社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

川崎市蟹ヶ谷保育園

2023年04月17日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 かながわアドバンスサポート

② 施設・事業所情報
名称 川崎市蟹ヶ谷保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90 名
所在地 213-0025
川崎市高津区蟹ヶ谷339
TEL 044-751-9040 ホームページ https://www.city.kawasaki.jp/450/page/0000030562.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1988年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 神奈川県川崎市こども未来局保育事業部
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:14 名
専門職員
園長:1 名
保育士:25 名
看護師:1 名
栄養士:1 名
調理員:1 名
用務員:1 名
施設・設備の概要
保育室:7
給食室:1
沐浴室:1
調乳室:1
プレイルーム:1
園庭:有

③ 理念・基本方針
『川崎市公立保育所基本理念』
子どもの権利を保障し、未来を担う子どもたちの生きる力の基礎を育む保育
【保育目標】
 「生きる力にあふれる子ども」
・心と体が健やかな子ども
・自分で考えて行動できる子ども
・自分や相手を大切にできる子ども
  を園目標とし、
【保育方針】
〇家庭や地域社会と連携を図り、乳幼児期の子どもの育ちを支援していく。
〇子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、自己を十分に発揮しながら活動し、健全な心身の発達を図る。
〇養護と教育を一体化とし、豊かな人間性をもった子どもを育成する。
〇入所している子どもたちの保護者や近隣地域の子育て家庭へ子育ての支援を行い、共に子育てを行う。
〇地域に開かれた児童福祉施設として、子育ての知識や経験・技術を提供していく。
  を保育方針として、保育事業を進めています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【立地および施設の概要】    
本園はJR南武線武蔵溝の口駅から東急バスで蟹ヶ谷行き及びJR南武線武蔵新城駅から市営バス、東急バスで綱島行き「鷹巣橋」下車徒歩8分。裏手にはみかん畑が広がり、横には矢上川が流れる住宅地の、のどかな場所に立地しています。軽量鉄骨造り平屋ですが、前面に広い園庭があり、町内会がこの園庭を借りて夏祭りや餅つき大会を行うほどの広さを誇ります。昭和39年オリンピックの年に母子寮が廃止になり、保育園として改築し、現在の敷地1815平米、増築後の園舎床面積560平米、残り約1200平米が園庭となっています。定員90名<現在97名在園>の大規模保育園です。
保育室は0歳、1歳、2歳、3歳、4歳と5歳が年齢別となっており4,5歳児の間にプレイルームがあります。
保育時間が令和3年度から朝7時~夜8時まで延長されています。土曜保育もあり、地域のニーズに応えています。

【園の特徴】
◇高津区「新たな公立保育所」のブランチ園として地域への貢献
本園は川崎市が進める「10年戦略」の1つ、「こどもたちの笑顔があふれるまちづくり」を目指しての「新たな公立保育所のありかた」に基づき、保育園再編成のなかで高津区のブランチ保育所として指定されています。センター園は梶ヶ谷保育園、ブランチ園として津田山保育園が指定されています。保育園民営化を進めてきた川崎市では、各区に公立保育所として、センター園1、ブランチ園2を有しています。民間保育園に対する支援の充実や指導監督の強化を図るため、現場でのノウハウやスキルを継承するために「新たな公立保育所」として、各区3園に「地域の子ども・子育て支援」「民間保育所等への支援」「公・民保育所の人材育成」の機能をもたせてあります。
本園では蟹ヶ谷地区担当として、これら3機能と役割を果たす多くの計画があります。
⓵地域に開かれた機能の拡充として、親と子どもの体験保育<親子でランチ・遊びの広場>、②人材育成の専門職講座<キッズひよこ、健康相談>、③民間保育園の支援<相談支援>、認可保育所、認可外保育所訪問、公開保育>の計画があります。今年は認可民間保育所延べ116園、認可外保育園53か所の訪問実績があります。公開保育には13園が参加しています。
今年はコロナ禍のなか、集団での交流ができなかったために、多くの各種イベントが中止になっています。

◇餅つき、ラジオ体操、夏まつりの会場に園庭を提供、地域との交流
近隣に橘公園や神庭(かにわ)緑地などがあり、豊かな自然に囲まれています。昭和の東京オリンピック開催の年にそれまであった母子寮が廃止され、その後に本園が開設され、町内会とのつながりが深いものがあります。本園の園庭が1200平米を超す広さを持つために、町内会と協定を結び、餅つき、ラジオ体操、夏まつりの3行事の会場として、本園の園庭を貸すことにしております。子ども達に日本の伝統に親しんでもらうメリットがあります。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/09/28(契約日) ~2023/01/15(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2013年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 特に評価の高い点
1.貴重な「米づくり」の実体験 5歳児
本園の保育の特色になっているコメ作り、コメが小さなモミから成長して人の口に入るまでの全プロセスを、子どもに実体験させるカリキュラムがあります。モミの芽出しから始まって、ドロドロの土を作り、小さな苗を発泡スチロールに田植えし、草をとり、夏には小さな白い花が咲くのを観察し、青い稲になり、夏が終わるころから、茶色の稲穂になってゆく。稲刈りは1本ずつハサミで刈り取ります。小さな稲穂を取って、一つずつモミをむいて玄米にして、さらに精米して、白いコメにします。それを炊くグループとコメをとぐグループが2部屋に別れ作業します。炊飯器2台に入れ、そして炊きあがったご飯を、おにぎりにしてパーティを開き、喜びを分かち合うのです。この一連のコメができるまでの作業を、子どもたちは自分たちでやり遂げているのです。大人の指導があって、この難しい作業を、身を以て体験するのです。日本人の主食であるコメが大変な労力で出来ていることを子どもたちは実感しています。優れたカリキュラムです。子どもたちは自らの手を汚して稲穂に成長させ、刈り取り脱穀して、炊いて口に入れるまでを、大人の手をかりながらやり遂げています。その「やった」とう達成感、自信は自分達が勝ち取ったものとして、子どもたちの得難い体験として残ってゆきます。

2.発達相談支援コーディネーター6名の「おしゃべりタイム」保護者の不安を払拭
本園には発達相談支援コーディネーターの資格者が6名在籍し、各クラスに配置されています。増加する発達障害児で、どの保育所も対応に苦心しています。本園はコーディネーター5名<園長除く>は年間の計画を立て、保育の傍ら保護者の個別相談に毎月2回土曜日を利用して2時間ずつたっぷりと、2回の個別相談に応じています。「地域に住むママ、パパと子育ての悩みについて、いろいろと話しができれば」と、この催しを企画したのです。地域に根差した保育所として行っています。園内では、事例をもとにカンファレンスと個別対応の取組を行い、情報の共有をしています。年4回のたより「子育て応援団」を出し、リーフレットも出し、気になる子の保護者向けの活動を活発に行っているようです。
3.週刊「SDGs」の配布
クラスだよりの新しい形A4一枚の紙にびっしりとゴチック文字がはいり、写真が1枚もないクラスだより「SDGs」、今はやりのロゴに似せて「さくら組の、でっかい目標〈ゴール GS>」を4歳児担任の男性保育士が、毎週発行しています。運動会の話題、クリスマスプレゼントの話題、夏祭りの山車で作ったドーナツと、チョコの年末ジャンボ級の抽選会など、保育にまつわる話題やクラスの模様をエピソードを交えて、毎週保護者へ配布しています。ウィットに富み、楽しい読み物が毎週 提供されています。紙の一番下に「ご感想を」と書いてあり、読んだ保護者がすぐ反応してくるようです。担任の一方的な情報ではなく、保護者の反応を見ながら、クラスの情報を提供しています。今年度すでに26号を重ねています。1か月という長い期間ではなく、1週間という短期的な時間センスが受けているようです。

◇今後期待される点
保育アプリ「コドモン」の導入で保育士の業務が改善しつつあります。朝、夕の子どもの様子をコドモンで送信できれば最も忙しい朝、夕の時間が軽減されるからタブレット端末がクラスに配布されていないのでそれができず、今では園からの一方通行の伝達手段になっています。クラスに1台ずつあれば、業務の殆どは軽くなります。端末の配置が待たれています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
保育の質や保護者の満足度の向上及び課題を認識するため、第三者評価を受審しまし た。受審にあたり、職員と意見を出し合い検討する中で、保育の現状を振り返ることとな り、自分たちが取り組んでいる業務の意味・意義を再認識し、今後改善すべき課題を知る ことができました。今回、評価いただいた内容を受け止め、子どもたちがより良い保育園 生活を送れるよう、また保護者の方に安心して預けていただけるよう、職員の資質向上に 努めていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・昨年度より川崎市公立保育所はすべて同じ保育理念となり、理念は「子どもの権利を保障し、未来を担う子どもたちの生きる力の基礎を育む保育」とし、保育の基本としております。
・基本方針として、「家庭や地域社会と連携を図り、乳幼児の子どもの育ちを支援していく」「子どもが健康・安全で、情緒の安定した生活ができる環境を用意し、自己を十分に発揮しながら活動できる健全な心身の発達を図る」「養護と教育を一体化し、豊かな人間性をもった子どもを育成する」「園児の保護者や地域の子育て家庭へ子育て支援を行い、共に子育てを行う」「地域に開かれた児童施設として、子育ての知識や経験、技術を提供して行く」として、保育全般にわたる基盤を明確にしています。
・保育目標は、「生きる力にあふれる子ども」「心と身体が健やかな子ども」「自分で考えて行動できる子ども」「自分や相手を大切にできる子ども」とし、子ども本位の保育姿勢を前面に打ち出しています。
・年度初めに保育内容説明会を開催しているが、コロナ禍のため資料やクラス便りを配布し、保護者の理解を得られるようにしています。乳児クラスは短時間ではあるが、クラス別懇談会を実施し、保育内容等について具体的に伝えることができました。
・理念・基本方針は保育説明会資料、園見学の際に配付する園の概要、保育冊子、「入園のしおり」に掲載し、川崎市のホームページにも載せて居ます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・川崎市公立保育所は川崎市の総合計画に組み込まれて事業運営がなされており、現在は川崎市行政改革第3期プログラム、地域包括ケアシステム等に基づき、第2期川崎市子ども・若者の未来応援プランにより、園運営や各事業を行っています。
・川崎市総合計画には「かわさき10年戦略」があり、7つのメイン戦略の2番目に「戦略2;【どこよりも子育てしやすいまち】をめざす」としており、公立保育所の役割は重要です。
・総合計画の具体的ながれとして、「新たな公立保育所」の機能;①地域の子ども・子育て支援、②民間保育所等への支援、③公・民保育所人材育成、④インクルーシブ保育(子どもの多様性を温かく受容する)、⑤自己評価等、⑥職員の資質の向上、の実行を責務とされているため、これは園の全体的な計画にも組み入れて進めています。
・高津区保育総合支援担当、地域支援課、児童家庭課、近隣園と情報共有を丁寧に行い、連携をとっています。
・一人ひとりの子どもや保護者が安心して園生活を送り、働きに出られるよう信頼関係作りをしながら取り組んでいるます。地域子育て支援として、子育て相談を主としながら、園庭開放、絵本貸し出し、遊具キット配布や情報発信を行い、ニーズに応えています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

川崎市こども未来局保育事業部運営管理課、高津区保育総合支援担当、公営保育園園長と連携し、情報共有や課題の改善に取り組んでいます。
・毎月在園人数を運営管理課、児童家庭課に報告し空き状況を把握し、ホームページで公表しており、ニーズに合わせて定数より7名多く受け入れをしています。
・園内の要改善課題について、フリー・リーダー会議で抽出、検討し、全体会議でおろし、職員同士での討議や周知を行っています。
・蟹ヶ谷地区の子育てに関する課題などを、関係機関との連携の中で把握し、保育総合、児童家庭課、地域みまもり支援センターなどとこまめに情報を交換し合っています。
・その中で浮かび上がった課題については、書類、口頭にて園長に報告し、職員会議などで全職員に周知し、課題解決に向け検討しながら進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・「第2期川崎市子ども・若者未来応援プラン」に基づき、地域の特性・ニーズに合わせ、基本方針を定め、実現に向けて目標を明確にしています。
・川崎市保育事業部運営管理課、高津区保育総合支援担当、公立保育園園長と連携し、情報共有や課題の改善に取り組んでいます。
・毎月在園人数を運営管理課に報告するとともに、児童家庭課と空き状況を把握し、ホームページに公表して待機児童に配慮しています。
・保育理念、基本方針、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、自園の特色を活かしながら策定をしている。就学を見据えながら、小学校との接続をよりスムーズにするために、検討、評価、見直しをして取り組んでいます。
・随時、職員同士で意見を出し合い課題や問題点の解決・改善に向けた具体的な見直しをできる体制を整えています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画、年間指導計画、月間指導計画、週日指導計画を作成し、計画に沿って着実に実行しています。
・公立園の単年度計画(事業計画)は、「新たな公立保育所」の機能に則り、①地域の子ども・子育て支援、②民間保育所等への支援、③公・民保育所人材育成、④インクルーシブ保育(子どもの多様性を温かく受容する)、⑤自己評価等、⑥職員の資質の向上、などのテーマ別事業計画となり、テーマごとの責任者も決めたプロジェクトチームで会議や打ち合わせを行い、進めています。
・プロジェクトチームからは「かわさき10年戦略」に則った上記①~⑥のテーマそれぞれから「年間計画及び実施報告書」が策定され、いつまでに誰が何をやるかまで具体化された計画書が提出されます。
・各クラス保育、民間連携、地域支援、各プロジェクト等において、年間計画を立案し打合せを行い、期ごとまたは年間の振り返りを行い、次年度の計画に活かしています。
・行事の後には、保護者にアンケートを依頼し、それをまとめ、職員間で検討、反省をし、次年度に繋げています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・年度初めに資料を配布し、川崎市保育基本方針、蟹ヶ谷保育園基本方針を伝え、職員の理解を得ています。全体的な計画等職員と共に検討、意見を出し合い策定しています。
・事業計画の各テーマには職員全員参加が前提となっており、各担当、各クラス、学年、乳児、幼児、リーダー、フリー、給食のメンバーで会議を計画的に持ち、意見交換して状況把握や課題解決に取り組んでいます。
・行事や保育計画は、月や期ごとに評価され、PDCAサイクルにより、見直され計画立案に活かされています。また反省や評価が年度末の全体職員会議で確認され、確実に次年度への申し送りを行っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画や、年間行事計画等を保育内容説明会や懇談会で保護者に周知しています。方法として、紙面配布、パワーポイント、コドモン配信と行った視覚的な周知と、内容により個別の丁寧な口頭での声かけを行い、理解を得ています。
・保育方針、保育理念、保育目標は各保育室、玄関、廊下などに掲示し、園内でも説明しています。
・パワーポイントを使用した資料は、子どもの生き生きとした表情の画像を取り入れたり、レイアウトを工夫することでより分かりやすく保護者に伝わるようにしています。
・行事では、ねらいや内容、コロナ禍による参加の仕方など丁寧に説明して理解を得ています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・月案や週案においては定期的にPDCAサイクルを回し、保育の質の向上に努めています。
・毎月の月案での反省や年間指導計画の反省などで、次年度への指導計画を見直し、改善を行っています。
・年1回、園の自己評価を行い、振り返りを基に反省、課題を確認し職員間で共有、改善に努めています。また、保護者にも開示しています。
・年1回、監査を受け、評価、改善を図っています。また、第三者評価も定期的に受審し、保育の質の向上に努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・自己評価や第三者評価等の結果から改善すべき課題を明確にしています。課題については、全体会議等で全職員で取り組み、解決・改善に努めています。
・自己評価の結果などから浮上した「改善課題」についてはも、改善策実行の担当者、グループを指名し、計画作成(P)、実行(D)、振り返り(C)、対応策などの部分修正(A)を回しながら、改善策を進めます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、年度初めに蟹ヶ谷保育園運営方針を作成し、4月の職員会議の中で園長の役割りと責任を説明し、周知を図っています。また職務分担表にて役割と責任を明確に示しています。
・「公立保育所園長業務マニュアル」や「運営マニュアル」の安全管理において園長の役割を明確にし、園長不在時には園長補佐が役割を担います。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は行政の主催する法令関連の外部研修は必ず受講し、内容は職員会議などで全職員に説明しています。
・年2回服務チェックシートに取り組み、人事評価面談を利用して、個別に確認を行っています。
・年1回自己点検チェックシートを活用し、情報セキュリティーチェックを行い、法令順守の取り組みを行っています。
・ごみ収集に関しては「川崎市3R活動」のごみ分別を徹底しており、子ども達にもわかりやすく説明しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、週案、月案、各期指導計画、年間指導計画に目を通し、それぞれの反省及び児童票を確認し、保育の質の向上に向けて指導しています。
・フリー・リーダー会議、職員会議、乳児会議、幼児会議を利用して、保育の質について意見交換を行い、助言や指導を行っています。また、検討方法は会議だけでなく、付箋ワーク(改善課題抽出、解決策模索の作業ツール)なども取り入れ、意見を出しやすい工夫をしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、人事評価の個人面談を年3回実施し、業務の進捗状況や、保育、保護者との関わりなど確認、指導しています。また、面談などで職員の意見・希望を聞き、職員一人ひとりの特性を生かした「働きやすい環境」の実現に向け、努力しています。
・園長は、保護者への情報提供や、Zoom会議へのスムーズな参加や、業務の効率化に向け、ICT活用のための指導を丁寧に行い、職員のスキルアップに取り組んでいます。
・保育の質を向上させるために、職員の健康維持と働きやすい環境作りを心がけています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・公営保育所のため、人材確保や職員配置においては、川崎市の施策において計画的に実施されています。園での人材育成は、川崎市人材育成基本方針に基づき、研修等も受講しながら実施しています。
・保育士資格のない会計年度任用職員(非常勤職員)に対しては、保育士資格や子育て支援員・家庭福祉員の資格取得を支援しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・川崎市には「川崎市公務員育成ビジョン」「川崎市保育士育成ビジョン」があり、保育士が入職後の年数に依っての「期待する職員像等」を明確にしています。
・川崎市の「人材育成基本方針」には職員として求められる姿があり、「保育の質ガイドブック」には、保育士・栄養士のあるべき姿が明示されて、職員一人ひとりが認識し、共有しています。人事評価制度で園長と面談を行うことで、業務の確認や達成度を明確化でき、キャリアシートを活用して、自身で短期・中長期目標を掲げながら、育成担当者と面談を通して、目標達成のために自分の将来像を描けるようになっています。
・人事評価については「人事評価シート」を使用し、1次評価者は園長で、2次評価者は高津区保育総合支援担当課長が行います。
・園長が労務・管理を行い、休暇取得、時間外勤務を定期的に管理しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・時差勤務をシフト制で行っており、できるだけ当番の回数が均一になるようにしています。
・休暇取得は個人差があるが、可能な限り希望通りに取得ができるようシフト体制を組んでいます。職員の意向に基づいて、育児短時間勤務等実施しています。
・園長との個別面談は年3回実施し、風通しのよい職場作りを行い、職員の心身の健康、安全に配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「川崎市保育士人材育成のための手引き」により、保育士の「期待する職員像」が明確になっています。また、「川崎市人材育成基本方針」が根底にあり、市職員のあるべき姿として「川崎市保育士人材育成ビジョン」が策定されています。
・「川崎市人事評価ガイドブック」の基準に基づき、業務の評価、職員一人ひとりの「目標管理」のためのキャリアシートの作成、年3回の個人面談が行われています。人事評価については「人事評価シート」を使用し、1次評価者は園長で、2次評価者は高津区保育総合支援担当課長が行います。
・「キャリアシート」には、自らの将来の希望も描くことができ、面談で育成担当者からのアドバイスも得られます。
・園では、日々の業務やコミュニケーションの中で、一人ひとりの育成に向けた取り組みをしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・「川崎市人材育成基本方針」や「川崎市保育士人材育成のための手引き」には、「期待する職員像」等が明示されています。また、市職員のあるべき姿として「川崎市保育士人材育成ビジョン」が策定されています。
・人材育成に必要な研修(階層別研修、キャリアアップ研修、職種別研修、課題別研修)がコロナ禍のためオンライン等で計画され、職員は誰でも受講することができるようになりました。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・新任職員や異動者に対しては保育現場でOJTを行い、人材育成に取り組んでいます。
・研修は職員に希望を取り、受講できるよう研修担当者である園長補佐が調整し、全職員が計画的に受講しています。
・Zoomの活用により研修への参加率が上がり、各職員の学びの機会が増え、研修報告会を会議等で行い、そこで得た知識や技術を共有し、学び合うことで保育の質の向上を図り、実践に活かしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・「実習生受け入れの手引き」に沿って、2022年度では17名の実習生を受け入れ、次世代育成に励んでいます。
・実習については、学校側と連携を密に取り、実習内容について確認を行い、プログラムを整備し、担当クラスに伝えています。また、実習後半には、反省会を行い、評価やアドバイスをしています。
・保育園の保護者に対して、保育内容説明会で実習の目的を説明、実習日程についてはその都度お知らせを配信し、理解に繋げています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・川崎市のホームページや園の概要に保育理念、保育基本方針、保育目標、保育内容等を記載し、情報提供をしています。
・苦情・相談の体制は、重要事項説明書に苦情・要望等に係る相談窓口として掲載をし承諾を得ている。保育内容説明会の資料にも記載しています。
・保護者に向けての情報として、一年を通して園だより、クラスだより、行事ごとのお便りを配信し公開しています。
・地域に対しては川崎市のホームページを活用し、お便り「蟹っこ通信」を毎月配信し活動や取り組みを知らせています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・年度初めの職員会議の中で職務分担と権限・責任を明確にし、職員等に周知徹底しています。
・年1回内部監査が入ることで、公正かつ透明性の高い取り組みを実施しています。
・監査の結果や指摘事項に基づき、改善案の対策を行い実施しています。
・財務監査は川崎市運営管理課が取り仕切っており、関連書類は毎年提出し、監査を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・本園は川崎市が展開中の「新たな公立保育所」事業の高津区でのブランチ園と指定されており、役割の1つに、「地域のこども・子育て支援」事業があります。
・園庭開放を日曜日祝日を除き、毎日9時半から16時まで未就園児向けに行っています。体験保育についてもプログラムとしては、「親子でランチ」「遊びの広場」などありましたが、コロナ禍のため集合イベントは中止になっています。
・蟹ヶ谷保育園運営方針に「地域の親子や近隣住民、地域施設とのつながり」を明記しています。町会掲示板9カ所、園掲示板を使用し、「蟹っこ通信」「オンライン講座」やイベントの周知など広報を掲示し、情報提供をしています。近隣の神庭緑地の「里山を守る会」ボランティアの方とたけのこ掘りや七夕笹の寄贈、子どもからのお礼の手紙などのやりとりで交流の機会を設けています.。交流の様子をクラスのドキュメントや蟹っこ通信で、保護者や地域住民に知らせています。
・園職員6人が発達相談支援コーデイネーターの資格をもち、地域に住むママさんパパさん向けに子育ての悩みを相談できる会を1か月に2回土曜日に開いています。
・本園は昭和39年東京オリンピックの年に開設した歴史ある園です。広い園庭を持つため近隣の町内会と協定を結び夏祭り、餅つき、ラジオ体操の行事を園庭で行うことにしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・インターンシップ、職場体験の学生や子育て支援員からの要望に応じ、ボランティアの受け入れを行い、保育を経験してもらうことで、将来の職業選択の参考になるよう、学校教育への協力を行っていいます。
・マニュアルに沿った事前説明、オリエンテーションを行い、保育園の基本姿勢を明確にするとともに、園や子どもへの理解を得ています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・本園は高津区内の3公立保育園のうちブランチ園としての立場から、地域のこども子育て支援業務のほかに「民間保育園の支援業務」も課せられているため、より多くの関係機関との連携の必要性が求められています。ブランチ園の園長として、毎月の公立保育園長会議、年3回の民・公保育園長会議など多くの関連会議に出席しております。支援の必要な子に対して、関係機関と連携をとり、発達相談や巡回相談の必要な手立てがとれるようにしています。
・高津区保育総合支援担当・高津区地域みまもり支援センター・中央地域療育センター・中部児童相談所と常に連携、協力し、情報共有しながら課題解決に向けて取り組んでいます。
・地域に根ざした保育園として、自治会長、民生・児童委員、神庭里山の会との情報交換や交流を密に行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・高津区のブランチ園として「地域のこども 子育て支援」の活動拠点とし位置づけられ、各種会議や講座 イベントの主催者として保育ニーズの把握は怠ることができません。
・高津区幼保小連絡会、園長会、区主催の健康管理、給食等の各担当者連絡会では各担当が出席、ニーズの把握に努めています。園長が主に、民生・児童委員、主任児童委員連絡会議等に参加したり、自治会会長、社協などの団体と連携を取っているます。
・地域の親子向けに配信、配布している蟹っこ通信ではQRコードを使用し、保育園へのニーズやイベントの感想を受けることで福祉ニーズの把握に努めています。絵本貸し出しでは地域の保護者より、年齢にあった絵本や読み方などの質問があり、直接支援を行うことで、リピーターへと繋がっています。
・遊具キットへの需要が根強く、区の「行政評価」では「毎月楽しみしている地域の方が多く、地域に根付いていると実感している、相談や園庭開放につながる。今後も継続が望ましい」との評価がされています。
・保育園見学へのニーズが高く、園独自の説明動画を作成し見学の際に利用することで、好評を得ています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・高津区のブランチ園として「民間保育所等の支援」」「人材育成」事業があります。地区内の既存の民間保育所を訪問して、子育ての連携を図っています。今年は1年間で認可保育所へ延べ116回、認可外へは53回、幼稚園へは1回訪問し、相談・支援をしています。
・地域向け親子に配布している手作り遊具キットは、親子で楽しめるキットで続けてほしいとの感想をいただき、継続的に月に40セットを作成し配布しています。高津区保育総合支援担当との連携で、オンラインキッズ講座の開催やイベントへの職員派遣を行い、保育士、栄養士、看護師の専門的情報を地域へと還元しています。園で実施した子ども向けの防災教育の内容を、画像付きの蟹っこ通信で配信し、取り組みを知らせたり、災害時においては、福祉施設として対応できるように備えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育理念や保育基本方針を確認し、子どもを尊重した保育や人権について理解し保育について振り返り、実施しています。
・人権チェックシートの記入を行うことで、定期的に人権に対する意識の確認、自己評価をし、結果について話し合いを持ち、学びを深めています。
・川崎市には子どもを守る人権条例があり「子どもを尊重すること」や「子どもの人権擁護」について振り返ることで意識を高め保育現場での配慮につなげていっています。川崎市「子どもの権利条例」には「ありのままの自分でいること」など7つの権利があり、「虐待防止条例には未然防止、早期発見に向けた取組があり、職員はこれらをセットにした人権研修や自主考査で理解を深めています。年度初めに職員全体で運営方針の読み合わせをし、「人権擁護のセルフチェックシート」で自らの人権意識を再確認しています。
・園内研修で文化の違いなど受け入れることを学び合い、一人ひとりもれなく尊重され大切にされる保育の実施に努めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育の中で、プール・シャワーや着替えの時のカーテン、おむつ替えの時は、衝立等で目隠しをしプライバシーを守っています。着替えや身体測定の時に男女を分け、性差への配慮をしています。
・プライバシーについての保健的指導を保育士と看護師が連携をとり実施し、自分の身を守ることの大切さを分かりやすく伝え、また保護者へも周知しています。
・園外活動では個人名の名札ではなく、園名と電話番号の記載の名札を使用しています。
・保育アプリ「コモドン」の導入で園行事などの写真や動画を保護者へお便りとして送信する時慎重に、配慮はしています。スマホ PCの普及で個人情報の取り扱い方やプライバシー侵害のケースもありうるので動画の使用には慎重になっています。市保育検討委員会作成の「不適切な保育を未然に防ぐために・保育のポイント集」ではプライバシー侵害の事例が各局面ごと<着脱 プライベートゾーン、排泄 食事>に例示され、保育士の対処方法も示されています。職員は参考にして保育現場で活かしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・本園は川崎市直営の保育所であるため高津区HPでの情報提供は毎月更新されています。
・高津区の「行政評価」による本園の情報提供事業は、①地域向けお便りである「蟹っ子通信」は町内掲示板9ケ所、近隣施設6か所へ貼りだし、②園内見学希望のニーズに対応し、園紹介動画を制作、見学者に見せた、③遊具キットの作り方チラシに地域事業、アンケートを掲載、広報につなげた、④地域向けおたよりすべてにロゴマーク「かっくんにーちゃん」を載せ親しみをもたせた、などの評価を得ています。町内会や施設には職員が交代で出向き、顔合わせとともに 意識向上に役立った、と評価されています。
・HP「蟹ヶ谷保育園はこんなところです」は園の様子を紹介したり、保育園の園だより、給食だより、保健だよりを毎月紹介しています。高津区の公立園のなかでブランチ園として行政との強い結びつきがあるためか、保護者には安心感を与えているようです。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園時の面談で、重要事項説明書に基づき園長が丁寧に説明をし、保護者の同意の上、押印をしてもらっています。
・年度初めに保育内容説明会資料を配布し、変更点も含め説明を行っています。この説明会は保育の内容に特化した説明です。保育の基本となる「全体的な計画」から始まり、乳児保育の特色、幼児保育の特色を図解入りで説明、給食では年齢別の食育を詳しく説明、保健計画では感染症予防、コロナ予防に力点が置かれ、園職員である看護師、栄養士、保育士の3者連携講座や子どもの健康管理に及びます。
・この説明会で本園の保育の全貌が示されますので、公立保育園へ預ける安心感が培われます。
・就労先が変更になったり、就労時間が伸びた際には、園長面談を行い保育時間の決定を行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育所の変更にあたっては、転園先が川崎市内公立保育園に関しては「引き継ぎの手引き」に従って引き継ぎ文書を作成し、電話により子どもの様子を伝え、継続的な保育を遂行できるよう配慮しています。この文書を相手方に渡すことで保育の継続性が配慮され、保育が終了した後も必要に応じて面談・相談ができる仕組みです。児童票を送付し、直接電話等で情報のやり取りを行います。
・民間保育園への転園は、入園前健康診断記録表と健康管理委員会の申請結果のコピーを送付、その他は電話等で子どもの様子を伝えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者会に園長と園長補佐が参加し、園の意見を伝えたり、保護者の意見を聞く機会とし、内容については職員会議で伝え、園内で共有しています。
・保護者とは常にコミュニケーションを取り、年1回の個人面談を設け、面談では保護者の意見や要望を聞き、子どもの育ちの共有、相談など保護者の気持ちに寄り添う内容にしています。
・クラス別懇談会は年に2回開催し、保護者同士の交流や情報交換の場となるように工夫し、保護者参加行事については、コドモン等でアンケートを取り、意見を聞く体制をとっています。意見等があった際は、職員会議で情報共有し、検討した結果を内容によっては保護者に直接説明し、全体に向けては、お便りで回答結果を伝えています。
・栄養士発行の「食19だより」や地域向けお便りにQRコードを添付し、保護者と双方でのやり取りができるようになっています。遊びの様子を写真をメインにコメントを挟むだけで即日に廊下に張り出し、知らせています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・川崎市保育園苦情解決要綱に沿って子ども未来局運営管理課作成の「保育園における苦情解決の流れ」が園玄関に掲示され、「福祉サービスを利用している方などから苦情等を受付けます」として、本園での「保育園苦情解決担当者」の名前と電話番号、第三者委員2名の名前と電話番号が掲示されています。第三者委員はともに民生児童委員です。
・保護者側からの意見を伝える場を大切にし、周知しています。ご意見箱は、無記名で意見を自由に入れられるようにしています。毎日確認し、その都度速やかに対応できるにしていて、苦情の申し出あった際には、全職員間で迅速に、周知・検討しています。保護者の思いを受け止め、改善策や方向性を見出した上で解決策に向けて着手し、公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

・苦情受付担当者(園長補佐)、苦情解決責任者(園長)、苦情解決第三者委員2名を設置している上で、相談は担任だけでなく看護師、栄養士や発達相談支援コーディネーターなど、専門性を生かして対応しています。
・送迎時の会話から保護者の悩みや思いをくみ取り応えていく他、個人面談、懇談会等では「何か要望はありませんか」と必ず聞くようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

・川崎市の苦情解決の流れは、申し出があった段階でその報告を運営管理課と区の保育総合支援担当及び第三者委員へ行い、園内での解決を第三者委員の助言を得て解決し、結果を各関係者へ報告をするルールになっています。第三者委員は利用者と園責任者と話し合います。園を飛ばして直接第三者員との話はできない仕組みです。意見箱の設置や日々のコミュニケーションを大切にし、相談、意見を伝えやすい環境を整えています。
・保護者からの意見、苦情を大切に受け止め、職員間で周知・検討し、対応や改善点を保護者に知らせています。行事などのアンケートは集約をして保護者に伝え、また、内容によっては今後の見直しに活かしています。
・園は信頼を高めるために、迅速な対応が出来るようにし、内容により緊急会議を行い対応しています。苦情、相談等こまかな内容に関しても園長への相談と共に全職員で共有しています。苦情は面談 電話 書面で受付ます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・事故が発生した時は、「緊急時の対応マニュアル」に沿って速やかに対応し、事故報告書に記載すると共に職員会議などで周知、改善策の検討を行っています。
・ヒヤリとした時(事故や怪我にならなかったものも含めて)は、ヒヤリハットの書式に記載し、ミーティングノートに綴じ、全職員に周知しいます。日々の保育の中で常に危険がないよう安全確保を行い、事故防止に努め、リスクマネジメントを徹底しています。
・安全管理検討委員会が設置されており、この委員会に情報は集められ、総合的で、緊急な点検がなされる体制になっています。
・本園には用務員が正副2人おり、清掃、修繕、点検を行います。設備の安全点検を毎月行い、事故防止対策を全体職員会議で報告し周知、改善に繋げています。特にトイレは2時間ごとに衛生環境のチェックが行われています。
・園庭の遊具の使用前の点検には職員も参加、砂場の砂起こし、など年間計画を立て、取り組んでいます。
・大きな事故の場合は事故検証委員会を設置し、看護師を中心として会議の中で職員間で共有、検証を行い、改善策を検討しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・コロナの感染拡大予防対策は市役所〈厚労省〉から逐次通達があり看護師を中心にして纏められ、職員、保護者へ知らせています。感染症予防の為、室内や遊具の消毒方法や、感染リスクの高いと思われる保育場面での注意点について、会議等で職員に周知しています。会計年度任用職員は会議には出ないので、園内掲示で知らせております。
・各クラスに飛散防止の衝立を配置し、予防しています。
・毎月、保健だよりを発信し、園内で発生した感染症や予防策についての保護者に向けた情報提供を行っています。
・新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため職員は、抗原検査キットが配布されており遅番勤務者は検査をしてから出勤するルールになっています。保育所全職員に正規、非正規職員問わず、1人12本が無償配布され、12月から毎週、家で検査して出勤する体制になりました。その場で感染しているかどうか判明するため、陽性であれば出勤しないルールになっています。職員は罹患しても「休園」にはしない川崎市の方針です。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・避難訓練は、地震、火災、水害など様々な状況で月1回実施しています。防災教育は年6回実
施し、自分の身を守れるよう、子どもたちに分かりやすく体験を基に実施しています。緊急対応マニュアルのフローチャートに基づき、自衛消防組織を編成し、様々な災害を想定した避難訓練の年間計画を作成し、月1回の訓練後は振り返りを行い、園内で防災担当を設け、その職員を中心に風水害の机上訓練を実施し、災害時の園全体の行動や職員の動きを想定して、実際の災害に備えていよりスムーズな避難方法を職員間で共有しています。
・頭を守る防災ダックを知る・プール水遊びでの避難方法を知る・防災ダックを確認し、移動方法の体験をする・グラグラ地震の体験・乳児防災集会など防災教育をおこなっています。
・備蓄品リストを作成し設置場所の周知を図り、賞味期限や保管内容を定期的に確認しています。また、発電機、簡易トイレ等防災に必要な物品の使用方法についても職員間で周知しています。備蓄品は各クラスにも配置しており、アレルギー児のいるクラスにおいては、クラスの避難リュックにアレルギー児が誤食しないように身につけるビブスを準備しています。
・近隣の施設と連携を取り、災害時には互いに協力し合えるようにしています。緊急時における連絡方法については、月2回保護者も含めた伝言ダイヤルの訓練を実施し、職員、保護者共に利用方法を周知しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・標準的な保育サービスの実施方法は、保育所保育指針に則った川崎市作成の「保育の質ガイドブック」「事例集」を基に、子どもの人権を尊重し、プライバシー保護に配慮した多数のマニュアル集が作成されています。職員は各種研修で情報共有することで職員間で差異のない保育に努めています。
・子どもの権利に関しては会議や研修に参加し全職員に周知し、振り返りを行っています
・日々の保育実践については、毎月の乳児・幼児会議でクラスの反省を出し、一人ひとりの発達状況や背景を踏まえ見直しをして反映しています。行事などは例年に倣うなどと画一化せず、ねらいと内容の見直しなど討議を重ね、日々の子どもの姿、意欲や関心などに即したアイデアを取り入れ柔軟に対応し、全体会議、乳児会議、幼児会議、クラスリーダ会議、給食会議、など定期的な会議で確認され共有されています。
・保育内容としては指導計画を各年齢ごとに策定し、年間、月間 週案と作成し、乳児と要支援児には個人別の指導計画が作成されてます。本園の場合は高津区のブランチ園としての機能を実施するために「全体的な計画」の中で「新たな公立保育所の機能、ブランチ園として」が付加され、「地域の子ども・子育て支援」「民間保育所等の支援」「公・民保育所人材の育成」の事業とその実施方法が具体的に文書化されています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

・保育内容についての標準的な見直しをする仕組みが確立しています。保育の質ガイドブックに沿った3つの要素「保育内容」「保育環境」「組織管理体制」に連なる25の視点を3段階に分けて、その達成度を振り返り、見直しするPDCA手法です。
・保育内容は、四期ごとに自己評価、検証を行い、年度末、年度始めに年間指導計画の見直しを行い、計画に反映しています。月間指導案、週案の立案から実践、振り返り、自己評価をし、毎月乳児、幼児会議にで報告し、見直しや次に活かせる内容の提案等を行っています。
・各行事の取組はレジュメや行事計画書を作成し、当日の様子やその後の余韻を楽しむ子どもの姿、反省を会議で出し合い、保護者アンケートからの意見も加えて、来年度に向けての改善や提案を行い、職員全体で確認し保育に活かしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

・入園時に一人ひとりの子どもの心身の発達状況や家庭での養育状況を、児童票や健康診断表で把握、個人面談で補充しています。入園後は朝夕の口頭での情報交換、連絡表のやり取り、各指導計画(月、週)の実施状況から把握するなど、クラス担当が子どもの状況を多方面から捉えたアセスメントに基づいて、指導計画を作成し、更に職員に周知し、的確な保育の提供に努めています。全体的な計画、各種指導計画書は各クラスの部屋に常備され、必要に応じて見られます。乳児と障害者には個人別指導計画が策定され、幼児は個別計画がないため月間指導計画に「個別配慮児」欄を設け、個人ごとの配慮事項を記録しています。様々な支援を必要とする子がいますが、その一人ひとりに必要な支援ができるよう、また必要に応じて関係機関と連携しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・本園はPDCAサイクルの評価手法を使っています。月間指導計画書には「ねらい」〈P〉、「内容・養護、教育、人間関係、環境など7領域の行動」〈Do)、「評価反省」〈C〉、「配慮事項」〈A〉、などが記載され、毎月、4半期、年間と各々「自己評価」が記載されています。、その年の終わりに子どもの発達が「ねらい」に沿っているかを各クラス担任は観察して、職員と会議で話し合い反省 見直しを行っています。
・職員全員は年間の保育実施を振り返る「自己評価」を提出する仕組みになっています。
・年間指導計画・月案・週案の立案から実践・振り返りを行い、来年度に向けて検討し、四期ごとの年間指導計画の振り返りも行い、評価、見直しを行っています。
・支援困難ケースは個別の指導計画を立て、適切な保育を提供し、園内の6人いる発達相談支援コーディネーターを中心にケースカンファレンスを実施し、職員間で周知しています。
・看護師、栄養士と連携し、保健年間計画、食育年間計画を策定、実施しています
・保育計画では、各種計画を保育内容説明会で説明し、保護者の理解を得ています。年間指導計画はクラス担当が素案を作成し、週日指導計画は週明けに園長へ提出します。その評価見直しは振り返りがあった時点で職員間で話し合い、合意の上、翌月の指導計画作成に反映させています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・保育の記録、児童票、健康記録、発達経過記録、乳児個別月間指導計画、幼児月間指導計画、年間指導計画、保育日誌、土曜保育日誌、連絡帳は川崎市の統一様式で記録し、記録の事柄については、明確に記した書き方があり、記録方法の研修へも参加し習得しています。
・子ども一人ひとりの保育が児童票に記録され、必要に応じて職員会議などで職員間で共有され、保育に活かされています。
・個別に指導計画が必要な子、他機関と連携を取り合っている子に関しては、別紙で個別指導計画を作成し、必要な援助の方法等、保育に活かしています。
・全体会議、乳児会議、幼児会議、フリー・リーダー会議、給食会議などの議事録は、会議後に全職員に回覧できるようチェックし、全職員が閲覧済かどうかを確認する仕組みになっています。
・本園は保育アプリ「コドモン」を導入し、身体測定 園だより、クラスだより、園生活の様子をとった写真などドキュメンテーション、お知らせものや欠席等の連絡、登降園管理、で運用しています。連絡表など双方向の情報伝達は今後の課題です。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

・保育に関する記録の管理責任者は園長です。本園の職員は保育士の資格を持つ地方公務員です。地方公務員の「守秘義務」と保育士としての「守秘義務」が同時に課せられています。
・会計年度任用職員は「準公務員」扱いで「守秘義務」があります。
・個人情報が記載されている書類に関しては施錠できる棚などで管理し、卒園、退園児の情報に関しては6年間保存した後、廃棄など適正に文書保存で管理しているます。
・園内での写真、名前、共有する情報の掲示など個人情報の取り扱いは、入園の際に重要事項説明を行い、保護者から同意書を得ています。また、他園への情報提供や園紹介など園外へ向けた物へ写真等利用する場合は、その都度保護者に現物を見せ確認してもらった上で、同意書をもらっています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画を貫く保育理念は川崎市公立保育所の場合は「子どもの権利を保障し、未来を担う子どもたちの生きる力を育む保育」で統一されています。この理念に基づいて作成した年間指導計画を各年齢の計画とし、その中で行う期ごとの反省などを次年度の計画に活かしています。
・保育理念である「子どもの権利を保障し…」までは全公立保育園の統一理念です。その他は各園の自由です。「権利の保障」という概念は子どもの「権利の尊重」よりも強い言葉であり、川崎市のこどもの人権に対する強い姿勢をにじませています。全体的な計画には川崎市が展開中の「新たな公立保育所」のブランチ園である本園がもつ3機能が加わっています。「地域のこども・子育て」「民間保育所等への支援」「「公・民保育所人材育成」の3事業と具体的な施策が例示されています。
・増加する障害児、発達障害児への対応で「発達相談支援コーデイネーター」の活動、インクルーシブ保育など保護者の不安、悩みへの対応を計画に取り上げています。
・計画のフオームは統一様式ですが、内容は各園で発達過程、子どもの状況、家庭の状況をふまえ、職員で話し合い、毎年見直し、改善したり保育のニーズに合っているかも考えて作成しています。事務室、各クラス、玄関エントランスに保育理念や目標を掲示し、いつでも確認できるようにしながら、保育に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・園庭が広く、町内会の餅つき、ラジオ体操、夏祭りに会場として提供するくらいに地域に溶け込んでいます。
・用務員が正副2人おり毎日清掃、消毒を実施し、園庭まわりは職員も一緒に手伝いします。保育室は室温湿度をこまめにチェックし、適温や適湿になるよう空調や加湿器を利用し、心地よい環境を整えています。また、敷布団は順番に丸洗いして清潔に保っています。
・安全管理検討委員会があり、点検を実施し、修繕が必要な個所がないかをチェックしています。修繕や環境設定の検討が必要な場合は、全体会議で報告し、環境の見直しなど、日々安全に過ごせるように対応しています。
・玄関スペースや保育室には、季節感が味わえるように装飾し、少しでもくつろいだ時間が過ごせるように、乳児は遊び用の布団を敷いたり、幼児は畳のスペースを設定し、絵本を読んだりしながら、落ち着ける場所を作っています。
・食事や午睡の場所は別の部屋で行い、子どもたち一人ひとりが安心できる場所を考慮しています。雨が降ると園庭の砂場コーナーは水が溜まり、パチャパチャできる状態になります。それを利用して水遊びをしたり、泥んこ遊びをしたり、自然環境を利用しています。マルチパーツでの運動遊びが楽しめるように環境を整えています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育理念にある「子どもの権利の保障」のなかで、「ありのままの自分でいること」が権利として約束されています。会議やケース検討、ミーティング等で各家庭の状況変化や個別配慮について職員間で周知し、共通認識のもと各ケースに合わせた対応を行っています。一人ひとりの子どもの個人差などを十分把握し、共有し、支援し、一人ひとりを理解し、子どもの気持ちに沿った対応をすること、自分でできる年齢でも甘えたい時は受け止めて手伝い、自分から声を上げられる雰囲気を作ること、子どもの個性と発達を尊重して子どものありのままの姿を受け止め、安心した生活を送れることを心掛けて保育にあたっています。
・発達過程や家庭環境を十分に把握し尊重して、指導計画に個別配慮を記載し、保育に反映させています。一人ひとりの違いが認められ、秘密が守られ、人として大切にされる、またホッとできる場所で一人楽しく遊んだり、 泣きたい時には泣く、保育者は子ども一人ひとりに応じて話す速度や伝え方を変え、一方的に伝えるだけでなく子どもの気持ちを聞き、話しやすい雰囲気を作るよう心掛けています。やさしい気持ちと声掛けのトーンに保育者は気をつけて、ありのままの自分でいいよ、と日々の保育で子どもに寄り添い一人ひとりを大切にし、向き合っています。
・子どもには言葉よりも目で見てわかる視覚的要素のあるものを活用し、例えば看護師、栄養士、保育士の三者連携集会でモデルを使った歯の大切さ、うんちの大切さを教えて、好評です。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・基本的な生活習慣、食事、排泄、睡眠、着替え、手洗いの習得は年間指導計画で概略の記述があり、月間指導計画の「養護」「健康」欄で標準的な進捗程度がわかるようになっています。個人別の習得の様子は乳児は個別の指導計画があり、実際の子どもの様子は「観察・個人記録」でその年月の記述があり、確認できています。食事は食育年間計画で年齢ごとに4期に分けて支援しています。1歳でスプーン、フオークの使い方を知り、2歳で正しい使い方をしり、3歳でお箸の正しい持ち方ができるようになる、など指導計画があります。
・3歳は基本的習慣を身につけ、友達と一緒に過ごすことを喜ぶ。手洗い、着替え、食事、支度、排泄など具体的な習慣づけと取組み、子どもの生活リズムを整えてあげる手助けをしています。
・4歳は簡単な決まりを守りながら、友達との関りを深め、集団で活動する。生活習慣をさらに一歩進めて、脱いだ衣類をきちんとたたむ、使ったものを片付ける、食具は3点持ちを正しく使いお箸へ移行する、排便後自分でお尻を拭く、など保育者の関わり方を保護者へ知らせています。
・5歳は身につけた基本的な生活習慣を保育者が再確認してゆく。1年間の生活の流れや生活習慣の習得具合を保護者へ提示することで、保護者も安心して子どもを預けられ、保育者も一人ひとりに合わせた援助を行うことで自分も安心できるようです。
・看護師、栄養士、保育士が三者連携集会で、「お手洗い」「歯の健康」「いいうんち」など絵や模型を使いながら、目で見てわかる話を年間5回実施しています。食べたものがうんちとして出るまでを、見本を使って分かりやすく子どもに伝え、健康、食事の大切さを知らせています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・子どもが主体的、自発的に活動できる環境を整え、保育を行っています。
・好きな遊びを見つけて十分遊びができるよう、いろいろな遊びを提供したり、一緒に遊んだりしながら、好奇心や探求心を育んでゆくよう配慮しています。
・自然や社会に目をむけて、興味関心をもち、様々な体験から豊かな感性や創造性を育んでいくよう支援しています。園庭には四季の花々や、秋には果樹、柿、みかん、ブドウを育て、自分たちで取って食べるなど身近に四季を感じることで、自然と触れ合う環境を整備しています。
・本園の保育の特色になっている米が人の口に入るまでのプロセスを子どもに実体験させるカリキュラムがあります。春にコメの基になるモミの芽出しから始まって、ドロドロの土を作り、小さな苗を田に植えし、草をとり、夏には小さな白い花が咲くのを観察し、青い稲に変化し、夏が終わるころから、茶色の稲穂になってゆく。稲刈りは1本づつハサミで刈り取ります。小さな稲穂を取って、一つずつモミをむいて玄米にして、さらに精米して 白いコメにします。それを炊くグループとコメをとぐグループが2部屋に別れ、作業します。炊飯器2台に入れ炊きました。そして炊きあがり、おにぎりにしてパーテイを開いたのです。この一連のコメができるまでの作業を子どもたちは自分たちでやり遂げているのです。この実体験で日本人の主食であるコメが大変な労力で出来ていることを子どもたちは身をもって体得しています。優れたカリキュラムです。
・福祉施設の訪問、里山の会の参加、公園体操など地域の方と活動を共にすることで社会的体験を経験しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・0歳児は月齢差ばかりでなく、個人差が大きく成長の差もそれぞれです。連絡帳や口頭での会話などで家庭での様子を丁寧に把握しています。本園には0才児は8名と少ないのは、保護者が育休をとれる企業勤務だからのようです。3人の保育士で担当していますが、できるだけ特定の保育士がしっかり愛着関係を築き、一人ひとりの発育発達に応じた関わり方をしています。部屋は広く、子どもがゆったり過ごせるよう環境作りを工夫しています。
・保護者は様々な不安を抱えていると考えられるので、担任以外も挨拶を明るく交わすと共に、優しい言葉かけなど安心して預けられる雰囲気作りを心がけています。一人ひとりに合わせた生活リズムで、睡眠、食事、遊びを行える環境作りをし、子どもの気持ちを代弁しながらスキンシップ、手遊び、ふれあい遊びで楽しさを共有し、愛着関係を深め、保護者に日々の様子を伝えています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・子ども一人ひとりがじっくり遊び込める環境を整備し、保育者も一緒にじっくり遊ぶ中で、主体的にあそぶ体験がたくさんできるようにしています。遊びの中で満足感を味わい、共感しあう経験を通して、相手の気持ちに気づき、友だちとのかかわりの中で育つ力を、必要に応じて保育者が架け橋となって丁寧にことばで伝えています。
・生活面では、少人数に分かれて入室や着替え、食事等、ゆとりを持った生活の流れを作り、子ども自らがしようとする気持ちを尊重し、一人ひとりに応じた援助をしているます。
・探索活動が十分に行えるよう安全面に配慮しながら、玄関スペースや廊下や、テラスを利用してのびのびと活動し、遊びの場を広げています。
・危険が予想される所には、棚の転倒防止、落下防止、角にクッション材を貼り、安全に遊べる環境を整えています。
・日々の遊びの中で、異年齢児との自然な触れ合い関わりがあり、また、保育士以外との大人の関わりとして栄養士、看護師、用務員、調理員との触れ合いを大切にしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・年齢ごとの発達に応じて自発的に生活出来るよう環境作りをし、会議ではケース報告、検討を行い情報共有しながら丁寧に関わるようにしています。危険な場面があった時は事故検証を職員全体で行い、安全な環境作りを行っている。
・3歳児は生活面の自立を促しつつ、行事への取り組みや集団遊びを保育者と一緒に経験出来るようにし、時により一人遊びの保障をしながら安心して自分の力を発揮出来るようにしています。
・4歳児は子ども達が関心のあるカード遊びを用意したり、集団遊びの中でルールを守りながら友だちと遊ぶ楽しさをたくさん味わえるようにしています。
・5歳児は話し合いで意見を出し合いしながら、グループ活動や行事への取り組みで友だちと力を合わせて、取り組める機会を多く持っています。その典型を5歳児19名の「おにぎりパーテイ」に見ることができます。コメが小さな粒から成長して口に入るまでの一連の長い5か月に及ぶプロセスを子どもたちは自らの手を汚して稲穂に成長させ、刈り取り脱穀して、炊いて口に入れまでを、大人の手をかり指導を受けながらやり遂げています。その「やった」とう達成感、自信は自分達が勝ち取ったものとして、子どもたちの体験として残ってゆきます。 
・保護者には一連の作業をカラー写真でコメントつけて、配布しています。このように保育園での取り組みをその都度掲示やクラス便りで伝えております。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・本園の運営指導方針と全体的な計画で、「障害や支援を要する児童の対応は発達相談支援ーデイネーターを中心に適切な対応をしてゆく」とし、6人いる発達相談支援ーデイネーターがクラスで通常保育をしながら地域の人の相談にのる「お話しませんか」を毎月2回土曜日に相談日を設けています。また、その子に合った活動ができるようクラスの計画と照らし合わせながら、発達相談支援コーディネーターを中心に、担任を支え、月1回のケースカンフアレンスで、ケースの検討を重ね、丁寧で寄り添う保育をし、インクルーシブ的な配慮を大切にし、クラスでの関わりを常に考え保育を行っています。発達障害児など気になる子については、保護者の気持ちを受け止め、相談を受けながら意向に沿い、専門機関につなげ、民間の療育機関とも連携しています。
・2023年度より川崎市の方針で医療的ケア児を受け入れることが決まり、そのためのスペースを検討改善しています。
・発達相談支援ーデイネーターのグループは、年4回お便りを保護者へ配布し コーディネーターが中心となり、ケースカンファレンスを行ったり、会議でケース報告やケース検討を行っています。。
・発達相談の希望があれば実施したり、家庭との個人面談を実施し、家庭と連携して保育を進めており、できないところを助け合える子ども同士の関係を作る保育を進めております。。
・全体的な計画では障害児保育をより幅広くとらえた「インクルーシブ保育」〈統合保育〉を掲げていることも説明しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・川崎市は長時間保育のニーズが高く、令和3年4月から朝は7時から夜は8時まで最大2時間の延長保育を実施しています。延長保育を利用する子どもには6時には炊き込みご飯を出します。
・担当保育者が子どもと丁寧にゆったり関われるよう配慮し、子ども主体の保育に取組んでいます。
・朝、日中、夕方と時差勤務で保育に当たるため、引継ぎ簿を作成しますが、引き継ぎは口頭で行うようにしています。コロナ禍でクラス保育が中心になっているため、いつも過ごしている保育室で迎えがくるまで、ゆったりと過ごすことができています。 休息の取れる環境、静かに過ごせる時間、コーナーを区切るなど工夫しています。
・コロナ禍で異年齢で一緒の活動はできないが活動内容を同じにし、遊びの内容を共有する、また、朝の体操など工夫して実施しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」をもとに保育をしています。「全体的な計画」の中で「小学校との連携・接続」と「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が掲げられ、「5歳児年間指導計画」でも掲げられ、「クラス目標」や「子どもの姿」と併記する形でその重要な取組が日常的に確認でき、保育の現場に生かせるよう年間計画、保育計画、月案、週案に就学を意識した保育を取り入れ、それに基づいた保育が行われています。
・保育所児童保育要録の作成を適切かつ丁寧に作成し、就学に繋げています。
・コロナ前は、近隣の小学校や民間園との交流を行っていました。小学校に招待され学校生活の体験をしたり、民間園の年長児を招いて、園庭で一緒に交流をしました。
・今はZoomでのオンライン交流と形はかわっていますが、年長児交流、幼保小連携会議、年長担当者会議を実施している状況です。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの健康状態については、毎日の看護師による視診時に、保護者からの情報も含めて担任と共有し、必要な対応を行っています。また、必要に応じて保護者に連絡を入れることや子どもの別保育などの対応を判断しています。
・受診時には健康連絡カードの記入を保護者に依頼し、予防接種状況を一覧表に整理し、感染症発生時に役立てています。また、既往等による定期受診の結果についても、保護者からの情報を受け、嘱託医とも共有し専門的なアドバイスを受けています。
・年間の保健計画は看護師が作成しています。また、「保健だより」を発行し、保護者に園の状態を報告しています。
・SIDSについては、保護者懇談会等で看護師から資料をもとに説明し、突然死のリスクや、園で行っている保育中の対策について周知しています。
・入園の際に保護者にはうつぶせ寝は避けるように伝えています。午睡時には0歳児は5分、1歳児は10分おきに、2~3歳児は15分おきにブレスチェックを行い、日誌に記録しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・健康診断は、0~1歳児では年6回、2~5歳児では年2回の園医による健康診断を行っています。歯科健診は年1回行います。診断、健診の結果は、医療に関する保護者との連絡帳「健やか手帳」に書き込み、手渡すほか、口頭でも担任から伝えています。
・現在園では歯みがきを中止している為、歯の模型を使った歯みがき指導を少人数ごとに行い、子どもの興味を引き出しながら、歯を大切にすることや適切な磨き方の方法について伝えています。また、写真付きのお知らせを配信し、保護者に周知しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」「川崎市公立保育所食物アレルギー対応マニュアル」に基づき、、医師の「除去食申請に対する主治医意見書」を「川崎市健康管理委員会」に提出し、認定を受けて取り進めています。
・除去食内容についても継続的に医師の指示を得て進めています。アレルギー疾患、慢性疾患がある児について年度初めに書式にまとめ、職員会議にて周知をし、変更があればその都度報告、共有しています。毎月、栄養士が除去食献立表を作成し、担任、保護者と確認をしています。除去食は給食室から担任へ渡すときに栄養士と調理員と担任で、クラスにて配膳するときにクラス内の職員で声出し確認を行い誤食防止に努めています。個別盆を使用し、指定の席で食事をしている。職員はキャリアアップ研修やエピペンの講習などで必要な知識や技術を習得しています。
・川崎市の関連研修には必ず栄養士が出席し、内容を全職員に研修報告書などで周知しています。
・保護者には個別面談、クラス懇談会、運営委員会などでアレルギー対応についての理解を求めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・園には保育士、栄養士、看護師が配置され、三者が協力し合って、「食育」「感染防止」「歯磨き」などの食育、健康教育を行っています。子どもたちには具体的な栄養などの話をすることで、食事の楽しさや、色々な栄養の必要性を伝え、食への意欲につなげています。
・全体的な計画、各クラスの年間計画、食育年間計画に基づき、各年齢に応じた対応・指導をしています。離乳食は子ども一人ひとりの発達に合わせて、家庭と連携しながら進めています。幼児では花を飾ったり、顔を見合わせられる衝立を設置して、楽しい雰囲気づくりをしています。また、量の加減は一人ひとり行い、食べる心地よさが味わえるようにしています。栽培物や食材、栄養についての掲示、栄養士からの食に関するメッセージを出すなど、食に興味が持てる取り組みをしています。日々の給食の内容や食育活動、給食のレシピを掲示し、保護者に伝えています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・主食+一汁二菜を基本とした献立で、旬の食材を多く使い季節感のある食べやすい食事を提供しています。七夕やおはぎ、七草がゆ、ひな祭り、など行事にちなんだ献立を提供し、日本の伝統を知る機会を作っています。体格調査の結果から給与栄養目標量(給与栄養素目標量)を算出し、園児の体格に合った食事量を提供しています。給食担当者は子どもの様子を見ることや、担任が記入する喫食状況報告書から喫食量や好みを把握し、食べやすさの考慮や食事が楽しくなるような切り方、盛り付け方を調理に反映しています。
・給食室の衛生管理は、給食の手引きに沿って食の安全性を確保しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・些細な出来事でも保護者に子どもの姿や成長を伝えることで、保護者との情報共有や信頼関係の構築に繋がっています。
・絡連帳や、今日の保育の記録、写真で見えるドキュメンテーションなどで、、写真を利用し、「見える化」された情報伝達も行い、また、口頭で保育の内容を伝えたり、会話を通して日々情報交換を行っています。保育説明会、懇談会、個人面談、行事を通して、子どもの成長を共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

送迎時の日々のコミュニケーションを大切にし、子どもの成長を一緒に喜び合い、保護者の悩みを傾聴してく中で、信頼関係を構築している。コロナ禍での対応や、少しずつ緩和し変化していく対応等を、お便り、コドモンでお知らせし、口頭でも丁寧に説明をし、理解と協力を得ることが出来ています。
・連絡ノート、クラス便り、園だより、行事速報、日々の保育の様子が見えるような紙面作りをしています。
・発達相談支援コーディネーターによる「おしゃべりひろば」を土曜日に設定し、担任以外の職員と話せる機会を作っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・「川崎市虐待対応マニュアル」「川崎市児童虐待対応ハンドブック」を事務室に管理し、すぐに閲覧できるようにしています。
・一人ひとりの子どもの心身の状態や家庭での生活、保護者の状況の把握に努めています。保護者からの相談や日々のやり取りに耳を傾けることで虐待発生の予防に取り組んでいます。
・オムツ交換時や着替えの際には、体の傷やあざ等にも注意しています。家庭での気になる状況や、疑われる言動があった場合は、園医に報告し、園内でも個人情報に留意して情報共有を行い、園全体でサポートできるようにしています。また、児童家庭課や児童相談所などの関係機関と連携をとり、早期の対応に努めています。関連機関とのやり取りや、家庭とのやり取りは記録を残し保管しています。
・川崎市が主催する虐待防止関する研修に参加して常に新しい内容を共有しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・月1~3回の会議を通して保育実践を振り返り、子どもの姿や興味関心をとらえ、次の保育に繋がる計画を立てています。
・園内研修で互いに講師になり様々な学びをすることで、専門性の向上や意識の向上に繋がっています。
・年度末には保育園の自己評価を行い、結果については職員会議で共有し課題検討を行う。課題改善に向けた取り組みや、結果を保護者に公表しています。
・職員は「キャリアシート」を作成し、保育士として、日々の業務行動や期待される役割、専門性、または専門性を活かす方法、姿勢など、自身の現状を確認し、自分の目指していく方向性を確認します。更に、育成担当者との面談時に活用し、今後のキャリア計画に役立てていきます。