社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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南さいわい(ユニット型)

2020年04月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム南さいわい(ユニット型) 評価対象サービス 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 42 名
所在地 212-0016
川崎市幸区南幸町3-149-3
TEL 044-542-3695 ホームページ https://www.misasakai.or.jp/shisetsu/minamisaiwai.php
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 三篠会
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:14 名
専門職員
医師:2 名
看護師:8 名
管理栄養士:1 名
調理員:8 名
施設・設備の概要
(居室数)42室:(設備等)個浴8か所、特殊浴槽2か所、 共同生活室8か所

③ 理念・基本方針
法人理念:歩・実・心
施設方針:利用者本位(子どもたちやおとしよりのことを中心に物事を考える姿勢)
    外部意識(保護者・家族地域・ボランティア等お越しくださった方へのおもてなしの心や関わる姿勢)
     お互いさま。(職員関係:お互いを尊重する)
     チャレンジ。(ベストサービスへの挑戦:一歩前に踏み出す気持ち)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・ノーリフティングケアを施設全体で進めており、年間計画の基、1回/月実施している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/05/16(契約日) ~2020/03/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ①生活リハビリを積極的に取り入れ、心身の活性化に取り組んでいる
・日常生活の中での機能訓練に力を入れており、食事の自力摂取や日ごろの立ち上がり、車イス自操の機会が増やせるようにしている。ユニット内の短距離の歩行(トイレへの誘導など)や立ち上がりなどの生活リハビリを介護職員と一緒に行うようにしている。また、出来る限り、利用者の力を引き出せるよう、手引き歩行したり、車イス自操してもらいリハビリ以外でも日常の中で機能が維持できるよう努めている。
②プライバシーや羞恥心への配慮については利用者からも高い満足が得られている
・入居者の居室に入室する際はノックをしてから本人に声がけをし、入室するように心がけている。また、入浴に関しては個浴で入れるようにシステムを変えた。入浴の時間の変更、食事時間の変更等、入居者に直接意見や希望を聞いて対応している。日々、職員は入居者に対する言動には注意を払い注意し合えるように努め、プライバシーや羞恥心への配慮を心がけている。利用者調査の、尊厳の尊重に関する各設問においても高い満足度が得られており、施設の取り組みが浸透しつつあることが確認できている。
③快適で安全な環境整備に取り組んでいる
・各ユニット内はゆったりとした生活スペースが確保され、採光も十分取り入れられ快適な空間が整備されている。車イスの利用者にも自操できる場所が確保されており、快適性と安全性に考慮した環境が整備されている。サービス担当者会議において検討を行い、コミュニケーションが図りにくい利用者にも適切に対処できるように取り組んでいる。また、離床を促がし共有スペースで生活してもらうことにも取り組んでいるが、居室で自分の時間を過ごしたり、ベッドで好きな時間に横になったりすることもできるようにしている。
改善を求められる点 ①日常生活を楽しんでもらう機会を充実させることが望まれる
・施設全体として行われる歳時記にちなんだ催し物など、利用者が楽しめる行事やイベントなどが施設全体や各ユニットごとに年間を通じて計画されている。ボランティアの協力を得て、音楽などの演奏会を定期的に開催している。ユニットごとの体操などのプログラムも適宜取り入れ、心身の活性化に取り組んでいる。ただし、家族アンケートの自由意見欄には、日常生活の中で楽しめる機会を充実して欲しいとする声が複数聞かれている。
②ケアマネジメントの質の向上を目指されたい
・利用者の心身状況や生活状況は、多職種がPC介護支援ソフトの「介護明細」に記録することにより情報を共有している。ケアマネジャー、管理栄養士、看護師、介護職員が参加するサービス担当者会議を定期的に開催しており、課題を抽出しケアプランに明示する流れとしている。ケアプランは短期目標終了時期の半年に1回、見直しの時期としている。適切なケアマネジメントの仕組みや流れになっているが、利用者本人や家族が出席するサービス担当者会議の開催や、モニタリングの根拠となるような日々の記述をすることが望まれる。
③事業報告書と計画書で計画と達成状況が判るような記載が望まれる
・事業計画書に記載されている個別事業では具体的な数値目標が記載されていないものもあり、事業報告書の総括も曖昧になることが想定される。数値目標として掲げ達成状況が判るような記載が望まれる。また、利用者アンケート等で把握した意向や要望についても、結果や具体的な施策を事業計画書上で明示し、連続性を明確にすることも望まれる。さらに、事業計画上の取り組みが以前からの継続的なものか新たに取り組んだ物かを明示することも必要とされる。事業報告書と計画書の記載事項を整理し、計画と達成状況を関連付けることが望まれる。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・今回の第三者評価を通じて施設が目指していることは、着実に具現化されつつあることが確認できております。家族アンケートの結果につきましては高い満足度をいただいており、安定したサービスを提供できていると思われます。ご利用者やご家族の意向や要望を反映したケアプランのもとに利用者一人ひとりの個別支援に特に力を入れております。また、「さらなる改善が望まれる点」につきましては、施設一丸となっての取り組みに努めます。地域や関係機関との連携を図りながらサービスの向上に努めます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・法人理念として「歩・実・心」(あゆみのこころ)を掲げており、単年度事業計画の運営方針に骨子を落とし込んだり、個人目標を作成する際の指針としている。
・法人本部が新人研修において法人理念や基本方針などを説明し周知に努めたり、施設長が年初のリーダー会議において事業計画を説明する際にも法人理念に触れ、理解を深めてもらえるようにしている。
・施設方針は人事考課制度の上下期目標記入シートを通じて、職員への理解を促している。さらに、施設内に掲示し、利用者・家族・関係者の目に触れるようにしている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・事業経営については、毎月2回開催している定例会議において、現状の報告と課題の共有、具体的解決案の検討を行っている。
・施設全体の運営については、理事長、施設長、副施設長、事務長などの出席のもと3か月毎に開催している会議において検証することにしている。さらに、収支報告書を作成して毎月本部に報告しており、経営状況をまとめる中で前年実績及び予算と比較してそれぞれ差異を把握している。
・利用者(家族)などの意向や要望は面談において把握し、近隣地域や業界の動向などは各種会議、会合に参加して情報収集に取り組んでいる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・経営層は理事長や関東ブロックエリア長と定期的に運営会議を行っており、会議の中で収集した業界動向などの各種の情報を収集して、施設として取り組むべき経営課題を明確にしている。これら課題を解決するための具体的な取り組みを単年度事業計画の中に盛り込み、目標達成を目指して日々業務を遂行する仕組みが整っている。
・毎月のリーダー会議で各部署の課題を検討し、衛生委員会で職員健康状態、職場環境の改善に取り組んでいる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として中長期的なビジョンを掲げており、達成するために利用者への支援の在り方や支援体制を運営方針・支援方針として具体的な項目(個別支援計画、自立・自主性の助長など)をケアプランとして策定している。
・毎年作成している事業計画書に長期的な展望も盛り込んでいるが、さらに毎年、達成状況をトレースするまでには至っていないことを課題としている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として中長期事業計画を策定しており、「基本方針」「重点事項」などを明示している。
・施設では中長期計画を踏まえて年度ごとに単年度事業計画を策定している。本年度の事業計画書には、運営方針をはじめ、独自の状況に合わせた単年度の計画を策定し、施設の課題解決に努めている。
・年度末には当該年度の事業を総括して、事業報告書を作成している。事業報告書の記載事項については、「当初計画の達成状況や乖離、未達成事項」などを詳しく記載し、年度を振り返られるようにすることも望まれる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業の進捗状況については月単位で収支や業務遂行状況を把握し、運営概要としてまとめ毎月本部に報告している。
・運営概要を策定する過程で、各課題に対する取り組み状況を把握することができるようにしている。各部署毎の計画については前年度実績値と比較できるようにしたり、予算実績比較表で費目別に進捗率などを把握できるようにしている。
・事業の進捗状況については月単位でトレースし、必要に応じて情報や下方の修正を図るなど適切なマネジメント体制が整っていることはうかがえる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

・現在、利用者や家族に対して、直接担当者などから事業計画の説明などは行われておらず今後の課題としている。ただし、事業計画書や報告書は施設の事務所に常置しており、いつでも閲覧できるようにしている。
・WAMネットには法人定款などを掲載していることから、法人のホームページにも事業計画書や報告書を掲載することも検討されたい。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・施設運営全般を検証するリーダー会議に加え、各種の専門委員会(褥瘡予防・栄養管理、サービス向上、ノーリフティング推進、衛生、業務改善、リスクマネジメント・身体拘束廃止)を定期的に開催し、それぞれのテーマに沿って検証や改善に取り組んでいる。各種委員会を通じて、福祉サービスの質の向上について組織的に検討する仕組みができている。
・施設全体を対象に、ノーリフティングケア研修(座学・実技)を年間計画を策定し実施しており、施設長、相談員を含め、組織的に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・業務推進のフレームとしては、リーダー会議において課題を明確にし、各委員会において個別案件に取り組む際の方向性を示唆することにしている。
・年間を通じて法人内、地域、施設内などの各種の研修に参加できるようにしており、それらの研修参加を通じても計画的な業務改善につなげている。
・相談員と介護統括主任が参加して各種の課題を検討する定例会議をはじめ、各種の委員会において課題に対して計画的な改善策を検討し、実施につなげている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・リーダー会議で管理者の役割と責任、法人及び施設の方針等を表明し、周知している。
・リーダー会議、定例会議、各種委員会、朝礼等、組織として運営について協議する場及び周知する仕組みができている。
・リーダー会議では理念などを実現するための役割と責任、それに基づき進むべき方向性を職員に伝え施設運営をリードしている。
・職員との個別面談の際にも自らの役割などを共有することにしている。
・各種の施設内研修の場を通じて、職員自身が全うすべき自らの役割と責任についても説明し理解を深めてもらえるようにしている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人本部が主管する入職時研修では、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などの基本を説明し周知に努めている。
・コンプライアンス関連の規程などを常置しており、職員は何時でも閲覧して再確認して理解を深めることが出来るようにしている。
・リーダー会議や施設内研修等を活用したり、部署や職務によっては外部研修に参加を促したりして、専門的なコンプライアンス知識習得に取り組んでいる。
・リーダー会議で遵守すべき事柄の周知を行うとともに、各種研修を通じても理解を促している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・サービスの質の向上のために様々な面からケアプランを考察しており、関係機関との情報交換や家族との関わりを深めるようにしている。
・利用者一人ひとりのニーズに応じたサービスの提供や相談体制を整えている。これら施策を実行するためにも研修参加などを通じて職員の人材育成にも取り組み、安定した事業運営ができるよう指導力を発揮している。
・ノーリフティングケア研修では、管理者も参加して職員に対して組織として推進していることの理解を率先して示している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・利用状況を踏まえた予算を立て、改善の必要な部署にはニーズに合ったサービス提供が行えるように業務の見直しに取り組んでいる。
・月単位で収支や業務遂行状況を把握し、各部署ごとに計画立案した各案件について前年度実績値と比較できるようにしている。さらに、予算実績比較表で費目別に使用率および進捗率を把握できるようになっている。
・現在の取り組みがすべて正しいと考えず、新たな取り組みへのチャレンジを進めることで、経営の改善や業務の実効性を高めるよう努めている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・職員の募集採用は法人本部で一括して行っており、新入職員研修後、施設が必要とする人材を踏まえ、適材適所の人員配置に努めている。
・年1回人事希望調査を実施したり、各部署長による定期面談によって職員の意向やニーズを把握している。
・日頃から職員一人ひとりの就業状況を見て、その職員の適性や遣り甲斐・意欲などを把握している。職員の育成状況、将来の人材構成などを踏まえ、他施設への異動も含め適切な人材配置を行っている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人としてキャリアパス制度を設けており、職員一人ひとりの個別人材育成計画を策定し、職員の適性を考慮して配置に取り組んでいる。
・面談を定期的に実施しており、職員の意向やニーズそのほかの仕事に対する意欲や遣り甲斐などを把握している。
・健康管理、就業状況の把握、人事考課、評価処遇・称賛などを連動させて、法人他施設への異動も含め総合的に人事管理を行っている。
・各部署長による評価制度を導入しており、個人の状態を把握しやすい環境づくりに努めている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・法人で統一された人事考課制度の導入をしている。
・定期的及び随時管理者と職員が面談する機会があり、就業状況や意向を確認する仕組みがある。
・人事考課制度に則り、職員自らが作成した自己目標を管理者及び部署長が共有することで、職員の目指している方向性を確認している。
・定期的な部署長との面談や年1回の管理者との面談を行っており、意見や要望を聞き取り適材適所な人員配置に取組んでいる。
・福利厚生も充実させており、職員の意欲向上・定着に取り組み、働きやすい職場環境づくりに努めている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人として職域、職制、職歴などをもとに職員一人ひとりを対象に育成計画を策定しており、入職時をはじめ都度説明する機会を設けて理解を深めてもらえるようにしている。
・育成計画の運用にあたっては、各部署長による個人面談を定期的に実施して職員の意向やニーズを把握しつつ、キャリアパスに基づいて作成につなげている。その際には人事希望聴取の用紙を配布し、個人の目指す資格などを把握している。
・施設では出来る限り個人に合った役割を担ってもらい成長を促すことに力を入れている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・法人として新任研修、フォローアップ研修、リーダー研修などを計画しており、施設として新入職員や転籍者を対象に入社時研修や年間を通じて全体研修を実施している。
・各部署への配属後に職員一人ひとりの個別研修計画を策定する流れとしている。施設内研修のテーマ設定については、事業計画を策定する際に研修委員会において研修計画の骨子を策し、それらに沿って職員一人ひとりを対象に教育・研修を実施する流れとしている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・職員一人ひとりを対象にした研修計画については、キャリアパスをもとに勤務年数、経験、資格などを踏まえて策定しており、勤務シフトや出勤日などを調整して、円滑な受講を支援している。
・開催場所や日程などについては、職員の負担にならないように配慮しており、出勤扱いや交通費の施設負担などにも対応している。
・年間の研修計画の策定及び、各種委員会で研修を実施している。また、施設内では年間研修計画を作成しており、ノーリフティングを学ぶ機会を設けており、法人の資格取得制度等でキャリアアップに取り組んでいる。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生の受け入れには積極的に取り組んでおり、実習前に実習担当者がオリエンテーションを実施し、福祉サービスに関わる基本的な知識・技術、業界の動向等について説明している。
・実習生受け入れ中は担当者を定めて実習生対応職員として配置して指導に取り組み、より多くの知識・技術、実地体験ができるように実習内容を組み立てている。
・社会福祉士指導者講習修了者を配置し、大学等の実習生の受け入れ実績があることが報告されている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・パンフレットは、大きめの文字や行事などの写真が掲載されており、分かりやすくまとめられている。
・ホームページには施設での過ごし方をはじめ利用申込書などがダウンロードできるようになっており、利便性の高い内容にまとめられている。定期的な更新がなされているが、財務諸表などは最新のデータを掲載することも必要とされる。
・広報紙を発行したり、入口エントランスにはパンフレット・広報紙・事業計画書などを設置し、誰でも手にとることができるようにしている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・各種の広報媒体を設けて地域社会への情報提供に取り組み、特に利用者の受け入れについては関係機関への情報提供を充実させている。
・見学や問い合わせについては、いつでも受け付けることを原則としたり、地域の医療機関や居宅介護支援事業所には「空床情報」などを提供することにしている。
・利用開始時や退居時には、利用者や家族との面談を通じてコミュニケ―ションを図る機会を設けている。
・事業の内容の報告や変更等、ホームページの活用や書面での家族郵送を実施している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域交流スペースを活用し、多様な団体へ無料貸し出しを行っており、さらに、市(区)報をはじめ施設を訪れるボランティアなどから地域情報を収集し、利用者に還元することを心がけている。
・地域の特性などから、地域との取り組みが充実できていないことを施設では認識している。各種の福祉サービスなどを併設していることからも、複合施設の特性を生かして地域との取り組みを積極的に展開することを目指している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・ボランティアの受け入れ体制を整えており、サービス向上委員会内でボランティアについての情報共有・受け入れ体制を整備している。
・ボランティア希望者に対しては事前のオリエンテーションを実施し、基本的な姿勢や個人情報保護規定などを説明し、理解を得られたうえで活動してもらうように取り組み、利用者の憩いの場や機会になるようにしている。
・介護の補助的な支援が受けられようなボランティアを受け入れることも目指されたい。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・地域のネットワーク作りやニーズ把握に努め、病院等の関係機関とも密に連絡を取り連携を図っている。
・地域の福祉に役立つ取り組みとしては、実習生の等受け入れの他に、地域の方へ地域交流スペースの貸し出し、相談員による気軽な高齢者の介護・福祉相談等に施設の専門性を生かしながら取り組んでいる。今後は積極的に地域での行事の参加や運営への協力に地域の一員として取り組むことも計画している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・厚労省や東京都ホームページ、シルバー新報など、国の動向や介護保険制度改正の動向はできるだけ入手するよう努めている。
・市(区)から高齢福祉に関する情報を収集したり、短期入所やデイサービスなどを通じて交流している地域の居宅介護支援事業所との連絡を取り合い、利用者の福祉ニーズの把握に取り組み、地域の関係機関との交流に努めている。
・福祉事業全体の動向を法人経営会議などで分析・検討しているほか、消防や警察との連携・協働にも努めている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域活動には積極的に参加することを心がけており、地域の協力を得て、土日のみ開催されているホーム喫茶についても利用者から毎日の運営を期待されている。
・ボランティアなどについては積極的により多くの学生などを受け入れている。
・地域交流が目に見える形で充実してきたが、さらに充実させることを目指している。演芸ボランティアのほかに、介護支援などのボランティアの受け入れについてもさらに充実させることを目指している。
・地域の福祉ニーズにもとづき地域交流スペースを無料開放しているが、主体となっての活動は行えていない。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・倫理規定は入職時研修の際に説明され、加えて職員全員に配布している。
・定期的に開催されている施設内研修においても、虐待防止や事故発生防止に関するテーマの中で、尊厳の尊重について触れている。
・利用者調査の「プライバシーは配慮されているか」、「職員は気持ちを大切にしてくれるか」「職員の態度や言葉遣い、服装は適切か」などの設問に関しては、高い満足度が得られている。また、自由意見欄にも評価の声が複数聞かれている。研修などの成果が得られていることがうかがえる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・個人情報保護の取り組みとして、入居者の写真等の施設内掲示や外部に配布される広報紙の掲載についても入居の際に本人や家族に許可を得ている。
・個人情報保護については、各フロアと1階の正面玄関に文章を掲示し、全職員が入職時に介護部長より研修を受け、遵守できるようにしている。
・個人宛の郵送物に関しては、面会時に家族へ渡すかもしくは郵送している。
・個人情報保護について、実習生やボランティアに対しては、オリエンテーション時に説明するなど情報の保護に努めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・施設の情報は、パンフレット・広報紙・ホームページなどを用いて利用希望者に提供されている。各種媒体は1階事務室前に常置されており、施設を訪れる様々な来所者に対して配布することにしている。
・パンフレットは各種の在宅サービスなど複合施設内の紹介も合わせて掲載されており、選択肢の幅を広げている。
・ホームページには、施設内の設備や最新のお知らせなどを掲示して利用希望者に豊富な情報を提供している。
・入居前のアセスメントを通して情報共有を行うとともに、入居後も面会時等で聞き取りを行いケアプランに反映させている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入居が決定した際に行う事前面談は、相談員が利用者の居住先へ必ず訪問することにしている。家族をはじめ、病院や老人保健施設へ入居している場合には施設関係者の同席も促している。
・医療ニーズが高い利用者も増えてきており、事前面談前に申請書などの確認を行う際には看護師も加わり、面談で十分に確認できるようにしている。
・面談記録は相談員が作成し、入居検討委員会において各部署へ情報提供を行い、多職種へ均一した情報を提供している。
・面会時等にケアプランをもとに説明し、同意を得ている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・現在、利用者の平均年齢85.7歳、平均介護度4.0が報告されており、高齢化や重度化の傾向は否めない。昨年度は退居者20名が報告されている。
・医療機関などに入院する際や他の福祉施設に入居する際には、家族の依頼のもとに利用者の様子を伝えたり、必要に応じてケース記録や看護記録をもとに説明を行うことで、支援の継続性に取り組んでいる。
・「看取り介護」に取り組んでおり、さまざまな家族の要請に対応できるようにしている。変更が必要な場合は、家族を含む多職種で今後の方針を話う場を設けている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人として食事に関して嗜好調査を行っており、食事の改善に努めている。
・サービス担当者会議や家族が面談の際には利用者や家族の意向や要望を把握し、職員間で共有し、適切な支援が提供できるようにしている。
・ケアプラン作成(見直し)時には家族に意向や要望も把握しており、その際にはマニュアルに沿って対応することにしている。さらに、個別支援が行えるよう、利用者ごとに担当者を決めている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の制度を明示し、責任者や受付担当者を契約書に明記し入居時に説明をしている。
・意見箱も設置しており、要望や意見を把握する取り組みがある。
・意見や苦情を受け付けた場合は受け付け担当者に報告され、該当部門で話し合い解決を図っている。内容によっては受け付け担当者が解決し、さらにパソコンで配信し職員間で共有を図っている。個別支援が行えるよう、利用者ごとに担当者を決めている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・利用者や家族などに対しては、重要事項説明書に苦情解決責任者・受付窓口・第三者委員・川崎市福祉事業所など苦情解決支援事業事務局などの連絡先を明記したり、施設内に掲示して周知に努めている。
・施設(職員以外の相談先)として市の介護相談員が定期的に施設を訪問し、利用者と面談して話し合った結果を施設にフィードバックする体制が整っている。また、家族などが面会に来た際や意見交換会の折に意見を聞いたり、相談を受けている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の制度を明示し、責任者や受け付け担当者を契約書に明記し入居時に説明をしている。
・意見箱も設置しており、要望や意見を把握する取り組みがある。
・意見や苦情を受け付けた場合は受付担当者に報告され、該当部門で話し合い解決を図っている。内容によっては受付担当者が解決し、さらにパソコンで配信し職員間で共有を図っている。
・相談や意見に対しその場で解決できない事柄については報告書を作成し、情報共有と対応策を検討する。また、必要に応じて管理者が対応する、法人本部へ報告する等もある。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・事故防止対策委員会の指針に基づき、定期的な委員会の開催及び研修体制がある。
・事故やヒヤリハットがあった場合は、報告書に上げるとともにフロアで話し合い再発防止策をまとめている。報告書は回覧やパソコンで共有され、申し送りでも周知が図られている。
・事故については特養部会でも話し合われ検証されている。
・衛生・感染症対策委員会では、関係機関などから寄せられた最新情報をもとにマニュアルの見直しに取り組んだり、勉強会を開催している。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症・食中毒予防対策委員会の指針に基づき、定期的な委員会の開催及び研修体制、感染マニュアルの更新を適時行っている。
・委員会では全職員対象の感染対策研修を企画運営し、感染症の予防及び発生時の対応について具体的な情報提供を行っている。また、感染症対策マニュアルを見直して最新情報を盛り込んだものにしている。
・リネン類は定期的に交換したり、食事テーブルやトイレ、浴室(脱衣室)などは日々清掃し、清潔確保に取り組んでいる。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・緊急時には迅速に職員に連絡が行きわたるように連絡網を都度更新したり、災害対策として食料品などを含めて備蓄を3日分用意している。
・不審者対策や風水害対策等の強化を図るべき事項も多いことを施設では認識しており、定期的に防災訓練を実施して、職員への注意喚起を促している。さらに、消防署や地域住民との消防訓練を実施するなど、地域の防災について協議し、地域連携を前提とした防災協定の締結を目指している。
・ただし、災害時等のBCP(事業継続計画)の策定が未実施のため、早急に策定する必要性がある。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

・法人業務の手引きや各種のマニュアルに加え、利用者の状態、施設独自の環境などを踏まえて個別支援を提供するための「業務の手引き」を設けて業務の標準化に取り組んでいる。
・各種のマニュアルは、委員会において見直しや追加によって常に標準化した支援が提供できるように取り組んでいる。マニュアルの定期的な見直しを実施出来る体制が確立されている。
・新人職員が入職した際には、指導職員が付き指導助言を行い、具体的な業務標準化を図るためのOJTのマニュアルを作成する必要がある。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・業務に関する各種のマニュアルを設けており、入職時の説明をはじめ職員室に保管しいつでも確認できるようにしている。
・マニュアルの作成や見直しにあたっては、各種文献の引用、先進事例の取り込みなどを行い職員の理解が一層得られるようにすることが望まれる。
・業務の標準化や情報の共有化を図る取り組みとして、各種の会議や委員会を毎月開催して、サービスの基本事項をその都度確認している。利用者の安全の確保・向上に努めており、特養部会やケア委員会などが推進の役割を担っている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・日々の生活の様子をもとに6か月ごとに居室担当者によるモニタリングを実施しており、必要に応じてアセスメントやケアプランを見直すことにしている。その際には多職種が出席するケアカンファレンスを開催して、モニタリングはケアプランの評価や進捗状況を確認するデータとされている。
・ケアマネジャーは各担当者からの聞き取りやPCベースの記録をもとに、ケアプランの進捗(達成)状況などを把握することにしている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・入居前のアセスメントで利用者の病歴や身体状況の把握をはじめ、生活歴や趣味、嗜好等の聞き取りをした上で意向を尊重する支援を行っている。
・アセスメントはコミュニケーション能力や提供するサービスを分類し、介護上の課題に関して具体的な介護内容が記してある。
・排泄、入浴、食事では個別の状況に合わせてサービス提供し、趣味活動へは無理強いすることなく自然に参加できるよう側面から促しをしている。
・重度化し自ら訴えることのできない利用者も多いが、個別の担当を配置し状態把握に努めながら利用者の意向を常に吸い上げている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・職階によりパスワードなどでアクセス権限を設定し、パソコンサーバー上の情報管理を行っている。
・紙ベースの重要書類はファイリングし鍵の掛かるキャビネットに保管している。
・データーの引き出しはアクセス権を持っている職員の責任で活用している。
・保管している情報は更新日を記入して管理している。記憶媒体からの情報の持ち出しができないようするとともに、情報管理を徹底するためパソコンは終了後必ずログアウトすることを徹底している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・パソコンの介護支援ソフトを活用して情報の管理・共有を行っており、パスワードなどを使用して限定的な情報の使用にも留意し、機密性にも留意した情報管理に努めている。
・ケア記録はケアプランに基づいて記録されており、観察が必要な利用者については朝、夕のミーティングで報告され、情報共有されている。
申し送りノートにはサービス担当者会議の予定表等の情報が書かれており、確認のサインもある。
・電子記録を活用し、情報の管理・共有がスムーズに行えている。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・自宅に近い環境で過ごしてもらうことを大切にしており、生活環境に関する要望にはできる限り対応することに努めている。嗜好品などについても身体状態に応じて対応したり、個々の希望に関しては可能は範囲でケアプランに反映するなど、職員が共有して実施できるようにしている。
・ユニットごとに、個人の趣味嗜好を反映して、編み物・ぬり絵・書道などを定期的に実施している。できる限りユニット内の共有スペースで過ごしてもらうことにしているが、希望によっては居室で趣味活動を行ったりする時間も設けている。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

・入居前から行っていた趣味活動などについても支障がない範囲で対応している。個別での対応も行っており、家族との外出など目的に合わせた支援を行っている。
・入居者個々の意向を確認しながら活動や行事を計画、実施している。個人で選択して参加する活動も定期的に実施している。
・個別にも外出支援などの活動支援を行っている。
・自身でできることはできるだけ行ってもらえるようにしている。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の心身状況や生活状況はケース記録や各種のチェック表によって詳しく把握する仕組みが整っている。
・各種の記録はPCの介護支援ソフトによって、多職種がタイムリーに把握できるようになっており、日常の健康管理が適切に行えるようにしている。
・入居後1~2か月間は生活の様子を家族に詳しく伝えることにしており、利用者のニーズや課題は面談時や契約時に本人・家族から希望や問題点を確認し、ケアプランに反映させている。
・モニタリングは6か月毎に行われ、ケアプランは基本的に6か月に一度見直している。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

・聴覚障害者で手話を使用してコミュニケーションをとる利用者には、手話のできる職員を担当者にする等の配慮をしている。
・その他の職員も聴覚障害者とのコミュニケーションや自己研鑽を目的に、手話勉強会を開催している。
・コミュニケーションが困難な利用者にもレクリエーションや行事を楽しんでもらうといった、非言語コミュニケーションなども取り入れている。ただし、重度化や家族の高齢化などにより、本人や関係者からの要望の確認が行いにくくなっていることを課題としている。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

・入職時には就業規則や服務規程の説明を行い遵守を徹底している。
・新人研修の場では個人情報の漏えいや虐待の防止など徹底している。
・年度の事業計画には職員勤務心得があり守秘義務や接遇、利用者の呼称など守るべき基本事項の周知を図っている。
・虐待防止法や個人情報保護のマニュアルが整備され、様々な場で確認されている。
・利用者ごとに担当者を配置、利用者の意向に沿った場所での生活や羞恥心に配慮した支援を行っている。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・帰宅願望が見受けられた際には、コミュニケーションを図りながら散歩に行くなど気分転換に努め、落ち着いた生活が出来るように支援している。その時の気分に応じて、声かけの頻度を増やしたり、傾聴することで安心できる環境作りに力を入れている。
・各ユニットは採光も十分取り入れられ、利用者の快適性と安全性に考慮した環境が整備されている。また、気に入っている居住空間を確保したり、気の合う利用者間の関係作りを行うことにも努めている。 

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・個浴・リフト浴・寝浴などの各種の浴槽を用意しており、ケース記録や日々の様子観察をもとに入居者の状態に合わせて入浴を提供している。
・浴槽の選択や介助方法については、アセスメントやその日の状態に応じて決定しており、安全で安心して入浴してもらえるように努めている。
・入浴時間帯や入浴日などは利用者一人ひとりの要望を把握して、できる限り意向に沿って支援することに努めている。
・入浴支援を通じて個別ケアを実践することを心がけている。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・平均介護度が3.8であり、常時排泄介助を必要とする利用者は91%になっているが、ポータブルトイレの設置や手すりの設置など、環境面を整えることで排泄の自立に向けて取り組んでいる。
・トイレ誘導を行う際には、本人にしか分からないような声かけによって誘導するよう配慮したり、居室やトイレのドアの開閉にも注意している。
・居室でオムツ交換を行う際には、できる限り肌を露出しないように配慮することを心がけている。さらに、施設内研修等などによって職員のスキルアップに努めている。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の状況に合わせて福祉用具(車イス、クッション等)を活用し、無理なく移動できるように支援している。
・歩行や車イス移動においても利用者や家族の意向に添ったプラン作成を行い、できる限り独力で移動できるように支援している。
・機能訓練指導員が身体状況の観察を行い、本人の意向と将来的な可能性を検討したうえで、その人の自立した移動方法に向けての支援をしている。寝たきり状態で入居した利用者に対しても可能性を見いだし、支援するように努めている。
・多くの利用者は施設で提供する車イスを使用している。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・入居時には事前の面談情報や医療情報をもとに、自宅での食事時間やペースなどを、できる限り継続して円滑に施設生活に馴染めるように心がけている。
・療養食の対応や一口大や刻み食、ゼリー食・ミキサー食などを取り入れて、状態に沿って適切に喫食できるようにしている。
・本人・家族に意向を確認したうえで、施設職員のみならず、医師・歯科医師とも連携して、極力満足のいくかたちでの食事提供に努めている。
・季節に合わせた食事の提供など、普段食べることができない食事を提供する機会がある。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・配膳後2時間以内であれば、利用者一人ひとりの生活リズムに合わせいつでも喫食できるようにしている。さらに、利用者の状態を考慮しながら配膳時間前での提供も状態に合わせて行っている。
・各ユニットの食堂兼共有スペースでの食事提供になるため、利用者間の相性なども含め、会話が楽しめるようテーブルや席を考慮したり、希望に合わせて席の変更も随時対応している。
・服薬などの兼ね合いによる「早出し」や「延食」にも適宜対応しており、個別支援に取り組んでいる。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・毎食後、口腔ケアを実施している。
・希望者には歯科医師による診断、歯科衛生士による口腔ケアができる体制を確保している。
・定期的な歯科や歯科衛生士の訪問によって、できる限り経口摂取ができるよう利用者の咀嚼・嚥下状態の把握に努め、結果を踏まえ、食事形態や介護手順を見直して、経口での食事摂取が継続できるように取り組んでいる。さらに、歯科医・栄養士・介護職員、看護職員、管理栄養士、歯科医師が連携して状態を観察し、極力経口摂取が行えるよう支援している。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者ごとの排泄状況を把握し、褥瘡予防になるように随時適切な支援が提供できるようにしている。
・毎月1回ノーリフティングケア研修の振り返りのため委員会を開催しており、ベッド上のポジショニング等の振り返りも行えるようにしている。
・3か月に1回、褥瘡防止対策委員会で褥瘡のアセスメントスケール(ブレーデンスケール)を活用し、褥瘡発生予防の委員会を開催している。栄養状態との関係性も深いことから、多職種が連携して褥瘡予防に取り組んでいる。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・現在、喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制はなく、看護職員のみ対応可能となっている。また、事業所登録もできておらず、今後の検討課題である。
・日々の健康管理は、看護職員を中心として介護職員とともに支援している。日常の看護師業務は、必要とする医療支援をはじめ健康相談、配薬、入浴や排泄介助時の心身状況のチェック、口腔ケアなど幅広く関わっている。施設での医療的な対応を越えるような場合には、配置医師に連絡を取りながら対応している。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入浴、排泄、食事などの日常生活における「生活リハビリ」や、各種のレクリエーション活動を通じて機能訓練の要素を取り入れた支援を充実させることに取り組んでいる。実施内容としては、利用者が有する能力の向上に主眼をおき、利用者本人が生活を楽しめる機能の回復に努めている。利用者ごとの目的を明確にし、ADL向上を目指して対応している。
・積極的な機能訓練は実施しておらず、生活リハビリを行っている。
・介護予防活動は、ノーリフティングケア研修を通して座位姿勢やベッド上のポジショニング、移乗方法等の研修を実施している。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・ケアプランは個別ファイルに収められ、各ユニットにおいて職員がいつでも閲覧できる状態になっている。
・施設では認知症状が顕著であっても個々の意向の聴き取りを大切にしている。利用者一人ひとりの特性や生き方を把握するために、生活歴などの背景を家族から情報を収集して、出来る限り利用前からの生活スタイルの継続性に留意している。
・好きな身だしなみなど個別性に配慮し、家族と相談しながら支援している。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・緊急時の連絡先として複数の家族の氏名や電話番号などが記載されており、緊急時の対応方法を職員間で共有している。
・原則的には救急時対応マニュアルに沿って行動し、万が一の場合は救急車の要請を行うことにしている。
・看護師は、主として日中に利用者の健康チェックや必要な処置などを行っている。夜間についてはオンコール体制を敷いており、利用者の体調不良などが発生した場合は、担当の看護師に電話で指示を仰ぐことができる。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・昨年度の退居者20名については、逝去18名、医療機関への入院1名、他の福祉施設への転居1名になっている。
・終末期の対応として「看取介護」に取り組んでおり、入居時をはじめ心身状況が低下した際には、その都度家族の意向を聴き取り対応できるようにしている。看取り期の利用者又はその家族に対する説明や、施設の方針を話し合い、希望に応じて施設での看取り介護を実施している。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・入居時の説明において、要望・苦情の窓口説明と、随時受け付ける旨の説明を行っている。
・入居者の様子に関しては随時の知らせとしている。随時家族の要望はうかがうようにはしているが十分で無いことを施設では認識している。利用者の変化時には相談員から家族へ連絡をしている。
・家族などには、近況報告を変化のあるごとに行っており、日々、コンセンサスを図っている。さらに家族との円滑なコミュニケーションを図ることを目的として、サービス担当者会議への参加を促すことも必要とされる。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・モニタリングやアセスメントの見直しに加え、ケアプランの原案を居室担当者が作成することにしており、各種のサービス提供の実態に沿ったケアプランが作成できるようにしている。
・ケアプランは定期的な見直しをはじめ、利用者が退院した際には入院期間に関わらずカンファレンスを開催し状態を見直すことにしている。
・カンファレンスには家族の同席を促し、病院からの情報を基に検討することにしている。また、看取り介護の実施については、家族の気持ちが変わることを踏まえ、適宜情報を提供して意向に沿って対応することに努めている。