社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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南林間保育園

2022年02月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 南林間保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 86名(83名) 名
所在地 242-0006
大和市南林間7丁目21-26
TEL 046-278-2662 ホームページ http://www.satori-hoikuen.com/ty-minamirinkan/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 さとり
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員: 名
専門職員
園長:1 名
主任:1 名
保育士:20 名
子育て支援員:1 名
保育補助:1 名
事務員:1 名
用務員:1 名
施設・設備の概要
保育室:3
トイレ:2
調理室:1
事務室:1
園庭:屋外1

③ 理念・基本方針
*保育理念
子ども一人ひとりを大切にし、保護者との一体感を持ち、地域との交流を深め、愛される保育園を目指す                   

*保育方針
豊かな人間性と意欲を持った子どもを育成する

*保育目標
1.なんでも意欲的に取り組める子ども 
2.友だちと一緒にいることが楽しく感じる子ども               
3.想像力・創造力の豊かな子ども   

*園目標  
1.保護者と保育を通じて子育てを共感し合う 
2.職員同士がお互いを認め合い、助け合い、協力して仕事をする

④ 施設・事業所の特徴的な取組
幼児クラスは、週に1回、外部の講師に依頼して体育指導を受けている。身体を動かす楽しさを経験したり、災害時や防犯で自分の身を守るための体力作りを目的としている。子ども達への指導と保育士のコミュニケーションを取る為に、プロジェクトチームを2チーム作った。「食育チーム」と「環境チーム」で、どちらのチームにも副主任がいるのでそこを中心に食育と環境の内容を考えて子ども達におろしてもらう。
小さいが畑があるので、ジャガイモやサツマイモ、キュウリなど育てて給食で食べている。
年長児は、月に1回、空手の講師が来て下さり、30分ほど空手の型を指導してもらい心と体を鍛え、礼儀を学んでいる。体育指導や空手を続けることで、少しではあるが体幹が鍛えられ、そのおかげで椅子や床に座っても体が揺れたりじっとしていられないという姿が減ってきたので、話を集中して聞けるようにもなってきた。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/05/20(契約日) ~2022/02/04(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)保育環境が整えられています
広い園庭には砂場や築山、花壇や遊具が設置され、子どもたちは戸外での集団活動を楽しみ、個々に関心のある遊びに熱中しています。年齢や発達段階に応じて、子どもたちの興味や関心事はどんどん変わりますが、園庭には皆が楽しむことができるもので溢れています。園独自の保育目標として掲げる「なんでも意欲的に取りくめる」「友だちと一緒にいることが楽しく感じる」「想像力・創造力の豊かな子ども」に成長するために欠かせない全てが園庭に揃っています。恵まれた環境で子どもたちの自主性に任せた活動を、保育士たちは見守っています。ただ「見る」だけではなく、「見守る」ことで、子どもたち一人ひとりの発育状況を把握して全職員で共有する、子ども中心の保育環境になっています。

2)地域との交流が適切に実施されています
園では、幼老交流(年3回)や年長児のグループホーム訪問等、地域との交流行事を毎年実施しています。幼老交流は民生委員の参加も得て、地域のお年寄りが園に来所し、年に3回子どもたちと、かるたやお手玉、福笑いなどを共に楽しんで交流しています。グループホームへの訪問は、今年はコロナ禍で実施できていませんが、例年、年長クラスが訪問し、歌などを披露して交流しています。毎週水曜日は園庭解放を実施し、地域の乳幼児と保護者が来所し一緒に遊んでいます。小学生の職場見学や中学生の職業体験を受け入れ、地域の学校とも交流しています。
改善を求められる点 1)事業計画の策定と基本的な運営の改善
事業計画並びに報告書は現在法人本部で各園共に一括して策定・報告されていますが、計画書としての要件の不備や、期末での活動内容の掌握等に課題があります。職員等の参画のもと、年間の活動の振り返りを生かした計画が策定され、職員が理解して取り組み、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われて、期末に取組の結果が評価され、次年度の計画策定に生かされることが期待されます。併せて、PDCAサイクルを意識した計画書・報告書の書式を整えることも望まれます。

2)保護者とのコミュニケーションの強化
園の保育理念や保育目標を知っている保護者は約半数です。入園時と合わせて、進級時にも保護者懇談会等を実施するなど、直接、理念や方針を訴求する機会を作ることが期待されます。日々の保護者との連絡はICTを活用したスマートフォンでの連絡や、お知らせ文章の配布を行っていますが、保護者からは、要望への対応や家庭との情報共有等のニーズがあります。迎えの際など、園長・主任も含め職員と保護者とが直接会話する機会を増やすことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受けて運営面や保育面で細かい部分を確認することができ、より一層、見通しができました。また、保育目標を達成するためには、職員同士のコミュニケーションが大切で必要だと第三者評価を受けて改めて感じました。
職員としっかりPDCAを話し合い、継続的な保育業務ができるように努めていきたいです。
子ども一人ひとりの育ちや個性も大事にし、保護者の方々とは保育を通じて子育てを共感できるように職員一同、保育に励んでいきます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の運営方針・保育方針・保育目標はホームページやパンフレットなどに記載されています。玄関先の保護者の目に付くところにも掲示して周知が図られています。職員は保育目標を基に年間・月案・週案の保育計画を作成していますが、職員全体での読み合わせ等を実施して、理解度を一定レベルに保つことが期待されます。入園説明会は法人主導で実施されるため、保護者への保育方針や保育目標の説明について職員が内容を把握できていないことが課題になっています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

園長は、大和市からのメール等で最新情報を得ることを心掛けています。コロナ禍で開催が見送られていますが、定期的に開催される市の園長会で福祉や保育に関する社会的な動向を把握する予定でした。送迎時に保護者とコミュニケーションを図り、行事後にはアンケートを実施して、日頃から課題抽出・改善に取り組んでいます。事業や地域のニーズ・コスト分析は運営主体である法人が管理しているため、分析結果のフィードバックが十分に行われていない状況です。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や解決すべき課題については法人役員で共有されていますが、職員への周知には伝えることの内容を分離しています。園独自で把握している保育・福祉に関する情報は職員に共有して日々の業務で活用しています。人員に関する課題については職員からも挙げられていますが、法人の管轄であるため、改善が進まない状況です。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は中期計画を短期計画(1年~3年)と中期計画展望(3年~5年)に分けて策定しています。計画内容を法人と施設に分け、法人としては①サービスの向上②組織の強化③人材の育成と確保を計画していますが、具体的な内容は記載されていません。また、収支計画は策定されていません。計画策定のプロセスの見直しや計画期間・達成目標の具体化・評価基準の明確化、及び収支計画の策定等が期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人が運営する保育園(8ヶ所)の単年度計画は、全て法人が一括して策定しています。各保育園の計画内容はほぼ同一です。計画内容は中期計画を反映した重点取組等の目標設定が十分でなく、実施状況の評価を行える内容となっていません。法人は中期計画の内容を各園の園長を始めとした職員に周知し、各園が自ら具体的に目標設定した事業計画の策定を支援することが期待されます。また、法人のホームページ内の「法人の取り組み」は平成時代の内容から更新されていません。内容の見直しが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

園では3月上旬に職員参加のもと、年間の活動の振り返りを2回ほど実施し、次年度の園目標を作成するなど活動に生かしています。事業計画はそうした活動とは別に、法人本部が各園共通の内容で策定しています。今年度は新型コロナウイルス対策について、各園それぞれの取組内容が、本部作成の事業計画書に記載されています。事業計画が職員等の参画のもとで策定され、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われて職員の理解のもとに取り組むことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

法人が作成した事業計画の内容は、重要事項説明書や入園のしおりに記入されている園の運営内容が主体となっています。そのため事業計画としてではなく、園の運営内容として新入園児説明会で説明されています。行事計画等は4月中旬にクラス懇談会で日程も含めて年間の行事予定を説明しています。進級する児童の保護者への説明はクラス懇談会だけになるため、事業計画の内容としては行事計画が中心となっています。クラス懇談会では、年間の保育目標やクラス目標を担任が資料を作成し伝えています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

職員は研修への参加や職員会議での話し合いを通して保育の質の向上に取り組んでいますが、保育の質の向上に向けた自己評価の仕組みが、現在は法人にはなく実施されていません。園では3月上旬に職員参加のもと、年間の活動の振り返りを実施し、次年度の活動に生かしていますが、評価基準が明確になっていないことが課題です。第三者評価を定期的に受審し、そのプロセスを通じて質の向上に繋げるよう努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果を分析し、取り組むべき課題を園目標として簡潔に表現し、職員に周知しています。「①保護者と保育を通じて子育てを共感しあう ②職員同士がお互いを認め合い、助け合い、協力して仕事をする」を、今年度の目標としています。各種行事の実施後は毎回保護者アンケートを実施しています。保護者から行事の感想や意見を自由に書いてもらい、園ではそれを集計して全てストレートに記入したアンケート結果を保護者に配布しています。課題事項を文章化し計画的に改善取組を実施することを課題としています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、園の経営・管理に関する方針と取組、並びに自らの役割と責任について職員会議等で明確にしています。災害・事故等における園長の役割と責任については、通常時のみならず、不在時においては、主任もしくは副主任への権限委譲等を含め明確にしています。保護者に対しては、園だより「ぽかぽかだより」で役割と責任を表明しています。法人作成の職務分担表はありますが、自らの役割と責任を含む職務分掌等についての文章化はできていません。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は外部で実施されている「施設長研修コース」を継続して受講し、法令順守を始めとしてコンプライアンス等を正しく理解するために積極的な取組を行っています。保育サービスに関連する新たな法令や通知等は県や大和市等、行政からの園長宛てのメールで確認しています。職員へは、都度印刷物を回覧する等で周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は保育の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に指導力を発揮しています。事例として、きれいに片づいた朝の保育室と、遊びコーナーを設置した保育室、子どもたちにとって、どちらが自ら遊びたいと思うかを職員と話し合い、コーナー保育の充実を図る等、積極的に参画しています。コロナ禍での園庭での遊びに、職員からの提案で異年齢保育を採用し、年長・年少の交流が生まれ、良い結果につながった例もあります。園長は職員に「連絡・相談・報告」は忘れずにするよう伝えていますが、コミュニケーションにまだ課題があるとしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、組織の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等、具体的に取り組んでいます。今年度、園長が職員へ掲げた目標は「保護者と保育を通じて子育てを共感しあう」です。保護者との会話時間等を増やす働き方や、残業をしない勤務等に向け努力していますが、人員不足が続いています。人員採用は法人事務局が担当しているため、園では本部に要請していますが、現在のところ改善に繋がっていません。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園が目標とする保育の質を確保するため、必要な福祉人材や人員体制に関する計画はありますが、結果として具体的な取組に繋がっていません。保育士の採用は事業所としては喫緊の課題ですが、採用活動を担当している法人事務局での採用が思うように進んでいない状況です。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

人事管理については、法人の理念・基本方針にもとづき、職員の心得等で「期待する職員像等」を明確にしています。一定の人事基準にもとづき、個々の職員は評価されていますが、評価基準が職員に明示されておらず、周知されていないことが課題となっています。人事基準は公表されていますが、キャリアアップ研修の受講基準やリーダー・副主任・主任等の昇進・昇格等に関する基準や手当等は周知されていません。また、給与規定に保育士処遇改善加算についても触れられていません。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況は園児と同じ「業務管理システム PIPIO(ピピオ)」で管理され、有給休暇の取得状況や時間外労働のデータは定期的に園長が管理しています。有給休暇は、1日終日の取得が難しい状況の中で、時間単位での取得も可能な為、職員は工夫して有給休暇を取得しています。園長は残業のない職場づくりに努めています。福利厚生施設として、法人は富士五湖周辺に保養所を2ヶ所設置しています。保育園に隣接して駐車場があり、通勤に職員は無料で利用ができています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人では職員育成に向け、統一された目標管理等は実施されていませんが、事業所独自に自己評価の仕組みを策定し実施しています。期首に職員は各自が自発的に目標を設定し、中間・期末の2回、園長と面談して話し合い、進捗状況、並びに目標達成度の確認をしています。職員は自ら設定した目標に向けて、研修や職員会議、乳児・幼児ミーティング等で学びあい、知識と専門技能の向上に取り組み、年度末に振り返りをして、成長した点、反省した点などを園長に伝えています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人では職員の教育・研修に関する基本方針や計画が発表されていますが、具体的な研修体系として職員への周知が十分ではありません。また、コロナ禍の為、研修が減ったこともあり、職員一人ひとりの研修計画が、年間一人平均1回と少なくなっています。研修受講後の研修記録の管理が事業所としてできていません。また、各職員が受講した研修内容が他の職員と共有される仕組みがありません。職員会議での報告や印刷物の回覧などの実施により、研修内容が共有される仕組み作りが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

クラス担当職員は、受け持ちクラス対象の研修を受講しています。階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会が確保され、外部研修として実施されていますが、職員個々の研修履歴の管理ができてないため、体系的な職員の育成計画に対応した研修計画の立案が難しい状況です。また、以前は実施されていた新任職員研修が、法人で実施されなくなったことで、保育現場での負荷が増しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生等、保育に関わる専門職の研修・育成に関するマニュアルを整備しています。各学校との連携は法人が一括して担当し、取り組んでいます。今年度は10月末に近隣の医療福祉専門学校の学生を受け入れ、年明けには隣市の児童福祉短大生の受け入れが決まっています。事業所では園長が実習生担当チューター(TUTOR:個別指導スタッフ)として対応します。マニュアルに実習内容の記載がなく、また専門スタッフ育成の研修体系が未整備となっています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページでは法人の理念や基本方針、保育の内容、財務等が公開されています。園のパンフレットには保育の理念や方針、保育目標、開園時間などが記載され、年間行事や、季節の行事、毎月のお誕生日会などが紹介されています。地域に向けては、大和市の保育課や南林間コミュニティーセンター等にパンフレットを置き、配布しています。市の窓口では申し込みに来た保護者の方が持ち帰ることが多いようです。苦情や相談には迅速に対応し、当日中か、遅くとも翌日には回答しています。公表は相談者の意向に沿って対応しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われています。園における事務・管理は担当者が実施し、園長が管理しています。法人全体で電子マネーシステムを導入し、事業所内での保護者との金銭の取り扱いは全て電子マネーで決済されているため、現金の取り扱いは行事イベントで使用する文房具の購入など小口現金のみです。法人の会計処理は外部監査法人により経営全般にわたり監査を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園の「2021年度 保育の内容に関する全体的な計画」において、「地域の実態に対応した保育事業と、行事への参加」として、幼老交流(年3回)や年長児のグループホーム訪問等を計画しています。幼老交流は民生委員の参加も得て実施し、かるたやお手玉、福笑いなどを共に楽しみ、お年寄りにメダルの授与などを行い交流しています。グループホームへの訪問はコロナ禍の為、現在は実施できていませんが、例年年長クラスが訪問し、歌などで交流しています。毎週水曜は園庭解放を実施し、地域の乳幼児と保護者が一緒に遊んでいます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明文化すると共に、地域の学校教育等へ協力をしています。近隣の南林間小学校からの職場見学の依頼に応え、30分程度の見学会を実施しています。南林間中学校からの職場体験の依頼では、幼児と中学生の体験交流を実施し、中学生が保育士の仕事の一端を体験しています。また、1~2月には、年長児が就学に向け、小学校見学会を実施して学校と連携・交流しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

当該地域の関係機関・団体について、個々の子ども・保護者の状況に対応できる社会資源を把握し、職員会議等で説明するなど、職員間で情報の共有化が図られていますが、リスト等の資料は作成されていません。子どもに、より良い保育を提供するために必要となる関係機関・団体とは、児童相談所や大和市すくすく子育て課などを中心に、情報を共有しながら連携を取っています。課題を把握した場合は、園ではまず市の担当課に相談し、対応しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園では通常の保育園としての役割だけでなく、「大和市立保育園地域育児センター事業実施要項」に準拠したかたちで、地域育児センターとしての役割も担っています。「保育のしおり」には、育児・子育て相談を随時受け付け、相談担当保育士として主任が担当と明記し、紹介しています。ホームページやパンフレット等にはこうした案内は記載出来ていません。民生委員が来所することで、幼老交流が実施されたり、学童保育と連携し年度末に、新1年生の歓迎会に参加するなどの交流ができています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

園は地域育児センターとしての役割も担い、公益的な事業・活動の事業実施責任者として園長が担当しています。現在、自治会に加入していますが、コロナ禍で各種行事が中止されている状況のさなかにあり、自治会活動そのものが停滞しているため、諸行事への参加はできていません。また、防災活動においては、園は水害等の避難対象地域に該当していない為、近隣から被災時における支援の要請は特になく、現在協議はできていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念や保育目標等に、子どもを尊重した保育の実施について「職員の心得」等を策定・明示して、職員が理解し実践するための取組を行っています。子どもに強制や無理強いをさせたりしないよう、子どもの気持ちを尊重し、子どもの考えを否定しないようにし、保育目標が達成されるように心がけています。職員は、研修や職員会議で話し合い、ヒヤリハットの事例研究などにより理解を深め、保育に取り組んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護について、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務等を明記した規定・マニュアル等が整備され、職員へは研修により内容の理解が図られています。職員は入職時に守秘義務についても学んでいます。子どもの写真の掲載や、作品展での名前の掲載については都度確認をして、取り組んでいます。日常の保育の場面では、園児の欠席等を担任に伝える際に、他の保護者に聞こえるような大きい声で伝えないなどの配慮をしています。また、シャワーでは水着着用等、子どもの自尊心を大事にした運営に努めています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者が保育所を選択するために必要な情報を積極的に提供しています。園のしおりには保育理念や保育目標、年間行事や季節行事が記載されています。しおりは市の保育担当窓口に置いています。ホームページでは、写真や地図なども掲載しています。園の見学はホームページを見た保護者からの依頼が多く、日程を調整し1日1組で行っています。来園にあたっては感染予防等の依頼をして、子どもたちの保育の様子を紹介し、しおりを渡して説明しています。園庭解放と子育て相談を行っていることも合わせて伝えています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園に際しては、「重要事項説明書」や「保育のしおり」で詳しく保護者に説明し、障害児保育や医療的なケアが必要な児童の保育についても説明しています。保護者からは延長保育や土曜日の保育、使用済みおむつの持ち帰り等についての質問が寄せられています。行事については、緊急事態宣言やまん延防止法施行などにより、園で中止や延期を決め、メール・配布物・掲示で保護者に伝えています。配慮が必要な保護者には、担任や園長・主任が確認をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更にあたり、保育の継続性に配慮していますが、文書の作成などは実施していません。また、入園に際しても、文書をお願いして受け取りをしたことはこれまでにありません。少数ですが移動後の園からの問い合わせがあった場合は、丁寧に対応しています。兄弟同じ保育所に通うための転出等のケースは時々あります。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育のなかで、子どもの満足を把握するように努めています。保護者に対しては、利用者満足に関する調査を、行事ごとに実施しています。運動会や発表会などの行事ごとに、保護者アンケートを実施し、保護者から寄せられた意見・感想など、全員の生の声を園長がまとめ、保護者に配布し、内容を伝えています。職員にも同様に配布し、職員会議や乳児・幼児ミーティング等で話し合っています。意見や相談がある時は保護者がいつでも事務所に来られる声かけや雰囲気づくりを心がけています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備されています。園では保護者等に苦情処理の仕組みを説明した掲示物が玄関に掲示され、園のしおりにも詳しく案内をして配布しています。園の運営に関わる苦情は、これまでありませんが、日々の園での生活の中での保育士の対応に関する意見はあります。苦情があった際は、職員間で共有し、保育内容の振り返りを行っています。苦情に対してはその日のうちに対応することを心がけ、遅くとも翌日までに対処しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談したり意見を述べたりする際に、複数の方法や相手を自由に選べる環境を整備しています。保護者には「園のしおり」等で「保育全般に関するご意見・ご要望について」として詳しく説明しています。乳児クラスは連絡ノートなども利用し、幼児クラスの保護者と保育士は、話しやすい信頼関係があります。専用の面会室はありませんが、事務所で落ち着いて話せるように時間を調整して対応しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は、日々の保育の提供において、保護者が相談しやすく意見を述べやすいように配慮しています。園の玄関にはご意見箱を設置するなど、保護者の意見を積極的に把握する取組を行っています。保護者からの相談や意見に対しては真摯に受け止め、迅速に対応しています。保護者からの意見は、職員間で共有して、その日のうちに対応することを心がけ、遅くとも翌日までに対処しています。現在、園として相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等についてのマニュアルがなく、今後の作成を課題としています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

危機管理マニュアル(事故防止マニュアル)等を整備し、安心・安全な福祉サービスの提供に向けて取り組んでいます。事故や怪我が起こった際は、その日のうちにヒヤリハット報告を行い、職員で共有しています。子どもの事故・怪我の受診は園長・主任の判断で実施しています。現在は、看護師が不在なこともあり、収集した事故・怪我の事例を基に、要因を分析し、改善策・再発防止策を組織的に取り組む体制が十分ではありません。マニュアルの定期的な見直しや再発防止策検討の体制構築を課題としています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症の予防と発生時の対応マニュアルが法人で作成されています。職員は年に2回マニュアルを読み込み、感染症の予防や安全確保に関する勉強をしています。嘔吐・下痢などの症状があり、感染症が疑われる場合は、職員は適切に対応し、保護者に知らせています。新型コロナ対策では検温・手洗い・咳の有無等を確認しています。除菌・消毒は、朝は早番担当が、午睡中はクラス担当が中心となり、園内のドアノブ・手すり・机・椅子・玩具等、子どもたちが触れる場所を中心に徹底的に取り組んでいます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

園は水害等の避難対象地域に該当していない立地の為、災害時の対応は火災を中心に想定し、毎月避難訓練を実施しています。園の建物は、2階に園庭につながる避難すべり台、1階は広い玄関の他、クラスの部屋から園庭に向かって掃き出しの扉が広き、解放できる構造になっています。給食室からの火災や近隣住宅からの火災など、様々な火災を想定して避難訓練を実施しています。水消火器を使った消火訓練等も実施しています。備蓄品は食料・水等を3日分、携帯トイレ・ガスコンロ・ボンベなど、リストに賞味期限等を記入し管理しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

法人が作成した入職時の職員の心得や「保育指針」に子どもの尊重・プライバシーの保護や権利擁護について周知されています。園独自に作成している早番・遅番用のマニュアルに沿って保育を実施していますが、会議録に状況を記載するに留まっています。全職員で確認できる仕組みを作成することが望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法については、職員会議やクラス担当で、適宜、最善な保育についての共通認識が持てるように話し合い、日々の会話でも確認して、週案や日案に反映しています。標準的な保育が実施されていますが、標準的な実施方法に関する定期的な検証・見直しの仕組みの構築が期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」に基づき、子ども一人ひとりの環境や発達状況などを共有した指導計画を作成しています。配慮が必要なケースでは、面談等によるアセスメントを基にした「個別指導計画」を策定して進めています。それぞれの指導計画には評価・改善点を記入する項目があり、保育の振り返りや次回の計画作成に役立てています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」をもとに作成した「年間指導計画」は四半期ごとに自己評価を行い、改善点を明確にし、クラス担当や個々で見直しを行って、次の「週案」や「月案」に反映しています。指導計画の変更については、必要性があった場合には職員会議を経て周知していますが、明文化された仕組みが用意されておらず、また、週単位でのミーティングが実施されていません。「週案」・「月案」の見直しに全体の意見を反映させる仕組みの構築が期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもに関する保育の実施状況や身体発達・家庭環境等は、個人記録や健康記録、児童票で共有しており、書類はいつでも閲覧できるようにしています。記録内容や書き方に職員間の差異が出ないように、保護者宛の文書は、必ず園長が目を通していますが、園としての記入方法等統一についての指導がないため、今後実施していく予定で進めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の個人情報保護規定に、子どもの記録の管理について定められており、個人情報保護研修や職員会議での読み合わせで内容を周知しています。入職時に研修を行い、誓約書を交わしています。保護者からは写真の撮影・掲載の可否について承諾書を収受しています。書類は施錠される場所に保管されており、持ち出しには必ず園長・主任の許可を得ていますが、個人情報保護の観点から、持ち出し記録等のより慎重な管理体制が望まれます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」は、保育所保育指針を基に保育理念・保育方針に沿って、園長が中心になって編成しています。今年度は時間的な制約があり、保育に関わる職員の参画ができていませんが、昨年度の内容を踏襲しており、2年かけて実施した成果について意見を出し合う予定です。また、今年度から保育内容に関係するプロジェクトを複数立ち上げ、それぞれが担当を持つ取組を開始しました。次年度の「全体的な計画」は、年度末に全職員参画で見直しを行い、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じた内容になることが期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室は乳児と幼児でフロアが分かれていますが、1スペースを高さの低い本棚等で区切って広々とした空間を確保しており、子どもたちが心地よく過ごすことができる工夫をしています。また、遊びが単調にならず、年齢に応じた遊びを子ども自ら選択できるように設定しています。担当クラス以外の子どもたちの様子を確認できる保育室のため、乳児会議・園児会議以外でも、随時、職員で意見交換ができる環境づくりに取り組んでいます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの気持ちに寄り添い、安心して過ごすことができるように、年齢や一人ひとりの発達に合わせた声かけを行っています。気付いた点など個別の発達状況は「育成記録」に記載して、各会議でも共有を図っています。早番と遅番との間で情報漏れを防止するために「伝達ノート」を活用しており、連携ミスがないようにしています。時間に追われて関わることが出来ず、クラスの職員間で日誌や口頭による伝達で情報共有を行っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりの発達に合わせて、挨拶、登園時・食事前・トイレ後の手洗いや、食事・排泄・更衣・睡眠等の日々の生活習慣を身に付けることができるように、保育の場面での環境の配慮をしています。保護者とは、送迎時や「連絡ノート」で状況を確認して、園と家庭とで同じペースで生活習慣を身に着けられるようにしています。また、基本的な生活習慣を身につけていくには発達に個人差があるため、一人ひとりに合わせた援助や主体性を大切にしていけるよう職員間での意識の統一を図っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが主体的に活動できる環境を整備して保育を実践することを心掛けています。広い園庭での戸外遊びでは、縄跳び・遊具遊びなど、子ども同士で関わる遊びを行った後、個々に興味を持つ遊びを主体的に行っています。裸足で外を駆け回って泥んこになった場合でも、外階段から2階のバルコニーまで上がって手足を洗うことができるため、保育士は見守ることを中心に、子どもたちからの発信を大切に捉えています。また、園庭での野菜の栽培や虫を捕まえて育てることで、身近な自然と触れ合う機会も大切にしています。近隣の老人施設訪問や幼老交流会を計画していましたが、今年度はコロナ禍で中止になりました。代替案の検討など他に方法はなかったのかと振り返り、地域の人と接する機会を持つことを心掛けています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児用の保育室は1・2歳児のスペースと距離をとった場所が確保されており、落ち着いて過ごすことができる環境が整えられています。発達過程に配慮して3人ずつの担当制の保育を採っており、一人ひとりと愛着関係や信頼関係を育んでいます。担任以外の全ての保育者も子どもを理解して優しく関わることを心掛けており、安定した情緒を保つ事ができるように、表情や態度で察知するように努めています。保護者とは、連絡ノートや送迎時のコミュニケーションから、園だけでなく家庭での生活の様子も確認しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1~3歳未満児については、保育目標の1つである「なんでも意欲的に取りくめる子ども」をもとにした保育指導として、各職員は、自発的な活動ができるように工夫しています。個人差を配慮して、子どもの自我を成長の現れと受け止め、成長過程で大事な経験として捉えて保育にあたっています。異年齢交流を大切にしており、一緒に遊ぶ中で小さい子どもとの接し方を学び、年上の子どもの活動に興味を持つ等、多くの経験ができる工夫をしています。健康カードの備考欄への記入や送迎時のコミュニケーションで保護者と信頼関係を築き、家庭と連携した取組を実施しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

3歳以上児は同じ保育室内で仕切られていますが、他の年齢の活動の様子を見ているので、上の年齢の子どもたちを見て刺激と憧れを、下の年齢の子どもたちに対して世話やいたわりの気持ちが自然に芽生える場面が多くあります。真似をしようとする子どもたちも多くいますが、保育士は否定せずに、発達段階に応じて利用する道具や方法に配慮した保育を実践しています。運動会の代わりとなる「表現活動発表会」を開催して、子どもたちの協同的な活動を披露しています。その他、写真の掲示や、直接保護者と話す機会(定例の個別面談や個々の相談の場)で、子どもの様子を伝え、情報共有を行っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どもが安心して生活できる保育環境として、保育室内はフラットに設計されており環境設備に配慮しています。現在、認定されている障害児は入園していませんが、障害児保育について研修を受講した職員も在籍しており、障害児を受け入れる体制はできています。配慮が必要な子どもに対しては、関係機関と連携を図って保育にあたっており、保護者には、保護者・園・関係機関の三角形の関係の中に子どもがいて、みんなで子どもの為に考え・同じ対応ができる良さがある事を伝えて、安心感と適切な情報を伝える仕組みを構築しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間の保育時にもストレスがないように、明るさ・音・温度等に配慮しています。クラス毎の「伝達ファイル」に子どもの様子を記入することを徹底しており、在籍している長時間保育の子どものことを考慮して、一日の活動を組み立てています。早めの登園で、眠そうにしている子どもには睡眠時間を取る等、活動と休息のバランスを考慮しています。「全体的な計画」には長時間保育の欄を設けていますが、「年間指導計画」・「月案」等に落とし込まれていません。実践状況についての記録・自己評価欄を用意して、全職員が同じ思いで子どもに配慮した長時間保育ができるように工夫することが期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携・就学を見通した保育については、5歳児の「年間指導計画」の中に就学に関する事項を設けており、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿10項目を見据えて、計画に沿った保育を実施しています。保護者に対しては、秋頃に個別の就学に向けた個人面談を設定しており、就学に向けての必要な事項を伝えて、小学校の生活について見通しが持てる機会を作っています。小学校を訪問しての交流等はコロナ禍で計画できませんが、就学先の小学校の先生が来園されることもあり、電話等でも子どもの様子を伝えています。保育所児童保育要録の作成は担任が行い、必ず園長が確認をして、ダブルチェックで記載ミスを防止しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

管理については「全体的な計画」や「年間指導計画」に記載され、一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握し、職員に周知、共有して保育を進めています。登園時には体調面や怪我の有無を視診して、保護者に健康状態を確認しています。降園時には口頭で保育中の体調変化や怪我について伝えており、怪我については翌日に降園後の様子を確認しています。園だより・保健だより等で子どもの健康に関する情報を伝えています。SIDSを防ぐために大和市から配布される無呼吸アラーム「ベビーセンス」を活用し、午睡チェックと併せてチェック表に記録しています。チェック時の部屋の明るさにも配慮して、子どもの睡眠を妨げることのないよう気を付けています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

園医による年2回の健康診断と歯科健診、毎月の身体測定結果については連絡ノート・健康カードに記録して保護者に知らせています。健診の結果、発育に問題がある場合や治療が必要な場合は個別に保護者に伝え、病院での診断結果をフィードバックしてもらっています。肥満が懸念される子どもについては、食事の提供方法などを保護者と相談して、保育に反映できるよう努めています。健康診断・歯科健診の結果を保育に生かす取組の計画がなく、看護師不在のため、子どもたちに対する保健指導も予定されていません。今後は歯磨き指導や保健指導が定期的に開催できるように法人と連携をとって進めていくことが期待されます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

現在、アレルギー疾患や慢性疾患の子どもは在籍していませんが、アレルギー性疾患や慢性疾患等に関する研修に職員が参加し、知識や情報を周知・共有しています。「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に基づき、アレルギー疾患のある子どもの除去食対応は、医師の主治医意見書に従い、栄養士・調理員・施設長・クラス担任が保護者と相談して、適切な対応を取る体制が整っています。他の子どもにアレルギー疾患・慢性疾患等について伝え、保護者に理解を図るような取組は行われていません。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

職員については「全体的な計画」や「月案」に記載され、一人ひとりの年齢や発達に応じた保育を行っています。
全ての職員が、食事は楽しい時間であることを子どもに伝えるため、無理強いせず、食べられる量を把握しながら、完食の喜びや食への意欲・興味を持って食事を楽しむ工夫をしています。自分たちで育てて収穫した夏野菜を食材として提供したり、カレー作りをするなど、食事・食材に関心を持つ取組も行っています。栄養士によるパネルシアターを用いての説明や、食事前の絵本など、年齢に応じた食育に努めています。調理室はガラス張りになっており、子どもたちは中の様子を見ることができます。保護者に毎日の給食のレシピを提供しており、子どもの気に入ったメニューを家庭でも提供できるようにして、家庭と連携して食育を進めています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

子どもがおいしく安心して食べる事ができるように、委託先の栄養士に参加してもらい、月1回の給食会議で情報共有をしています。調理員が各クラスを周回して子どもたちの食事の様子を見ています。献立・好き嫌いや子どもの食べる量・好きなメニュー等の喫食状況から、盛り付け方や、彩り・量などを工夫して子どもの興味と五感を刺激して楽しめる食事の提供に反映しています。季節感のある献立となるよう、行事食の提供を行っていますが、今年度から始めた食育プロジェクトチームのメンバーで、地域の食文化についての対応を検討中です。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者とは送迎時にコミュニケーションを取っています。乳児クラスは連絡ノートを併用して、家庭での体調や睡眠・食事等の様子を共有しています。子どもの様子だけでなく、保護者の様子に異変を感じた場合など、時間をかけて対応したい場合は、保護者に日程調整を依頼して面談を行っています。4月のクラス懇談会で行事等の説明は行いますが、その後、1月のクラス懇親会まで保護者との会合が予定されていません。「クラスだより」を年2回発行していますが、今年度はまだ発行していないため、保育内容について保護者の理解を得る機会が十分ではありません。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

送迎時に保護者とコミュニケーションを図り、職員と保護者との間で信頼関係を築くことを心掛けています。担任は毎日声かけを行い、園長・主任は職員室から声かけを行い、相談しやすい環境を整えて、安心して子育てができることを心掛けています。保護者からの希望があれば個人面談を設定して、子どもの発達に関することだけでなく、家庭の事情や悩み等の個人的な支援についても対応しています。その際、こちらの考えは押し付けず、参考として話をするようにして、なるべく保護者自身で考えて決定できるように心掛けています。保護者からの相談事項や苦情は「保護者面談内容ファイル」や「児童票」に残していますが、内容によって様々なファイルに綴じられているため、法人や園での定型記録フォーム作成や対応手順書の用意が期待されます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

法人作成のマニュアルにもとづき、日々の保育において、話し方や目視で確認を行い、些細な子どもの心身の変化に気を配っています。「保育園規則(運営管理規程)」で虐待等の禁止について明記していますが、保護者向けの「重要事項説明書」には記載がないため、保護者向け配布書類に、虐待が疑われる場合の園の対応と併せて説明し、同意書を収受することが望まれます。年2回、マニュアルの読み合わせを行っていますが、虐待等権利侵害に関する外部研修の参加や、マニュアルに基づく園内研修については、職員の時間調整が難しく、実施に至っていません。子どもを守る為の早期発見・早期対応ができる意識作りのため、園内研修の実施が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

年2回の自己評価を実施しており、園長との面談の際に、悩みや保育に関する考えや要望を確認しています。各クラスの「年間計画書」や「月案」には評価・改善案を記入する欄が設けられており、自己評価ができる書式になっています。「週案」や「日案」の作成のため、職員間で振り返りを行っていますが、書類に記入欄がないため評価記録がまとまっておらず、保育士同士の学び合いや意識の向上に繋がっているかどうか判断できない状況です。また、年間の職員研修計画は作成されていますが、外部研修の内容をフィードバックする定期的な園内研修等の仕組みが整っておらず、幅広い知識を共有して園全体の継続的な保育の質の向上への取組が期待されます。保育士個人だけでなく、保育所全体の自己評価に繋げるためにも、PDCAサイクルを活用できるような定型フォームの作成も望まれます。