社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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川和保育園

2023年11月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信

② 施設・事業所情報
名称 社会福祉法人 共に生きる会 川和保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 181(142) 名
所在地 224-0057
横浜市都筑区川和町890−2
TEL 045-932-5933 ホームページ http://www.kawawa-hoikuen.ed.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1942年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人共に生きる会
職員数
常勤職員:36 名
非常勤職員:9 名
専門職員
施設長:1 名
保育士:28 名
栄養士:2 名
調理員:6 名
事務員:1 名
用務員、保育補助など:7 名
施設・設備の概要
0歳児室:1室
1歳児室:1室
2歳児室:1室
3歳児室:1室
4歳児室:1室
5歳児室:1室
絵本室:1室
職員室:1室
施設園舎:鉄筋コンクリート造2階建て(延床面先1262.60㎡)
園庭:

③ 理念・基本方針
【保育理念】
「自分で考え、自分で遊べ、子どもたち!」
自然の中に身体を解き放ち、季節を感じ、いのちの優しさを感じ、自ら感性を研ぎ澄ましていく、そんな子供の力を信じる

【保育方針】
保育は、子どもを信じ、我が子をこの環境に置きたいと思う夢から始まる
保育は、職員や保護者、子どもが共同できる、お互いの感謝によって織りなされる
保育は、世界平和を思う人々の輪から真・善・美の生活が築かれる

【保育目標】
いのちを感じ、思う子ども
大きく飛翔し、自立する子ども
体験を通して、感性を磨く子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【課外活動、年間行事等の活動の中で、活発な父母の会と積極的な連携が行われています。】
 年間行事として、初めての園外【5月】、夏の三つ峠登山(年長)【7月】、お泊り会(年長)【8月】、園庭キャンプ(年中)【9月】、秋の三つ峠登山(年長)【10月】、お別れ園外【3月】があり、園バスを使って積極的に課外活動を行っています。これらの年間行事においては、父母の会と積極的な連携が行われています。
 一例として三つ峠に夏と冬に行き、夏は登山、冬はソリ滑りなど、その季節の山の遊びを体験しています。さまざまな課外活動の際は、下見の段階から保護者が参加し、必要に応じて園内の全体打ち合わせにも出席して情報共有が行われています。行事の際は、父母の会の撮影班が同行し、撮影などもしています。
 園の「父母の会」は、在園する子どもすべての父母と職員が会員となっています。父母の会委員会を年8回行い、園代表として園長が1票の議決権を持ち参加しています。会は地域ごとにグループに分かれ構成されています。それぞれのグループ内では日ごろから活発な交流が行われ、園は場所を提供しています。
 また、駐車場、バザー、ボランティア、安全食品委員会などの委員会活動も行われています。委員会活動では、給食の試食会の実施、花火大会やバザーの開催など年間を通して幅広く活動しています。
 さらに、父母の会からのおたよりの発行や、同期会と呼ばれる会が設けられ、卒園後も年に2回程度、園等で集まる機会が設けられています。園は同期会委員と連絡を取り、園の場所を提供するなどの取り組みを行っています。
 園では、子どもを真ん中に、園と保護者が子どもの成長を共に見守っていくことを大切にし、父母の会と常にコミュニケーションをとりながら、理念にもとづいた保育実践の環境づくりを行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/26(契約日) ~2023/11/15(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【「自分で考え、自分で遊べ、子どもたち」の理念を追求し、日々、子どもを取り巻く様々な環境の整備が進められています。】
 園では、「自分で考え、自分で遊べ、子どもたち」の理念にもとづき、園庭環境や室内環境の整備、それに伴う職員間の振り返りや共有、また保護者との連携が図られています。
 園庭には、「空飛ぶ船」と呼ばれる、ロープを伝いよじ登ったり、縄ばしごで降りたりする遊具や、山の上から急斜面を猛スピードで下りるチューブすべり台、「スモーランド・おとぎの家」と呼ばれる、地上3階の立体遊具があります。地上3階の立体遊具には階段がなく、子ども自ら登り方を見つけて上って行くなど、遊びの中で子どもが、自らの力を知ることを大切にし、その機会を保障するため、保育者は見守ることを基本としています。
 見守る体制の実施のために、クラス打ち合わせや全体打ち合わせを通して、クラスの垣根を超え、全職員で一人ひとりの子どもの発達の共有を図っています。そのため、子どももクラスの垣根を超え、それぞれ好きな遊びを選択し、遊べる環境となっています。また、年7回実施されるクラス懇談会にて、理念にもとづいた保育内容や子どもの成長等を保護者と共有するなど、物的環境だけでなく、職員間の連携や保護者との共有など、人的環境も整えています。
 夏には、大型プールの他にじゃぶじゃぶ池を作り、カヌーに乗ったり、ポンプで水のかけ合いをしたりと、ダイナミックな水遊びが展開されます。このように、季節や子どもの発達に合わせて園庭環境を整えていますが、その際に、父親の協力を得て園庭づくりを行うなど、保護者も巻き込んだ環境整備に取り組んでいます。また園庭では、子どもたちが自転車をはじめ、ゴーカートやストライダーなど、月齢に応じた乗り物で自由に遊んでいますが、園庭を回る方向は一方通行になっているなど、子どもが自発的に選択し、遊ぶ中で、他の遊具の使い方も含め、保育者は安全面での配慮事項を共有しています。また、職員の目が行き届くよう配置され、必要に応じて入れ替わるなど、園全体で連携を取り、遊びを見守る体制が整えられています。
 その他に、鋸やトンカチを使って木材に釘を打ち込むことができる木工コーナーや、こま回しのコーナー、室内で行っていた遊びを園庭でも継続できる積み木や絵本コーナーなども整えられています。また、ヤギやうさぎなどの動物の世話や飼育をしたり、裏山でかぼちゃ、ミニトマト、メロン、大根等、季節ごとの野菜や果物を育てたりしています。
 室内は遊び毎にコーナーで分かれており、コーナーには、各年齢に応じた玩具等が十分に整えられています。一例として、おままごとコーナーでは、2歳児の保育室に置かれているフェルトや木製の玩具は、3歳以上児の保育室に置かれているものよりもやや大きめのサイズで、四角や丸など形がはっきりしており、見立て遊びがしやすいようになっています。3歳以上児のおままごとコーナーには、炊飯器や電話機などが置かれ、経験したことを遊びの中で再現できる環境が整っています。また、お玉やしゃもじ、ポットや小さいフライパン、本物の食器等と共に、チェーリングやフェルト、布紐等の見立て素材が用意され、子どもたちが想像を膨らませながら遊ぶことができる環境が整えられています。
 室内に置かれている玩具は、「子どものどのような力を引き出すのか」「遊びがどのように広がるのか」という視点を持って選ばれています。また、製作等の際は、和紙の質や、絵具のメーカーを選ぶなど、子どもの作品が引き立つよう、素材にもこだわっています。室内環境は、季節や保育活動の内容に応じて設定しています。一例として、海に関する保育活動を行う際に、いろいろな種類の貝殻や、海の生き物の写真が飾られたコーナーを設定するなど、指導計画により導入の時点から環境を整えています。
 コーナーの横には、虫眼鏡が準備され、子どもは虫眼鏡を使って貝殻を観察するなど、好奇心を掻き立てる工夫もされています。また、季節に応じた絵本が置かれたコーナーを設置し、いつでも手に取りやすい環境となっています。その他に、お絵描きコーナー、線路積木コーナー、絵本コーナー、鉄製のロッカーの側面を利用したマグネット遊びのコーナー、また製作コーナーやカードゲーム、手作りオセロ、パチンコなどルールを伴う遊びも整えられています。
 製作コーナーには、空き箱やラップの芯、牛乳パックや果物の包装ネットなど身近な廃材が集められていて、はさみやテープ、ボンドやのりなどを自由に使って遊べる環境となっています。近くには、ゴミ箱が設置され、燃えるゴミ、プラスチックゴミなど分別できるようになっています。
 「ゲミノ」と呼ばれる立体遊具や、階段やはしごが設置されていない大型の立体遊具「スモーランド」があり、子どもは柱に足をかけて上るなど、遊びの中で子ども自身が身体の使い方を把握できるよう工夫されています。また、立体遊具の中に衣装等を用意し、ごっこ遊び等をすることもできる環境が整えられています。廊下には木馬やトランポリン、木製レールやドールハウスで遊べるコーナーなどもあります。
 毎週金曜日に行なわれる礼拝の日には、4,5歳児が参加して牧師先生の話を聞いたり、歌を歌ったりしています。牧師先生から聞く神様の話は柔らかな心にまっすぐ届き、日々の恵みへの感謝を感じる時間となっています。
 このように、子どもの興味や発達、季節に応じて物的環境、人的環境等、さまざまな環境の整備が進められ、子どもたちはその日ごとのお気に入りの居場所で、一人ひとりの自由な発想や想像力を豊かに芽生えさせています。

【保育の中・長期的なビジョンを文書化し、職員間で共有されることが期待されます。】
「社会福祉充実計画」を作成し、保育理念に沿った継続的で安定した運営体制の構築に取り組んでいます。理念に沿った具体的な保育内容については、日々の保育者クラス打ち合わせ、全体打ち合わせ等で個々の子どもの姿などについて詳細に共有されています。
 今後は、現在園で取り組まれている、障害児の保育ニーズに対する職員配置や環境整備、また利用者家族アンケートで意見が挙がっている、懇談会の実施方法等について、保育の中・長期的なビジョンを文書化し、職員間で共有され、さらなる保育理念や保育方針の実現に向かうことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 事業者自己評価を実施し、自分たちの保育を改めて振り返ることができたことと、それが間違っていなかったことが評価される機会に繋がった。
 施設独自で行っている自己評価は、個々の保育士及び各クラスの自己評価を基にしている為、保育内容の自己評価に偏っているが、事業者自己評価は、色々な視点から保育所の自己評価をすることで新たな気付きがあり、事業者としての役割を考えるきっかけになった。
 第三者評価のやり方として、まず事業者自己評価を実施し、それに対して第三者評価機関が評価をするやり方でなく、事業者の主観的な評価が反映されない形で評価をして頂くと、より新たな気付きがあり、それがさらなる質の向上に繋がると思う。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や方針は、ホームページやパンフレット、重要事項説明書に記載されています。保育理念は「自分で考え、自分で遊べ、子どもたち! 自然の中に身体を解き放ち、季節を感じ、いのちの優しさを感じ、自らの感性を研ぎ澄ましていく、そんな子どもの力を信じる」です。保育方針は「保育は、子どもを信じ、我が子をこの環境に置きたいと思う夢から始まる」「保育は、職員や保護者、子どもが共同できる、お互いの感謝によって織りなされる」「保育は、世界平和を思う人々の輪から真・善・美の生活が築かれる」です。
・理念や基本方針は、週1回実施される各クラスの打ち合わせの中で、個々の子どもの姿と照らし合わせ共有されています。また、理念や基本方針に沿った保育実践については、日々の保育の中で、子どもの遊びの様子からその都度職員間で共有するとともに、主任が必要に応じて職員と具体的な実践内容について共有するなどの取り組みが行われています。
・パンフレットは、多くの写真を使用し、具体的な保育内容や課外活動等の取り組みが分かりやすく示されています。
・保護者へは、入園前に入園説明会を3回、入園後も年間7回のクラス懇談会を実施し、保育理念に沿った具体的な保育内容について、共通理解が持てるよう継続的な取り組みが行われています。懇談会の内容については、逐語録として書面にし、欠席した保護者も共有できるよう取り組んでいます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向、地域の各種福祉計画の策定動向等については、区の園長会、私立園長会、社会福祉協議会の会議等に参加し、把握しています。一例として、障害児の保育ニーズの高まりや、1歳児クラスの保育ニーズの増加等が挙げられます。
・園が位置する地域での特徴・変化等の経営環境や課題については、入園見学者の受け入れ等を通して把握し、分析につなげています。また、地域住民の雇用を積極的に取り入れていることから、地域の実態等の把握につながっています。
・定期的な保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等については、年に2回実施される理事会にて分析が行われています。その際に、障害児保育に対する人員配置や設備等、環境面についても共有されています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・経営課題については、理事会や評議委員会、全体打ち合わせを通して、具体的な課題を明らかにし、共有しています。一例として、障害児の保育ニーズの増加や少子化に伴う子どもの減少等を踏まえた、保育理念に沿った運営について共有されています。
・障害児の保育ニーズに対しては、職員体制や職員配置をはじめ、保育者の知識や技術の向上等、経営課題の解決・改善に向けて具体的な取り組みが進められています。また、日ごろから、支援を必要とする子どもの保護者と、面談等を通して情報共有を行い、子どもの共通理解に努めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・保育の中・長期的なビジョンとして、障害児の保育ニーズの高まりを考慮した上での、保育理念に沿った運営に取り組んでいます。具体的には、行政との連携による加配職員の配置や、キャリアアップ研修、園内研修を通した、保育者の知識や技術の向上等に取り組んでいます。
・「社会福祉充実計画」を作成し、保育理念に沿った継続的で安定した運営体制の構築に取り組んでいます。理念に沿った具体的な保育内容については、日々の保育者クラス打ち合わせ、全体打ち合わせ等で個々の子どもの姿などについて詳細に共有されています。今後は、さらなる保育理念や保育方針の実現に向けて、保育の中・長期的なビジョンを文書化し、職員間で共有されることが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・単年度の計画には、運営方針として「こどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に考えた保育の提供ができるよう運営を行う」ことが記載され、具体的な内容として、保育目標、クラス編成及び保育士配置数、保育懇談会、職員会議、職員研修等について記載されています。
・今後は、保育の中・長期的なビジョンとして挙げられている、障害児の保育ニーズの高まりを考慮した上での、保育理念に沿った運営について、単年度の事業計画に項目を設ける等、具体的に反映させていくことが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・単年度の事業計画は、理事会において理事長、理事によって策定されています。策定に関わる理事は、園内の全体打ち合わせにも参加し、日ごろから職員の意見の把握に努めています。
・単年度計画は、理事会において計画の実施状況等について事業報告書で評価されています。事業報告書には、年度の概況が示されたうえで、年齢別/月別入所児童数、保育内容、保育懇談会、行事、職員体制、地域育児支援、施設設備/修繕及び物品の購入等の状況について記載されています。
・単年度計画については、運営理念や方針、保育目標等の保育に関する内容について職員と共有しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・年に6~7回実施される懇談会において、運営理念や方針、保育目標等に沿った具体的な保育内容について共有しています。また、おおよそ年9回発行されるクラスだよりにて、一人ひとりの子どもとの会話の様子やその際の保育者の思いを、情景が浮かぶように記載するなど、日常の保育が理解されるように努めています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・隔週の全体打ち合わせをはじめ、月1回の給食会議、週1回のクラス会議の中で、全クラスの子どもの状況について、全職員が理解できるよう、振り返りが行われています。その中で、「子どもの遊びを妨げない」「子ども自身が自らの力に気づけるよう、手を出さないこと」「自ら遊びを選び取ることが出来ること」などの視点について、評価し、日々の具体的な保育実践につなげています。
・第三者評価等を定期的に受審するとともに、前期と後期で年に2回、クラスごとに自己評価を実施しています。評価された内容については、主任がA、B、Cの評価をし、コメントを記載するなど、評価結果を分析・検討する場が、組織として位置づけられ実行されています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・前期と後期で年に2回、クラスごとに自己評価を実施しています。評価された内容については、文書化され、主任がさらにコメントを記載し評価しています。
・評価結果にもとづく具体的な取り組みの一例として、地域とのかかわりが挙げられます。新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策をしつつ、園庭開放やバザー等を工夫して実施するなどの取り組みが行われました。単年度の事業報告書では、園庭開放、未就園児育児相談、障害児育児相談が挙げられ、地域育児支援の実施状況が振り返られています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、隔週で行われる全体打ち合わせにて、日ごろの保育実践、行事への取り組み、個々の子どもや保護者への関わりについて提案するとともに、職員が自ら考え行動できるよう取り組んでいます。
・運営規定には、園長の役割として「保育・教育の質の向上及び職員の資質の向上に取り組むとともに、職員の管理及び業務の管理を一元的に行う」ことが表明されています。また、事業計画には「担当保育士を定め、園長は統括的指揮を執る」ことが述べられています。
・有事(災害、事故等)における園長の役割と責任については、避難訓練及び災害時通報手順書、事故防止・事故対応マニュアル等に記載されています。また、不在時の主任または事務長への権限委任等についても明確化されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、顧問弁護士や新聞等を通して、日ごろから遵守すべき法令等の把握に努めています。園長会等を通して、児童福祉法、子どもの権利条約について把握し、担当課との情報共有を通して、労働基準法やパワーハラスメント等、法令遵守の観点での経営に関する法令等の把握に努めています。把握された内容については、必要に応じて各種マニュアルに反映させるとともに、全体打ち合わせにて職員に伝えています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、課外活動も含めて、日ごろから保育実践を行い、園の理念や方針、具体的な保育内容について、保育の質に関する課題を把握しています。職員自らが考え、環境設定も含め自ら行いたいことを尊重し、取り組むことができるよう指導力を発揮しています。
・園長は、保育の質の向上について、組織内に全体打ち合わせ、行事打ち合わせ、給食会議、クラス懇談会、父親懇談会等の体制を構築し、自らもその活動に積極的に参加しています。隔週で行われる全体打ち合わせでは、各クラスからの伝達事項、各係からの連絡事項、行事の打ち合わせ、行事評価・反省、自己・ヒヤリハット報告等が実施されています。
・園長は、保育の質の向上について、全体打ち合わせの中で、具体的な事例を通して振り返ることで、職員の教育及び研修の充実につなげています。また、日ごろの保育の中で改善や提案などの意見交換が行われています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、人事、労務、財務等を踏まえ分析を行っています。具体的な取り組みとして、障害児保育へのニーズの高まりを受け、行政からの認定前に、加配保育者の配置を踏まえた人員体制や環境整備に取り組んでいます。保護者との面談の際は、必ず複数の職員が同席して行います。また、必要に応じて療育機関の担当者等が同席することもあります。
・配慮が必要な子どもの保護者との連携にも積極的に取り組んでいます。保護者対応の保育者を複数名設置し、子どもの様子について共通理解につなげるとともに、保護者対応を統括する担当者を設置することで、途切れのない継続的な支援につなげています。行政からの認定を受ける際の保護者の同意については、必ず園長が同意を受け取る体制となっています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方は、研修計画等に記載されています。計画にもとづき、キャリアアップ研修の受講や市が行う研修に参加し、人材育成につなげています。
・保育の提供に関わる専門職の配置、活用等、必要な福祉人材や人員体制についての具体的な計画として、障害児保育における専門性を持った職員配置に取り組んでいます。
・採用に関しては、ホームページや職業安定所、保育士養成校等を通して募集しています。また、園の理念等を理解する保護者の採用を取り入れることで、効果的な福祉人材確保を実施しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念・方針にもとづいた期待する職員像については、求人募集要領等に記載されています。
・人事基準については、就業規則に定められています。就業規則に、職員給与規定があり、経験給及び能力給に応じた人事基準が定められ、職員に周知されています。
・職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等については、日ごろの保育内容を踏まえ、園長が判断しています。
・職員が、自ら将来の姿を描くことができるような仕組みの一環として、キャリアアップ研修等の積極的な受講や処遇改善等に取り組んでいます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・労務管理については、事務長が日々の勤務状況についてタイムカードで確認し、パソコンにて超過勤務等も含め管理しています。
・有給休暇の取得については、7月~8月にかけて全職員が5日間を取得できるよう調整しています。また、その期間以外の有給休暇については、クラス間で共有し、シフト担当の職員がシフトを組んでいます。
・園長及び主任は、日ごろから保育現場に入り、必要に応じて声をかけるなど、職員の心身の健康と安全の確保に努めています。また、クラスリーダーも必要に応じて声をかけるなど、職員が相談しやすい体制づくりに努めています。
・働きやすい職場づくりの一環として、午後の時間帯に書類等の作成に充てられる時間を確保し、日々の保育を丁寧に振り返ることができる時間を設けています。
・職員間にてコミュニケーションアプリを使用した情報共有が可能な為、各クラスの子どもの人数や職員の休暇状況に応じて、事前に職員間で人員体制を整えることができます。
・福祉人材の確保、定着の観点から、組織の魅力を高める取り組みとして、保育環境の充実及び追求を継続的に行っています。また、次年度のクラス配置を決める際は、職員も話し合いに参加し、意見を伝えることができます。さらに各職員と主任との面談を実施し、より詳細な希望等を把握することにつなげています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・前期と後期の年に2回、各クラスで自己評価を行っています。自己評価では、保育計画、子どもとの関わり、保育環境・遊びの環境、生活、担任間のコミュニケーション、保護者との関係等について評価しています。評価された内容については、主任がA、B、Cの評価をし、コメントを記載することで、適切に進捗状況の確認が行われています。
・今後は、職員一人ひとりの目標管理のための仕組みとして、各職員の目標や達成度を記載できる所定の用紙等を作成し、面談の際に用紙にもとづいて目標達成度の確認を行うなどの取り組みが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・保育・教育施設職員等研修・研究年間計画(案)を作成しています。研修担当職員は事務長と相談し、各職員に必要な研修を選別し、計画にもとづき、教育・研修が実施されています。
・外部研修の他に、園内研修を計画し、取り入れています。園内研修では、講師を招き障害児保育に関する研修なども行われています。
・各職員が興味のある研修を受講できるよう、研修費の予算を立てています。職員は、研修費にて自身の興味がある研修を受講したり、書籍を購入したりすることができます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・個別の職員の知識、技術水準等については、研修後に記載する研修報告書にて把握しています。
・新任職員をはじめ職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTについては、保育の経験年数が近い保育者同士を同じクラスに配置し、経験年数が長い保育者が必要に応じてフォローする体制を取っています。経験年数が近い保育者同士で組むことにより、切磋琢磨し、いつでもフォローできる体制をつくることで育成につなげています。
・保育・教育施設職員等研修・研究年間計画(案)を作成しています。計画の中では、初級、中級、上級等の階層別研修やテーマごとの研修が記載され、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修の実施につなげています。
・研修内容については、研修報告書にまとめられ、全体打ち合わせ等を通して全職員と共有しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生の受け入れを実施していますが、実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢を明文化するには至っていません。
・実習生の受入れは主任が行っています。オリエンテーションを実施し、個人情報の取り扱いや、子どもとの関わり方等についての注意事項を伝えています。初めの1週間は全クラスの観察を行い、2週目は学生の希望を聞いて実習に入るクラスを決めるなど、個別に合った内容を考えて対応しています。
・1日の実習後は、振り返りの時間を設け、主任が学生の質問等に対して個別にしっかりと応えています。
また、実習日誌については、実習生が書く振り返りの内容について、職員が返答しています。
・学校との連携として、実習中の学校担当者の巡回を受け入れ、実習期間中においても継続的な連携を維持しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園のホームページには、理念をはじめ、園の歩み、園での生活の様子を写真とともに掲載するなど、園の理念や基本方針、保育の内容等が公開されています。
また、「定款」「役員報酬規定」も掲載されています。
・福祉全般に関するポータルサイトである、WAM NET/社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムにおいて、「現況報告書」「財務諸表」を公開しています。
・第三者評価の受審内容については、WAM NETに第三者評価結果等の情報を公開しています。
・ホームページで園庭開放のお知らせをし、定期的な開催を通して社会・地域に対して、園の理念や方針等について、明示・説明し、園の存在意義や役割を明確にするように努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園における事務、経理、取引等に関するルールについては、経理規定に定められ担当職員等に周知しています。保育に必要な物品等を購入する際は、各職員は担当職員に伝え、担当職員は在庫を確認し、事務長が発注します。
・2名の法人監事により、定期的な内部監査が行われています。
・外部の専門家による監査支援等として、会計事務所、顧問弁護士の助言を受けています。また、市の監査課による指導監査を実施しています。監査内容については、指摘事項にもとづいて改善しています。一例として、自己評価に関する資料を作成するなどの取り組みにつながりました。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域との関わり方については、全体的な計画に示されています。計画には、育児相談事業の開催、園庭開放、育児講習会の開催等が記載されています。
・花の日礼拝では、交番や郵便局、駅や商店街、また給食に提供している豆腐屋さんなどに花を届けるなど交流を行っています。
・電子アプリを使用し、地域の不審者情報等を保護者に提供しています。
・職員が、地域の小学校の公開授業や運動会等に参加するなどの体制が整えられています。
・年間を通して園外散歩を取り入れています。園外散歩では、栗拾いを行うなど、子どもが季節を感じるとともに、地域の人達と接する機会を設けています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティアの受け入れは実施していますが、受け入れのためのマニュアルなどの整備には至っていません。
・以前に当園に勤務していた職員による保育ボランティア、絵本の読み聞かせ、ピアノ演奏等のボランティアの受け入れを行っています。
・学校への協力として、コロナ禍以前は、中学生の職業体験の受け入れを行っていました。受け入れの際は、守秘義務や子どもと関わる際の配慮事項等の事前説明を行うなど、必要な研修等を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・父母の会は地域ごとのグループに分かれ構成しています。それぞれのグループ内では日ごろから地域の遊び場等について情報共有がされています。また、グループ間においても共有が行われています。また、父母の会が発信するおたより等を通して、地域の社会資源等についての共有が行われています。園も父母の会の一員として所属し、共有が図られています。
・家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、父母の会の活動が活発で、保護者間の結びつきが強く、気になることがあれば保護者同士で声をかけ合ったり、園に情報が入ってくる体制となっています。また、必要に応じて区の担当課や児童相談所、警察署との連携を図る体制が整えられ、フローチャートでも示されています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の福祉ニーズについては、見学者や園庭開放、育児相談等を通して把握しています。一例として、障害児に対する保育の必要性等について把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・把握されたニーズにもとづき、未就園児育児相談、障害児育児相談を実施しています。
・園では「自分で考え、自分で遊べ、子どもたち」の理念をもとに、自然の中に身体を解き放ち、季節を感じ、いのちの優しさを感じ、自ら感性を研ぎ澄ませていくことができるよう、遊びの環境の充実が図られています。園庭には、ダイナミックな遊びが展開できる、築山やじゃぶじゃぶ池、大型プールや自転車、三輪車、キックスケーターやストライダー、木の家、太鼓橋などがあります。これらの環境を整えている園が市内に存在することが、地域ニーズに応える結果となっています。
・園には同期会と呼ばれる会が設けられ、卒園後も年に2回程度、5年生まで園等で集まる機会があります。その際に園庭を開放しています。
・定期的に、地域に向けて父母の会主催のバザーを実施し、地域コミュニティの活性化に貢献しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもを尊重した保育の実施については、保育理念や全体的な計画、年間指導計画の中で明示し、全体打ち合わせや園内研修等を通して、園長が伝えています。
・子どもを尊重した保育の提供に関する「倫理綱領」については、子どもの権利条約や、市が作成する虐待防止ハンドブックや動画配信等を通して理解を深めています。
・子どもを尊重した保育に関する基本姿勢については、園庭のルールが記載された書面に反映されています。書面では、各遊具の使い方のルールをはじめ、「子どもの力を信じ、遊びを妨げない」ことなど、保育者の姿勢や意識することが記載され、「子ども自身が自らの力を知ることが出来る機会」を保障しています。
・子どもが互いを尊重する心を育てる具体的な取り組みの一つとして、身近な「家族」という単位を模倣したグループを編成しています。グループは、2~3人の5歳児で「夫婦」と呼ばれるグループをつくり、そこに2~3人の4歳児が入り、合計4~6人の「家族」というグループが編成されています。その中で、5歳児が4歳児の世話をし、4歳児は5歳児に憧れを持つなど、子どもが互いを尊重する心を育てるための具体的な取り組みにつなげています。
・男児は寒色系、女児は暖色系などの固定的な対応をしないよう配慮しています。また、文化の違いに関しては、日ごろから特別な対応をすることなく共に暮らすことで、自然に保護者の理解を図る取り組みとなっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どものプライバシーの保護については、個人情報取り扱い方針等に記載されています。内容については、全体打ち合わせ等で確認し、理解を図っています。
・一人ひとりの子どもにとって、生活の場にふさわしい快適な環境を提供し、子どものプライバシーを守れる設備等の工夫として、年齢に応じた衝立のあるトイレが設置されています。
・入園時には、個人情報の取り扱いについて、必ず保護者に説明し同意書をいただいています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園のホームページには、理念をはじめ、園の歩み、園での生活の様子を写真とともに掲載するなど、理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等を紹介しています。また、多くの写真を使用し、具体的な保育内容や課外活動等の取り組みが分かりやすく示されているパンフレットを、区の担当窓口に置くなど、多くの人が入手できるよう取り組んでいます。
・パンフレットには、理念に沿った具体的な保育内容が、子どもの遊ぶ姿などの多くの写真と共に掲載されており、園での生活の様子が誰にでもわかるような内容になっています。また、花の日礼拝、三つ峠登山、みんなのうんどうかい、音楽会等、年間を通した行事の様子の写真も掲載されています。さらに、園舎の見取り図が描かれ、じゃぶじゃぶ池など、それぞれの場所で遊ぶ子どもの様子が写真で掲載されています。
・見学は随時受入れ、主任が対応しています。見学にあたっては、園の様子をよく知ってもらうために、天気のよい平日の10時から15時ぐらいの時間帯を勧めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園までに、入園説明会を3回実施し、全体説明のほかに、クラスごとに担当保育者による説明しています。また、必要に応じて個別面談を行うなど、保護者に保育の基本方針が理解されるよう十分な機会を設けています。
・入園説明会では、重要事項説明書等の説明を行い、保護者は同意書に記入をしています。重要事項変更の際は、再度説明を行い、その都度同意書を得ています。
・食物アレルギーなど、特に配慮が必要な保護者への説明については、保育者の他に、管理栄養士が専門的な立場で面談を実施しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育所の変更にあたっては、転園先に情報を伝えるなどの取り組みは行っていません。
・園では同期会と呼ばれる会が設けられ、卒園後も年に2回程度、園等で集まる機会が設けられています。園は同期会委員と連絡を取り合い、場所を提供するなどの取り組みを行っています。これらのつながりを通して、園の利用が終了した後も、園として子どもや保護者等が相談できる体制となっています。
・卒園時には卒園文集を作成し、全家庭に配布しています。文集には職員の連絡先一覧が掲載されているため、園の利用が終了しても、いつでも相談できる取り組みとなっています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育のなかで、子どもの姿をその都度職員間で共有するとともに、保育日誌(B4サイズ3枚程度)で1日の保育内容の振り返りが行われるなど、個々の子どもの様子について十分に振り返りが行われています。
・保護者に対しては、年に1回期末アンケートを実施しています。期末アンケートを配布する際には、園の自己評価を同時に配布することで、園の見解を踏まえた上での、利用者満足を把握する仕組みとなっています。また、必要に応じて個別面談を行う機会を設けています。
・父母の会では、年に2回の総会が実施され、園も1票の議決権を持ち参加しています。また、父母が園内の全体打ち合わせに参加するなど父母の会とは常に情報共有が図られています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の体制については、受付担当を主任とし、解決責任者を園長としています。また、2名の第三者委員を設置しています。これらの内容は、重要事項説明書に記載があるとともに、園内に掲示しています。
・保護者からの要望や苦情については、0~3歳児クラスで毎日やり取りされる連絡帳、全年齢で毎週金曜日にやり取りされる絵本ノートを通して把握しています。
・苦情内容に関する検討内容や対応策については、苦情を申し出た保護者等に配慮したうえで、年間7回実施される、クラス懇談会等を通してフィードバックしています。内容によっては、個別に伝えています。
・苦情相談内容にもとづき、保育の質の向上に関わる取り組みが行われています。一例として、課外活動の際の蜂への対処法について検討・対応しました。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・相談の受付担当については、各担任や主任、また必要に応じて第三者委員や市の苦情窓口など複数の相手を自由に選べることを、重要事項説明書等で伝えています。また、年に7回の懇談会を実施するなど、日々の中で保護者が意見を述べられる機会を多く作っています。
・相談をしやすいスペースの確保として、図書室や空室の保育室を利用し、面談を実施しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・日々の送迎時のコミュニケーションや0~3歳児クラスで毎日やり取りされる連絡帳を通して保護者が相談や意見を述べやすいよう配慮しています。また、全年齢で毎週金曜日にやり取りされる絵本ノートでは、担任が必ずコメントを記載しています。絵本ノートはクラス担任だけでなく、主任や園長も普段から定期的に確認しています。
・配慮が必要な子どもの家庭に対して、園全体で相談を受ける体制を整えています。保護者対応の保育者を複数名設置するとともに、保護者対応を統括する担当者を設置することで、途切れのない継続的な支援につなげています。
・要望・苦情を受け付けた場合は、全体打ち合わせなどを通して、全職員に周知するとともに、解決策を検討しています。また、第三者委員に連絡し、必要に応じて第三者委員を交えた話し合いを行う仕組みがあります。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントに関する責任者の明確化については、避難確保計画(土砂災害)、避難訓練(手順書)、災害時通報(手順書)等で責任者を明確にしています。これらの内容については、全体打ち合わせ等を通して職員に周知しています。また、課外活動で海に行く際などは、津波を想定した避難訓練も実施しています。
・子どもの安心と安全を脅かす事例については、ヒヤリハット・怪我記録に記載し、積極的に事例収集が行われています。収集された内容については、クラス打ち合わせや全体打ち合わせで検証しています。検証された内容等は、園や職員の安全確保・事故防止に関する取り組みにつなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策については、園長を責任者とする管理体制が整えられています。
・感染症等への対応については、保育所における感染症対策ガイドラインを使用し実施しています。
・感染症の予防策として、積極的な情報開示を行い、感染が広まらないよう努めています。園ではコロナ禍以前より、家族内で感染症に罹患した際は、登園を控えていただくようお願いすることで、園内での感染拡大を防ぐ取り組みが行われてきました。
・栄養士による嘔吐処理研修等も行うなど、担当者等を中心にして、定期的に感染症の予防や安全確保に関する勉強会等を開催しています。
・園内で感染症等が発生したときは、おたよりを配布するとともに、玄関に掲示をし、知らせています。
・保育中に感染症が発症した時は、保護者への連絡をすみやかに行い、お迎え時間など保護者の事情を考慮した対応をしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の対応体制については、避難確保計画(土砂災害)、避難訓練(手順書)、災害時通報(手順書)に記載されています。
・子ども、保護者及び職員の安否確認の方法については、電子アプリを通して行います。また、地震が発生した際などに災害用伝言ダイヤルを使用し、園の状況や子どもの様子等を伝えることで、安否に関する周知が図られています。
・食料や備品類等の備蓄については、栄養士が管理しています。期限を定期的に確認し、非常時に対応できるよう整備しています。
・消防署の職員を招いて、心肺蘇生法の手順を学ぶ機会を設けています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・標準的な実施方法については、保育の手順書(おむつ交換、プール・水遊び・園外活動等)で適切に文書化されています。子どもの尊重や権利擁護については、全体的な計画や各種指導計画に明示されています。
・標準的な実施方法については、夏期保育の期間を利用して見直しが行われています。職員に周知徹底するための方策として、見直しは、園長、主任、事務長、職員で行われています。
・標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかについては、全体打ち合わせやクラス打ち合わせ等で確認しています。また、各種指導計画の自己評価を通して確認しています。
・標準的な実施方法により、保育実践が画一的なものとならないよう、一人ひとりの子どもの姿に応じて、個別支援計画書にねらいを立て実践につなげています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育の標準的な実施方法の検証、見直しについては、随時、全体打ち合わせやクラス打ち合わせ等を通して行われるとともに、夏期保育の期間を利用して見直しが行われています。また、見直しに応じて、指導計画の内容に反映されています。
・検証、見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案が反映されるような仕組みになっています。職員については、クラス打ち合わせや全体打ち合わせ等を通して意見が反映されています。保護者等については、年に1回実施される園全体に対する期末アンケートや懇談会等で得られた意見が反映されています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・入園前に各家庭と個別面談を実施し、適切なアセスメントにつなげています。面談では、家族構成や1日の生活の様子、食事、睡眠、排せつ等について健康管理カード等、所定の用紙を使用し把握しています。入園後は、児童票にて健康、人間関係、環境、言葉、表現の五領域に沿った子どもの姿やねらい等のアセスメントが実施されています。また、日ごろの子どもの様子をクラス打ち合わせ等で共有することで、適切なアセスメントにつなげています。
・アセスメントの際は、管理栄養士や必要に応じて民間の療育機関の担当者等の関係機関と連携するなど、さまざまな職種の関係職員で協議する体制が整えられています。
・全体的な計画にもとづき各種指導計画が立てられています。
・指導計画の策定は、各クラス担任が行い、園長及び主任が最終責任者として確認をしています。
・指導計画等にもとづく保育実践や支援困難ケースへの対応については、クラス打ち合わせや全体打ち合わせ等を通して子どもの発達や姿を検討し、保育の振り返りを行うなどの仕組みが構築されています。振り返りを行った内容については、各種計画に反映させ実践につなげています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、年度末に主任が主となり見直しを実施しています。また、各種指導計画の見直しは、定められた時期に応じて実施されています。さらに、クラスごとの自己評価を、前期と後期の年に2回実施し、結果内容を保護者に配布し共有が図られています。
・見直しによって変更した指導計画の内容は、クラス打ち合わせ等で関係職員に周知しています。
・日々の活動は、保育日誌に記載されています。保育日誌(B4サイズ3枚程度)で振り返りを行い、保育の質の向上に関わる課題等を明確にするよう努めています。
・各種指導計画の評価内容については、次の指導計画に生かし、具体的な保育実践につなげています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況等は、個別指導計画、保育日誌、各種指導計画等定められた書式によって記録し、保管されています。個別の指導計画等にもとづく保育が実施されていることを、記録により確認することができます。
・記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないよう、主任が保育計画の段階から指導しています。一例として、海を題材とした保育を実施する際に、導入方法や室内の環境設定等について、保育のつながりを含めた指導を行っています。また、個々の育ちに合った内容か等についても指導しています。
・園における情報の流れが明確にされ、情報の分別や必要な情報が的確に届くようにするため、園長が情報の分別を行い、全体や主任、クラスリーダーに伝達する仕組みが整備されています。
・情報共有を目的として、隔週の全体打ち合わせをはじめ、週に1回のクラス打ち合わせ、毎月1回の給食会議等を開催する取り組みが行われています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する方針については、個人情報取り扱い方針等により定められています。
・記録管理の責任者を園長とし、個人情報の記載がある書類等は施錠される書庫で管理するなど適切な管理が行われています。
・個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応として、パソコンには、パスワードが設定されているとともに、パソコンは施錠ができる部屋での使用となっています。
・個人情報の取り扱いについては、重要事項説明書に記載され、入園時に説明し、個人情報取り扱いに関する同意書で同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、各年齢別の発達過程を踏まえ、養護と教育、及び食育等の項目別に計画され児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえて作成されています。
・全体的な計画は、年度末に主任が主となり、各クラス担任の意見を反映させ作成されています。作成の際は、各年齢の発達の道筋を踏まえ、子どもと家庭の状況や保育時間等を考慮しています。一例として、長時間にわたる子どもへの計画と配慮の項目を変更するなどの取り組みが行われています。
・全体的な計画をもとに作成される、各クラスの年間指導計画を作成する際には、主任が計画立案に関わることで、全体的な計画の職員の周知につなげています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・園内は、自然光が良く入るとともに、落ち着いた色合いの照明の使用により、子どもが心地よく過ごすことのできる環境となっています。風通しが良く、子どもの定員に対して十分な室内空間を確保しているため、落ち着いて過ごすことのできる環境が整備されています。また、外気温との格差が生じにくいよう配慮しています。
・家具や遊具の素材、配置等については、子どもの発達段階や季節、取り組む保育活動に応じてクラスごとに変更し、工夫をしています。その際に、子どもの動線に配慮して配置しています。
・安全点検チェック表、園庭チェック表を用いて日々の安全チェックが行われています。また、0~2歳児クラスの玩具は毎日消毒しています。午睡の際に使用する布団は月に1回、乾燥を行っています。
・室内には、畳を使用した空間の区切り、4人掛けのソファーやテーブル、部屋の隅のカーテンの間仕切りなどがあります。また、ゆったりと1人で椅子に座って過ごすことが出来る空間を設置するなど、全年齢を通じて、一人ひとりの子どもが、くつろいだり、落ち着ける場所があります。廊下には木馬や木製レール、滑り台やトランポリン等、身体を動かして遊ぶ事のできる環境が整備されています。園庭においても、絵本を読める場所やゆったりと積み木で遊べるコーナーがあるなど、園全体を通して、子どもが自分の居場所を見つけゆったりと過ごすことのできる環境が整えられています。
・食事や睡眠のための心地よい生活空間の確保として、必要に応じてパーテーション等を使用し個々に応じた対応が取られています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達と発達過程、家庭環境の状況などについては、日ごろの送迎時のコミュニケーションや0~3歳児クラスで毎日やり取りされる連絡帳、全年齢で毎週金曜日にやり取りされる絵本ノートを通して把握しています。
・職員は、基本的に子どもの遊びを見守り、必要に応じて、温かい態度・言葉遣い等で子どもに接し、信頼関係を築いています。一例として、登りたい場所に登れずにいた子に対して、友だちの登る姿を見ると良いことを助言したこともあります。子どもへの関わりの際は、複数の保育者が感じたことを共有することを大切にしています。
・自分を表現する力が十分でない子どもの気持ちをくみとるため、一斉に活動することにこだわらず、個々の力に合わせて、ゆとりを持って接することを大切にしています。
・子どもの欲求を受け止め、子どもの気持ちにそって適切に対応しています。一例として、園庭に設置されている地上3階の立体遊具(スモーランド・おとぎの家)で、子どもの遊ぶ人数が増えてきた際に、安全面を踏まえて、今遊べる範囲を、子どもたちに理由も含めて伝えるなどの対応が見られました。
・子どもに分かりやすい言葉で伝えられるよう、一方的に伝えるのではなく、子どもの言葉に耳を傾け対話をするよう配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・0~3歳児クラスで毎日やり取りされる連絡帳、全年齢で毎週金曜日にやり取りされる絵本ノート、また個人面談や年に7回実施されるクラス懇談会を通して、園での子どもの姿を共有するとともに、家庭での状況を聞き取ることで、家庭との連携に努めています。
・基本的な生活習慣の習得にあたっては、自分で行おうとする姿を見守り、できた時の喜びを子どもと共有することで、一人ひとりの子どもの主体性や気持ちを尊重した援助を行っています。
・一人ひとりの子どもの状態に応じて、活動と休息のバランスが保たれるよう、活動の一つ一つに時間的な余裕を持ち、休息を取りながら生活ができるよう配慮しています。
・基本的な生活習慣を身につけることの大切さについて、子どもが理解できるよう、乳児では昼食前にトイレやおむつ替えを済ませ、絵本を読んでから昼食にし、昼食後は満腹感からスムーズに午睡に向かうという一連の流れの丁寧な繰り返しや、幼児では朝の支度の手順を掲示することで、自ら取り組みやすいよう工夫しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・子どもが自主的・自発的に生活と遊びができるよう、園庭、室内に子どもが自ら選択し遊び込める環境やゆったりと過ごすことのできる環境が整えられています。
・園庭には、空飛ぶ船と呼ばれる、ロープを伝いよじ登ったり縄ばしごで降りる遊具や、山の上から急斜面を猛スピードで下りるチューブすべり台、スモーランド・おとぎの家と呼ばれる、階段がなく、子ども自ら登り方を見つけて上って行く地上3階の立体遊具など、遊びの中で子どもが、自発的にすすんで身体を動かす環境が整っています。また、夏には、大型プールの他に、じゃぶじゃぶ池を作ってカヌーに乗ったり、ポンプで水のかけ合いをしたりと、ダイナミックな水遊びが展開されます。砂場では、小さい子どもたち用の砂場の他に、「だいもれ」と呼ばれる、砂で斜面にダムを作り、溜まった水を一気に放水できる立体砂場での遊びが展開されています。また、自転車をはじめ、ゴーカートやストライダーなど、月齢に応じた乗り物があります。その他に、積み木や絵本コーナー、木工コーナーやこま回しなどのコーナーも整えられています。さらに、ヤギやうさぎなどの動物の飼育や裏山でかぼちゃ、ミニトマト、スイカ、大根等を育てています。これらの遊びや活動を通して、自発性を発揮できるよう援助しています。また、日々その中で、子どもは人間関係や社会的ルールを学んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・室内は、畳等を使用し遊びごとにコーナーで分けるとともに、絵本コーナーにはクッションを置くなど、0歳児が、ゆったりとくつろげる環境への工夫がされています。
・子どもが安心して、保育者と信頼関係が持てるよう、0歳児クラスは担当保育士制を取り入れています。担当制を取り入れることで、情緒の安定や個々の子どもの状況を把握したうえで、基本的生活習慣等に対して適切な援助ができるよう配慮しています。また、子どもが保育者の存在を確認するために振り返った際に、保育者が子どもを見守っていることで、安心感を持てるよう配慮しています。
・子どもの表情を大切にし、応答的な関わりをしています。一例として、おむつ交換の際にマッサージやわらべ歌、また丁寧な声掛け等を行っています。
・発達過程に応じて、室内遊びからデッキでの遊び、さらに園庭で遊ぶことができるよう配慮しています。その際に、子ども自身が自由に遊べる時間を大切にしています。また、子どもが興味を持って玩具等に手を伸ばすなどの際は、保育者は先回りして玩具を渡すなどはせず、子どもの遊びを妨げないよう配慮しています。
・連絡帳や日々の送迎時のコミュニケーション、また懇談会等を通して、体調や育ちの共有、喫食状況等の確認を行うことで、家庭との連携を密にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重しています。一例として、「寝たくない」「食べたくない」と言ったことに対しても、まずは子どもの気持ちや自我の育ちを受け止め、保育者が適切な関わりを行っています。
・子どもが探索活動を十分にできるよう、また安定して遊びを中心とした自発的な活動ができるよう、保育者が関わっています。1~2歳児は「いたずら」「探索」の時期であり、穴があれば入れる、物があれば持ったり引きずったりするなどの様々な行動がみられるため、「ダメ」と言って終わりにするのではなく、別の方法でできる環境を整えることを大切にしています。一例として、水をこぼすなどの姿がみられれば「こぼさないで」でなく、こぼしてよい環境を整えたり、スコップを引きずって歩くのであれば、代用品を用意するなどの視点を持って関わっています。関わる際は、子どもが振り返って確認できる距離で保育者が見守り、信頼関係や安心感につながるよう配慮しています。また、2歳児は感情の爆発の時期と捉え、感情を表現できることを大切にしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児は、0~2歳児までに培ってきた保育者との信頼関係を土台として、保育者を必要とせずに遊びこむ時期と捉え、遊びを中心とした興味関心のある活動にじっくり取り組めるような環境を整えています。また、大人ではなく友だちを求める時期でもあるため、友だちとのトラブルの際は、保育者が結論を出すのではなく、子ども自身で考えられるよう適切に関わっています。
・4歳児は、生活面、遊び面共にいろいろなことが子ども自身でできるようになってくるものの、客観的に自己を捉えられる面もあり、自信がなくなる姿も見られるようになる時期と捉えています。また、仲間との葛藤を多く経験する時期であるため、集団の中で自分の力を発揮しながら、友だちとともに楽しんで遊びや活動に取り組めるよう保育者が適切に関わっています。
・5歳児は、4歳児に比べ、子ども自身で仲間との葛藤の整理ができるようになり、小集団として成り立ってくる時期と捉えています。そのため、小集団の中で、「何かを生み出す」「仲間との折り合いをつける」ことが出来るよう遊びや活動の環境を整え、保育者が適切に関わっています。
・子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動等について、保護者に伝える一環として、懇談会やみんなのうんどうかい、音楽会などが実施されています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・園舎内は、段差をなくすなど、バリアフリー構造への環境整備に配慮しています。また、落ち着けない子どもがいた際には、その子どもが好きな遊びを把握し、粘土コーナーを常設するなどの取り組みも行われています。
・障害のある子どもの個別指導計画を作成するとともに、日々の活動に対しての個別日誌を記録し、子どもの状況と成長に応じた保育を行っています。また、クラス打ち合わせで子どもの姿や育ちを共有し、必要に応じて全体打ち合わせで伝えることで、全職員による子どもの状況と成長の把握に努めています。
・子ども同士の関わりに配慮し、共に成長できるよう、
行政からの認定にかかわらず、園で判断し加配保育者の配置も踏まえた人員体制や環境整備に取り組んでいます。環境を整えたうえで、一人ひとりが違うことを大前提とし共に園生活をする中で、自然と相手を受け入れていく子どもの姿を大切にしています。
・保護者との連携に積極的に取り組み、園での生活に配慮しています。保護者に対しては、子どもが泣き叫ぶなどの際は、その理由や、より伸ばしていきたい部分を共に考え共有するなどの取り組みを、面談等を通して定期的に行っています。また、必要に応じて療育機関の担当者等が面談に同席することもあります。
・職員は、障害のある子どもの保育について、外部研修への参加や園に発達支援機関の先生を招き、ケースカンファレンスを行うなどの取り組みを行い、障害のある子どもの保育について必要な知識や情報を得ています。
・園の保護者に、年間7回実施されるクラス懇談会等を通して障害のある子どもの保育に関する適切な情報等を伝えています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・長時間保育については、全体的な計画、年間計画に計画されるとともに、年齢ごとの具体的な配慮点が記載されています。0,1,2歳児では個々に合わせた丁寧な関わりと体調管理や発達に応じた環境設定、3,4,5歳児では少人数のたて割り保育や季節ごとに楽しめる遊びの提供等が記載されています。
・畳等を使用し遊びごとにコーナーを分けたり、4人掛けのソファーやテーブルを設置したり、部屋の隅にカーテンで仕切りをしたりして、落ち着いて1人で椅子に座って過ごすことが出来る空間を設置するなど、家庭的でゆったりと過ごすことができる環境が整えられています。また、3歳児室に設置してある、ゲミノと呼ばれる立体遊具や5歳児室に設置してある大型のスモーランド(立体遊具)は、隠れ家のような使い方もでき、友だちや保育者の視線を意識せずゆったりとくつろいで過ごすことができます。
・保育時間の長い子どもに配慮した食事・おやつを提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

・小学校との連携や就学に関連する事項については、全体的な計画や5歳児の年間指導計画に記載され、計画にもとづいた保育が行われています。
・子どもが、小学校以降の生活について見通しを持てる機会として、園の運動会に小学生が参加することや卒園児の小学生に対し園庭を開放することで、小学生と交流する機会を設けています。保護者に対しては、個人面談やクラス懇談会等を通して、個々の子どもの育ちを伝えることで、小学校生活への不安や心配を払拭できるよう努めています。定期的な面談では、就学後の生活を見通して、子どもにとって過ごしやすい在籍学級(通常学級、特別支援学級等)についても話し合う機会を設けています。その際に、特別支援学級等に在籍をする場合の、就学前の手続等についても具体的に伝えています。また、就学後の小学校との連携方法などについても助言しています。
・幼保小連絡会議や小学校の教員との面談、また、職員が小学校の授業参観及び運動会等に訪問することなどを通して、就学に向けた小学校との連携を図っています。
・配慮の必要な子どもの様子について小学校へ伝える際は、苦手なことや、配慮が必要な点も伝えますが、具体的に園生活の中で感じてきた「こういうやり方なら力を発揮する」ということを合わせて伝えています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理に関するマニュアルとして、保育所における感染症対策ガイドライン、保育所におけるアレルギー対応マニュアル、保育の手順書(嘔吐処理)等、各種衛生管理マニュアルが整備されています。
・子どもの体調悪化・けがなどについては、担任や園長から保護者に伝えます。
・子どもの保健に関する計画を作成しています。年間保健計画には4期ごとに目標が立てられ、関連する行事やおたより、留意点等が記載されています。留意点等では、期に応じてプールの衛生管理、虫刺され対策、紫外線対策、熱中症対策、衣服の調整の配慮等、具体的な内容が記載されています。
・一人ひとりの子どもの健康状態に関する情報については、クラス打ち合わせや全体打ち合わせを通して関係職員に周知・共有しています。
・既往症や予防接種の状況など、子どもの健康に関わる必要な情報については、健康調査票、健康管理カードを使用し把握しています。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する知識については、午睡時のブレスチェックやマニュアルを通して職員に周知しています。保護者に対しては、懇談会やお便り等を通して周知を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・健康診断・歯科健診の結果は健康管理カードに記録され、関係職員に周知されています。
・健康診断・歯科健診の結果を保健に関する計画等に反映させています。一例として、年間保健計画の期ごとの目標では、健康管理の習慣をつけることや、室内外の気温差が激しい環境を行き来する体力をつけることなどが記載されています。
・家庭での生活に生かされるよう、おたより等を通して健康診断・歯科健診の結果を保護者に伝えています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー疾患のある子どもに対して、保育所におけるアレルギー対応マニュアルにもとづいた適切な対応が行われています。
・食事の提供にあたっては、保育所におけるアレルギー対応マニュアルにもとづき、テーブルを変える、食器の色や模様を変える、プレートに名前のラベルをクリップでつけるなどの対応をとっています。また、給食前の献立発表の時に、アレルギーがある子どもが、別のテーブルで食べることを伝えることで、子ども同士も、気を付け、意識することにつなげています。クラス内で伝えたり、行事のレジュメ等で伝えることが、他の子どもや保護者にアレルギー疾患、慢性疾患等についての理解を図る取り組みのひとつになっています。
・職員は、アレルギー疾患、慢性疾患等について、外部研修や全体打ち合わせ等の中でエピペンの使用方法を取り上げるなど、必要な知識・情報を得て、技術を習得しています。
・アレルギーや離乳食など食に関する相談に対して、保育士の他に、管理栄養士が専門的な立場で面談を実施しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食育計画を作成し、全体及び年齢別の計画が期ごとに立てられ、子どもが食についてさまざまな経験ができるよう配慮しています。全体の食育活動の期ごとの項目には、夏野菜栽培の準備(畑を耕し、うね作り)、梅シロップつくり、夏野菜の世話収穫、料理、イナゴ採り、イナゴの佃煮作り、芋ほり、たき火を楽しむ(焼き芋、焼きりんご)、もちつきなど季節に応じた計画が立てられ、子どもが、食について関心を深めるための取り組みにつながっています。
・子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるよう、テーブルに花を飾ったり、食事の前にお祈りをするなど環境や雰囲気づくりの工夫をしています。また、異年齢で交流して食事をとっています。
・食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう、食事の前に献立を発表したり、個々に応じて事前に食事の量を調節したり、子どもと相談しながら量を減らすなどの取り組みが行われています。
・子どもの食生活や食育に関する取り組みについて、給食だよりや給食試食会等を通して、家庭と連携しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・離乳食は、一般的な発達段階に応じた食事の提供とともに、子どもの体調によって、硬さや刻み具合、食材の形状を変えるなどの取り組みが行われています。
・子どもの食べる量や好き嫌いについては、クラス打ち合わせ等を通して把握しています。また、月に1回実施される給食会議には、園長、主任、管理栄養士、常勤調理員、クラス担任、事務長が出席し、各クラスの食事の様子、食育行事の打ち合わせ、給食の内容等について共有し、必要に応じて献立・調理の工夫に反映しています。
・季節感のある献立となるよう配慮しています。あじさい寿司や七夕寿司、せいべい汁、こいのぼりハンバーグ、クリスマスや正月などの行事食のほか、栽培したトマトや大根など、季節の野菜を収穫し、献立に取り入れています。
・管理栄養士は、巡回や食事介助を通して、個々の咀嚼状況や喫食状況等を把握しています。
・衛生管理については、衛生管理マニュアルにもとづき適切に行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・0~3歳児クラスで毎日やり取りされる連絡帳、全年齢で毎週金曜日にやり取りされる絵本ノート、また送迎時の直接のコミュニケーションを通して家庭との日常的な情報交換を行っています。
・保育の意図や保育内容について、年7回実施されるクラス懇談会にて、子どもの成長と共に保護者と共有しています。また、三ツ峠登山、花火大会、三戸浜お泊り会、みんなのうんどうかい、音楽会など様々な行事を通して保護者の理解を得る機会を設けています。
・家庭の状況、保護者との情報交換の内容については、個人面談の記録、打ち合わせノート等で記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の送迎時のコミュニケーションを通して、園生活の様子等の情報共有を行うことで、保護者との信頼関係を築くよう取り組んでいます。その際に、質問や不安、不満等があった場合には、必要に応じて面談を行うなど、迅速な対応に取り組んでいます。
・園の特性を生かした保護者への支援として、父母の会の活動があります。父母の会は地域ごとにグループに分かれ構成されています。それぞれのグループ内では、日ごろから活発な交流が行われ、園は活動場所を提供しています。また、父母の会では、駐車場、バザー、ボランティア、安全食品委員会などの委員会活動も行われています。
・面談の際は、複数の職員で担当し助言が受けられる体制を整えています。相談内容は適切に記録し、個人ファイルに保管されています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように、登園時の視診や日常の子どもの様子を観察し、小さな変化でも気づいたらすぐに園長に報告を行い、虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように努めています。内容に応じて、全体打ち合わせ等を通して、職員間で共有しています。また、必要に応じて、児童相談所等の関係機関との連携を図るための取り組みを行っています。
・虐待等権利侵害となる恐れがある場合には、家庭状況の確認や、保護者を含めた、園内での行動観察を行っています。必要に応じて、保護者との面談を設けることもあります。一方で、父母の会の活動が活発で、保護者間の結びつきが強く、何かあれば保護者同士で声をかけ合ったり、園に情報が入りやすいことが、虐待の予防にもつながっていると考えます。
・職員に対して、虐待等権利侵害が疑われる子どもの状態や行動などをはじめ、虐待等権利侵害に関する理解を促すための取り組みとして、外部研修を受講する機会を設けています。
・虐待対応マニュアルにもとづき、全体打ち合わせ等を通して具体的な事例を踏まえ共有しています。また、市が発刊する虐待防止ハンドブックや動画配信等を通して理解を深めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・各種指導計画の自己評価を通して、各職員が主体的に自らの保育実践の振り返りを行っています。計画の振り返りの際は、PDCAサイクルを意識した振り返りが行われています。また、行事担当の際は、過去の指導計画や動画を確認し、計画を立てています。自己評価にあたっては、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの遊ぶ姿や心の育ち、意欲や取り組む過程に配慮しています。
・前期と後期で年に2回、クラスごとに自己評価を実施しています。自己評価では、保育計画、子どもとの関わり、保育環境・遊びの環境、生活、担任間のコミュニケーション、保護者との関係等について評価しています。評価された内容については、主任がA、B、Cの評価をし、コメントを記載することで、互いの学び合いや意識の向上につながっています。結果内容については、保護者に配布し共有が図られています。