社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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利正寺保育園

2022年03月29日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 利正寺保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 78(70名) 名
所在地 220-0061
横浜市西区久保町3-13
TEL 045-231-3409 ホームページ https://www.rishouji-hoikuen.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1949年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 宗教法人 利正寺
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:15 名
専門職員
園長:1 名
副園長:1 名
保育士:16 名
保育補助:4 名
栄養士:2 名
施設・設備の概要
保育室:4室
トイレ:(21.17㎡)
調理室:1(15.68㎡)
事務室:1(14.67㎡)
園庭:有(132.5415㎡)      

③ 理念・基本方針
<目的>
 保護者の方の就労や病気などの理由により、ご家庭で保育する事が出来ないお子様をお預かりし、保護者に代わり保育する。

<保育方針>
 年齢に合ったカリキュラムにより、日々保育を進めている。子ども一人ひとりの個性を尊重し、理解を深め、教育・養護の両面からその子に合わせた対応を心がけている。

<保育目標>
 集団生活に慣れ、子ども社会の中できまりを守りながら、のびのびとすごさせ思いやりのある子どもを育てる。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
真宗大谷派が運営するお寺の保育園です。年2回仏教行事として本堂に上がって、お参りをしています。普段の保育の中ではのの様の歌、食前食後の言葉を唱和し、この生を頂く事の有難さを子ども達に伝えています。
当園は設立から70年以上たち、地域の中でも代々当園に来て頂いており、地域に根ざした保育園です。裸足保育を40年ほど前から取り入れており、大地から元気を頂く保育を行っております。
子どもたちの育ちを見守る保育を目指し、職員一同日々精進して保育を行っております。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/09/01(契約日) ~2022/03/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)健康づくりのための取組を行っています
園は70年の歴史がある地域に根ざした保育園です。保育目標に「のびのびとすごさせ~」とし、その中で一貫して進めてきたのが裸足保育です。全クラスの子どもたちが室内外問わず、足の裏をしっかり使い、四季折々の移り変わりを肌で感じる事で足からの刺激をたくさん受けて成長することを願っています。足の裏をしっかり使うことで土踏まずの形成にも役立っており、体幹が鍛えられ、運動能力の向上につながります。戸外から室内に入る時はオゾン水で足を洗っています。寒さが特に厳しい時期は、戸外では靴をはく子もおり、子どもの自主性に任せています。はだしになって沢山遊ぶ健康づくりの保育を行っています。

2)食育活動を工夫して充実しています
年間の食育活動の給食提供では日本特有の伝統行事に合わせ、餅つき、おせち、七草がゆ、ひな祭り等の行事食や旬の食材を取り入れた献立を積極的に提供しています。食材をなくなるまで使う(フードロスをなくす)ことを子どもに話して梅ジュースも作っています。主食のご飯は特別に取り寄せた胚芽米を使用しています。子どもたちの関わりの活動としては野菜洗いや下ごしらえ、クッキング保育等多彩です。現在コロナ禍で中止している取組もありますが、おいしい給食提供を中心に食育活動の充実が図られています。

3)地域交流や伝承遊びの導入をしています
地域の高齢者施設との定期的な交流や町内の老人会との交流など世代間交流により、お互いによい刺激を受けあっています。また、日本の伝統行事や伝承遊びなどを大切にして実践しています。毎年12月に行われる昔ながらの臼と杵を使用したお餅つきでは、保護者も一緒に参加でき、伝統ある取組を体験できる機会となっています。今ではあまり目にすることが少なくなった羽子板を使っての羽根つきやコマ回し等日本の伝承遊びも積極的に行っています。
改善を求められる点 1)保育への組織的な仕組みづくり
今までの長い歴史の中で培われた経験や保育技術等、ノウハウをたくさん蓄積している保育園です。先輩職員の指導の下に引き継がれていますが、今後は、マニュアルの整備等誰でもすぐに確認できる仕組みづくりの構築が期待されます。職員の違い等による保育の水準や内容の差異を極力なくし、保育の一定の水準、内容を常に実現するために、保育の実施方法等の明文化や指導計画の見直しの手順の明確化等、組織的な仕組みづくりが期待されます。

2)中長期計画・事業計画の策定
経営や保育に関する中期的な目標があり、保育に関する全体的な計画・指導計画があります。理念・基本方針もとづいた中長期の事業計画、これに基づく単年度の事業計画が文書化されていません。職員や保護者と共有するためにも、保育計画を含み環境や人材育成、リスク対策などを含めた計画書の策定が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回二回目の第三者評価を受審し、改めて全職員が自分の保育を見直す機会を頂きました。その中で、保育に関してはどの職員も「子ども一人ひとりの姿に寄り添った保育」を提供している事が鮮明になりました。常勤・非常勤・派遣・資格の有無に関わらず、どの職員も子どもたちの育ちにとって何が大切なのか、を常に考え、意見を出し合い、まさに試行錯誤しながら取り組んでおり、その事を評価していただいたと捉えております。毎年のテーマである「寄り添う保育」が実践されている事を感じております。長年、培ってきた保育の良い面と弊害となっている面とが浮き彫りになった今回の第三者評価となりました。課題には真摯に向き合い、対応していく事が今後につながります。これからも職員が協力し合って子どもたちの笑顔がたくさん見られるよう、努めてまいりたいと考えております。

1)評価頂いた裸足保育等の健康づくりの取り組みは近年運動不足が取り上げられる中で、基礎となる身体づくりの一環として様々な発達の土台になると改めて感じました。当園の特色として継続していきたいと思います。
2)食育に関しても行事食や旬の食材を常に取り入れ、クッキングや土づくりから行っている野菜の栽培等の体験も子どもの育ちには大切です。自園調理を採り入れている事で、その時々に柔軟に子ども達に合わせたきめ細かな対応が出来ている事も忘れてはならないと思います。これからも食を通して子どもたちが豊かに育っていける取り組みを継続していきます。
3)地域の交流や伝承遊びについて70年を超える実績を踏まえ、地域の高齢者施設等と交流を重ねています。今後は町内会との連携を一層図り、災害等地域の強力な結びつきが必要となる場面での協力体制を構築していきたいと考えています。
 
一方、課題として求められる点について
1)前回同様今までの経験をマニュアル化し、ベテラン・新人職員のいずれの職員においても同じ保育を提供出来るような体制作りには依然として課題が残る評価となりました。経験による差は仕方ないとしても、新人職員やパート職員らがスムーズに業務にあたることが出来る仕組みは当園の保育の質の向上に直結する事でもあります。前回と比較し、衛生マニュアル、掃除等のマニュアルの作成など整備されている部分はあるものの、保育に関する手順書等といったマニュアルの整備等の整備を重点課題として進めていきます。
2)中長期計画・事業計画の策定に関しては短期的な計画はあるものの、長期的な視点による計画を文書化しておりませんでした。運営会議などで話題にはなるものの、そうしたやり取りを記録に起こすことが長期的計画策定につながるとの評価を頂いております。出生数やここ数年の当園の入所数なども鑑み、地域の実情等を踏まえた中・長期的な計画及び事業計画を策定してしていくことが施設運営をより安定したものに繋がるという視点を持ち、安定した運営に向けた努力をしてまいります。

以上の点を踏まえ、今まで培ってきた経験をどの職員でも体現できるようにするべく、業務のマニュアル化に重点を置いて取り組みます。
また安定した施設運営のため、特に長期の事業計画を早急に作成していきたいと考えます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念、基本方針は園のパンフレットやホームページ等に明記し、職員や保護者に周知しています。各保育室内にも掲示し、常に目に留まるようにしています。職員へは年度初めなど、節目に説明して周知し、理念に沿った保育を実践しています。保護者へは入園説明会で重要事項説明者を用いて説明していますが、周知が十分行き届いていません。今後は保護者への周知の工夫が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営を長期的視野に立って進めていくため、社会福祉事業全体の動向や地域での福祉に対する需要の動向について、事業経営を取り巻く環境として把握しています。市社会福祉協議会と連携し、情報を共有しています。市園長会などからも地域の情報や子どもの数・利用者(子ども・保護者)像の変化、保育のニーズ、潜在的利用者に関するデータ等の情報の収集を行っています。今後は課題を明確化し、定期的に保育のコスト分析や園利用者の推移、利用率の分析を行うことが期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

事業経営を取り巻く環境と経営状況の把握・分析は役員間で共有されています。改善すべき課題は職員に周知しています。現在、人材の確保・定着が課題となっており、職員の意見を広く聞いて検討しています。課題解決・改善のため、働きやすい職場のための取り組みが行われています。今後も継続して、働きやすい職場作りの取組が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

経営や保育に関する中期的な目標はありますが、経営環境と経営状況の把握・分析を踏まえた中・長期の事業計画と収支計画は策定されていません。理念や基本方針の実現に向けた具体的な取組を示すため、また、保育のさらなる充実のために課題解決等の目標を明確にし、中・長期事業計画及び収支計画の策定が期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期事業計画が明確に作成されていないため、単年度の事業計画は中・長期事業計画を反映したものとはなっていません。単年度の事業計画は行事計画の他目標等が示され、収支計画も適切に策定されています。中・長期事業計画、収支計画を適切に策定し、その内容が単年度の事業計画、収支計画に反映されることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の策定にあたり、会議等で子どもたちの状況を踏まえた職員の意見を聞いています。各計画の実施状況について、評価・見直しの時期、関係職員や保護者の意見を取り込めるような手順が組織として課題となっています。今後は事業計画の実施状況の把握や評価・見直し等の手順を組織として定めることが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

園の保育方針・保育目標、年間の保育計画は重要事項説明書等にも記載し保護者に説明しています。年間行事予定については園だよりに記載し配布しています。遊具の点検等も保護者に周知しています。外国籍の保護者の方には、漢字にルビを振ったり、口頭で説明するなど個別に対応しています。今後も保護者等がより理解しやすいよう工夫をすることが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

職員は保育の質の向上に向けて日々取り組んでおり、定められた評価基準にもとづいて、毎年自己評価をしています。月案組別指導計画や週案には反省・評価欄があり、職員は日々の保育について自己評価をする体制となっています。出てきた課題については職員間で共有し検討しています。組織的にPDCAサイクルにもとづく保育の質の向上に関する取組をしていますが、さらに徹底することが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

自己評価や第三者評価等の結果については、評価結果を分析した結果やそれにもとづく課題を文書化しています。月1回の職員会議や各クラスの話し合いで具体的に話し合われ、記録に残し、職員間で共有化が図られています。改善課題については、職員参画のもとで改善策や改善計画を策定し、必要に応じて改善計画の見直しを行うことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

利正寺保育園運営規程に、園長は保育・教育の質の向上及び職員の資質の向上に取り組むとともに、職員及び業務の管理を一元的に行う、と記載しています。職員会議等においても、園長としての取組や自らの役割と責任について表明し、周知しています。今後は平常時のみならず、災害時や事故発生時等における園長の役割と責任について、不在時の権限委任等を含め明確化されることが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長として遵守すべき法令等を理解し、常に取引業者、行政関係者とも適正な関係を保ち、連携を的確にとっています。園長は園長会など、様々な機会をとらえて法令を正しく理解できるようにしています。また、知り得た情報に関しては会議などを通して職員へ周知しています。職員会議などで「個人情報保護・守秘義務」等の法令遵守を周知していますが、職員全体への周知という点で周知の仕方を検討しているところです。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

職員は研修に参加し、各々のスキルアップを図るとともに学んだことを園に持ち帰り、職員間で共有しています。職員会議や各クラスで現状における保育の課題等を話し合い、保育の質の向上に務めています。園長は、定期的に各保育室を回り、助言や改善策を一緒に考えたり、指導しています。保護者とは、面談やアンケートで意見や要望を聞き取り、日頃の保育に反映しています。保育の質の向上について具体的な体制の構築が期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長はクラスの状況に合わせ、理念や基本方針に則り、子どもに寄り添った保育ができるように保育士を配置し、環境づくりに務めています。現在、衛生面から手拭きはペーパータオルを使用していますが、子ども用に通常の半分の大きさで用意して使用しています。安全面や衛生面を考える際も経費等のことも合わせて考え、無駄のないように全体で取り組んでいます。今後、経営の改善や業務の実効性を高めるためのさらに具体的な体制の構築が望まれます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

理念・基本方針や事業計画を実現するために必要な福祉人材や人員体制については具体的な計画にもとづいて取り組んでいます。各クラスの現状に応じ、必要なところに必要な人員配置をし、保育の質を考え、保育士の経験や子どもの状態も考慮して体制を整えています。新卒者の採用活動や人材確保に積極的に取り組んでいます。保育補助員も採用し、保育の質の充実を図っています。人材育成として研修等が計画通りに進められることが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

利正寺保育園運営規定に、理念・方針にもとづいた「職員の職種、職員数及び職務内容」として職員像を具体的に記載しています。「期待する職員像」について、日々のミーティングで話し合われることもありますが、職員への周知が十分でなく、分からないとする職員もいます。職員等が自ら将来を描くような仕組みづくりの明確化や採用、配置、昇進・昇格等に関する人事基準の明確化と職員への周知が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員が常に仕事に対して意欲的に望めるよう環境を整え、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。常勤職員の有給休暇の取得は100%です。休憩時間はしっかり確保し、休憩室にはコーヒーメーカーを設置し、ゆっくり休憩できるようにしています。休みの希望や急な変更にもできる限り対応し、健康診断や住宅手当等の福利厚生制度も充実しています。職員の悩み相談窓口は設置していませんが、悩みを相談できる環境です。残業の縮小等、ワークライフバランスに配慮するなどさらに働きやすい職場づくりに取り組むことが期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

利正寺保育園運営規程に職務内容を明記していますが、職員への周知が十分でなく「期待する職員像」の明確化が必要です。職員一人ひとりは目標を持って保育に取り組んでいますが、目標が明確ではないので、明確で適切な目標設定が望まれます。年度当初に個別面談を行い、前年度の振り返りをしながら話し合っています。職員の目標に対して年度途中で進捗状況の確認や助言をしています。今後は最終的な目標達成度の確認が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

求められる職員のあり方を、具体的な知識・技術水準といった点から園の研修計画として策定しています。キャリア(勤務年数)に応じて、スキルアップを図り、保育の質向上へと繋げる研修を受講できるように研修計画を策定しています。今後は、定期的に研修内容とカリキュラムの評価と見直しを行うことが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの知識や技術水準、専門資格の取得状況、勤務年数等を把握したうえで、研修計画をたてています。主任クラス、新人向け等、外部研修にも積極的に参加しています。内部研修も防災・防犯・救急等を実施しています。平日の日中の研修は、人員調整を行い、人員確保できる時に参加しています。人員状況から、交代で研修に参加していますが、非常勤も含めた全員の研修参加は難しい状況です。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生を受け入れる際は、実習生受け入れマニュアルに沿ってオリエンテーションをしています。実習生も各クラスにおいて、特性に配慮しながら部分実習等を行っています。学校側とも連携をとり、良い点や気になった点を伝え、実習生の効果的な育成に務めています。担当者は副園長です。指導者に対する研修は実施されていませんので、実施が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページには、園の理念・基本方針、保育内容について適切に公開していますが、予算や決算情報は公開していません。園に対する苦情や相談については、苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員等を設置し、内容は個人情報に留意しながら公表し、対策・改善に務めています。園紹介や食育の取組は不定期ですが、区役所や区広報等で紹介しています。今後は園だより等を外掲示板に貼り、地域に向けて発信する予定です。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園内における事務、経理(会計処理)、取引等については、会計責任者と園長で二重チェック体制により問題が発生しないようにしています。外部の税理士と連携し、必要に応じて相談し助言を受けています。園における事務、経理関係の職務分掌と権限・責任が明確になっていません。職務分掌と権限・責任を明確にし、職員等に周知されることが期待されます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域へは、ホームページやメール等で園の行事や活動、保護者向けのイベントやセミナー等について情報発信しています。地域の子ども(親子)に園庭開放をしたり、町内の夏祭りに参加したり、地域の高齢者施設への訪問による世代間交流など、子どもと地域の交流を広げる取組をしています。コロナ禍においても近くの公園での運動会リハーサルに地域の老人会の方を招待したり、高齢者施設から高齢者が折った折り紙が届いたりと、できる範囲で交流をしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアに関しては、保護者会で音楽ボランティアを呼んだことがありますが、今のところ、それ以外のボランティア受け入れはしていません。園は子どもに関する知識と専門性を有する地域の社会資源として、地域の学校教育への協力を行い、中学生の職業体験の受け入れをしています。地域の人々やボランティアは地域社会と園をつなぐ柱の一つと考え、ボランティア受け入れの検討が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

ようと、子どもや家庭の状況によって、区や療養機関と連携をとり対応しています。療育機関の巡回指導や保健師の訪問、連絡等を定期的に行い、児童相談所とも連携を図っています。お迎えや食事などに困難な家庭を支援する区の児童家庭支援サービスとも連携をとって支援しています。職員会議で説明し、情報漏洩のないよう周知したうえで職員間で情報共有しています。今後も、地域の関係機関・団体と連携・協働し問題解決の継続が期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

給食に関して、地域(区)施設・団体との会合が定期的に行われています。そこで、親の育児能力の低下等地域の子どもの問題点の課題が挙がり、それに対して対応し取り組んでいます。地域の高齢者施設の訪問を重ね、世代間交流によりお互いによい刺激を受けあっています。園庭開放や園見学も行い、育児相談にも応じています。コロナ禍で中止しているものもありますが、園が地域住民にとって身近な頼れる存在であることの積極的な発信が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の高齢者施設との交流は定期的に行われています。訪問したり、園の行事に参加してもらったり積極的に交流をしています。地域の小学校や町内の老人会等にも園の行事に招待等して交流をしています。防災対策として備蓄を用意し、近隣住民用としても多めに準備しています。地域に向けて育児相談や園庭開放をしていますが、利用者が少ないのが現状です。園庭開放に参加しやすい環境づくりや情報発信の工夫などで地域の子育て支援の場所となるように努力していくことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育理念、保育方針に子どもを尊重した保育の実施について明示され、全体的な計画にも子どもの人権尊重の配慮が示されています。文化の違い、発達状況、生活環境の違いなどがある中、個々の子どもにとって最善の方法で保育が行われています。毎日のミーティングや会議で子どもの状況を把握し、職員間で連携しています。文化の違いによる食べ物や服装、カタカナやひらがなの表示(園からのお便り)等互いを尊重する心を、子どもだけでなく保護者にも理解を図る取組をしています。今後一人ひとりを尊重した保育について職員全員で共通の理解が持てるよう研修を行っていく事が期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

プライバシー保護に関してマニュアルの整備はまだ行なわれていませんが、職員は意識をもち保育を行なっています。写真掲載については入園時に写真掲載承諾書を提出してもらい、行事のDVDの販売でも重ねて注意文書を添える等徹底しています。プライバシーが守れるよう周りを気にせず落ち着けるスペースやクールダウンする場所としてパーテーションを活用し、快適な環境を作っています。トイレも年齢に合わせ戸びらをつけプライバシーに配慮した環境となっています。今後、マニュアルの整備や研修が行われることが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

保育所を紹介する資料としてカラー刷りパンフレットがあります。保育目標、方針、概要、年間行事や略地図がカットで入り、よく分かる内容になっています。又、ホームページや区の子育て支援センターに園の紹介を掲示しています。保育所の利用希望者については見学者の希望に沿った日時に合わせ、時間をかけ園舎内外を説明しています。現在積極的な情報提供は行われていません。さらに、情報内容の見直しや保育所選択に必要な資料等の検討が期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育開始時の面接では園のしおりや重要事項説明書で園生活の内容を詳しく説明し、持ち物の説明も分かりやすく理解できるようにしています。アレルギー児や配慮が必要な子どもの入園説明では子どもの状態に応じて説明をしています。入園説明の最後には同意書を提出してもらい確認をとっています。進級時は懇談会を通じて、保育時間、就労先の変更では資料や書類を用いて説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更においては転園先との引き継ぎ文書は交わしていません。問い合わせがあった場合は対応していく予定です。卒園時に、保護者はいつでも保育園に相談できる事を口頭で伝えていますが、相談方法や担当者について分かりやすく説明した文書は作成されていません。今後、文書が作られる事が望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で、子どもの表情や声かけの反応、言葉のやり取りや遊んでいる様子を観察し、楽しく園生活を送っているかの確認をしています。保護者に対しては送迎時をはじめ年2回の懇談会、個人面談で要望や思いを受け止めています。餅つきやフリーマーケットにも参加しています。行事後に保護者アンケートを実施しています。遠足の場所や持ち物の見本の依頼、生活発表について等の意見があり、職員で検討し改善に繋げました。今後、担当者や結果を把握する検討会議など仕組み作りの構築が期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「苦情解決要項マニュアル」があり、苦情解決の体制が整備されています。入園面接で苦情の申し出が出来る仕組みや第三者委員について説明をしています。苦情の申し出があった場合は職員会議で話し合い、検討内容や対応策、改善策をプライバシー保護に考慮し、保護者了解のもとに、メール配信し、公表しています。入園時に仕組みを説明していますが更に浸透させるために、苦情解決の仕組みを分かりやすく説明した掲示やご意見箱の設置等が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者には入園時の重要事項説明書で相談事があればいつでも誰にでも相談できる仕組みを説明しています。また、日々の送迎時に意見を述べやすいように配慮しています。相談の時は、落ち着いて相談しやすいよう事務室や他の保護者の出入りのない保育室でカーテンを利用してじっくり話せるように環境を整えています。園長はじめ職員の誰にでも相談出来る事を分かりやすく説明した文章掲示や文章配布等の取組を進めることが望まれます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

アンケートや個人面談は全家庭を対象に実施し、保護者から意見、相談を受けた場合は直ぐに主任、園長に伝え迅速に対応出来るようにしています。意見や相談内容によっては話し合いや検討が必要な場合も保護者にその旨を伝え対応しています。保護者調査では満足の評価を得ています。相談や意見に対する対応の手順などをマニュアルとして明確にし、定期的に見直すことが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントは園長が責任者となり体制を整えています。各保育室に事故発生時の対応について手順が掲示され、職員の周知を図っています。事故やケガが起こった場合は、職員間で発生の原因、対応方法、再発防止策を検討しています。ヒヤリハットも記録に残し、安全確保についてミーティングを行っています。毎朝外遊び前に施設内の安全点検を行っています。今後、安全確保や事故防止について職員研修を実施する時間を確保する事が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症予防に関しては消毒、手洗い、嘔吐処理等感染症の対応マニュアルがあり、感染症対策を周知徹底して行っています。特にコロナ感染予防の消毒は手や指が触れる場所を中心に保育室や玩具などこまめに行い、職員も消毒液を携帯しています。子どもの検温は1日3回(登園時も含む)行っており、食事の際、幼児クラスは黙食を心掛けています。感染症が発生した場合はメールや掲示などを出し、保護者に情報提供しています。嘔吐処理の研修は書類で行っています。今後も感染症の予防と発生時の対応研修やマニュアルの見直しが行われることが期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

「災害対応マニュアル」があり、発生時の体制が整えられています。年間避難訓練計画にもとづいて、月1回、火災、地震など様々な災害を想定して実施し、振り返りを行っています。園は洪水高潮浸水想定区域内で、年1回災害訓練も行っています。火災訓練では消防署との合同訓練や保護者引き渡し訓練も行っています。防犯訓練は課題となっていますが実施予定です。子ども、保護者、職員の安否確認体制はメール一斉配信を行っており、さらに工夫が検討されています。食料や備品等の備蓄に関しては十分確保し、毎年賞味期限の点検を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

感染症、個人情報管理、事故防止、苦情解決等の実施方法は文書化されています。子どもの尊重、プライバシー保護、子どもの権利擁護に関する事項は運営規定に明示されています。標準的な実施方法は職員会議、昼のミーティング、研修で園長、主任が主になり直接口頭で指導を行っています。個人面談、自己評価チェック表、実際の保育場面でも個別に助言を行い、標準的な実施方法を指導しています。今後、保育マニュアル等の文書化を整備していく事が期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

マニュアル類は年度末に見直しが行われ、次年度に生かしています。日々の保育で標準的な実施方法や手順の見直しは、適宜毎日のミーティングでの話し合いやクラス会議、定期的に行われる指導計画会議等で行っています。保護者からの提案や意見も出来るだけ参考にしていく仕組みも含め、今後標準的な実施方法の見直しの仕組みづくりが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

各クラスの担当職員が全体的な計画をもとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。各クラスで作成された指導計画は主任、園長の確認のもと、職員会議で決定されています。又、配慮が必要な子どもの個別指導計画は検討を行ったうえ、クラスの指導計画と連動しています。栄養士等の意見を参考に作成する事もあります。今後も責任者である園長を中心に、計画、実行、評価、改善(PDCAサイクル)による指導計画が適切に作成されていく事が望まれます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画の見直しは、各クラスの保育実践後に年間計画、月案計画、週案とそれぞれ時期は異なるものの、定期的に行われています。見直しは職員会議で行われ、全職員が記録を確認できるようになっています。緊急に指導計画の変更が生じた時はメールや掲示によって周知しています。評価、見直しをした結果は、次回に生かしています。課題の抽出がまだ十分とはいえず、今後は、課題も明確にした定期的な評価、見直しの仕組みづくりが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活の様子は児童票、健康記録、保育日誌の統一された様式にパソコン入力し、記録されています。内容は主任、担任、パート職員に周知され、職員は共有しています。個別指導計画も同様の手順で行われています。記録内容や書き方については職員間で差異が生じないように努めていますが、それぞれの職員への個別指導がまだ十分ではなく、今後記録要領の作成や職員指導の工夫が望まれます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

子どもに関する記録の管理はパソコンはパスワードにて管理されており、DVDの持ち出しも禁止されています。紙ベースの書類は鍵のかかる書庫にて管理を行っています。個人情報が載っている紙ベースの書類はシュレッターで廃棄しています。保護者に対しては入園の際に個人情報の取り扱いを説明しています。写真掲載に関しても許可確認を取っています。職員は職員会議の中で服務規程を厳守することは伝えていますが、個人情報保護規程に関する研修が今後行われていく事が期待されます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は児童福祉法、保育所保育指針の趣旨にもとづき保育理念、保育方針、保育目標が明示され年齢ごとに養護内容、教育内容が記述されています。社会的な責任、子どもの人権尊重、説明責任、個人情報の保護、苦情解決、健康管理、環境衛生管理、安全対策、事故防止、災害への備え、職員の資質向上、子どもの発達過程、長時間保育、子育て支援等の項目の計画をもとにして各年齢の計画を園長が作成しています。作成後、職員会議で検討、確認が行われています。年度末には振り返り、見直しを行い次年度に生かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

室内では温湿度計、エアコン、空気清浄機、CO2測定器を各クラス整備しており、定期的に換気を行い、子どもにとって適切な環境に配慮しています。室内外、玩具等も一日何度か消毒を行い、職員は各自消毒薬を携帯して感染防止に努めています。登園時も含め1日3回の検温、食事時も透明の衝立を設置し黙食を行っています。パーテーションや衝立を工夫して仕切りを作り、特に配慮の必要な子にはゆったりと落ち着ける空間づくりを工夫しています。手洗い場やトイレも掃除が行き届いて清潔に保たれており、洗剤なども手の届かない所に置いて安全に配慮しています。子どもが生活しやすく安全で心地よく過ごせる環境作りが整備されています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

入園面接時に子どもを取り巻く家庭環境や発達状況の確認を行い、個人差を把握しています。ありのままの自分を表現できるように子どもの欲求を受け止め、子どもと関わる保育を行っています。表現する力が十分でない子どもや配慮が必要な子どもに関しては、一人ひとり気持ちを汲み取るように対応しています。個々の子どもの状態に応じた対応や言葉かけを行っていますが、クラス全体での保育活動や生活の切り替え時にせかしてしまう場面があり、園長が指導を行っています。今後、職員同士お互いに注意し合っての保育を進める事が期待されます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣は一人ひとりの発達に合わせて進めていく事を大切にしています。食事、着替え、トイレトレーニング、睡眠、片付け等、自分でやろうとする気持ちを大切にして見守り、援助し、出来た時の自信へとつなげています。トイレトレーニングは家庭の考え方もあり各家庭の意向に合わせています。5歳児は午睡をなくしています。生活習慣については家庭の考えが様々で、話し合い、理解、連携の検討がされています。保育活動の中では生活習慣や病気について、大切さを伝えられるように紙芝居や職員の話、クラス内の掲示も行い、子どもが理解できるように働きかけています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

各保育室には発達に合わせた玩具類が多くありますが、スペースの関係で一部は収納されています。自由遊びの際は職員の声かけにより何種類かの玩具を出して遊びが始まります。絵本類は自分で取り出せるようになっています。園では開園当初よりはだし保育を積極的に行っており、丈夫な体作りが特徴となっています。裸足で過ごすことにより土踏まずの形成や季節の移り変わりを肌で感じられるようにしていますが、冬場は子どもの自主性に任せ靴を履く子、はだしの子と様々です。子どもの主体的な活動が出来るよう、子どもの気持ちを大切にして禁止事項はなるべく少なくして見守っています。歴史のある園で地域とのつながりが沢山あり、コロナ禍の現在でも、高齢者施設の方が誕生会にプレゼントを持って来て下さるなどの機会もあります。更に子どもが主体的に活動し、自主性、自発性を伸ばしていけるような環境づくりの工夫が期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

0歳児クラスがないため非該当。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

園は1歳児クラスはなく、2歳児からの受け入れを行っています。職員は子どもの発達状況、家庭環境、性格を考慮して個々に対応が出来るように心掛け、子ども同士の関わりを大切にしています。一人ひとりの発達段階の中で、自我の育ちが著しい年齢で、時として物の取り合いでけんかが生じることがありますが、噛んだり引っかいたりすることがないように配慮し仲立ちをしています。保育室の手洗いの位置を移動したことにより、保育の動線がスムーズに行えるよう環境整備をしています。家庭とは連絡ノート、健康手帳、出欠席ノートや送迎時を使って子どもの様子を伝え合い連携が取れるようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児はままごとごっこやブロック遊びが盛んで、子どもが興味、関心ある遊びに安心して取り組めるようにしています。4歳児は友だちと教え合って遊んだり、友だちが困っている時には声をかける等友だちと楽しんで遊ぶ姿が多くみられます。5歳児は鬼ごっこ、集団遊びが盛んで、ルールを決めて守って遊ぶ楽しさや、協力して遊びを進めていく姿があります。縄跳びや羽根つき、コマ回し等日本の伝統的な遊びも積極的に行っています。全体での活動としては縁日ごっこ、運動会、生活発表会等、異年齢との関わりも持てるような保育を行っています。その他に週1回講師を招いての体操教室や4、5歳児対象の英語教室なども行ない、裸足保育を中心に様々な保育活動を積極的に展開しています。活動は園だよりや日々降園時に保護者に伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

現状の保育環境の中で可能な障害児の受け入れを行っています。現状の環境整備の工夫としてパーテーションや衝立を利用して落ち着ける空間を作り、個々に合わせた配慮をして保育を行っています。子ども同士の関わりが持てるようにしたり、好きな玩具で落ち着いて遊ぶ等、その子その子に応じて対応しています。障がいの状況に応じて個別指導計画を立て、クラスの指導計画と連携をもたせています。保護者とは個人面談を行うとともに専門機関と連携して療育センターの巡回指導を依頼しアドバイスを受けています。職員は障害児保育について研修を受け、知識や情報を得ています。保育園の入園面接で重要事項説明の折、障害児保育を実施している保育園である事を全保護者に周知しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中に長時間等在園時間を考慮した保育についての取組が明示されています。登園から降園まで1日の生活を見通して無理なく過ごせるように、朝夕の延長保育時間の保育はまず落ち着いてゆったり過ごせるように配慮しています。コロナ感染防止の観点から異年齢児合同保育は減っていますが、年齢にあった玩具や子ども番組を見たりして落ち着いた活動が出来るように工夫をしています。夕方の保育時間の長い子どもは夕食に支障ない量の牛乳、お菓子の提供を行い、生活リズムに配慮して過ごしています。職員間の引き継ぎは連絡ノートを使い連絡漏れのないようにしていますが、子どもの状況については全職員と共有できない時や降園時のお迎えが代理の人の場合に連絡漏れが生じがちとなっています。今後引き継ぎの仕方や方法の工夫が望まれます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

小学校との連携は全体的な計画に明示され、5歳児の計画にも就学前を見通した実施内容が示されています。従前は1年生との交流、学校の運動会、文化祭の参加、保育行事などの案内、小学参観日への参加、幼保小連絡会議等が行われていましたが、コロナ感染予防により交流は行われていません。 就学に向けて、食事では自分の食べられる量を自分で決め時間内にお箸で食べる事など生活リズムを身に付けられるようにしています。文字への関心や時計を意識した声かけも行っています。保護者には個人面談を通して見通しが持てるよう働きかけ、助言を行っています。5歳児担任は保育所児童保育要録を作成し、園長の確認のもと学校へ送付しています。コロナ感染予防状況の中ですが、交流方法を工夫して小学校との連携を図ることが期待されます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

「年間保健計画」「年間健康管理内容」や全体的な計画の中の健康管理項目にもとづき、健康管理を適切に行っています。毎朝保護者からの聞き取りや健康カードで体調をチェックし、登園時と日中に2回体温を測り子どもの健康状態を確認しています。子どもの体調変化や受診が必要なケガについては保護者に連絡を取って対応しています。小さなケガについても降園時に伝えています。保護者には保健便りの配布や1人でも感染症が発生した場合の掲示等、状況に応じて情報提供し健康管理に関する啓発を行っています。入園前の既往症や予防接種の状況は入園時に把握しており、入園後は毎月身体測定、年2回健康診断や歯科健診、年1回尿検査、視聴覚検査(4歳児対象)を実施し、子どもの健康管理を適切に行っています。園は2歳児からの受け入れのため、乳幼児突然死症候群予防の午睡時呼吸確認の記録は行われていませんが、目視による確認は行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断、歯科健診、尿検査、4歳児対象の視聴覚検査等の健診結果は健康台帳に記録され、職員はいつでも確認することができます。保護者には健診を行った日に健診結果を知らせ、受診が必要な症状がある場合は個々に伝えています。健診に対してあまり関心がなかったり、欠席がちの保護者もいるので啓発方法を工夫することが望まれます。健康診断や歯科健診等健診の前後に紙芝居、絵本にて健康づくりに関する内容を保育の中に取り上げていますコロナ禍以前は歯の磨き方の園医によるブラッシング指導もありました。保健に関する指導計画に健診結果を反映させた保育が行われています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

横浜市の「アレルギー児対応ガイドライン」マニュアルをもとに子どもの状況に応じて対応を行っています。入園時の面接で医師からの診断書をもとに除去食品の確認を行い、入園後は毎月保護者、担任、栄養士の三者で献立表を見ながら除去食、対応食の確認をしています。食事の提供時は誤食を防ぐため、トレイ、食器は専用のものを用意し、栄養士と保育士でダブルチェックをしています。アレルギー疾患の保育を実施していることは入園時の重要事項説明書で保護者全体に説明しており、他の子どもにも状況に応じて話をする事があります。慢性疾患も同様に医師からの指示書をもとに対応する体制があります。今後はアレルギー疾患や慢性疾患に関する研修を園内、園外で受講し知識、情報を得ていく事が望まれます。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食に関する豊かな経験や食事を楽しむ事が出来るよう「食育計画」があり、年間の取組が明示されています。全体的な計画の中にも食育の項目があり、様々な食育活動が行われています。トウモロコシの皮むき、そら豆の下ごしらえ、野菜の栽培、カレーパーティーの時は野菜の皮むきや野菜切り等を積極的に行っていますが、現在コロナ禍により食育活動は一部制限しています。本来、食事は体を沢山使い、お腹をすかせて友だちと一緒に食べる楽しい時間となることをめざしていますが、コロナ感染予防により今は衝立を設置しての黙食としています。配膳は職員が個人差や食欲に応じて個々の子どもに適した量で提供しています。食器は強化磁気食器を使用しスプーン、お箸は年齢や発達に応じたサイズを用意しています。写真入りの献立掲示や年2回の給食だより、レシピ紹介、毎月の献立表等食生活や食育に関する取組を家庭と連携して行っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立は日替わりメニューとなっており、旬の食材を使用した季節感のある献立となっています。餅つき、七草がゆ、ひな祭りちらし等の行事食も取り入れ、おいしい食事を提供しています。一人ひとりの好き嫌いや食べられる量を記録して把握し、無理強いしないようにしています。給食日誌には検食記録、喫食状況、残食量を記録して献立や調理の工夫に生かしています。又、毎日のミーティングで子どもの様子を話し合う事で調理方法や味付け等献立の改善に繋げています。栄養士は各クラスの食事の様子を観察して嗜好や食事量を確認したり、4、5歳児対象にボードを使って献立の食材や栄養の話をする機会を作っていますが、現在はコロナ感染予防の為中止しています。調理室の衛生管理はマニュアルにもとづいて適切に行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

2歳児は連絡帳で体調やその日の出来事を確認しています。3歳児以上はホワイトボードで「今日のできごと」を保護者へ伝えています。日々の送迎時を大切にして、家庭での様子を聞いたり、その日の子どものエピソードを伝えたり、保護者とコミュニケーションを取り、信頼関係を築く努力をしています。年に2回の保護者会では、日々の保育の様子をビデオ上映して好評を得ています。希望者には保育参観も受け付けています。運動会や発表会、懇談会、個人面談などの機会をとらえ、園の保育の方針や日々の保育について保護者にわかりやすく伝えています。保護者の聞いてみたいことを吸い上げる工夫を検討しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

送迎時に園での1日の様子や家庭での様子を保護者と伝えあい、信頼関係を築く努力をしています。保護者に対する支援は園の重要な役割と考え、何かあればいつでも相談に応じることを保護者へ呼びかけています。相談には、その都度応じられるようにしています。クラス担任が相談を受けると、主任や他の詳しい職員に助言をもらいながら対応しています。内容によっては主任へつなぐこともあります。相談内容は、副園長、主任に報告し、助言を受け、適切に記録しています。保護者が安心して子育てができるよう支援に取り組んでいます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員は、子どもの状態などに気になることがあれば、すぐに副園長、主任に報告、相談をしています。虐待が疑われた場合は、さりげなく写真を撮ったり、子ども自身に話を聞くなどし、様子を観察しています。児童相談所とはいつでも連絡が取れる体制があります。また、子どもの様子だけでなく、保護者や家庭の様子等、気になることがあれば、こちらから声かけし相談に乗るようにしています。区からの情報で事実確認が取れていない不確かな情報や確実な情報についても全職員で情報共有し、対応について話し合っています。権利侵害の対応マニュアルの整備とマニュアルにもとづく職員研修の実施が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

各クラスの話し合いを毎月行い、良かった点や改善すべき点を確認しながら月案、週案を立案し、子どもへの対応や保育について共通認識のもとで保育を進めています。日々の日誌でも子どもの意欲や取組の過程について記録しています。毎日のミーティングや会議で保育を振り返り、反省点や改善点を話し合っています。運動会や発表会等で保育士の関わりや成長についての考察、反省、評価等を振り返りに繋げています。保育士一人ひとりの自己評価は、年度末の会議で振り返り話し会うこともあります。園の自己評価は年度末に行っています。保育士等の自己評価は個別に行うだけでなく、職員相互の話し合い等を通じて行い、一人では気づけなかった保育の良さや課題の確認に繋げることも大切です。保育士の自己評価を園全体の自己評価に繋げ、組織的・継続的に保育の質の向上に向けた取組を行うことが期待されます。