社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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川崎みどり保育園

2022年03月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 川崎みどり保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 12名 (10名) 名
所在地 210-0002
川崎市川崎区榎町7-1-101
TEL 044-589-8877 ホームページ https://www.centerjp.com/kawasaki/info/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年01月05日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社センター
職員数
常勤職員:5 名
非常勤職員:6 名
専門職員
保育士:8 名
看護師:1 名
栄養士調理員:2 名
施設・設備の概要
保育室:1室
トイレ:2ヶ所
調理室:厨房 
事務室:別階1室
園庭:無

③ 理念・基本方針
経営理念 
〇子どもの最善の利益を第一目的とし、最高水準の保育の質を追求し、維持します。
〇保護者や地域社会から信頼される保育所を運営します。
〇質の高い保育所の運営を長期的に実施できる体制を構築します。    

基本方針 
〇創意工夫により、常に改善を行い、保育の質を継続的に向上させます。
〇経営力と創意工夫により、保育の質と維持・向上とスリムな経営体質を両立させます。
〇従業員がストレスなく、長期に勤務できる労働環境を整備します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇(株)センター系列保育園があり、助け合っている。
〇戸外活動を、多く取り入れている。
   (歩行・階段歩行・自然観察・運動遊び・砂遊び他)。
〇手遊び・歌・リトミックを、自然に取り入れている
   (CDやピアノ・楽器や手足を使い楽しむ)。
〇0~2歳児の混合保育。混合保育のなかに、年齢別保育を、取り入れている。
〇一人ひとりと丁寧に関わる、アットホームな保育環境。
   (7:00から18:00の開所時間の他に延長保育(18:00~20:00)も行っています)

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/07/08(契約日) ~2022/02/16(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)子ども中心の保育で子どもの育ちを大切にしています
子どもと密に接した保育をしたいと希望する職員によりアットホームで温かい園となっています。『子ども側から見たらどう感じるか?』という視点を大切にしています。職員は、一人ひとりに寄り添いながら子どもの言葉や表情、行動を全身で受けとめ、受容的・応答的な関わりを実践しています。職員全員で話し合い、すべての子どもを見守りながら保育を行っています。子どもの発達段階や特徴を理解しています。小規模園の特徴を活かして、それぞれに応じた発達の援助を、適時適切に行うよう努めています。心身共に健やかに育成されるよう、乳児期にふさわしい生活の場を豊かに作りあげ、一緒に体験したり考えたりすることも大切にしています。

2)保護者との交流を大切にしています
保護者との送迎時における会話をとても大切にしています。送迎時のわずかな時間を、保護者と信頼関係を築く時間として対応しています。朝は「おかわりありませんか?」と声かけをします。保護者から聞いた内容をその日の保育内容に反映させ、子どもの様子に寄り添いながら柔軟な対応を行っています。お迎えの時間には、できる限りその日の子どもの過ごし方やエピソードなどを伝え、保護者と思いをひとつにして子どもを見守ることに努めています。少人数のためチームワークの良い関係が出来て、風通しの良い雰囲気が保護者にも伝わり、園への信頼につながっています。

3)外国籍や特別に配慮の必要な子どもを受け入れ、関係機関と連携しています
両親が日本語ができないなどの3ヶ国の外国籍の子どもを受け入れています。外国籍であることや育った環境、文化の違いでの支援が必要な子どもに対しては、支援方法を検討し、最良の支援ができるように努め、日本の生活や制度を説明するなどの取組をしています。配慮が必要な子どもには、川崎区や発達支援センター・療育センターと連携して対応しています。加配がつかない場合でも、シフトを工夫して無償の加配をつけて、皆で子どもを支援しています。
改善を求められる点 1)シフト間の情報共有
非常勤の職員が半数であること、シフト制を導入していることから職員全員が一同に集まる機会が少なく、職員に伝えきれないことがあります。職員が負担なく保育に取り組めるように、更なる情報共有の工夫が期待されます。

2)ボランティア・実習生の受け入れ検討
保育を志す教育実習生やボランティアの受け入れに関する基本姿勢が明文化されておらず、マニュアルがありません。子どもと職員の笑顔あふれるアットホームな小規模保育園の良さを一人でも多くの方に知っていただくために、また、社会福祉人材育成の視点から、ボランティアや実習生の受け入れを検討し、方向性を明確にすることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受ける前に、職員全員で第三者評価について話し合い、理解して取り組めたことが、とても良かったです。
第三者評価により、常勤・非常勤の先生方それぞれの「保育園運営について」理解の深まりの違いが明確になり、個別に対応する事が出来ました。
「保育」においても、先生方の素直な声を聴く事ができ、話し合うことが出来ました。先生方の真摯な取り組みに、感謝しています。
今では、保育に向き合う先生方の力強い団結力を感じています。
また、園長として第三者評価を受けたことは、川崎みどり保育園をいろいろな角度から考える機会になり、とても勉強になりました。
これからも保育の質の向上のために、努力していきたいと思います。

川崎みどり保育園  園長 菊地賀世子

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針を資料、ホームページ等で紹介しています。入園説明会時に重要事項説明書と別紙の資料により保護者に説明しています。理念では、法人や保育所の使命、目指す方向、考え方を示しています。基本方針は、職員の行動規範となるよう具体的な内容となっています。理念や基本方針は、職員には入職時に説明を行い、タイムレコーダーの近くに掲示し、毎日確認するようにしています。職員への周知徹底は会議や研修会での説明や話し合いの中で図られています。理念や基本方針は、わかりやすい資料を作成するなどの工夫がなされ、保護者等への周知は、打ち合わせ時などで周知状況を確認しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人と共に事業環境を把握・分析して、小規模保育が必要と認識しています。経営環境を把握して、認可外保育園、認定保育園B型、認定保育園A型、認可保育園と変遷しています。地域のニーズや行政の要請に対応して、外国籍の園児も受け入れ、小規模の特徴を活かして、子どもたちの成長・発達を見守り、取り組んでいます。また、配慮が必要な子どもに対して、定められた以上の加配を行っていますが、経営コスト分析を行い継続できる体制を構築しています。これら社会ニーズに対応した受け入れと質の良い保育により、行政からの信頼も得ています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人のもとに複数の保育園がありますが、園長会議はありません。経営環境と経営状況の把握・分析は、保育園により異なるとの判断で、園長と法人とで経営課題を明確にし、具体的な取組を決めています。法人と園とで保育の内容や設備の整備、職員体制等を認識・分析しています。経営や改善すべき課題について、グループ別に分けた職員会議で職員に説明し、内容を共有ノートのサインによって周知を確認しています。年4回(6、9、12、3月)の研修会で、改善に向けての取組について話し合っています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

保育に関する中・長期の事業計画を文書化して、目標(ビジョン)を明確にしています。中・長期計画は、園長の目標を文書にして共有化を図っています。目標等は都度に見直ししていますが、その内容が具体的な施策にまでは至っていません。また、数値目標や成果等を評価を行えるものにはなっていません。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中・長期計画を反映して、単年度における事業内容を計画しています。計画により、玄関のひさしを設置しました。子どもにとって必要な保育を皆で話し合っています。単年度計画には、内容の具体性や数値目標などはなく、実施状況の評価には至っていません。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の策定と実施状況の把握や見直しは、日々の話し合いで策定しており、職員に周知されています。期間中には、職員会議などで実施状況を把握し、進捗状況を確認しています。必要な場合には、事業計画の見直しを行っています。年度末の運営委員会でも事業計画の確認を行っています。計画内容を会議などで職員に周知していますが、職員により認識の差があり、理解を促すための取組を課題をとしています。特に、常勤、非常勤でシフトを組んで運営しているため、周知徹底に努力しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画を10月の保護者懇談会、6月の保護者交流会で保護者等に知らせています。また主な内容は便り(すくすくだより、食育だより等)で保護者に知らせています。事業計画の内容を保護者に分かりやすくする工夫までには至っていません。年度末には法人、園長、第三者委員の他に保護者代表(3~5人)も加わった運営委員会で、事業計画の主な内容を理解してもらう取組を行っています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上に向けて園全体で取り組んでいます。年4回の園内研修で子どもの成長・発達のための話し合いを行い、職員で共有しています。保育について保護者アンケートを実施しています。年度末には、第三者委員、保護者代表も交えた運営会議で評価結果などを確認しています。職員による自己評価を年に4回行うとともに、第三者評価等も定期的に受審しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価や監査で明確になった課題を職員で共有しています。課題について職員と話し合い、コロナでの掃除の仕方など、取り組むべき課題について改善しています。コロナの感染予防をしつつ、子どもが使えるように、絵本は3つのグループに分けて準備しています。改善策や改善の実施状況を確認し、必要に応じて改善を行っていますが、計画的な改善計画策定は行っていません。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、「分担表」にて、役割と責任を明らかにしています。園長は『今日も笑顔で・・・』の文書で、自らの考えを明確にして職員に知らせています。文書で示すと共に、口頭での説明を重視して職員の納得につながるようにしています。会議や個別の話し合いの中で、園長の思いや役割などを伝えています。有事(災害、事故等)における園長不在時の分担は、災害時の交通手段などを配慮して、事前に指示しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

認可保育所として法令順守責任者を明示して職員に周知しています。園長は、遵守すべき法令等を十分に理解しており、区役所や療育センターなど利害関係者と適正な関係を保持しています。園長は、法令遵守の研修には参加していませんが、幅広く情報を集め、遵守すべき法令等を把握し、職員会議などで事例をもとに話し合っています。園長は、職員に対して遵守すべき法令等を話していますが、職員周知の徹底に不十分との認識を持っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育が抱える現状について評価して、分析と検討を行っています。外国籍で配慮が必要な子どもへの保育について職員と話し合い、子どもの気持ちを大切にしてどのように支援するかを検討しています。園長は自ら保育に入り、改善点など保育の質について指導して、職員が迷わずに保育を行えるように配慮しています。保育の質の向上について、若い世代の職員に、やさしさ、思いやりの必要性を伝えています。お互いに意見を言い合えるような環境に配慮して、職員が保育の質の向上についての意見を反映できるよう取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、在園児の状況を把握し、人事、労務、財務等を踏まえて分析・運営を行っています。加配以上の職員配置については職員に理解してもらい、シフト調整などで経営の効率を図っています。職員と話し合い、コロナ感染予防等を効率化して子どもに接する時間を大切にしています。園長は基本方針の実現に向けて人員配置を配慮し、負担が職員にかからないように、「分担表」などで体制を整えて職員の働きやすい環境整備に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

園が目標とする保育の質を確保するため、「川崎みどり保育園採用について」を作成し、必要な福祉人材や人員体制を明確にしています。必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方・計画を示し、保育担当職員は非常勤も含め全員が保育士の資格を保有しています。採用した職員には、クラブ活動などの団体活動経験のない若い職員もいて、チーム活動の進め方などの育成も実施しています。職員へは個別対応でキャリアパスを考えて育成し、人材を確保しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念に基づき、職員採用について期待する職員像等を明確にしています。小規模保育園であり、常勤・非常勤の職員や経験年数などを十分に把握して、職員とコミニュケーションをとり、人事管理を行っています。園固有の運営を行い、園長と職員は話し合い、法人と調整して人事を進めています。採用の基準は明確にしていますが、配置・異動・昇進等の人事基準は文書化していません。職員と話し合い把握した意見や評価等に基づき、改善策を実施しています。日常、保育について話し合う中で、職員は園長と一緒に将来を考えることが出来るようにしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員個々の就業環境や職員の意向を理解して、必要があれば園長を中心に改善に取り組んでいます。職員の休暇取得や時間外労働を把握して、シフトを組み、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。園長は職員の家庭の状況を重視して、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。園長の思いである『今日も笑顔で・・・』の文章の中で職員への配慮を示し、随時に職員の相談に乗り、職員の健康などの確保に努めています。園長は職員に一人で考え込まずに声に出すことを勧め、小規模保育圏での情報共有とチームワークに配慮しています。特に職員の就業前と就業後にはコミュニケーションを取り、職員の様子を把握して、職員が働きやすい環境に配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園では「期待する職員像」を明確にし、自己評価を実施して、職員一人ひとりの目標管理を行っています。個別面接は定期的には行っていませんが、職員一人ひとりが保育目標を持ち取り組むようにしています。職員の目標設定が、行動が起こせる目標であるかを園長が判断し、その進捗を日々の中で確認しています。小規模で職員も少ないことから、進捗確認等の中間面接は行っていません。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の教育・研修に関する計画を事業計画、年間研修計画として示していますが、「期待する職員像」との関連は示されていません。計画には必要とされる研修を明示しています。コロナ感染症により研修参加が難しくなりました。その反面でWEB研修の機会が増え、時間的に参加しやすくなり、非常勤も含めて職員全員が受講できる研修もありました。今後に向けて、研修の評価と見直しを行い、効率的で有効な研修を検討しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

園長は職員の経験や習熟度、専門資格の取得状況等を把握して研修につなげています。二人の新任職員には、園長が保育に入りOJTを個別に行っています。テーマを選び、年に4回の園内研修を実施しています。保育士や栄養士などの職種別に研修を行っていますが、職員の技術水準に応じた階層別研修、テーマ別研修等の機会を確保するように努力しています。研修参加が残業になり私生活に影響を及ぼさないように配慮しています。WEB研修により非常勤の職員も集合時間内に受講できるように配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

0、1、2歳児の小規模保育園のため、教育実習の依頼が無い状況です。インターンシップ制度による川崎市立高校の生徒を受け入れたことはありますが、実習依頼がないこともあり、実習生の受け入れ体制の整備には至っていません。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページで、法人、保育所の理念や基本方針、保育の活動内容を公開しています。法人として系列保育園の第三者評価の受審を計画的に進めています。重要事項説明書に、苦情・要望等の窓口(受付担当者、解決責任者)や外部の第三者委員を明記して公表しています。苦情等は「苦情受付・解決記録」によって記録し、必要に応じて改善・対応の状況について公表しています。地域へ向けての、理念や園の活動等を説明した印刷物等の配布は行っていません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

川崎市への申請・報告も含めて、園における事務、経理、取引等は法人及び園長が行い、職員等に周知しています。年に1回、事務、経理、取引等について法人による内部監査を定期的に実施しています。園を含めた法人全体の事業、財務について、外部による助言等を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

川崎市を通じて、地域との関わりがありますが、その基本的な考え方などは文書化していません。地域の方への情報提供や地域の行事参加などは行っていません。地域の老人ホームと交流を行い、散歩でのあいさつや近くの神社、公園で他園の子どもと交流をしています。地域からはベビー布団の提供を得たこともあります。子ども・保護者に応じて、地域における療育センターや保育子育てセンター等を利用するよう支援しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティア等への基本姿勢の明示や体制などは整備されていません。園長は近隣の市立小学校の教育推進委員として協力していますが、園として地域の学校協力について基本姿勢を明文化していません。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもによりよい保育を提供するために、関係機関・団体の連絡方法を「かわさき きっず」を活用して適切に連携しています。川崎市保育子育て支援センター、通訳支援事業、児童相談所等の社会資源を明示して、子ども・保護者の状況に対応しています。対応について職員会議で説明し、職員間で情報の共有化を図っています。関係機関と定期的な連絡会等は行っていませんが、問題の解決に向けて協働しています。家庭での虐待等が疑われる子どもへの対応について、川崎市や児童相談所などの機関と連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

川崎市の担当と連携を持ち、地域の福祉ニーズや生活課題等の把握に努めています。地域ニーズにより、外国籍の子どもや特別に配慮を要する子どもの状況を把握しています。地域ニーズを把握する定期的な会議はありませんが、小学校の教育推進員の会議には園長が参加し、協議の中で地域ニーズの把握に努めています。川崎市の「子育て支援事業」に参加して福祉ニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

川崎市の担当と連携を持ち、地域ニーズに応じて、外国籍の子どもを複数受入れています。公益的な事業や活動に関する計画策定には至っていません。「赤ちゃんの駅」登録により園の機能を地域へ還元し、地域の方が保育園を利用できるようにしています。保育に関するノウハウ等の情報を地域に還元する取組や、地域コミュニティの活性化、必要な人への福祉支援などの公益的な活動は今後の課題となっています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念、基本方針は、保育園玄関、事務室内、ホームページに掲示し、職員が折に触れて目にするよう工夫されています。子どもの尊重や基本的人権への配慮について、園内研修を行っています。外国籍の子どもにどのような支援が必要なのか「外国籍の子ども達の理解」についての研修を行いました。職員全員が、子どもや家庭の多様性を十分に認識し、各家庭の状況に応じた個別の対応がどのように必要なのかを具体的に学びました。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護に関する規定・マニュアル等は、機密情報遵守ルールにて職員に周知徹底しています。大通りに面した立地で人通りの多い環境ながら、カーテンを活用し、外部からは見えないよう配慮した保育が実施されています。個人情報が記載された書類は、事務室内で施錠保管し、適正な取り扱いをしています。保護者対応は、話す場所や声の大きさなどに配慮し、わかりやすく伝えられるよう心がけています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用者が保育所を選択するために必要な情報として、川崎市の小規模保育事業等一覧に掲載しています。そこから保育園のホームページに移動することができます。ホームページは、写真や図を駆使し、簡潔でわかりやすく構成されています。見学等の希望にも対応しています。事前予約のうえ、一組ずつ30分程度かけて、実際の保育を見てもらいながら実施しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始にあたっては、入園前に個別面談を行い、基本的生活習慣について聞き取りを行っています。また、3歳以降の保育や就学の意向についても保護者の意向を把握し、子どもと保護者の安定した関係に配慮しています。入園説明会では、保育園の生活や運営について、資料を用いて説明しています。配慮を必要とする外国籍の保護者のために、資料にはふりがなをふり、丁寧にわかりやすく伝える工夫をしています。必要があれば、通訳を介して保護者支援を行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育所等の変更にあたり、保育の利用が終了した後も関りは継続していることを卒園児の保護者に伝えています。施設長が窓口となって、保護者が相談に来たり、子どもと一緒に遊びに来たりと気兼ねなく交流できる環境づくりに努めています。また、保育の継続性に配慮し、進級先にあわせた郵送による引き継ぎ文書の送付、電話での卒園児の申し送りを実施しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者満足を把握する仕組みを整備し、個人面談・保護者交流会・保護者懇談会・保育参観・運営委員会を保育園側から主体的に実施しています。保護者の意向を把握することに努め、子どもを中心とした保育を軸にして検討し、具体的な改善を図っています。利用者満足に関する調査は定期的には行われていませんが、職員は朝夕の送迎時に気軽に活発に保護者とコミュニケーションをとっています。日頃から保護者の意向に触れ、相互理解を深めるよう努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みが確立され、保育園運営規程に記載されています。苦情相談窓口・第三者委員が整備されています。玄関にメッセージボックスが設置され、保護者や職員に周知する取組が行われています。現時点では、保護者の苦情相談はなく、案件がないため報告はしていません。職員は、保護者に積極的に声をかけ、日常的な要望や意見は迅速に対応し、信頼関係を築くよう努めています

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者に対し、入園前から「何でも気軽にご相談ください」と資料の配布や声かけをしています。相談したり意見を述べたい時に、職員に相談しやすいよう配慮し、適切な相談対応と意見の傾聴を実施しています。内容によってはその都度迅速に園長が対応しています。入園後も、保護者を支援する園の取組が積極的に示せるよう、相談に関する文章の配布が期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの相談や意見を積極的に把握し、相談内容をすぐに確認しています。職員全員で共有し、改善課題を明らかにしたうえで、保育の質の向上に反映させています。また、意見等に対して丁寧にわかりやすく保護者に回答する仕組みを確立しています。職員がシフトで勤務しているため組織的な対応は困難な状況です。判断に迷う際にはすぐに園長に連絡しています。この仕組みを重要事項説明書に掲載していますが、手順などわかりやすく示した対応マニュアルの策定が望まれます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

安心・安全な福祉サービスの提供のため、ヒヤリハットを報告し、収集した事例への適切な対策をとっています。水遊びマニュアルや散歩、不審者対応のマニュアルも整備しています。安全チェック一覧などを使い、日々の保育でも気になることは職員共有ノートを活用し、声に出して確認するなど、再発しないよう園全体の問題としてとらえています。また、外部研修に参加し、危険への気づきを促しています。子どもの安全確保・事故防止に配慮しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの安全確保のため、感染症対策を行っています。玄関横に感染症情報を掲示して、保護者への情報提供を行っています。また、職員は園内研修で看護師より感染症について学び、感染症マニュアルを確認しています。季節や保育の提供場面に応じた適切な対応をしています。現在流行している新型コロナウイルスに対しては、消毒や換気などの予防を行う一方、それが職員の過度な負担とならないような体制の工夫をしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応体制が決められています。防災計画や洪水計画を定めて、消防署と行政に提出しています。開園前、17時以降に地震が起きた場合の対応は、別途職員周知の資料を作成しています。立地条件から、多摩川が氾濫した場合には1階が水没する影響を受けるため、垂直非難を行うことを決め、2階の事務室に備蓄をしています。防災計画等を整備し、毎月さまざまな災害を想定して避難訓練を行い、「訓練記録」に残しています。子ども、保護者及び職員の安否確認の緊急連絡網を整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

園では「今日も笑顔で・・・」(職員版/園長版)にて保育への姿勢を明示し、さらに「標準的な実施方法」を文書化しています。「今日も笑顔で・・・」には、子ども主体の保育、公平な心、安全管理等に関わる姿勢を示しています。標準的な実施方法について、開園から閉園までの基本を記載して、土曜日の手順、災害時対応等についても明記しています。標準的な方法で実施しているかについては、日常の行動や面談で確認していますが、確認する組織的な仕組みはありません。園は小規模園であり、職員全員が個々の子どもを理解し寄り添いながら保育を行っており、画一的な保育とはなっていません。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

見直しの時期や方法を決めていませんが、園長が毎年の状況に合わせて保育の実施方法を確認・見直して、子どもたちに合わせて修正しています。見直し結果は、必要に応じて全体的な計画や年間指導計画、月度保育計画、週日指導計画に反映しています。見直しにあたり、職員会議や運営委員会、保護者懇談会等からの意見や提案を反映するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

クラス担任が指導計画を作成し、園長の確認を得ています。入園前に関係者からの情報を得て、子どもや家庭の情報を確認しています。アセスメントは手順を決めて実施し、必要に応じて関係者に相談しています。全体的な計画に基づき、子どもと保護者等の具体的なニーズにより年間計画、月案、週案・日案と指導計画を作成しています。指導計画に基づく保育実践については、作成担当の常勤職員及び非常勤職員で共有しています。外国籍の支援困難ケースへの対応では、子どもだけではなく保護者の状況も含めて検討し、関係者と協力して適切な保育の提供につなげています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもたち一人ひとりの計画を、状況や変化に応じて見直しています。乳児の保育では成長発達の度合いや家庭の状況が変化しやすいため、随時に見直して修正しています。指導計画の見直しについて、園長や職員会議等で検討しています。小規模保育園であるため職員全員ですべての子どもに注意を払い、保育現場に入る園長も確認しています。指導計画の評価・見直しにあたっては、常勤職員が担当者となって行い、変更した内容を、職員全員に周知しています。見直しや評価した結果は次の指導計画の作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活状況等は、「週日指導計画・日誌」によって把握し記録しています。「週日指導計画・日誌」には、指導計画のねらいや保育者の援助と配慮等も記入できるようになっており、計画と実施を記録で確認することができます。記録する職員によって記録内容に差異が生じないよう、園長が確認してサインするようにしています。職員のシフトも必要な情報が的確に届くように、職員会議議事録に全員のサイン欄を設けて周知の徹底を図っています。コンピューターネットワーク等を通じて情報共有を徹底する仕組みは今後の課題となっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

「機密情報順守ルール」「運営規定」等により、子どもの記録の保存や廃棄、情報の提供に関する規定を定めています。記録管理の責任者を園長と定め、個人情報の不適正な利用の事例を取り上げて、園内での研修を行っています。職員に個人情報保護を伝え、外部の人の目につくところに書類を置かないことが習慣となるように指導しています。個人情報の取り扱いについて、入園時などで保護者等に説明しています。書類は保育室、別階の事務所のそれぞれで保管するもの、鍵のかかるところに保管するものを決めて実施しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、保育所の経営理念、基本方針に基づいています。乳幼児の特性を理解し、保護者と共に子どもの成長を育んでいけるよう、園長と保育に関わる常勤職員で作成しています。子どもの発達過程については、継続児がどのような成長をしているのか、育ちの連続性に留意しながら、具体的な姿を意識しています。そのうえで、各成長段階を踏まえた教育、指導に関する大きな枠組みを丁寧に作り上げていきます。外国籍の子どもが多い地域の実態に応じるため、入園前に面接を行いどのような支援を行うべきかを計画に反映させる必要があります。宗教・文化・習慣の理解など園全体での配慮が必要とされ、養護・教育・食育の観点から創意工夫をして作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育園の環境は、生活にふさわしい場として、常に子どもが心地よく過ごせるかを考えて整備しています。大通りに面した環境ながら、外の騒音は聞こえません。また、大きなガラスの扉から採光を取り入れながら、室内の様子が外から見えないようすりガラスが採用されています。夏場には扉を開放し、環境に配慮して水遊びを行うこともできます。家具や遊具の素材・配置等も工夫され、歩く前の乳児がいる場合はフェンスで隔てて、安全を確保できるようにしています。年齢ごとに過ごす際にはパーテーションを使用して空間を確保するなど、危険を回避しながら楽しく安全に過ごす方法を工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員全員が、一人ひとりの子どもの様子を理解・受容し、対応しています。子どもの発達過程に留意し、外国籍の家庭環境から生じる個人差を十分に把握しています。子どもの気持ちに寄り添い、温かい気持ちで援助をする保育を実践しています。職員と十分にスキンシップをとり、気持ちを満たしながら落ち着いて過ごせるよう適切に対応しています。保育の流れの中で、せかす言葉を不用意に用いてしまう場面があったと反省する職員がおり、改善すべき課題として今後園内研修を行うことになりました。作業や時間にとらわれないためにはどうするべきか意見を出し合い、意識の共有を図っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの子どもの発達にあわせて、その子どもに見合った生活習慣を身につけられるよう柔軟に対応しています。トイレでの排泄に慣れるように排泄の間隔に留意し、強制することなく成功体験が増えるよう援助しています。また、食事の際には、スプーンやコップを自分で持ちたい気持ちを尊重しています。子どもの日々の情報が保育現場では大変重要であると認識して、迷わない援助につなげています。子どもの様子をどれだけ把握できているかに、常勤と非常勤職員の間で差が生じています。どのように情報を伝達し共有していくか、またチームワークを高めていくかを課題として取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもの年齢や発達に応じて安全性に配慮しながら、子どもが自己を発揮できるように、くつろいで過ごせる保育環境を整備しています。職員全員が、子どもの思いを受容しながら、日々の生活や遊びを工夫しています。安心して過ごせる室内・戸外の環境を整えることにより、五感の働きを豊かにし、明るく伸び伸びと行動することができます。職員は、その生活の中から、少しずつ自主的・自発的に物事に取り組む気持ちが芽生えてくる様子を見守っています。また、異年齢保育を行っているため、日常的に全園児で遊んだり、活動内容によっては年齢分けをして、いろいろな友だちと人間関係が育まれるよう援助しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児が安心して過ごせる環境を整備し、思い切り元気に手足を動かしてずりばいやハイハイが楽しめるよう配慮しています。誤飲するような玩具は避け、発達過程に応じた玩具を目に付くところに置き、手に取ってみようと思える環境構成にも気を配っています。家庭と連携しながら、生活リズムを整え、安定した生活を送る心地よさを感じられるよう支援しています。外国籍の家庭とは丁寧に面談を行い、川崎区の栄養士に相談・来園してもらい、生活リズムと離乳食の大切さを伝えました。家庭と連携を密にすることで、より心地よい保育園生活が送れるよう努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

環境については、子どもが過ごしやすいことを一番に考えて適切に整備しています。全職員が担任の意識を持ち、子どもの思いや気持ちを尊重して見守っています。また、興味関心を示した様子を大切にし、自発的な活動ができるよう職員が関わっています。自己主張によるトラブルも多くなり始める年齢になりますが、子どもの自我の育ちは、受容的・共感的な態度で見守りながら、友だちとの関わりの仲立ちをしています。昨年度より、子育て支援センター・療育センターと連携し、計画的な環境の構成とより手厚い援助が行えるように努めています。保護者にも保育園での様子を伝えて、家庭と信頼に満ちた連携が図れるようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

0歳から2歳児の保育園のため、3歳以上児のための環境の整備を行っていません。2歳児の秋以降において、来年以降の見通しを立てた保育を心がけています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

職員は、障害のある子どもの保育についてキャリアアップ研修や園内研修により必要な知識や情報を得ています。配慮を必要とする子どもが、落ち着き安心して生活できる環境を整備しています。職員を1名加配し、細やかな支援を行うことで、保育園全体の活動がスムーズに行えるよう、また、職員に過度な負担がかからないようにしています。保護者には園での様子を伝えるほか、繰り返し面談を行い、適切な情報を伝える取組を行っています。現在は、療育センターから専門的な助言を受け、3者が連携して子どもにあった速度で成長発達が促される保育を目指しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの1日の生活状況についての職員間で連携し、共有しています。引き継ぎの際には、正確に伝達を行い、保護者や子どもが不安にならないよう取り組んでいます。長時間にわたる保育では、活動と休息のバランスに留意しながら、穏やかに過ごせるよう、欠かさず配慮を行っています。保育園生活の1日の流れは設定していますが、子どもの様子にあわせて予定を組み立て直すなど、保育の工夫も行っています。担当保育士と保護者との連携については、連絡帳を活用するほか、送迎時の笑顔での声かけを通して信頼関係を築き、安心して子どもを預けられる保育園であるよう努めています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳までの保育のため、実施していません。園長が近隣の小学校の教育推進委員のため、小学校の様子等を聞くことができます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理に関しては、身体測定・健康診断・歯科健診・健康観察・発育発達状態の把握・新型コロナウイルス感染拡大予防などを行っています。職員と調理員、嘱託医と連携し、子どもの健康状態に関する情報を共有しています。子ども一人ひとりの健康観察票を毎日記入し、心身の状態の把握に努め、記入事項やメモは、早番から遅番へ情報伝達に活用しています。乳幼児突然死症候群に関しては、定期的に子どもの呼吸・体位・睡眠状態をチェックするのはもちろんのこと、温かい気持ちで見守る大切さについても全職員で実施しています。保護者に対し、運営規程で緊急時等における対応方法と感染症について周知するほか、入園資料にも「体調について」でお知らせし、保育園での取組について理解を得ています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科健診の結果は、定期健康診断・歯科健診ファイルに記録され、職員全員に周知しています。健康診断の結果は、連絡帳に記載し、場合によっては口頭で保護者に伝えています。また、保育室内には、保護者が見やすい位置に保健だよりが掲示され、日常的に健康への意識が高められるよう配慮しています。診断結果に基づいて嘱託医の指導を反映した保育を行っています。2歳児からは、歯ブラシとコップを持参し、自分で歯を磨く指導をしています。口の中をきれいにする習慣が少しずつ身につき、歯磨きが子どもの生活習慣の一部になるよう促しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに関して、診断書他を健康管理委員会に提出しています。子どもの状況に応じた適切な対応に努めています。保護者には、アレルギーに関する十分な聞き取りを行います。除去食を実施する場合には、毎月除去食項目を記載したシートと献立表を一緒に渡して、確認をしてもらうなど、双方の連携を密にして、保育園での生活に配慮しています。除去食は、ほかの子どもたちとの相違に配慮するために、専用トレイとカードを用いています。さらに、調理師、園長、職員の3重チェックを実施し、組織的に対応する体制を確立しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

保育室には、今月の献立表が保護者の目につきやすいように掲示されています。保育園内で調理される昼食は、子どもの成長や状況に合わせて提供し、食事を楽しむことができるよう、清潔で安全な環境を整えています。新型コロナウイルス感染症予防のため、子ども同士が向かい合わないよう配慮しています。また、ゆったりと落ち着いて食事がとれる環境・雰囲気づくりの工夫をしています。発達段階に応じた食事を提供するだけでなく、苦手なものも職員の言葉かけによって少しでも食べられるように援助し、外国籍の子どもに対しては、食事の習慣の違いがあるため、何度も保護者と話し合い、その気持ちに寄り添いながら、食事の方法や量などを工夫しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

衛生管理については、調理員が毎年研修を受け、専門知識の向上に努めています。毎月給食会議を実施し、季節の食材を取り入れています。調理員は、毎朝園長とその日の献立の提供について打合せを行ってから調理を開始しています。それによって、一人ひとりの子どもの体調に考慮した提供ができています。病後の子どもがいる場合などには、その日はご飯を少し柔らかめに炊いたりと、きめ細やかな配慮をしています。調理室は保育室の横にあり、調理員は子どもの様子を感じながら調理を行っています。日々子どもたちが食事をする様子を見ながら、献立や調理の改善に役立てています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの生活を充実させるために、保護者交流会・保護者懇談会・保育参観・個人面談を実施し、家庭との連携を図っています。保育参観については、希望があれば随時行い、必要な場合には個人面談を実施し、家庭と保育園での子どもの様子について話し合い、保護者の理解を得るよう努めています。国籍や文化の違いを理解し、尊重して対応することを心がけ、内容に応じて保育に反映させています。全て記録に残し、日々の保育に必要な内容は、職員ノートに記入して全職員が情報共有しています。日常的には、連絡ノートだけでなく、朝夕の送迎時における保護者との会話を重視し、相互理解を深めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者との日々のコミュニケーションについては、連絡帳だけではなく、朝夕の送迎時における会話をとても大切にしています。職員には、登降園時の保護者対応についてマニュアルを配布し、保護者と信頼関係を築く大切な時間であると共通認識しています。保護者には、保育所の特性や保育士の専門性を活かした援助を行っています。相談を受けた職員が適切に対応できるようマニュアル化し、無責任な対応は行わないよう指導し、難しい場合は園長が速やかに対応する体制を整えています。相談内容は職員ノートに適切な記録を行い、全職員で情報を共有しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は日常的に親子に接しています。そのため、それぞれの心身の状態と家庭での養育の状況を把握し、虐待等権利侵害の可能性を早期発見、または虐待を予防できる立場であることを理解しています。送迎時における保護者との会話の際にも、その様子に気を配っています。いつもと違うと感じた際には、すぐに全職員で情報を共有し、対応を協議する体制を整えています。保育時間中は、子どもの様子を観察し、確認を行います。特に登園時や保育中の衣類の着脱・排泄の際には、マニュアルに基づいて視診を丁寧に行っています。児童相談所等の関係機関と連携し、保護者と子どもを見守る体制を整えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は、年4回の園内研修にて定期的に自己評価を行い、保育実践の振り返りを発表します。自己評価を共有することで互いに学びあい、保育内容の問題点や課題への気づきを促し、保育の専門家としての自覚と資質の向上に努める意識を高めています。研修で自分を振り返るコツを学び、前回の評価からどのような結果を得たのか主体的に考え、そして今後にどのようにつなげていくかを丁寧に文章化することを心がけています。自分が達成できたと感じたらその先へ前進していく意欲を持てる自己評価を積極的に行っています。園長は、個人の自己評価を保育園全体の自己評価として受け止め、全員が同じ方向を向いて保育を行えるよう配慮しています。