社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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川崎市東小田保育園

2023年05月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 川崎市東小田保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 95名(利用人数:90名) 名
所在地 210-0846
川崎市川崎区小田5-14-1
TEL 044-355-6620 ホームページ https://www.city.kawasaki.jp/450/page/0000031702.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1972年07月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 川崎市
職員数
常勤職員:19 名
非常勤職員:11 名
専門職員
園長:1 名
園長補佐:1 名
主任:12 名
保育士:8 名
看護師:1 名
保育補助:5 名
用務員:2 名
施設・設備の概要
保育室:7室
トイレ:3ヶ所
調理室:1ヶ所
事務室:1室
地域支援スペース:
絵本コーナー:
職員休憩室:
浴室(リネン室):
園庭:あり

③ 理念・基本方針
【保育理念】
子どもの権利を保障し、未来を担う子どもたちの生きる力を育む保育

【保育方針】
・子どもの健やかな育ちを支援する
・保護者の就労と育児の両立を支援する
・地域の子育て家庭を支援する

【保育目標】
・元気で遊べる子
・のびのび表現できる子
・思いやりのある子
・考えて行動できる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇東小田保育園では、大切にしたい4つの保育として「異年齢交流」「リズム遊び」「戸外遊び」「栽培・食育」を挙げています。
【異年齢交流】
 年間を通して遊びや生活など、異年齢による保育に取り組んでいます。リズム遊び、  季節の遊び、ごっこ遊び、散歩、会食などを通し、優しさや思いやり、あこがれの気持ちの育ちあいを大切にしています。
【リズム遊び】
0歳児から5歳児が年齢に合わせたリズム遊びを楽しんでいます。音楽に合わせて体を動かす活動を通して、集中する力を養うとともに、運動神経や感覚神経の発達を促し、表現する力も育んでいます。
【戸外遊び】
広さと陽当たりに恵まれた園庭、テラスの環境を生かして、さまざまな運動遊びに取り組み、楽しみながら丈夫な体づくりを目指しています。また自然に触れる機会を大切にし、畑で野菜を育てたり、昆虫や草花に触れたりして遊ぶことを楽しんでいます。
【栽培・食育】
畑で季節の野菜を育てています。季節ごとの栽培活動の様子や、収穫した野菜の調理方法、おすすめレシピなどをおたよりや掲示板で紹介し、保護者と共に食への関心を高めています。また、栄養やマナーについての集会を行い、子どもたちの食に関する意欲を育んでいます。
〇川崎市「新たな公立保育所」ブランチ園として、民間保育所と連携した保育の質の向上に取り組んでいます。また、地域の子育て家庭への様々な支援事業を実施しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/09/28(契約日) ~2023/03/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)積極的に地域の子育て家庭を支援しています
園は川崎区のブランチ園の機能として地域の子ども・子育て支援事業があり、地域の子育て家庭と交流し、子育て支援を行っています。子育て支援事業は年間を通して実施しており、地域の多くの子育て家庭が参加できるよう多彩な子育てイベントを用意しています。中でも、保育士、栄養士、看護師が講師となる「離乳食講座」「栄養講座」「保健講座」「保育連続講座」など専門性を活かした子育て講座に力を入れています。コロナ禍で様々な支援活動に制約はありますが、子育て講座をオンラインで実施するなど、支援を続ける工夫をしています。

2)保育の質の向上に向けた組織作りをしています
園は子どもの最善の利益を意識し、保育の質の向上に向けて職員が様々な取組に力を入れています。「保育環境」「東小田保育園の特色」「自己評価」「栽培・食育」「働き方改革」などが組織され、それぞれの係が話し合いや活動を通して、園の保育の質の向上に努めています。「自己評価」の担当は年3回の職員の自己評価をとりまとめ、園の自己評価として課題を抽出し、改善に向けて話し合いを行っており、「働き方改革」の担当は有休の管理、ミーティングの改善、職員の情報共有、資料回覧の迅速化、休憩時間の確保、事務業務の保障などの活動を通して、それぞれ保育の質の向上につなげています。

3)食に関する豊かな経験ができるよう工夫しています
全体的な計画に沿って食育指導年間計画を立て、食について関心を深める取組を行っています。コロナ以前は園の畑で野菜を育てて収穫して調理保育をしたり、トウモロコシやソラマメの皮むきを経験していました。コロナ禍では、収穫した野菜を持ち帰り、各家庭で調理して食べた情報を提供してもらうなど、家庭と一緒に食育活動を進めています。苦手な野菜でも楽しく食べられるよう、ピーマンマンの歌やそらまめくんの歌を作って歌うなど、コロナ禍に工夫した食育を行っています。

4 )園児の活動を地域に発信していくことが期待されます
園では「かわさきく保育施設等作品展」への作品出展をしています。また、高齢者施設に毎月訪問し交流していましたが、感染症対策のため現在は5歳児の制作物をプレゼントするなどの取組を行っています。園児の取組や日々の保育、行事の様子など園の活動を、地域向け掲示板を活用したりして、広く地域へ発信していくことが期待されます。

5 )設備等の環境整備への取組が期待されます
施設、設備の老朽化が進んでいますが、日々清掃やメンテナンスを行い、危険個所の有無や劣化等に対応しています。しかしトイレ、子どもたちが落ち着けるスペース、さらには障害のある子どもへの環境整備に課題があります。行政との調整や職員との話し合いにより、子どもの健やかな育ちにつながる環境整備が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価の受審にあたり、今までの保育の見直しを行うことで、保育内容を共有し共通理解を図るとともに、保育課題、改善点が明確になりました。
コロナ禍での受審となり、保育内容等いつもと異なる部分がありましたが、評価の結果を基に、さらなる研鑽を積み重ね、課題解決に向け全職員で取り組み、さらなる保育の質の向上につなげることで、一人ひとりの子どもの最善の利益を考え、それぞれの専門性を生かした園運営を行っていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

園では、児童福祉法、保育所保育指針に基づいた川崎市公営保育所共通の保育理念により、保育方針、保育目標を定めています。保育所の理念、保育目標、基本方針等は、入園のしおり、年度始めに実施する保育内容説明会で配布する資料「東小田保育園の保育」に記載され、保育室入り口にも掲示して保護者が確認しやすいようになっています。保育内容説明会資料は、理念や基本方針実現に向けての具体的な取組が分かりやすく説明されています。年度末には、職員間で話し合い、保育の重点項目を決めて周知をするなど継続的な取組をしています。園だよりやホームページへの理念等の記載で、より一層保護者と理念等の共有を図ることが期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

保育ニーズ等、保育事業をとりまく環境については、川崎市の保育所管課等が、市・区の総合計画、実施計画、「子ども・若者の未来応援プラン」(中期計画)策定の際に把握、分析し、市の保育施策に反映しています。また、区策定の「地域福祉計画」により、地域の福祉の動向を幅広く把握しています。社会福祉全体の動向については、区役所の地域支援課や児童家庭課、子育て総合支援センターと情報共有することで、保育ニーズなど地域の情報収集をしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

川崎市公立保育所として、市の所管課と連携し、設備の整備、人材の確保・育成等に取り組んでいます。川崎市全体の予算枠での制約はありますが、毎年、所轄課に必要な修繕を要求して計画的に設備改修などを行い、環境改善に取り組んでいます。会計年度任用職員(年度単位で採用する職員)の採用に当たっては、様々な工夫をしながら取り組んでいます。課題は職員と共有しつつ、解決に向けて話し合い、進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

市では、総合計画に基づき、中・長期計画として「子ども・若者の未来応援プラン」を策定しています。そこでは、公立保育所の位置づけとして、「民間保育所等への支援」と「子育てする家庭への支援」「公民保育所の人材育成」を掲げています。公立保育所として目標達成に向けて取り組み、見直し、職員の意見を集約して園長が市の担当者に報告しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期的な計画を踏まえて、保育の質の向上に向け、民間保育所等への支援や、地域の子育て支援機能の充実のための事業を実施しています。計画書は個別に詳細に策定され、実施状況の評価も行える内容になっています。単年度計画として、川崎区保育・子育て総合支援センターと区内公立保育所が連携し、「地域の子ども・子育て支援事業計画」「公民保育所連携・支援事業計画」「公民保育所人材育成計画」を作成し、目標や成果は事業評価シート等に示しています。園内では、新たな公立保育所のあり方の基本方針に基づき、各担当が年間の事業計画を作成し推進しています。また、事業ごとに振り返り、年度末に総括し、次年度の計画に反映させています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

「地域の子ども・子育て支援事業計画」「公民保育所連携・支援事業計画」「公民保育所人材育成計画」は、川崎区保育・子育て総合支援センターと区内公立保育所が計画を策定し、保育所がその計画に基づいて実施しています。「年間保育計画」「健康管理年間計画」「食育指導年間計画」「異年齢保育活動計画」などは、全体的な計画を踏まえて各担当が作成しています。また、期ごとに振り返りを行い、次の計画に反映させ、改善を図っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

例年、年度始めに全保護者を対象に「保育内容説明会」を開催し、保育運営や事業計画、行事計画などを説明しています。保育内容説明会では、「東小田保育園の保育」を配布し、さらにパワーポイントを活用し、より詳しく説明しています。欠席した保護者には、冊子を配付する際に口頭でも説明し、全保護者へ周知しています。しかし、今年度はコロナ禍のため、「保育内容説明会」が開催できず、書面での開催となったため、更なる保護者への周知が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

毎月、乳児会議、幼児会議、職員会議を開催して自己評価に取り組んでいます。園の自己評価は職員全員の自己評価に基づいて行っています。第三者評価は、定期的に受審しており、今回は3回目の受審です。職員の自己評価に当たっては、担当職員が職員個人の自己評価を取りまとめて園の自己評価につなげています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

保育内容については、各指導計画に基づく保育実践を振り返り、次の計画に反映して保育の質の向上を目指しています。園の自己評価は、職員の自己評価をまとめたものとなっており、課題も自己評価の担当が抽出しています。抽出された課題は、職員会議で共有され、見直しや課題の改善に向けて話し合っています。自己評価の結果については、保護者に公表しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、年度当初の職員会議で「川崎市公立保育所運営指導方針」をもとに「川崎市東小田保育園運営方針」を作成し、職員会議で説明しています。会計年度任用職員にも配布し、方針と取組を周知しています。業務分担表で園長の職務内容を明確にしており、職員に周知しています。有事の際の体制も明確に定められており、施設長不在時の権限委任についても職員に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、園長研修の受講や地区別連絡会などに出席して必要な法令等を理解したり、法令遵守や経営に関する情報を得ています。利害関係者とは公務員としての立場を意識して、適切な関係を保持しています。環境への配慮としてSDGsへの取組を進め、子どもたちにも絵本や紙芝居を通して環境教育を推進しています。園長と職員は年2回、服務チェックシート、情報セキュリティ点検シートで公務員としての服務規律、倫理観を確認しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、職員会議やリーダー会議などの各会議に積極的に参加するなどして、保育の現状や課題を把握しています。また、各年齢の年間指導計画・月間指導計画・週日指導計画などの計画・記録の保育帳票を確認し、必要があれば指導・アドバイスをしています。日々園内を巡回し、職員に課題があれば、直接指導することもあります。把握した課題解決のための体制づくりとして、職員による係(保育環境・栽培食育・働き方改革など)を立ち上げ、園長が指導力を発揮しています。職員研修については、市が策定した研修計画に沿って参加を促し、園内研修の充実も図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

人事、労務、財務等の分析は、川崎市公立保育所の基準に基づき所轄課が対応しています。園長は、園内に働き方改革担当を組織し、有休の管理、ミーティングの改善、職員の情報共有、資料回覧の迅速化、休憩時間の確保、事務業務の保障など、業務の実効性を高める取組をしています。保育システムの機能を活用することで、登降園管理、各種おたより配布等の業務効率化を進めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

川崎市公立保育所として必要な保育士、看護師、栄養士、用務員、及び会計年度任用職員が計画通りに配置されています。人材確保や定着計画実施への職員理解が課題となっています。調理業務は外部委託となっており、市の栄養士が子どもの状況等を把握して献立を作成し、委託業者と連携しています。職員の人材育成は、計画的な市、区の研修や園内研修、また適切なOJTにより実施されています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

川崎市保育士人材育成のための手引き書に、保育士として必要な能力として、保育技術能力、相談支援能力、地域支援能力、民間支援能力、チームワーク力、危機管理能力の他、公務員としての行政実務能力も求められています。そこには、「すべての市民のために」「行政のプロフェッショナル」「未来に向けてチャレンジ」などが規定されています。人事基準は市の規程として整備され、職員に周知されています。職員は、毎年、定められた「キャリアシート」作成に取り組むことで、自身のキャリアの状況を確認でき、将来の姿も描くことができるようになっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

園長は、労務管理の責任者として、職員の就業状況を把握し、休暇の取得や残業の削減など、職員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を行っています。働き方改革担当を組織し、職員の休暇取得や業務の進捗状況を把握し、計画的な休暇取得や業務調整を図っています。園長は、職員と年間数回の個人面談の機会を持ち、職員の意向の把握に努めています。定期健康診断の確実な受診とフォロー、ストレスチェックの実施、産業医による職場巡視と面談、健康相談室への相談体制の周知など、川崎市職員として整備された仕組みを活用し、職員の健康維持に努めています。こうした取組により、組織の魅力を高め、働きやすい職場環境作りを進めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

川崎市人材育成基本方針に、市の保育士として求められる能力を明確にして、組織の目標を踏まえた職員一人ひとりの目標を設定しています。キャリアシートには、「目標の設定」「現状の確認」「目標達成状況」「所感」の欄があり、園長は年度始めの目標設定時、中間期の進捗状況の確認時、期末の目標達成度の各確認時に、職員一人ひとりと面談して目標達成に向けて支援をしています。面談の際は、目標に関することだけでなく職員の意向を聞いたり、相談を受けています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「川崎市人材育成基本方針」や「川崎市保育士人材育成のための手引き書」により、期待する職員像として、階層別に「求められる力」が明示され、それに基づいた「川崎市保育所等職員人材育成計画」が作成され実施されています。人材育成に必要な内容の研修は「階層別研修」「キャリアアップ研修」「職種別研修」「課題別研修」などが計画されています。園長は、現場のニーズを踏まえた園内研修を企画、実施しており、評価と見直しを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりが「キャリアシート」を作成し、職員の研修受講状況、知識や技術水準等を把握できるようになっています。新任職員や異動職員へのOJT研修、行政職階層別研修、保育所職員研修、課題別職員研修などが設定され実施されています。また、外部の研修機関が実施する研修も周知し、受講しやすい環境を作っています。研修を受講した職員は、研修内容を職員会議等で報告し、職員間で共有するようにしています。今年度はコロナ禍で、研修もリモートで行われ、参加しやすいというメリットがありました。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れについては、川崎区公営保育所の受け入れマニュアルに基づいて、保育実習生・看護実習生・栄養士実習生を受け入れています。受け入れの窓口は、市の所管課となっており計画的な受け入れを行っています。実習のプログラムは、学校や実習生の意向を尊重して作成しています。今後、園では、実習生を受け入れるにあたり、職員が適切な指導、助言ができるよう、実習生受け入れに対応する園内研修を実施する予定です。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

入園のしおりや保育内容説明会資料「東小田保育園の保育」に、保育理念、保育方針、事業内容等が記載されていますが、ホームページでの公開は十分でありません。市のホームページで公表している「総合計画」や「子ども・若者の未来応援プラン」で、地域の子育て支援事業の取組や民間保育所への支援を表明しています。地域子育て支援事業の資料は、保育所の掲示板への掲示、区役所、公民館で配布しています。第三者評価の受審結果も市のホームページで閲覧することができます。苦情解決の体制は、保育所の玄関に掲示しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

保育所の運営に当たっては、市の関係規程に基づき、公務員としての適正な職務遂行に努めています。また、職員は保育所内の職務分担表に基づき、割り当てられた責任や役割を果たしています。保育所の業務運営については、毎年市の監査担当の監査を受けており、指摘事項があれば是正をしています。設備改修や備品等の購入事務は市の所管課との権限、役割分担が明確にされ、適正な運営が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中で、「地域の関係機関等との連携」「地域の子ども・子育て支援」として、子どもと地域との交流を掲げ、子どもの社会体験の場を広げる取組をしています。コロナ禍のため地域との交流が少なく、工夫が望まれます。多世代交流として、近隣のデイサービスの高齢者に季節の制作物をプレゼントするなど交流しています。また、地域の子育て支援として、離乳食講座、栄養講座、保健講座などを開いています。園ではエコプロジェクト(栽培活動)を通して、子どもたちと地域の方との交流を積極的に図っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

保育ボランティア、中学生や高校生の職場体験学習などの受け入れについては、川崎区公営保育所の受け入れマニュアルに基づいて受け入れています。例年、中学校の職場体験として、「中学校出前講座」を行い、職員が保育について講義をしていましたが、今年度はコロナ禍のためオンラインで行っています。ボランティア受け入れの際は、事前のオリエンテーションで子どもの発達過程を伝え、基本的な接し方、性差、守秘義務などを伝えています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

子ども、保護者の状況に対応できる社会資源の資料を整備しており、職員会議等で職員が情報共有できるようにしています。個別のケースに関しては、地域みまもり支援センター(保健師、社会福祉士など)、児童相談所などの関係機関と定期的に連絡を取って対応しています。要保護児童対策地域協議会の構成メンバーとして実務者会議や個別支援会議に参加し、関係機関との連携を行うための体制を整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園は公立保育所のため、地域の福祉ニーズは、主に川崎区役所の福祉担当部署が把握・分析しています。園では、地域の子育て家庭との交流(子育て支援講座の開催、体験保育、園庭開放等)を通して子育て支援ニーズに関する情報を得ています。また、川崎区地域支援担当者連絡会に参加し、川崎区保育・子育て総合支援センター、センター園、ブランチ園で情報交換や福祉ニーズの把握に努めています。さらに、幼保小連携会議、川崎区要保護児童対策地域協議会代表部会などでも地域の福祉ニーズを把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

園では、地域の子ども・子育て支援事業として保育士・栄養士・看護師などの専門性を生かし、地域に向けた保育・食育・保健などの子育て講座を開催しています。園長が地域の避難訓練に参加したり、交通安全対策協議会の会議に参加し、住民の安全のための備えや支援の取組をしています。園には、AEDが設置され、地域住民に周知し、有事の際には災害用品を提供する準備もできています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもを尊重した保育について保育理念や保育方針、保育目標に明示しています。「川崎市子どもの権利条約」を全職員で認識しており、自己評価や討議をしながら保育内容の振り返りを定期的に行っています。さらに職員が理解し実践するための取組として、少人数でテーマを決め、子どもの尊重や基本的人権への配慮についてリフレーミング研修を行っています。園だよりなどで、子どもの人権に関わるクラスの取組を随時掲載し、保護者へ伝えています。クラス別懇談会においても子どもの人権について考える機会を持っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

身体計測やオムツ交換、着替え時にはドアやカーテンを閉めたり、仕切りを使用しています。また、水遊び時は外部から見えないようにネットを張るなどの配慮を行い、子どものプライバシーを守っています。職員会議では子どもの人権について定期的に確認し合い、保育に反映させています。家庭や子どもにとって知られたくない事項については正規職員、会計年度任用職員も含めすべての職員が守秘義務を厳守しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

川崎市ホームページ、えんみっけ、保育園リーフレットの配布、かわさきく保育施設等作品展への参加など、様々なツールを活用して園の紹介を行っています。インターネットを活用した園紹介では、園内の様子が分かるように写真を使用しています。園リーフレットには保育理念、保育方針、保育目標の他、年間行事計画や一日の流れを記載し、毎年定期的に見直しをしています。園見学は予約制で随時少人数で受け付け、短時間ながら丁寧な対応に務めています。フリーの保育士が担当となって対応しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始時に重要事項説明書を用いて保護者に説明し、同意書で確認をしています。入園説明会(コロナ禍のため、現在は入園面談時)や保育内容説明会で保育の開始・変更について説明しています。必要に応じて園長が個別対応しています。園での生活や約束事、必要な持ち物などは、イラストの活用や見本を示して保護者が理解しやすいように工夫しています。特に配慮が必要な保護者への説明は、記入が必要な部分に鉛筆でチェックを入れておくなどの配慮をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

転園に際しては、転園先が公立保育所の場合は児童票、民間保育施設の場合は子どもの健康に関する記録を保護者の同意のもとに送付しています。また、担任が引き継ぎ書を作成し、必要に応じて出向き、引き継ぎを行っています。連携園(小規模保育施設)からの園児に対しては、保育の継続性に配慮し、文書だけでなく保育交流を行い、転園児の丁寧な引き継ぎを行っています。卒園による利用終了においては、保育要録の送付の他、支援が必要な園児については直接就学先に連絡を入れ、保育参観をしてもらうなど丁寧な引き継ぎを心がけています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育の振り返りや子どもの姿を通して観察し、個人記録に記載すると共に、子ども一人ひとりの満足の把握に務めています。行事後には連絡用アプリケーションによる保護者アンケートや保育内容説明会、個人面談、懇談会などで保護者意見を把握し、意見を集約しています。その意見を全職員で共有し、今後に反映するよう務めています。保護者会担当職員を定めて役員会に同席し、保護者意見の収集に務めています。その他、「保育について」「自己評価の周知について」などのアンケートも実施し、結果を今後に生かしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「川崎市保育園苦情解決要綱」に定められた苦情解決の体制を整備し、保護者に対しては年度始めの保育内容説明会で説明すると共に、重要事項説明書や入園のしおり、東小田保育園の保育などの文書でも説明しています。苦情受付担当者や苦情解決責任者の設置について玄関ホールに掲示しています。第三者委員にも相談出来ることを知らせていますが、保護者には十分認識されていない状況です。意見や相談があった場合は迅速に検討し、全職員で対応について話し合った上で、意見のあった保護者に報告すると共に記録に残し、今後に生かすようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

玄関にコミュニティボックスと用紙を置き、いつでも意見や要望を伝えられるようにしています。重要事項説明書に相談窓口の設置についても記載しています。保護者が相談したり意見を述べたりする時には口頭での申し出やコミュニティボックスの利用など、複数の方法で受け付けていることを個人面談や懇談会などで説明しています。苦情受付の担当を設置していますが、保護者自身が相談相手を選べるよう、担任、園長をはじめ発達相談支援コーディネーターの顔写真を玄関とおひさまルームに掲示して保護者に知らせ、対応できるようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

朝夕の送迎時や保育内容説明会、クラス別懇談会、個人面談等、日頃から保護者とのコミュニケーションを大切にし、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。意見や相談があった場合は、全職員で迅速に内容を検討し、情報・対応の共有を行い、意見のあった保護者に報告をしています。行事後アンケートや個人面談、クラス別懇談会での意見を会議等で職員へ周知、共有し改善に向けて検討しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

東小田保育園運営マニュアルに、事故防止や事故発生時の対応について記載し、職員に周知しています。事故発生時は全職員に周知し、迅速に対応しています。確認者は報告書に記載すると共に、振り返りをして再発防止に務め、会議などを通して報告をしています。受診を要さない怪我や保育中に危険を感じたことに対してはヒヤリハット報告書に記載し、会議等で報告し共有しています。毎月、用務員と保育士が安全点検を実施し、事故や怪我などにつながるような危険の早期発見に務め、速やかに修繕を行い、安全な環境を保つように心掛けています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症発生時には玄関等に掲示し保護者に周知しています。保育室内や遊具などは1日1回以上、廊下や玄関などは1日3回の消毒作業で感染拡大防止に務めています。園児と保護者の健康状況を健康記録表で把握し、職員も朝・昼の検温等健康観察を行い、体調不良時には速やかに対応しています。手洗いを徹底し、保育室、玄関などに手指消毒剤を置き、いつでも使用できるようにしています。保護者には連絡用アプリケーションで迅速に情報提供しています。園医とも感染状況等を情報共有し、感染拡大防止に関する園内研修も実施しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

マニュアルをもとに地域に合わせた防災訓練、年間避難訓練計画を危機管理担当職員が作成し、地震、火災、津波などを想定した訓練を毎月実施しています。年に1回は隣の小学校の屋上までの避難訓練も実施しています。安全点検も行い、非常持ち出し品の点検をしています。備蓄品や非常食の賞味期限、アレルギー児用の白米なども用意し、定期的に確認し一覧表にして管理しています。訓練後は全職員で振り返りを行っています。定期的に災害伝言ダイヤル訓練を実施し、保護者に参加を呼びかけています。子ども向けの防災教育も行っています。災害は想定外のこともあるため、リスクの発生確立と発生した場合の重要度などを総合的に検討することが期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育所保育指針、川崎市子どもの権利条約、川崎市公立保育園運営の手引き、川崎市保育の質ガイドブック他、各種マニュアルに明示された内容に基づいて保育を提供しています。子どもの権利条約については東小田保育園運営方針に文書化し、会議で内容を周知しています。職員の研修を組織的に行い、自己研鑽の場としています。日々の保育中のエピソードを記入し、会議の中で意見交換を行い、互いに学び合うことで画一的にならない保育を目指しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもの姿や発達状況に合わせて、年齢に応じた保育指導計画を立て、年間、期、月、週ごとに職員で振り返りや自己評価を行い、保育の見直しを行っています。また、保育を客観的に見ることができるよう担任以外の職員からも意見や助言をもらい全職員の共通認識の中で、これからの保育に反映しています。保育説明会、クラス別懇談会、保育参加や参観、個人面談、行事の感想等での保護者の意見をもとに職員間で検討しながら保育に反映させています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

保育指導計画作成の責任者は園長です。全体的な計画に基づき、各クラスの年間保育指導計画、月間指導計画、週日指導計画を作成しています。保育の振り返りを職員間で共有し、保育の充実に向けて討議しています。各専門職が専門知識を活かして食育や健康に関するやり取りをしたり、用務員と連携して環境整備を行っています。障害児や支援が必要な子どもに対しては月に一度の振り返りや評価を行い、支援が必要なケースについては職員や関係機関との連携をとりながら、ケースに合わせて丁寧な保育を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画は定期的に評価と計画の見直しを実施しています。日々の保育や指導計画は子どもの姿や発達状況を踏まえ、その都度評価、振り返りを行い、次の計画に反映させています。0、1、2歳児生活記録連絡票、個人面談、クラス別懇談会、保育内容説明会など様々な機会を通して保護者からの意見や意向を把握しています。保護者からの意見等は迅速にミーティングや会議などで全職員が共通認識を持ち、対応しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況や生活状況などに関しては、年齢、月齢ごとに児童票に記載し、その都度園長が確認、指導しています。子どもの状況に関しては、各種職員会議やミーティングで報告し、情報共有しています。庁内共有ファイルサーバーを用いて情報共有する仕組みを整備しています。記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないように指導しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録等、個人情報を含む書類はすべて鍵のかかる書庫に保管しています。持ち出す際にはチェック表に使用者の名前を記入し、返却の際は他職員の確認署名で管理しています。毎日延長当番の職員がSDカード、書類等の確認をしています。情報セキュリティ対策について、川崎市情報セキュリティ基準が整備されており、定期的にチェックシートを用いて確認し、定められた規定を遵守して漏洩防止に務めています。保護者に向けては、入園時に重要事項説明書を用いて個人情報の取り扱いについての説明を行い、書面で同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章や児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨を捉え、保育理念、保育方針、保育目標に基づいて作成しています。子どもの心身の発達状況を長期的に捉え、年齢別の保育目標を掲げ、家庭環境や地域性を考慮して計画案を作成しています。全体的な計画を基に年間指導計画、月間指導計画等を作成し、そのあとに振り返りを行っています。全体的な計画の担当職員を中心に、年度末に職員が話し合って振り返り、検討したものをさらに職員会議で話し合い、次年度の全体的な計画を作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

マニュアルに従って、毎日清掃、消毒を行っています。玩具や遊具棚、テーブル・椅子などは毎日消毒をしています。室内の温・湿度管理に注意し、各保育室に温・湿度計や加湿器、空気清浄機を設置して、さらに常時換気を行っています。月1回室内・戸外の安全点検をして危険個所の有無や劣化が無いかを確認し、修理等が必要な場合は速やかに整備しています。築年数が経っており、トイレは暗さや臭いが課題ですが、清掃をはじめ装飾などを施し、子どもたちが使いやすいように工夫しています。スペース的な問題で、子どもが一人になったり、クールダウンできる場所の確保が難しい状況ですが、コーナーの設定などにより、子どもたちが落ち着ける環境を工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

児童票や健康記録、面談時の記録などの記録類、また、日常の保育から子どもの成長や発達過程、家庭環境を捉え、一人ひとりの子どもの特徴や個人差を把握しています。職員は子どもの表情や仕草、言動から気持ちを汲み取り、思いを表現しやすい雰囲気づくりを行い、子どもが安心して自分の気持ちを表現できるようにしています。発達相談支援コーディネーターが3名在籍しており、定期的なカンファレンスやリフレーミング研修を行っています。園内研修で全職員が所持している「保育のポイント集」を活用して子どもの人権について学び、子どもの気持ちを尊重した保育を行っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

年齢と発達に応じた基本的生活習慣の自立に向けて、個々の発達を考慮しながら目標やねらいを立案した保育を行っています。子どもの意欲を育てるため、個人マーク等の環境を整えると共に、子どもの気持ちを尊重した声がけや援助を行っています。生活習慣についてはクラス別懇談会、個人面談、送迎時に子どもの姿を保護者と共有し、一人ひとりに合わせた関わりを伝えています。朝の受け入れの際は健康記録表と一緒に体調等を聞き、乳児はそれに加えて0、1、2歳児生活記録から前日の食事内容、睡眠や体調を把握して園での活動と休息のバランスが保てるようにしています。また、体調や機嫌によって遊びの時間や場所の配慮をしています。特に怪我や病気欠席後などは健康面に留意し、丁寧に対応しています。幼児では看護師、栄養士、保育士の三者連携集会を通して生活習慣の大切さを知らせ、子どもが必要性を理解して自ら行うことができるよう働きかけています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもがやりたい遊びや玩具を自分で選んで遊べるように環境設定し、子どもの発達や季節、興味に応じて遊具の入れ替えを行っています。子どもたちの発見や思いから遊びが展開されるように見守り、時には仲立ちや援助をしています。コロナ禍以前は広い園庭で異年齢児と自然な関わりを持ちながら遊んでいましたが、現在は園庭や2階テラスで年齢や時間、場所を分けて遊んでいます。園庭には桜、梅、どんぐり、柿など様々な樹があり、実や種、花びらや落ち葉を拾って遊びに使っています。気候の良い時期には散歩や遠足に行き、自然に触れる機会を作っています。友だちとの関わりでは、友だちと一緒にいるのが楽しい、嬉しいと思える活動を計画し、実践しています。楽しい気持ちや一緒にやり遂げた達成感を共有し、気持ちを伝え合うことを大切に援助しています。子どものアイディアを形にするために、様々な素材や用具を用意し、表現活動を楽しめる環境にしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

月齢や発達に応じたデイリープログラムの作成や遊びの環境設定をしています。室内の空間を分けたり、生活の流れの中で時間差をつけるなど、一人ひとりの状況や成長に合わせた工夫をしています。子どもが安心、安定して過ごせるよう職員の入れ替えを最小限にしています。また、担当制を取り入れ、特定の保育者との関係性を大切にして愛着関係につなげ、情緒の安定を図っています。クラスだより、写真掲示、0、1、2歳児生活記録連絡票の活用や送迎時などに保護者とコミュニケーションを図ることで、家庭と情報共有し、信頼関係を構築しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

大人や友だちと子どもが安心して過ごせるような人的環境や、安全かつ子どもの発達に応じた遊びの設定などの物的環境を整えて保育を行っています。一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重しています。毎月、保育の振り返りを丁寧に行い、職員会議で共通認識を持ち、次月の保育に反映しています。保護者とのコミュニケーションを丁寧に行い、家庭との連携を図っています。コロナ禍以前は異年齢交流を計画的に取り組んでいましたが、現在は難しさがあります。リズム遊びでも、直接接触しないよう工夫して行っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

集団生活の中での情緒安定のため、担任や他の保育者と信頼関係を築き、安心して生活や遊びができるよう配慮しています。一人ひとりの気持ちを大切にしながら、集団の中で自分を主張したり、相手の気持ちを受け止められるよう関わっています。特に4、5歳児は、子どもたちの意見や考えを尊重する保育を実践し、決まりの必要性や自分の気持ちを調整する力を身に付け、友だちと一緒に活動をやり遂げられるように促しています。行事などを通して達成感を味わうことで、次への成長につながるよう継続した保育を行っています。保育については、「保育記録」や写真などを用いたドキュメンテーションを掲示し、保護者に分かりやすく伝えています。今後は地域に向けて掲示板を利用するなど日々の保育の様子を発信していきたいと考えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもや特別な支援を必要とする子どもには各クラスの月指導計画と関連付けて個別の指導計画を作成し、その子どもに合った指導、援助を行っています。子どもたちが共に成長できるインクルーシブ保育を意識して保育を行い、困った時は助け合える関係づくりや、一人ひとりの個性を受け入れられる心や思いやりを育むことを園目標に掲げています。保護者とは面談や送迎時に園での様子を伝え、家庭での様子を聞くなど連絡を密に取っています。特別な支援を必要とする子どもについては、保護者の了承のもとに発達相談に繋げ、関わり方や保護者指導などの助言を受けて保育に生かしています。助言内容を保護者と共有することで、家庭と園で同じ関わりができるようにしています。保護者の気持ちに寄り添いながら、子どもにとっての最善を考え、伝え方や保育を工夫しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

それぞれの子どもの在園時間に幅があるために、一日の保育活動が充実するよう工夫しています。長時間保育の子どもにとって安心して過ごせる時間や、保育室の中にゆったりと遊べるコーナーを作るなどの配慮を行っています。コロナ禍以前の朝夕の保育は異年齢合同で行っていましたが、現在は感染防止のためクラスごとで行っています。しかし、仕切り戸を開けることでお互いの様子を目にし、遊びの真似をするなど互いに刺激を受けられる工夫をしています。登園時間が遅い家庭には生活リズムや保育活動の大切さについて伝えています。延長保育時には引き継ぎ簿を活用し、子どもの様子や保護者けの連絡などを担当職員に引き継いでいます。引き続き、家庭的で穏やかに過ごせるような配慮が期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を職員間で共有し、小学校とのつながりを意識した保育計画を立てて保育を行っています。子どもたちが小学校での生活をイメージできるような話をしたり、ハンカチの使い方やおたよりの持ち帰り、ひらがなに触れるなど、学校生活に準じた過ごし方を少しずつ取り入れています。保護者には個人面談やクラス別懇談会で相談に応じたり、就学に向けての過ごし方を知らせて見通しが持てるようにしています。コロナ禍以前は小学校との交流や年長担任の授業参観、教員との意見交換の機会等を設けていましたが、現在は限られた対応となっています。保育所児童保育要録を作成し、必要に応じて小学校教員の保育参観や引き継ぎを早めに行うなど、丁寧な連携を行っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

マニュアルに基づいて子どもの健康管理を行っています。登園時に健康記録表を確認し、園児だけでなく同居家族の健康状態も確認して受け入れています。月1回身体測定、頭髪検査を実施しています。必要に応じ専門職間で連携し、保護者と情報共有して適切な配慮をすることで健やかな成長につなげています。子どもの体調の変化や怪我の際は、複数の職員で確認し、保護者へ連絡しています。また、翌日に体調や怪我の状況を確認しています。健康管理年間計画に沿って保健指導や身体測定、園医健診などを実施しています。園児一人ひとりの健康状態に関する情報は、児童票や入園時に提出したすこやか手帳などから情報を得たり、保護者に確認して一覧表を作成しています。乳幼児突然死症候群について、年齢に合わせた睡眠時の観察、体温計測を実施し記録に残しています。特別な配慮を必要とする園児については個別に観察時間を設け観察しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

園医による健診結果は、当日すこやか手帳を通し保護者へ知らせています。看護師より職員にも周知しています。歯科健診は年1回実施しています。コロナ禍のため、園での歯磨きは実施していませんが、歯科健診の結果、必要に応じて受診を勧め、園児の口腔内の健康が維持できるよう働きかけています。三者連携集会で園児が自分自身の健康について意識が持てるよう伝えています。また、その内容や集会の様子を掲示し、保護者にも知らせて保護者の意識も高めています。園児の健康に関して気になることは、園医に確認、相談し、適切に対応しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギー疾患のある子どもについては、マニュアルに基づいて主治医の判断、意見を健康管理委員会に申請し、指示に従って対応しています。食物アレルギーの場合はテーブル、トレイ、布巾を個人使用としています。メニュー確認では、前月に園と保護者で食事連絡ノートを活用して確認しています。給食委託業者とは前日と当日朝に除去の有無を確認しています。アレルギー児の食事は個別トレイに配膳し、給食委託業者と確認後、提供前に正規職員2人以上で確認して誤配食を防いでいます。アレルギー疾患については、半年ごとの受診で除去の見直しを面談し確認しています。職員は研修でアレルギーについて学んでいます。クラスの子どもたちへは「なぜ一緒のものが食べられないのか」を伝えていますが、保護者には個人情報の観点から伝えていません。安全に過ごすための理解を深めてもらえるよう、園としての取組を今後改善していきたいと考えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に沿って、食事指導年間計画を作成し、年齢や個々の発達に合わせた食事の形態、量、食器を考慮しています。畑で育てて収穫した野菜を持ち帰り、家庭で調理して食べた様子を保護者から提供してもらい、掲示板に掲示することで、家庭と共に食育活動を進めています。育てたスイカでスイカ割りをしたり、ピーマンの曲やソラマメの歌を歌い、楽しみながら食について関心を深めています。行事食の時にはランチョンマットを使用したり、各クラスで好きな場所で食べられる日を設定する等、食事をする場の工夫をして美味しく楽しく食べられる雰囲気づくりを行っています。クラス別懇談会や個人面談などで子どもの食生活や食育について情報共有し、家庭と連携をとっています。食育掲示板コーナーや、三者連携の活動の中で子どもが食や健康について学べる場を作り、食への関心を持てるようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

離乳食、アレルギー食、子どもの体調などに配慮した配慮食など、健康や発達に応じた食事の提供をしています。給食委託業者とは献立、配慮食、アレルギー食などを毎日確認する他、月1回開催する給食会議で情報共有し、安全に食事の提供ができるようにしています。給食時間に保育士が子どもと一緒に食事をすることで、子どもの食べている様子や嗜好を把握しています。コロナ禍以前は、給食委託業者が保育室で温かいご飯をよそい、子どもの様子を確認していましたが、コロナ禍のため、喫食状況報告書や毎日の給食打合せで、子どもの様子を給食委託業者と共有し、翌日の給食に反映しています。川崎市の統一献立で郷土料理や外国の料理が取り入れられるようになり、様々な食事形態や食文化、味付け、メニューに関心が持てるようにしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭での状況や理解に努め、保護者からの質問や相談などに応えて、保護者に寄り添った対応をしています。0~2歳児は一人ひとりの連絡帳を活用したり、送迎時のコミュニケーションを通して、子どもの成長する姿を共有しています。幼児クラスは日々の保育の記録を保育室入り口に掲示するなど丁寧な関わりをしています。園では、保育参観を実施し、家庭では見られない園での子どもの生活の様子を確認し、子育ての喜びを実感したり、保育の意図や内容を理解してもらう機会となっています。おたよりやクラス別懇談会でも、保育の内容や子どもの成長を共有し、保護者役員会とも連携することで、家庭と園での協力体制を整えています。保護者との個人面談を定期的に実施し、子育て相談にも応じています。個人面談等で得た情報についての記録を作成し、児童票と一緒にファイルしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の子どもの送迎時には、保護者への積極的な声かけを大切にし、信頼関係を築き、保護者が気軽に相談しやすい環境を作っています。保護者からの質問には、迅速に対応することを心がけ、「引き継ぎ簿」を用意して伝達のミスがないように努めています。保護者とは定期的な個人面談のほか、必要に応じて相談を受けています。個人面談等に際しては、プライバシーに配慮して、子育て支援のために設置した保育室等を使用するなど、安心して相談できる体制です。園には、専門職として看護師、栄養士を配置しているため、必要に応じて対応しています。専門職の直接の支援を受けられることで、保護者の安心に繋がっています。担当保育士が保護者の相談を受けた時は、適切な対応ができるように、園長等が助言の支援ができる体制です。相談内容は記録し、個人ファイルに綴じ職員間で情報の共有をしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待等の権利侵害を見逃さないよう、日々、子どもや保護者の様子から、虐待の兆候を感じたときは、速やかに園長に報告すると共に、声がけをしたり、個人面談につなげるようにしています。虐待が疑われる家庭について職員間で情報共有しています。必要に応じて関係機関と連携し、「虐待対応マニュアル」に基づいた取組をしており、川崎市より配布された「川崎市児童虐待対応ハンドブック」を基にチェックポイントを確認し、早期発見、適切な対応に役立てています。今後は、さらに保護者への啓発活動を進め、共通理解を図り、的確な援助が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育日誌で日々の保育の振り返りを行っており、年間指導計画では期ごとに、月間・週間指導計画では、それぞれ月ごと、週ごとに振り返りを行い、次の指導計画に反映をしています。保育運営、行事、会議などでも自らの保育実践を考察し、自己評価を行い、他職員と共有することで保育の質の向上を図っています。会議ではクラスのエピソードを加えて報告するなど、より具体的に保育の状況が共有できるようにしています。園内に組織された自己評価担当が、年3回の職員自己評価をとりまとめ、園としての課題を抽出し、職員全員で協議、検討して改善に向けて取り組んでいます。評価結果は、玄関や各保育室の入り口に掲示し、保護者に公開しています。