社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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実遊中央保育園

2025年11月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 実遊中央保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50(39) 名
所在地 〒230-0051
横浜市鶴見区鶴見中央2-16-27
TEL 045-500-2260 ホームページ https://myu-hoikuen.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2005年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 実遊有限会社
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士:17 名
管理栄養士:1 名
栄養士:2 名
子育て支援員:2 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:沐浴室
設備:保健室兼応接室
設備:事務室
設備:園長室
設備:障害者用トイレ
設備:園児用トイレ
設備:前庭
設備:屋上園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
豊かな遊びの積み重ねの中で、人生を主体的に生き、「望ましい未来を実らせる力」の基礎を培い、子ども一人一人の個性を尊重し、保護者から信頼され地域に根差す保育園を目指す。

<基本方針>
1.情緒豊かな人間性を持ち、健康な心身を持った子どもを育成する。

<保育目標>
元気な子 優しい子。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<実遊中央保育園の特徴的な取組>
1.年間行事:運動会、発表会、遠足、季節の行事等、年間を通じて多彩な行事を実施しています。これらの行事を通して、子どもたちは達成感を味わいながら心身共に成長し、四季の移ろいを感じることで豊かな情操を育んでいきます。
2.特別保育:スポーツ、英語、お絵かき、かきかた、ダンス等、専門講師による多彩なプログラムを実施しています。子どもたちは楽しみながら身体能力や表現力を伸ばし、仲間との関わりを通じて協調性も育んでいきます。
3.一時保育:0歳から5歳までの子どもを対象に、保護者の就労や急なご用事、リフレッシュ等、様々なニーズに応じて柔軟にお預かりしています。どんな時でも安心してご利用いただけるよう、安全で温かい保育環境を整え、ご家庭の子育てをしっかりとサポートしています。
4.歯の仕上げ磨き:おやつ・給食の後には、職員が全園児の歯の仕上げ磨きを丁寧に行っています。毎日の習慣として取り入れることで、清潔で健康な歯を保つ意識を育み、子どもたちの口腔衛生への関心を高めています。
5.給食:できる限り有機野菜や自然食品を取り入れ、添加物を控えた安全な刻み給食を提供しています。子どもたちの健康を守ると共に、食への関心や感謝の気持ちを育むことを大切にしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2025/04/21(契約日) ~2025/11/07(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【実遊中央保育園の概要】 
●実遊中央保育園(以下、当園という。)は、実遊有限会社(以下、法人という。)の運営です。法人は横浜市鶴見区に認可保育所1園、一時保育室1園、カルチャーハウス1ヶ所を運営しています。保育目標に掲げている「元気な子・優しい子」を育成するため、保育理念を「豊かな遊びの積み重ねの中で、人生を主体的に生き、『望ましい未来を実らせる力』の基礎を培い、一人ひとりの個性を尊重し、保護者から信頼され地域に根差す保育園を目指す」とし、遊び、歌、活動の他にも、専門講師による特別保育(3~5歳児が対象のスポーツタイム、英語タイム、4~5歳児を対象としたお絵かきタイム、かきかたタイム、ダンスタイム)を取り入れています。当園では、子どもの情操を育みながら「未来を実らせる力」の基礎を身につけられるよう保育に当たっています。実績として、ドコモ未来ミュージアム・世界児童画展(絵具で自由画)に出品し入選者も多数輩出しています。

●当園は、JR「鶴見駅」もしくは京浜急行「京急鶴見駅」から徒歩10分位のところに位置しています。周辺には鶴見図書館、鯉ケ渕公園、近くには鶴見川が流れており、散歩や戸外活動を通して、地域の歴史や自然に触れる機会を持つことができる環境に恵まれています。園舎は、サーモンピンクを基調とした鉄骨造の3階建てで、土の前庭と屋上庭園を備えています。1階には0歳児・1歳児の保育室、2階には2歳~5歳児の保育室が配置されており、年齢に応じた保育環境が整えられています。窓には丸や三角等のカラフルなイラストが描かれており、子どもたちが自然と形や色に親しめるよう工夫されています。また、階段の窓にはチューリップやカーネーションのステンドグラスが施されており、柔らかな光が差し込むことで、園内に明るく温もりのある雰囲気を演出しています。

◇特長や今後期待される点
1.【可能性を広げる特別保育】
当園では、3歳~5歳児クラスの子どもを対象に、外部の専門講師による5つの特別保育を取り入れています。子どもたちに豊かな体験の機会を提供するために、様々な活動を取り入れています。例えば、基礎体力や協調性を育む「スポーツタイム」、リズム感や表現力を養う「ダンスタイム」、言語への親しみや異文化への関心を育てる「英語タイム」、想像力と創造力を伸ばす「お絵かきタイム」、そして就学を見据えて鉛筆の操作や集中力、文字への興味を高める「かきかたタイム」等、それぞれの活動を通じて、子どもたちの成長を多角的に支援しています。また、特別保育は日常の活動とは異なる内容であるため、子どもたちの期待感や意欲を高めると共に、新たな挑戦への意識や自己表現の幅を広げる機会となっています。これらの体験を通じて、保育理念である「望ましい未来を実らせる力」の基礎を育んでいます。

2.【歯科衛生士による専門的なケアで安心の保育】
当園の特色として、代表取締役兼施設長(以下、施設長と称す。)が歯科衛生士の資格を有していることが挙げられます。毎日、給食後やおやつ後に歯の仕上げ磨きを実施しており、日常の保育の中で子どもたちの口腔衛生管理に力を入れています。子ども一人ひとりの歯みがき習慣の定着を図ると共に、正しい磨き方の指導を通じて虫歯予防にも積極的に取組んでいます。その成果として、歯科健診では「虫歯の少ない園」として歯科医師から高い評価を受けています。今後も、日々の仕上げ磨きを継続・徹底することで、口腔衛生の維持・向上が期待されます。また、家庭との連携を深め、仕上げ磨きの習慣化を促進するためにも、歯科衛生士としての専門知識を活かした保護者向けの口腔衛生講習会の開催等も検討されると、より効果的な取組となるでしょう。

3.【すべての子どもにやさしい給食】
当園では、すべての子どもが安心して食事を楽しめるよう、発達段階や咀嚼の状況に関わらず、全年齢の給食を刻み食で提供する工夫を行っています。噛む力や飲み込む力がまだ十分でない子どもにも配慮し、安全に食べられる環境を整えることで、食事の時間を安心して過ごせるようにしています。このような取組により、子どもたちは「食べる楽しさ」を感じながら、食への意欲を高め、偏食や残食の軽減にもつながっています。また、当園での丁寧な食事対応は、保護者アンケートの自由記述でも高く評価されており、有機野菜や添加物の少ない自然食品を使用する等、子どもの健やかな成長を支える食育の一環として位置づけられています。

4.【変化に寄り添う柔軟な保育運営について】
開園当初は定員60名で運営していましたが、近年では地域の子ども数や保護者のニーズの変化、駅近くへの保育園新設等の影響を受け、現在は定員50名で運営を行っています。延長保育の利用は減少傾向にある一方で、一時保育の利用は地域の保護者を中心に増加しています。こうした状況を踏まえ、当園の特色を積極的に広報し、当園の魅力を地域に広く伝えることが重要です。園庭開放や子育て相談、イベント開催等を通じて未就園児家庭との接点を増やし、地域との連携をさらに強化していくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 実遊中央保育園       
         
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
全職員で自己評価に取組んだことで、全体的な計画やマニュアルを確認する機会となり、今後の保育活動の基軸を再確認し、全職員で共通理解することができた。
また、保育園の運営や経営のことを全職員が知り、考える機会となった。

利用者アンケートにより、保護者の方が保育内容にたくさんのご理解をいただいていることを大きな励みとし、引き続き、保護者の要望に対し現実化できるよう、保育内容を高めていくことに取組むこととする。

今回の第三者評価を受審に際し、ホームページをリニューアルした。社会状況や個人情報の重視の観点から人物像(子ども、保育士)を掲載せず作成している。

≪評価後取組んだこととして≫
1.職員のスキルアップ研修の他、園外研修(鶴見区、幼保小交流会等)の予定を立てた。

2.子育て支援として、一時保育利用者(週1日以上)を行事(春の遠足、星まつり夜店あそび、運動会、作品展、発表会)に積極的に招待することを予定した。 

3.保護者懇談会(定員)の際に、「子どもの歯の仕上げ磨き」(口腔衛生講習会)を予定し、この講習会に、全一時保育利用者(単発利用者も含む)に参加を勧奨することを計画した。

4.職員の就労の軽減と簡素化のため、職員に係わる事務(シフト、タイムカードの処理、超勤の計算、有給休暇の確認)のソフトの導入を検討している。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

保育理念「豊かな遊びの積み重ねの中で、人生を主体的に生き、『望ましい未来を実らせる力』の基礎を培い、子ども一人一人の個性を尊重し、保護者から信頼され地域に根ざす保育園を目指す」は、ホームページ、リーフレット、園内掲示板、入園案内(兼重要事項説明書)等に掲載されています。理念を下に、保育方針・保育目標が立てられ、分かりやすい言葉でまとめられています。理念等は、入職時に渡している業務マニュアルに明記され、職員への周知が図られています。保護者に対しては、入園説明会、4月の園だよりにも記載して周知を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

地域の少子化を鑑み、2年前に定員数を60名から50名に変更する等、施設長は地域の動向やニーズを把握しながら運営を行っています。現状、欠員が出ていることから1日20名近く一時保育受け入れることが可能であり、園行事に一時保育の親子を招待することを検討して、利用者の確保につなげていきたいと考えています。保育にかかるコスト分析は事務職と行い、保育所利用率については、区の担当者と常に情報を共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、経営環境や保育内容、組織体制、設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の現状を分析し、そこから導き出される具体的な課題を職員とも共有しています。その中でも「人材の確保」は重要な課題の一つであり、専門学校への求人活動や求人紹介会社の活用等、積極的な採用活動を行っています。近年は新卒希望者が少なく、求人紹介会社を通じた保育経験者の採用が中心となっているため、経験を生かした安定した保育体制の構築に取組んでいます。また、職員の定着率向上を目指し、退職希望者を減らすための就労環境の改善にも力を入れています。具体的には、就労時間の調整等柔軟な働き方の導入を進め、働きやすい職場づくりに努めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人としては、有限会社から株式会社への改組を視野に入れ、さらなる保育サービスの質の向上と事業拡大を目指す事業ビジョンを掲げています。現在、外部コンサルタント会社に委託し、企業事業計画の策定を進めており、経営体制の強化と持続可能な運営基盤の構築に取組んでいます。当園では、保育理念及び保育方針の実現を目標(ビジョン)とし、日々の保育を展開しています。保育理念は、「豊かな遊びの積み重ねの中で、人生を主体的に生き、『望ましい未来を実らせる力』の基礎を培い、一人ひとりの個性を尊重し、保護者から信頼され地域に根差す保育園を目指す」ことです。また、保育方針として「情緒豊かな人間性を持ち、健康な心身を持った子どもを育成する」ことを掲げ、その実現に向けて「保育環境」・「保育実践」・「職員育成」・「保護者支援」の4つの柱を中心に、質の高い保育を提供しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

当園では、単年度の事業計画書を作成し、事業目標、行事計画、研修計画、施設の整備・補修等、具体的な内容を盛り込んでいます。この事業計画書を基に全体的な計画を策定し、さらに年間指導計画へと落とし込むことで、保育の実践に反映させています。年間指導計画は、その年度の利用状況や子どもたちの発達や様子に応じて、保育内容や行事計画を柔軟に調整し、実現可能な内容となるよう工夫しています。こうした計画的な取組により、子ども一人ひとりに寄り添った質の高い保育の提供を目指しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画書内の行事、整備補修については職員から意見を集約する等、職員参画の下で策定しています。全体的な計画は、施設長が地域の特性・園ビジョン等を加味し、職員からも意見を聴収して策定しています。年齢ごとの指導計画は、各年齢の担任が策定し、職員会議等で話し合い、周知から見直しまで行っています。年間行事については、行事後や子どもの様子を見ながら都度話し合い、改善、変更を行いながら、次年度の事業計画に生かしています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

年度末に保護者に次年度の行事予定表を配付しており、対象児や保護者同伴行事には目印を付けるなど、保護者が内容を理解しやすいよう工夫されています。こうした配慮により、保護者が予定を把握しやすく、行事への参加意欲を高めることにつながっています。また、保護者への情報提供手段として、ホームページや園内掲示、毎月発行している園だより等を活用し、行事や保育活動の周知を行っています。これらのツールを通じて、保護者との連携を深め、積極的な参加を促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上に向けて、当園では継続的な取組を行っています。毎月、保育実践後に各クラスで計画に対する評価を実施し、乳児会議・幼児会議・全体職員会議にてその内容を分析・検討しています。指導計画は、年間(期ごと)、月度(毎月)、週案(毎週)と段階的に作成されており、それぞれに保育の取組状況や保育士の振り返りを記入する自己評価欄を設けることで、PDCAサイクルを意識した保育の改善が図られています。さらに、年1回の保育所自己評価及び第三者評価も定期的に受審しており、今回で5回目の実施となります。これらの取組により、客観的な視点を取り入れながら、保育の質の継続的な向上を目指しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

当園では、毎年、職員の自己評価結果及び保護者アンケートを下に保育所の自己評価を実施し、改善点について職員間で討議を行っています。その結果は文書化され、保護者にも自由に閲覧できるよう周知を図っています。保育計画においては、週・月・期ごとに評価や反省を記入し、課題を明確にすることで、次期の保育に生かす仕組みを整えています。職員の自己評価や年間指導計画についても、年度末に課題の共有を行い、保育の質の向上につなげています。また、行事後には保護者アンケートを実施すると共に、職員間で振り返りを行い、次回の行事に反映させる等、保護者の声と職員の視点を生かした改善に継続的に取組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアルには職務分担表を設けており、施設長の権限及び職務内容を明示し、全職員に周知しています。施設長は、自らの役割と責任を十分に認識した上で園の運営に当たり、職員会議や研修の場でもその責任を積極的に表明しています。また、当園では「施設長の権限委任覚書」を定めており、施設長不在時にはその権限を主任保育士及び事務職に委任することを明確にしています。保護者に対しては、入園案内(重要事項説明書)第23項「非常時・災害時の対策」にて、これらの体制について周知を図っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

入職時に配付する業務マニュアルには、人権及びプライバシーの尊重・保護、セクシャルハラスメントの防止等に関する規程が記載されており、職員が順守すべき法令等について周知を図っています。施設長は、市や区からの通知を受けた際には、関連する法令等の情報を正確に把握するよう努めています。また、法令遵守の前提となる「倫理」については、保育士倫理綱領に則り、職員同士で行動を確認し合いながら、守秘義務や個人情報の取り扱いに対して細心の注意を喚起しています。さらに、7月に報道された不適切なカメラ使用の事案を受けて、勤務時間内における携帯電話の使用ルールやUSB機器の管理体制について、迅速に見直しを行う等の対応を実施しました。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

職務分担表に基づき、職種ごとに職務内容を明確化し、各職員が協力し合いながら保育の質の向上を目指す体制が整えられています。施設長は、職員からの情報収集に加え、自らも子どもが使用する玩具や絵本の状態を把握し、新品の購入等を通じて積極的に保育環境の改善に取組んでいます。また、施設長は研修任命表を活用して常勤職員の研修受講状況を把握し、必要に応じて受講を促すことで、職員のスキル向上と組織全体の底上げを図っています。職員の意欲の維持・向上に関しては、キャリアアップ研修への参加を促すと共に、取得した資格に応じた処遇改善を行うことで、モチベーションの向上に努めています。さらに、施設では5年ごとに第三者評価を受審しており、外部の視点を取り入れながら、継続的かつ意欲的に保育の質の向上に取組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、経営改善及び業務の実効性向上を目的として、園内の人員体制・業務内容・財務状況等の現状分析を行い、職員が働きやすい就労環境の整備に努めています。その成果として、職員の平均在職年数は8.5年と長く、長期的に勤務する職員が多いことから、働きやすい環境が実証されています。現在はICTシステムの導入を検討しており、保育業務の負担軽減と業務効率の向上が期待されています。これにより、さらなる業務の質の向上と職員の働きやすさの両立が図られる見込みです。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人では、「福祉人材の確保・定着に対する計画」を策定し、必要な福祉人材の確保・育成、人員体制に関する基本的な考え方と方針を明確にしています。人材確保においては、園のホームページや人材紹介会社、専門学校等を通じて求人を行っていますが、新卒者からの応募はほとんどなく、現在は人材紹介会社を介した採用が主流となっています。採用後は、主任保育士によるOJTをはじめ、スキルアップ研修や、現場で生じた課題をテーマとした研修、キャリアパスに基づく研修等を通じて、職員の育成に力を入れています。また、当園では産休・育休からの復職が円滑に行えるよう、復職予定者のポストを確保する体制を整えており、これにより職員の定着にもつながっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

入職時に配付される業務マニュアルには、望ましい保育士としての資質や態度等、当園が期待する職員像が明確に示されています。また、人事評価表を通じて人事基準を周知し、体系的な人事管理が実施されています。施設長はこの人事基準に基づき、職員の専門性、職務遂行能力、職務への貢献度等を総合的に評価しています。処遇の水準については、行政による処遇改善施策に適切に対応すると共に、職員の意向や地域の実情を踏まえた改善に取組んでいます。さらに、職員が自ら将来の姿を描けるような仕組みとして、「個人別目標設定シート」を活用しています。このシートには、期待される職員像に基づいて、自身が目指す姿とその達成期限を記入し、年2回(上期・下期)の面談にて目標の進捗状況や達成度の振り返りを行っています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

人事労務管理においては、施設長と事務職が連携し、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を適切に管理しています。休暇取得と業務の進捗状況のバランスを確認しながら、職員の就業状況を把握する体制が整えられています。当園ではワーク・ライフ・バランスを重視し、職員が希望する休暇(有給・希望休暇)をできる限り取得できるよう、柔軟なシフト調整を行っています。また、家庭の事情に配慮した時短勤務にも対応し、職員が安心して長く働ける環境づくりに努めています。さらに、保育士が着用するエプロン(制服)の支給や、就業前・就業後の着替え時間(15分)を就業時間に含める等、働きやすい職場づくりにも積極的に取組んでいます。職員のメンタルケアにも配慮し、施設長との定期面談に加え、悩み相談窓口を設置し、施設長だけでなく、主任保育士、栄養士、事務職等、話しやすい職員を相談相手として指名できる体制も整えています。今後は、福利厚生の一環として横浜市勤労者福祉共済「ハマふれんど」への加入も検討しており、職員の満足度向上に向けた取組をさらに充実させていく方針です。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

入職時に配付される業務マニュアルには、園が期待する職員像(望ましい保育士としての資質や態度)が明示されており、その内容は5つの項目に細分化され、各項目に具体的に記載されています。職員一人ひとりの目標管理については、全職員に「個人別目標設定シート」を配付し、期待される職員像に基づいて、自身が目指す姿とその達成期限を記入します。年2回(上期・下期)の面談では、設定した目標の進捗状況や達成度を振り返り、必要に応じて助言を行う等、個々の職員の育成に向けた取組が実施されています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人が策定している「福祉人材の確保・定着に対する計画」には、必要な福祉人材の確保・育成、人員体制に関する基本的な考え方が明示されており、それに基づいて職員の教育・研修が実施されています。当園では毎年「研修任命表」を作成し、キャリアアップ研修、年齢別保育研修、障害児保育、食育、保健衛生、マネジメント、保護者支援研修等、幅広い分野の研修を計画的に実施しています。また、横浜市や鶴見区等行政主催の研修にも積極的に参加を促し、職員の知識や技術の向上に努めています。研修後には職員会議等で報告の機会を設け、得られた知識や情報を共有し、園内研修として活用することで、組織全体の学びにつなげています。こうした取組により、職員一人ひとりの能力向上を図り、園全体の保育の質の向上を目指しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況や知識・技術水準については、入職時の確認及びその後の研修受講履歴を通じて把握しています。園では「研修任命表」に基づき、職員の研修受講を促進すると共に、受講状況を管理し、キャリアアップにつなげる体制を整えています。法人の方針としては、保育経験者の採用を重視しているため、新卒者や未経験者の入職は少ない傾向にありますが、新たに入職した職員には主任保育士が指導役となり、OJTによる教育を実施しています。研修内容は、キャリアアップ研修、年齢別保育研修、障害児保育、食育、保健衛生、マネジメント、保護者支援研修等多岐に亘り、横浜市や鶴見区等行政主催の研修にも積極的な参加を促しています。また、設置主体による研修では、その時期に応じた課題をテーマとして取り入れ、全職員の習熟度や課題に応じた内容で実施することで、スキルの向上に努めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

当園では、「ボランティア(職業体験等)・実習生の受入れに関するマニュアル」を整備し、実習生受入れに関する基本姿勢を明文化しています。マニュアルには、受入れの内容、担当者、要項、注意事項等が具体的に記載されており、これに基づいて実習生の受入れを実施しています。受入れ担当者は施設長または主任が担い、養成校等と連携を図りながら、事前オリエンテーションを行う等、円滑な受入れ体制を整えています。保護者には、園だよりや園内掲示を通じて、受入れ期間、学校名、学年、性別、人数等の情報を周知し、理解と協力を得られるよう努めています。なお、コロナ禍以降は高校や看護学校からの受入れが減少していますが、鶴見中学校及び鶴見一場中学校からは、職業体験として毎年2名ずつの受入れを継続しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人及び園のホームページでは、理念、基本方針、保育の内容等を公開し、保育の取組や方針を広く周知しています。また、鶴見区の子育て支援拠点「わっくんひろば」や地域のイベント等においても、当園の情報を積極的に発信し、地域とのつながりを深めています。地域福祉の向上に向けた取組として、2年前より定員を減らす一方で、一時保育の受入れ枠を拡充し、柔軟かつ活発な受入れを行っています。さらに、園外の掲示板には「災害時の地域への福祉支援」に関する貼紙を掲示し、保育園が果たす地域支援の役割を明確に示しています。第三者評価については5年ごとに受審しており、その結果は、かながわ福祉サービス第三者評価推進機構ホームページ並びにWAMNETを通じて公表し、透明性のある運営と継続的な質の向上に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

職務分担表に基づき、事務・経理・取引契約等の業務は施設長が担当し、事務職が補佐として職務を分担していることを職員に周知しています。経理・財務業務については、外部の税理士事務所に委託しており、毎月内部監査を実施することで、業務の適正性を確保しています。また、横浜市による行政監査を受けた際には、指摘事項に対して速やかに改善を行う体制が整えられています。園内の経理等の事務処理は、施設長の指示の下、事務職が実務を担っています。労務管理については、会計事務所や社会保険労務士事務所の協力を得ながら実施しており、外部の専門的な視点を取り入れることで、業務の透明性と信頼性を高めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関わりについては、全体的な計画に盛り込まれており、具体的な取組として、鶴見中央地域ケアプラザによる出張保育「さくらんぼの会」や、園外掲示板を活用した育児相談の案内、ボランティアの受入れ等を実施しています。また、重要事項説明書の第26項には「地域の育児支援について」の取組内容を明記しており、保護者に対しても、一時保育の実施、夏季限定の屋上プール一般開放、育児相談の実施等を周知しています。園行事としては、姉妹園との交流「M's姉妹園5歳児交流会」、警察署による交通安全教室(3~5歳児対象)、総持寺での写生会(5歳児対象)、近隣保育園との交流会(5歳児対象)等、地域や他園の子どもたちとの交流の機会を積極的に設けています。さらに、園の玄関には「社会資源リスト」を掲示し、保護者に対して地域で活用できる社会資源の情報を提供しています。子どもの状態や保護者のニーズに応じて、地域の社会資源の活用を推奨することで、家庭と地域の連携も促進しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

「ボランティア(職業体験等)・実習生の受入れに関するマニュアル」を整備し、ボランティア受入れに関する基本姿勢を明文化しています。マニュアルには、受入れの内容、担当者、要項、注意事項等が具体的に記載されており、これに則って受入れを実施しています。受入れ担当者は施設長または主任が担い、依頼校等と連携を図りながら、事前オリエンテーションを行い、円滑な受入れ体制を整えています。ボランティアの受入れは、地域社会と保育園をつなぐ重要な交流の柱と位置づけており、聖灯看護専門学校からのボランティア受入れ実績もあります。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の関係機関・団体に関する「社会資源リスト」には、住所や連絡先等の情報が明示されており、玄関に掲示することで保護者がいつでも情報を入手できるよう配慮しています。また、職員間でも内容を共有し、必要に応じて活用できる体制を整えています。施設長は、横浜市立保育園・こども園園長会の定期的な連絡会や研修に参加し、地域の最新情報や支援制度等の情報収集に努めています。在園児の中には障害児支援施設に通っている子どもも在籍し、当該施設と連携を図りながら、子どもの様子や支援状況について情報を共有し、適切な保育を提供しています。また、家庭内等で虐待や権利侵害が疑われる子どもについては、横浜市中央児童相談所や「よこはま子ども虐待ホットライン」等の関係機関と連携し、速やかに対応できる体制を整えています。職員への情報共有に際しては、個人情報の保護に十分配慮しながら周知を行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

鶴見区が企画・立案したまちづくり支援の一環として、鶴見中央地域ケアプラザで開催される出張保育「さくらんぼの会」に参加しています。また、地域の育児支援として育児相談や一時保育を通じて地域の方々の声に耳を傾け、保育園の専門的な知識と技術を生かした子育て支援を行っています。施設長は、横浜市立保育園・こども園園長会の定期的な連絡会や、地元保育園の有志による「鶴見を元気にする会」に積極的に参加し、地域の情報収集や情報交換を通じて、福祉ニーズや課題の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

当園では、地域への貢献活動の一環として、横浜鶴見西ライオンズクラブが主催する鶴見神社で開催される「チャリティーほおずき市」に、当園所有のテントを貸し出す他、園行事「星まつり夜店遊び」で余った子ども向けの景品を寄付する等、地域に還元する取組を行っています。また、災害時の支援として「災害時の地域への福祉支援」と銘打った貼紙を園外掲示板に掲示し、保育の専門性を生かした支援を地域に呼びかけています。こうした姿勢は、全体的な計画や重要事項説明書にも明記されており、地域住民を対象とした支援活動を制度的にも位置づけています。保育のノウハウや専門性を生かしながら、地域福祉の向上に寄与する取組を今後も積極的に推進していきます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念「豊かな遊びの積み重ねの中で、人生を主体的に生き、『望ましい未来を実らせる力』の基礎を培い、子ども一人一人の個性を尊重し、保護者から信頼され地域に根差す保育園を目指す。」の下、職員は日々、子どもの話や気持ちに耳を傾け、寄り添いながら、子どもを受容する保育を実践しています。子どもの尊重と基本的人権への配慮を重視し、設置主体による研修では「人権に配慮した保育」や「不適切保育」に関する内容を取り上げ、定期的に保育状況の把握や振り返りを行うことで、職員間の共通理解を深めています。また、性差への配慮として、業務マニュアルに記載された「男女共同参画社会に向けて」の方針に基づき、子どもに対して役割分業意識や性別による先入観を植えつけないよう、言葉遣いや接し方に細心の注意を払っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

当園では、子どものプライバシー保護に関して、業務マニュアル「プライバシーの尊重と保護」に基づき、個人情報保護規定を整備し、職員が守るべき姿勢を明確にしています。職員の入職時には、職務遂行における守秘義務に関する誓約書を取り交わすと共に、コンプライアンス研修を実施し、意識の向上を図っています。保護者に対しては、策定された「個人情報の取扱いに関するガイドライン」に基づき、個人情報の収集・管理・利用目的等について入園時(年度初め)に説明を行い、「個人情報取り扱いに関する同意書」を取り交わしています。また、重要事項説明書には当園における個人情報の内容と保護方針を明記し、保護者の理解と同意を得ています。個人情報やプライバシーの流出防止策として、7月に報道された不適切なカメラ使用事案を受け、勤務時間内の職員による携帯電話の使用・携行を禁止すると共に、園舎内での撮影や行事時の写真・ビデオ撮影も一切禁止としています。日々の保育においても、オムツ交換・着替え・シャワー等の場面では、常にプライバシーに配慮した対応を徹底しています。子ども及び保護者に関する書類は、鍵付きの書棚にて厳重に保管・管理し、情報の安全性を確保しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育所の利用希望者に対しては、園の玄関に設置したリーフレットや、8月20日にリニューアルしたホームページを通じて、保育理念・基本方針・施設の概要・保育内容・園の特色等を紹介し、保育園選択に必要な情報を提供しています。さらに、設備の概要や職員体制、保護者に説明すべき事項を記載した「入園案内(兼重要事項説明書)」を用意し、入園を検討する保護者が安心して判断できるよう配慮しています。保育園の見学を希望する方には、希望日時に合わせて施設長が対応し、丁寧な説明を行っています。見学時には当園の概要が分かるリーフレットを配布し、実際の保育活動中に見学を行うことで、入園後のイメージを持ちやすくしています。また、毎年「入園案内(兼重要事項説明書)」やリーフレットの内容を見直し、最新の情報を反映させることで、常に正確で分かりやすい情報提供に努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

新入園児に関しては、保育開始前に「入園案内(兼重要事項説明書)」を基に、保育内容や留意事項等を分かりやすく説明し、保護者と利用契約書を取り交わしています。併せて、保護者の希望に応じて個別面談を実施し、安心して入園を迎えられるよう配慮しています。入園後に保育内容等に大幅な変更が生じた場合には、該当箇所を記載した資料を再配付し、必要に応じて同意書を再度取り交わす等、丁寧な対応を行っています。変更内容については、MYUボード(園内掲示)等を活用して周知し、保護者の理解を得られるよう努めています。要支援保護者には個別対応を行い、分かりやすい説明を心がけています。また、外国籍の保護者に対しては、国際交流センターの通訳者と共に来園していただくことで、言語面でのサポートを行い、円滑なコミュニケーションを図っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

途中で転園した子どもの情報については、個人情報保護の観点から、原則として当園からの情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者が対応する形をとっています。ただし、養育困難ケースや障害児、児童相談所が関与するケース、区の保健師が関わるケース等、支援が必要な場合には、区役所を通じて情報共有を行うことがあります。年長児(5歳児)については、保育所児童保育要録を作成し、各小学校へ提出しています。必要に応じて電話での補足説明も行い、円滑な就学につなげています。卒園児に関しては、継続性を持ち、施設長及び主任が相談窓口となって、いつでも相談できる旨を口頭及び園内掲示にて保護者に周知しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりの満足度を把握するために、日々の保育の中で表情や遊びへの意欲を丁寧に観察し、子どもの話に耳を傾けながら、気持ちに寄り添った保育を心がけています。保護者に対しては、玄関に「赤いポスト」と称した意見箱と、「皆様の声」と称した投書用紙を設置し、いつでも意見を寄せられる体制を整えています。さらに、毎回行事終了後には保護者アンケートを実施し、満足度を把握すると共に、全職員で振り返りを行い、次回の行事に反映させています。また、クラス懇談会や希望者を対象とした個人面談を通じて保護者との対話を深めています。今回の第三者評価における利用者(保護者)アンケート結果も踏まえながら、保育内容や園運営の改善に継続的に取組んでいきます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みを法令に従い適切に整備し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置しています。園内にも苦情解決の体制を説明した資料を掲示しています。また、入園案内(兼重要事項説明書)に、苦情解決の仕組みを掲載し、周知を図っています。玄関に意見箱と投書用紙を設置しており、いつでも投書できる体制を整えています。当園としては、当事者に直接回答したいとの思いから記名式の投書用紙を設置していますが、意見等を表出しやすいよう無記名式にし、個人情報に十分に配慮した上で、苦情内容と解決に向けた当園の方針を掲示する等、見える化の取組みに期待いたします。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べやすい環境づくりとして、面接・電話・文書・意見箱等複数の手段を通じて、常時受付ける体制を整えています。園内に苦情相談窓口や第三者委員の氏名・連絡先を掲示し、保護者へ周知を図っています。保護者との信頼関係を築くためには、送迎時のちょっとした会話や職員の丁寧な振る舞いも重要と捉え、日々のコミュニケーションを大切にしています。相談や意見が寄せられた際には、保育士から施設長へ報告がなされ、保護者から得た情報を職員間で共有し、適切な対応につなげています。相談対応に当たっては、保護者の就労状況やプライバシーに配慮し、他の保護者に知られることのないよう、日時や場所を調整して個別に対応しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

保護者からの相談や意見が寄せられた際には、「育児相談フローチャート」に基づき、想定される相談内容に応じた対応の流れを職員間で共有できる体制を整えています。送迎時のコミュニケーション、連絡帳、懇談会、アンケート、個人面談、意見箱等、保護者の声を積極的に把握する機会を多様に設けています。相談や意見を受けた場合は、施設長または主任が対応し、内容を職員会議等で共有することで、全職員が情報を把握し、統一した対応ができるよう努めています。施設長は当事者から事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けた対応を実施し、その結果についても配慮した上で保護者へ伝えるようにしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

当園では、リスクマネジメントの責任者を施設長とし、施設長不在時には主任がその役割を担う体制を整えています。災害、地震、子どものケガ等の発生状況に応じた対応マニュアル及びフローチャートを作成し、迅速かつ的確な対応が可能となるよう備えています。年間避難訓練計画に基づき、毎月火災・地震・不審者対応の訓練を実施し、訓練後には反省点を振り返り、必要に応じて内容の見直しや改善を行っています。事故が発生した場合(他園での事例も含む)には、原因と要因を職員間で分析・共有し、再発防止に向けた対策を講じています。また、月1回のヒヤリハット報告を職員に求め、職員会議で情報を共有することで、日常の保育中での事故予防に努めています。安全確保策の実施状況とその実効性については、週1回、安全マニュアル(点検表)に基づく敷地内点検(前庭・車庫・裏庭・玄関・廊下)を実施しています。さらに、主任が毎月1日に事故リスク軽減のためのチェック表に基づいてリスク対策の確認を行い、必要に応じて項目の見直しを行う等、継続的な安全管理に取組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

国が策定した「保育所における感染症対策ガイドライン」及び「横浜市園医の手引き」に則り、感染症対応マニュアルを作成しています。登園停止の基準や、保育中に感染症の疑いが生じた場合の対応については、「入園案内(兼重要事項説明書)」に明記し、保護者へ周知しています。園内で感染症が発生した際には、玄関に設置しているMYUボードに感染症名や発症人数等を掲示し、速やかに保護者へ情報提供を行っています。感染症の流行時期には、感染症対応マニュアルに基づき、嘔吐物の処理や消毒方法等衛生管理対策に関する園内研修を実施し、職員の対応力向上に努めています。また、毎月発行している「保健だより」は系列園の看護師が作成しており、季節に応じた感染症予防策等を掲載することで、保護者への啓発活動にも力を入れています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

当園では、「非常時・災害時・事故発生時の対応マニュアル」を作成し、火災・自然災害・事故・事件等の発生時に迅速な対応ができるよう、必要な事項を定めると共に、対応手順をフローチャートで可視化しています。園内のロッカー・本棚・電子ピアノ等、転倒や移動のリスクがある備品には、転倒防止ストッパーの設置や紐による固定等の安全対策を講じています。災害発生を想定した避難訓練は毎月実施しており、訓練後には反省点を記録し、次回の訓練に反映させることで、継続的な改善に努めています。安否確認の手段としては、災害用伝言ダイヤルやSNS(X)を活用した情報配信体制を整備しています。備蓄品については、食料や生活用品等の備蓄リストを作成し、管理責任者を定めて管理を徹底しています。水や食糧品等消費期限がある物品については、期限が近づいた際に保護者・職員問わず持ち帰れるよう配慮しています。保護者には、「入園案内(兼重要事項説明書)」に緊急避難場所や非常災害時の対応項目を明記し、周知を図っています。また、引渡し訓練も実施し、非常時における安全な対応体制の確立に努めています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針や運営規定に基づき、保育の実施方法に関する各種マニュアルを整備しています。これらのマニュアルには、プライバシー保護や権利擁護に関する職員としての姿勢が明示されており、園ビジョンにも目指す職員像が具体的に記載されています。これにより、子どもを尊重した標準的な保育の実践が可能となっています。保育の標準的な実施方法としては、全体的な計画を基に年間計画を作成し、保育指導計画・行事計画・食育計画等に沿って保育活動を展開しています。保育の質が一定水準に達しているかについては、各クラスの指導計画の評価欄や保育日誌を活用し、保育士による自己評価を基に職員間でPDCAサイクルを回しながら継続的な改善に取組んでいます。また、園では定員数を見直し、各クラスの定員と職員数にゆとりを持たせることで、子ども一人ひとりに応じた丁寧な保育が実践できる環境を整えています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法については、クラス会議や職員会議を通じて定期的に見直しを行っています。月度指導計画は、各クラス担任間で毎月振り返りを行い、改善点や工夫を翌月の指導計画に反映させることで、保育の質の向上に努めています。年間指導計画については、年4回の期ごとに評価・反省を記載し、振り返りの内容を次年度の計画に反映させることで、保育の継続性と発展性を確保しています。また、行事後の保護者アンケートや懇談会を通じて、保護者の意向や提案を把握し、各種計画の見直しに生かしています。保育の標準的な実施方法が画一的な保育になっていないかについては、毎日の保育日誌を活用しPDCAサイクルによる検証を行い、子ども一人ひとりに応じた柔軟な保育の実践を維持しています。各種マニュアルについては、原則として1年間の運用を踏まえ、年度末に見直しと確認を行い、内容の更新と改善に努めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

月間指導計画については、毎月のクラス会議において、子ども一人ひとりの発達状況、興味・関心、生活習慣の定着状況等を日々の保育や記録を基に職員間で意見交換を行い、振り返りと評価を通じてアセスメントを実施しています。アセスメントは担当者会議の手法として確立されており、各職員が持つ個々の情報を集約し、次期の指導計画に反映させています。全体的な計画を具体化する形で、年間指導計画及び月度指導計画を作成しており、指導計画は各年齢に応じてクラス主任が責任者となって作成し、主任が内容をチェック、施設長が最終確認を行うことで、適切な計画策定を行っています。0歳児~2歳児クラスについては、個別指導計画を作成しており、計画作成時には担当者によるアセスメントの協議を実施しています。必要に応じて看護師や栄養士等の専門職の意見・助言を受けながら、総合的な判断に基づいた指導計画を策定しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、各年齢の自己評価を基に、期・月・週・日単位で定期的な振り返りを行い、次の計画作成につなげています。毎月、カリキュラムの共有を行い、配慮を要する子どもに関する情報を職員間で周知することで、クラス以外の職員も同じ認識で関われるよう体制を整えています。指導計画の見直しでは、各年齢の子どもや保育者の姿を踏まえた保育実践ができているかを評価のポイントとし、子どもの興味・関心や成長発達の様子に予想とのズレが生じた場合には、柔軟に計画を変更しています。これにより、保育計画の目標達成に向けて、子どもが主体的に育つ環境を検討・整備する仕組みを構築しています。個別指導計画についても、子どもの発達状況に応じて柔軟に変更・見直しを行い、適切な保育につなげています。指導計画の内容に変更が必要となった場合には、「指導計画の変更をする場合のフローチャート」に則り、手順に沿って計画の変更を実施しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況や生活状況等の記録に差異が生じないよう、業務マニュアル「~えんだより、クラスだより、連絡ノートの書き方~」を活用し、設置主体による研修等を通じて職員への指導を行っています。子どもの発達状況や生活状況は、0歳~2歳児については個別の経過記録及び月間指導計画に、3歳~5歳児については個別支援記録に記載しており、施設長・主任・担任が内容を確認する体制を整えています。保育の実施状況や子どもの記録に関しては、クラス会議や職員会議を通じて共有される他、パソコン内のサーバーや記録ファイルを活用して、職員間での情報共有を図っています。これにより、保育の質の向上と子ども一人ひとりへの適切な支援が可能となるよう努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人が策定した「個人情報取り扱いに関するガイドライン」に基づき、子ども及び保護者に関する記録の取り扱いを定めています。これらの記録は鍵付きの書庫にて厳重に保管し、職員の勤務中における携帯電話の所持・使用を禁止する等、個人情報の不正使用や漏洩防止に向けた対策を講じています。守秘義務の定義や目的については、採用時の職員研修にて説明を行い、職員とは個人情報の遵守に関する「守秘義務誓約書」を交わしています。利用者(保護者)の個人情報については、入園時に「入園案内(重要事項説明書)」を通じて説明し、理解を得た上で、利用契約書及び「個人情報保護取扱い同意書」を取り交わしています。施設長は記録管理の責任者として、過去の書類も含めて全ての記録を鍵付きの書庫にて管理しています。卒園児の書類については、園内倉庫にて10年間保存した後、専門業者に溶解処分を依頼し、適切に破棄しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童福祉法・児童憲章および保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、保育理念・保育方針・保育目標に基づいて原案を策定し、園の特色や地域の実態を考慮して作成しています。この全体的な計画を基に、年間指導計画・月案・週案・日案の各指導計画を作成し、それぞれの評価・反省欄には自己評価と振り返りを記入しています。また、年度初めの会議では、保育に関わる職員が参画し、子どもの発達状況等を共有しながら、次年度の計画に反映させています。さらに、保育計画に沿って実施した行事等についても、終了後に評価・反省を行い、保育の質の向上に努めています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアル「安全な保育環境」に基づき、保育室の室温は25度、湿度は60%に保ち、換気・採光・音環境等についても「施設環境記録表」に毎日記録し、子どもが心地良く過ごせる環境の整備に努めています。また、保育室や遊具等の衛生管理については、子どもの手が触れる箇所を対象に、毎日アルコール消毒と清掃を実施しています。寝具に関しては、半年に1回の日光消毒及び寝具乾燥機による布団乾燥を行い、衛生状態を保っています。さらに、寝具に使用するタオルやカバーは、毎週金曜日に保護者へ持ち帰っていただき、家庭での洗濯をお願いすることで、清潔の保持に努めています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入職時に配付している業務マニュアル「望ましい保育士としての資質や態度」には、子どもの発達段階や欲求を理解し、個人差を把握するよう努めること、常に子どもと共感し合い、子どもの立場に立って物事を考える姿勢が望ましいと明記されています。保育士は、子どもの発達やその過程、家庭環境等から生じる個人差を児童表や経過記録を通じて把握し、子ども一人ひとりの発達段階に応じた保育を行っています。遊びや活動の場面では、子どもが自分の気持ちを安心して表現できるよう、急かしたり制止したり、否定的な言葉を使わないよう心がけています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得に当たっては、子どもの発達段階に配慮しながら家庭と連携し、衣服の着脱や食事等、生活に必要な習慣を身につけられるよう援助しています。具体的には、衣服の前後が分かるように着替えを準備することで、子どもが自分で着脱しやすいよう工夫しています。また、「やってみよう」と思えるような声かけを行い、子どもが自分で出来た際にはしっかりと褒めることで、自主性を育みながら生活習慣の習得を促しています。さらに、子どもの在園時間に配慮しつつ、活動の様子を見ながら休息できる環境を整える等、活動と休息のバランスを考慮した保育を心がけています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

保育室には、年齢に応じた玩具・絵本・教材等を子どもの手の届く場所に配置し、子どもたちが自主的・自発的に遊べるよう環境を整えています。また、リトミックや体操等、子どもたちがのびのびと自由に体を動かせる広いスペースを確保することで、体を動かす楽しさや喜びを感じながら、バランス感覚を養い、身体的・感覚的に優れた子どもたちの育成を目指しています。3~5歳児には、毎月交通ルールに関する紙芝居の読み聞かせを行っており、イラストを交えながら交通ルールを学ぶことで、社会的ルールの習得を促しています。土の前庭をはじめ、近隣の鯉ヶ渕公園や鶴見川等、自然の環境に恵まれており、散歩の際には自然に触れる機会を積極的に設けています。さらに、鶴見地域ケアプラザやビーンズ保育園と連携し、鶴見警察署主催のイベントに参加することで、パトカーや白バイに乗る等の社会体験の機会も提供しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児保育においては、子ども一人ひとりの情緒の安定を図るため、担当職員を固定し、継続的な関わりを大切にしています。毎日の保育では、スキンシップを多く取り入れ、子どもに安心感を与えることで保育者との信頼関係を築き、愛着関係の形成を促しています。また、抱っこや語りかけ、笑顔での応答等を通して、子どもの気持ちに寄り添いながら、温かい保育を心がけています。玩具はいつでも手に取れるよう遊具棚に保管し、子どもの関心や興味に応じて適宜入れ替えを行っています。一人ひとりの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラス全体の指導計画を作成し、子どもの心身の発達に関する情報を担任間で共有しながら保育を実践しています。保護者とは、毎日連絡帳を通じて丁寧に子どもの様子を伝えると共に、送迎時の会話等を通じて情報を共有し、信頼関係の構築に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもが安心して探索活動を行えるよう、安全マニュアル(点検表)や事故リスク軽減のためのチェック表に基づき、施設内の点検や清掃等環境整備に努めています。1・2歳児は自我の形成が芽生える時期であるため、保育士は子どもの「自分でやりたい」という気持ちを尊重し、衣服の着脱や食事の場面では、子ども自身が挑戦できる機会を確保しつつ、必要に応じてさりげなく援助することで、意欲を損なわない関わりを心がけています。また、子どもが自発的に活動できるよう、好きな玩具やごっこ遊びに展開できる玩具を用意し、必要に応じて保育士が仲立ちすることで、友だちとの関係性を築けるよう援助しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3~5歳児の保育では、異年齢児との交流や自由遊びを通じて、子どもが興味・関心のある活動に主体的に取組めるような保育環境を整えています。集団の中で子どもが安心して活動したり、自分の気持ちを伝えたりできるよう、保育士は子ども同士の関係性を見守りながら、必要に応じて仲立ちを行い、交流を促進することで、安心して関われる雰囲気づくりに努めています。また、就学を見越した保育として、専門講師による特別保育(スポーツタイム・英語タイム・お絵かきタイム・書きかたタイム)を取り入れ、子どもたちの多様な興味や能力の育成を図っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

入園案内(重要事項説明書)の第17項において、障害児保育の実施について明記し、保護者への周知を行っています。施設設備面では、園舎内をバリアフリー化しており、手すりの設置、障害児用の椅子、多機能トイレ等を完備し、すべての子どもが安心して過ごせる環境を整えています。現在、一時保育においても障害のある子どもの受入れを行っており、個々の発達段階や特性を十分に理解した上で、個別の指導計画をクラスの年間指導計画と関連づけて作成し子どもの状況や成長に応じた適切な援助を行っています。また、障害児支援施設に通っている子どもも在園しており、保護者や支援施設と密に連携し、子どもの様子や支援内容について情報を共有しながら、保育所での生活に配慮した支援を行っています。必要に応じて、鶴見区家庭支援課、福祉保健センター、東部地域療育センター等の関係機関とも連携し、相談や助言を受けられる体制を整えています。さらに、障害のある子どもの保育に関しては、キャリアアップ研修の受講や巡回訪問、行政機関等から得た情報を職員会議等で共有し、職員間で対応方法を確認し合うことで、子ども一人ひとりに配慮し、見通しを持った保育が実践できるよう共通理解を深めています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

長い時間を園で過ごす子どもたちの生活リズムを考慮し、保育士は静と動の活動のバランスを図りながら、保育内容を変更する等、子どもを主体とした保育を実施しています。子どもが興味や関心のある遊びや玩具を用意したり、抱っこする等、子どもの状況に応じて穏やかにゆったりと過ごせるよう配慮しています。登降園時には極力担当保育士が対応するようにして、保護者から子どもの様子を詳しく聞いたり、伝えることで子どもの成長を共有するようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の項目に「小学校との連携」を掲げ、就学への見通しが持てるような取組を行っています。毎年、近隣小学校の1年生との交流会「ようこうそ年長さんの会」に参加し、ランドセルを背負わせてもらう等の体験を通じて、小学校生活への期待や関心を育んでいます。また、法人姉妹園や地域の保育園の年長児との交流の場を設けることで、集団活動への適応力や社会性の育成にもつなげています。さらに、保育者と小学校教諭との情報交換事業にも参加し、子どもの発達や就学に向けた支援についての理解を深め、連携を図っています。当園では、3~5歳児を対象に、専門講師による特別保育(スポーツタイム・英語タイム・お絵かきタイム・書きかたタイム)を取り入れ、就学を見越した保育を実践しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理については、入園時の面談や健康台帳、児童票等を通じて、子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日々の保育では、業務マニュアル「健康管理のポイント」に基づき、朝の受入れ時に保護者から子どもの健康状態を確認し、職員間で情報を共有しています。園内で体調不良やケガがあった場合には、「子どものけが、病気等の保護者との連絡記録表」に記入し、職員間で速やかに共有する体制を整えています。看護師は在籍していませんが、法人姉妹園である「みゆさと保育園」の看護師が毎月「ほけんだより」を発行し、流行している感染症や子どもの健康管理に関する取組を保護者に向けて発信しています。当園における健康管理の方針や感染症対策等については、入園案内(兼重要事項説明書)の第14~16項に明記されており、保護者に周知しています。また、SIDS(乳幼児突然死症候群)への対策として、業務マニュアル「乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のためのブレスチェック手順表」に基づき、睡眠中の安全管理を徹底しています。具体的には、0歳児には5分ごと、1歳児には10分ごとに呼吸チェックを行い、うつぶせ寝を避けるよう職員間で周知し、適切な対応を行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

当園では、子どもの健康管理の一環として、以下の健診・検査を定期的に実施し、記録しています。
内科健診・歯科健診:年2回、視聴覚検査:3歳児クラスを対象に年1回、尿検査:3歳児~5歳児を対象に年1回、身体測定:月1回、実施しています。健診結果は、クラス担任・園長・主任の間で情報共有を行い、保護者には歯科健診・健康診断の結果を紙面でお知らせしています。必要に応じて通院を勧め、通院が必要な家庭には結果や経過の確認を行い、フォローを含めて密に連携を図っています。また、施設長は歯科衛生士の資格を有しており、毎日、給食後とおやつ後に担任が仕上げ磨きを行っています。歯科健診時には医師から「虫歯の少ない園」として評価を受けており、家庭でも仕上げ磨きを習慣化していただくよう保護者に伝えています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、横浜市が策定した「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」に基づき、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。入園案内(兼重要事項説明書)に対応方針を記載し、入園面談時に保護者へ説明を行っています。除去食が必要な場合には、医療機関を受診した上で、以下の園指定書類を保護者に提出していただき、担任・看護師・栄養士との面談を経て個別対応を行っています。指定書類は、保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(食物アレルギー・アナフィラキシー・気管支喘息)、食物アレルギー対応票、与薬に関する主治医意見書、与薬依頼書、エピペン対応表、緊急時個別対応表等です。アレルギー児の保護者とは、年1回の除去食面談及び月1回の除去食確認を実施し、継続的な情報共有と対応を行っています。食事提供時には、栄養士と担任によるメニュー確認を行い、トレイ・食器の区別、名札の添付、最初に食事を提供する等、誤食防止のためのチェック体制を徹底しています。また、職員はアレルギーに関する最新情報を得るため、外部研修に積極的に参加し、得た知識を職員間で共有することで、対応方法の統一と認識の向上を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育は、全体的な計画及び各年齢の月度指導計画に位置づけられており、計画に基づいて子どもが食事をより楽しめるよう取組んでいます。栄養士を中心に食育指導を行い、子どもが食に対して興味や関心を持てるよう工夫しています。日常の活動では、食材カードや実物の食材を提示し、見て・触れて・形や硬さ・匂い等を五感で感じられる体験を取り入れています。毎月1回の「食育タイム」では、絵本や紙芝居、資料等を活用し、食事の大切さを分かりやすく伝えています。さらに、3~5歳児を対象に、栄養士が毎日給食メニューの説明を行い、食への関心を高めています。調理体験としては、おにぎり・サンドイッチ・ホットケーキ作りや、クリスマスのケーキデコレーション等を実施し、子どもが食事を楽しみながら主体的に関わることができるよう工夫しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

園では、誤嚥防止の観点から、0歳~5歳児まで刻み食の形態で給食を提供しています。一人ひとりの発育状況に応じて離乳食の段階を調整しながら調理を行い、軟便や下痢等の体調に合わせて乳製品を控える等、子どもの健康を第一に考えた献立と調理の工夫がなされています。給食日誌には毎日の残食量を記録し、残食が多いメニューについては改善や変更を行う等、継続的な見直しを実施しています。さらに、給食業者と連携しながら季節の野菜や果物を積極的に取り入れ、サンマーメン・ちらしずし・恵方巻等地域の食文化や行事食を提供することで、子どもたちが食を通じて楽しみや文化を学べるよう配慮しています。衛生管理体制についても、「給食室の衛生管理マニュアル」及び「大量調理マニュアル」に基づき、調理過程や配膳における衛生面のリスクを防止し、安全で安心できる食事の提供に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者への連絡・連携については、入園案内(兼重要事項説明書)の第13項「保育園と保護者との連携について」に明記しており、見学会や懇談会等の機会を通じて保護者に周知しています。日々の連絡体制としては、登降園時の会話をはじめ、0歳児には複写式乳児連絡帳、1~2歳児には乳幼児連絡帳、3~5歳児には週末に連絡ノートを活用し、子どもの様子を伝えながら保護者との連携を図っています。また、園だより・年間行事予定表・保育参加・懇談会等を通じて、保育の意図や内容について保護者の理解を深めるよう努めています。子どもの成長については、星まつり夜店あそび・秋の親子うんどう会・おひなまつり発表会等の園行事や、日頃の保育の中で保護者と共有できるよう工夫しています。保護者からの相談内容や会話については、メモを「児童健康台帳」に貼付したり、個人ファイルに記録・保管することで、職員間で情報を共有し、適切な対応ができるよう努めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

登降園時には、クラス担任が極力対応するよう心がけ、子どもの様子を詳しく伝えると共に、連絡ノートを活用して保護者とのコミュニケーションを図り、信頼関係の構築に努めています。保護者から相談を受けた際には、「育児相談記録簿」に内容を記録し、「育児相談フローチャート」に基づいて適切な対応を行っています。先ずは保護者の気持ちを受け止めることを大切にし、相談内容に応じて施設長や主任が対応する場合は、後日面談日を設定し、応接室で丁寧に話を聴く体制を整えています。個人面談の内容は記録・保管し、職員会議等で他の職員へ報告することで、職員間で共通認識を持ち、連携した対応ができるようにしています。個人面談は年1回、希望者を対象に実施していますが、希望があれば随時対応する体制も整えています。 

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

日頃の登降園時には、親子の表情や言葉に注意を払い、保育中には着替えやシャワーの際に身体の傷やあざ等を確認することで、子どもの身体状況を把握し、虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう努めています。虐待等の権利侵害が疑われる場合には、鶴見区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所へ通報すると共に、ケース会議を開催し、職員間で情報を共有しながら対応を検討しています。また、従来は延長保育や夕食提供を事前申請制としていますが、保護者の体調不良(例:うつ病)等がある場合には、精神面や生活面に配慮した援助として柔軟に対応します。職員に対しては、「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」に基づいた園内研修の実施や、外部研修への参加を通じて、専門知識や技能の習得・確認を行い、指導・育成への取組を強化しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

当園では、年間指導計画に基づいて月度指導計画、週案・日案を策定し、月末や週末に振り返りと見直しを行っています。保育実践の振り返りを通じて見えてきた課題については職員会議で話し合い、保育目標に向けた保育の展開ができるよう、環境設定や援助の方法等を見直し、保育の質の向上につなげています。保育士の自己評価を重視しており、年初めには各職員が自らの保育に関する課題を三つ設定し、年2回の職員間での対話を通じて振り返りを行っています。この取組により、互いに学び合い、意識の向上が促され、自己評価に基づいた保育実践の改善や専門性の向上につながっています。また、こうした振り返りの機会を職員全体で共有することで、園全体で一貫性のある保育の推進を図っています。職員の自己評価を基に、毎年「保育園の自己評価」を実施し、その結果は玄関に掲示して保護者にも公表しています。