予防の研修会では、ノロウイルスの現場を想定した嘔吐物の処理方法などの実技も取り入れている。看護師が中心になって支援現場での予防策に取り組み、マニュアルも適宜見直しを行っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

法人内の各事業所が3日分の非常食を備蓄する他、法人内の事業所を7つのグループに分けて備蓄品を確保している。月1回、防災訓練を実施し、また、年1回、建物全体で総合避難訓練を行っている。その際には、地域の自治会の防災委員会の方々も参加している。同一建物内の保育所とは、合同で不審者対応訓練も行っている。月1回の防災訓練は、施設長と担当スタッフで、内容を計画して実施している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人の「利用者支援に関する安全ガイドライン」に、利用者への対応や健康管理、食事、移乗・移動、排泄などの関わり方、医療的ケアなどを明文化している。また、事故防止や災害対策、苦情受付などのマニュアルを整備している。重度の障害を持つ子どもが多く、生命の危険のリスクが高いため、スタッフは、てんかんなどの医療的な関わりについて、年6回、研修を受けている。標準的な実施方法に基づき、一人ひとりの子どもの状態を把握して、個別支援計画を作成し、その子どもに合った個別ケアを毎日、提供している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

「利用者支援に関する安全ガイドライン」や各種マニュアルは、法人の事故防止委員会や衛生委員会などで、内容の見直しを行っている。標準的な支援方法を共有するとともに、半期に1回、個別支援計画の見直しも行っている。今回のコロナ感染症の拡大に対しては、法人全体で、コロナ感染防止のマニュアルを作成し、法人内の全事業所で統一した対応を取ることができるよう取り組んでいる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

児童発達管理責任者とクラス担当を中心にして、スタッフ全体でアセスメント会議を開催している。アセスメント票は、身辺の自立、行動、情緒、環境、言葉、表現、自宅の様子、医療面の各項目について、細かく記入できるようにしている。アセスメント会議では、その子どもの状態から、今何が必要か課題を抽出して話し合い、検討を行い、個別支援計画につなげている。特に医療的なケアが必要な子どもは、生まれた時からかかっている病院の情報にも配慮しながら、個別支援計画を策定している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の「保育日誌」や「個人保育日誌」、また発作など特別な状態を記録した「個人記録」をもとに、子どもの状態の変化を確認して、半年に1回、アセスメント会議を開催して、個別支援計画の見直しを行っている。送迎時の家族からの話や、「連絡ノート」でのやり取りも参考にして、個別支援計画を見直している。各クラスでは、子どもの成長を促す様々な遊びを取り入れている。遊びを通しての成長や、発達の状況の変化なども参考にして、個別支援計画を見直している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

「児童票」や「アセスメント票」、「面談記録」、「個別支援計画書」、「ケース記録」などは、個別のファイルにまとめている。日々の生活の様子や、医療的な変化などは細かく記録するように努めている。また、会議記録や、毎日のミーティング(振り返り)の記録も整えている。発作などの大きな変化があった時には、スタッフ全員に「速やかに伝える」ことが必要なため、手書きの記録を回覧し、それ以外はパソコンに入力している。情報共有の会議を定期的に開催し、毎日のミーティングの中でも話し合いを行い、スタッフ全体で情報を共有している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

各クラスにパソコンを置き、日々の記録を入力している。パソコンはクラス毎にパスワードを設定している。子どもの個人記録は、法令で定められている期間、保存している。個人ファイルは、事務所前の鍵のかかる書庫で保管している。書類の管理は、施設長を責任者としている。個人情報の保護に関しては、入職時に「個人情報の使用に関する誓約書」に、スタッフが署名、捺印している。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々のスケジュールの枠組みの中で、子どもの主体性を尊重した活動を展開している。その日のクラスの活動予定はあるが、まずは子どもがやりたいことが行えるよう支援している。特定の玩具で遊ぶことで落ち着く子どもや、まだ言葉がうまく使えない子どもが半数いることから、スタッフが子どもの目線や表情などから、やりたいことを確認している。自分で何をするか決められない子どもには、当日のスケジュールの中での遊びに誘導している。通園時から落ち着かない子どもには、環境に配慮して、静かな離れたところで一緒に活動したりしている。言葉では理解できない子どもには、絵本を見せて活動に誘い、自分でやってみようと思う気持ちを引き出している。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

年度初めの法人の全体研修で「業務規程」の説明があり、その中で権利侵害の防止についての説明がある。スタッフは、法人全体の権利擁護委員会主催の研修会に参加している。センター内では、身体的・心理的虐待等防止のため、日々のフィードバックや会議などで、スタッフ間で確認、検討を行っている。身体的に姿勢保持が難しく、車いすに正しい姿勢で座れない子どもに対して、安全の確保のために使用するベルトは、身体拘束につながる可能性があるなど、常時、会議の中で話し合いや検討を行っている。スタッフの声掛けやジェスチャー、絵カードの提示では、次の活動へ移ることができない子どももいるため、やむを得ず、抱っこで連れていくことがある。身体拘束については、子どもの身体的・精神的状況により、生命の安全の確保との関係で難しい面もある。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

言葉が出ない子どもや、自分ではまったく動けない子どもが多い中、子どもたちがたくさんの経験ができるよう支援している。写真カードを使用して、トイレや手洗い、食事などを理解して行動に移していく子ども、活動の工程表を見ながら次に何をやるかを確認している子どもなど、「自分でやってできた」経験ができるよう支援している。子どもが自分自身で取り組むことを見守りながら、必要に応じてスタッフが介入し、動機付けや必要な支援を行っている。言葉が出ないために態度でやりたいことを示す子どもには、スタッフが何を言いたいのか理解するよう努め、一人では理解できない時には、複数のスタッフで関わるようにしている。子ども自身、どうしていいかわからなくて泣いていることもあり、複数のスタッフでの確認が必要になることも多い。登園した時に持ち物を整理することなど、クラスの発達段階に応じ、この箱には帽子を置くなど絵で示し、視覚を通じて理解できるよう、手作りの整理箱を用意している。子どもたちも、日々の積み重ねで、自分の持ち物の整理ができるようになっている。保護者には、利用時の行政手続きの説明や更新の声かけ、情報提供などを行っている。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

自分の気持ちを表現することが苦手、言葉での発信が苦手、言葉が不明瞭で伝わりづらいなど、個々の特性に合わせて表現しやすい方法を探りながら支援している。50音の文字盤を使って気持ちを表現することで言葉が少しづつ出るようになったり、絵カードを使用してコミュニケーションを図ったりしている。また、言語的、非言語的方法のモデルを示しながら、その子どもにとって表現しやすい方法を提案している。言語聴覚士が支援に入っているが、言語面とともに嚥下面の状態を見てもらい、食事内容を変えるなど、保護者と連絡を取って対応している。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもとスタッフで個別にやり取りをしながら、子どもの思いを聞き出す関わりを行っている。子どもとのそれぞれの関わりの中で、分かりやすい方法を用いて、スタッフからの情報を伝えている。その中で、子どもが自分で選択し、決定できる経験につなげている。保護者からの相談があった事柄は、関係するスタッフで内容を検討し、情報を共有している。相談内容を元に、個別支援計画や支援を組み立てているが、「今やりたい」ことを尊重することは難しい場合がある。ただし、「今やりたい」と思う気持ちを大事にし、自由時間に行ったりして支援している。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

クラス単位での活動は、子どもの発達状況に合わせて、興味や関心がある遊びを組み立てて行っている。ホーススイングなどの遊具を使っての遊びも、あるクラスは乗って掴まって遊び、身体を動かす目的で計画を立てているが、あるクラスでは、乗って掴まって、順番を待つなどの社会性を養うことを目的とした計画を立て、楽しみながらその子どもに合った体験ができるよう支援している。計画の中で、今日は身体を動かす遊びを予定していたが、本人は塗り絵をやりたいなどの思いがある場合は、今やりたいことを大切にして支援している。今やりたいことは自由時間に保証したり、「みんなで活動を決める」話し合いの場を設けて、月の予定や個別支援計画につなげている。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもたちには何らかの障害があるので、スタッフは研修会に参加し、専門的知識および支援の向上を図っている。センターには、保育士や児童指導員をはじめ、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、栄養士を配置している。毎月第1火曜日には、テーマを決めて研修を行い、子どもたちが帰った後の時間に開催している。自分の思いが伝わらず人をたたく、大声を出す、自傷行為があるなど、特別な行動で意思を示す場合は、子どもが何を思っているのか、何をしたいのかを、スタッフは皆で考え、思いを受け止めて行く体制を作っている。日々の支援について、毎日のミーティングで振り返り、スタッフ同士で情報を共有して、より良い支援の方法を検討している。クラス単位の会議などでも、子どもたちの情報を共有し、子どもの状態をよく理解し、検討する場としている。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

食事は、管理栄養士が子どもたちの成長に合ったバランスの良い献立を作成して提供している。スタッフが好きなもの、食べたいものを子どもたちに聞き、管理栄養士に伝えて献立に反映している。それぞれの障害に合わせ、ペースト状のものや刻み食も用意している。また、経管栄養の子どももいるため、看護師が管理、対応している。ごはんしか食べない、野菜は食べないなど、偏食の子どもには、本人の意向を大切しながら支援している。他の子どもが食べているのを見て、少しずつ食べられるようになった子どももいる。食事に集中できない子どもには、環境を整えて、食事ができるよう支援している。子どもの半数がおむつを使用しているが、基本的にトイレに誘導している。トイレ使用が成功した時には、スタッフが子どもとともに喜びを伝えている。おむつからパンツに、徐々に自立している子どももいる。車いすや歩行器を使用している子どももいる。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

清潔を意識し、毎日、子どもたちが帰った後に、清掃や消毒を行っている。安心できる環境設定のため、パーテーションでクラス内を分けるなど、それぞれの子どもに合わせた環境作りをしている。全体会やクラス会議で、危険個所について話し合いを行い、スタッフ間で把握し対策を立てている。安全対策として設置したガードに登ってしまうなど、新たな危険個所の発生に対しても、その都度、スタッフ間で話し合い、危険回避の支援を行っている。物を置き、物理的に登れないように工夫しているところもある。子どもにしか通れないところ、また、窓枠に登り安心できる場所としている子どもには、必ずスタッフが付き、目を離さない支援を行っている。送迎車に乗降する際、ドアの開閉時に指を挟む事故や、道路への飛び出しなど危険な点として、スタッフ間で共通認識し対応している。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもが各家庭で受けている、訪問リハビリで取り組んでいる訓練の内容を保護者から聞き、それに合わせて、坂道を昇る、階段の昇り降りをするなど、活動時間に取り入れ対応している。作業療法士に生活の中に入ってもらい、それぞれの子どもに合わせた椅子の高さの調整や、活動時の運動のやり方などについて、連携を取りながら支援を行っている。排泄時の衣類の着脱など、一人ひとりに合わせた生活動作が行えるように支援している。リハビリについての研修を、スタッフからの申し出や専門職からの提案により、必要に応じて行い共有化している。スタッフによる神奈川県総合リハビリテーションセンターへの見学も行い、日々の支援につなげている。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

毎日、子どもたちの体温を測り、ノートに記録を取っている。登園時には、保護者から家庭での様子や体調について確認を取り、状態の変化に対応できるようにしている。体調変化時の対応は、適切に対応できるよう、それぞれの保護者との間で決められている内容がある。マニュアル化もされており、各対応についてはスタッフ間で共有化している。アレルギーがある子どもに対しては、医師から指示を受け、スタッフ間で共有し、アレルギー対応食など、細かな支援を行っている。それぞれの子どもに対し、看護師による体調の把握を行っている。医療的ケアを必要とするクラスでは、必要に応じて、かかりつけの医療機関に関わってもらい連携を取っている。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

法人内に医療に関する安全対策委員会を設け、マニュアルを整備して、医療面での安全管理を行っている。センターでは、胃ろうや経管栄養、喀痰吸引など、医療的支援が必要な子どもを受け入れているが、今後も希望があれば受け入れていく方針である。利用定員は30名だが、現在、91名の子どもが登録している。利用希望者は増えており、医療的ケア体制の充実を図っていくことが必要であると考えている。また、感染症に対する耐性が弱いなど、子どもたちのリスクは高いため、リスクマネジメント体制を整え、スタッフは医療的対応や注意点など、常に研修を繰り返し、支援に当たっている。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

天気の良い日は、隣接する地域の公園に散歩に出かけて遊んでいる。また、車に乗って他の公園に行くこともある。公園では、地域の子どもたちと触れ合い、身体を動かして、体力づくりを支援している。同一建物内のうーたん保育園との交流もあり、芋掘りに一緒に出かけて外気を満喫している。5歳くらいになり、字や数字に興味、関心を持つ子どもには、絵本を一緒に読んだり、次の行動を文字で伝えている。就学前には、保護者から入学先の学校について悩みの相談があり、センターでの子どもの様子を話し、子どもにとって、どこが適切か、保護者が考える手伝いをしている。入学する学校には、希望に合わせ、センターでの子どもの様子を「引継ぎシート」で伝え、連携をとっている。養護学校へ保護者と一緒に見学に行き、入学した子どももいる。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもたちは地域で生活しており、センターへの通所と並行して、保育園や幼稚園に通園している子どもが多い。センターの指導計画に、地域との関わりを多く持ち、広い視野で社会の中で生活ができ、さまざまな人とともに生きていけることを目標に置いて支援している。「誰もが地域で暮らせるために」の法人の理念を基本とし、保育園や重症心身障害者施設、特別養護老人ホームが同一の建物の中にあり、地域に開かれた総合施設である。施設内の喫茶店は地域の方たちも利用し、建物の掃除は障害者事業所の利用者が、日中活動のひとつとして行っている。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターへの通所は、送迎サービスを利用している子どもが8割、その他は家族が送迎している。年少クラスは親子教室とし、センターで一日を親子で過ごしている。保護者とは、送迎時に、身体状況の変化や生活の様子など、家庭での状況を詳しく聞いている。また、全員が「連絡ノート」を使用して、毎日の家での様子やセンターでの様子を伝えている。保護者との面談は、個別支援計画作成時と見直し時の年2回、必ず行う他、希望に合わせて随時行っている。懇談会はクラスごとに行い、保護者同士が話し合える場を設けている。保護者同士でコミュニケーションが取れることで、安心できる場となっている。保護者は専門的に関わってもらえるセンターを信頼し、安心して子どもたちを通所させている。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの発達状況をアセスメントし、その子どもに合った個別支援計画を立て、こどもの発達状況に応じた支援を行っている。保護者の不安を解消するため、年少の子どもは、親子が一緒にセンターで過ごし、スタッフの子どもへの関わり方を参考にして、保護者がスムーズに子どもと関わっていくことができるよう支援している。親子教室以外は、子どもの年齢ではなく、子どもの発達状況に応じた少人数のクラスの中で、発達支援を行っている。子どもの発達状況を確認して、クラススタッフで活動内容を検討、作成している。一人ひとりの子どもに対して、より適切な支援を行うために、保育所や他の児童発達支援事業所、各関係機関との情報共有や連携を図っている。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
児童発達支援センターのため、「評価外」とする。"

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
児童発達支援センターのため、「評価外」とする。"

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
児童発達支援センターのため、「評価外」とする。"