社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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寺山保育園

2023年05月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社プレパレーション

② 施設・事業所情報
名称 寺山保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 117 名
所在地 226-0013
横浜市緑区寺山町351 
TEL 045−933−2656 ホームページ https://ryokufuu-hoiku.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1981年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 緑風福祉会
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:20 名
専門職員
栄養士 :2 名
調理師:2 名
施設・設備の概要
保育室:7
遊戯室:2
更衣室:2
事務室:1
調乳室:1
子どもトイレ:21
大人トイレ:3
園庭:有

③ 理念・基本方針
理念:個々のこどもの欲求を満たす、集団生活を良い関係で過ごす、子ども達の安定した
環境をつくる 
方針:広い目で子どもの本当の姿を見つめ、温かい目で子どもを伸ばす方法を考え、
長い目で教育の効果を見守る

④ 施設・事業所の特徴的な取組
様々な経験を通して、遊び・教育・食育活動に取り組む

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/11/01(契約日) ~2023/03/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【特長】
〇伝統的な季節の行事などを積極的におこなっています
開園41年目で、歴史があり地域と共に歩んできた保育園です。「子どもたちに出来るだけ沢山の体験をさせたい」という願いのもと様々な行事を取り入れ、特に昔ながらの行事として「お相撲大会」や「盆踊り大会」「お餅つき大会」「凧揚げ大会」「節分」「ひな祭り」など、日本の伝統や文化を継承することを大切にしています。子どもたちが、卒園後、また大人になってから保育園での体験を思い出し、それを誇りに思ってくれることを願いとしています。また、地域との関わりも大切にしており、地域のお祭りに4,5歳児が鼓笛隊で参加しています。

〇広々とした園舎・園庭で保育をおこなっています
敷地面積が広く、園舎・園庭とも広々とした環境の中で保育をおこなっています。乳幼児に適した施設の中で乳幼児を集団生活に慣れさせ、その生活を通じて心身共に健康で自由性と創造性に富む人間性の豊かな子どもに育てることを目標とし、採光のとれた健やかな環境の園舎や、自由に走り回れる園庭を備えた広々とした環境を整えています。

〇働きやすい環境で、経験豊富な職員が多い体制をとれています
離職率が低く、経験豊富な職員が多いです。広々とした環境の中で保育をおこなうことは子どもに対してのみではなく、働く職員にとっても良い環境です。また、残業時間の削減や代休の確実な取得などの基本的なことも確実に実施して働きやすい環境を整えられています。


【今後期待される点】
〇より安全でより楽しめる環境づくりに期待します
敷地が広く道路から園庭内もよく見える為、門扉の施錠など安全面の強化が望まれます。その半面、保育室内は事故防止を重視しているため、子どもの探索意欲を満たす環境設定やコーナー作りなど、「いつでも好きなあそびを自由に選択する環境設定」は為されていません。今後は安全と遊びのバランスの取れた環境づくりに期待します。

〇保育内容や子どもの様子を積極的に保護者に向け発信していくことに期待します
積み重ねてきた実績と日々のコミュニケーションにより、保護者からの信頼は厚く満足度も高いですが、個人面談や懇談会などがおこなわれていない為、保育内容や子どもの様子が分かりにくいと感じている保護者も一定数います。保育内容や取り組みを、より積極的に保護者に向け発信していくことに期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価に参加するにあたり、全職員で自己評価を行い現状の保育を見直し、全体で振り返りを行いました。
評価頂き、ご指導いただいたことを真摯に受け止め、全職員で結果に基づき課題を明確にし、改善策計画を行っていく所存です。
また保護者の方々のご意見ありがとうございました。園児のすこやかな成長を保育士一人ひとりが努力致して行きます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針を明文化し、入園案内への掲載や園への掲示をおこない、説明をおこなっています。職員に向けた取り組みでは、入職時の説明や会議等で周知することにより、理解の促進を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

姉妹園との情報を共有し、事業経営をとりまく環境と経営状況の把握・分析をしています。理事長が横浜市社会福祉協議会の役員でもある強みを活かして、自園外からの情報を収集して環境把握・分析をしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

把握・分析をした情報を姉妹園の間で共有し、具体的な課題や問題点が適切に抽出・共有されています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

保育理念である「広い目で子どもの本当の姿をみつめ温かい目で子どもを伸ばす方法を考え長い目で教育の効果を見守る」という考えをもとに、「子どもは豊かに伸びていく可能性を秘めている」「心身共に健康で自由性と創造性に富む人間性の豊かな子どもに育てること」といった想いを掲げ、計画を策定しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画を踏まえた単年度の事業計画が策定されています。単年度の計画は行事の計画だけではなく、食育などの生活に根差したものを取り入れています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

年度末に振り返りながら中・長期計画も含めて見直しをを行っています。見直しにあたっては姉妹園での情報を共有した上で適切におこなっています

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

策定した計画はプリントの配布や園内への掲示をおこない、保護者などに周知され理解を促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上に向け、組織的に園内外の研修への参加を計画・実行しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

課題を明確にし、回覧用の資料としてまとめて情報の共有を図ることや、内容によっては各職員に直接配布するように工夫をしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は自らの役割と責任を明確にし、年度の初めや期の初め等の節目で周知しています。さらにおたよりに記載して周知・理解を図っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は研修などを通じて、関係法令などを理解するように努めています。理解した関係法令などは職員会議などで職員への情報共有をおこない、必要に応じて書面を園内に掲示して職員がより正しく理解できるように取り組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

定期的に職員との面談をおこなうことや、日ごろから積極的に職員にコミュニケーションをとり、状況を把握するとともに職員からの様々な意見を集めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

残業時間の削減や代休の確実な取得などの就労環境の改善をおこない、働きやすい環境をつくることで業務の実効性を高めるよう取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

求人や配置等の人事関係の計画は、法人が主体となって実施しています。求人の取り組みでは各種求人専用媒体への掲載や、保育関連の学校へ対しておこなっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員の評価などは園長と法人が主体的におこない、法人全体として総合的で的確な人事管理をおこなっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

月に数回の就業状況の確認や、定期的な面談をおこない、職員の状況や意向を把握している。残業時間の削減や代休の確実な取得などを実施し、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長との定期的な面談の場を設けて、目標に対する振り返りや目標の更新をおこなっています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人は職員の教育・研修に関する基本方針を明確にし、定期的な職員会議・役職者会議で周知しています。会議の中で現状に合わせた更新の必要性を検討し、適時見直しをおこなっています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの受講頻度のバランスや、それぞれの経歴などを考慮した研修計画を立て、各職員に必要な研修を受けられるようにしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成についてのマニュアルを整備し、学校と連携して継続的な実習生の受け入れをおこなっています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

運営の透明性を確保するために、ホームページや地域の回覧等を通じて適正な情報公開をおこなっています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のために、関係法令に合った各規定を整備し、内部監査等の実施により各規定に沿った取り組みをおこなっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

近隣の小学校や児童福祉施設と協力して地域との交流をおこなっています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

主に近隣の中学生を対象として、在籍している子どもの状況に合わせた受け入れ体制を整えています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

園の代表者が地域の施設長会に参加し、児童福祉関係の情報交換をおこなうなど、関係機関との連携に努めています。交流会で得た情報は職員会議などで共有しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズ等を把握するために、地域交流会への参加や、関係機関からの情報収集に取り組んでいます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

園は地域の福祉ニーズに応えるため、入園する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携や、保護者の子育て支援に取り組んでいます。大学生の児童福祉関係の研究の協力等も実施しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育の提供に向けて、関係法令や法人の方針をよりよく理解するため、職員会議での周知や資料の配布をおこなっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護についての規定類を整備し、子ども一人ひとりのプライバシーに配慮をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

園行事をおこなっている姿をホームページに載せる準備をおこなっています。必要に応じて園見学をおこない、より詳しい施設や保育の情報を提供しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園に関わる手続きでは、重要事項説明書などの書面を用いた説明をおこなっています。言語や文化の違いや心身的な配慮などの対応が必要な場合は、それぞれに合わせて必要な配慮をおこないます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転園が生じた場合は、子どもが次の園でも安心して過ごせるように保育の継続性に配慮し、転園先からの問い合わせに応じ、保育に関わる必要な情報の提供をおこなう体制を整えています。保育所の利用が終了した後も、関係機関と協力して継続性に配慮して、保護者からの相談を受け付けられる体制を整えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の登降園時や必要に応じて適宜面談をおこない情報を収集して、利用者満足の向上に向けて取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の責任者や受付窓口を設置して、苦情解決の体制を整えています。苦情解決の体制を園内に掲示することで保護者への周知をしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者が担任等に直接相談や意見ができる環境を整えています。その他にも役所の担当部署へも連絡できます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの相談や意見があった場合には必要に応じて職員間で対応の検討をおこないます。対応に時間を要する場合にはその旨の説明をおこないます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

安心・安全な福祉サービスの提供するために、事故発生時の対応や安全確保の体制や手順を明確にし、会議の場などで職員への周知をおこなっている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のため関係法令などに準拠して取り組みをおこないます。コロナ禍においても、的確な状況把握をおこない、独自の実用的な対応フローを作成・掲示して対応しました。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時における子どもの安全確保のため、災害時の対応体制を定め、周知しています。災害時に備えた訓練を実施し、災害時に必要な食料や備蓄品を整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育について標準的な実施方法についてマニュアルを作成し、提供しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法は職員会議にて検証・見直しを定期的におこなっています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

中長期計画にもとづき、職員全員が一丸となって一人ひとりの子どもに配慮した指導計画を適切に作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

作成した指導計画は、作成体制の責任者を中心にして、評価や見直しを定期的におこなっています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する発達状況や生活状況等を、法人で定めている様式に適切に記録しています。記録された情報は職員間で共有し、子ども一人ひとりに合った保育を実施しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

関係法令に準拠した規定を整備し、記録管理の体制をとり、子どもに関する記録を適切に管理しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「保育園での遊びや活動の中でたくさんの体験をし、これからの時代や社会で生きていくときに必要となる人間力の基礎を身につけましょう」という保育理念のもと、保育方針や目標に基づき作成しています。「たくさんの体験をする」という理念に基づき、計画には、行事や自然との関わり、人との関わり、表現遊び、日本ならではの行事体験、食育などについて盛り込んでいます。職員は、年度末に年間の反省を出し合い、それらを次年度の計画に反映させるという形で作成に参画しています。0歳児についての計画の様式が、2018年4月より施行された新保育指針に則っていませんが、2023年度からの計画には反映させる予定です。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

室内の温度・湿度は空調により管理され、換気も十分におこなっています。玄関には季節の花を生け、玄関ホールには手作りのお手玉やけん玉などが子どもの手の届く所に配置しています。2階のホールは天井が高く、高い位置に窓があるので自然な優しい光が差し込んでいます。園舎全体は歴史を感じるたたずまいですが、掃除を丁寧におこない清潔が保っています。また、階段上の柵や家具の転倒防止など、安全面にも配慮をしている他、園舎・園庭とも広々としており、空いた部屋でゆったり過ごすことも出来ます。沐浴室の脇でおこなっている1歳児室のトイレトレーニングやおむつ交換について、区切りが設けられることに期待します。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中には「発達過程とクラスの相関性」について、年齢やクラスにしばられず、子ども一人ひとりの発達に適した保育環境の中で保育することを記載しています。保育者は、明るい態度で優しく一人ひとりに対応し、声掛けは、はっきりと分かりやすい言葉で、子どもの性格や個性に合わせて工夫しています。身の周りのことに取り組む際は、できるだけ自分でおこなえるよう励まし、発達に応じて援助したり見守るなど、配慮しています。自分を表現する力が十分でない子どもに対しては、表情や様子から気持ちを汲み取り代弁することで、表現しやすいように対応しています。急がせる言葉や制止の言葉は不必要に用いないように努めています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児は快・不快の感覚が感じられるように全員が布おむつを使用していますが、体調により紙おむつを使用するなど、柔軟に対応しています。着脱や手洗いなどは自分で取り組みたいという気持ちを尊重し、発達に応じて、援助・声掛け・見守りなどをおこなっています。また、水道の蛇口には子どもの身長に合わせてホースを付け、自分で洗いやすいように配慮しています。幼児クラスは玄関ホールにコート掛けを設置、着替えを入れるかごも棚に整理をし、子どもが迷わず自分でおこなえるよう環境を整備しています。乳児クラスの個人別月間指導計画に家庭との連絡・連携の欄を設け、家庭と共有・連携を図りたいことを明確にして取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

園周辺には大小様々な公園があるので、子どもたちは年齢に応じて身体を動かしたり自然に触れることが出来ます。園庭も広いので、幼児は走り回ったりサッカーや鬼ごっこなどの集団あそびもおこなっています。定期的に大きな行事がありますが、子どもが主体となって練習に取り組めるよう、異年齢で披露し合ったりする機会を持つなど、工夫しています。地域との関わりも大切にし、「四季の森公園まつり」や「中山まつり」などの地域のお祭りに4,5歳児が参加し、鼓笛隊を披露しています。また、寺山町自治会には、敬老の日に合わせプレゼントを差し上げるなど、様々な形で地域の方と接したり社会体験が出来るよう保育を展開しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

0歳児室には直接出入りできるテラスがあるので、テラスにシートを敷いて遊んだり外気に触れたりする時間を設けやすい環境にあります。また、0歳児室に入る時は履物を脱ぐなど、他のスペースとは異なる対応をし、感染症などの予防に努めています。室内は清潔を保ち、安全面を最優先に考えた環境を整備しています。1歳児室との区切りがサッシなので開放感があり、1歳児の様子を見ることが出来ます。保育者は1対1の関わりやスキンシップを多く持ち愛着関係が持てるよう配慮しており、一人ひとりの動きや表情・発声を大切に、応答的に関わっています。0歳児室においては、発達や月齢に合わせた玩具の提供や、身体を様々に動かし探索意欲を満たす為の環境づくりを期待します。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

月間指導計画の個別計画の中で、一人ひとりのその月の様子と翌月のねらい・保育者の配慮点・家庭との連携について記載し、保育者間で共有し保育を進めています。保育者は子どもが自分でしようとする気持ちを尊重しつつ、必要に応じてさり気ない援助や励まし、見守りをおこなっています。朝と夕方、土曜日は異年齢保育をおこない、様々な年齢の友だちや担任以外の保育者との関わりを持っています。保育室は危険のないように柱の角を覆い、子どもたちが自由に動き回れるように整備しています。今後は、乳児期に必要な探索が十分におこなえるような玩具設定や遊びのコーナーなどの設定に期待します。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

様々な行事に子どもと保育者が一体となって取り組むことにより、協力してやり遂げる喜びや達成感を感じられるように配慮しています。特色のある取り組みとしては鼓笛隊活動、日本ならではの活動としては、相撲大会・盆踊り・餅つき大会などがあります。散歩やお弁当を持参した園外保育など、自然との関わりも多く持っています。行事の主体は子どもであると捉え、子どもの負担になるような練習にならないよう、取り組み方を工夫しています。運動会の際はクラス毎に練習し、互いに披露し合うことにより双方に良い刺激となるよう配慮しています。園での取り組みは、園だよりや給食だよりなどで保護者にお知らせしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

特別な配慮を必要とする子どもには個別指導計画を作成し、その計画に基づき、子どもの状況と成長に応じて保育をおこなっています。保育者は障がいのある子どもの保育について研修などにより必要な知識を得て、その学びはレポートや会議で他の保育者と共有しています。また、必要に応じて療育センターと連絡を取り合い、相談をしたり助言を受けたりしています。在園しながら民間の事業所と契約されている子どもは定期的に事業所が迎えに来ますが、個々の迎えの時間にも柔軟に対応しています。保育者間で連携を取って子ども同士の関わりに配慮し、障がいを持つ子どももそうでない子どもも共に成長できるよう配慮しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

寺山保育園の保育時間は、平日は7時30分から19時まで、土曜日は7時30分から18時30分までとなっています。園では、子ども一人ひとりの状況に応じてゆったりと家庭的に過ごせるよう配慮し、長時間にわたり園で過ごす子どもには、必要に応じて休息や水分補給などをおこなっています。連絡帳や保護者とのやり取りで得た情報、子どもの様子などから睡眠不足であることがうかがえる時は、保育室の一角に布団を用意し休息を促すなどの配慮をしています。朝と夕方は合同保育をおこない、異年齢での関わりを持っています。子どもにも疲れが出始める17時からは、ひとつの部屋に集まり、紙芝居を見たり絵本を読んだり、テレビを見たりしながら過ごしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画の中に、小学校との連携や就学に関連する事項を記載し、それに基づいて保育をおこなっています。就学に対する期待を持つことをねらいとしつつ、同時に子どもが感じる不安などを受けとめ情緒の安定を図ることを計画に盛り込んでいます。また、子どもが小学校の生活について見通しを持てるよう、校庭の見学をしたり、小学生と手紙のやりとりをするなどの活動を取り入れています。保育者は、小学校・幼稚園・他の保育園と合同の研修会に参加し、連携を図っています。子どもに関する情報は、園長の責任のもと、担任が保育所児童保育要録を作成し、就学先の小学校に送付する他、直接電話や対面で共有することもあります。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー対応・乳幼児突然死症候群(SIDS)・安全衛生・熱中症・おむつ交換・嘔吐処理についてのマニュアルがあります。また、年間保健計画を作成しています。子どもが保育中に発熱した時は、37.5℃を目安に保護者に連絡しお迎えを要請しています。子どもの健康に関わる必要な情報が常に得られるよう、年度末に保護者に予防接種の接種状況を記入していただき把握しています。日々の子どもの健康状態に関する情報は、内線や回覧板を使い保育者間で共有しています。また、子どもの健康に関する方針や取り組み、健康を維持する為のポイントなどについては、園だよりや給食だよりを通して保護者に伝えています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

園医による健康診断は春と秋の2回、歯科検診は6月と1月におこないます。その他、3歳児クラスで視聴覚健診、2歳児クラス以上は年に1回、尿検査をおこないます。結果は個別に保護者にお知らせし、家庭での生活や健康管理に活かされるように援助しています。また、園では記録に残し、一人ひとりを把握する為に職員会議で共有し、保健計画にも反映させ、保育をおこなっています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに対応しています。食事の提供時、アレルギー疾患のある子どもは他の子どもたちとは別の机を使用し、専用のトレーと食器・食具を使用しています。また、配膳時は栄養士が1対1で付いて確認し、誤食が無いようにしています。慢性疾患などのある子どもは、現在在園していませんが、入園した際は医師の指示のもと、子どもの状況に応じて適切に対応します。保育者は、アレルギー疾患、慢性疾患について研修などにより必要な知識や情報を得て、保育者間で周知・共有しています。アレルギー疾患のある子どもについて、クラス内での情報共有を徹底しています。今後は災害時の対応なども考慮し、更に園全体での共有を確実におこなうことを課題と考え取り組んでいます。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食に対する豊かな経験が出来るよう、全体的な計画の中に位置づけ取り組みをおこなっています。主に、食材に興味を持ち様々な味や形態に触れること、マナーを身につけること、友だちと一緒に食べる楽しさを味わうこと、食べ物の大切さを理解することなどを、年齢により盛り込んでいます。食材に関心が持てるよう、食材を実際に見せたり、食に対する関心を深める為、乳児はおにぎり作りやそら豆・とうもろこしの皮むきなどを取り入れています。幼児は食材の栄養や身体への効果・働きについて学んでいます。子どもの食生活や食に対する取り組みについて、家庭には園だよりを通してお知らせしています。毎日実際の給食を給食室前に展示していますが、やや気づきにくい場所である為、保護者に、より見ていただける工夫をしたいと考え検討しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

保育者と栄養士で連携をして子どもの喫食状況を把握しています。また、栄養士はこまめに各クラスを見回り子どもたちの意見を聞いたり、残食の調査記録や検食簿をまとめ、献立や調理の工夫に反映しています。保育者と栄養士は月に1度給食会議を開き食育や献立について検討、人気のあった献立や重複していた食材などを出し合い改善点を記録することで、より安心でおいしい給食を提供できるよう努めています。11月には千歳飴の配布、12月には餅つきなど、行事に因んだ楽しい経験も大切にしています。衛生管理の体制を確立し、マニュアルにもとづいた管理を適切におこなっています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育の意図や保育内容については園だよりでお知らせしています。各クラスの様子や取り組みについて、また保護者に協力を仰ぎたいことについても「クラスのコメント」として載せています。個人面談の日程を設定はしていませんが、保護者からの相談は必要に応じて随時受け付け、記録に残し、保育者間で共有しています。保護者会・懇談会・保育参加などの代わりに「親子のふれあい」「運動会」「リズム発表会」などの行事を定期的に開催し、保護者に子どもの様子を観ていただく機会としています。子どもの人数や保育の状況により対応が難しい日はありますが、日常的な情報交換は朝夕の送迎の際におこなうよう努めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

園は、いつでも保護者からの相談に応じる体制があり、その旨を保護者に周知しています。保護者の就労などの個々の事情に配慮し、急な残業や早退などにも柔軟に対応しています。栄養士・保育者が専門性を活かした保護者支援に取り組み、「給食だより」では行事食の紹介、風邪の予防方法、栄養素などについて伝え、「お知らせ」では行事予定や保健的な事項について知らせています。相談を受けた保育者などが適切に対応できるよう、専門機関などより助言が受けられる体制を整えています。助言を受けた保育者は、職員会議などで他の保育者へ周知・共有しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待等権利侵害の兆候を見逃がさないよう、保育者は一人ひとりの表情や栄養状態を確認し、着替えの際は身体に傷などが無いかチェックしています。虐待等権利侵害の可能性があると保育者が感じた場合は、速やかにチーフ・主任・園長に報告するよう定め、区役所や児童相談所等の関係機関と連携を図り対応することになっています。保育者は、子どもの人権擁護についての学びを深める為に園内研修をおこない、職員による虐待等が無いようにも努めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

月間指導計画と週案日誌に自己評価の欄を設けています。保育者は毎日の保育を振り返り記録し、月の振り返りをおこなっています。振り返りをおこなう際は、子どもの姿から自身の促し方や保育についての考察を加えており、保育者同士で共有することで、互いの学び合いや意識の向上・実践の改善に繋がるようにしています。クラス会議も定期的におこない、話し合いを通しての振り返りも主体的におこなっています。また、保育者個人の自己評価と保育所自己評価をおこなっており、保育所自己評価は保護者に公開しています。研修に参加した保育者はレポートを作成し、職員会議でも得た知識を保育者間で共有、保育の改善や専門性の向上に取り組んでいます。