社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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山崎保育園

2023年04月26日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 山崎保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 100 名
所在地 〒247-0066
鎌倉市山崎1148
TEL 0467-45-6440 ホームページ http://www.k⁻roufukukyo.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 神奈川労働福祉協会
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:17 名
専門職員
保育士:23 名
栄養士:3 名
調理員:3 名
施設・設備の概要
保育室:7
事務室:1
医務室:1
多目的室:1
職員休憩室:1
園庭・バルコニー:1

③ 理念・基本方針
法人の基本理念:
日本の心臓部、京浜工業地帯・神奈川に働く人々の
生活の安定と向上、文化の創造的発展の為に、そしてとりわけ、
働く保護者たちと子どもたちの為に最善を尽くします。
保育基本理念:
子どもたちの「今、ここに生きる」を大切にし、一人ひとりが「かけがえのない存在」と感じて、自信を持って生きていく力を育てます。
園目標:
あそぶの大好き!ともだち大好き!たべるの大好き!元気な子
保育目標:
◇自分の思いを素直に出せる子
◇友達への思いやりが持てる子
◇自分で考え行動できる子
◇自然の中で思い切り遊べる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
湘南モノレール富士見町駅から徒歩4分、またはJR湘南新宿ライン大船駅から徒歩16分の住宅地にある。1974(昭和49)年に鎌倉市立保育園として設立され、2008(平成20)年から社会福祉法人神奈川労働福祉協会により運営されている。定員100名のところ、0歳児から5歳児まで99名の園児が在籍しており、23名の保育士も含め40名の職員で運営されている。延長保育も含め、平日は午前7時から午後8時まで、二階建ての園舎と園庭で保育している。また、市内で唯一休日保育を行っており、日曜日・祭日・年末年始の午前8時から午後6時まで実施している。2020年(令和2)年に園舎の全面改築を終え、園庭も広くなり子どもたちにとってよりよい環境で保育を行っている。
園内で野菜の栽培を行い、各年齢に合わせた調理保育を行うとともに、食事にまつわる文化を紹介するなど食育に努めている。近隣には児童公園や天神山、また鎌倉中央公園がある。四季を通して散歩に出掛けるなど、戸外に出て自然とのふれあいを楽しみ、学んでいくことを大切にしている。園児による「和太鼓」への取り組みがあり、保護者に披露する機会を持っている。
法人傘下の5保育園による子どもの年齢別、保健衛生や給食などの部会や会議を通じて、お互いの工夫などを共有し保育に活かしている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/07/19(契約日) ~2023/03/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2010年度年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
・食を通じた子育て支援
離乳食が初めての保護者に園での様子を見てもらい調理員が助言したり、コロナ禍前は、給食の試食を兼ねた保育参観の実施など、食を通じた保護者支援を行っている。

・詳細なヒヤリハット報告
ひやりとした事柄について「ヒヤリ・ハット」に具体的な状況を記録している。併せて0,1,2歳児は、ささいな噛みつきなど軽微な事柄も含め、クラス毎の「ヒヤリハット・アクシデント・環境記録表」に記録している。豊富な記録から発生の傾向を分析し、予防策の策定が期待できる。

・休日保育の実施
市内唯一の保育園として、日曜日、祝日、年末年始に市内全域を対象に休日保育を実施している。事前予約制で概ね10人を目処に、保育士及び給食の調理員などを配置し対応している。

・計画的な食育の実施と工夫
年齢毎の「年間食育(調理保育)活動案」を作成し、3か月毎に、調理保育や植栽活動、家庭との連携など具体的に計画を策定し食育を進めている。大根など子どもたちが栽培したものを食材の一部として使ったり。野菜の皮むきや蒸しパン作りなど、年齢に合わせた調理保育を行っている。厨房の様子を覗ける子ども用の小窓があり、食に興味を持つ仕組みがある。

・法人の部会などを通じた運営の工夫
法人傘下の5保育園の担当者による、0歳児部会以下年齢毎の6部会、それ以外に保健衛生、障碍児、事務員の3部会、また主任、給食、事務局の3会議、それ以外にHP管理運営委員会が年数回開催されている。各々の部会などの運営は担当者が工夫し、5園全体の仕組みを考えたり、研修を企画するなど、法人全体の情報の共有や研修を通じた資質の向上を図ると同時に、園毎の工夫を互いに活用する仕組みがある。
◇今後期待される点
・マニュアルの工夫と整備
同じ事柄に関する資料やマニュアルが多く、すでにその整理に取り掛かり、併せて書式などを工夫し改訂を進めている。マニュアルが手元にありすぐ確認できるような工夫を通じて、職員の違い等による保育の水準や内容の差異を少なくし、より豊かな保育の提供につながることが期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
鎌倉市からの民営化を受託してから15年という節目、そして園舎全面改築を終えて3年目を迎え、改めて私共の保育の質やご利用者満足の向上に向けての課題を認識するため、当法人運営となってから2度目の第三者評価を受審しました。
受審にあたり、職員と意見を出し合い検討する中で、保育の現状と個々人の課題を振り返ることとなり、客観的な視点を持つことで、日頃私共が行っている業務の意味・意義を細かい部分から再認識し、今後改善すべき課題を知ることができました。
また第三者評価の委員の方からのアドバイスを頂くとともに他施設での取り組みなどを学ぶことが出来る大変良い機会にもなりました。
課題は多くありますが、その一つ一つを丁寧かつ確実にクリアしていくために、山崎保育園では対話を中心とした「人と人とのコミュニケーション」をこれまで以上に大切にし、子どもたちを真ん中にして保護者の皆様・地域の皆様・我々保育者が手と手を取りあって共に育ちあえる、開かれた保育所・皆さんに愛され続ける保育所を目指して参ります。
今回の評価内容を真摯に受け止め、子どもたちがより良い保育園生活を送れるよう、保護者の方に安心して預けていただけるよう、日々努力していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の保育基本理念及び園目標・保育目標を「園のしおり」「職員ハンドブック」やホームページに記載し、玄関に掲載している。職員に対しては、入職時に法人主催の新人職員研修で説明し、また一人ひとりに「職員ハンドブック」を配布し、併せて年度毎に「園のしおり」を読み合わせ周知を図っている。保護者には毎年「園のしおり」を配布し、入園説明会や懇談会で説明していたが、コロナ禍で対面での開催が困難となり配布により周知を図っている。
全職員に対して年度初めに「職員ハンドブック」を読み合わせるなど、周知が求められる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:c】

法人の執行役員会で各園の状況を確認している。また、鎌倉市内の民間園長会が年3〜4回開催され、情報交換や市の保育課から市内の状況報告などを受けている。しかし、鎌倉市の子育てプランなど具体的なことまでは、話題にしていない。
市の施策の確認、保育所が位置する地域の子どもの数・利用者像等、保育のニーズ、潜在的利用者に関するデータを収集するなど、地域での特徴・変化等の経営環境の把握や課題の分析が求められる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:c】

法人の執行役員会で各園の状況を確認している。しかし、鎌倉市の子育てプランなど具体的なことまでは、話題にしていない。
市の施策の確認、地域の特徴・変化等の経営環境や課題を把握し、地域における園としての経営上の課題を明確にし、解決に向けて職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定するなど、組織的な取組みが求められる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人として「中・長期計画表」を策定し、その中に当該保育園も「民間移管20周年」や「園舎建替」など6項目について、実施予定時期を明記している。
「中・長期計画表」に沿った事業の実施によって、組織全体でどのような保育を目指そうとしているのか、その中・長期的な目標(ビジョン)と、目標(ビジョン)実現の為に取り組むべき具体的課題を明記することが求められる。また、その目標(ビジョン)達成のための「中・長期の事業計画」と「中・長期の収支計画」の策定が求められる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人として「年度事業計画書」を策定し、法人全体・本部に関する計画に続き、当該保育園について「運営・管理方針」、「園児数」や「事業日数」「保育時間」などの「概要」、「園目標」「保育体制」や「研修」などの「保育・食育・保健・運営方針」から成る「事業計画書」を設定している。
法人として策定している「中・長期計画表」の下で、当該保育園が目指す目標(ビジョン)を明示し、その実現のために何をすべきなのか、具体的な内容からなる単年度計画を策定する工夫が求められる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

法人の「全体的な計画」の下で策定されている園としての「全体的な計画」について、年間を通じて振り返り、次の計画に活かしている。
その元となる「事業計画」については、職員の参画のもとで、見直しや次の計画策定がされていない。
法人の「年度事業計画書」の一項目として策定されている当該保育園の「事業計画書」について、「運営・管理方針」「概要」そして「保育・食育・保健・運営方針」の各項目にそって、職員参画のもとで振り返り、それを活かして次年度計画を作成する工夫が求められる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

行事などについては保護者に伝えているが、法人の「年度事業計画書」の一項目として策定されている当該保育園の「事業計画書」については伝えていない。
年度で目指す保育や職員の研修計画など、園の主な事業計画について、保護者等に分かりやすい資料を準備し説明に用いるなど、周知する工夫が求められる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

大項目8項目及び小項目3〜4項目からなる「自己評価表」を作成し、正規職員が無記名で各項目を5段階で自己評価している。その内容を集計し職員会議で報告している。
また、職員会議で小グループに分かれ、保育場面の記録をもとにどのように感じたか事例研究を行い、保育の質向上に活かしている。
「自己評価表」による自己評価を、全職員が関わって実施することが望まれる。また取りまとめ結果について、職員参画のもとで評価分析し、次年度の保育の質向上に向けた取組みに活かす工夫が望まれる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

園独自の「自己評価表」を用いて、正規職員が無記名で各項目を5段階で自己評価し、その内容を集計しグラフ化して職員会議で報告している。
コロナ禍で感染症対応を優先せざるを得ず報告に留まっているが、職員参画のもとで集計内容を分析し、取組むべき課題を明確にすることが望まれる。併せて、改善策の策定と計画的な実施が求められる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

「運営・管理規定」及び「職務分担組織図」で、職種と職務内容と分担を明記している。また災害時については、「自衛消防隊の編成と任務」に本部長としての園長の役割や不在時の代務者などを明記している。
入職時に法人主催の新人職員研修で「運営・管理規定」を説明している。また、関係する規定などを事務所に置き、いつでも閲覧できるようにしている。
「運営・管理規定」で職種と職務内容を明記しているが、実情に即したより具体的な職務内容と不在時の代務者などについて、明記した職務分掌に関する規定の整備が求められる。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき事柄を「就業規則」の「服務心得」で定め、入職時に配布し説明している。「職員ハンドブック」に、セクハラ・パワハラの防止など「職員としてめざす姿勢」や「守秘義務(プライバシー)の尊重」について明記している。また、法人の「事業計画書」に「法令遵守と組織統治」を課題として設けている。
コンプライアンスに関する事項が、数種類の書面に分かれて記載されている。また、保護者からの金品授受の禁止など明文化されていない事柄もある。内容を整理し別途規定として整備するなどの工夫が望まれる。併せて、全職員への周知が求められる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

「自己評価表」を用いて、正規職員が無記名で各項目を5段階で自己評価し、その内容を集計しグラフ化して職員会議で報告している。また、「職員自己評価」を用いて各保育士等が自身の業務を振り返る機会を持ち、日々の保育に活かしている。職員会議で小グループに分かれ、保育場面の記録をもとにどのように感じたか事例研究を行い、保育の質向上に活かしている。
会議録等を、報告事項、協議・検討事項、結論、研修など記録項目を工夫し、記録による全職員への周知を通じ、業務の質向上への工夫が求められる。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍で法人の部会などオンラインでの開催を工夫し、超過勤務が減っている一方で、コロナ対応で急な超過勤務も発生しており、特定の職員に集中しないよう工夫している。また、法人として月1日の保健休暇を定め、職員の休暇取得を義務付けている。園舎建替に際し男性用の更衣室を設けたり、職員休憩室に加え多目的室を休憩に利用できるよう工夫している。
休憩時間が確保できるよう業務時間を工夫しているが、特に朝夕の保育を担える人材の確保を課題ととらえている。パソコンの増設を予定しており、業務の更なる効率化が期待される。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の「中・長期計画表」に障碍者雇用や職員育成・確保などを実施する年度を明記している。また「事業計画書」に、各クラスの保育士数など「保育体制」として基本的な人員体制を明記している。休憩時間が確保できるよう業務時間を工夫しているが、特に朝夕の保育を担える人材の確保を課題ととらえている。
また、法人が経営している5つの保育園全体がこの数年、園長の交代など世代交代の時期にある。法人全体では職員の定着率は悪くなく、職員の定着を図りながらスムーズな世代交代を課題ととらえている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「職員ハンドブック」に、「職員としてめざす姿勢」として期待する職員像を具体的に明記している。異動や配転を含めた人事基準に関する規定は定めていない。また、人事考課の仕組みはない。「職員自己評価」及び「継続・異動・転勤・退職等の希望申出書」により意向を確認し、職員と園長による個別面接で、業務状況の振返りと、希望や目標を確認している。
期待する職員像が、個別の自己評価や目標設定に関連づけられ、自ら将来を描くことができるような仕組みの工夫が期待される。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は、職員の就業状況を確認し把握している。また、「継続・異動・転勤・退職等の希望申出書」をもとに全職員と個別面接を行い、希望や意向を確認している。法人としてハラスメントの防止に努め、ハラスメントも含め様々な相談に応じられるよう顧問弁護士が相談窓口として対応している。
派遣職員に対しても業務の意向を確認することが望まれる。併せて、把握した意向内容を、職員各々のワーク・ライフ・バランスへの配慮に活用することが期待される。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「職員ハンドブック」に、「職員としてめざす姿勢」として期待する職員像を具体的に明記している。前回の評価内容が記載されている「職員自己評価」に今回の評価内容を加筆し、職員と園長による個別面接で、業務状況の振返りと希望や目標を確認している。
園の年度目標が明確になっていない状況では、職員一人ひとりの目標が個人的な内容になりがちである。園の年度目標を明確にし、その中で職員一人ひとりに期待するレベルと内容にふさわしい目標が設定され、自己研鑽や内部及び外部研修による研修を含めた目標管理に関する仕組みが求められる。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「職員ハンドブック」に期待する職員像を明記している。外部研修の内容を職員会議で共有している。また、法人として0歳児から5歳児の6部会、障碍児部会や保健衛生部会など、傘下の5保育園の担当者による部会で、お互いの園の工夫を参考に保育の質向上に向けた仕組みがある。
教育・研修に関する基本方針を明文化することが求められる。また、研修記録や職員会議の記録を整備し、派遣職員も含め会議に出席できなかった職員に、研修内容を周知する工夫が求められる。加えて、職種や経験年数を考慮した研修体系の構築と年度研修計画の策定が求められる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

法人として、5保育園合同で、新人研修や中堅研修などを企画し、コロナ禍ではオンラインで実施している。外部研修の情報を伝え、参加を希望する職員は業務の調整のもと参加している。また、乳児に対する救命救急などの研修は、コロナ禍で設定できず課題となっている。
研修した内容と関連資料、研修の成果と所感を分けて記録するなど研修の記録の充実と、研修内容を伝達した職員会議の記録を整備し、会議に出席できなかった職員、特に派遣職員も含めた研修内容の周知と活用の工夫が求められる。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れは「実習生受け入れマニュアル」を整備し対応し、年間10名以上の実習生を受け入れている。実習生の受け入れに際しては、保護者に掲示板で事前に伝えている。
実習受け入れに関する基本姿勢の明文化が求められる。また、事前のオリエンテーションから保護者への伝達、実習中や終了後の振り返りなど、一連の実習の流れの明文化が求められる。併せて、全クラスを経験したのちに特定のクラスで実習を積むなど、標準的な受け入れカリキュラムを整備した上で、個別の課題に対応するなどの工夫が望まれる。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページに「園目標」、法人のホームページに「保育基本理念」及び財務帳票等を掲載している。平成28年度以降の財務帳票等については、WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)で公表している。事業計画、事業報告、苦情・相談内容と対応状況について公表することが求められる。加えて、事故やヒヤリハット等について、苦情については第三者委員が関わっていない内容についても公表することが望まれる。
併せて、ホームページだけでなく地域への広報誌や掲示板などを工夫し、複数の方法での公開が望まれる。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理、取引等に関しては「経理規定」で定め、経理に関する事柄は法人本部で対応している。弁護士、公認会計士、及び元園長の法人の監事3名による内部監査を受けている。最終的には、理事会で監査内容を報告し承認を仰いでいる。また、外部の専門家による監査支援等を活用し 事業、財務等に関する助言にもとづく経営改善を行なっている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍前は、太鼓発表会に際し地域に観覧の呼びかけをしていた。また、3,4,5歳児がバスで芋掘りに行き、農家の人に掘り方など教わるなど交流があった。4,5歳児が地域の人の山に笹を取りに行ったり、散歩の途中にある作業所の鯉のぼりの飾りで、そこの利用者との会話が始まるなど、地域の人との交流がある。一時預かり保育を専用の保育室を設け実施しているが、園児との交わりを大切にし、該当する年齢のクラスで一緒に過ごす工夫をしている。
地域との関わり方について、基本的な考え方の明文化が求められる。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアは受け入れていないが、高校生のインターンシップや中学生の職業体験実習を受け入れている。受け入れにあたっては「実習生受け入れマニュアル」に準じて対応し、保護者には掲示板で事前に伝えている。ボランティア受け入れに関する基本姿勢の明文化が求められる。また、受け入れ準備のオリエンテーションから実施内容の振り返りなど、一連の対応の流れも含めたマニュアルが求められる。現在、ボランティアは募集していない。地域のボランティアセンターを活用するなど、積極的なボランティアの受け入れが望まれる。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

「保育園のしおり」に、嘱託医の医療機関や災害時の避難場所を明記している。併せて、医療機関などの一覧表を事務所のキャビネットに置いてある。子どものかかりつけ医の名称と連絡先は「健康台帳」に記録している。市のこども相談課や発達支援室と定期的にカンファレンスを持っている。また、児童相談所が関わっている子どもが増えてきており、連携を図りながら、必要な情報については職員会議で周知し保育している。
職員会議での報告内容について、会議に参加できなかった職員に周知しやすい記録の充実と工夫が求められる。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

地域の町内会の会員として、回覧などの情報を別途受け取っている。町内会での防災訓練はなく、また会合には出席していないが、防犯パトロールに園長が参加している。苦情解決第三者委員の一人が地区の民生委員で、毎年挨拶に来園している。また、3カ月毎に開催される民間の園長会や、半年毎の市社会福祉協議会の施設部会に園長が出席し、必要な情報を職員会議で報告している。
地域の多様な相談に応じるなど、地域の具体的な福祉ニーズ・生活課題等を把握するための取組が求められる。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

「一時預かり保育」及び「休日保育」を行っている。園独自の事業として、民間移管時の地域に住む在園児及び卒園児の保護者からの存続要望を受け、和太鼓の会「相州山崎太鼓」の活動をしている。また、一時保育とは別に月1回「園庭開放」を実施している。園児と一緒に集団として遊ぶ事を大切に、園庭に限らず保育の中で園の子どもと過ごしている。その際に来園した保護者からの相談にも「育児相談」として応じている。また「園に遊びに来ませんか」と掲示板で地域の子育て家庭に声をかけ、納涼会、人形劇、節分の行事に数家族が参加している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育について「職員ハンドブック」に「児童憲章」「子どもの権利条約」「子どもの人権を守るための6か条」を明記し周知を図っている。また、「偏食を直そうと叱ったりしていませんか」など48項目のチェックリストからなる「職員自己評価(保育士等向け)」を用いて自己評価を行い、振り返りをしている。
呼び捨てや暴言、無視等をしない事、態度、服装、色、遊び方、役割などについて、性差への固定的な観念等を植え付けない対応について具体的に定め、職員による意識の違いや対応の違いを防ぐ工夫が求められる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

園舎建替の際に設備を見直し、プライバシー保護に配慮したシャワースペースやトイレを設置している。また、夏は1階のテラスで水遊びやシャワー、2階のテラスに仮設プールを設置し利用しているが、その際に遮光ネットなどを張りプライバシーの保護を工夫している。4,5歳児に対し、プライベートゾーンや、絵本「いいタッチ わるいタッチ」などを用いて伝えている。保護者にはクラス懇談会で伝え理解を図っている。
プライバシー保護について、設備面での配慮や発達段階に応じた保育士の具体的な対応について、場面ごとに明文化し、職員に周知することが求められる。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

ホームページやブログを開設している他、「パンフレット」を作成し、園目標や保育の内容、園の特性等を紹介している。コロナ禍により見学は中止しており、問い合わせは電話かメールで受け付けている。重複する内容の問い合わせが多かったので、Q&Aを作成してホームページに掲載し、併せて電話による対応時に用いている。
見学受け入れの再開に備え、問い合わせ対応から見学後までの手順を文書化することが望まれる。また、外国籍や障がいのある保護者などへの配慮など、利用希望者の状況や視点に立った情報提供の工夫が求められる。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

新入園児の保護者に、3月の入園前説明会で「保育園のしおり」等を渡して説明し、書類の準備をお願いしている。初日に「はじめましての会」として最初のクラス懇談会を行っている。その後、提出された書類を確認しながら個別に保護者面接を行っている。在園児には、3月のクラスだよりで4月進級後の持ち物や下駄箱の位置など概要を説明し、4月に「保育園のしおり」を渡しクラス懇談会で説明している。
現在は、渡す資料に配慮が必要な保護者はいないが、今後に備え、外国籍や障がいのある保護者に対し工夫した資料の準備が望まれる。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:c】

退園し他の保育園に移る園児について、園の判断のみならず保護者の意向をも踏まえ、保護者の同意のもと転園先への情報提供など、保育の継続性に配慮した対応の仕組みと手順のマニュアル化が求められる。併せて、退園後の相談方法や相談窓口になる担当者などについて、分かりやすく説明した文書の整備が求められる。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

特に保護者に対してアンケート調査はしていない。個人面談は、年度当初は全保護者との面談を予定していたが、調整がつかず気になる子どもについてだけ行っている。次年度は全保護者との面談ができるよう準備中である。年3回行っている「クラス別懇談会」で出された意見は職員会議で報告し対応している。保護者による独自の会「保護者会」の役員と定期的に話し合いを行っている。「保護者会」が保護者の意見を「園への質問・ご意見」として取りまとめて園に提出し、園として書面で回答している。
設問などを工夫したアンケート調査の定期的な実施と活用の仕組みを構築し、保育の質向上への対応が求められる。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

保護者に配布している「保育園のしおり」に、2名の第三者委員の連絡先を掲載している。また、玄関に、苦情解決責任者、苦情受付担当者、及び第三者委員の連絡先などを掲示している。
各々の役割と、他の職員も含めいつでも誰にでも相談できること、相談を受けた後の対応手順などについて明記することが求められる。また、苦情の受付から対応の検討、苦情申し出者への説明と回答など、書式を整え記録を工夫すると共に、保育の質の向上への活かし方も含めマニュアル化が求められる。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの個別の相談には、空いている保育室や多目的室などを利用し、相談しやすい環境に配慮している。意見などを受け付ける「保護者会ポスト」を玄関に設置している。送迎時の保護者の様子によっては声掛けをし、保護者の思いを受け止めるよう努めている。また、保護者との個人面談を通じて相談や意見を把握している。
「保育園のしおり」や玄関の掲示物に、第三者委員の連絡先だけでなく、保護者が相談したい時や意見を述べたい時に複数の方法で相談相手を選択できることを明記し、周知を図ることが求められる。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

連絡帳や個人面談、クラス懇談会、送迎時の会話などを通じて相談や意見を把握している。受け止めた内容は、クラス担任、主任、園長で共有し迅速な対応に努めている。5歳児の保護者に対しては個人面談を行なっているが、他の保護者については必要に応じて実施している。コロナ禍で保護者とのコミュニケーションの工夫が必要と認識し、次年度に全保護者との面談を予定し準備している。
設問などを工夫したアンケートの実施などを通じて、積極的に意見などを把握する工夫が求められる。また、相談や意見の受付から対応について、マニュアル化が求められる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

「事故対応マニュアル」で、事故防止と発生時の対応を定めている。事故やひやりとした事柄については「アクシデント・レポート」及び「ヒヤリ・ハット」に記録し、併せて0,1,2歳児は、ささいな噛みつきなど軽微な事柄も含め、クラス毎の「ヒヤリハット・アクシデント・環境記録表」に記録している。迅速な対応が必要な事柄は、翌日の朝のミーティングで、通常は2〜3ヶ月に1回縮小コピーした報告書を各クラスに配布し事故防止を図っている。
毎日、園庭や遊具、園舎内を点検し「遊具・園庭点検表」に記録しているが、具体的な点検内容と方法の明記が求められる。現在進めているマニュアル類の整理の中で、事故発生から対応、記録、保護者への伝達、対応に関する各々の職員の役割、また事故防止のためのヒヤリハット・事故報告書の分析と活用など、広範囲にわたる内容を分かりやすく明記する工夫が求められる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症については、「健康マニュアル」で対応している。「保育園のしおり」に主な感染症の症状などを明記している。感染症の発生が疑われる場合は、「園だより」や園内掲示、また、資料配布を行い保護者に周知している。季刊の「保健だより」を配布している。各クラスの手洗い場近くに「嘔吐物の対応セット」を常備している。看護師が配置されていないが、法人傘下の5園の各担当者からなる保健衛生部会で情報を共有し、他園の看護師に助言を求めるなどしている。「健康マニュアル」にそって玩具や水回りなどの除菌や清掃を行っている。
具体的な対象毎に、除菌や清掃方法を明記すると共に、トイレ以外についてもチェック表などを工夫し、確実な実施が求めれられる。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

「年間避難訓練計画」を作成し、地震や火災を想定した訓練を月1回実施している。抜き打ちの訓練など工夫しているが、不審者訓練はまだ実施していない。法人傘下の5園の各担当者からなる給食部会を中心に、災害時の地域貢献も想定し「災害時における食物アレルギー給食対応マニュアル」を含めた「非常・災害時の給食提供マニュアル」を整備し、災害時の備蓄食品の提供方法や場所の配慮など3日間の提供を想定した内容を定めている。
数種類の書面に分かれて記載されている防災関係のマニュアルを整理し、日々使いやすいマニュアルとして統合するなどの工夫が求められる。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

「散歩安全マニュアル」で、散歩時の子どもの行動の把握や関わり方について、標準的な保育内容を定めている。
さらに、登園から降園までの保育の流れと保育士間の分担や子どもへの関わり方、園庭遊びや散歩時の保育士の配置、昼食時の見守りや声かけなど、子どもの年齢やクラスに応じ、保育士の違い等による保育の水準や内容の差異を極力なくすために、標準的な保育の実施方法の策定が求められる。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

「散歩安全マニュアル」で、散歩経路などでの新たな危険箇所や子どもへの新たな配慮事項について、職員間で共有すると共に定期的に「散歩マップ」等の見直しを行うことを明記している。
散歩以外の保育場面に応じた標準的な実施方法の策定にあわせ、実施方法の見直しをする時期、職員や保護者等からの意見の集約方法、検討の場など、見直す仕組みの策定が求められる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

0歳児は、月間指導計画1枚に園児2名ずつ、養護と教育各々の項目にそってアセスメントに併せ計画を策定している。1,2歳児は、月間指導計画(個人用)1枚に園児9名ずつ、前月の留意点に関するアセスメントに併せ計画を策定している。3,4,5歳児は、月間指導計画の裏面に、子ども一人ひとりの前月の姿・個別配慮の欄でアセスメントに併せ計画を策定している。
アセスメントの実施担当者や実施方法について、手順や内容を明示することが求められる。また、保護者から聞き取った内容と意向を明記する欄を工夫し、保護者の視点も含めたアセスメントと、意向に配慮した計画の策定が求められる。アセスメント及び個別指導計画は、保護者に開示する観点から、子ども毎に個別に策定することが望まれる。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

全ての年齢において、個別指導計画を毎月見直している。
個別指導計画の見直しに際し、検討の場や参加職員、保護者の意向把握と同意を得るための手順等、組織的な仕組みを策定することが求められる。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりに関する保育を、クラス毎の「保育日誌」に記録している。その内容をもとに、「経過記録」に転記または要約し記録している。併せて乳児については日々の様子を、幼児については必要に応じて「連絡帳」で保護者に伝えており、その記載内容も記録の一部になっている。幼児については、クラス毎の日々の様子を「今日の保育」として掲示し保護者に伝えている。
日常の様子の記録と、個別の指導計画に関する記録を各々把握できるよう工夫が望まれる。また、記録者により記述する表現に大きな差異が生じないよう記録要領などの工夫が望まれる。会議や面接の記録について、開催日時と場所、出欠席者名、協議内容の要約と結論を記載する書式を整え、記録を通じた情報の共有の工夫が求められる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

記録の保管、保存、廃棄のルールを「運営・管理規定」で定めている。個人情報の開示請求があった場合の対応については特に定めていない。
個人情報の取扱いについて保護者への説明が求められる。また、保育にあたり職員一人ひとりが用いているメモについても個人情報保護の適用範囲となること、退職後においても遵守が求められることなど、内容を整理し系統立てて明記する工夫が求められる。業務終了後の「保育日誌」などのファイルの保管手順と保管場所などを明記したマニュアルが望まれる。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

法人として「全体的な計画」を策定し、その下で園としての「全体的な計画」を策定している。「保育基本理念」及び「保育方針」「園目標」「園の保育目標」を明記し、「子どもの保育目標」「養護」「教育」に加え「食育」の項目にそって年齢毎に記述している。計画の内容を法人の主任会議で振り返り、執行役員会が承認している。それを園で確認し「年間カリキュラム」及び「月次カリキュラム」に反映させている。
年度として園で取り組む主要な課題についての記載が無い。園として取り組む目標や課題などを、「全体的な計画」に反映することが求められる。また、「長い保育時間への取組み」「障がいを持った子どもへの保育」及び「休日保育」について明記することが求められる。加えて、「各カリキュラム」のみならず「全体的な計画」についても、保育に携わる職員参画のもとで振り返り、次年度の計画策定に活かす事が求められる。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

「保育マニュアル」で、季節毎の室温や湿度の目安、換気や採光について定めている。各クラスに空気清浄機を設置し、併せて換気に努めている。また、1,2歳児クラスは、テラス側に流しが設置されており、テラスを使って園庭に直接出入りする際に使いやすく工夫されている。「健康マニュアル」に園内の消毒、清掃の方法について、「消毒液の作り方」に図解で作り方を定めている。
具体的な対象毎に、除菌や清掃方法を明記すると共に、トイレ以外についてもチェック表などを工夫し、確実な実施が求めれられる。また、清掃や消毒など、日常的な環境整備に関す記述がいくつかの書面に分散している。内容を整理し、使いやすいよう工夫が求められる。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

「保育マニュアル」の「生活と遊びと教育」で、一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育について定めている。また、子どもたちのありのままの姿を受け入れるなど48の設問から成る「職員自己評価」を年2回実施し自己の保育を振り返っている。子どもが給食の後半で飽きてしまったのを受け止め、「おしまいにする?」と子どもの気持ちを代弁しながら保育している様子がある。
せかす言葉や制止させる言葉など、保育の場面で使う事を避けたい言葉や、どのように声かけし接すればよいかの事例を明記するなど、周知を図る工夫が望まれる。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもが分かりやすく視覚で理解できるよう、手指を洗う順番等を掲示している。乳児での生活習慣は、子どもの月齢や発達段階により、靴をはいてみる、帽子をかぶってみる、手を洗ってみるなど、できなくてもそれに興味を持つ気持ちを大切に保育している。幼児の「経過記録」に「生活習慣」の項目を設け、手洗いや衣服をたたむなど年齢に応じた具体的な生活習慣内容を明示し、習得状況を記録できるよう工夫している。園に行きたがらない子どもの気持ちを受け止め、行く日と行かない日をカレンダーに記すなど、家庭とで連携して取り組んでいる。他方、衣服の着脱などは、園でできるようになっても、家庭では忙しい中で保護者がつい手伝ってしまう事が多く、家庭との連携が課題ととらえている。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

「保育マニュアル」の「生活と遊びと教育」に、自ら興味をもって遊ぶ保育や、表現しようとする姿の受け止めなどを明記している。0歳児クラスと1歳児のクラスの手前にある「乳児の絵本コーナー」で、乳児が好きなことを見つけて遊ぶ姿がある。また、3歳になり、「リズムやりたい」「汽車をやっていないから汽車をやりたい」などやりたい気持ちが増え、それを大切に保育している。運動会で2,3歳児クラスで合同で楽しくやれる体操として選んだ「めっちゃ元気体操」を子どもたちが好きになりやっている。箸の使い方の遊びに集中している子どもに対し、保育士が声を掛けずに見守り、一人でじっくり取り組む場面を大切に保育している。
5歳児がお泊まり保育の中でモノレールに並んで乗る経験をしたり、また、散歩の途中にある作業所の人と季節の飾りについて触れ合うなどの機会を大切にしている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳クラスと1歳クラスの前に「乳児の絵本コーナー」があり、保育への導入などに活用している。コーナーを工夫し、食べる所と寝る所を分けて保育している。オムツ交換は床の隅にシートを敷いて行い、必要に応じてシャワーも使っている。登降園は玄関を使用しているが、10日程の慣らし期間中はテラスを利用し保護者の見守りの中でクラスに入れるよう工夫している。月齢にもよるが、9時に朝のおやつとして牛乳と果物、散歩などの後11時から昼食、14時半には午睡を終え15時におやつという予定になっている。後期食の場合はおやつにおじやを提供している。その後、遊びながら保護者の迎えを待つのが日課となっている。天気の良い日は、なるべく外で過ごすようにしている。担任保育士は3名だが、特に個別の担当は決めていない。入園直後は特定の保育士から徐々に慣れるよう工夫する場合もある。「連絡帳」で、しらす雑炊など食事や、絵本を楽しむ姿など細かく様子を伝え、保護者と連携を図っている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳児クラスは子どもの動きに配慮し畳を敷いている。1歳児クラスの隣が2歳児クラスで、間に共用のトイレがある。クラスで使うおもちゃや絵本は基本的にクラスに置いてある。1歳児は月齢により動きが異なるので、部屋を段ボールで分け、活発な子が過ごす場所と静かに過ごせる場所を工夫している。こだわりのある子どもの気持ちを受け止め、手放せないタオルなど気持ちが落ち着く物を持参しても構わないとし、保護者と連携し徐々に変わりを探すなど工夫している。2歳児の一人がお店屋さんごっこで「いらっしゃいませ」と言い始めたら皆で「いらっしゃいませ」を連呼し始めた。お客さん役がだれもいなかったが、子どもたちが自発的に遊ぶ様子があった。トイレでの排泄など園でできた様子や、ブロック遊びの様子などを「連絡帳」で伝え、保護者と連携を図っている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3,4,5歳児のクラスは屋根が高く外から自然光が入る。3歳児それぞれが恐竜を作り、持ち寄って恐竜ワールドを作った。個別の創作活動が皆で作り上げる活動に発展した。椅子取りゲームなど、少しずつ皆で一つのことをする楽しさが分かり始めている。4歳児が玩具屋さんごっこで売る物を話し合い、それぞれが電車を作りブロックに並べた。やりたい気持ちを大切に保育している。また、集団保育になじめない子に対し「皆集まっているからおいでよ」と子どもが声をかける様子がある。発表会など皆で作り上げる経験の中で仲間意識が育っている。5歳児は、就学に向けた読み書きなどの技能よりも、人の話をしっかり聞く場面や、皆で話し合って解決していく場面を大切に保育している。また、夏にお泊まり保育でカレーを作って食べたり、お化け屋敷を楽しんだりしている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障がい児と認定された子どもはいないが、児童発達支援センターを利用し始めている子どもが数名いる。「個別指導計画」を毎月作成し、それにそって保育をしている。クラスの中に配慮の必要な子どもが複数名いると、集団保育とは別に個別に対応し保育が必要になる。周りの子どもも、何となく違いについて分かってきているが、障がいのある子どもの動きを受け止められない子どももいるので、その子どもへの配慮もしながら保育している。巡回相談で臨床心理士から助言を受けている。その内容を職員会議で報告し情報を共有している。外部のキャリアアップ研修で関連した内容を学び、また、法人傘下の5園の各担当者からなる障碍児部会で、事例を出し合いながら研修を行っている。その内容を職員会議で報告している。また、懇談会などを通じて保護者に「子ども一人ひとりに個性と幅がある」「そのような子どもによる集団の中で、子ども同志の関わりを通して育まれる」ことを大切に保育していることを説明し理解を仰いでいる。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

夕方は18時から20時まで延長保育を実施している。また、19時まで利用する場合は菓子類のおやつ、20時まで利用する場合は夕食を提供している。コロナ禍になり利用人数も数名と少ない。延長保育中は同じ部屋で異年齢児と過ごす事になるが、人数が少ないので特段の配慮はしていない。延長保育の様子も連絡帳で伝えている。
市内の保育園で唯一休日保育を実施している。日曜日、祝日、年末年始に市内全域を対象に、事前予約制で概ね10人を目処に、保育士及び給食の調理員などを配置し保育を提供している。キャンセル待ちなど利用希望が多い一方で、キャンセル料が無いため当日のキャンセルもある。
保育士など職員の出勤や給食の食材が無駄になる事もあるが、それ以上に当日だとキャンセル待ちのニーズに応えられない事が課題である。また、運営費用も利用実数で補助されるため、経営面での課題もある。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

就学に向けての保育について「全体的な計画」の「小学校との連携」で定めている。園児は、毎年5~6校の小学校に分かれて就学している。市が主催する「幼・こ・保・小連携研修」に参加し、地区内での情報交換も行っている。就学に向けた読み書きなど特別な時間は設けず、自分の言いたい事を言う、先生や友だちの話を聞くなどの基本を大切にしている。また、午睡の時間を徐々に減らしたり、ハンカチを持参し使う、靴を立って履く、床に広げないで身支度をするなど、就学に向けて準備している。その様子をクラスだよりで伝えている。コロナ禍以前は小学校を訪問していたが、現在はDVDで小学校の様子を知る機会を作っている。全保護者と面談し、「保育所児童保育要録」に記載する事を説明するとともに、保護者の不安感を受け止め、就学後の子どもの生活に見通しを持てるよう必要な情報を提供し支援している。
就学に向けての保育の工夫や準備、保護者への支援など、系統立てて全体が把握できるよう、カリキュラムなどのマニュアル化が求められる。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理については、「健康マニュアル」及び年度毎の「保健計画」にそって行っている。法人傘下の5園の各担当者からなる保健衛生部会で情報を共有し、また他園の看護師に助言を求めるなどしている。SIDSの資料を職員会議で配布し周知を図っている。また、保護者には入園説明会で説明している。保護者から聞き取った子ども一人ひとりの健康状態や予防接種状況、アレルギーや慢性疾患の有無などを「健康台帳」に記録し、その後は追記し把握している。保育時間中に具合の悪くなった子どもの様子や対応を「保健日誌」に記録している。休むなど保護者からの連絡内容は朝の「ミーティング」で、また連絡帳は各クラス内で確認し、子どもの健康状況を把握している。
健康に関する研修や会議で話題にした内容及び関連資料、実施した日付や参加者など、研修記録を整備工夫し、記録を通じた職員への周知が求められる。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

年度毎の「保健計画」にそって、内科健診、歯科健診、耳鼻科健診、4歳児対象の視力検査を年2回行っている。健診の結果を「健康台帳」および「歯科健康診査表」に記録し、併せて各健診内容毎の「健康診断の結果について」に記載し保護者に伝えている。検診の所見によっては、保育士が保護者に個別に受診を促す声かけをしている。健診の時期に関わらず歯磨き指導や手洗い指導などを行い、日常的な健康管理の大切さを伝えている。
健診結果を、園での歯磨き指導などだけでなく家庭での日々の生活に活かす為に、子ども一人ひとりの「個別指導計画」にその内容を反映させて保護者と連携を図り、食生活も含めた助言や支援の工夫が望まれる。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

食物アレルギー疾患を持つ子どもが数名いる。皮膚疾患や熱性痙攣ある子どもが数名いる。入園前の保護者面談で食物アレルギーについても確認し、必要書類の準備をお願いしている。医師の診断書が整った段階で、給食の無い慣らし期間中を利用して再度面談し、除去内容を確認している。「健康台帳」に記録し、食物アレルギー疾患については「アレルギー要対応表」に基づいて対応している。献立表で除去内容を栄養士が確認し、対応内容を保護者に伝えている。提供にあたっては「配膳から喫食までの手順」にそって、異なったトレイで器にラップをかけ、除去内容を記入し、クラスの保育士間で声を掛け合いダブルチェックの後提供している。乳児は離乳食の形態が変わる時に、普通食は定期的に保護者交えて担任保育士、栄養士で確認している。また、災害時の対応の中に、食物アレルギーへの対応も明記している。
入園前の面接から除去食の提供、その後の食物アレルギー内容変化の確認などの流れや、関連する必要な書式、アレルギー誤食への対応など、アレルギー対応に関するマニュアルの整理と整備が求められる。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

「法人の給食と食育実践における基本的考え方」を策定し、給食目標と子どもの年齢に応じた食育目標を明記している。通常の献立表と離乳食の献立表の2種類を作り、玄関にも掲示している。食育の目的を「食に興味をもち、食べることが好きになる」と定め、年齢毎の「年間食育(調理保育)活動案」で、3か月毎に調理保育や植栽活動、家庭との連携など具体的に策定し、それにそって食育を進めている。大根など子どもたちが栽培したものを食材の一部として使っている。また、野菜の皮むきや蒸しパン作りなど、各年齢に合わせた調理保育を行っている。離乳食が初めての保護者に園での様子を見てもらい調理員が助言したり、また、コロナ禍前は、給食の試食を兼ねた保育参観の実施など、食を通じた保護者支援を行っている。玄関で、年齢により量を変えて提供している事も分かるよう給食のサンプルを展示している。
配布している「献立表」は子どもには難解であり、イラストの活用や献立名を工夫し、家庭での会話が弾むような「献立表」の工夫など、食を通じた子育て支援のさらなる工夫が期待される。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立は、法人の給食会議で、各園の給食職員が持ち回りでメニューを作成したものを共有し、各園の状況により採り入れている。特別メニューについても同会議で検討しており、ひな祭りの会食予定をコロナ禍でひな祭り弁当にするなど工夫している。3月の献立を、卒園を控えた5歳児クラスの6グループで話し合い、出された希望を取り入れている。日々の給食の様子を、「クラス別喫食状況ノート」に記録し、毎月の乳児会議と幼児会議で栄養士を交えて嗜好など意見交換し献立等の参考にしている。サンマや七草などについて、説明に写真やイラストを工夫し掲示している。
調理は「給食衛生管理マニュアル」にそって行っている。毎日の残食や中心温度を「給食日誌」に記録している。調理場は玄関ホールの隣に設置されている。玄関ホール脇に、乳児と幼児の背丈に合わせた小窓が2つあり、子どもたちが調理の様子を直接見ることができるよう工夫している。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者との情報を共有する「連絡帳」は 0歳児が1日の流れがある書式、1,2歳児が園での食事・排便・睡眠・健康・姿欄のある書式、3,4,5歳児が書式の無いノートを使用している。幼児はクラス毎の日々の様子を「今日の保育」として掲示し伝えている。また、「クラスだより」を年6回発行し、保育の様子や予定などを伝えている。行事予定に基づき、クラス別懇談会を年3回行っている。コロナ禍以前は、随時保育参観を受付けていたが現在は自粛している。入園前に新入園児の保護者と面談を行っているが、入園後は、就学を控える5歳児の保護者以外は、調整がつかず面談を行っていない。次年度には全保護者との個人面談ができるよう準備を進めている。登降園時での保護者との会話を大切にしている。
全保護者との個人面談を準備中であり、家庭との連携の環境を整えるために、実施が求められる。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

「保育園のしおり」の「家庭との連携」に個人面談に加え家庭訪問についても、連携を深めるために必要に応じて行う旨を明記している。また、20時までの延長保育を実施し、利用の便宜を図っている。保護者との情報を共有する「連絡帳」は、0歳児が1日の流れがある書式、1,2歳児が園での食事・排便・睡眠・健康・姿欄のある書式、3,4,5歳児が書式の無いノートを使用している。行事予定に基づき、クラス別懇談会を年3回行っている。コロナ禍以前は、随時保育参観を受付けていたが現在は自粛している。入園前に新入園児の保護者と面談を行っているが、入園後は、就学を控える5歳児の保護者以外は行っていない。次年度には全保護者との個人面談ができるよう準備を進めている。
日常的な保護者との情報交換に加え、準備を進めている全保護者との個人面談を実施し、立ち話しでは伝えきれない家庭での子育ての状況など、いつでも個別の相談に応じられる環境を整える工夫が求められる。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

「職員ハンドブック」に「子どもを虐待から守る5か条」を掲載し、①通報すること、②子どもの立場で判断すること、③職員一人ひとりができることから即実行すること、④子どもの命を最優先すること、⑤虐待の発生が特別なことではないことを明記し、職員に周知している。虐待が疑われる場合は、市の「こども虐待対応マニュアル」にそって対応している。登園時に子どもに傷があることを発見し、専門機関に連絡し連携して対応している。
虐待を予防する観点から、些細な事柄でも迅速に関係機関と連携を図る事が求められる。その為に、登園時の視診内容を具体的に定め、全園児の視診結果を記録に残し、加えて子育ての様子の把握が求められる。また、保護者に利用可能な相談機関や専門機関に関する情報提供が望まれる。児童虐待等権利侵害に関わる研修を通じ、日頃から適切な対応について周知を図る工夫が求められる。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員自己評価(保育士等向け)」を用い、年2回自己評価を行っている。自己評価基準48項目からなっており、各項目について4段階評価する欄と、「具体的な取組や考察・配慮工夫」等を自由記述する欄があり、3か年にわたり記入することができる。48項目の自己評価後「目標と課題把握表」を半期ごとに振り返り、次期に向けての課題等を記述する欄がやはり3か年分あり、過去の自己評価と比較しながら記述できる。園長は、「職員自己評価」及び「継続・移動・転勤・退職等の希望申出書」に基づき、年1回次年度に向けての職員面談を実施し、意向を確認し業務状況の振り返りと希望や目標を確認している。
非正規職員や派遣職員も含め全職員を対象に自己評価を実施し、自身の業務振り返りが求められる。さらに、各自の目標を、組織全体の年度目標に関連する内容として設定する工夫が求められる。また、自己評価を互いの学び合いや意識の向上につなげる工夫が望まれる。