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幼保連携型認定こども園きらきら

2024年03月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 幼保連携型認定こども園きらきら 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認定こども園(保育所型、幼保連携型に限る) 定員 100 名
所在地 252-0134
相模原市緑区下九沢1520-1
TEL 042‐713-3781 ホームページ https://kodomokirakiraen.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人さがみ愛育会
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:29 名
専門職員
保育士:33 名
栄養士:1 名
看護師:2 名
施設・設備の概要
保育室:7
医務室:1
多目的ホール:1
厨房:1
職員休憩室:1
園庭:2
畑:
駐輪・駐車場:

③ 理念・基本方針
法人理念:愛の精神
園理念 :つよくてやさしいきらきら輝く子を育む ―「関係保育」を基本として―
基本方針:<安心できる環境> <ゆたかな体験><すこやかな育ち>

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園の前にバス停があるが便が少なく、また交通量が多いので、駐輪場に加え駐車場を備えている。193.66m²の本園の園庭には砂場や遊具を備え、356.18m²の分園の園庭は芝生が敷き詰められ、また広い畑も整備されており、園児が相互に利用している。本園の園舎は、檜の無垢材がふんだんに使われ、また職員の手作りによる木のオムツ交換台や家具が多く配置され、木のぬくもりと暖かみのある、大きな家をイメージした造りである。分園の畑では年齢ごとに季節の野菜を栽培し、成長を観察し、収穫してクッキングをしたり大豆で味噌を作るなど、食育活動に力を入れている。支援児や他国籍の園児との関わりを通して、一人ひとりの違いを認め合い、自分も大切に、目の前の人も大切に思える「関係保育」を目指し実践している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/10/23(契約日) ~2024/03/15(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
○ 温かみのある環境でのチーム保育
天井の梁や暖房の効いた床に、檜の無垢材をふんだんに用いた園舎は、温かみのある空間となっている。日々の気づきによる手作りの棚や物入れなどを工夫し、愛着をもって用いている。その環境のもとで、発達の援助など約200項目からなる自己評価を、全職員が年3回行い、「関係保育」を目指しチームによる保育を大切に、保育の質の向上を目指している。

○ 保育の標準化と、その基盤での業務継続計画(以下「BCP」という)
登園時の受け入れや健康観察、食事、午睡、災害時の対応など、場面ごとに標準的な実施方法を定めている。その上で、子ども一人ひとりに合わせた保育を行っている。その基盤のもと、「業務継続計画」は、基本方針、推進体制に続き、BCP発動基準を災害別に定め、行動基準と優先する事業等を具体的に定めている。

○ コスト分析と情報通信技術(以下「ICT」という)活用による業務改善
四半期ごとに詳細にチェックリストを用いてコスト分析を行い、事業活動収入や人件費、水光熱費など5項目について業務改善を行っている。また、ICTを活用し、登園確認や保育日誌への記録など業務の大幅な軽減を図るとともに、画像を交えた情報を発信し、保護者はアプリにより時間や場所を問わず子どもの様子を知ることができる。その結果、日々の保護者との円滑なコミュ二ケーションにつながり、連携に資している。

◇今後期待される点
○ 子どもを護る保育
トイレ設備や水遊びでの着替えなどプライバシー保護を工夫している。年齢に応じたプライバシー保護について、プライベートゾーンなどを教える事を通じて、身体が大切なものであると知ると同時に、性的な危険から子どもを護る観点から、具体的な対応が期待される。また、早期に予兆を発見し児童虐待を予防するために、視診を徹底すると共に、迅速に関係機関との連携により、育児困難な保護者を支援することが期待される。

○ 安心・安全への取組み
ヒヤリハットや事故について、毎月発生した種類毎に3歳未満と3歳以上に分けて集計している。さらに、年齢別の発生場所、時間帯や天候、季節など、再発防止を目的にデータを収集し、職員参画のもとで分析し、PDCAに則り具体的な再発防止策を工夫することが期待される。

○ 子ども一人ひとりの記録
連絡帳やICTのアプリなどを活用して、日々の保育の様子を保護者に伝えている。しかし、公的記録に関し、体調不良など配慮を要する子どもについては保育日誌に記載されているが、特に変わりのない子どもについては、月1回の園児記録への記載だけの場合がある。子ども一人ひとりについて、保育者の関わりと子どもの様子についての記録の充実が期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
平成30年に認定こども園に移行して、初めて第三者評価を受審しました。
4年間にわたりコロナ禍で様々と変化していく中、子どもにとって最善な教育・保育とは何か、行事や活動等を見直し、話し合い、職員一同で取り組んできました。
今回の受審にあたり職員ひとり一人が振り返りを行い、その中で見えてきた課題を再確認する事が出来ました。その課題について各部署で討議し研鑽する事で、保育の向上に繋がっていきました。
受審時に調査員の方から、職員の笑顔のもと子どもに寄り添った豊かな保育が見られた。と温かなお言葉を頂きました。又、保育の分野では、肯定的な評価を頂き大きな励みになり、自信に繋がりました。保護者の皆様にはアンケートのご協力を頂きありがとうございます。
第三者評価を受審し客観的視点で評価して頂くことで、当園の良い所や改善点もみえてきました。今回の評価内容を真摯に向き合い、子ども達が楽しく園生活が送れるよう、保護者の皆様に安心して頂けるようこれからも日々努力して参ります。
色々なご指導ご助言ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人と園の理念を、ホームページ及び「パンフレット」「入園のしおり」に掲載し、玄関に掲示している。職員には、新人研修及び全体研修で説明し、「全体的な計画」の振返りや「自己評価」を通じて周知を図っている。保護者には、「入園のしおり」を配布し、「入園説明会」や「保護者会」で説明し、「園だより」に掲載し周知を図っている。「ゆったりとした関わり」「楽しい関わり」「意欲的になれる関わり」を大切に、子どもでも大人でもなく関係性が主役との「関係保育」を基本に保育している。
法人と園の理念を、「重要事項説明書」に掲載することが望まれる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

市の動向や施策について、相模原市保育所連絡協議会や園長会を通じて把握し、法人の理事会や評議員会や奇数月に開催している施設長会議で話題にし、職員会議で報告している。特に、地域の人口減少、乳幼児の出生率の低下、戸建住宅が多いなどの背景から入園希望者が減少している事などを話題にしている。
保育園周辺の地域の利用者像、また、保育のニーズや潜在的利用者に関するデータを収集するなど、地域の特徴や変化等の経営環境の把握や課題の分析が求められる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人の理事会や評議員会、施設長会で、地域の人口減少、乳幼児の出生率の低下、戸建住宅が多いなどの背景から入園希望者が減少している事などを話題にしている。
入園希望者が減少している事を受け、保育園周辺の地域の利用者像、また、保育のニーズや潜在的利用者に関するデータを収集するなど、地域の特徴や変化等の経営環境の把握や課題の分析を通じて、園としての課題の取組みに向けて職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定するなど、組織的な取組みが求められる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

園として、5か年の「中長期事業計画」を策定している。その中で、中・長期的な目標(ビジョン)を明記し、「運営について」「教育・保育内容」「教育・保育の質の向上」「人材確保」「施設内・外の維持管理」「災害対策」「地域との連携」の各項目に沿って、経営課題や問題点の解決・改善に向けた具体的な内容を記載している。
年度毎の事業の進捗状況などを反映し、必要に応じた見直しが期待される。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

園として「年度事業計画書」を策定し、「園児数」や「職員配置」「保育」「健康管理」「障害児保育」「子育て支援事業」「職員研修・職員会議の実施」「防災・防犯活動」「保護者会・クラス懇談会の実施」「施設設備整備・修繕」「収支」の各計画、及び「重点事項」を明記している。特に、「重点事項」に、人と人との関わりがもてる活動や、保護者の負担軽減、情報通信技術(以下ICTと称す)の活用による業務軽減と保護者への情報発信など8項目を明記している。
園の「中長期事業計画」の下で、「重点事項」など具体的な内容が位置付けられる工夫が望まれる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

「年度事業計画書」については、園長主幹会議で実施状況の把握や評価・見直しを行い、次年度の事業計画を策定している。
事業計画の実施状況を評価する時期と方法、次年度の計画に向けての協議など、策定に向けた仕組みを作り、明文化することが求められる。また、「年度事業計画書」の各項目にそって、特に具体的な内容を明記した「重点事項」について、職員参画のもとで振返り、それを活かして次年度計画を作成する工夫が求められる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

年度初めの「保護者会」で、「法人や園の理念」に続き、「今年度活動予定」及び「教育・保育方針」「大切にしていること」を、また4月の「園だより」で「年度事業計画」の主な内容を説明している。
「保護者会」で説明した内容や、出された意見や質問などの記録が求められる。また、「園だより」は文章で細かく記載されているが保護者には理解が難しい印象がある。事業計画の主な内容について、図や絵などを工夫するなど、保護者にとって親しみがもて理解しやすい工夫が望まれる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

学期毎に年3回、「書類」「子ども達との関係」「遊び」「室内環境」「友達との関わり」「保護者との関係」「職員の休憩」「クラスの雰囲気」の8項目について、クラス単位で評価を行い、「できていないこと、不十分な所」を課題として具体的に精査し、質の向上に資している。また、保育以外の職員は、同じ8項目の設問を工夫し評価を行なっている。
評価を実施する時期や方法、実施後の活用などの仕組みを明文化することが求められる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

「各部署評価・教育・保育内容評価についてのまとめ」として、「保育の振返り」「休憩」「環境整備」「伝達」「勤務体制」「記録書類」「戸外活動」「遊びについて」の8項目について、園の評価として主幹会議で取りまとめ職員会議で伝えている。また別途、異なった項目による評価を「自己評価結果集計表」として取りまとめている。
園全体の評価項目が、クラス単位また保育以外の職員の評価項目と多少異なる項目となっている。評価項目を整理し統一するなどの工夫が望まれる。また、評価結果について、職員の参画のもとで課題を明らかにし、改善策や改善計画を策定することが期待される。さらに、評価結果を次年度の事業計画に反映する仕組みが求められる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

「施設長の責務」及び「園則(運営規程)」で、職務内容と分担を明記している。また災害時については、「緊急時の対応体制」に園長の役割を明記している。職務内容については、職員会議で説明し周知を図っている。
「施設長の責務」及び「園則(運営規程)」で、職種と職務内容を明記しているが、実情に即したより具体的な職務内容と不在時の代務者などについて定めた、包括的な職務分掌に関する規定の整備が望まれる。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき事柄を「就業規則」の「服務心得」で定め、入職時に配布し説明している。セクハラ・パワハラ等の防止などについて「ハラスメントの防止に関する規定」を策定している。
保護者からの金品授受の禁止など明文化されていない事柄なども含め、コンプライアンス全般について内容を具体的に精査し、文書化し整備するなどの工夫が望まれる。併せて、全職員への周知が求められる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

「各部署評価・教育・保育内容評価についてのまとめ」として、「保育の振返り」「休憩」「環境整備」「伝達」「勤務体制」「記録書類」「戸外活動」「遊びについて」の8項目について、園の評価として取りまとめ、保育の質の向上に活かしている。また、約200項目から成る「職員のための自己評価」を用いて、各項目を3段階で期ごとに年3回自己評価を行ない、自己の保育の振返りを行なっている。園長以下2名の主幹を中心に、主任やリーダーを含む園全体で、保育の具体的な場面で日々工夫し、より良い保育の実践に取り組んでいる。
園の運営の仕組みとして整っているにもかかわらず、明記し文章化されていない事柄が散見される。手引きやマニュアルとして整備することが望まれる。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

「四半期コスト分析チェックリスト」を用いて、「事業活動収入」や「人件費」「水光熱費」など5項目の動向について、当年度含めて3ヵ年度のコストの推移を分析し、必要な処置を講じている。子ども一人ひとりに対する個別保育や子育て支援など、園に求められる機能が変化する中で、ICTの活用により、子どもの登園確認や保育日誌への記録など業務の大幅な軽減を図っている。併せて、情報通信技術(以下「ICT」という)のアプリを活用し、保護者への画像を交えた情報発信などを工夫し、保護者との連携に資している。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「福祉人材の確保及び育成に関する基本的指針」を策定し、「基本的な考え方」のもと「福祉人材の確保に向けた主な取組」として「職場のイメージアップ」や「職員の確保・定着のための環境整備」ほか3項目について対応内容を明記している。計画に基づき、養成校等に担当者が訪問し、採用活動を行うほか、就職説明会等に積極的に参加している。園長以下2名の主幹を中心に、主任やリーダーを含む園全体で円滑なコミュニケーションに努め、入職した職員に対しての研修計画に基づく研修や、ICT活用による業務改善など工夫し、高い定着率を維持している。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像等」として、「職員の育成について」で3階層の経験年数毎に「目標事項」を定め、求められる姿を明確にしている。人事考課制は用いていない。職員一人ひとりが、4年間に渡って記載できる「個人年間目標・評価」を用いて年間目標を設定し、年度終わりに「目標に対する自己評価」を記入し、上司が「上司評価」としてコメントを加え、それを主幹及び園長が達成度や前年度からの変化などを確認している。
園長は、「個人年間目標・評価」をもとに全職員との面接を予定しており、職員が自身の伸びしろに気づくなど、自ら将来の姿が描ける一助となることが期待される。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

業務が一部に集中しないよう分担を調整し、超過勤務の抑制に努めている。また、有給休暇は半日単位及び時間単位で取得できるなど柔軟な運用を図っている。バースデー休暇があり活用されている。職員の事情により契約内容を適宜変更し就業時間の希望に沿うなど、ワークライフバランスに配慮している。会議などの前にアイスブレイクの時間を設け、常日頃から話しやすい雰囲気作りに努めている。
全職員との面接を通じて職務内容や勤務時間に対する思いなどを把握し、職員が相談しやすい環境を整える工夫が求められる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像等」として、「職員の育成について」で3階層の経験年数毎に「目標事項」を定め、求められる姿を明確にしている。職員一人ひとりが、4年間に渡って記載できる「個人年間目標・評価」を用いて年間目標を設定し、年度終わりに「目標に対する自己評価」を記入し、上司が「上司評価」としてコメントを加え、話し合いの中で次年度の目標を設定している。
園長は、「個人年間目標・評価」をもとに全職員との面接を予定しており、職員が自身の伸びしろに気づくなど、自ら将来の姿が描ける一助となることが期待される。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「職員の育成について」で、3階層の経験年数毎に「目標事項」を定め、「期待する職員像等」を示すと同時に、必要なスキルを明示している。研修の趣旨や目的、10種類の研究会や研修会毎の研修目的、施設外研修、法人内研修、そして研修成果の評価について、「研修基本方針」として定めている。また、年度事業目標や方針の沿った研修計画を「研修会年間計画」として策定し、毎月の研修テーマと内容を定めている。「園内外研修計画案」で、参加する職員を予め決めている。
「職員の育成について」で示した経験年数毎の「目標事項」に連動した、階層別また業務別の研修体系の策定が求められる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

資格一覧で保育者等の取得状況を、また、職員別の研修履歴で受講状況を把握している。コロナ禍後は、法人による施設管理者及び主任対象の研修会などをオンラインで行なっている。新人研修や年3回の全体研修、数名の職員が担当する「保育内容研究会」や「給食研究会」など各研究会では、月毎にテーマを決め,内部研修の企画・実施も含め活動している。研修計画を2年単位で作り、全職員の研修への参加機会を確保し、職員の意欲向上にもつなげている。外部研修の情報を事務所内に掲示し、受講希望を申し出る事ができる。研修参加後は、職員会議や研究会、報告書の回覧などで伝達している。ICTの研修動画サービスを活用し、勤務時間の短い職員も含め受講している。
全職員との面接を通じて、自己研鑽の状況や研修に関する希望などを把握し、個別の育成への反映が期待される。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生の受け入れは、基本姿勢などを定めた「実習生について」及び「実習生受け入れマニュアル」を整備し対応し、年間1〜2名を受け入れている。実習生の受け入れに際しては、保護者に「実習生受け入れの流れ」に沿って「園だより」で伝えている。多様な年齢のクラスでの実習の後、希望などを勘案しての部分実習など、専門職種に配慮し実施している。また、実習終了後の振返りには実習クラスのリーダーの参加を求め、職員の指導力と保育の質向上につなげている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページに、法人と園の理念、教育・保育方針、年度事業計画書と事業報告書、貸借対照表などの財務帳票等を掲載している。
苦情・相談内容と対応状況について公表することが求められる。また、事故やヒヤリハット等の内容と対応状況について公表することが期待される。公表は、ホームページだけでなく地域への広報誌や掲示板などを工夫し、複数の方法での公開が望まれる。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理、取引等に関しては「経理規程」で定めて対応している。法人が委託している公認会計士が、年に1回外部監査を行い、事業、財務等に関する助言を行っている。法人内の施設職員数名による内部監査委員会が、毎年数施設を選出して数日かけて訪問し、財務に限らず保育内容や職員研修、防災や設備など、詳細に渡り相互にチェックする仕組みがある。数年前に内部監査委員による監査を受け、子どもへの挨拶や声掛けのトーンについて、助言にもとづく改善を行なっている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域と園との関わり方について、「園則」で「子どもの属する家庭及び地域との結び付きを重視した運営を行うとともにその支援を行う」事を明記している。散歩の途中で、0歳児が掃除をしている人にぺこっと頭をさげ挨拶している様子がある。どんど焼きや焼き芋大会などの行事で、障がい者施設の利用者との触れ合いを持っている。隣接する障がい者作業所に行き、紙すきなどの軽作業を一緒にやるなど、交流の機会を持っている。保護者に対し、困りごとを支援をするプロジェクトや、身近なスポーツ、市の健診など地域の情報を収集し、法人の機関紙や掲示板、玄関でのチラシなどで提供している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受入れは、基本姿勢などを定めた「ボランティアについて」及び「体験学習について」を整備し対応している。保育のボランティアは、コロナ禍で中断していたが再開している。中学生の職業体験実習は、毎年3名〜6名を受け入れている。受け入れに際しては、事前に来園してもらい「ボランティアについて」及び「体験学習について」に沿ってオリエンテーションを行ない、保護者には「園だより」で伝えている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

玄関に小学校からのお知らせやスポーツ協会からのチラシ、事務所に「社会資源リスト」として児童相談所や小学校、医療機関、他事業所などの一覧表を掲示し、いつでも見る事ができるようにしている。「重要事項説明書」に、嘱託医、嘱託歯科医、学校薬剤師の連絡先や、地域防災拠点や広域避難場所を明記している。子どものかかりつけ医の名称と連絡先は「児童家庭調査票」に記録している。毎月開催される相模原市の園長会に園長が出席し、市の子育て支援の方向性や感染症の発症状況などの情報を得ている。また、地域の自治会に参加しており、回覧板で園の情報の発信や、防災訓練への参加を検討中である。自治会の行事が土日に集中するため、園を代表して園長が参加している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域子育て事業でのベビーマッサージや育児講座、電話での相談などを通じて、地域の声を把握するようにしている。他県から転居する家庭が多く、保護者の生活も変わる中で子育てをしなければならないニーズなどがある。地域の自治会の会員として、回覧板で園の情報の発信や、防災訓練への参加を検討中である。自治会の行事が土日に集中するため、園を代表して園長が参加している。民生委員等との定期的な会議の開催は行っていないが、地域にある法人内の施設が取り組んでおり、地域の福祉ニーズや生活課題等の把握に努めている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

「子育て支援計画」に「園児保護者への子育て支援」「一時預かり事業」と「地域の子育て支援」を定め、「交流の場の提供」のもと「園庭開放・園内開放」「地域交流事業」「子育てひろば」及び「相談援助」を定め、年3期各々の計画を明記している。園庭開放や地域への図書貸出の「とらちゃん文庫」を行っている。誕生日会やふれあい動物村、手遊びや読み聞かせの「のんびりとらちゃん」、リズム遊びや人形劇などの「つくって☆ドレミ」「おどって☆ドレミ」を月毎に内容を入れ替え行っている。ベビーマッサージや離乳食試食会の「育児講座」を年3回行っている。「一時預かり事業」を月14回実施している。法人として、地域の支援が必要な家庭に対して、入学前の家庭にランドセルの提供やクリスマスのプレゼント、コロナ禍前は朝食の提供などを「セーフティガード支援隊」事業として実施している。また、0歳児の子どもに商品券をプレゼントする「ハロー!プロジェクト」などを実施している。保護者同士の話す時間を大切にしたいなど、参加者の意見を聞き、内容を工夫しながら現在に至っている。また、交通の便が悪い上に道幅が狭く自転車での来園が危険を伴う為、所有者の協力を得て広い駐車場を確保し便宜を図っている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「入園・進級のしおり」の「基本姿勢」に子ども一人ひとりを大切にする保育を明記している。子どもを尊重した保育について「倫理綱領」を定めるとともに、「虐待・不適切な育児防止マニュアル」で、身体的虐待など4種類の虐待についての具体的な内容に併せて、不適切な関わり・支援について明記し、不適切な保育の未然防止に努めている。全職員が、子どもを尊重した保育も含む約200項目から成る「職員のための自己評価」を用いて、各項目を3段階で期ごとに年3回自己評価を行ない、自己の保育の振返りを行なっている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

プライバシー保護については、個人情報保護の一部として「職員倫理綱領」及び「個人情報保護に関する規則」で対応している。トイレのドアの有無や水遊びでの着替え対応など、子どもの年齢に応じた対応をしている。園での対応を「園だより」で保護者に伝え理解と協力を仰いでいる。
男女間の性差を知ることにより、関心の無かった子どもが興味を持ってしまう事や、保護者の理解に配慮し、プライベートゾーンなど、年齢に応じてたプライバシー保護について子どもに殆ど伝えていない。プライベートゾーンを教える事を通じて、自分の身体も他人の身体も大切なものであると知ると同時に、誰かが自分のプライベートゾーンを侵害してきたとき「何か変だな」と気づき、性犯罪から自分の身を守る力となる事から、早急な対応が求められる。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

ホームページを開設している他、園の理念や保育方針と内容等を紹介している「パンフレット」を作成している。また、見学希望の問い合わせは、氏名や年齢・見学日など「園見学希望等の受付の記録」を作成し、その後の対応に用いている。見学時になるべく子どもを連れてくるようお願いしている。見学は、1家庭ずつを基本に「パンフレット」を渡し、園全体の案内の後に保護者の関心に応じ対応している。外国籍や障がいのある保護者に対しては、口頭で補足の説明をして対応している。
利用希望者への説明内容や見学手順などを記載したマニュアルの整備が求められる。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

新入園児の保護者に、3月に3グループに分けて入園説明会を開催し、「入園・進級のしおり」及び「重要事項説明書」を渡し、スライドなどを活用し、園長が法人の概要及び園の理念などを説明している。その後、保育者による個人面談を行なっている。在園児には、3月にクラス毎に「入園・進級のしおり」を渡し、併せてICTのアプリで配信し伝えている。また、袋など準備する物の実物を掲示し、保護者が理解しやすいように工夫している。外国籍の保護者に対しては、口頭で平易な表現を用いて説明している。
入園説明会の準備や当日の式次第、その後の面談の進め方、また、進級する在園児及び保護者に対する配布物や説明方法、掲示物の準備など、手順や内容などを記載したマニュアルの整備が求められる。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転居などにより退園し、他の保育園に移った園児は比較的乳児に多いが絶対数は少ない。また、転居先についても、保護者が転居先を言いたがらないなど把握が難しい。
退園し、他の保育園に移る園児について、園の判断のみならず保護者の意向をも踏まえ、保護者の同意のもと転園先への情報提供など、保育の継続性に配慮した対応の仕組みと手順のマニュアル化が求められる。併せて、退園後の相談方法や相談窓口になる担当者などについて、分かりやすく説明した文書の整備が求められる。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人として「利用者満足の向上に向けた取組みの規定」のもとで「利用者満足度向上委員会」を設置し、各施設の利用者満足度の向上を図っている。園については、使用済みオムツの園での処理を図り実現している。年度末に、全保護者を対象に、「理念・保育方法の周知」や「ご意見・苦情対応」「子育て相談・支援」など11項目に関し「はい、いいえ」での回答に加え、自由記述欄を用いての回答によるアンケートを実施している。昨年度の回収率は67.8%で、結果を集計し保護者にICTのアプリで配信し報告している。また、保護者面談や保護者懇談会を開催し、利用者の満足度を把握している。
アンケートの準備と実施、回答内容の分析と保育の質向上に活かす方法などについて、手順からなるマニュアルの整備が望まれる。併せて、アンケート結果の分析や、保護者面談や保護者懇談会で出された意見の記録、及び対応に関する記録の整備が求められる。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決は、法人の「情解決制度基本要綱」で、苦情解決の手順と2名の第三者委員、事業所毎の苦情受付担当者を定めている。保護者には「入園・進級のしおり」に、「情解決制度基本要綱」で定めた苦情解決責任者が園長、苦情受付担当者が主幹、第三者委員2名の氏名や、解決の流れを図で説明している。玄関に設置された「なんでもボックス」や連絡帳で意見等を伝えることができる。寄せられた苦情は「苦情受付記録」「苦情経過記録」「苦情解決記録」に記録し、ホームページで公表している。
苦情について、保護者の立場に立ち、苦情解決責任者などの役割についての説明とともに、保育者や苦情受付担当者のみならず、第三者委員や「かながわ福祉サービス運営適正化委員会」などに直接申し出ることができる旨の説明と、連絡先の明示が求められる。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

相談や意見については「相談・意見の対応」に沿って対応している。保護者には「入園・進級のしおり」の「苦情解決制度について」で、「なんでもボックス」や連絡帳で意見等を伝えることができると明記している。また、「重要事項説明書」の「苦情相談窓口」で、面接、電話、連絡帳、文章等の方法により相談、苦情を受け付けている事、玄関に「なんでもボックス」を設置していることを明記している。
保護者や近隣住民から出された意見や要望が、相談又は苦情である場合もあり、園としての判断と対応が分かるよう受付書式を工夫し、併せてその後の対応を記録に残すことが求められる。また、相談や意見を受け止めた後の対応手順を整理し、分かりやすく明記するとともに、保護者への周知が望まれる。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

「利用者満足向上に向けた取り組みの規定」を策定している。玄関に設置した「なんでもボックス」の他、「連絡帳」や個人面談、保護者懇談会、送迎時の会話などを通じて相談や意見を把握し、その後の対応について「保育日誌」に記録している。また回答が必要な場合は、「連絡帳」などで伝えている。受けた相談や意見の内容により、保育者とリーダーにより対応を協議したり、また緊急的なものであればリーダー会議を招集して協議するなど内容により臨機応変に対応している。年度末に、保護者を対象に、「理念・保育方法の周知」や「ご意見・苦情対応」、「子育て相談・支援」など11項目に関し「はい、いいえ」での回答に加え、自由記述欄を用いての回答によるアンケートを実施している。昨年度の回収率は67.8%で、結果を集計し保護者にICTのアプリで配信し報告している。
相談や意見を受け止めた後の対応手順を整理し、分かりやすく明記するとともに、保護者への周知が望まれる。また、意見や要望などを協議した記録を整備し、組織的に保育の質の向上に活かす工夫が求められる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故防止については「事故発生の予防及び発生時の対応に関する指針」で、緊急時の対応については「緊急時手順マニュアル」で対応している。
発生した怪我や事故について、毎月怪我の種類毎に3歳未満と3歳以上に分けて統計を取っている。ボルト等のゆるみや床面の突起物など毎日点検し「安全管理チェックリスト」に記録している。
事故防止と緊急時対応について定めたマニュアルが複数存在する。防止と対応を分けるなど、整理が望まれる。事象が発生した場合、ヒヤリハットとして対応し報告するのか、事故として対応するのか、明文化することが望まれる。ヒヤリハットや事故発生後の保護者への報告日時や対応職員名の記録が求められる。加えて、ヒヤリハット及び事故報告を分析し再発防止策の策定が求められる。その為に、発生した時刻や場所、内容などについて細かくデータを収取し、防止に資する工夫が望まれる。点検について、具体的に「目視なのか、触診・打診なのか」など、事故防止の視点にたった点検方法の策定が望まれる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症については、感染症の種類毎に対応内容を明記した「感染症の対応について」などに沿って対応している。外部研修を受けてきた職員が中心となり、園内研修を同じ内容で3回に分けて開催し、全職員が参加できよう工夫している。感染症の流行に関する情報を、毎月作成している健康に関する「すくすくだより」、ICTのアプリによる配信、掲示板で保護者に伝えている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害内容(地震、火災、不審者、水害・土砂)、発生場所及び時間帯による対応、避難経路・避難場所・誘導方法等を定めたマニュアルを「災害時対応」として策定している。「災害の計画」に沿って、地震、火災、不審者などを想定し、「年間避難訓練計画」を策定し、月1回の訓練を行っている。毎月の避難訓練の実施状況を「避難訓練記入簿」に記録している。特に、年1回の引取り訓練は、実際の状況を想定し、保護者は仕事を早退するなどして来園し、引取り後は子どもと徒歩で帰宅するなどの訓練をしている。「災害時における業務継続計画」で、基本方針、推進体制に続き、秒無継続計画(BCP)発動基準を災害別に具体的に定め、行動基準と優先する事業等を定めている。災害時の備蓄食品等について、調理方法など3日間の具体的な提供を想定し、内容の再検討を進めている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

「職員の教育・保育に関する標準的な実施方法」を策定し、「衛生・身だしなみ」「朝の清掃」「教育・保育室の環境」「子どもの受け入れ・健康観察」「保育教諭等の動き」「食事」「午睡」「緊急対応」「「登園時の受け入れ」「保育中の健康管理」それぞれの標準的な実施方法を明記している。また、「登園時の受け入れ」「保育中の健康管理」、年齢毎の「デイリープログラム」及び「延長保育デイリープログラム」で標準的な実施方法を定めている。「お散歩時の業務手順」に加え「お散歩マップ」を整備し、職員が手分けして具体的に経路の安全などを確認し、内容を適宜更新している。
主だった標準的な実施方法は整備されており、子どもへの対応など、保育の視点に立ったさらなる標準化の工夫が期待される。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法について、年1回見直しを行なっている。また必要に応じて見直し改変を行っている。法人内の施設職員数名による内部監査委員会が、毎年数施設を選出して数日かけて訪問し、保育内容についても相互にチェックする仕組みがある。子どもへの挨拶や声掛けのトーンについて指摘があり、標準的な実施方法に反映している。
年1回の見直しを職員参画のもとで組織的に行う事を通じて、標準的な実施方法の周知と、標準的な実施方法を通じた保育の質の向上が期待される。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

障がいのある子どもについては、「アセスメント表」を用いてアセスメントを行い、また3歳未満児については日頃の様子を受けて個別指導計画を策定している。それ以外の子ども一人ひとりについては、「アセスメント表」を用いず日々の様子から課題を抽出し、成長が早いので、毎月「ねらい」「子どもの様子」「評価・反省」欄からなる指導計画を作成している。
全ての子どもに対して、「アセスメント表」を工夫して子どもの発達状況と秀でている面及び課題を客観的に評価し、保護者の意向を確認した上で、現在の月毎の指導計画を包含した年間の指導計画の策定と、半年毎の見直しが望まれる。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

3歳未満児と障がいのある子どもについては、年間の個別指導計画を策定し、半年毎に見直しをしている。それ以外の子どもについては、成長が早いので、「ねらい」「子どもの様子」「評価・反省」欄からなる指導計画を作成し、毎月見直して新たな指導計画を策定している。
指導計画を見直す時期、見直しに際しての検討会議の参加職員、保護者の意向把握と同意を得るための手順等の仕組みを策定することが求められる。また、見直しによって変更した指導計画の内容を、関係職員に周知する手順を定め実施する事が望まれる。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないように、「基本的な記録の取り方」を定め職員に周知している。日々の記録は、ICTにより、タブレット又はパソコンで保育日誌に記録し、情報が共有される仕組みがある。主幹が毎日記録内容を確認し、全ての園児について記録されるよう保育者に助言している。保育日誌などの公的な記録では絵文字の使用を禁止しているが、保護者への連絡に関しては、コミュニケーションを工夫する為に絵文字の使用を許可している。
保育者により、子ども一人ひとりの記録頻度に違いがある。子ども一人ひとりの個別指導計画に関する記録の充実が望まれる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護について「個人情報保護の方針」及び「個人情報に関する規則」に則って対応している。全職員が、個人情報の保護を含む約200項目から成る「職員のための自己評価」を用いて、年3回自己評価を行ない周知を図っている。園児に関する帳票類の作成や登園時の出席確認、保護者へ日々の保育の様子の発信、保育記録などを、ICTを用いてタブレットで行なっている。記録も含めて園内にある情報に対しては、職員のIDとパスワードにより閲覧及び更新できる範囲が個別に定められている。 1日の業務終了後は、保管手順と方法に基づき、使用したタブレットや手書きの記録などを事務所の施錠できるキャビネットで保管している。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「教育及び保育の内容に関する全体的な計画」の冒頭に、「事業の目的」に続いて「教育・保育方針」の中で「園の理念」を明記している。また、「ねらい及び内容並びに配慮事項」に関して、年齢毎に項目を工夫し明記している。年度末に、「全体的な計画」を各クラスで振り返り、リーダー会議で検討し、主任・主幹会議で内容を取りまとめている。その結果、コロナ禍以前のように異年齢活動や他施設との交流の再開、人と人とが関わる時間の増加、紙オムツの園での回収及び処分など、次年度の「全体的な計画」に反映している。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

天井の梁や暖房の効いた床に、檜の無垢材をふんだんに用いた園舎は、ぬくもりのある空間となっている。職員の手作りによる棚や園児用の物入れなどが多く、定期的に職員が保守している床材も含め、建物・設備を愛着をもって用いている。保育室は、3歳児までは本園に、4歳児以上は道路を隔てた分園にあり、空気清浄機と加湿器が設置され、また高い天井で窓が多く、強すぎる日差しを紙を貼って制御したり、吸音材を用いて音の響きを抑えるなど工夫している。温度・湿度計を備え「温・湿度表」に記録している。毎日の掃除、その都度の清掃、消毒などを行い、「衛生チェックリスト」に記録している。また、年2回薬剤師による環境衛生検査を行っている。手洗い場やトイレは、子どもの年齢に応じてサイズ、高さ、ドアの有無などを変えて設置している。
季節毎の目安となる室温や湿度が複数箇所に異なった数値で定められており、確認が求められる。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

せかす言葉や制止する言葉を不用意に用いないよう、「虐待・不適切な保育防止マニュアル」に沿った保育を心がけている。全職員が、ゆっくり話すことや、命令する言葉や禁止語を使わないなどを含む約200項目から成る「職員のための自己評価」を用いて、自己の保育の振り返りを行なっている。子どもが給食の後半で飽きてしまったのを受け止め、「おしまいにする?」と子どもの気持ちを代弁しながら保育している様子がある。1歳児が、色を選ぶ時に恥ずかしそうにしていたので、保育者が本人の気持ちを代弁すると「うん」と答えながら選んでいる様子がある。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画に、子どもの発達状況等に応じて、食事、排泄、衣類の着脱、身の回りの清潔や整頓、適度な運動と休息をとることなど年齢毎に身につける生活習慣について具体的に記述している。子どもが分かりやすく視覚で理解できるよう、手指を洗う順番等を掲示し、保育者が手本を示しながら一緒に手洗いをしている。また、着替えや支度がやりやすいよう空間を造り、声かけしながら子どもが自分でやってみようという気持ちを大切にし保育している。0歳児が靴を指差すので「どうぞ」と保育者が渡すと、自分で履こうとする様子がある。朝食を食べずに登園する子どもなど、1日のリズムを作るのが難しい状況があるが、昼食を少し早めに摂るとか、午睡の時間を大切にするなど工夫している。衣服の着脱など、園で少しでもできたことを連絡帳で保護者に伝え、家での様子などを把握し連携に努めている。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

「ゆったりとした関わり」「楽しい関わり」「意欲的になれる関わり」を明記し、子どもでも大人でもなく関係性が主役であるとの「関係保育」を基本に保育している。園庭に限らず、ロビーや広い廊下で異年齢の子どもが触れ合う場面が日常的にある。また、年長児は、同年齢クラスに加えて異年齢クラスでの活動を行い、様々な人との触れ合いも持っている。子どもが自ら選択しやすいよう、おもちゃなどを整理するなど工夫している。また、園庭での水遊やどろんこ遊びを通して、仲間と協同して行うことを大切にしている。外部講師によるリトミックを月1回実施している。また、徒歩1分の所にある分園の園庭は芝がはられており、ボール遊びなど乳児から幼児まで身体を使った遊びを行っている。身近な自然とふれあうことができるよう「お散歩マップ」を作成し、近隣の公園遊びを積極的に取り入れている。散歩の途上で地域の人との触れ合いがある。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の「乳児保育」で「健やかに伸び伸びと育つ」など3つの視点で、内容や配慮事項を明記している。「デイリープログラム0歳児」で、1日の保育の流れ、子どもの動き、保育者の動きを明記している。個別指導計画の内容を踏まえた園児一人ひとりのねらいを毎月「園児記録」として作成し、振り返る事ができるよう工夫している。保育室は、園児の過ごし方に合わせ、必要に応じて食事と遊びのスペースを職員手作りの敷居で分けるなど工夫している。また、朝は早めに場所を変えて外気に触れて遊んだり散歩に出るなど、環境を変え気分転換を図りやすいよう工夫している。保育室前には園庭を眺められる高さの窓があり、自然に異年齢の子ども達との触れ合いがある。子どもの利用を考えて、棚や気軽に座れる場所を、職員が温かみのある木を用いて手作りしている。新入園児などは、特定の職員が関わることで、少しずつ慣れていけるように配慮している。登園後最初の授乳時間や午睡時間などの情報を参考に、次の授乳や睡眠時間、食事時間を日々調整している。授乳の様子、離乳食など摂食した時刻や量、様子などを「連絡帳」に記載し、保護者と情報を共有している。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の「1歳児及び2歳児保育」で「健康」や「人間関係」などの5領域について、内容や配慮事項を明記している。「デイリープログラム1・2歳児」で、1日の保育の流れ、子どもの動き、保育者の動を明記している。個別指導計画の内容を踏まえた園児一人ひとりのねらいを毎月「園児記録」として作成し、振り返る事ができるよう工夫している。保育室のドアを開けると、広い廊下からホールまでの空間が広がり、異年齢児との交わりが自然にできる。保育者も入り子どもが安心感を持つことにより、異年齢児との交流が深まっている。家庭の状況で朝食の摂れない子どもに対し、午前のおやつの量を増やす等の配慮を行っている。どんぐり遊びなど、子どもの興味や知ろうとする気持ちを尊重し保育している。子ども同士の関わりの中で、言葉で表せない気持ちを保育者が代弁して伝えるなど、子ども同士の関係が深まる配慮をしている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児は本園で、4歳児、5歳児は、徒歩1分の所にある分園で保育を行なっている。「全体的な計画」の「3歳児,4歳児及び5歳児保育」で「健康」や「人間関係」などの5領域について、内容や配慮事項を明記している。「デイリープログラム3・4・5歳児」で、1日の保育の流れ、子どもの動き、保育者の動を明記している。個別指導計画の内容を踏まえた園児一人ひとりのねらいを毎月「園児記録」として作成し、振り返る事ができるよう工夫している。3歳児クラスでは、ドミノ作りなど、みんなで力を合わせて1つのものを作り達成感が得られるよう工夫している。4歳児クラスでは、絵本など自由に選べ楽しめる環境を工夫している。保育者が上手く伝えられない園児に寄り添い「もう一度」と声を掛けたり、友達との関わりの中で、自分の思いを言葉で伝えられるよう保育している。5歳児クラスでは、障がい者事業との交流で、少し距離を置く子や少しずつ近づく子など、一人ひとりの個性を大切に保育している。また、イベントに向けての練習に取り組む中で、保育者がうまく出来たことを褒め、子どもが喜ぶ様子がある。学期毎の保育の様子を、写真にコメントをつけて保護者に配信し伝えている。日々の様子を自由記載のノートで保護者に伝達するとともに、ドキュメンテーションとして情報通信技術(以下「ICT」という)のアプリで毎日配信している。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

配慮や特別な対応が必要な子どもが数名在籍している。子供により、保育者が1対1で保育している。「全体的な計画」の「支援保育について」で保育の基本を明記している。玄関から園内に入るまでスロープになっており、本園、分園共に、床は段差が無い構造になっている。音に敏感な子どもに対して、クールダウンができるスペースを用意し落ち着ける環境を用意している。「アセスメント表」を用いて、子どもの発達状況と秀でている面及び課題を客観的に評価し、保護者との話し合いを通じて意向を確認し、個別指導計画を策定している。子どもでも大人でもなく関係性が主役であるとの「関係保育」を基本に、多様な子ども同士の関わりが持てるように配慮している。また、市内の療育機関との連携を図りながら、定期的に専門的な知見から助言をもらい保育に活かしている。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

朝は7時から8時半、夕方は18時から19時まで延長保育を実施している。利用人数を「延長保育実施状況調書」で利用者数を集計しており、日によって異なるが概ね4名〜8名の子どもが利用している。「延長保育年間計画」を策定し、「延長保育デイリープログラム」に沿って保育している。
お迎え時刻は「延長保育チェック表」に記録している。保育時間により軽食やおやつを提供している。延長保育中は、異年齢の子ども同士で過ごすため、保育室の玩具等やトイレの種類など配慮している。また、家庭的な雰囲気を心掛けて一人ひとりに対応している。延長保育を担当する保育者に、日中の様子やケガの報告など、口頭とメモで引き継ぎ保護者に伝えている。また、翌日クラスの担当保育者が確実に伝達できたか確認している。
保護者に対して伝達を確実に行う為に、ノートを活用するなどの工夫が求められる。体調不良時に限らず、子ども一人ひとりが延長保育中にどのように過ごしていたか記録が求められる。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

就学に向けての保育について「全体的な計画」の「小学校との接続」で定めている。園児は、毎年2~3校の小学校に分かれて就学しており、「アプローチカリキュラム(幼児期から小学校への接続に向けて身に付けたい力)」及び「アプローチカリキュラム」に沿って5歳児の下期を中心に、就学後の日課を想定して午睡をやめたり、小学校探検を行うなどの交流機会を設けるなど保育している。「園と小学校との連携計画・実施表」に沿って地域の小学校教員と連携し、近隣の小学校と定期的に情報交換や授業参観などの場を設けている。小学校が行っている保護者向けの見学会や説明会への参加状況を確認している。また、初めて就学を経験する場合や、他から転居し就学予定の小学校になじみが無い場合を想定し、保護者の不安を取り除き、期待と見通しが持てるよう声掛けをおこなっている。
就学を見通した保育について、対象年齢児の「年間指導計画」に明記することが求められる。また、継続した支援が必要な場合もあり、保護者への対応の記録が望まれる。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理については、「学校保健計画」を策定し、また「保育中の健康管理」「健康管理(全園児共通)」や「感染症の対応について」に沿って行っている。看護師は非常勤2名を配置している。入園前に、子ども一人ひとりの健康状態や発育の様子、予防接種状況、アレルギーや慢性疾患の有無、かかりつけの医療機関名と連絡先などを確認し「児童家庭調査票」に記録し、入園後は追記し把握している。子どもの体調などについては、今日の様子に記載している。必要に応じリーダーを通じて主幹に報告がある。事務所のボードで、登園したきょうだいの様子観察が必要な事などを伝えている。感染症の流行など健康に関して、毎月作成している「すくすくだより」やICTのアプリによる配信、掲示板で保護者に伝えている。「乳幼児突然死症候群(SIDS)」に関する外部研修の報告書を通じて職員に周知を図っている。また、ポスターを園内に掲示し、保護者に情報提供をしている。健康管理に関する計画や「すくすくだより」などによる情報発信、罹患時の対応など個別に様々な仕組みがある。
それらを連携し機能的に対応するために、総合的な保健衛生に関するマニュアルの工夫が望まれる。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

「年間行事予定」にそって、幼児(2,3,4,5歳児)については内科健診を年2回、歯科健診を年2回実施している。0歳児は年6回、1歳児は年4回の乳児健診を実施している。健診の結果を「児童家庭調査票」及び「健康診断個人票」に記録し、併せて各健診内容毎の「健康状況報告書」及び「定期健康診断(歯科健診)結果のお知らせ」に記載し保護者に伝えている。健診の所見によっては、保育者が保護者に個別に受診を促すために声かけをしている。また、園での健診の間に市の3歳半健診などがあるので、そのデータも併せて確認をする場合がある。体重の少ない子どもについて、個別に毎月体重測定を行ったり昼食の様子など観察するようにしている。また、保護者に対しては、書面で医療機関への相談などを勧めている。健診の時期に関わらず歯磨き指導や手洗い指導などを行い、日常的な健康管理の大切さを伝えている。
健診結果を、園での歯磨き指導だけでなく家庭での日々の生活に活かす為に、子ども一人ひとりの「個別指導計画」にその内容を反映させて保護者と連携を図り、食生活も含めた助言や支援の工夫が望まれる。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

食物アレルギー疾患を持つ子どもが数名、熱性痙攣ある子どもが数名いる。入園前の保護者面談で食物アレルギーについて確認し、必要書類の準備をお願いしている。食物アレルギー疾患については「食物アレルギー児の対処法」や「相模原市 保育所等における食物アレルギー疾患生活管理指導表」「食物アレルギー個別票兼対応確認書」に基づいて対応している。保護者と代替食での基本的な対応を確認した上で、栄養士が毎月の献立表に沿って代替食の利用など判断し実施している。また、誤食した場合の救急対応についても保護者と予め確認している。食物アレルギー対応に関する外部研修を受講しており、報告書を回覧し周知を図っている。他の子どもに対しては年齢に応じて「食べられない物があるお友達がいる」と伝えている。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

落ち着いて食事を楽しむことができるように、年齢が高くなるに従いテーブルを小さい単位で配置するなど工夫している。年長児は、食事の量の見本を見ながら、食べられる分を各自がよそいテーブルに運んでいる。食事に関する知識として、食事のマナーなどを掲示して分かりやすく伝えている。食育を「全体的な計画」の「食育の推進」で定めている。また、0,1,2歳児用と3,4,5歳児用各々の「食育計画」で、年齢毎の年間目標、3ヶ月毎の「ねらい・内容」「環境構成・援助」に明記し、実施後の振り返りを「評価・改善」に記録している。分園に畑があり、季節の野菜を栽培し、収穫した食材でクッキングを行っている。収穫した大豆で味噌をつくり昼食で提供している。また、トウモロコシの皮をむき匂いを嗅いだり触感を楽しんだり、0歳児から年齢に応じた食育をおこなっている。実施した内容を「食育実施記録」に記録している。保護者には、ICTのアプリで、クッキングの様子や提供した食事の写真などを配信している。「離乳食献立表」を作成し、中期と後期には毎食おかゆとスープを加えるなど工夫している。連絡ノートの給食欄で食事の様子を伝え、家庭での様子も把握している。「献立表」には、日にち毎に、乳児の午前のおやつ、昼食、午後のおやつに加え、「血や肉になるもの」「働く元になるもの」「体の調子を整えるもの」として三大栄養素毎の食材を明記している。
配布している「献立表」は子どもには難解であり、挿絵の活用や献立名を工夫し、家庭での会話が弾むような「献立表」の工夫など、食を通じた子育て支援のさらなる工夫が期待される。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

週単位でクラス毎に、食事に関する気づきや伝達事項を記録し、栄養士がその様子を確認している。「フォークが使えるようになってきたから刻みを大きくしてみよう」など、栄養士が様子を把握するようにしている。行事食としてお餅や流しそうめんなど、季節の特色ある食事を提供している。月に1回のお誕生日会には、ラーメンや世界の料理などの特別食を提供している。年度の終わりに、卒園を控えている5歳児にリクエストを聞き、希望のメニューで「お別れパーティー」をしている。郷土料理は食文化を伝える有効な方法である一方で、食材をたくさん用いた汁物など大量調理に合う献立が難しい。沖縄のジューシーなど少しずつ試行していおり、今後の課題としてとらえている。食育で栽培した野菜も含め、旬の野菜をなるべく取り入れるよう心がけている。「ねぎ豚大根」など月替わりの「給食献立レシピ」を玄関に置いている。調理室の衛生管理や調理工程について「調理室及び調理従事者の衛生管理」で定めている。「給食日誌」に、献立通りに調理できたか、年齢毎の残菜の量や食事の様子、また保育者からの話しなどを記録してる。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

「家庭連絡票」「連絡ノート」やICTのアプリで保護者との連携を図っている。また、毎日の活動の様子を「今日の様子」として配信している。
毎月「園だより」「クラスだより」「すくすくだより」を発行し、保護者に配信している。年2回の「懇談会」では保育内容を説明したり、保護者同士の情報交換の場を作るなど工夫している。年1回また必要に応じて「個人面談」を行い、保護者の意見や意向を確認している。教育保育参加を年1回行い、保護者がクラスでの保育に参加し、理解を深める場となっている。送迎時を保護者と連携を図る大切な場面としてとらえ、小さなことでもなるべく言葉を交わすことを意識して保護者とのコミュニケーションに努めている。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者にとって身近に相談ができる社会資源としての保育園を目指し、保護者が相談しやすいよう、日頃から信頼関係を築くように努めている。特に相談や意見については「相談・意見の対応」に沿って対応している。保護者との面談を年1回以上行っている。「面談マニュアル」を作成し、保護者の気持ちに寄り添う面談を工夫している。送迎時に交わす会話や様子を見ることを大切に声かけを工夫し、保護者と一緒に考えるきっかけにしている。家庭での離乳食やミルク、きょうだい関係、発達の不安、共働きの下での子育て環境などについて、担任や園長・主任と情報を共有し、必要に応じて看護師や栄養士などの専門職とも連携して対応している。相談内容によっては、発達心理学者や支援コーディネーターなどの他、専門の機関とつながることができる体制を整え、子どもと保護者にとってよりよい方法を共に探るようにしている。
相談内容と支援内容について、相談の受理からその後の対応などの経過が追えるよう記録の工夫が期待される。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待防止と対応について「虐待・不適切な保育防止マニュアル」に沿って対応している。虐待等権利侵害となる兆候を見逃さないように、保護者や子どもの様子に細心の注意を払い「虐待サイン発見のチェックリスト」を用いて、早期対応に努めている。疑義が生じた場合は、「小さなサインを受け止めて」に則り、クラス担当から主任、主幹、園長へと報告し、緊急会議にてその対応を協議する仕組みがある。しかし、虐待が疑われる状況に接し、上長などに相談した記録がない。
児童虐待を予防する観点から、些細な事柄でも迅速に関係機関と連携を図る事が求められる。その為に、「不適切な保育」と「児童虐待」を分け、児童虐待防止法などに関する研修を通じ、適切な対応について周知を図ることが求められる。児童虐待の早期発見の観点から、「チェックリスト」について、児童虐待の4つの分類に関連し、視診に用いることができる内容として再構築し、全園児に対する毎日の視診の記録と、通常とは異なる保護者の様子について記録が求められる。また、保護者に対し、子育てに苦慮した時などに利用可能な相談機関や専門機関に関する情報提供が望まれる。区など他機関との連携の下、日常的に子どもに関わっている立場を活かし、家庭訪問など一歩踏み出した支援が期待される。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

子どもの人権への配慮、発達の援助、保護者の気持ちに寄り添い共に育ち合う関係作り、職員として自己研鑽に努める等の4つの視点から、年齢別保育98項目、地域の連記・交流7項目、職務・役割16項目、研修・研究16項目、保健・安全18項目、保護者支援10項目、地域の子育て支援7項目、理念・保育観14項目、保育内容12項目、延長・一時保育10項目の約200項目からなる「職員のための自己評価」を、全職員が各項目を3段階評価で、学期毎に年3回実施している。自己評価表は年間3回の評価結果を比較できるよう工夫されている。「子どもにとって最善の利益」につながるよう、気づきや改善の積み重ねを目指している。特に「保育の過程」全体をPDCAを通して、保育の循環的な過程を自己評価し、併せて園内の話し合いの中で、保育の質の向上を目指している。