社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

大倉山保育園

2023年03月17日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 大倉山保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90名(利用者103名) 名
所在地 222-0003
横浜市港北区大曾根1-7-1
TEL 045-542-5632 ホームページ http//www.kyousaikai.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2011年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 神奈川県匡済会
職員数
常勤職員:24 名
非常勤職員:12 名
専門職員
園長:1 名
次長:1 名
主任:1 名
保育士:26(派遣職員含む) 名
保育補助:1 名
栄養士:2 名
調理師:1 名
看護師:1 名
経理事務:1 名
業務支援:1 名
施設・設備の概要
保育室:6部屋
トイレ:6か所
調理室:1ヶ所
事務室:1室
ホール、多目的室、相談室、健康観察室、職員休憩室、更衣室、調乳室、沐浴スペース、倉庫、教材室:
園庭:有
テラス、駐輪場、ベビーカー置場:

③ 理念・基本方針
《法人の基本理念》
あらゆる人の尊厳を守り
常に人が人として 文化的生活を営めるよう
その自立に向けた支援に務める

《保育目標》
・のびのびと元気に遊ぶこども  
・ともだちと育ちあうこども

《保育姿勢》
・子ども一人ひとりのありのままの姿を受け入れ、安心して生活できるようにします
・人のふれあい・つながりを喜び、共に育ちあうことを大切に保育していきます
・家庭や地域のつながりを大切に、共に、楽しい子育てをしていきます

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【障害児、医療的ケア児の積極的な受け入れ】
 使命感をもって、体制と環境を整える努力を続けています。今年度は3名の職員が第三号研修を受講し、介護職員等による喀痰吸引等を実施する為の勉強に励んでいます。

【育児相談の実施】
  保育士・看護師・栄養士がそれぞれ資格を活かして疑問や悩みに寄り添っています。園児の保護者に限らず、どなたからのご相談でも受け付けています。(要予約)

【園内研修の充実】
  ・『保育の見える化』をスローガンに掲げ、他クラスの保育や取り組み、課題や悩みを全員で共有し、園児一人を全員の職員で見ていくという姿勢で保育に当たっています。
  ・人権研修にも力を入れており、多様性を受け入れ、すべての利用者様の人権を尊重したかかわりについて考える機会としています。
  ・年に1回は救命救急の研修に参加しています。
  ・年に1回は港北警察署の生活安全課の方にお越しいただき、さまざまな事例を参考にして不審者対応訓練を行っています。

【子ども主体の保育】
 月や週の計画はありますが、子どもからの発信やその日の状況で柔軟に過ごし方を変えています。行事も子ども達が主体となって進めています。

【食育】
 園内の畑では、春から夏にかけては野菜を、秋に向けてはサツマイモを育てています。子どもたちは毎日水やりをしながら、観察を楽しんでいます。収穫した野菜は皆で美味しく頂きます。

【地域や自治会との連携】
 普段から親しくしており、施設長が自治会の会合にも参加しています。
 地域の方が行事のお手伝いや応援に駆けつけてくださいます。
 また、業務支援者として、園内整備を行って下さる方が居り、花壇や畑、その他の環境整備を行いながら園児や保護者の皆様の安全に気を配り、地域と園の橋渡し役としても活躍して下さっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/04/30(契約日) ~2023/02/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)使命感をもち、ハンディのある子どもたちも積極的に受け入れています
健常な子どもだけでなく、発達に偏りのある子ども、肢体にハンディがある子ども、医療的ケアを必要とする子どもも、共に育てることができる保育園になりたいという使命感を持ち、積極的に障がい児を受け入れています。そのために、保護者と十分話し合いを重ね、医療機関、療育センター、リハビリテーションセンターなど関係機関と連携して、職員確保、環境整備をはじめ、個別支援の体制を整えています。医療的ケアについて現在、看護師による経管栄養、喀痰吸引をしていますが、保育士も実施できるよう資格取得の研修、勉強に励んでいます。

2)職員の定着率が高く、働きやすい職場環境づくりがされています
職員の退職が少なく定着率が高いため、安定した運営を実現しています。年に2回以上職員と面談し、就労に関する希望や意向を丁寧に聞き取っています。育児休暇や誕生日休暇、年次有給休暇の積極的な取得を呼びかけています。子育て中や体調不良の職員が復帰するために柔軟な出勤体制を組むなどの配慮をしています。時間外労働を削減するため、職員会議の時間帯変更や、事務時間を交代でとれるようシフトを編成したり、工夫をして働きやすい環境を整えています。

3)広範な分野に内部監査があり、ガバナンスを強化しています
運営上に生じる経営課題、人員体制、環境設備等のさまざまなリスクに関して、毎年11月に、法人の担当者が「リスク管理のヒヤリング」を実施しています。そこで改善すべき点が生じると、2~3年後に改善がされているかの確認をしています。また、経理事務、個人情報保護、書類の管理等に関して内部監査があります。厨房について、食品衛生コンサルタントによる「食品衛生管理を行うための厨房監査」を2ヶ月に1回行っています。これは、衛生管理をより徹底するために、法定ではなく、自主的に実施しています。

4)経営上の諸課題についても職員の関心を高めていくことを期待します
園の経営上の諸課題に関して、園長、法人の意図を様々な機会を通じて職員へ示していますが、職員へのより分かりやすい周知の方法及び職員の理解にも課題が見受けられます。今回の第三者評価で実施した「職員自己評価」の回答率も、50%にとどまっていました。また、経営状況、中・長期計画、事業計画に関する認識についても「どちらともいえない」と回答した職員が過半数でした。園が将来めざすべき方向性や課題について、職員の関心を高め、理解を浸透させて、組織一体となった取組につなげることが期待されます。

5)クラス間で保育を共有できる仕組み作りが望まれます
全体的な計画に基づき、年間保育計画および月案が作成されていますが、より具体的な子どもの日々の生活に即した「短期的な計画」がありません。子どもたちが主体的に、様々な経験を通して、興味関心に沿って活動できるよう、その都度、柔軟な環境の再構成が必要です。その一方で子どもたちの日々の姿に合わせて活動を行なうなど、柔軟な取り組みもなされています。クラス担任間はもちろん、他クラスと共有するような日常的なやり取りはあるようですが、月案のねらいや内容を具体的な活動や環境設定として示すことが求められます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
前回の受審から5年が経ち、その間、保育を取り巻く環境は新型コロナウイルスにより大きく変化しました。感染リスクを伴う場でもある保育園において、保護者や地域から求められる安心や安全についても変化してきているように感じます。その中で安定した保育運営を継続できているのは、働き方や休暇取得について柔軟に対応してきた結果、職員が定着し、園全体の経験値が上がっているからに他なりません。そして、保護者の皆様、地域の皆様、連携機関等、大倉山保育園に関わってくださっている多くの方々との繋がりや支えがあってこそだと思っています。
今年度、第三者評価を受審し大倉山保育園の現状について、全職員で自己評価に取り組んだことは、各職員の認識や捉え方の違いを含め、しっかりと共有できていること、いないこと、強み、弱みなどを把握するために、とても良い機会となりました。
今回の評価結果は、大倉山保育園において、地域に根差した施設運営を行うための課題を
明確にし、今後に向けて目標設定を行っていく上での客観的指標となりました。
評価していただいた項目については今後さらに推進していくとともに、改善を必要とされる項目については十分に検討を重ねながら保育の質の向上に努め、職員一丸となってより良い施設を目指して努力していきたいと考えています。更には、前例に捉われることなく、新しい取り組みについても模索・検討し、常に必要とされる地域資源であるよう努めて参ります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念、基本方針は、ホームページ、パンフレットに記載されています。園内に「基本理念」「わたしたちの思い」が掲示されています。職員は、職員の行動基準が書かれた「コンプライアンスカード」を携帯し、職員会議の冒頭で一項目ずつ順番に読み合わせを行っています。法人の歴史をホームページで紹介し、法人の思いや使命を分かりやすく説明しています。入園時の面談等では法人の理念を必ず保護者に伝えるようにしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人内の施設長会議に出席し、法人から社会福祉事業全体の動向についての情報を得ています。区や市の園長会で、保育業界の最新の動向を把握しています。経営環境の変化に向き合うため、外部の経営コンサルタント、ICT推進のためのコンサルタントの協力を得て、園の経営状況と改革に向けた課題を把握、分析しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

少子高齢化により、保育園の応募状況が徐々に厳しくなっており、いかに選ばれる園になるかが、重要な経営課題と考えています。そのためには、保護者の満足度が高いサービス、質の高い職員、笑顔で明るく働きやすい職場作りに取り組んでいます。経営課題には、管理者層だけでなく、全職員が危機意識を共有し、一丸となってサービスの質の向上に取り組む必要があると考えています。職員には、職員会議で、保育の公定価格の仕組み、補助金、加算などの仕組みについても説明しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

現在、法人が中・長期計画である、「KKF2030デザイン」を策定中です。この計画策定に向けてワーキングチームが発足し、園からもメンバーが参画しています。現在は、中・長期課題について、法人の年度ごとの事業計画の重要課題Ⅰ~Ⅵを事業所の毎年の事業計画として具体化し、進捗状況を評価、確認しながら運営しています。今後は、「KKF2030デザイン」が中・長期計画として具体化されていくこと、将来の到達目標が明確化され、そのうえで毎年の事業計画が策定されていく仕組みになっていくことが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画には、中・長期の課題としている6項目の重点課題を、事業所として本年度に取り組む内容として具体化しています。①組織風土と職場環境改善、②人材採用・育成、③リスク管理とガバナンス体制強化、④地域事業と新規事業探索、⑤財務・修繕、⑥情報還流と情報発信の課題について、園として実行可能な取り組むべき内容を明記し、スケジュールも明らかにしています。実施状況の評価をしやすいようにさらに工夫をしたいと考えています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、職員会議や職員の意見を参考にしながら、園長が主導して作成しています。前年度からの課題が達成できたかどうか、次年度も継続する課題はなにかなど、優先順位をつけながら策定しています。1月中に次年度の事業計画案を作り、2月に法人と調整して発表します。11月に法人がヒヤリングを行い、課題の達成状況を中間評価しています。年度を通しての最終的な評価は、次年度の6月に実施し、結果は「事業年報」に公表しています。事業計画書はスタッフルームに掲示されていますが、内容の周知の仕方や理解への取り組みについては課題と考えています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の内容について、例年は保護者会総会で説明してきましたが、コロナ禍によりオンラインでの総会実施のため、詳しい説明ができていません。経営的な事項よりも、行事、保育内容、建物の修繕、新たな教材の購入など保護者が直接かかわりがある事項を中心にお知らせしています。事業内容の変更、新しい年間行事計画は、しおりを改訂して配布したり、ページの差し替えを保護者に依頼しています。修繕工事等の開始については一斉メール配信で保護者に迅速に知らせています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

日常の保育については、月間指導計画の振り返りを月末に行い、自己評価を毎月実施し、月間指導計画に記載しています。その月の子どもの姿を職員が確認、共有して、次の育ちに向けた次月の計画を作成していくことを繰り返しています。また、毎年1月に、「大倉山保育園の自己点検・自己評価」を実施しています。これは、保育目標の理解、保育内容、運営、家庭・地域との連携、公開性、保健、研修等々、44項目について職員が5段階評価をするものです。平均値を出した結果を職員会議で報告し、改善に役立てています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

指導計画についての自己評価は、クラスの職員を中心に実施し、その結果を指導計画に記載しています。保育に関する評価は、職員間で課題が共有化され、次月に必要な改善策を講じています。園の自己点検・自己評価は、園長が統計化し、職員に開示し、会議で説明しています。評価結果から明確になった課題は、すみやかに解決をしたり、事業計画に反映するようにしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は日頃より、保育をめぐる動向や、園の経営課題、地域の状況、園の方針を職員会議をはじめとして発信に努めています。園長の職務は「職務分担表」に明記されています。職員は、それぞれの職分に責任を持つ一方、最終的には園長が責任を持つと、職員に繰り返し伝えています。園だよりの巻頭言で、園長の考え方を保護者等にも発信してます。有事の際の指示系統、権限移譲の順位は、BCP計画、避難確保計画に明記しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、運営の責任者として遵守すべき法令等に目配りし、施設長研修などを通じて新しい動向などの把握に努めています。市の虐待防止研修、個人情報保護に関する研修等に参加しています。経理規定に基づき、取引業者などとは、適正な関係を保持するように努めています。法人として持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでおり、地球環境保護のテーマでは、園内のLED照明化、ジェンダー平等化のテーマでは子育て職員への支援などに取り組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質を高めるために、保育現場にも頻繁に入り、職員と丁寧なコミュニケーションを重ねています。内外の研修の機会提供にも力を入れています。園内研修では「保育の見える化」をスローガンに掲げ、保育の様子を写真に記録、掲示し、他のクラスの保育や取組、課題や悩みを全員で共有して、園児を園全体で見守れるようにしています。全クラスから子どもの様子を発表する機会を設け、主体的に学び合い保育の質の向上に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、予算の達成状況、人事、労務の状況を把握、分析し、職員会議で報告しています。職員の働きやすさは、保育の質の向上にとって欠かせない要素と考えており、超過勤務の削減など職場環境の改善に取り組み、職員の離職率が大きく減っています。子育て中の職員の勤務日数、勤務時間の調整は柔軟に対応しています。心の疲れで休息が必要な職員には休暇を取り、体調をみながら徐々に復帰できるよう支援をしています。職員会議の時間を午睡時間帯に変えたり、事務に携わる時間を交代でとれるように割り振るなど、シフト担当や現場の声を取り入れながら工夫をしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園にとって保育に必要な人員は、現在のところ計画されたとおりに整っていると考えています。人材確保については、法人ホームページに基本的な考え方が示されており、理事長からのメッセージ、先輩職員からのインタビュー動画、福利厚生制度の説明、研修システムなどをわかりやすく紹介し、採用活動を効果的にしています。新人職員には、プリセプター制度を導入し(現在、より現場に即した形に改良中)、先輩職員の指導員がついて1年間をかけ、技量を育てています。地域との交流を深めるために、地域の方を業務支援員として雇用し、花壇など環境整備に従事してもらっています。メンター制度のあり方や、年度途中に採用した職員への育成システムについては課題としています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員が携帯する「コンプライアンスカード」には職員として求められる姿として、7項目の行動基準をあげています。人事評価では、各等級に応じて求められる職員像が列挙されています。理念の理解、対応能力、外部環境の把握、業務遂行と改善能力などが明示されています。年2回、賞与に反映される人事評価と面談が行われています。また、個別育成計画に基づいて、職員各自の目標や今後の就労意向に関する面談を実施しています。組織の活性化をねらい、定期的な人事異動を検討しています。法人は、より公平、公正な人事評価システムの再構築に取り組んでいます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

全職員に「個人育成計画書」を提出してもらっていますが、そこに①現在の職務についてのやりがい、②自分の能力、経験、知識、適性から向いているか、③今後の就労意向、④異動希望、⑤体調などを聞き取り、職員がおかれている状況を把握するように取り組んでいます。体調不良の際には、休暇や早退、遅刻について、丁寧な対応をしています。希望休はほぼ100%保証し、リフレッシュ休暇、誕生日休暇による計画的な有休消化を勧奨しています。子育てしながらの勤務を応援し、育休100%取得をめざしています。さらに、復帰時の最初の賞与支給時期に「育児支援金」を支給しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は「個人育成計画書」を年度初めに提出し、その中で本人の今年の目標、中・長期のキャリアアップ目標を立てています。キャリアアップのための研修について本人と相談しながら決めていきます。研修の結果の理解度、実践度を自己評価することになっています。10月頃に中間面談、3月頃に期末面談を実施し、年度目標の達成度を振り返ります。必ずしも一つひとつの目標期限を明確にしてはいませんが、職員が業務を重ねて行くなかで新たな目標を見つけたり、内容の見直しを行っていくことを支援しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人が職階に応じたキャリアアップのための研修体系を策定しており、園もこの研修計画に沿って、研修を行っています。「個別育成計画」においては一人ひとりの研修計画をたて、法人の研修や外部研修の受講につなげています。例えば人権研修では、全国保育士会による「人権擁護チェックリスト」を活用したり、LGBTQをテーマとした内容にも取り組んだりしています。法人の研修では、毎年度参加者の感想を集めて、評価を行い、今後の課題を明らかにしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍のなかでも、オンライン研修や外部研修受講の機会を提供しています。職員との面談、「個別育成計画」等を通じて、個々の職員の知識、技術水準、資格取得状況を把握しています。そのうえで法人の研修体系を活用した受講につなげています。新人職員に対しては、「新入職員教育プログラム」(プリセプター・プリセプティープラグラム)に基づいて教育研修しています。一年間にわたり、年の近い先輩が指導係となって、64項目にわたる保育業務について基本から一つずつ目標設定し、振り返りシートで年に3~4回の評価を行っています。指導係を支援するメンターのあり方を検討しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

将来の福祉人材を育成していくために、実習生を積極的に受け入れています。これまで短大、4年制大学、看護学校などから、学校側からの要請に応える形で受け入れてきています。実習生受け入れマニュアルがあります。法人には実習担当理事があり、実習受け入れの支援をしています。また、ホームページに実習応募フォームがあり、個別に応募がしやすいようになっています。現在、実習生の保育に関わる中堅職員への指導等、指導者研修や受け入れのシステムの整備に取り組んでいるところです。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページに、法人の歴史や基本理念、園の紹介、保育内容、事業計画、事業報告、予算、決算などが公開されています。園のブログで、イベントや保育活動の取組について多数の写真を掲載して紹介しています。また、保育園の自己点検・自己評価もホームページで公開されています。毎月職員が作成する地域だより「のびのび」には、日常の保育や子どもたちの様子が記事になっており、町内会のとこどころの掲示板に掲示されていました。苦情として受け付けられたものはありませんが、あった場合は個人が特定されないように配慮のうえ、広報やホームページ等で公開することにしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

職員の園内での役割は、職務分担表で明らかにされています。法人内における経理処理決裁権限については、経理規定で詳細に定められています。法人の内部監査があり、現金の取り扱い、情報管理、書類の管理、運営等についてのチェックがあります。改善課題があれば、2~3年後に改めて改善状況の再確認があります。毎年11月に運営上のリスク管理について法人の担当者が園を訪問し、ヒヤリングする仕組みになっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍のため、子どもと地域との交流を広げる機会は大きく制限されています。これまでは交流保育として、お餅つき、お店屋さんごっこなどに地域の子どもを誘って、一緒に遊ぶ機会をもっていました。また、園庭開放を通じて、育児中の保護者同士の交流、保護者の保育士1日体験、栄養士によるクッキング試食会などを開催し、公園の清掃も月に1回行っていました。ようやく園庭開放日には、1~3組が参加するようになり、職員と気軽に育児相談ができる場として地域から好評を得ています。コロナ感染の状況をみながらの取組再開が期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

「ボランティア受け入れマニュアル」に基づいて、受け入れをしています。月1回、ボランティアによる「お話し会」が催されており、子どもたちは楽しみにしています。ボランティアが各クラスをまわって、絵本の読み聞かせ、手遊び、手袋人形などを披露しています。公立園時代から、10年以上にわたって協力していただいている地域の方々です。園としてボランティアとの関係を広げていきたいと考えています。現在、学校側の自粛により行えていませんが、職業体験などの要請があれば以前のように応じていきたいとしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

子どもたちを適切に保育していくために、外部の関係機関である、区役所、医療機関、療育センター、リハビリテーションセンター、学校などと連携しています。特別に配慮を要する子どもたちに関して、リハビリセンターによる巡回相談を年2回、受け入れています。また、肢体不自由児のリハビリや摂食外来に担当看護師や栄養士が同行し、保育上の留意点や生活介助、食事介助に関する指導を受けています。権利侵害が疑われる子どもへの対応として、要保護児童対策地域協議会へ参画し、該当児についてのカンファレンスを学校関係者も交えて実施したことがあります。個別支援児に対する定期的なカンファレンスも実施しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

「育児支援イベント」をエリアの保育園の一員として協力して実施し、未就園児や家庭の楽しみの場、育児相談の場を提供しています。園としての育児相談方法は、電話・メールの他にホームページに相談フォームがあり、個別の状況に合わせて相談できるようになっています。子どもとの接し方、育てづらさ、離乳食の進め方など子育ての悩みをが寄せられ、継続的に相談を利用される方もいます。園庭開放は、気軽に子育ての相談ができる場として好評を得ています。育児相談や園庭開放をきっかけに、園見学や入園にもつながっています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

園の立地環境は土砂災害を警戒するエリアとなっており、地域からの避難者を受け入れる時のために、備蓄庫に食料、水、衛生用品等30人分を5日分保管しています。近隣にある平屋建ての保育園は、非常時に垂直避難ができないため、当園に避難してもらうことにしています。また、開園まもない小規模認可保育園と連携施設契約を結び、3歳児枠を1名確保するとともに、情報やノウハウ、衛生物資の提供などの支援をしました。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本方針・基本理念・行動基準・保育目標・保育姿勢が記載された「コンプライアンスカード」があり、職員会議で読み合わせをするなど、職員が理解する機会を作っています。法人主催のハラスメント研修を実施したり、内部研修として人権研修を行っていますが、保育の実践においては、より職員間の共有が進むことが望まれます。障害のある子どもを積極的に受け入れており、統合保育の中で、子どもの人権や多様性を尊重する保育が行われています。「入園のしおり」に、人権の尊重や互いの尊重が明記されています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

職員は入職時に個人情報保護規程に基づき誓約書を提出しています。年度初めに「家庭連絡票」で名前や写真の掲載やプライバシーへの配慮について、丁寧に保護者の同意や意向を確認しています。園内には仕切れるコーナーもあり、シャワーやおむつ替えにも配慮がされています。プール遊びはバルコニーで行いますが、周囲から見えないように目かくしやカーテンを設置しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍にあっても、1日2組に限定して見学を受け付け、主に園長と次長が丁寧に対応しています。子育て支援イベントでパンフレットを配布したり、子育て支援イベントにも育児相談のリーフレットを置いたりしています。今後は、積極的な情報提供として、常に多くの人が情報を入手できるよう、公共施設に配架したり、ホームページやパンフレットに記載されている情報量を増やすなどの取組が期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入所時に面談を行い、「入園のしおり」や「重要事項説明書」に基づいて保育やルールについての説明をし、同意を得ています。変更があるときは、アプリを使ったメールでの一斉配信とおたよりで保護者に伝えますが、不明な点がある場合は個別に対応し説明するようにしています。年2回開催されるクラス懇談会には、園長や次長が出席して、必要に応じ保護者に向けて口頭での説明を行っています。ルビを振るなどの工夫もしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

卒園児に関しては小学校への保育要録の送付と、電話や対面での引き継ぎを行っています。転園の児童については、必要があれば保護者の同意を得たうえで「園での姿」を情報提供することがあります。ホームページには育児相談窓口があり、「相談フォーム」からいつでも誰でも相談をすることができるので、卒園児も利用できる体制が取られています。さらに今後は、相談できる体制を文書で渡すなどの取組が期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育の中で、子どもが興味を持っている物事に触れる機会や活動を多く作っています。行事の後に保護者のアンケートを実施し、懇談会や面談では、園に対する要望や意見がないか投げかけ、個別面談や意見箱の利用を周知しています。出された要望等は職員会議やリーダー会議で検討し、改善できることに関しては対応しています。保護者会には園長か次長が出席しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制が整っており、掲示による周知や、「入園のしおり」への掲載や説明もされています。意見箱が設置され、匿名での投函が可能です。園の方針として、利用者の声を尊重し、要望内容の公平性を考えながら会議などで検討し、偏りのない解決になるよう、全体で対応するようにしています。記録は苦情処理簿またはご意見申し出綴りに残されています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

「入園のしおり」では、主な関係機関の連絡先として、苦情解決第三者委員2名と「横浜市福祉調整委員会」の電話番号が掲載されています。それぞれに直接苦情を申し出ることができることも、案内されています。相談室があり、保護者がゆっくりと話す場を確保していて、連絡帳や、ホームページの相談フォームの利用も可能です。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

送迎時に保護者とコミュニケーションをとり、職員一人ひとりが各保護者との関係性を構築するような取組を行っています。行事についてのアンケートを実施し、次回の行事に反映できるように対応しています。クラス日誌にも保護者の意見について記録をしています。検討した結果は会議等で全員に周知し、共有しています。保護者からは、園との相談や連絡についての評価されておらず、今後の課題となっています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスク管理については、職務分担上で園長が担っていますが、リスクマネジメントのについて委員会などの設置はありません。事故対応マニュアルがあり、事故報告・ヒヤリハットについて職員会議で取り上げる等、改善策を共有していますが、より事故の要因分析や改善策・再発防止策まで積極的な取組になることが望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「保育所における感染症ガイドライン」に基づいた感染症対策が行われています。新型コロナウィルスについても、児童の黙食や職員の喫食場所の工夫など、感染防止策を取っています。園内の衛生管理は看護師が担っていますが、衛生管理マニュアルは、現在見直し中です。より具体的な実施方法であるところの「手順書」の内容についても、実際の方法を加味して、見直すことが必要です。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時に備えて、法人全体の取組としてBCP(事業継続計画)を策定し、過去の災害での経験を基に、プロジェクトとして業務の継続のための対策を講じています。土砂災害に対する避難確保計画を策定し、災害時に備える物品をどこまで整備するかを精査しています。近隣自治会とは連携関係にあり、有事の際には共助の姿勢で対応することになっています。地域との合同訓練はコロナ禍にあって実現していませんが、消防署員立ち合いの訓練は毎年実施しています。保護者への連絡は連絡アプリを利用したメール配信を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育の1日の流れや職員の動きを定めた業務手順を、各クラスに用意しています。事故防止、衛生管理、健康管理、不審物対応、食物アレルギー対応、苦情、個人情報保護など業務全般にマニュアルがあります。清掃、安全確認、ブレスチェックでは、チェックリストで確認しながら実施しています。職員への周知徹底に取り組んでいますが、まだ十分とは言えない面もあるため、より徹底していきたいと考えています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法は、日々の保育や活動を行うなか、各会議等で職員やクラスから議題としてあげて検討しています。感染症対策を強化するために、手洗い、換気の徹底、食事の際の留意点など検証や見直しを随時行っています。現場の細かい変更点は、写真で分かりやすく説明するようにしていますが、全職員への情報共有は十分とはいえず、徹底するためさらに工夫や取組をしていきたいと考えています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

入園時には、児童票を記入し、園児の発達状況、養育環境などの情報を収集し記録しています。この他、健康台帳、食事に関するアセスメントを行い、指導計画に反映させています。毎月、子どもの姿を記録し、指導計画を作成するうえでの重要なアセスメントとしています。カリキュラム会議を毎月開き、毎月の振り返り、自己評価、子どもの姿をクラスで共有して、当月の指導計画を作成しています。個別支援、医療ケア対象児童の指導計画は、リハセンター、医療機関、コーディネーター、保護者、区役所などのカンファレンス等での助言を踏まえ作成しています。職員間の共通認識をより向上させたいと考えています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

毎月月末に、カリキュラム会議を開き、当月の振り返り、自己評価、子どもの姿をクラス内で確認、共有し、次月の指導計画を作成することになっています。カリキュラム会議は、各クラスから職員1名、調理から1名、主任、次長、園長が参加することになっています。指導計画を緊急に変更する場合は、書面会議に切り替えたり、園長の職権で暫定的な実施を行っています。仕組みは確立していますが手順書がないため、今後作成していく予定です。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

記録はクラス日誌、個別日誌(個別支援児)があります。連絡帳は0~2歳児用は毎日記入し、複写式で保護者に渡すようになっています。3~5歳児の連絡帳は、必要に応じて記入し、保護者とやりとりをしています。経過記録は年2回に分けて記録しています。ICTシステムが導入されていますが、現在のところ、活用方法が一斉メールや登降園管理等に使用目的が限定されていますが、システム自体は、日誌や連絡帳作成、ドキュメンテーションなどの機能があるので、今後は有効活用できるようにしたいと考えています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護規程により、子どもの記録、保存、廃棄、情報の提供に関するルールを定めています。職員は、記録類やUSBの持ち出しは禁止されています。名簿や予定表はクラウドでパスワード管理されています。書類は鍵付きロッカーに保管され、鍵は鍵箱に保管されています。職員は入職時に個人情報の保護、機密保持についての誓約書を提出しています。定期的な教育や研修の実施はされていないため、今後は年度初めに実施していきたいと考えています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体の計画は、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、園の理念、方針などに基づき作成されています。計画には「基本理念、保育方針、保育姿勢、保育理念、保育目標、保育時間、基本原則・役割目標、保育の方法・環境、社会的責任、養護に関する基本的事項、保育の計画と評価、保育施設として共有すべき事項」と多くの事柄が盛り込まれ、年齢ごとの目標、乳児の3つの視点、養護と教育など具体的な内容を記載しています。コロナ対策や新しい取組も加えられています。計画は園長を中心に職員の意見を反映させて作成され、期ごとの振り返りを行い、次年度の計画に反映されています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

移管後に新築された園舎は壁式鉄筋コンクリート造り2階建ての構造で、窓が大きく採光が十分に取れ明るい室内になっています。オープンスペースが広く取られ、多目的スペースを利用して個別の対応を行っています。空間にゆとりがあり、トイレや手洗い場などの設備も清潔に保たれています。ロッカーなども全体に落ち着いた色調で統一されています。24時間換気設備を設置し、園内、玩具消毒もこまめに行っています。独立した各保育室は子ども一人ひとりが遊びに集中できるようにコーナーを設定し、活動ごとの生活空間が確保されています。門から玄関に至る通園路には花壇があり、花々や植木の美しい植栽があります。花壇では子どもたちが季節の花や食物を栽培しています。保護者用の自転車の駐輪スペースも整備されています。午睡はコット(簡易ベッド)を使用し、カバーや毛布は週末の持ち帰りとして衛生面にも配慮しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別指導計画やクラス別引継ぎノートの記載、日々の保育のなかで子どもの様子や特徴をとらえて一人ひとりの状況把握に努め、発達状況を尊重した保育を行っています。保育士は子どもが安心して気持ちを表現できるよう、子どもに寄り添い、思いを受け止めるようにしています。表現がまだ十分できない子どもの場合は表情やしぐさ、普段との違いなどから気持ちを汲み取り、子どもの気持ちを肯定的に受け止めるようにしています。急かす言葉や制止させる言葉は使わず、次の行動を促すような表現で伝えるようにしています。各年齢の指導計画に、ありのままの姿を受け入れること、安心して過ごせるようにすること、共感して情緒の安定を図ることなどの記載があり、園として子どもを受容する姿勢が示されています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

手洗い・排泄・着脱等の身辺の自立については、個々の成長に合わせて行うように、家庭と連携を取りながら「声かけ」のタイミングを図り進めています。保育室の近くにトイレや手洗いがあり、園庭にもトイレの設置があるので、トイレトレーニングしやすい環境が整備されています。基本的な生活習慣の習得も、個々の気持ちを尊重し、自分でできた喜びを味わえるような援助を目指しています。3歳児クラスでは、フォークなどの食具を併用しながら、ほとんどの子どもが箸を使って喫食しています。基本的な生活習慣を身につける大切さは、絵本や紙芝居等で子どもに楽しく、分かりやすく伝え、箸遊びなどを導入して丁寧に取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

「のびのびと元気に遊ぶ子ども」「友だちと育ち合う子ども」が保育目標として掲げられ、「遊び」・「友だちとの関わり」を大切にしています。園庭では、朝・夕共に、時間やスペースを分け合いながら、砂場、タイヤ・サッカー・バスケットボール・三輪車など、思い思いの遊びを楽しんでいます。近隣には公園も多く、遠足では、大倉山梅林まで行くこともあり、公共交通機関を利用して野毛山動物園に行ったこともあります。朝の会・帰りの会では、丁寧な振り返りをして、子どもたちと一緒に考える時間を持っています。年長児のお店屋さんごっこの活動では、役割を担って協力し合い、他のクラスの子どもを招待するといった活動をしています。ボランティアによる「おはなし会」があり、自治会の方との交流もあります。ピアノやキーボードがあり、楽器遊びやリトミックの取組もあります。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児の保育室は1階の奥の部屋を使用し、必要な設備も整い、落ち着いた空間で保育が行われています。園庭に面しており、大きく取られた開口部からは、園庭で遊ぶ子どもたちの姿をみることができ、外から幼児が覗き込む様子もあります。子どもが安心して過ごせるよう保育士との愛着関係を大切にし、クラス担当の他、フリー保育士の中に乳児担当者を作り、継続的なフォローができるような体制を取っています。健康観察は、口頭だけでなく、写真で残すようにしたり、複写式の連絡帳を使うなど、家庭との連携を密にしています。物とのふれあいと人とのふれあいを大切にし、個々の発達を踏まえてその時の好きな事、興味があることに集中できるような環境を作り、じっくりと関わっています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

探索活動を中心に、壁を利用したり、握るつぶすが楽しめる手作りおもちゃを用意したり、様々な遊びを提供しています。自我の芽生えとともに、自分でやりたいことも増え、保育士は本人の気持ちを尊重した関わりをもつようにしています。友だちとのかかわりが増えてくる段階のため、おもちゃの貸し借りや一緒に遊べるよう保育士が声をかけたり、子どもの気持ちを代弁し、仲立ちをしています。基本的な生活習慣の形成や、自我の芽生えとともに、「イヤイヤ期」「食の好き嫌い」「発語や発達」についてなど、保護者から様々な相談が増える時期でもあり、担任を中心に、保育士、看護師、栄養士がそれぞれの分野で対応しています。個々の発達の状況についても、全職員が把握できるようになっていて、適切な援助や介助を行っています。複写式の連絡帳を使用して、家庭との連携を取っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

運動会に向けた活動など、子どもたちと共同して取り組んでいます。保育内容については、指導計画の中で、環境構成や保育士の配慮への取組が記載されています。3歳児は、保育士を加配し、一人ひとりの子どもたちの気持ちを汲み取り、応じることができるようにしています。4才児では、当番活動や年下のクラスの手伝いなどに取り組み、感謝され、人から必要とされることで自尊心を育んでいます。5才児は、就学に向けて、身辺自立に対する援助を行い、自己表現の大切さ、友だちへの思いやりといった道徳心を育む保育を意識して行っています。保育参観は保護者も保育者として一緒に過ごしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どもの受け入れにあたっては、入園が決定した後、保護者との面談を数回にわたり行い、入園までに受け入れ環境が整うように調整しています。園として、障害のある子どもの受け入れに積極的で、重度の障害や、医療的ケアが必要な子どもの受け入れも行っています。主治医、リハビリセンター、区の子ども家庭支援課、市内3~4区に1名配置されている横浜型医療ケア児コーディネーターと連携をとって、助言や指導を受け、育ちや安全な生活につなげています。障害に合わせた椅子を家庭で用意してもらうなど、保護者と連携を取りながら子どもが安心して園で過ごせるようにしています。集団で過ごす時間と個別で過ごす時間のバランスを考え、無理なく過ごせるように配慮しています。保護者とはこまめに情報交換をし、気持ちに寄り添い、保護者の意向などを聞きながら保育に反映させています。医療的ケアについては、看護師を中心に対応していますが、保育士も喀痰吸引等研修を受講しています。保護者に対しては、「重要事項説明書」で障害児の受け入れについて記載しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

クラストごとの引き継ぎノートがあり、職員の交代の際も必ずノートの内容を対面で引き継いでいます。保護者には引き継ぎノートに書かれた内容を伝え、担当保育士からの伝達が円滑に行われています。伝達の際はノートの内容を間違いなく伝える一方で、プライバシーに配慮し、保護者に書かれている内容が見えないよう工夫をしています。多目的スペースの一部が仕切れるようになっており、コーナー分けをして乳児も安全に過ごせるような環境にしています。延長保育では、希望者には夕食・補食を選択して利用することができます。食べる時は、できるだけ家庭に近い雰囲気の中でゆったりと食事がとれるよう配慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」があります。「10の姿」は、全体計画の中の「保育施設として共有すべき事項」の欄に記載し、年間指導計画のⅣ期にも就学に向けた準備について記載されています。年度の後半頃から、子どものプレッシャーにならないよう配慮しながら、小学生になることを意識するような声かけを始めています。学校訪問をしたり、午睡のない日の設定、ハンカチ、上履きの用意など、学校生活への準備を行っています。年度末の懇談会では、就学に向けての話や個々の質問や相談に対応し、保護者の不安軽減に努めています。保育要録を作成し、小学校への電話などでの申し送りも行っています。現在はコロナ禍により小学校側の調整が難しいため、園児と小学生の交流イベントは実施できていませんが、小学校教諭と保育士が情報交換を行いながら、就学への期待と見通しを持った生活が送れるような配慮を続けています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

入園時に提出される健康台帳があり、健康状態や既往症、予防接種歴が記載されています。朝の受け入れ時にはその日の健康状態について必ず確認しています。保健計画があり、毎月「ほけんだより」が発行されています。体調悪化やケガについては、保護者に電話連絡を入れ、必要に応じて看護師か保育士が付き添って受診しています。保護者への報告とともに報告書に記録をしています。園でのケガで再度病院を受診する時には職員が付き添って通院するなど、丁寧に対応しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)については、ブレスチェックなど適切な防止策を行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

概ね5月、10月に健康診断を実施し、6月、11月に歯科健診を実施しています。健康診断の結果は職員全員で共有し、保護者に対しては、書面で一人ひとりに配布しています。健康診断の結果、既往症等には十分配慮し、個別計画に反映させ、計画を基に保育を行っています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、配膳時には調理室や保育室での声出し確認、別テーブル、別食器などを実施しています。毎月末に翌月の献立について、保護者、栄養士、担任による献立面談を行っています。経管栄養が必要な児童についても適切な対応を行い、食事の形態の配慮を行いながら、経口摂取についても進めています。医療的ケア児対象の喀痰吸引研修への保育士の参加があり、アレルギー研修は参加が計画されています。入園のしおりには、「食物アレルギー対応」の記載があり、保護者にアレルギー除去対応の説明をしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育計画を策定し、食に関する取組を行っています。幼児はクラスごとに野菜やさつま芋の栽培をし、成長の経過を観察し、収穫して食べる機会を作っています。乳児クラスでは、一人ひとりに語りかけながら、ゆっくり向き合って離乳食を進めています。楽しい雰囲気の中で食べることを大切にしており、無理に食べさせることはしませんが、完食の達成感を感じられるよう個々の食べられる量を提供しています。現在はコロナ対策も含めて、ゆとりを持って着席し、保育士が黙食を指導してはいますが、子どもたち同士にこやかに食事をするような雰囲気となっています。給食サンプルは、実際に提供しているものと同じ内容を展示し、保護者が見られるようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

年度途中8~9月で子どもたちの発育(身長・体重)に合わせてめやすとなる栄養量の見直しをしています。検食簿や残食調査、保育士からの報告を受けて、随時献立や食材の形状についても見直しをしています。給食会議では各クラスの喫食の様子や要望を聞き、翌月の献立に反映しています。地産地消を心掛け、食材は地元の商店から仕入れています。毎月「9月は奈良県の飛鳥汁」といった全国各地の郷土料理や、行事食や旬の食材を取り入れた献立になっています。2ヶ月に1回、食品衛生コンサルタントのチェック・助言を受け、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性のある危険要因を科学的根拠に基づき管理する、HACCAP(危害要因分析重要管理点)手法を用いて、衛生管理を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児クラスでは、複写式の連絡帳を使用し、園での様子を詳しく記入して記録が残るようにしています。クラスのホワイトボードに日々の保育の様子を記載したり、写真で活動や取組を発信しています。幼児クラスも連絡ノートを使用していますが、その日の園での様子を、家庭に帰って保護者に話すように子どもたちに働きかけています。写真による活動報告を行い、保護者と園での生活を共有しています。送迎時の対面での保護者とのコミュニケーションを大切にしており、家庭の状況や子どもの成長発達にかかわる情報を得るようにしています。情報は職員で共有し、必要に応じて対策をとり、日誌などに記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

公立保育園からの移管園で、移管以降保護者との関係づくりに取り組み、現在では良好な関係性が構築されています。保護者会があり、連携して園の運営を行っています。独立した相談室が完備され、保護者は他者を気にせずいつでも相談することができます。相談については、経験豊富な園長、次長が対応しています。すべての保護者を対象に個人面談も実施され、面談記録が残されています。相談についての対応としては、守秘義務を徹底し、保護者の信頼に応え、不公平や差別のないようにしています。保育士は毎日の送迎の際の会話を大切にして、小さな変化も見逃さないように心掛けています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書で、「虐待防止の措置」として、体制の整備が図られていることが明記されています。普段の様子を細やかに観察し、虐待に移行する可能性が高い時には、行政への連絡、通報を視野に入れた打ち合わせを行っています。要支援家庭については、行政と連携を図りながら、定期的なカンファレンスに参加しています。必要と判断した際には、対象者の自宅に出かけ、子どもの状況を直接確認しています。年間の研修計画では、虐待防止に関する研修が明記されていないようです。今後は明記される事が望まれます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

毎月のカリキュラム会議で、保育や子どもの姿について職員間で話し合い、振り返り結果を自己評価として、指導計画に記録しています。保育全般について、職員は自己評価を毎年実施し、保育目標の理解、指導計画を子どもの実態に即して作成できているかなどの保育に関する項目、家庭や地域との連携、クラス運営、研修など運営面での44項目について回答しています。各自のコメント、意見、集計結果は職員会議で報告しています。自己評価の結果を、改善策につなげていくことについては、十分ではない部分もあると認識しており、今後の課題としています。