社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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公私連携型保育所ななつぼし

2024年03月15日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 公私連携型保育所ななつぼし 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(利用人数:60名) 名
所在地 242-0021
大和市中央1丁目5番14号
TEL 046-260-1055 ホームページ http://www.tomoni.or.jp/nanatubosi/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2021年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人県央福祉会
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:27 名
専門職員
保育士 : 名
看護師: 名
管理栄養士: 名
事務員: 名
子育て支援員: 名
調理師: 名
用務員: 名
施設・設備の概要
保育室:5室
トイレ:2ヶ所
調理室:1ヶ所
事務室:1ヶ所
園庭:あり 

③ 理念・基本方針
【理念】子どもにふさわしい環境を整え、遊びを通して自ら工夫の出来る「頭・体・心」を育てることをめざして、ご家族や地域の方々と連携をとり、子どもたちの成長を支え、共に生きる保育をめざしていきます。

【保育の基本方針】
☆子どもの力を信じて見守ることを重視し、工夫の出来る頭・体・心を育みます。
☆安全・安心出来る環境を常に考え、心身共にバランスのとれた発達が促せる保育を行います。
☆地域の人的・物的資源を生かし、保育に活用していきます。 
☆障がいや発達に課題のあるお子さんについて、その有無に問わず共に育ちあう「インクルーシブ保育」を目指します。また家庭や関係機関とも緊密に連携を取り、お子さん一人ひとりのニーズに即した保育の実践を目指します。
☆保育所内外の研修や会議等に積極的に参加し、保育者の質の向上に努めます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
令和3年4月に、全国的にも例を見ない「公私連携型子育て支援施設」として、こどもの城の開所とともに公私連携型保育所ななつぼしは開所しました。運営する法人の基本理念にて示される「時代の変化にともなうニーズに即した保育と子育て支援をプロデュース」すること、また大和市と法人が締結した「こどもの城の管理運営に係る協定書」の基本的理念に示される「施設の効用を最大限に発揮し、乳幼児の福祉を積極的に推進すること」を念頭に置き、施設を利用する全ての利用者に満足していただくこと、また保育や相談事業を通して子育て支援の一端を担うことを基本方針として、運営を行っています。低年齢児の保育所では、0~2歳児で60名の受け入れ、また、生後2カ月、最大8時間までお預かり可能な一時預かり、また3歳児以上については、「幼稚園送迎ステーション」として、保育園と同じ保育時間を提供できる事業を行い、希望する方に引き続き利用できる仕組みを取っております。また、建物内に子育て支援施設「こどもーる大和」を併設し、総合的な子育て支援を展開できる体制を作っております。保育所ななつぼしは、施設敷地内外に多くの遊びスペースを設け、また隣接するやまと公園等を活用し、子どもたちが伸び伸びと遊べるスペースを備え、保育者が安全と安心を確保しつつ一人ひとりに丁寧に関わっております。また、行事や面談を通し、保護者の方々と密にやり取りを行い、低年齢児期の成長発達について、また、幼児期を迎える上での必要最低限の生活習慣を身につけられるよう取り組んでいることをお伝えし、ご家庭と保育園がより近い信頼関係を築いていけるよう努めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/05/23(契約日) ~2024/03/11(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)子ども一人ひとりを見守る体制により保育を行っています
園長は、一人ひとりの子どもの思いを受け止め、気持ちに寄り添って保育にあたることを職員に伝えています。毎月の職員会議では、各クラスの子どもたちの様子を報告し合い、職員間で連携を図りながら全職員で全園児を見守る体制づくりに努めています。低年齢期の成長の大切さを話し合い子どもたちは、ありのままの自分の姿を受け止め、様々な体験を積み重ね、伸び伸びと園生活を送っています。

2)職員は子どもの主体性を大切にしています
子どもたちが、子ども同士の関わりの中で自ら育っていこうとする力を尊重しています。子どもが自らやりたいと思えるよう環境を整えたり、視覚からもわかりやすいように床にテープを貼るなどしています。職員の子ども達への声かけも「走らないで」ではなく「歩こうね、歩こうね」と肯定的な声かけをして見守っています。常勤、パートの職員に関わらず、全職員が一人ひとりの成長を理解し、何かあった場合は、話し合いができる風通しのよい環境です。

3)園で大切にしていることを保護者に伝えています
園のホームページや毎月の園だより、クラスだよりなど園が大切にしていることや、たくさんの微笑ましいエピソードとともに子どもの様子を保護者に丁寧に伝えています。日々の連絡帳や、災害時や感染症、保育に関わる内容など、園から保護者の方へ情報配信するシステムとして、アプリを利用したり、送迎時での保護者との関わりで信頼関係をもてるよう努力をしています。また、保育は保護者とともに育てる営みと考え、子育てや園生活で心配なことがあればいつでも相談を受け入れる体制になっています。

4)地域の子育て支援拠点として様々なニーズに対応しています
需要の高い低年齢児対象の保育所として運営していますが、家庭での保育ができない場合の一時預かり、日・祝日、年末年始も保育提供を行う休日保育(365日開所)、体調不良児対応型病児保育、さらには送迎ステーションとして幼稚園や認定こども園を利用する子どもの教育時間の前後の預かりを行うなど様々なサービスを提供しています。法人理念を実現すべく、他に類をみない一体的な子育て支援拠点としての役割を担っています。併設の「こどもーる」は気軽に利用できる場とし、育児相談や子育て情報の提供により子育て家庭をサポートしています。現代社会の課題や多様化するニーズに対応する拠点として重要な役割を果たしています。

5)職員全体で園運営を行える体制づくり
園の理念や方針の実現に向けて、数年かけて組織的な取組を進めています。職員の強化に向けて、中・長期計画を策定し、単年度ごとの具体的な取組を進めていくことが課題となっています。園長は、職員全体で園運営を行える体制づくりが必要と考えています。今後、中・長期計画と単年度の計画について職員間での共有化を図りながら、働きやすい職場作りのためにも職員の関わりを深めていける取組が期待されます。

6)各種マニュアルの再整備
保育の実施に関わる各種マニュアルを作成し、保育実践の標準化を図りつつ、一人ひとりの子どもの状況に沿った保育を行うことを共通認識として保育実践につなげています。職員は、日々の保育の中での気づきから各マニュアルの見直しを適宜行い、年度初めの職員会議で各マニュアルの再確認を行っています。園では、マニュアルに記載すべき事項を精査して再整備を進めており、今後のさらなる取組が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
当施設が開所して今年度(令和5年度)は3年目となります。
大和市との公私連携型子育て支援施設として併設する「こどもーる大和」、また全国的にも事例をあまり見ない「幼稚園送迎ステーション」を合わせた複合的事業の中核として「公私連携型保育所ななつぼし」があります。この3年間の中で「低年齢児保育として一人ひとりに寄り添った保育の実施」「地域の子育て支援、およびその認知度を高めること」「組織としての体制づくり」を重点的に取り組んでまいりました。今回、第三者評価を受審し客観的な視点から施設を見つめなおし、また施設内外の声を聴くことによって、これから当施設の課題であったり、ニーズや期待、これから向かうべき方向性に気づくことができました。
今回の結果を踏まえ、より良い保育、より良い子育て支援とは何か、職員同士で改めて考え、実践し、その結果として当施設を利用する全ての子育て世代の家庭が笑顔で集える場として栄え続けていければと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

園の基本理念は、「公私連携型保育所ななつぼし入園のしおり」に記載されており、パンフレットには園の紹介や理念、方針が具体的に掲載されています。法人の理念は事務所にも置き、毎年度始まりに職員へも周知をしています。保護者には、パンフレットや保育園のしおりを用い、新入園児の説明会でも丁寧に説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

公私連携型で事業運営を行っているため、大和市との関係は深く、市のほいく課との調整会議や意見交換等で情報収集を行い、把握しています。園の状況、送迎ステーションの進捗状況は市へ伝えて連携を図っています。経営状況の把握、分析に関しても職員へ経営状況を周知しています。大和市は地域の園長会がないため、有志の園長達で就職相談会や保育園同士の連携に力をいれています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

保育所運営に関しては法人の指示のもと事業計画および予算を策定し、年度途中の見直しを経て、年度末に事業報告及び決算を行っています。一部内容に関しては、大和市へも報告をしています。事業計画については前年度の課題を踏まえて策定しています。今後、具体的な取組を進めて行く過程において、職員の意見を聞いたり職員同士の検討の場を設定するなど、課題解決に向けての組織的な取組が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

現在の中長期計画は、開園時に作成したものであり、地域への認知と利用拡大、また安定した人員体制の確立と育成を掲げています。園はこれまで、前年度の事業計画を見直して新たな単年度の事業計画を策定、実行することで事業経営を推進してきました。開園3年目に入り、保育内容にとどまらず、今後、設備整備、職員体制、人材育成等に関する具体的な中期計画の見直しが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

施設で策定した中長期計画を踏まえ、運営全般については事業計画、園の保育について、具体的には「全体の計画」を作成しています。事業計画の中では重点課題や重点目標などが掲げられ、年間スケジュールやこどもの城の組織図も含まれています。しかし、計画内容に数値目標の記載がされていないので、評価が行えない内容となっています。施設の計画を踏まえた保育計画や質の向上、人材計画、環境整備の実施計画の具体的な策定が期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画および全体の計画作成に職員の参画はなく、前年度の活動における課題や職員面談、利用者アンケート等を踏まえて園長が作成し、年度終わりの職員会議で案を提示し、意見を求めた後に策定、職員に周知をしています。今後、半期、月次などの評価、見直しに際し職員の意見を集約して取り組むことが期待されます。合わせて保育計画や質の向上、人材計画、環境整備等の具体的な実施計画の策定が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

園の理念は園だよりやホームページで保護者に周知し、年間の行事予定は毎年保護者に配布しています。事業計画や全体的な計画は、入園時に玄関前に置かれ、自由に閲覧できるよう説明はしていますが、周知までは行っていません。今後、職員の意見の集約や反映のもとで園の事業計画が策定され、重要取組事項や保育計画、食育計画などを入園時の説明会やクラス懇談会で保護者に説明されることが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上に向けて、園長、主任が中心となり、自己評価や虐待チェックリスト、「全体的な計画」、「各クラス年間指導計画」を作成しています。各クラスの担任は月案をたて、毎月、個人、クラスの評価や振り返りを行って現状の課題を抽出し、次月の保育に生かしています。また、利用者アンケートを実施して、改善にいかしています。今後、年度末に園の評価を実施し、全職員、保護者に周知することが望まれます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

日々の振り返りや週案、月案の振り返りはもちろんのこと、クラス会議や環境会議で保育の課題を明確化し、職員で話しあい記録をとって、全職員に共有できるようにしています。保護者への対応としては、個別の面談や送迎時のコミュニケーションで不安や疑問への対応に取り組んでいます。今後は、改善に向けた話し合いや事業計画の重点施策の内容検討に職員が参加できる仕組みづくりが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園の運営規程の中で、園長の責任や職務が明文化されており、中長期計画の中でも「こどもの城」組織図の中で位置づけられています。園の経営、管理に関する方針と取組、並びに自らの責任についても職員会議で明確にしています。災害時や事故等の園長の役割や責任については、園長不在時は園長補佐へ権限委任等を含め明確化されています。園長は自らの役割と責任について表明し、園の広報誌等に掲載することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、園の理念、基本方針、諸規定等を理解し、運営に関連する法令や協定等を把握しています。毎月大和市と連絡を取り合い、遵守すべき法令の理解にも努めています。また、将来的な運営に関わる最新の法令等にも目を通し、それらを自身の知識だけにとどめず、主任や職員たちにもわかりやすく説明し、運用を促す努力を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質の向上に意欲を持ち、率先して取り組んでいます。保育園は様々な経験を積んだ職員や、保育士以外の職種の職員などの集合体であるため、具体的な研修計画表で一人ひとりの意識を高め、組織としての質の底上げを図っています。園内研修や非常勤研修、法人内研修、大和市保育課研修など、園内、園外関わらず参加を推奨しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、毎月の収支状況や年間の事業計画を通し、健全な運営体制を保つよう取り組んでいます。法人の組織として、保育部会長、グループ長また各部門と相談し、時に園内の職員と共有し、意見を求める場合もあります。組織作りについては職員の経験年数や個々の能力、性格、職員同士の相性等を考慮し、職員の意向も確認しながら行っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

人材の確保は人員体制計画を基に、法人が常勤・非常勤職員を採用していますが、必要な人材の確保に苦慮している面があります。保育士資格のほか、栄養士、幼稚園教員免許状を取得している職員や、心理カウンセラーの資格を業務に生かしている職員もいます。法人基本方針や職員行動指針があり、法人として期待する職員像を明確にしていますが、コロナ禍の影響で、人材育成に関し計画通りに行えていない部分(外部研修、園内研修など)があります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

人事基準は、「社会福祉法人県央福祉会就業規則」や県央福祉会職員倫理行動マニュエルに明確に定められ、職員に周知しています。園長は、職員の専門性や職務遂行行動力、成果等、また、貢献度、意向を評価しています。高い成果や業績を上げた職員を評価し、その結果を公正かつ適正に賃金等の処遇に反映されるような、職員の目標管理制度を導入し、職員が自らの将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みづくりの検討が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

園長は主任と連携し、働きやすい職場環境作りに配慮しています。職員の就業状況を確認し、一人ひとりの状況や意向に合わせてシフトを調整しています。年2回のストレスチェックは全職員に実施しています。法人に「心の相談室」があり、職員は希望すればカウンセラーによる面談ができる体制があります。園長は、職員との定期的な個人面談のほか、気づいたことがあれば随時面談でじっくりと話をすることで、心身の状態や悩みなどを把握し、改善策を常に検討しています。ワークライフバランスに考慮し、育児休暇は男女に関係なく取得ができます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度末に実施する職員個々の自己評価結果を踏まえて、年度初めに各自が目標を設定しています。園長との個人面談で、目標内容や目標水準が適切に設定されているかを確認し、園長が必要に応じてアドバイスを行っています。年度の中間時期には、園長との個人面談で進捗状況を確認し、1月頃に行う個人面談で目標達成度の確認を行い、個々の自己評価につなげています。今後はさらに、目標に対する評価の仕方等を明確にし、目標管理のための仕組みの構築が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の基本方針や職員行動指針があり、その中で「期待する職員像」を明確にしています。法人内に階層別研修計画、専門分野別研修計画があり、該当する職員が受講できるようになっています。しかし、コロナ禍の影響により外部研修受講が難しくなっていました。今後は、職員教育・育成に必要と思われる園内研修開催についても検討が必要と園長は考えています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園長は個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況を把握しています。経験年数に応じた研修、一人ひとり必要だと思われる研修などそれぞれに応じた教育、研修を推奨しています。取得した専門資格は修了書のコピーを、外部で受けた研修については研修レポートを法人に送っています。新人職員には経験のある職員を配し個別的なOJTが行われるようにしています。職員全員が目にすることができる場所に研修の情報を提示し、希望者が参加できるようにすると共に必要と思われる職員には受講を勧めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生受け入れマニュアルに、受け入れに関する園としての基本姿勢を明記しています。マニュアルには、実習生の受け入れ手順や対応方法、実習生に学んでほしい内容などを記載して職員間で共有しています。指導を担当する職員には園長と主任がアドバイスを行い、効果的な実習が行えるようにしていますが研修の実施までには至っていません。今後は実習の受け入れを継続して実施できるよう、さらなる取組が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページに理念、保育目標、保育内容を公開しています。前年度は、ホームページに、事業報告を掲載し、誰でも閲覧できるようにしました。苦情相談体制については、重要事項説明書に記載しています。第三者評価に関しては、今回が初めての受審のため結果今後公表する予定です。法人のパンフレットは市役所やこどもーる大和にも置かれています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

経理規程に事務や経理業務、取引、契約等に関する取り決めを明記し、職務分掌と園長の権限や責任を明確にして職員に周知しています。法人に総務課・経理課など統括する部門があり、毎月の事業内容や会計について適切な経営を行っています。園単位の内部監査は行われていません。法人と共有し、内部監査を進めることが期待されます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりについて、「全体的な計画」「事業計画」に記載しています。地域の行事、活動については玄関に掲示し、子どもや保護者が利用できるようにしていますが、今年度はまだ活動を自粛している団体も多いため、交流ができていない状態にあります。コロナの5類移行に伴い、今後は地域交流を広めていくための機会を設けることが期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

法人作成のボランティア受け入れマニュアルがあります。「受け入れにあたって」「個人情報の取り扱い」「注意事項」「感染症対策」などを明記しており、受け入れ時に説明することになっています。コロナウィルスの影響もあり、今年度の受け入れは行っていません。コロナ5類移行を機に、今後は実習やボランティアについて、ホームページやSNSを利用して受け入れを周知していくことが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

園は休日保育や、送迎ステーション(3~5歳児)を実施していることから、幼稚園や他の保育園との連携、連絡を取り合う機会も多くあります。関係する社会資源のリストは作っていませんが、大和市とは毎月定例会議を行っており、施設の運営状況の報告や地域の情報についての意見交換をしています。状況に応じて児童相談所とも連携を図る体制があります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズについては、法人や市の関係機関との連携や大和市の子育て支援事業の一環として位置付けられている「こどもーる大和」利用者等から把握しています。「こどもーる大和」には、親子で遊べるスペースがあり、保育士や看護師などの専門職の職員が常駐していて、利用者等から子育てにまつわる相談を受ける等の相談窓口となっています。相談窓口から一時預かりの利用につながったり、保育園の見学につながるケースもみられます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

公私連携子育て支援施設として、災害時の母子家庭(乳児)向けのシェルター機能や備蓄品のストックを、園のものとは別に用意しています。また、「こどもの城」が保育代替施設としての機能を果たすよう、協定書が定められています。年1回は「こどもーる大和」と合同で避難訓練を行っています。今後も地域への貢献ができるよう具体的な計画を作成して施設の有効活用に取り組むことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

経営理念、保育理念、保育目標、保育方針は子どもを尊重したものとなっています。子どもを尊重した保育を実践するため、職員の基本姿勢に関して各種マニュアルを作成し、「全体的な計画」「指導計画」などに反映しています。全体的な計画には人権欄を設け、国籍や文化の違いの尊重、性差への配慮等を掲げています。職員は、社内アプリで配信される基本姿勢や、方針発表会で発表される保育理念及び基本方針から学んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育実践についての各種マニュアルに子どものプライバシーに配慮して保育にあたることを明記しています。法人規定集のなかでも、プライバシー保護についてのマニュアルがありますが、職員への研修実施はされておらず、職員一人ひとりの理解にはまだ課題があります。職員会議の場で、トイレや着替えなど生活の場面やプール活動などの場面ごとの配慮事項について確認し合い、保育の実践につなげています。幼児用のトイレにはドアを設置し、おむつ替えの際はスペースを確保して周りから見えないよう配慮しているほか、着替えの際はカーテンを使用するなどしています。子どものプライバシー保護に関する園の取組については、園だよりや保護者懇談会を通じて保護者に伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園ホームページやパンフレットには、保育理念や保育方針、保育目標、園の保育の特色、利用に関することなどを写真やイラストを用いて掲載し、利用希望者にわかりやすく伝わるようにしています。見学は電話で予約を受け付け、希望を優先して日時を設定し、一組ずつ対応しています。見学案内は主に園長と主任が担当し、園のパンフレットを渡すなどして丁寧に説明しています。園ホームページやパンフレットの掲載内容は、適宜見直しを行い、最新の情報を提供できるようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園説明会で園の手引きと重要事項説明書に沿い、園長が説明を行っています。重要事項説明書に慣れ保育の基本的なスケジュールを記載し、保護者の就業状況や子どもの様子に応じて相談しながら進めることを伝えています。持ち物などは実物を見せながら説明するなど保護者が理解しやすいように配慮しています。園の手引きは、在園児の保護者にも進級時に配付し、変更事項を説明しています。入園時は保育の開始について保護者より同意書を受領しています。今後は、保育の変更時に在園児の保護者からも書面での同意を得ることが期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更にあたっては、保育の継続性に配慮し、保護者の了承を得たうえで保育の記録に基づいて適切に転園先への情報提供を行っています。また、必要に応じて大和市こども課などの関係機関と連携を図りながら、引き継ぎを行っています。保護者へは、転園後も「いつでも遊びに来てください」と伝え、相談の申し出があれば、園長や主任が対応しています。今後、転園先への引き継ぎ内容を記載する様式と転園後の相談対応について記載した保護者へ渡す文書の作成が期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で子どもの様子を観察し子どもの気持ちに寄り添うことで子どもの満足を把握するようにしています。行事ごとに行うアンケートや保護者懇談会、保育参観などを通して寄せられた意向や意見を職員会議で検討し反映するようにしています。保護者からの意見で懇談会を平日開催に変更しています。利用者の満足度を把握するための定期的なアンケート調査等は行われていません。今後は保護者満足度把握の定期的な調査を実施し、把握した結果を分析して検討する場を設けることが望まれます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制を整えています。園のしおり(重要事項説明書)にも明記され、玄関には意見箱を置き、保護者がいつでも、意見を述べやすいようにしています。保護者からの悩みや相談については、連絡ノート、担任、個人面談などで随時うける体制を整えています。苦情の申し出から解決までの手順も法人のマニュアルがあり、仕組みが整っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者は相談相手を、担任、施設長、法人、第三者委員など複数の中から選ぶことができます。園内に相談窓口の掲示をしたり、重要事項説明書で説明しています。保護者から相談がある時には、事務室や空いている保育室を利用して意見を述べやすいスペースを確保しています。保育アプリの連絡帳や連絡ノートを利用して、気軽に相談できる仕組みもできています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

園長は、送迎時の保護者との会話の時間を相談や意見を聞く機会と捉え、積極的に声をかけ、保護者の気持ちに寄り添って傾聴することなどを職員に伝えています。すぐに解決できない場合は、検討後に回答する旨を説明したうえで迅速に対応できるよう努めています。意見箱やアンケートから改善すべき内容を把握した際は、速やかに緊急の話し合いを行って組織的に解決に向けて取り組んでいます。相談や意見の対応は、「苦情・要望受付対応マニュアル」 の手順に沿って行い、定期的にマニュアルを見直しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

職員会議や昼礼で事故報告・ヒヤリハット報告を行い、原因や再発防止策等を検討しています。リスクマネジメントに関する委員会を設置し、ヒヤリハットやアクシデント報告を集約し、職員に共有しています。災害対策などのマニュアルを整備し、子どもの安心と安全に取り組んでいます。今後、組織的に、リスク事例を収集したり、研修実施や事故防止の具体策と評価などに取り組むことが望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策においては、園長、主任、看護師による指示系統を確立し、対策が有効的に実施されているか確認する体制を整備しています。感染症対策マニュアルには発生時の対応方法を記載し、看護師による園内研修で嘔吐処理方法などを学び合っています。行政からの通達により、マニュアルの見直しを看護師が適宜行い、職員に周知しています。感染症の発生時には、状況を掲示や一斉メールで保護者に周知しています。「ほけんだより」に新型コロナウイルスの特徴や発熱時の対応方法など最新情報を掲載して情報提供を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応体制が決められ、毎月予告なしの訓練を実施しています。給食中、お昼寝の後など時間を変えたり、出火場所を変更するなど、職員一人ひとりが瞬時に的確な判断ができるように取り組んでいます。年に1度災害時引き渡し訓練を行っています。当日は災害ダイヤル訓練、災害時一斉メールのテストを行い保護者の災害時の対応について考えられるようにしています。備蓄が3日分あり、母子家庭用の備蓄品(大和市)も置かれています。管理者は園長です。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育についての標準的な実施方法として、園内において「ななつぼしマニュアル」を作成し、全職員に配布しています。ななつぼしマニュアルは、項目ごとに定期的に職員会議等で読み合せを行い、保育方針に掲げる子ども「一人ひとりのニーズに即した保育実践」につなげており、保育実践が画一的なものとならないよう工夫されています。また、法人においては構造化を図り、職員の共通理解を目的としたDVDを作成し、「見てわかる保育」「分かりやすい環境設定」などを視聴しながら学べる機会を設けています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法として、「ななつぼしマニュアル」を作成、配布しており、各クラスの年間指導計画と合わせて職員同士で意見交換をする中で見直しの機会を設けています。又、意見交換の際は、一年間保護者面談や保護者との連絡帳のやり取りの中で得た意見等を盛り込み、反映できるように工夫されています。その他、職員が標準的な保育を実践するために必要なスキルが身につけられるよう、個々に希望する研修に参加できるようにしており、必要に応じて園長・主任が推奨する研修にも参加できる仕組みが確立しています。今後、園内で行った研修の記録等を整備するなどして、園内研修の見直し等を行い、研鑽を高める仕組み作りが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりに寄り添った保育を実践するにあたり、入園時に健康や生活に関することなどを保護者より確認し記録しています。又、保護者からの意向も聞き取り、安全な保育が行えるように配慮されています。それらを加味したうえで「全体的な計画」を作成し、さらに個々の育ちに応じた援助が行えるよう「個別指導計画」を作成しています。その他、定期的に大和市の支援課や北部療育センター、栄養士、看護師など、それぞれの専門分野からアドバイス等をもらえる体制が整っており、様々なケースに柔軟な対応をしています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

毎月、恒常的にクラス会議や職員会議を実施しており、その中でPDCAサイクルを継続して指導計画を作成しています。また、適宜見直しや変更がスムーズに行えるよう、クラス会議、職員会議共に園長・主任が参加し、より円滑に課題を解決できる仕組みが整備されています。その他、子どもや保護者のニーズに対する保育・支援等が適当であったかなども定期的に見直されています。年度末には職員全体で意見交換や、アセスメントをしながら指導計画の見直しを行い、積極的に保育の質の向上に結び付く取組を行っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりの発達状況や生活状況等を「児童表」に記録し、園全体で共有できる仕組みが整備されています。また、「個別支援計画」も作成されており、個々の育ちや生活状況等、その時に応じた必要な支援が出来るよう工夫されています。「児童表」「個別支援計画」共に、記録する職員ごとに記録内容や書き方に差異が生じないよう、「ななつぼしマニュアル」にも記録の取り方や書き方が記載されている他、毎月実施されている職員会議において、書き方の手本となる記録を4名分選定し、職員全体で共有されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

児童憲章、第18条に基づき、「保育士の守秘義務」を職員全体で周知徹底できるよう、入職前研修で教育しています。法人の「法人規定集」において個人情報保護規定を定めており、定期的に法人内研修を実施するほか、毎日の昼礼等においても都度注意喚起が徹底されています。また、園内で使用している保育ICTシステムアプリに関しても、園外では通信出来ないように設定されています。その他、個人情報の取り扱いについては、「重要事項」として入園のしおりに記載し、保護者へ説明されています。今後、保育園独自の個人情報の規定を作成し、更なる個人情報保護のへの取組が期待されます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、子ども・子育て支援法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、保育所の理念や保育方針、保育目標を踏まえて作成しています。毎年、年度末頃に園長・主任で全体的な計画の骨組みを作成し、職員会議の中で全職員で読み合せの機会を設け、意見を集約し、反映させています。園として大切にし、全体的な計画の中でも『特色ある教育と保育』に位置づけている『インクルーシブ保育』は、3ヶ月ごとにその年度のクラスの状況や、子どもの育ちを確認し、その反省やアセスメントを通して、次年度に反映させる仕組みが整備されています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

全ての保育室に大きな窓があり、採光も良く、風通しの良い空間となっています。又、それぞれの保育室に温湿度計、空気清浄機が設置されており、常に清潔な空気が循環しています。園内の清掃は決まった時間だけでなく、適宜行われており、万が一に備え、食品添加物の消毒液や洗剤も使用しています。さらに用途に合わせて使い分けるなど「衛生」と「安全」について徹底されています。その他、クラス会」や職員会議で、定期的に保育室の生活環境について話し合うなど、園全体で「子どもの環境」についての意識付けがされています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

「子ども一人ひとりのニーズに即した保育実践」を保育方針として掲げ、日々の保育の中で子ども一人ひとりの気持ちを尊重し気持ちを汲み取ることが出来るように努めています。又、子どもの様子を保育ICTアプリを用いて、保護者と共有し、家庭環境や生活リズムも理解できるようにしています。その他、配慮が必要な子どもにおいては、毎月保護者との面談を実施し、個々に児童表や支援計画を作成しており、一人ひとりに合った保育が展開されています。法人においては、法人作成の「倫理行動マニュアル」を入職者に配布して読み合わせており、子どもとの関わり方や、言葉遣いなど入職者への教育も徹底されています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育室ごとに、子どもの育ちに合わせた保育環境が設定されています。室内外の行き来の際の、着脱スペースや、水道からテーブルまでの動線など、子どもが自分のペースで取り組むことが出来るよう工夫されています。複数で遊べるスペースの他、一人で過ごせるスペースや、休める空間も確保されており、子どもの多様性を受容できる環境が整備されています。その他、手洗い場やトイレには「手の洗い方」「排泄の仕方」の絵やカードが貼られており、子どもが自分からやろうとする気持ちが育めるよう工夫されています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

毎月のカリキュラムの計画を立てる段階から環境設定について、クラス内で話し合い、「子どもの年齢」「育ち」「個々の特性」を捉えたうえで環境を構成しています。また、毎月クラス内で話し合う仕組みがある為、多くの職員が環境構成についての理解があり、臨機応変に構成の変更や変化を加えることが出来るようになっています。各保育室、大小の仕切りでコーナーが作られており、広いスペースや、こじんまりとしたスペースの中で、子どもが自分で好きな玩具や遊びを選ぶことが出来るよう工夫されています。園庭には草木が植えてあり、そのまま隣の公園への行き来が可能となっており、大きな広場での活動や、自然と触れ合うことが出来るようになっています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

養護と教育が一体的な保育となるよう、保育所保育指針に準じてアタッチメントを大切に考え、応答的保育を展開しています。発達が著しく個人差が大きい乳児期に、子ども一人ひとりの状況に応じた保育が実践できるよう、保育士1名につき、子ども2~3名の担当制の保育を導入しています。家庭との連携は、保育ICTアプリを使用した連絡帳のほか、送迎時に情報を共有し合っており、園と家庭との子どもの様子を確認し合う中で個々にアセスメントしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの自我を大切に考え、自発的な活動を大切にしています。毎月のクラス会議では、個々の成長に合わせた環境構成が話し合われ、職員間で統一した意識が持てるようになっています。又、個々に「今」何に興味があるのかを把握するため、室内で探索活動ができるように工夫されています。その他、子ども同士の関わりが多く持てるよう、遊びや環境設定に配慮し、保育士が遊びの中心にならないように定期的に保育所保育指針の読み合わせなども行っています。家庭との連携は、保育ICTシステムアプリ「キッズリー」を使用した連絡帳のほか、送迎時に情報を共有しています。又、必要に応じて個人面談を実施しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳児対象のため取組がありません。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

施設・建物はバリアフリー化されており、様々な状況に応じた環境が整備されています。法人として「ともに生きる社会かながわ憲章」を大切に考えており、園としても保育方針に「障がいや発達に課題のあるお子さんについて、その有無を問わず共に育ちあうインクルーシブ保育を目指します」と掲げており、法人と一体となって障がいのある子どもの環境構成や保育について取り組んでいます。地域の医療機関や専門機関とのつながりもあり、「北部療育センター」「リンク療育センター」「すくすく子ども家庭相談課」などに、定期的に巡回訪問してもらい、必要に応じてアドバイスを受けるなどの関係性が構築されています。今後、保護者へ障害のある子どもの保育に関する、適切な情報を伝えるための取組が期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

個々に利用時間が異なる子どもがいる中で、異年齢で過ごす時間、集団で過ごす時間、子どもの心身の状態など様々なケースについて配慮されています。子ども目線での簡単な死角を作り、静かに過ごせるスペースや、いつでも入眠できるスペースを確保するなど、子どもに合わせて工夫しています。又、子どもの体調がすぐれない日や、疲れが見られる場合など、その日の状況に応じて、在園時間を考慮し、保育の内容も柔軟に変更しています。その他、担任が保護者に会えない場合でも、職員間でしっかり引き継ぎを行い、全職員で子どもの様子を伝えられる仕組みが構築されています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳児対象のため取組がありません。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理の基本方針を「こどもの生命と心の安定が保たれ、健やかな生活が送れることを、日々の保育の基本とします。・・・一人ひとりの子どもの健康状態・発育・発達状況に応じて、子どもの心身の健康の保持増進を図り、家庭との連携のもと、取り組んでいきます。」としています。登園時は検温のほか、丁寧に視診を行い、保護者と子どもの状態について共有しています。降園時も、「登降園簿」を使用し、どの職員でも子どもの様子を保護者へ伝えられる仕組みが構築されています。又、SIDSについて職員は園内研修で研鑽し、必要な情報を保護者にも共有しています。SIDS防止対策としては、午睡チェックの際、目視、触診だけでなく午睡チェック用体動センサーを併用し、ダブルチェックしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

大和市内の「小児科・内科」「歯科」と嘱託医、嘱託歯科医契約をしており、園内で健診を実施しています。0歳児クラスの内科健診は毎月実施され、1、2歳児クラスの内科健診は年2回実施しています。歯科健診は全クラス、年2回の実施となっています。健診時は、園内の看護師が医師からの話を聞き取り、昼礼等で職員へ説明し共有しています。保護者へは保育ICTシステムアプリで結果を報告し、個別に伝える内容がある場合は、看護師が個々に結果を記入したものを配布したり、直接説明するなど、細かな対応をしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、厚生労働省作成の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に添って、状況に応じた適切な対応をしています。食物アレルギーがある場合は「完全除去の代替食の提供」を行っていますが、法人として「誰でも食べられる食事」の提供を勧めています。その為、園内で提供される給食や、おやつには「卵を使用しない」方法で調理するなど、突発的なアレルギー発症の防止や、アレルギー疾患のある子どもが、そうでない子どもとの食事の違いを極力感じることがないよう配慮しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育年間計画書を作成し、各年齢に合わせた食育の体験を通して、食に対する興味や関心を高める取組をしています。食育の体験は保育の中に位置づけ、食材を「見る」「触れる」「嗅ぐ」など五感を使った遊びとして、子どもたちが自然に食育の活動に参加できるようになっています。その他、毎月給食会議を実施しており、クラス毎に給食の「量」「大きさ」「形状」など、細かく調理担当者と話し合い、発達に合わせた給食提供の仕組みが整備されています。又、離乳食は月齢を基準に、個々に合わせて「中期」「後期」「完了期」と3段階に分けた献立を作成して提供しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

給食の提供は、献立を保育園の管理栄養士が作成し、自園調理による手作りを基本としています。子どもの嗜好が分かるように、喫食時間に調理師や栄養士が定期的に巡回し、子どもたちの様子を見る機会を設けています。又、毎日の残食量のチェックと各クラスの喫食状況の報告を受け、調理方法や提供時の食材の大きさ、形状などを柔軟に変更し、献立や調理の工夫に反映させています。季節ごとの行事では、「こどもの日」や「ハロウィン」「クリスマス」「節分」「誕生日会」など、デコレーションされた給食やキャラクター食を提供し、旬の食材を取り入れるなどして、豊かな食体験ができるようにしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭と適切な連携が図れるよう、送迎時や、保育ICTシステムアプリの連絡帳を使用して、日々コミュニケーションを取りながら子どもの情報共有をしています。又、年一度、懇談会を開催し、クラスごとに一年間の見通しや、子どもの発達過程、保育内容を話す機会を設け、相互理解が得られるようにしています。保育参観においては、年2~3回子どものクラスを保護者が参観できる機会を設けており、参観の様子から個々の課題や成長を共有し、健全育成につなげられるようにしています。その他、運動会では「成長を共有し合う」ことを目的とした親子運動会を開催し、1年間の成長を保護者と振り返る機会としています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育ICTシステムアプリの連絡帳機能を使用した保護者とのやり取りや、送迎時など日々のコミュニケーションの中で、保護者より相談があった場合には、個別に安心して話せるよう「相談室」を設けています。個々の事情等の相談時は、必要に応じて園長も同席し、相談に応じる支援体制が整備されています。又、相談内容によっては専門機関の情報を提供したり、必要に応じて専門機関と連携して解決方法を検討しています。個別に行った面談に関しては、記録を作成して適正に保存管理をし、保護者から秘匿の希望がない場合は、職員間で情報共有して園全体で支援できるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

法人では「児童虐待・早期発見対応リーフレット」「倫理行動マニュアル」を作成し、虐待の防止や、発見の仕方・発見時の対応のほか、職員自身のどういった行動が虐待や、権利侵害となるのかを法人内研修で周知しています。又、園では、全国保育士会作成の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を毎月使用して、職員同士で互いにチェックし合い、チェック内容を園長と共有する体制が整備されています。その他、虐待や権利侵害の兆候を見逃さないよう、「日常の視診」「個々の様子」「保護者との会話」「子どもの発言」等、気になることがあった際は、職員間で共有し、すぐに検討できる体制が整備されています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育園にて「目標達成シート」を作成し、各保育士ごとに記入しています。年2回、園長との面談を実施し、振り返りを行う体制があります。振り返り後は課題改善や専門性向上に向けた研修の参加を促し、保育の質の向上に取り組んでいます。又、研修参加後は職員間で共有し、園全体の向上につなげられるようにしています。今後、保育士等が行う保育実践の振り返りを、保育園全体の自己評価につなげ、組織的且つ継続的に「保育の質の向上」に向けた取組となるよう期待されます。その他保育園全体の自己評価は「公私連携型子育て支援施設 こどもの城」として大和市のホームページに掲載されています。