社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

川井宿幼保連携型認定こども園

2022年12月06日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 川井宿幼保連携型認定こども園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認定こども園(保育所型、幼保連携型に限る) 定員 90名(93名) 名
所在地 241-0805
横浜市旭区都岡町98-1 
TEL 045-951-2877 ホームページ https://www.shuhari.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2022年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 守破離
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:21 名
専門職員
保育教諭:24 名
栄養士:1 名
調理・保育補助:9 名
事務職:1 名
施設・設備の概要
保育室:5室
トイレ:5ヶ所
調理室:1室
事務室:1室
支援ルーム:1室
休憩室:1室
園庭:有

③ 理念・基本方針
就学前の子どもの教育・保育に関する法律に基づき、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして乳幼児の子どもに対する教育、並びに保育を必要とする子どもに対する保育を一体的に行い、これらの子どもの健やかな成長が図れるよう明るく衛生的な環境において、その心身の発達を助長するとともに、保護者と地域に対する子育ての支援を行う。教育・保育の基本姿勢として種々の法的規制を遵守し、常に計画・実践・評価反省・改善行動を行いながら継続的改善を目指す。子どもや家庭に対しては、わけへだてなく教育・保育を行い、人権を尊重しプライバシーを保護することを第一義とする。子どもにとって常に良い教育・保育を提供し遂行するために、専断的な姿勢に陥らないよう、保護者から意見や要望があれば真摯に傾聴し、不明なところがあれば平易に説明をしてよりよい教育・保育の為に理解を求め、職員一人ひとりが努力研鑽することを基本とする。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・恵まれた自然環境のもと、戸外活動、探索活動を多く取り入れている。年間を通して1歳児~5歳児までの年齢に合わせた散歩コースを設定している。3~5歳児は月に1回「あさひ探険隊」という活動の中で1年間を通した探索を行い四季の変化に気付いて興味や関心を持って主体的に行っている。

・ズーラシア動物園や自然豊かな公園が近隣に多くあり、自然環境への意識を育んでいる。

・園庭の他に地域の「都岡スポーツ広場」を使用することで、子どもが十分に全身を使い多様な動きを体験して遊び込むことができ運動発達を促すことができる。

・給食は子どもの食生活を充実させるために和食中心の献立である。

・薄味で素材の旨味を活かした調理 ・天然のだしを使った味付け ・旬の野菜を多く使用 ・食器は強化磁器を使用・適温での食事の提供等。食の大切さを保護者に伝えている。

・おやつはスキムミルクから作った手作りのヨーグルトを提供している。

・園独自のパソコンシステムを活用し、職員の仕事の軽減を図っている。子どもに関する情報や保育の記録などあらゆる情報がパソコン内で共有されている。子どもや保護者に適切な対応が可能になっている為保護者からに信頼されている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/04/11(契約日) ~2022/11/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)園の理念・基本方針に基づく保育が保護者の評価につながっています
法人として「教育・保育の理念」や基本方針を明確にして保育に取り組んでいます。園では法人共通の理念・基本方針の周知を進め、園運営の基本となる理念・基本方針に則った保育が展開されています。園長は自らの役割を示し、強いリーダシップを発揮して園体制を整え、職員の理解を得ています。保護者も理念・基本方針を認めており、子どもの心身の発達につながっていると評価されています。

2)豊かな自然環境のもと地域と関わりの深い保育が行われています
自然豊かな環境のもと、充実した戸外活動が行われています。幼児クラスでは1年を通して自然と関わり、四季の移り変わりを感じ取れるような探索活動を行っています。また、近隣に地域の方々が管理している広いスポーツ広場があり、地域の方のご厚意で自由に使用することができ、戸外で活動の充実に繋がっています。他にも地域の方々との交流が盛んで、近隣の公園の花壇に一緒に花を植えたり、園に招待して伝承あそびをするなどの交流があります。園内の柿・ザクロ・みかんなどの樹木も地域の方の協力のもと剪定にされ、日々関りを持ち、地域に根差した園として運営されています。

3)「園児管理システム」により保育の情報が職員間で共有されています
"法人オリジナルのパソコンソフト「園児管理システム」には、児童票・保育日誌・各種指導計画・意見要望苦情解決・行事予定など子どもに関するあらゆる情報がリンクして記録されています。そして、全職員はいつでも園内の全てのパソコンから閲覧することが可能です。このシステムにより、保育に関する多くの情報が共有化され、保護者への対応が園全体で行えることなど様々なメリットがあり、保育の質の向上につながっています。出勤時にはパソコン画面から前日の状況、その日の予定などを確認して業務に入ることで、伝達時間の短縮や伝え漏れの防止にもなり、業務の効率化にも結び付いています。

4)相談・意見受付の環境の更なる取組が期待されます
職員は送迎時に保護者と積極的にコミュニケーションを図り、園での様子や家庭での様子などの情報交換を行う中で信頼関係を築くように心がけています。定期的な個人面談だけでなく、要望や子どもの様子から随時面談を行っています。子育てに疲れている様子の保護者には、リフレッシュを促し、就労以外でも土曜保育の利用を認めるなど保護者支援を進めています。しかし、相談したり、意見を言いやすい雰囲気については、理解を得ている保護者は7割程となっており、更なる取組の余地がある状況です。コミュニケーション、体制の強化により、さらに信頼関係を深められることが期待されます。






⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
民間移管を受けて保育園で2年経過、今年度は幼保連携型認定こども園に移行し第三者評価を受審いたしました。川井地区での公立園からの歴史と、保護者からの期待を受け、職員一人一人が取り組んだ2年半余りの教育・保育について評価基準に沿って見直し、園全体で共有することが出来ました。意見交換をすることで、法人の理念や基本方針を確認徹底することにもなり、これからも定期的な自己評価を実施し、職員の資質向上に向けた人材育成を継続していきたいと思っております。保護者の皆様には、アンケートのご協力を頂き感謝申し上げます。民間移管後の園運営についての皆さまからの感謝と励ましの言葉は、職員には大きな励みとなると同時に、課題も明確になりました。今後とも、園からの情報発信は、より具体的に表示し理解していただける工夫をしていく努力をしてまいります。教育・保育の方向性を見極め、保護者と共に幼児教育・保育の重要な時期を、豊かな自然環境の下で「非認知能力」の育ちと、一人一人の自主性を育むことのできる園を目指してまいります。職員一同「教育者」としての自覚を持ち、日々の教育・保育を積み重ね、地域の子育て支援を担う信頼される園を作っていきたいと考えております。評価員の皆様には、当日園の環境や現場の保育、ヒアリングに基づき保育内容や運営について確認され、今後の課題を示して頂き感謝いたしております。
これからも地域の皆様をはじめ多くの方々に支えられ、この地になくてはならない園としての歴史をつないでまいりたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の保育理念を基にした、教育・保育目標、方針については、重要事項説明書、入園のしおり、パンフレット等に掲載しています。また、ホームページで広く周知するほか、掲示を通じて保護者、来園者に園の基本姿勢を伝えています。職員は年度初めに基本方針の周知確認を行い、保育実践に反映するよう努め、日々の振り返りや園内研修を通じて職員間で学ぶ機会を持っています。保護者には毎年行われている保育内容説明会において保育目標や理念などが保育の実践にどのように反映されているかなどを説明し、理解を深めてもらうよう努めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

園では、公私立保育園園長会、各保育団体、国や横浜市の政策動向に関する情報提供を受け、職員と情報の共有に努めています。また、横浜市の子ども・子育て支援事業にかかわるニーズ調査結果を参考に、保育施策の方向性や具体策などの情報を収集しています。身近な地域の情報は、自治会長や近隣の住人から具体的に子育て家庭の状況などを得ています。園長、副園長、経営層は行政の状況に合わせて利用者の人数推移を分析し、園の方向性を確認しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人理事会・評議員会において組織体制や設備の整備などの問題点を明らかにしています。また、園の職員は年2回の園長面談、月に1~2回のクラス会議や週に2回の職員会議、月末の評価会議を通じて個別に自己評価について確認し保育実践の具体的な取組方を洗い出しています。そして、これも加味し、総合的な園の自己評価を行っています。さらに保護者アンケートを実施し、振り返りを行い、自己評価や他者評価を通じて園の課題を抽出し、解決策を次期の事業計画に反映しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の長期計画を基に、園は令和4年から8年の中期計画を策定しています。園は令和4年から幼保連携型認定こども園となり、中期計画は、子ども園の運営の安定、事業内容、設備・整備、人材育成、収支計画を柱として、具体的に園が子ども園としてどのように運営して行くのか、目標の基準を定めています。令和2年に民間移管で運営を始めており、行政の動向を把握しながら見直しを行っています。中・長期計画に示される各取り組みは具体的な内容であり、実施状況の検証、評価が可能になっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は、中期計画の方向性を踏まえて作成され、中期計画には、それぞれの年度の具体的な計画について明記されています。単年度の事業計画は、事業の実現性を担保する予算とともに作成されています。R3年度の事業報告には職員の研修についての報告があり、R4年度の計画には幼保連携型認定こども園になるために、必要な職員資格取得について、どのようにして行くか実行可能な内容となっています。また、子ども園となる今年度は園舎を増築し、定員変更も予定しています。単年度の計画は、行政の福祉への動向や状況を見ながら、計画に取り組んでいます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業を計画するにあたり、園では職員個々による自己評価と園の自己評価を行い、さらに、保護者アンケートを実施して振り返り、自己評価、他者評価を通じて園の課題を抽出しています。課題は事業計画につなげ、解決策を次期の事業計画に反映しています。保育内容については年度末各会議を開催し、保育目標、年間予定などを決めています。職員間で共有し、保育計画、及び実践に反映しており、必要に応じて研修を開催しています。今回、園舎増築においては、より的確な安全性や衛生管理、動線などを確保できるよう、職員からの意見を取り入れています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保護者に配付する「重要事項説明書」は毎年更新し、事業計画に示す運営方針・職員体制、教育・保育の内容などを記載しています。入園説明会や保護者会ではスライドを使うなどして園の取組に対する理解を深めてもらうよう努めています。行事が近づいた時期には、園便りやお知らせ、掲示などをメール使って、改めて案内をしています。毎月発行の園便りでは「お知らせ」で、その月の行事などを伝え、園の取組や、そのねらいなどを理解してもらえるように努めています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

園は、今年度初めて第三者評価を受審しています。保育の質の向上に向けて、各指導計画や前回の指導内容を振り返り、 Plan( 計画 )→ Do(実行)→ Check( 評価 )→ Act( 改善 )の4段階を繰り返し、継続的に改善できるように取り組んでおり、次の計画につなげています。また、園児管理システムによって、全職員が子どもの記録を把握し、よりよい保育を実践できるように取り組んでいます。職員は、個別に自己評価を行い、保育の内容、保育士としての在り方等振り返りを行い、次年度の課題設定につなげています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

職員の自己評価を基に、一年間取り組んできた園の課題に対して全体で振り返りを行い、園の自己評価結果としてまとめ、職員や保護者に知らせています。自己評価を踏まえ、優れた部分、課題を見出し、次年度へつなげることなどを職員会議等で職員間で共有し、新たに次年度の園運営の取組に加えています。明確になった課題については、次年度事業計画や各クラスごとの各指導計画などへ落とし込みを行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、職員指導、環境整備、保育内容を把握しています。そして、園の運営に関する責任は園長にあり、最終決定、判断は園長が行う事を職員に伝えています。就業規則の中の職務分担表には職種ごとの具体的な職務内容、園長不在時等の権限と責任が明文化されており、組織的な役割が明確になっています。これらの内容は、年度初めに職員に周知、確認をしています。園では、保育の現場職員が柔軟な判断力を発揮できるように、日常的に園長、副園長がスーパーバイズし、職員も報告、連絡、相談の徹底に努め、個々の責任も意識できるように努めています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人には法令遵守の基本方針が定められています。また、横浜市や旭区役所と連携するとともに、全国社会福祉協議会等に属し、コンプライアンスについての情報提供や通達を受けており、その内容をその都度、職員に周知しています。年度初めや社会で気になる事例があった時など、日常的にも子どもの人権尊重、個人情報保護、虐待防止などに関する、遵守すべき法令や守秘義務など職務上守らねばならないことについて、職員に説明を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、各指導計画における視点の持ち方など、計画の作成の最終的な指導をもって保育内容の確認をしています。園長は、職員が行う自己評価から課題や優れた点を把握しています。また、園長との個人面談から職員の成長を見据えた園長からのアドバイスや、本人の意向を把握し、職員が自信を持って保育に取り組めるように指導をしています。今年度の事業計画には、研修計画を取り上げ、職員が園運営に携わる能力向上のための研修制度が設けられ、職員の一人ひとりの力が保育に生かされるように努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、法人と各種Web会議で園の報告から、保育内容、運営上の課題などを共有し、解決策を協議しています。また、園内では副園長、主任、乳・幼児リーダー、クラスリーダー、栄養士を配置して組織化を行い、細部まで連携を取った保育を展開しています。園長は職員本人の意向、人材育成、適性などを勘案して、次年度のクラス配置などの選任を行い、業務の実効性向上のための最適な人員配置となるよう努めています。さらに職員の就業状況を把握し、必要な職員には有給休暇の取得を勧奨するほか、面談を通じて必要な助言を行うなど、ワークライフバランスの推進に努めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の採用活動は、人材派遣会社からの紹介、ハローワーク、保育フォーラム、情報紹介サイト「えんみっけ!」ちらしを近隣の郵便局に置かせてもらうなどして人材確保を進めています。人材育成では、初任者、中堅、リーダー、管理職と階層別の研修制度があります。入園後の園長面接時に自分の意向を伝え、自分の受けたい研修や、園からのアドバイスなどを受け、自分自身の将来の見通しが持てる体制が整っています。園では、郵便局に置かれたチラシを見て、経験者からの問い合わせが来ています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

園では法人の理念、基本方針に基づいた「望ましい保育士としての資質と能力」として、協力性があること、使命感、責任感を持っていること、健康であること、愛と思いやりがあること、乳幼児を理解し保育技術を高める意識があることなどを就業規則に明記しています。さらに、職員の基本姿勢として5つの心構えを事務所、クラスに掲示し職員が意識できるように工夫しています。また、人事基準も就業規則に明記され、勤務内容、経験年数を踏まえ、園長面接をもって処遇と連動しています。研修制度は階層別に別れ、園長面談の時に自分の意向を伝えてアドバイスを受け、より明確になっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

勤怠関係は園長が把握し、シフトは主幹教諭等職員が調整する体制にしています。有給休暇の希望を職員が決められた日までに申し出て、シフトの調整を行っています。有給休暇取得状況や労働状況はデータ化され把握しています。悩みなどは、副園長面談、園長面談など個人面談の際に聞くようにしています。職員の心身の健康と安全を配慮し、理念、方針に基づいた保育に取り組めるよう、人材の定着性に努めています。保育の海外視察(コロナ禍で中止)を行ったり、福利厚生センターに加入したり、週休2日の徹底をするなど職員が働きやすい環境を整えています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりが経験やスキルにあった職務を果たせるよう、園全体で人材を育成するとともに、職員個々が自己評価を行っています。そして、自分自身の課題を見つけ、資質の向上に努めていくために、人材育成計画が作られています。園として、新任、中堅、リーダー、管理者など階層別に具体的な取組や求められるものがあり、人材育成計画に反映させるようにしています。職員一人ひとりの目標や振り返りは、園長面談で確認し、次の目標設定に反映できるように取り組んでいます。個人の希望に応じた研修を受講できるよう、研修管理システムで管理し、受講した研修詳細もシステム内で管理しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針を基にして作成されている階層別の研修等に期待する職員像が明示されています。そして、月1回の評価会議、年度末の年度会議を通じてカリキュラムの評価。見直しを行っています。外部の研修にも積極的に参加し、園内で伝えるなどして、研修内容を職員が共有し、保育に生かせるように努めています。研修は本人の意向、園の意向を交えて受講してもらい、個々の専門性、能力向上に取り組んでいます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園では、職員一人ひとりの知識・技術水準に即した教育・研修の場を提供するように努めています。外部研修には処遇改善につながるキャリアアップ研修等もあります。研修の案内は、研修一覧で把握しながら、研修を望む人が平等に参加できるようにしています。職員一人ひとりの状況や意向を踏まえたうえでの研修だけでなく、日々の保育のなかでのOJT(職場内研修)など園内で実施できる教育の場もあります。シフトは個別人材育成計画の拡充、研修予定を考慮するなど、職員が研修をより受講しやすい環境の整備がされています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生受け入れに関するマニュアルが作成され、研修、育成に関する基本姿勢、守秘義務等が記載されています。数年、コロナ禍のために受け入れができない時期がありましたが、今年度から再開しています。有意義な実習になるように、本人の意向も確認したプログラムを作成し、実習中は、職員が実習生へ指導助言をし、担当の職員は実習生の健康面、精神面もサポートしています。中学教諭の社会体験研修を受け入れるなどして、保育への知識理解を深めてもらえるように努めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

園のホームページには、教育、保育方針、園の案内(所在地、建物、開園時間、事業計画、特別事業、定員、給食、保育時間と料金)、園での一日、年間行事などが掲載されています。園の情報は旭区のホームページからも確認できるようになっています。また、法人のホームページでは、系列園の第三者評価結果、独立行政法人 福祉医療機構WAM NET内の社会福祉法人の財務諸表等を電子開示システムで公表しています。地域の郵便局にパンフレットを配布するなどして地域に園の活動内容等を紹介しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園の事務・経理・取引などの経営・運営に関する権限責任は、園の職務組織分担で明確にしています。園長、副園長、保育士、事務、管理栄養士、調理員の各職種ごとにその業務内容を明記し、年度初めに職務内容の事務、責任について研修を受けています。園の事業や財務内容については、内部監査を毎年行っています。また、財務に関しては外部の専門家の公認会計士に確認してもらい、指導や助言を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書の保育、教育の特徴として、地域交流についてふれ、保護者にも園の方針を伝えています。また、玄関には保護者に必要な情報のパンフレットが置かれ、地域の社会資源を紹介しています。子どもたちは、近隣の消防署、交番、郵便局に行き、見学を通じて地域社会や、施設の役割を知る機会としています。また、近隣の公園愛護会と一緒に公園清掃に参加しています。園は、勤労感謝の会を行い、近隣に住む方を招待するなど、園への理解を得られるように取り組み、行事の際には子どもたちの手作りの飾りをもって訪問しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受け入れに関する、受け入れマニュアルが整備され、基本姿勢を職員間で周知しています。また、ボランティアの方には、守秘義務、個人情報について説明し、理解を得ています。学生受入れとして、異業種体験、高校生の保育実習を実施しています。また、コロナ禍で例年のようにはできませんでしたが、旭区の「お話の会」、「人形劇」、二胡の演奏、近隣の方のボランティアの受け入れや飼育をしたメダカをプレゼントしていただいたり、園庭の整備など近隣の方々のボランティア交流が行なわれています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

嘱託医をはじめ近隣の小児科などの医療機関や消防署、警察署、地域の避難場所、旭区こども家庭支援課、福祉保健センター、横浜西部地域療育センターなど関係機関のリストを作成しています。事務室に掲示して職員がいつでも確認できるようにし、職員会議で情報共有しています。地域の園長会、幼保小連携連絡会、旭区のネットワーク事業など関係機関との各種会議には積極的に参加し、地域の課題解決に向けて協働しています。要保護児童対策協議会と連携をとり、虐待の見守りをし、必要に応じて区のこども家庭支援課や児童相談所と連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園長は旭区の園長会や区の子育て連絡会、自治会への参加、各団体主催の研修へ参加し、地域のニーズや課題などの把握を行っています。園見学や園利用者、園庭解放時にも育児相談をうけるなどして、地域の子育て世代のニーズなどを把握しています。また、地域の清掃活動に参加した時は、地域の状況、利用希望者の有無などを把握する機会としています。民生委員、児童委員との定期的な会議に参加し、さらに区の幼保小交流事業にも参加し、接続期の保育や地域の福祉ニーズ、生活課題などを具体的に把握して、園の地域への取り組みに生かせるように努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

自治会に加入しています。公園花壇の花植え、地域の清掃活動に参加するなどして地域に根差す福祉施設として活動しています。全体的な計画に子育て支援活動を組み込み、子育て支援だよりを発行しています。親子で遊ぼうを開催し、園庭解放や一時保育、利用者の発達相談、育児相談に応じています。子育て世代の支援に取り組んでいますが、コロナ禍で一部中止となっています。園ではAEDを設置したり、災害時に利用できる汚水を浄化して飲料用にできる装置があり、有事の際には地域に開放する準備があります。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園の入園案内に、子どもを尊重する園の方針を示しています。職員には年度初めの職員会議などで、園長から保育理念や保育方針について話をしています。また、子どもを尊重した保育や子どもの人権を守る大切さを周知するとともに、子どもの様子や日々の保育について話し合う場を設定しています。職員の入職時には、子どもの名前を呼び捨てにしない、子どもの声を肯定的に受け止めるなど人権に配慮した子どもへの基本的なかかわり方を確認しています。また、子どもの性差で固定的な対応をすることはありません。保護者には保護者会等で、日々の子どもの様子とともに子どもの人権を尊重する保育方針を伝えています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護についての姿勢、責務などを明記した法人の規定、マニュアルを職員は周知しています。プール遊びやシャワーの際には、子どもの羞恥心やプライバシーに配慮して、周囲の視線を遮るように目隠しを設置しています。子どもの羞恥心にも配慮して着替えやおむつ交換の際は、子どものプライバシーが守れるようにしています。保護者には入園説明会や保護者会で園のプライバシー保護に関する取組について説明をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園の理念や基本方針、保育内容や特性等を紹介したパンフレットは、区役所、近隣郵便局、地区センターに設置しており、多くの方が入手できるように配慮しています。また、ホームページでも園の様子、保育内容を紹介していて、希望者には見学会も実施しています。見学会は、主に副園長が対応していますが、対応マニュアルがあり、職員は誰でも案内できるようになっています。園庭開放も随時対応しており、希望者はいつでも利用できます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の利用開始時には、入園のしおり・重要事項説明書の説明会を設けており、同意も書面にて受けています。また、年度途中の入園のしおり・重要事項事項説明書の変更点においても、園だより・メール・プリントでお知らせしています。外国籍の保護者など個別に説明が必要な家庭には、別途、説明会を実施する配慮をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

卒園児や卒園児の保護者が園を訪問し、相談することがあり、その際の環境(相談室など)や体制(職員)は整っています。主に副園長が対応していますが、対応マニュアルがあり、職員が誰でも相談できるようになっています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で子どもたちが満足して楽しく過ごせているかどうか、職員は子どもの表情や会話から汲み取るようにしています。保護者に対しては、行事の終了後や年度末、懇談会の際にアンケートを実施しています。また、日ごろの会話や連絡ノートの記述、個人面談や保護者会においても保護者の満足度を把握しています。アンケートについては集計を行い、職員会議で周知し、改善点などについて話し合っています。園としても自己評価を行い、課題や改善点などを明確にし、日々の保育に生かすようにしています。また、保護者に改善した内容などを掲示し、周知するようにしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制として、苦情・相談の責任者は園長、受付窓口は副園長が務め、第三者委員を設置しています。さらに、公的な権利擁護機関を紹介しています。苦情解決の体制は「入園の案内」に記載し、入園説明会や保護者会で説明し、更に玄関に仕組みを掲示し、意見箱も設置しています。要望や、苦情は園内で情報共有し、園長を中心に対応や解決方法を検討して保護者にフィードバックしています。公表できる内容の場合は保護者全員に知らせるなど適切な対応をしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入園時に、相談や意見を述べることができる園の苦情解決の仕組みを保護者に説明しています。保護者に配付する入園のしおりに苦情・相談受付や苦情・相談の流れを記載したり、玄関のカウンター横に掲示したりもしています。相談先として、かながわ福祉サービス運営適正化委員会、第三者委員、園関係者などを自由に選べることも記載しています。園では職員が普段から連絡帳や登降園時などでも気軽に相談できる雰囲気づくりを心がけています。保護者の相談に応じる際には、保護者のプライバシーに配慮し、支援ルームを使用しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は日々の保育の提供において、保護者と挨拶を交わしてコミュニケーションを取るなど、保護者との信頼関係の構築を心がけています。また、連絡帳システムを通じても、相談や意見などを自由に述べることができるように配慮しています。保護者から相談や意見があった場合は園長、副園長、主幹教諭に報告し、迅速な対応に努めています。相談や意見は園児管理システムにより職員間で周知しています。保護者からの相談や意見を受けた際の手順や対応方法などを定めるマニュアルを整備し、サービスの改善や保育の質の向上に取り組んでいます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する責任者は園長が務めています。事故防止及び事故発生時の対応については園内外の安全に関するマニュアルを作成し、全職員に周知しています。事故が起きやすい状況などを記録し、事故が起きた場合は事故報告書に記録し、今後の事故の未然防止や再発防止に努めています。また、「ヒヤリハット」や保育室内の死角になる「ヒヤリマップ」を作成し、保育時のどんな状況で事例が起こるのかなど、事例を基に事前に準備できる対策や問題が発生した際の解決する方法などを話し合っています。定期的に園内外の安全点検、マニュアルの見直しを実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の予防や発生時の対応については感染症予防と対応に関するマニュアルを整備し、責任や役割を明確にした体制を整えています。コロナ禍においては、横浜市青少年局のガイドラインに則り、新型コロナウイルス感染症対策を行っています。また、園内研修を通じて、嘔吐処理、感染症の疑いのある場合の対応など、具体的な事例を想定して実施しています。汚物は衛生面を考慮し密封パックシステムを使用しています。保護者に向けて感染症が発症した場合は、発生状況を玄関へ掲示するとともに、デジタルピクチャーで症状などを具体的に知らせています。マニュアルは、最新情報に対応できるように細かく見直しをしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害関係のマニュアルとして、各災害に応じたマニュアル、避難訓練マニュアルを作成して、指示系統や対応体制、災害時の避難経路、役割分担について記載しています。避難訓練の年間計画に、散歩時の訓練の導入や広域避難訓練、防災引き取り訓練などを位置づけ、災害時に適切に対応できるようにしています。災害時の危険区域には属していませんが、月に1回様々な場面を想定して訓練を実施しています。保護者には引き取り訓練の参加、緊急メールの確認を通じて災害時の対応を周知できるように努めています。近隣の消防署や外部の専門機関を通じて職員研修を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

個別指導案や発達記録などで、保育についての標準的な実施方法が文書化されており、それにもとづいた保育が適切に実施されています。保育の帳票類は、保育システムで管理されており、職員はいつでも確認することができます。新規入職者への指導は、接遇マニュアルにより文書化されており、OJTによる個別の指導も徹底されています。また、計画・実施された保育内容は副園長・園長が確認する仕組みとなっており、随時、見直し・検討されています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法の検証・見直しに関しては、月に1~2回のクラス会議や週に2回の職員会議、月末の評価会議にて実施されています。検証・見直しの際は、PDCAサイクルを意識しており、全職員の意見が反映されるよう配慮しています。今年度はSDG'sを取り入れ、その時の子どもの興味・関心に合わせ、保育内容を見直しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は月1~2回のクラス会議や週2回の職員会議、月末の評価会議にてアセスメントに基づいて計画されています。月末の評価会議には、給食職員も参加しています。園児一人ひとりの分析も行い、指導計画には保護者の意向も含まれ、作成した計画は副園長・園長など複数の職員で確認するようになっています。要支援児に関しては、関係機関とも連携した指導案が作成されています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の見直しについては、月1~2回のクラス会議や週2回の職員会議、月末の評価会議にて実施されています。評価会議には、給食の職員も参加し、保護者の意向も尊重しています。見直しは、副園長・園長も確認しており、組織的にPDCAのサイクルができています。見直された指導計画は、全職員が確認できるようになっており、周知もされています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

園では、統一された書式のもと園児の記録を管理しています。記録は法人指定の「園児管理システム」により、管理し、全職員が周知・共有できるようになっています。「園児管理システム」により更新された園児の情報は、職員会議で共有・周知されています。新規入職者に対しての記入の仕方の指導はOJTにより進め、園長・副園長も確認し、記録する職員により記録内容や書き方に差異が生じないよう徹底しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報管理規程により記録の保管、保存、廃棄、情報提供等の管理体制が定められています。個人情報び取り扱いについてはマニュアルが策定されており、職員にも周知されています。法人指定の「園児管理システム」はクラスごとにパスワードが設定されており、管理者は閲覧履歴の確認ができるようになっています。個人情報取り扱いに関する研修会は年2回程度実施し、職員への周知の取組が行われています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、認定こども園教育・保育要領に基づいて、毎年、2月~3月に保育職員、給食の職員など全職員が参加し、策定会議を実施しています。全体的な計画の内容は子どもたちの様子を中心に、法人の理念と方針に紐づけながら作成しています。地域の特性として個別の支援が必要な家庭が多く、全体的な計画には地域の状況や保護者の実態にも重きをおいたものとなっています。また、全体的な計画は毎月末の評価会議にて見直しをしており、指導計画にも反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各クラスに温度湿度計を設置し職員が確認しながら、エアコンや扇風機・加湿器等で子どもが心地よく過ごせる状態を保持しています。また、各クラスに空気清浄機・アルコールを常設し、定期的な換気を行い感染症対策への取組も行っています。毎日、保育室の清掃・消毒も徹底しており、衛生環境へも配慮しています。保育室内にパーテーションが準備され、子どもがくつろいだり、落ち着いて遊んだりする空間作りを工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者との面談や送迎時の対応から子どもの様子を把握し、普段の保育の様子から子どもの発達状況を考え、その育ちに合った保育の計画を立てています。遊びも子どもが選択できるよう配慮し、遊びを通して子どもたちが自分を表現できるよう工夫しています。活動の切り替えが難しい子には、「待つ」姿勢を徹底し、子どもの発達過程を理解し、個人差を受け止めて子どもの気持ちに寄り添う保育を実践しています。子どもの興味・関心からの遊びを意識し、今年度は「ストライダー」を取り入れました。子どもの思いを十分に受け止め、子どもの育ちにつなげています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得は、子ども一人ひとりの発達状況に合わせ、家庭と連携しながら進めています。家庭とは定期的な面談や、普段の送迎時に子どもの様子を聞き取り、必要に応じて個別の面談やZOOMでの面談なども実施しています。また、一人ひとりの子どもの状態に応じて、各クラスにあるパーテーションを用いて活動と休息のバランスが保たれるよう工夫をしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

園周辺は自然豊かな環境であり、公園などでも季節を感じながら自然に触れ合うことができています。近隣には、地域の方々が管理している広いスポーツ広場があり、戸外で活動ができるような環境があります。地域の方々とも交流が盛んで、近隣の公園の花壇に一緒に花を植えたり、園に招待して伝承あそびをしたりしています。また、幼児クラスで「探検隊」を作り、公園などでの探索を継続的な活動にし、天候や季節での変化を感じられるよう工夫しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

ゆったりとした保育室の環境を意識し、子どもが安心して遊びを中心とした自発的な活動ができるようにしています。また、個人のスペースが確保できるようパーテーションを利用したり、玩具を子どもたちが選択できるように設定しています。玩具は年齢に合わせたものを用意し、一人ひとりの子どもが手に取って自由に遊べるように工夫されています。活動も時間で区切るのではなく、子どもの状況に合わせて、子どものやりたいと思う気持ちを尊重しています。また、家庭での様子も連絡帳や朝の受け入れ時に聞き取りをして連携を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どものやりたいことや興味・関心をもとに子ども一人ひとりの発達の特徴をふまえ、個別計画を作成し自主性・主体性を尊重しながら保育の実践に取り組んでいます。幼児クラスでは、子どもたちの主体的な遊びから「サマーフェスティバル」を開催しました。3歳児クラスは「やさい屋さん」、4歳児クラスは「たこ焼き屋さん」、5歳児クラスは「射的屋さん」とクラスごとにお店を用意し、1歳児クラス・2歳児クラスを招待して、子どもたちで行事を実施しました。お店の看板も子どもたち同士で話し合って準備し、共同的な活動の場となりました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どもの対応として、各クラスにあるパーテーションを活用し、その子が落ち着ける空間・環境を設定しています。職員は基本的に、障害のある子の興味・関心に寄り添い、見守る保育を実践しています。家庭との連携も重要視しており、家庭との情報交換から、その子に合った活動を計画しています。定期的に療育センターの理学療法士やコーディネーターの助言・訪問を受け、障害のある子どもへの対応を話し合っています。職員は外部の研修会にも積極的に参加して、必要な知識の習得に努めています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもが安心して過ごせるように、パーテーションを活用したり、マットを使用したりと各クラスで工夫しています。朝と夕方の異年齢で一緒に過ごす際は、個別での遊びを重視し、パズルや塗り絵などを用意しています。延長保育では、より家庭的な雰囲気を意識した環境を設定し、子どもたちがゆったりと過ごすことを意識しています。コロナ禍以前、夕食を提供する場合には、孤食にならないように職員も一緒に食べるなど配慮していました。保護者への伝達事項がある場合は、管理システムだけの伝達だけでなく口頭でも伝えており、引き継ぎにミスがないようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちの遊びの中で文字や数字に興味・関心が向いた際、ひらがな表や数字表を設定したり、メダカや水やりの当番活動を通して共同的な活動をしたりすることで、小学校の生活に見通しが持てるようにしています。また、近隣の小学校2校とは交流を定期的に実施し、小学校の図書館へ訪問したり、チューリップの球根を植えたりしています。小学校の運動会に参加することもあり、小学校に向けての意識を高めるよう努めています。毎年、幼保小連携型認定こども園園児指導要録を作成し小学校に提出しています。提出後、1~2月に小学校の職員が訪問もしくは電話にて子どもの様子について連絡し合い、連携を図っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

体調不良や園で起こった子どものけがなどについては、保育日誌に記録しており、けがの経過などの確認についても保育日誌に記入して職員が保護者に確認するようにしています。また、事故・けがについては、その都度、事故報告書を作成し、全職員がいつでも共有できるようにしています。ヒヤリハットも同様に作成しており、細かな出来事も報告しています。1歳児の午睡では、SIDS(乳幼児突然死症候群)チェックを徹底しており、睡眠時にうつぶせにならないよう見守っています。SIDS(乳幼児突然死症候群)に関して、入園のしおりを通して保護者に周知しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科健診は年2回、嘱託医師・嘱託歯科医師によって実施されており、結果は園の専用用紙に記入し、保護者に周知しています。異常がみられた場合は、医師からの個別の家庭での配慮や園での関りについての指示を共有しています。また、園児管理システムに記録を入力し、職員間でも共有できるようシステム化されています。経過観察が必要な場合は、家庭と園で情報を共有し職員間でも共有しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時にアレルギーの有無について確認し、アレルギー児に対しては、アレルギーの対応マニュアルをもとに適切に対応しています。アレルギー児の対応については、職員への周知を徹底し、個別の対応方法についても共有しています。職員は研修会に積極的に参加し、研修内容を職員同士で共有しています。また、アレルギー児の保護者とも職員・調理員・副園長・園長が面談などで連携し、家庭での様子と園での様子から対応を共有しています。食物アレルギー児の給食の提供においては、職員・調理員のダブルチェックのもとに確認し、他児とプレートや食器などを色分けしたり、座席を変えるなど配慮しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

園内には、柿やみかん、ザクロといった果実の木があり、ヘチマやタマネギ、トウモロコシなどの栽培が盛んです。実際に園内で栽培した食物を給食で調理して食べることもあり、食に関する豊かな経験ができるよう、年間の食育計画が計画されています。年齢に応じた形や大きさに設定されている陶器の食器を使っています。給食について家庭とも連携し、子ども一人ひとりの喫食できる量に合わせ、無理強いせずその子に合った対応を心がけています。また、子どもたちが食物に興味・関心を示すようトウモロコシの皮むきやえんどう豆のさやむきなど、食材に触れる機会を増やしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立は法人内で作成し、旬の食材や季節が感じられる食材を意識したものとなっています。「七夕」や「こどもの日」などの行事には、行事食を提供し、子どもたちが行事をより一層楽しめるように工夫しています。給食時には、調理職員が各クラスを巡回して、給食の状況を確認したり、直接に子どもたちに給食について話を聞いています。月2回給食会議を実施して、喫食状況や献立の振り返りをしています。また、野菜を栽培し収穫する体験など、食に関心が持てるよう工夫しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭とは連絡帳や送迎時の際、日常的に情報交換を行っています。また、毎日のデジタルピクチャー(写真閲覧サービス)や動画配信によって子どもの活動の様子を保護者が確認できるよう工夫されています。保護者会や懇談会を通して保育の意図や保育内容について、保護者と共有する機会があり、個人面談を通して子ども一人ひとりの成長の様子を伝える場も設けています。個人面談の内容は記録され、「園児管理システム」で職員に周知できるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は日々の送迎時、保護者と積極的にコミュニケーションを図るよう意識し、園や家庭での様子などの情報交換の中で信頼関係を築くように心がけています。また、定期的な個人面談だけでなく、保護者の要望や子どもの様子から面談が必要とあれば、職員の体制や相談室など相談に応じる準備は整っています。園の地域の特性で子育てに対しての意識が薄いことから、保護者に向けての子育て支援・相談には細やかに対応しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で、子どもの身体の状況(痣や傷など)や、衛生状況(衣類の汚れや匂いなど)だけでなく、言動や衝動性などの精神面でも異常がないか確認しています。子どもだけでなく保護者の表情や言動などからも異常の有無を確認して、子ども・保護者に異常がある場合、速やかに副園長・園長に相談し、相談を受けた副園長・園長は関係機関に報告、連携を図っています。職員は虐待・子どもの権利についての研修会にも積極的に参加しており、虐待対応マニュアルも周知・浸透しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員の自己評価ついては、月1~2回のクラス会議や週2回の職員会議、月末の評価会議にて実施されています。職員同士が記録や子どもの様子について話し合い、保育の実践を振り返り、次の保育計画の作成につなげています。振り返った内容は「園児管理システム」に記録されており、全職員が共有できるようになっています。