社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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大倉山元気の泉保育園

2022年03月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 大倉山元気の泉保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120(104名) 名
所在地 222-0001
横浜市港北区樽町1-14-20
TEL 045-532-0076 ホームページ http://www.genkinoizumi.net/okurayama/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 元気の泉
職員数
常勤職員:20 名
非常勤職員:15 名
専門職員
保育士:34 名
看護士:1 名
施設・設備の概要
保育室:6    
トイレ:2  
調理室:1 
事務室:1
園庭:1 

③ 理念・基本方針
保育理念
 こころもからだも のびのびげんきに

基本方針
 すべての子どもたちが、自分の力でものごとをやりとげ、
   自分の行為に責任の持てる生活力のある、
  豊かで魅力的な人間となるための礎をつくります。

保育方針 ①(適切な栄養や運動に裏付けられた)
          たくましいからだ
     ②(困難な状況でもくじけない)
          がんばりのある子ども
     ③(自分の変化において)
          考えられる子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
①広々とした園庭があり、外遊びを重視している(子どもたちが好きである)点。
子どもたちと保護者へ聞き取りを行い、あえて遊具は置かず、広々と遊べるスペース、虫を探せる緑のあるスペースを維持している。緑を増やすため、職員・子どもでグランドカバーの種を撒いたり、水やりを行っている。

②「流れる日課」(乳児・幼児)、「育児担当制)(乳児)を取り入れている点。食事や午睡のタイミングは子どもが自分で決めるようにしており、一斉に食べたり、子どもたちがそろうまで待たせていない。乳児は担当保育士を決める事で、安心感をもって園生活が送れるようにしている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/04/30(契約日) ~2022/02/28(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)流れる日課で子どもの主体性を育んでいます

園では、子どもが生活時間を決める「流れる日課」を実施し、子ども達の個性、主体性、自発性を育む保育を実施しています。自分はどうしたいのか、何故そうしたいのかなど、基本方針である「自分の力で物事をやり遂げ、自分の行為に責任の持てる生活力のある、豊かで魅力的な人間となるための礎」となる主体性を日々の保育の中で育んでいます。
子ども達は、その日の自分の体、心に意識を向け自分自身で、外遊び、室内遊びを自由に選択しています。また、食事の時間も一斉にはしていません。一人で食べるよりお友だちと食べる方が楽しいと感じる子ども、もっと遊びたいと思う子どもなど子どもによって気持ちも様々です。一人ひとりの気持ちを尊重し自分のタイミングで活動ができるようにしています。


2)連絡帳アプリケーションを活用して、保護者と情報共有しています

園では、連絡帳アプリケーションを使い保護者と連絡を取っています。アプリケーションを使用して個別に子どもの体調や様子、その日の出来事などについて緊密な連携を取っています。保育中の子どもの様子がすぐに保護者に伝えられる事で、その子だけのエピソードを直に保護者に伝えています。保育中の写真をすぐに保護者へ送ったり、エピソードを伝える事でお迎えの時にも、話題が広がり職員と保護者との信頼関係の構築にも役立っています。園では、さらに連絡帳の機能を生かして、保護者と子どもの課題や育ちの共有を深めたいと考えています。
改善を求められる点 1)事業計画の職員、保護者への周知と策定プロセスの見直し

今年度は、期中において期首に作成した事業計画を見直し、新たに中期計画を反映した事業計画を作成しています。内容にはESD(持続可能な開発の為の教育)の取組や、連絡帳アプリケーションを活用した保育支援活動などを主体に、達成目標を明確にした計画が作成されています。今後、計画策定段階での職員等の参画や、事業計画の中で、職員の育成計画や食育、地域や学校との連携などの項目に具体的な取組内容が記載されることが期待されます。計画内容の充実と職員・保護者への丁寧な周知の取組が期待されます。

2)利用者への情報提供の検討

ホームページ内のブログでは、担当者を決めこまめに更新を行い園の様子を伝えていますが、方針、目標、園での子ども達の過ごし方について、一部ホームページの更新がされていない部分が見受けられます。ブログを含め全体の情報更新が期待されます。施設概要については、ホームページ、パンフレットと現状が異なるものがあります。園のクラスは、月齢配慮など十分考慮したものになっていますが、更なる説明が期待されます。現在の利用者や、将来の利用希望者に、現状にあった最新の情報を提供されることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
ご丁寧な評価を頂き、ありがとうございました。
 5年前の評価結果を参考にして、改善に努めてきた保護者の支援や職員育成についてご評価いただき、嬉しく思っております。また、前回から引き続きご評価いただいた、子どもを尊重する保育については、今後も追求していこうと考えております。同時に、今回改善すべき点としてご指摘いただいた、地域の福祉ニーズへの貢献や長期的な見通しを持った運営についても、意識的に取り組んでまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の保育理念は「こころも からだも のびのび元気に」で、「たくましいからだ」「がんばりのある子ども」「考えられる子ども」の3つの保育目標を掲げています。これらは、園のホームページ、パンフレットに記載しています。ホームページには写真やイラストを用いて、園の活動内容等を詳しく紹介し、入園のしおりにも説明が記載されています。理念、基本方針、保育目標は、職員会議や園内研修で確認し、日々の保育に反映できるように取り組んでいます。保護者には、入園説明会で「入園のしおり」をもとに分かりやすく説明し、毎年保護者アンケートで周知を図り、動画を用いるなどして説明し、理解してもらえるように努めています。園は、開園から10年が経過し、現状に満足せず現職員の価値観と行動規範、保育に関わる姿勢の更なる向上を目指し、見直しの必要性を感じています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

横浜市や港北区の人口動向、とりわけ年齢別4歳以下の動向を毎年把握しています。園のある港北区は現在人口増加地域で、東急線の新線開通が計画されていることもあり、地域ではマンションの新築計画も活発です。経営内容では人件費率に注意し、他園と比較しながら分析しています。区の園長会などに参加して区内の保育ニーズの情報を得ていますが、地域の各種福祉計画の策定動向や内容の把握・分析は出来ていません。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や保育の内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成等の現状分析にもとづき、具体的な課題や問題点を明らかにしています。現在は特に保育士の採用問題が課題です。「紹介制度」「奨学金制度」「就職支援金制度」「面談交通費補助」等の新たな支援制度を作り取り組んでいます。職員とは職員会議等で個別保育の内容について良く話し合いをしています。経営課題については、法人の理事会等で毎回話し合いをして検討しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

園の中期3ヶ年計画を策定しています。計画には収支計画も含まれますが、園運営において、特に人件費率に留意しています。計画には、社会情勢や保育事業の変化等がまとめられ、園として今後取り組む内容を明記しています。また、SDGs など新しい社会環境を踏まえて、園の基本方針である「全ての子どもたちが、自分の力でものごとをやりとげ、自分の行為に責任の持てる生活力ある、豊かで魅力的な人間になるための礎を作ります。」の実現に向けた計画内容となっています。中期計画は今後も必要に応じて見直しを図っていきます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

今年度は、期中において期首に作成した事業計画を見直し、新たに中期3ヶ年計画を反映した事業計画を作成しています。内容にはESD(持続可能な開発の為の教育)の取組や、「保育ITCサービス」を活用した保育支援活動などを主体として、目標を明確にした計画が作成されています。取組項目ごとの達成基準も計画段階で設定され、期末での評価基準も作成されています。今後、事業計画の中で、職員の育成計画や食育、地域や学校との連携などの項目に具体的な取組内容が記載されることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は昨年の活動を総括し、園長が作成しています。法人本部の理事会で承認されたのち、職員会議で職員に周知されています。事業計画については、職員の参画のもとでの策定がされています。毎年12月から3月の間に年間活動の振り返りを実施し、事前に全職員が参画した話し合いでの意見を集約して策定が実施されています。計画の実行に当たっては職員会議等で実施状況の検討を行い、職員の理解を深めると共に、四半期に1回見直しを実施しています。 

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保護者には、入園説明会で重要事項説明書、入園のしおり、年間行事予定などを配布し、保育理念や保育内容、年間行事の意図等を説明しています。事業計画の内容は運営委員会で説明し、参加している保護者の代表(2名)や町内会会長、民生委員等に周知しています。また、事業計画は保護者が閲覧できるようになっています。クラス別の懇談会などを実施しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

園では組織的にPDCAサイクルにもとづく保育の質の向上に関する取組を実施しています。保育の記録は今年度よりF-SOAIP(エフソ・アイピー:生活支援記録法)を導入し、日々の保育や行事の記録を残しています。整理された情報をもとになされた判断が次の計画に生かされるようにすることが、職員間で共通認識されています。F-SOAIPの記録法は、職員からは書く項目がはっきりして書きやすくなったと好評です。収集されたデータは月に1回のカリキュラム会議、四半期に1回のクラス会議で今後分析・検討され、保育の質の向上に向けた取組に生かされています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保護者アンケートを毎年1月に実施して、保育や園の運営全般について意見や要望を聞いています。保護者からは行事の予定を早く知らせて欲しいとの要望が寄せられ、現在は2ヶ月前には日程と概要を伝え、1ヶ月前には詳細な連絡を伝えるようにしています。保護者懇談会は年2回実施しています。現在、評価結果から明確になった課題について、職員の参画のもとで改善策や改善計画を策定する仕組みがありますが、今後さらに職員と共に計画的・組織的に改善に取り組んでいくことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は保育所の経営・管理に関する方針と取組を明確にしています。園長の役割と責任については「危機管理マニュアル」等に責任と権限が記されています。災害・事故等における園長の役割と責任については、平常時のみならず、不在時の事務主任への権限委譲等を含め明確にしています。連絡帳アプリケーション等を利用した保護者への、園長からのメッセージの発信も月1回の園だよりで行っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は法令順守の姿勢を明確にして、経営に関する研修や勉強会に参加し、遵守すべき法令等を正しく理解するよう努めています。外部で実施されている「福祉経営セミナー」に毎月参加し、社会福祉法人の経営や関連法令について学んでいます。また、取引事業者の選定に当たっては、相見積もりを取り、事業者を決定するなど、公正な運営に留意しています。職員に対して職員会議やミーティングで、話題に関連する保育所保育指針や、全国保育士会の倫理チェックリスト等を紹介し周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質の向上に意欲を持ち具体的な取組を明示して指導力を発揮しています。職員研修は昨年までは園内研修、今年度からは法人内研修を、園の現状に即した内容で大学教授と検討し、新たに企画し運営しています。また、職員のモラールアップが保育の質向上にとって大きなファクターであることを認識し、職員の意見や希望を汲み取り、待遇や働きやすい勤務体制への配慮等を工夫しています。年末の職員の自己評価等により取組の課題を分析し、次年度に生かす指導を実施しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、人事・労務・財務等を踏まえ分析を行っています。その際、財務状況について税理士にアドバイスを受けています。労務関係では職員の退職また入職の理由を聞いたり、残業の内容を聞く等して、運営方法を改善し働きやすい環境整備に取り組んでいます。今年度より、保育主任2人体制(クラス担任を兼務)を採用し、一般職員と管理職員のつながりを深め、連絡・報告をスムーズに行えるようにしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

保育所が目標とする保育の質を確保するため、「職員採用方針」に必要な配置、採用の方針が明記され、それにもとづいた取組が実施されています。ホームページ(HP)による求職者へのアピールは園に加えて、法人のHPにも掲載しています。「就職支援金制度」や「内定者交通費補助制度」等を新設し、地方からの採用にも取り組んでいます。派遣保育士も利用しながら、保育人員を確保しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念・基本方針にもとづき「採用したい職員像」を明確にしています。職種別のコンピテンシーシート(能力・技能・力量・適正調査)を用いて自己評価をし、法人が期待する職員像が描けるようにしています。園長は自己評価をもとに職員と面談を行い課題と達成できたことを確認し、今後のキャリアへの希望等を聞くと共に、職員からの要望等も聞いています。新たな賃金制度も導入され、職員が専門性や職務遂行能力を高め、自ら将来の姿を描けるよう総合的な人事管理制度が実施される仕組みが出来ています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の勤務シフト表は保育主任が作成しています。職員の有給休暇の申し出は前月の半ばまでに申告し、取得状況を定期的に確認しています。法人としてハラスメントの相談窓口も設置しています。年2回の職員との個別面談では、ノンコンタクトタイム(子どもと離れて事務作業をするなどの時間)の導入や、小学校低学年は保育園時代より時間の融通がつかない実態を理解し、入学校2年生までの子を持つ親はシフト当番を免除する新たな職務運用ルールを作る等、働きやすい職場づくりの取組を行っています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園では職員一人ひとりの育成に向けた目標管理が行われていますが、年度中間での取組の確認等はまだ十分ではない部分もあります。職員の個人面談で年度目標や受講したい研修、キャリアの見通し等を話し合っています。職員の個人面談をもとに、各人の育成シートを園長が作成しています。シートにはチャレンジしたいこと、期待したいこと等を記入しています。今秋からコンピテンシーとキャリアアッププランなどを一元化した管理表を作成し、目標管理を適切に実施する予定です。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

保育所として職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定されています。計画の中には、「期待する職員像」が明記され、職員に必要とされる専門技術や資格についても明示されています。保育士一人ひとりの育成計画を作成し、受講したい・させたい研修を明示しています。育成計画に沿って必要な研修の受講や希望する研修の受講を推奨しています。コロナ禍による影響もありますが、継続した研修参加が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりについて、教育・研修の機会が計画されています。園長は入職時及び年度末の職員との個人面談で職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況を把握して、職種別・階層別に必要な研修を案内しています。新任職員には担当職員を配置してOJTを行っています。様々な方法を検討しながら、職員一人ひとりに対して必要な教育・研修の機械が確保されるよう取組を進めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生等、保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢を明文化し、マニュアルを整備しています。毎年実習生を受入れ、保育の実習中の養成校の教員による訪問指導の際は、教員と実習生各人の課題の確認や、保育者養成についての考え方の情報交換等を積極的に行っています。実習ノートの書式についても意見交換し、経時記録からエピソード記録への変更を提案する等積極的な取組をしています。今後、質の高い適切な実習指導を実施していくために、実習指導職員への研修の機会を確保することが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育所の事業や財務等に関する情報について、適切に公開しています。園のホームページには理念や基本方針、保育の内容が公開され、法人のホームページには社会福祉法人の予算、決算諸表が適切に掲載されています。平成29年に福祉サービス第三者評価を受審しています。苦情・相談の体制は園内に掲示されています。ホームページ内の苦情処理の公表ページに内容の記載がなく、活用が期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園における事務、経理、取引等は法人の規定で権限・責任が明確にされ処理されています。経理処理の大半は法人本部で実施され、園では小口現金の扱いがあるだけとなっています。法人を通じ外部の税理士に予算・決算作成時に財務について相談し、指導を受けています。内部監査は実施していますが定期的な確認にはなっていません。経営・運営にかかわる職務分掌やルールについて、職員にも周知することが期待されます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

現在もコロナ禍が続き、子どもと地域との交流を広げる活動が出来にくい状況です。以前は地域で実施された「移動動物園」や「子ども食堂」等のお知らせを園内に掲示していました。参加した子どもたちは、ウサギやロバと触れ合う機会を持ったり、「子ども食堂」の食事を楽しんだりしました。発達や子育ての相談が必要な家庭には、区の子育てセンター等を紹介しています。園行事には、子育てセンター等を通して、地域の子育て家庭を招待しています。夏祭り等には外国人の子どもたちも参加し楽しんでいます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティア等の受入れに関する基本姿勢は明文化されていません。これまでボランティア受入れの経験もありませんでした。現在はコロナ禍で外部からの来所者は規制していますが、今後、どのようなボランティアを受入れていくか、検討を始める予定です。区社協のボランティアセンターの活用や絵本の読み聞かせボランティアの受入れ等を検討する意向を持っています。学校教育へは近隣の中学校の職業体験の受入れ等で協力しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

子どもにより良い保育を提供するために必要となる、関係機関・団体の機能や連絡方法を把握し、適切に連携を取っています。関係機関のリストを作成し、事務所に備え一部は事務所内に掲示しています。専門機関での支援が必要なケースがあった場合には、職員会議等で検討し、「療育センター」ほか繋げる専門機関について共有しています。虐待が疑われるケースや保護者の育児能力に課題があるケース等については、港北区こども家庭支援課に相談し、連携しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園では子育て相談専用電話回線を設置し、いつでも相談を受け付けられる体制を整えています。園庭解放の時等の来所者は相談ごとを持っている方が多く、「子育て支援室」等を利用して対応しています。樽町地域で唯一の社会福祉法人として、園の運営に支障なく、できる範囲で地域のニーズや生活課題等の把握に努め、地域貢献活動について検討を始めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

港北区公私立保育園合同育児講座「わくわく子育て広場」への参加や、樽町地域ケアプラザでの「にこにこ広場」等地域の子育てイベントに参加しています。園では地域の育児支援として、一時保育を提供しています。夏休み期間中等、幼稚園が休園中の利用があります。地域の福祉ニーズを把握し、園の有する専門的なスキルや情報を生かし、今後更に、災害時の地域支援や公益的な事業活動に取り組むことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念として「こころも、からだも、のびのび元気に」を掲げています。職員には職員会議等で理念と共に、園で策定した「人権の尊重についてのガイドライン」を周知し、子どもを尊重した保育について職員が理解し実践するための取組を行っています。保育の中で、「みんなちがって、みんないい」と思えるように、子ども達がお互いに良いところを見つけたり、感謝の言葉を言い合えるように心掛けています。子どもの尊重や基本的人権への配慮について、職員が定期的に状況を把握し、勉強会や研修会を行い共通の理解を図るための取組を行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務等を明記した「個人情報保護についての注意事項」を作成し、職員に周知しています。プール遊びのよしずやターフでの目隠し、シャワーの際はタオルを巻く、園内に子どもの写真と名前を一緒に掲示しない、注意をする時は個別のスペースで話をする等配慮をしています。写真の使用については、保護者へは入園説明会の際に口頭で説明し、毎年文章で保護者の意向を確認しています。子どもの個人ファイルは鍵付きロッカーで保管しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者が保育所を選択するために必要な情報を積極的に提供しています。園のパンフレットはイラストや写真を使って、理念や教育方針、保育目標、地図、園の概要、一日の流れ等が記載されています。近隣の商業施設で行われる保育イベントで配布するほか、門の脇には常時置いています。9月後半から10月末まで、ほぼ毎週見学会を実施しています。見学に際しては丁寧な説明を心がけています。ホームページでも「良くある質問」を公開しています。社会情勢(コロナ禍)等を考慮して、説明する内容の見直しをしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園時には、重要事項説明書で詳しく保護者に説明しています。保育内容の変更時には、事前に運営委員会の保護者代表者に意見を聞いたうえで、利害関係がある可能性のある家庭には個別に意見を聞いています。そのうえで、全家庭への説明を保護者懇談会で行い、理解を得ています。行事等の変更は、動画、書面、メール等複数の伝達方法を使って、変更内容とその理由を説明しています。日本語理解の配慮や、心理的な配慮が必要な家庭への説明はルール化され、適正な説明、運用が図られています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更に当たり、保育の継続性に配慮していますが、決められた引継ぎ文書フォームはありません。転入時には、生活の様子等を聞き取りするために、元の保育園に電話で問い合わせをして保育の継続性に配慮しています。卒園児は夏祭り等に招待しています。卒園時に、子どもや保護者に対し、その後の相談方法や担当者について説明を行い、その内容を記載した文章を渡すことが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者アンケートや個別面談、保護者懇談会のフリートーク等から、また各種の行事後のアンケートから保護者の満足度を把握しています。子どもたちからは表情や体調、食事量の変化から満足度を測ったり、年長の子どもであれば、保育園で楽しいこと、逆に嫌なこと等を聞いて満足度を把握するよう努めています。不満や改善を望む声を受け止め、改善に取り組んでいます。掲示物を一箇所にまとめて貼ることや、行事案内の早期化、連絡帳アプリケーションでの連絡はクラス別にまとめる等、要望に沿い都度改善をしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決のマニュアルと体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備されています。体制は保護者等に重要事項説明書や園内の掲示などで周知されています。苦情を受けた際には、苦情解決対応マニュアルに沿って対応することとし、まず一報を入れて、一週間をめどとして対処するようにしています。報告の連絡方法は保護者の要望に沿って行っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者が相談したり意見を述べたいときに方法や相手を選択できる環境が整備されています。保護者に伝えるための取組が行われていますが、園以外の相談窓口(第三者委員等)については保護者の理解が十分とはいえない状況です。保護者からの相談には、都合の良い日時を担任と決め、他の人に聞かれることがないよう「子育て支援室」を使用するなどして個別に対応しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

園では「苦情受付の手順」マニュアルを作成し、職員に周知しています。保護者から苦情を受けた際は苦情解決が途中であっても経過の報告をするようにしています。保護者からの相談や意見は、職員会議の議事録で職員全員に周知し、共有しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故防止に関するマニュアルがあります。マニュアルは、誤飲防止、プール遊びの安全等の記載もあり、園内外で起きた事故に関する責任者を園長としています。事故発生時のフローチャートには責任者が園長であることが明記されています。ヒヤリハットは園内に掲示されており、集計分析がされています。職員(非常勤含む)は、救急救命の研修を受けたり、自他園の事例を基に事故防止に努め、園内外の各場所や備品の安全点検は、職員が定期的に行い、安全確保と事故防止に努めています。ヒヤリハットは、F-SOAIPの方式をとり、わかりやすいものになっています。今後は更なる取組の強化として職員内に安全に関する組織を持つことが望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策における実務や職員への指導等を看護師が中心となって担当し、責任者を園長とした管理体制が整備されています。感染症対応マニュアルに基づいて嘔吐処理研修等を定期的に実施しています。新型コロナウイルス感染予防については、横浜市のガイドラインを基に手洗い、換気等予防対策を施し、感染対策を徹底しています。感染症が発生した場合には、全職員への周知と適切な処置を行い、保護者へは、連絡アプリで状況を一斉配信するとともに玄関に掲示して情報提供とともに、注意喚起を促しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時における対応体制が明示された災害対策対応マニュアルを整備しています。防災計画に沿って、毎月防災訓練を実施しています。園は浸水地域に該当するため、浸水を想定して避難訓練を実施し、迅速な対策を行えるようにしています。また、備蓄リストを作成し、事務主任が管理をしています。年1回の引き取り訓練の他、防災食の入れ替え時には子どもたちが非常食体験をしています。保護者や職員の安否確認は緊急メールシステム用いて行っています。園では災害時の事業継続として、シフトに関わらず出勤できる職員が出勤する体制をとっています。地域との結びつきを考え、地域の防災訓練があれば参加したいと思っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育に関わるマニュアル類がファイルされています。保育マニュアルの中には、「自分は大切にされていると感じられる子」「手は包むように、言葉は手渡すように」と園の保育の姿勢が記載され、職員に周知されています。「子どもを尊重する保育」や「子どもの人権擁護」を心がけ、言葉かけなど良い例は日誌に記載して職員間で周知しています。子ども一人ひとりの姿を見て、個別の指導計画を作成しています。指導計画や日々の保育は職員会議、ミーティング等で職員間で情報交換をして、より良い保育に繋げるように心がけ、子ども一人ひとりの人権、個性を尊重するように努めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

日々の保育を実践する中で、マニュアルに関しての気づきがあれば、職員間で報告し合い、ミーティングや職員会議等で意見交換を行っています。園長と主任は、職員の意見をもとに、保育の実態とマニュアルとの整合性を図りながら協議を行い、その都度見直しと改訂を実施しています。年度末は、クラスごとの年間指導計画に対する保育実践の振り返りを通して、マニュアルの見直しにつなげています。クラス懇談会や個別面談などで出された保護者の意見や提案をマニュアルの見直しに反映させています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画をもとに各クラスの年間指導計画を作成し、保育マニュアルに指導計画の作成と評価の手順が明文化されています。指導計画は各クラスの話し合いを経て担任保育士が作成し、主任の確認後、園長が最終確認を行って完成させています。0~2歳児クラスの全園児と3~5歳児クラスの、特に配慮を必要とする園児に対しては個別の指導計画があります。入園時は、保護者が記載する児童票と個別面談記録などの情報をもとに、入園後は、保育日誌や個別の健康記録、発達記録、他をもとに作成しており、保護者の意向、子どもの生活や成長に必要な、関連機関等のアドバイス等も反映させています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画など、指導計画の作成、提出期限が「保育マニュアル」に明記され、定期的な評価と見直しを行っています。例えば、年度末には年間の総合評価を行い、月間指導計画と週案は日々の振り返りを基に、他のクラスからのアドバイスをもらう等しながら、それぞれの期限に評価を行っています。週案の活動内容等を緊急に変更する場合は朝の時点で職員に周知を図り、職員体制の確認を行っています。指導計画の評価と見直しは、前月の子どもの姿(夢中になっている事・チャレンジしている事)から、ねらい、取組と子どもの姿を導き出して、職員間での話し合いに基づいて次月の保育に繋げています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

入園後の子ども一人ひとりの成長の記録は年度ごとに児童票の育成記録に記載しています。保護者から得た子どもや家庭の状況や要望等もファイルされています。個々の発達状況及び食事や午睡、トイレ等の生活状況を細やかに記録して、一人ひとりに見合った保育が実施されているか確認できるようになっています。職員は月1回の職員会議、カリキュラム会議、期ごとのクラスミーティング等を通じて子どもの情報を共有するとともに、日常的に引継ぎノートを使用したり、担任が付箋を使い必要事項を記載する等して、伝達漏れのないように努めています。 園では、記録類のICT化に取り組み、職員の記載内容を統一できるように、F-SOAIP方式を使用した書式を導入しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護に関するガイドラインには、保管や廃棄、本人等への情報開示に関する事項のほか、不適正な利用や漏えい防止に対する対策等が明示されています。園長、保育主任、事務主任は専用のパソコンを使用し、紙ベースの記録類は施錠できる場所への保管を徹底する等園長を責任者として適切な運用管理を行っています。園内研修で職員が個人情報の取り扱いに関する事や、職員が遵守する取組について学んでいます。保護者には、入園時に、個人情報の使用目的や写真、動画の取り扱い等について説明を行い、個人情報使用提供承諾書の同意を得て、適切な運用に努めています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」作成にあたっては、児童憲章や児童の権利に関する条約などの理念を踏まえ、法人の理念、方針、目標をもとに児童福祉法、保育所保育指針で求められている役割を考慮して作成しています。全体的な計画は、職員から出された日々の気づきや、意見、栄養士・看護師の専門視点を生かし、毎年園長が見直をして、次年度の計画作成に繋げています。自園の現状に見合った、家庭・地域・学校との連携として、地域交流、アプローチカリキュラムの実施を考慮しています。さらに、年度ごとの「目指す子どもの姿」を掲げ、子どもの発達過程に沿った養護と5つの領域(教育)を掲げて長期的な見通しで子どもの主体性を育む保育に繋げています。全体的な計画の見直しは年1度行い、作成した計画は、年度初めに全職員に説明し、共通理解を持って保育にあたれるように努めています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室は、採光が良く、温湿度計や空気清浄機を備え、エアコンを使用して、子どもたちが快適に過ごせるように、適切な湿温度管理がされています。年3回業者による寝具の入れ替えを行っています。職員は時間があれば、室内の清掃をして衛生に配慮しています。保育室は午睡、遊びと食事と活動に合わせてスペースを分けています。乳児は月齢によって活動のスペースを設けるなど、子どもが落ち着いて、安全に過ごせるように配慮しています。遊具は子どもの成長に応じた安全なものを備えています。また、季節や子どもの成長に合わせてコーナーの配置換えをしたり、畳やマットレスを用いて、子どもが落ち着いてくつろげる環境設定になっています。職員は、子どもの傍で一緒に遊んだり、子どもたちが自分のやりたい遊びに集中し、満足感を得て子どもが遊びの区切りをつけるまで見守っています。各クラスに手洗い場を設置し、トイレも衛生に関するマニュアルを基準に清潔が保たれています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの心身の成長や、課題については発達記録、指導計画(個別)で把握しています。子どもの主体性を大切にした、「流れる日課」を実施して、職員は子どもが自分で物事を決め、考えられるよう心がけています。職員は、子どもと職員との信頼関係が育つように、子どもの欲求を肯定的な言葉で受け止め、子どもと視線を合わせて、話を聞くようにしています。注意が必要な場合にも、子どもの個性や年齢に応じて、理解できる言葉で端的に伝え、穏やかな口調で子どもが話を聞けるように心がけています。子どもの気持ちに寄り添い、うまく自分の気持ちを伝えられない子どもの言葉を代弁しています。子どもの人権を傷つけるような、否定的な言葉遣いが職員に見られた時には、会議などで園長が「全体的に~のような傾向が有る」ことを伝え、クラスの課題として振り返りをしています。職員は、日々の保育の中で子どもの気持ちを肯定的に受け止めるよう努めています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

園の基本方針は「すべての子どもたちが、自分の力で物事をやり遂げ、自分の行為に責任を持てる生活力のある、豊かで魅力的な人間となるための礎をつくります」です。園では子どもが時間を決める「流れる日課」を実施し、個々の主体性、自発性を重視しています。職員は、他と比べるのではなく、一人ひとりの育ちを見守り、その子どもがどうしたいのか、どのように受け止めているかを見逃さないように努めています。着替え、片付けなどの基本的習慣は、子どもの「できた」を大切にして達成感を持てるように、褒め言葉をかけたり、子どもが目標や意欲をもてるよう環境支援に努めています。そして、「何故、〇〇という習慣が必要なのか」をわかりやすく話し、必要に応じてイラストを使うなどして、子どもが理解しやすいように工夫しています。園生活は活動のメリハリをつけ、乳児の家庭との連続性が必要な時期は一人ひとりの子どもの家庭での生活状況を把握し、子どもの生活習慣に合わせて授乳、睡眠の対応をしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

保育室にはそれぞれの年齢に見合った職員の手作りおもちゃなどが用意されて、子どもの年齢や発達に応じて興味・関心を持ち、主体的に選べるようになっています。職員は子どもが遊ぶ様子を見守り、言葉をかけるなどして、子どもが安心して遊べるように配慮しています。子ども達は、室内遊び、外遊びを自分自身で選択することができ、自由に遊びを楽しめるようにしています。園庭が広く、虫探し、築山登りで自然に触れ、サッカーなどで体を動かして遊ぶこともできます。0歳児以外の部屋は、オープンスペースで日常的な交流があります。3~5歳児は、週に1度、朝の時間に子ども同士で話しあい、園全体でコーナー遊びをしています。異年齢交流の中で年上の子どもが年下の子どもをサポートし、思いやりの気持ちを育んでいます。遊びの中で順番を待つこと、貸し借り、散歩時の交通ルールや挨拶なども学んでいます。園は、楽器、一部の画材など、子どもたちが自由につかえる環境になっていない事を課題としています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児への配慮として、月齢の差、育ちの差を大切にしています。例えば、0歳児の月齢の一緒の子どもは歳児の月齢の低い子どもと一緒に活動をして、子どもの成長発達に見合った遊びなどを考慮しています。0歳児クラスでは、子どもの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラスの指導計画を作成し、担任間で子どもの心身の発育に関する情報を共有しています。職員は、子どもの表情や、喃語を受け止め「楽しいね」「~なのね」と子どもが自分が認められていると感じる言葉を返し、スキンシップを通じて信頼関係を築いています。子どもの生活リズムに配慮して、午前寝や少し早い時間にミルクを飲むなど個別に対応しています。おもちゃは、職員が手作りで触感が良いものや、感覚的に遊べるものを用意して、職員と一緒に楽しんでいます。園での食事、遊び、排泄などの状況は保護者にアプリを通じて伝え、保護者と園と連携して子どもの成長を見守っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

園では、1歳児2歳児を持ち上がりにしています。成長の段階として自己主張が見られる時期になるので、子どもが集中して遊べるように職員は安全に配慮して見守っています。また、歌を一緒に歌ったり、他人と遊ぶ楽しさも伝えています。かみつきやひっかきは、職員が子どもの気持ちをそらす言葉がけをするなどして安全を確保していますが、何故このような事になるか職員間で話し合い再発のないように対応しています。2歳児頃の自我が目覚める時期の子どもの主張は肯定的に受け止め、子どもが自己肯定感を持って安心できるように努めています。保育士は、友だちとの関わりの中から順番があることや、ルールのある事、自分が嫌な事は、他のお友だちにもしないなど、子どもが理解しやすい状況、言葉で伝えています。保護者には、連絡アプリに子どもの成長している様子を伝えたり、誕生日の保育参加の時には、子ども達と遊ぶなどして自分の子どもや友だちの成長に触れるように配慮しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

継続的な保育を実施している中で、子ども一人ひとりの成長に合わせた対応を心がけています。3歳児は集団で皆で過ごすという意識をもてるように心がけ、4歳児は集団で何かを一緒にする遊びや、友だちとの関り、自分の気持ちのコントロール、5歳児は自分たちで考えたものを協力して取り組めるように職員は支援しています。子どもの成長に合わせて~をするという意図的な方針ではなく、子どもがやってみたい事がより発展できるように、アドバイスや環境を整えて支援しています。例えば、子どもが砂場でダムや水路を作る活動を見守り、樋などを用意して子どもたちの創造性が発揮できるように支援をしました。保護者には連絡帳アプリで配信をしたり、ドキュメンテーションを園内掲示するなど情報提供しています。運動会では、日常の保育の中で子どもたちが何を見てもらいたいかを考えたものになっています。5歳児は、運動会で自分たちが出来るようになった、ダンス、縄跳び、ブリッジを披露しました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

職員は、専門的な障がいに関する研修を通じて子どもとの関りを学んでいます。園内はバリアフリー構造になっています。障がいのある子どもの受入れにあたっては、子どもの特性に合わせて個別指導計画を作成しています。他児との関わりは、障がいを持つ子どもがどうしたいかを考慮して、無理強いはしていませんが、友だちと交流が持てるように職員が配慮しています。子ども自身は、友だちに対して自分たちが何が出来るかを考え一緒に園生活を過ごしています。保護者とは連携を密に取り、その子どもの関係する専門機関での取組を参考にして、保育に取り入れています。子どもの状況については職員会議などで情報共有し、対応方法を話し合い、職員も障がいのある子どもに関する研修に参加しています。子どもに対して必要な専門機関の紹介パンフレットや、保護者からの相談内容で専門機関に支援をつなげるなど、子どもと保護者に適切な情報を伝えるための体制があります。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間園で過ごす、子どものストレスを出来るだけ軽減できるように、子どもとのスキンシップを十分に取り入れています。保育室内には子どもがホッとできるように、室内にくつろげるスペースを設けています。延長保育の時は、子どもの状態に合わせて補食を提供し子どもの心身の欲求が満たされるように配慮しています。延長時は子どもたちは好きな遊びに、じっくりと一人で取り組んだり、友だちと一緒に遊んだり、年上の子どもが、年下の子どものお世話をするなど異年齢の交流もみられます。職員は子どもが主体的に活動ができるよう、安全に配慮して見守っています。担任は退勤時に延長保育担当者に引き継ぎを行っています。子どものその日の様子、持ち物については口頭で引継ぎ、さらに延長ノートに連絡事項を記載して連絡漏れのないように努めています。保護者には、怪我、体調については連絡帳アプリで連絡をし、降園時に保護者からの質問などに丁寧に対応しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に小学校との連携について記載し、幼児期の終わりまでに育って欲しい姿10項目と小学校との連携について記載し、アプローチカリキュラムを実施しています。昨年は地区の年長児交流、小学校からの招待はコロナ禍で実施されませんでしたが、今年度は、近隣園のみで実施できるように計画しています。幼保小の連携から、近隣の小学校の校長先生から園児が手紙をもらうなど、子どもたちが就学に期待感が持てるように努めています。配慮が必要と思われる子どもに関しては小学校職員の訪問などにより、子どもの情報共有に努めています。2月の懇談会では、小学校に兄弟児がいる保護者からの情報や、個別の面談などで保護者に情報提供をしています。保育所児童保育要録は担当保育士が作成し園長及び主任が確認しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理マニュアルや、年間の保健計画があります。重要事項説明書には(健康診断、健康管理、病気のときの対応)という項目があり、園の健康管理、病気の時の対応、健康診断の時期や、家庭で子どもに対して意識してほしい事等の記載があります。朝の視診で子どもの健康状態や、怪我の有無などを保護者に確認し、降園時には園での子どもの様子を伝えています。これらの情報は、朝、昼のミーティングで職員間に周知され、引継ぎノート、連絡帳アプリに記録されています。子どもの既往症については、入園時の面談や、保護者からの情報で把握し、子どもの健康に関する情報は、個人ファイルに記録され、職員と保護者で共有しています。午睡時のSIDS(乳幼児突然死症候群)予防は(0歳児)体位と呼吸チェックを5分ごとに実施、保護者にはポスター掲示や入園説明会でSIDSについて情報を提供してうつぶせ寝の危険、あおむけ寝の推奨を呼び掛けています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

全クラスとも、年2回、園医による内科健診と歯科健診を行い、身体測定を毎月実施しています。そのほか、3~5歳児は年1回尿検査、3歳児は視聴覚健診を実施しています。健康診断の結果は健康記録簿とクラスごとの定期健康診断簿、歯科健診は歯科健診簿に記載し、園生活を通して子どもの健康について把握しています。保護者には結果表に記載して伝えています。子どもの健康診断の結果について気になることがある時は、全職員に周知しています。内科健診及び歯科健診の時では、看護士が窓口となり、事前に保護者から気になることを聞き取りをして、医師より回答をもらっています。日々の歯磨きなどは、担任が実施し、子どもに歯磨きの大切さを伝えています。保健だよりを発行し、健康診断のお知らせや、感染症、健康に関する情報も保護者に知ってもらえるように努めています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもについては、入園時の面談に栄養士も同席し、対応について説明をし、かかりつけ医の生活管理指導表を受け取ってから除去食を提供しています。誤配食がないように、ガイドラインに従って食器や、布巾なども使い分け、さらにアレルギー対応食は見た目でも違いが分かるようにして他児食との違いをはっきりさせています。毎月保護者に献立表から除去する食品をチェックし渡しています。対応食提供時には、提供食にラップをかけ変更食材を記載し、声出し確認などを行って誤食がないよう注意しています。アレルギー児にお代わりはないので、保護者に納得いくように説明をしています。職員は、アレルギーに関する研修やエピペン研修を受けています。園にはアレルギー時に緊急対応が必要な子どもの一覧ファイルがあり、対応に努めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

園では、子どもが好きな時間に食事が取れる「流れる日課」を実施し、子ども一人ひとりが自分で生活のリズムを考えられるように取り組んでいます。年間の食育計画を作成し、子どもが食を通じて年齢に見合った様々な体験、経験ができるように取り組んでいます。今年は、3、4歳が三つ葉の栽培をしたり、梅ジュース、梅干し作りの体験をしました。食事の量は、個々に差があるので その子どもが自分で完食できたり、苦手なものが食べられたという達成感をもてるように量を加減したり、子どもに対して声をかけています。食器は高度強化磁器を使用し、発達段階に合わせて形状が考慮されています。誕生日メニューや、リクエストメニューなど子どもが楽しめる取組があります。試食会を希望した保護者を対象に、抽選で3~4組の実施をしています。当日の給食はサンプルを掲示しています。毎月、献立表・給食だよりを配付し、園の取組を記載するなどして保護者に理解してもらえるように努めています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

子ども達に安全でおいしい給食を提供するために、2週間サイクルの献立を実施しています。味付け、食材の切り方、献立作成などに保育士の意見を反映させています。残食を定期的に調べ、子どもたちの好み等の把握に努めています。そして、月1回の給食会議でこれらをまとめ、次の献立作成に繋げています。献立は、旬の食材を使い、季節感を感じられるように配慮したり、行事のある時は行事にちなんだ献立を取り入れて、盛り付け、彩りなど見た目にも楽しく、食に対して興味をもてるように工夫しています。離乳食など、形状移行の時期は、子どもの成長、体調に合わせて保育士と調理士が連絡を取り、保護者にも確認をして実施しています。調理室の衛生管理マニュアルに沿って職員は毎日の業務の中での衛生管理を徹底しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡用アプリを使用して個別に子どもの様子、出来事について緊密な連携を取っています。保育中の子どもの様子がすぐに保護者に伝えられる事で、その子どもだけのエピソードを直に保護者に伝えています。年度初めに動画を配信して保育方針、行事などについて知らせています。さらに、クラス便り、園だより、全クラスのドキュメンテーションを玄関に掲示するなど、自分の子ども以外の子どもの保育園での活動ぶりや成長の姿を保護者に知ってもらえるように努めています。そして、集団の中の子どもの様子を共有できるようにしています。降園時には、保護者の様子にも配慮し、その会話から、子どもの情報、課題を共有するように努めています。保護者との会話の中で気になったことは職員間で共有し、保護者と信頼関係を築けるように、話しやすい雰囲気で保護者の気持ちに沿った対応を心がけています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

連絡アプリでは、保護者の心配事や、小さな出来事なども必要に応じてアプリ内で伝える事ができます。また、アプリのやり取りだけでなく、送り迎え時の会話など日々コミュニケーションを通じて子どもの様子を伝えたり、家庭での様子も聞いたりしながら、保護者との信頼関係を築くように取り組んでいます。保護者とのコミュニケーションを図るときは、子どもの話だけでなく、保護者の就労状況や、家庭状況に配慮して、体調や気持ちの変化にも配慮し、声をかけるように努めています。保護者から相談を受けた時は丁寧な対応を行い、必要に応じて相談の場を設けるようにしていますが、保護者からの説明要望に十分応えられていません。育児相談なども実施し、これら相談内容は個別のファイルに納められています。悩みに対して具体的なアドバイスをし、その後もフォローするよう努めています。相談は主任、園長に報告し、必要に応じて職員間で情報共有し、同じ対応ができるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待に関するマニュアルがあります。朝の、受入れ時の視診で、怪我のある場合には保護者に確認をし、着替えの時の痣や子どもの機嫌、何気ない会話にも注意を払っています。子どもに虐待の兆候が見られた場合には、目に見えるものは写真を撮り、園長に報告をしています。園長が窓口で、区の保健師や港北地区樽町児童家庭支援センター、樽町師岡地区子ども連絡会、港北区の母子シェルターなど関係機関との連携をとれる体制があります。職員間でも情報共有し、園全体で統一した対応方針を決めています。気になる保護者には声をかけるなどして、園でも相談にのり、保護者の気持ちに寄り添い、心のケアにも努めています。職員は、虐待に関する研修を受けて知識を深めています。また、子どもに対する保育士の何気ない言葉かけや対応が子どもの人権を侵害、虐待に繋がることを踏まえて、自己評価を行い、言葉の大切さを意識していく必要性があると考えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

各指導計画に対する保育の実践について、昼ミーティング、クラス会議、カリキュラム会議、職員会議で意見交換を行い、主体的に日々の保育の振り返りを行っています。行事の際には行事後も振り返りを行い、次の行事計画に生かしています。保育内容に関して、定期的な指導計画において「子どもが夢中になっている姿」をベースにしています。そして、振り返りや自己評価・反省を記録して保育の改善や次の指導計画作成に生かしています。反省内容は、会議等で他の職員と共有することで、お互いの学びや保育に対する意識の向上に繋げています。職員は年度末に公立保育園の自己評価項目を参考に自己評価を行い、園長面談で自身の課題や目指すものについて確認をしています。これら職員の自己評価と保護者アンケートの結果を園の自己評価として保護者も閲覧できるようにしています。園全体でニーズに合った保育の専門性の向上に努めたいと考えています。