川崎市中央療育センター(入所施設)
第三者評価機関名 | 株式会社フィールズ |
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名称 | 川崎市中央療育センター(入所施設) | 評価対象サービス | 障害者・児福祉サービス版 |
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対象分野 | 障害児入所施設(福祉型) | 定員 | 50 名 |
所在地 | 211-0035 川崎市中原区井田3-16-1 |
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TEL | 044-754-4563 | ホームページ | https://www.douaikai.com/ccrc/ |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2013年04月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人 同愛会 | ||
職員数 |
常勤職員:47 名
非常勤職員:7 名
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専門職員 |
看護師:2 名
言語聴覚士:1 名
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施設・設備の概要 |
居室:52
事務室 プレイルーム 相談室 会議室 医務室 静養室他:
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理念 「人生(存在)への支援・援助」 基本方針 1.法人は利用する人たちのQOLを高める仕事を創る 2.法人は利用者にかかわる人たちのニーズに応える仕事を創る 3.法人は職員が仕事を通して自己実現を図る組織を創る 4.法人は福祉文化の担い手として地域に貢献し、地域とともに生きる 5.法人は利用者と共に社会参加を実現する活動・生産を創る 6.法人は当事者運動を支援する |
川崎市唯一の福祉型障害児入所施設として、就学前の児童から18歳を超過したいわゆる加齢児が在籍している。 入所している児童の大半が児童相談所からの措置という形で、虐待を受けて入所している児童も少なくない。 心身の発達において重要な幼少期から青年期に重要な愛着形成、基本的な生活習慣やマナーを獲得していただく支援を行っている。 退所後の支援として、在宅(家庭復帰)が可能な方については児童相談所や学校と連携し、本人や家族のニーズに応えるよう努めている。 また18歳を過ぎた児童の支援としては、日中活動、住まいについて本人の希望をベースに他機関と連携し、成人施設、グループホーム、独居等の希望する生活の形を叶えるよう努めている。 |
評価実施期間 | 2019/10/07(契約日) ~2020/05/26(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 初回 回(年度) |
特に評価の高い点 | 1)入所部門と通所部門が連携して利用者支援をしています 川崎市中央療育センターは、入所部門と通所部門が併設され、両部門を合わせて、川崎市が同一法人を指定管理者としている施設です。評価の対象は50名定員の入所施設ですが、両部門が密接に連携して、質の高いサービスの提供に取り組めるように職員体制が整えられています。施設運営を担う「防災委員会」「研修委員会」「給食委員会」「医療的ケア委員会」等は、合同で設置されており、それぞれの人的資源等が有効に活かされています。通所部門に配属されている理学療法士や作業療法士は、入所の利用者の機能訓練、生活訓練についての指導、助言をしたり、訓練計画の評価、見直しに関わっています。 毎年、合同で開催している「は~ぁと祭り」には、大勢の保護者や地域の方で賑わい、入所の子どもが地域の方と触れ合う良い機会となっています。両部門の園庭は相互利用が出来るようにつながっており、大型遊具、ブランコ、砂場、シーソーなどで両部門の利用者が楽しんでいます。 2)自分の意見を言える場を大切にしています 施設長は、中高生を対象に月1回、「対話会」を行っています。利用者は3~5人の単位で集まり、職員や学校への意見や要望、将来のことなどをざっくばらんに語り、施設長は傾聴に徹しています。また中高生は不定期に「こども会議」を開いています。これはゲームやビデオのルールなど生活場面に問題が生じた際に、利用者が開催するもので、職員のサポートは開催時期の助言に留めています。 こうした支援は、自分の意見を言える場である自治会づくりへのステップと位置付けています。 |
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改善を求められる点 | 1)事業計画を利用者等に周知する取り組みが期待されます 年度の事業計画が策定されていますが、利用者・保護者等への周知が十分ではありません。職員は、利用者の日常生活や活動に対する支援に取り組む中で、利用者とコミュニケーションをとり、その成長に寄り添えるように努めています。 支援の基本となる事業計画をより分かりやすく説明し、理解を得ることも必要です。利用者や保護者向けに、分かりやすい事業計画を説明した印刷物を作成するなどの工夫が期待されます。 2)目標管理制度の活用が期待されます 施設長は、職員と定期的に個別面談を行い意思疎通を図る中で、年度の目標についても話し合っています。「目標管理制度」の目標は、組織における「期待する職員像」「基本方針」等を踏まえた施設の目標を明確にしたうえで、職員個人の目標を設定することが求められます。 施設の目標と連携した個人の「目標項目」「目標水準」「目標期限」が設定できる書式など、目標管理制度の充実に工夫されることを期待します。 3)自己評価の継続的な取組が期待されます 第三者評価実施における施設の「自己評価」は、各ユニット、部署ごとに合議を行うなど全職員参加のもとに実施され、様々な気づきのある良い取組になりました。「自己評価」は、毎年度の事業実施を振り返るために有効な取組です。「各評価項目の判断基準に関するガイドライン」等を参考に、施設の特性に合わせた自己評価項目を設定して、施設独自の「自己評価」に継続的に取り組まれることを期待します。 「自己評価」を実施する過程で、職員同士や管理職と職員間での課題の共有ができるという効果もありますので定期的な実施検討が期待されます。 |
第三者評価にあたり、グループごとに職員が話し合って自己評価を行うことで、多くのことに気付き情報共有することができました。この自己評価を討議してまとめることで施設の状況把握も出来ました。事業所調査では膨大な資料を丁寧に読んでいただき、誠実に対応していただいたことに感謝いたします。 第三者評価結果については真摯に受け止め、さらなる運営改善に役立てることを通じて、利用されるお子さんやご家族の最大の利益に寄与する運営を目指して参りたいと思っております。 すべての項目において今回よりもよい評価を目指すということはもちろんのこと、施設の枠を超えた、項目にはない独自性や、児童施設であれば懐の深さや温かさのようなものを推し量って評価していただけるよう、今後も新しいものを生み出す施設でありたいと考えております。 |
詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:b】 法人の理念、基本方針のもと、施設の理念を策定し、施設のホームページ、パンフレットに記載されています。施設の理念は、障害児入所施設のサービス内容や特性を踏まえた施設の福祉サービスの方向性を示す内容であり、職員の利用者支援の指針となるものとなっています。理念や方針について、職員には年度の事業計画を説明する際などに周知しています。家族、利用者には入所時に「事業案内」や「重要事項説明書」により説明していますが、より分かりやすい資料を作成して周知状況を確認し、継続的な取組を行うまでには至っていません。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 定期的に開催される県・市の児童施設関係の会議や法人の経営会議に参加して、社会福祉事業全体の動向や地域の各種福祉計画の策定動向について把握しています。最近の経営環境の変化や課題としては、市内での人口急増地域での福祉ニーズの増大、育児放棄など虐待事例の増加、軽度の入所者の増加などへの対応が求められています。法人内では、福祉型入所施設と医療型入所施設の動向について情報収集して分析しています。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:b】 毎月開催している法人の経営会議では、法人の組織体制、人材育成、財務状況等について現状分析して事業計画の策定に取り組んでいます。経営状況や課題については、年4回開催の理事会で意見交換をするなど役員間で情報共有をしています。現場では日々の利用者支援への取り組みが中心となり、経営課題等についての職員への周知は充分になされていない状況です。毎年の収支予算策定の中で、収支のバランスを図るための取り組みをしています。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:b】 指定管理期間の中・長期計画が策定されており、「関係機関(児童相談所)との連携」「職員の確保と勤務体制」「研修等の質の向上」「利用者の健康管理、衛生管理」「「利用者の意向の把握」等、取り組むべき具体的目標が掲げられています。現在、多数在籍している高校2年生が来年度退所になるため、喫緊の課題として受け入れ先の確保などに取り組んでいます。退所後のアフターケアをどうするかも課題となってます。中・長期計画は、これらの課題を踏まえた見直しがなされていません。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:b】 中・長期的な課題を踏まえて単年度の事業計画を策定しています。単年度の計画での課題としては、入所してくる障害児が軽度化している中で、施設でどのように支援し、地域生活に移行させていくのか、移行後のアフターケアをどうするのか等を掲げています。しかし、この事業計画は、課題設定をしていますが、数値目標や具体的な成果等の設定が十分とは言えず、必ずしも実施状況の評価を行える内容にはなっていません。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:b】 来年度の指定管理者選定に向けて、法人の事業計画の重点項目として、「施設の安定運営、運営強化」を掲げています。この法人の事業計画及び施設の事業計画について、職員会議で職員に周知し、理解を得る取り組みをしています。しかし、事業計画策定に当たっては、職員の参加は得られていません。また、指定管理施設であることから事業を進める上で市との緊密な連絡調整が必要ですが、市の予算との関係で事業計画の見直しなど迅速な意思決定が難しい事例もあるとのことです。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 事業内容については、契約により入所する利用者の家族等には、契約時に重要事項説明書に沿って説明しています。措置により入所する場合は、利用者や家族等に児童相談所で対応していますので、施設で説明する機会はありません。毎年度の事業計画については、川崎市や児童相談所に説明、周知を行っています。利用者等の状況を判断して市や児童相談所が周知を行っており、施設からは利用者等への説明資料は作成していません。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:b】 サービスの質の向上については、学校や家族との関係を含めて検討しています。定められた年齢まで施設で生活することを前提に居心地の良い環境づくりをするだけではなく、家に帰って生活できるようにする取り組みもしています。そのために、利用者と家族との関係づくりにも力を入れています。また、社会に出てからの生活をする力を身につける支援をしています。学校から下校途中の不適切行為等については、利用者が理解できるように繰り返し丁寧に説明するなど、適切な社会生活が身に付くように支援しています。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:c】 これまで、第三者評価及び自己評価を実施したことはなく、今回初めての取り組みとなります。今まで施設独自の評価や自己評価を行っての改善策は実施していません。今回の第三者評価に基づく自己評価は、各ユニット、部署ごとに協議して、職員参加のもとに実施しています。自己評価の中で、情報、課題等について、職員間の周知・共有の状況が確認されました。施設では、今回の自己評価や第三者評価の結果を踏まえ、課題の明確化や改善計画などについて検討していきたいと考えています。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:b】 施設長の役割と責任は、「運営規程」の中に「管理者は、事業所の従業者の管理及び業務の管理を一元的に行うとともに、従業者に対し法令等を遵守させるために必要な指揮命令を行う」と明記しています。施設長は、事業計画策定の中で、自らの方針と取り組みを明確にして、職員会議等で職員に説明し、周知を図っています。職員には、子どもの将来を見通した支援や処遇の見立てが出来るように指導しています。しかし、施設長の役割と責任について組織内の広報誌等に掲載し表明するなどの取り組みまでは行っていません。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、県主催の人権や虐待防止に関する研修に参加したり、法人内の勉強会に参加して遵守するべき法令等について理解を深めています。法人では「業務管理体制整備規程」(法令遵守規程)を策定し、法令遵守の体制を整備しています。職員は、法人内ネットワークで関係規程等を確認できるようになっています。各事業所ごとに法令遵守の担当者設置、内部監査の体制、緊急事態の対応などを定めています。「組織、職務権限規程」では、事案の重要度に応じた事務決裁権者を定め、適正な業務執行に努めています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、定期的に行われるユニットごとのモニタリング会議等に参加して、利用者サービスの状況を把握し、サービスの質向上に向けて積極的に指導力を発揮しています。施設内に、広報、防災、研修、衛生、ヒヤリハット、虐待防止などの委員会を設置し、職員が主体的に業務に取り組めるような体制を整備しており、施設長も積極的に関わっています。施設長は、会議や業務を通じて日常的に職員と意見交換をするほか、年2回の個人面談の場でも、個別に職員の意見を聞き、業務改善に向けて指導をしています。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、自施設についての人事、労務、財務等の状況を踏まえて、毎月開催される法人の経営会議に参加して、法人としての経営改善に向けた意思決定に参画しています。指定管理施設ですので、市の所管課とも緊密に連携して適切な業務執行に取り組んでいます。職員の働き方改革として、有給休暇取得促進に向けた取り組みを進めており、職員の充足にも力を入れています。新年度には、計画通りの職員採用、配置ができる見込みになり、業務の実効性を高めることが出来る体制づくりが出来ています。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:a】 職員には、利用者支援のためには、専門分野だけでなく、政治、経済、人文にも通じた総合力を持つことが必要であることを伝えています。人員体制については、職種ごとに必要な配置数を定めており、充足できるように採用計画を策定しています。職員採用や研修等の人材育成は川崎エリアの事業所が合同で取り組んでおり実効的な取り組みとなっています。次年度は計画通りの職員が採用・配置できる見込みとなっています。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 施設長は、職員には、視野を広くして、考えを自らの言葉で伝えられ、応用力のある職員像を期待していますが、「期待する職員像」を明文化したものは確認できませんでした。昇進、昇格については、経験、年齢、実績、リーダーシップなどを総合的に評価し、本部に推薦する仕組みになっていますが、その基準等は職員には周知されていません。人事考課制度については検討中ですが、まだ実施されていません。また職員が自ら将来の姿を描くことが出来るようなキャリアパスなどの仕組みも整備されていません。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、労務管理の総括的な責任者となっており、児童発達支援管理責任者は、職員の勤務シフトを編成する際に、職員の有給休暇等の意向を反映しています。施設長は定期的に職員と個別面談の場を持ち、職員の意見を聞いたり相談に応じています。ハラスメント防止等のための施設内相談窓口を設置し、ストレスチェックや外部の心理相談を受けられる制度について職員に周知をしています。職員が主体となって進めている利用者が楽しみにしている旅行や行事の企画・実施は、職員にとってもやりがいになっています。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 施設長は、職員との個別の面談でコミュニケーションを図り、その中で年度の目標についても話し合っています。しかし、目標は、組織として定められた書式での「目標項目」「目標水準」「目標期限」が設定されたものにはなっていません。年度当初に職員の目標等について話し合い、10月に取り組み状況等を確認し、話し合いの内容は記録していますが、目標管理制度の仕組みとしては十分なものとはなっていません。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:b】 施設長は、職員会議等で「期待する職員像」について説明していますが、基本方針や計画の中には明示されていません。研修は、施設内に設けられた「研修委員会」で計画策定と実施をしています。研修受講者は、報告書を作成し、感想や職務に活かせる内容を記載しています。しかし、組織として、定期的な研修計画の評価や見直しをするまでに至っていません。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 新任職員、2年目職員には、経験や業務の習熟度に応じて、主任クラスの職員から適切なOJTが実施されています。看護師や言語聴覚士等への専門職研修や各階層別の研修も用意されています。外部研修の情報については、社内ネットワークで周知するとともに、施設内掲示板に掲示して受講を推奨しています。勤務表を作成する際には、研修に参加できるように配慮しています。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:b】 保育士の実習生を積極的に受け入れており、職員採用にも繋がっています。実習では、ユニットに入って利用者と一緒に日課を行い、生活を共にすること、通学している学校との関わりを見てもらうことを重点にしています。養成校とは、効果的な実習が行えるように連携して取り組んでいます。受け入れマニュアルは整備されておらず、指導者に対する研修も十分には行われていません。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:b】 法人や施設のホームページに理念や基本方針、事業報告、財務諸表等が公表されています。第三者評価については今回の初めての受審を踏まえて、公表等について検討していく考えです。「広報委員会」では、隔月で「ミニ・は~ぁと通信」を発行しており、施設での活動や家庭でも役立つ専門的な情報を分かりやすく発信しています。通所部門と合同で毎年10月に開催している「は~ぁとまつり」には広く地域の方を招いて、施設への理解を深めてもらっています。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の「組織・職務権限規程」により、職務分掌と権限・責任が明確にされており、適正な事務・経理手続きが行われています。施設の事務・経理処理や業務執行については、定期的な内部監査を受けるとともに、外部の公認会計士による会計監査や指導を受けています。職員は、法人内のネットワークで「組織・職務権限規程」を始めとする諸規程をいつでも閲覧、確認ができるような仕組みになっています。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人の基本方針には「地域に貢献し、地域と共に生きる」とあり、地域との関わり方についての基本的な考え方を表明しています。地域の夏祭りに参加して神輿を担いだり、施設の「は~ぁとまつり」に地域の方を招待して地域との交流を進めています。「は~ぁとまつり」は、多くの地域の方やボランティアの方が参加され、大変盛り上がる行事になっています。利用者は、買物等にバスや電車を利用して出かけており、必要に応じて職員が付き添っています。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:b】 施設内に、通所部門と合同のボランティア委員会を設置し、受け入れ手続きを明文化して、ボランティアの受け入れ体制を整えています。現在は、読み聞かせのボランティアと児童のフルート指導のボランティアが定期的に来所しています。施設の特性上、小学校児童の職場見学、中学校生徒の職場体験、高校生のインターンシップを受け入れることは難しい状況です。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者に対する医療ケアを提供する施設をリスト化して、必要な時に適切、迅速な対応が出来るようにしています。関係機関の情報については、職員会議やユニット会議で職員間で共有するようにしています。区保健福祉センター、児童相談所、学校等の関係機関とは、定期的に会議を開催するなど、連携して課題解決に取り組める体制を構築しています。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 市の児童相談所、障害計画課が出席する入所調整会議で、地域の福祉ニーズを把握しています。人口増加に伴い、市内唯一の福祉型障害児入所施設へのニーズも高まっています。候補児童の多くは知的障害が軽度で、被虐待児、社会的養護を必要とする児童などです。未就学児の入所相談も増加しており、求められる機能は社会問題を反映しています。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 地域学習委員会では、事業計画に基づき関係機関向け、保護者向け、地域住民向けの講座をそれぞれ企画・運営しています。今年度、関係機関向けには摂食機能について、保護者向けには発達障害をテーマとし、計160名以上の参加を得ています。講座開催時のアンケートによりニーズ把握をしています。広報委員会は、広報誌を隔月でホームページに掲載し、言語聴覚士、作業療法士、心理士などが子育てのヒントを発信しています。地域との協定により、災害時の二次避難所としての機能を有しています。まちづくりへの貢献は課題です。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 「障害者虐待防止・権利擁護等に関する指針」では権利擁護の理念、支援の標準的実施方法、支援者の基本意識と行動基準等を明文化しています。新入職員へ周知を図っていますが、全職員への周知徹底は課題となっています。毎月「虐待防止委員会」を実施し「虐待防止マニュアル」を策定済です。年1回、利用者・保護者・児相・学校・入所支援施設等の出席で「人権擁護・虐待防止対策委員会」を実施し、人権擁護等に係る状況把握や評価を行っています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 「障害者虐待防止・権利擁護等に関する指針」では、「プライバシーの尊重」を明示し、排泄支援の指針にも反映しています。職員への指針の周知は課題です。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:b】 約9割の利用者は児童相談所からの措置入所で、当該児童には入所前に児童相談所が必要な情報提供を行っています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:b】 サービス開始時は、契約入所児童に対しては、利用契約書及び重要事項説明書を用いて説明を行い、書面にて同意を得ています。措置児童については、児童相談所が入所を決定し、必要な事項の説明を行っています。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 進路決定に向けて、行政、児童相談所、学校等の関係機関とケースカンファレンスを行い、円滑な移行に向けて必要な情報共有や検討・調整を行っています。退所後は、移行先の関係事業所等からの招集や、本人からの要望がある場合は、主任等がカンファレンスに出席し、サービスの継続性に配慮した対応を図っています。退所後も馴染みの職員あてに利用者から相談の電話や来訪があり、職員は親子関係や生活の悩みなどを共有しながら「実家」の様な役割を果たしています。退所後の相談窓口の定めや文書はありません。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 様々な機会を捉え、利用者満足の把握に努めています。 施設長は月1回、中高生を対象にユニット毎に3~5人の単位で「対話会」を行い、職員や学校への意見、将来のことなど、利用者が自由に意見を述べ合う機会としています。利用者が運営する「こども会議」は、中高生の中でゲームやビデオ視聴など生活上の問題が生じた際に開催し、利用者の司会により話し合いを行っています。また、第三者委員が定期的に来訪し、利用者から意見聴取を行っています。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:b】 「苦情解決要綱」に基づき、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置し、苦情解決の体制を整備しています。「重要事項説明書」に苦情解決体制を明示し、契約時に説明を行っています。苦情解決の仕組みを利用者にも分かり易く説明した掲示物は確認できませんでした。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:b】 利用者は施設長、主任、担当、副担当、看護師など、相談しやすい職員に随時相談することができます。施設長が行う「対話会」や、中高生が開催する「こども会議」においても自由に意見を述べることができます。第三者委員や、児童相談所の児童心理司・児童福祉司など、職員以外の相談者に相談することも可能です。個別相談の際は居室や応接室など相談しやすい環境に配慮しています。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:b】 施設内の「対話会」や中高生が行う「こども会議」、第三者委員訪問、児童相談所職員による相談など、利用者が相談しやすく意見を述べやすいように、様々な機会を設け、利用者の意見を積極的に把握しています。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:b】 ヒヤリハット委員会を毎月開催し、ユニット毎に収集したヒヤリハット事例の検証を行っています。再発防止策の実施状況や実効性についての定期的評価・見直しは不十分です。委員会後は、各ユニット会議で委員を中心にヒヤリハット報告、事故報告書の読み合わせを行っています。また速やかに周知を要する事項については社内メールのほか、各ユニットの朝夕の職員の引継ぎ時に周知を図っています。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 各ユニットの代表者、看護師等を構成員とする衛生委員会を設置し、月1回、委員会を開催しています。各委員は各ユニットに内容を持ち帰り、職員に周知を図っています。施設内では、看護師を中心に、感染症対策についての講習や嘔吐物処理の実地研修などを行っています。ユニット会議では、うがい、手洗いの徹底など感染防止への注意喚起を図っています。感染症予防や発生時の対応等は「衛生マニュアル」に基づき行っています。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 防災委員会により、災害時の役割分担や、安否確認の対応等についての検討が図られています。毎月避難訓練を行い、近隣の消防署に協力を仰いでいます。非常食など災害時の備蓄品は防災委員会が中心となって備蓄倉庫等で管理しています。年2回、通所部と合同でセンターの総合防災訓練を実施し、消防署員が来所し起震車の体験を含む訓練を行っています。また、地域の高齢者、障害者等の支援機関、行政等が一堂に会する「福祉関係施設等防災対策会議」に出席し、災害時の対応の検討や、二次避難所の協定に関する確認等を行っています。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:b】 「障害児者虐待防止、権利擁護等に関する川崎市中央療育センターの入所の方針」を策定し、拘束、食事、歯磨き、排泄、入浴、睡眠、金銭管理等の標準的実施方法を明文化しています。また利用者利益の最優先、利用者の自己決定の尊重、プライバシーの尊重、秘密の保持、性的差別・虐待の禁止を明示しています。これを新入職員に周知するほか、ネットワークシステム内に保存しています。全体への周知や実施状況を確認する仕組みの整備は不十分です。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:c】 施設では「障害児者虐待防止、権利擁護等に関する川崎市中央療育センターの入所の方針」を施設長、主任が策定し、関係マニュアルを委員会が中心となり策定しています。施設では子ども一人ひとりに向け個性的・実践的な取組みを重視しています。標準的実施方法について、それぞれの検証、見直しに関する時期、方法などの制度は明文化されていません。また職員や利用者からの意見や提案が反映されるような仕組みづくりは今後の課題となっています。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画の策定については、児童発達支援管理責任者を責任者としています。アセスメントの柱は、身体、ADL、日中活動・余暇時間の過ごし方等の生活、コミュニケーション、家族状況、医療・健康などとなっています。アセスメントの内容は、ユニット毎の個別支援会議の場で協議しています。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画は、3か月に1回以上実施するモニタリングで、計画の実施状況の評価・見直しを行います。モニタリングでは、個別支援計画の達成状況、目標に対する充足度、変更する場合の支援目標、方法等をユニット毎の個別支援会議で検討します。具体的には、排泄支援の方法、食事支援における食具の持ち方、登校支援の方法などについて、個々の支援目標や方法の見直しなどを行います。変更時は会議やネットワークシステムを用いて周知徹底を図っています。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の身体状況や生活状況など基本的事項は、共通の様式であるフェイスシートや個別支援計画作成のアセスメントシートに記載し、個別ファイルに保管しています。日々のケース記録は、ネットワークシステム内で、ケース毎に入力し、関係職員内で情報共有をしています。また、日誌には特記事項があれば当該ケースの情報を記載しています。日々の記録は、個別支援計画のアセスメントやモニタリングに役立てています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:b】 法人内で「個人情報保護規程」を定め、適正な管理や第三者への提供等、個人情報の適正な取扱いに関して必要な事項を定めています。個人情報保護管理者は施設長です。法人内の懲戒に係る規程には情報漏洩についての罰則も定めています。個人情報保護の重要性は職員会議等で周知しており、ヒヤリハットには情報管理についての項目も設けています。保護者等に対しては、契約時に契約書及び重要事項説明書により記録や情報の適切な管理等について説明を行っています。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 自治会づくりへのステップとして利用者の主体的な活動を支援しています。施設長は、中高生を対象に月1回、「対話会」を行っています。利用者は3~5人の単位で集まり、職員や学校への思いや要望、将来のことなどをざっくばらんに自ら意見を述べ、施設長は傾聴に徹しています。また中高生は不定期に「こども会議」を開いています。これはゲームやビデオのルールなど生活場面に問題が生じた際に利用者が主体的に運営するもので、職員のサポートは開催時期の助言に留めています。 |
【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長を責任者とする「虐待防止委員会」は、ユニットの代表者と児童発達支援管理責任者の出席により月1回開催し、具体事案の検討など、権利侵害の防止に努めています。 「虐待防止マニュアル」に基づき、身体拘束は3要件を満たした場合のみ行うこと、実施した場合は必ず記録を残すことなど、職員への周知徹底を図っています。記録には身体拘束を行うこととなったやむを得ない状況、検討結果を記載し、施設長の決裁を受けると共に、支援者間やユニット会議等で振り返りを行うこととしています。 また委員会では新たに「性虐待防止マニュアル」も策定し、研修の開催等により周知徹底に努めています。 |
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 基本方針に「じりつ」に向けた支援・援助を掲げ、利用者一人ひとりが自分で生きていく力を身につけることを目指しています。施設長は、「自立」とは困った時に相談できる依存先をどれだけつくるかが重要であると考えています。進路決定に際しては、児童相談所、学校、行政、相談支援事業所などの関係機関とケースカンファレンスを行い、円滑な移行や地域でのアフターフォロー体制の構築に向け調整等を図っています。退所後は、関係事業所や本人からの要望を受けて、ケースカンファレンスに出席することもあります。また、退所後も馴染みの職員あてに訪ねてくる利用者もおり、職員は親子関係や生活の悩みを共有し相談に乗るなど、「実家」の様な役割を果たし、自立を支えています。 |
【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の障害特性や心身の状態に応じたコミュニケーション支援を工夫し、個別的配慮に努めています。口頭での言葉の理解が困難な利用者に対しては、視覚的な支援を工夫しています。職員が利用者に指示内容を伝えたり、次の日課に誘導する場合は、物や場所を示す写真や絵カード、実物などを用いてコミュニケーションを図っています。また、利用者の意思確認を行う際にも、写真、絵カード、実物などを用いて選択肢を提示したり、筆談によるコミュニケーション支援を行う利用者もいます。現在、コミュニケーション機器による支援を要する利用者の在籍はありません。 |
【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者は個々に多様なニーズを持っており、日課の様々な場面で随時、所属するユニットの職員等に相談をしています。相談内容は、買い物に行きたい、アルバイトがしたい、家族に会いたい、一人暮らしをしたいなど、多岐にわたります。立ち話で終わる場合もありますが、内容に応じて居室や応接室など相談環境に配慮しながら個別の相談を行っています。個々の相談については、必要な情報提供や説明を行いながら、利用者の選択や決定を支援していますが、利用者に解りやすい説明が課題となっています。 |
【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個々のニーズを踏まえた個別支援計画により、日中活動や余暇支援を行っています。学齢児は、特別支援学校、特別支援学級に通学しています。未就学児は幼稚園に、高等部卒業後の加齢児は、通所施設に通うなど、それぞれの年齢や状態に応じた教育や支援を受けています。放課後は本人の希望により部活動に参加する利用者もいます。 |
【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 職員は、自閉症スペクトラム障害、ダウン症、てんかんなどをテーマとした外部の研修や勉強会等に参加し、障害特性や疾病に関する専門知識の習得を図っています。また、入所児童の多くは、被虐待児や社会的養護を必要とする児童であり、トラウマを抱え、愛着障害を有する児童であるという側面からも理解を深め、支援の向上に努めています。心理を専門とするスーパーバイザーを招き、月1回のペースで支援困難ケースについての事例検討も行っています。 |
【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画に基づき、利用者の個々の状況に応じた支援を行っています。食事については栄養士が各ユニットを回り、利用者の嗜好を把握しています。給食委員会には各ユニット職員、利用者が出席し、栄養士が食事についての意見や要望を吸い上げ、献立に反映していますが、おいしさに不満の声もあります。利用者の誕生日には、本人のリクエストによるメニューで食事を提供したり、季節毎の行事食を工夫しています。ご飯は各ユニットで炊き、汁物はユニットでよそうなど、食事の適温での提供に努めています。 |
【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 生活環境の整備については、今年度の取組みの柱としています。中学生以上の利用者は、自分の居室に好みのカーテンやシーツ、布団カバー等を選んだり、自分なりに居室のレイアウトを工夫し、快適に過ごせる個性的な部屋作りを目指しています。また、生活空間は安全面からも職員が全体を一望できる造りになっていますが、「見られる瞬間に間をつくる」ために居室の扉に暖簾をかけるなどの取り組みを進めています。 |
【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 食事の場面では、咀嚼や食具の使用の訓練をするなど、日常の生活動作の中で意図的な機能訓練・生活訓練をしています。運動・体操などは、利用者が自分でできることを考えてもらうなど、主体的に機能訓練・生活訓練が出来るように支援をしています。訓練は、同一法人が運営している併設の通所部門に配属の理学療法士や作業療法士、自施設配属の言語聴覚士など専門職の助言・指導の下に行われています。訓練実施の評価は、これらの専門職が利用者の個別の状況を見ながら定期的に実施し、訓練の見直しにつなげています。これは、施設単体での活動だけでなく、通所部門の職員との連携が有効に生かされている一つの事例であり、施設の強みになっています。 |
【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の健康状態については、入浴、排せつ、食事など日常生活の様々な場面を通じて把握するようにしています。毎月、医師の施設訪問があり、利用者の健康状態の観察を行っており、看護師と連携して利用者に健康面の説明をし、健康維持のため、食事内容や機能訓練、衛生的な配慮を含めて様々な工夫を行っています。利用者の体調変化等の際には、「発作時、緊急時のマニュアル」に基づき、看護師の判断により医師や医療機関につなげる体制をとっています。感染症研修については、年間計画に位置付けて定期的に実施しており、予防、発生時対応に備えています。併設の通所部門と合同で「医療的ケア委員会」を設置しており、看護師を中心に利用者の医療的ケアの体制を整えています。 |
【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。 |
【第三者評価結果:a】 医療的なケアについては、医師や看護師の指導、助言のもと、施設内に設置された「医療的ケア委員会」を中心に安全管理体制が構築されています。医療的な支援が必要な利用者については、医療機関との連絡体制等を明記したものが職員に示されています。服薬については、「服薬管理表」で適切な管理が出来るようにチェックをしています。看護師は医務室で、医師に処方された薬を毎日準備をしています。それを各ユニットの担当職員が受け取り、食後等の服薬時には複数の職員でチェックをしており、服薬後は、薬の空き袋を確認して、飲み忘れ、誤薬等の事故が無い様に管理しています。食物アレルギーや花粉症のある利用者には医師の指示に基づいて適切な支援をしています。外部講師を招くなどして、医療的ケア、救命講習、服薬、歯科衛生等の内部研修を実施しています。 |
【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の希望や意向を尊重して、社会参加や体験の支援をしています。利用者は、支援を受けて、陸上競技、ゲーム大会等に参加したり、関係の出来た店等での販売やイベントの手伝いを体験しています。学校での友人宅を訪問したり、友人が施設に遊びに来たりする交流を支援するなど、施設では柔軟な対応を行っています。学習支援については、学校の宿題を職員が一緒にみるなどの支援をしています。しかし、職員体制の問題もあり、利用者や家族等の希望と意向を尊重したり、利用者の社会参加や学習の意欲を高めるための支援と工夫は十分には行われていません。来年度に向けて、職員体制を充足して取り組みの強化をしたいと考えています。 |
【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 職員は、利用者の地域生活への移行に関しての希望や意向について、利用者と話し合ったり、学校と連携したりして把握できるように努めています。地域生活に必要な学習や職業体験のために、ボランティアや仕事の実習に出かけています。移行後の住居についても、独居、グループホームなどの選択肢を提示して一緒に話し合ったり、考えたりしています。1人暮らしを希望する利用者と一緒に物件探しに職員が同行した事例もありますし、グループホームの見学に出かけたこともあります。移行に関しての利用者の意向は、学校での進路指導の中でのアンケート調査も活用するなど、学校との連携を密に行っています。児童相談所との連携・協力にも努めています。 |
【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 家族等との連携・協力については、利用者の意向を尊重するとともに、措置入所の子どもについては、児童相談所と連携して行っています。利用者の生活状況については、家族等の面会時に説明や意見交換したり、児童相談所を介しての報告をしています。利用者の体調不良や急変時には連絡ルールがあり適切に対応しています。施設の家族への支援としては、利用者との関わり方や学校行事への参加等に関する相談などに応じています。また、利用者と家族をつなげる工夫として、利用者と家族が施設で一緒に過ごしたり、遊んだり、料理したりする機会を持てるようにしています。利用者の誕生日には、施設の静養室を利用して、一緒にケーキを作ったりしています。面会時に、家族が利用者に物をあげたりする関係ではなく、一緒に居る関係づくりを目指しています。 |
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 子どもの発達過程や適応行動の状況を踏まえ、子どもの心の状況を受け止めて発達支援を行っています。支援に当たっては、子どもの状況に応じて、食事などの基本的日常動作の場面で個別的に行ったり、行事、運動、集団登校などの集団活動の中で取り組んでいます。活動プログラムについては、各ユニットごとに、ユニットの状況に応じて、職員がチームで作成しています。施設では、保護者に学校行事の予定等を伝え、授業参観には職員が保護者と一緒に参加するなどの取り組みをしています。運動会、遠足等の等の学校行事、学期末の通知表についても連絡し、情報共有に努めています。 |
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 |
【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 |
【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 |