社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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心花保育園

2021年04月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 心花保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 80 名
所在地 〒211-0033
川崎市中原区木月祇園町15-6
TEL 044-433-0587 ホームページ http://kohanahoikuen.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2016年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人美希福祉会
職員数
常勤職員:20 名
非常勤職員:4 名
専門職員
保育士:18 名
看護師:1 名
子育て支援員:3 名
施設・設備の概要
居室:乳児室1室
居室:ほふく室1室
居室:保育室4室
設備:遊戯室(ホール)
設備:医務室(事務室に含む)
設備:調理室1室
設備:事務室1室

③ 理念・基本方針
<理念>
1.「心のふるさと」になるような保育園づくり
  乳幼児期の最も重要な時期の記憶に愛情をたっぷり与える保育を実施する。
  縦割りを意識した保育を中心に思いやりのある子を育てる。
  (通常保育・縦割り保育・制作・行事等)
2.地域のみなさまにも暖かく受け入れてもらえる保育園づくり
  周囲への感謝の気持ちを育み、地域社会と共に生きる保育園を目指す。
  (一時保育・園庭開放・地域行事への参加・保育園行事への参加・育児相談等)
3.安心して子育てができる保育園づくり
  子どもの第二の家庭として暮らしを大家族のような雰囲気で包み込む。
  (朝夕延長保育・育児相談・防犯防災活動等)

<保育目標>
1.自分を大切にし、人の気持ちを大切にできる子ども
2.心身ともにたくましくみんなと元気に遊べる子ども
3.思っていることをはっきり言える子ども
4.自分の持っている力を出し、最後までやり遂げる子ども

乳幼児期は基本的な人間形成をする大切な時期です。この時期に一人ひとりの人格や個性が尊重され、豊かな人間性を形成することが大切だと考えています。
保育園は子どもが一日の生活の大半を過ごす場所になります。当園では、子どもの最善の利益を考え、子どもの権利が尊重される保育を目指しています。子どもたちが様々な経験を通して、素直にのびのびと成長していって欲しいと願っています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<心花保育園の特徴的な取り組み>
<職員研修>
研修は園外、園内に関わらず必ず必要だが、研修を内容(結果や効果)がその保育士だけに留まることのないよう必ず研修報告会を研修終了後10日以内に実施している。時代背景やその時に社会から求められるもニーズも変わっていく上で研修は保育、保育士の資質向上のためにも最も重要だと考える。

<第三者評価>
施設(保育サービスの提供内容)を客観的に評価する第三者評価に対しても、保育の適切な質を担保するには必要だと考える。園としても今後3年ほどのサイクルで受審し、更なる質の改善を図っていきたい。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/10/05(契約日) ~2021/03/30(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【心花保育園の概要】
●心花保育園の運営母体は、社会福祉法人美希福祉会(以下、法人という)です。法人は、事務局を横浜市に置き、福岡県久留米市に2園、そして福岡市、横浜市、川崎市、東京都にそれぞれ1園を運営しています。法人では、各園を開設している自治体の方針、公的補助等の形態が様々であることを踏まえ、法人本部機能を強化して一括対応するよりも、各保育園が所在する場所に応じて対応に努めることにより、行政との距離感、連携が図りやすいと考え、運営権限を大幅に各園長に委ね、各園の独立経営を実施しています。保護者や地域の方々とのコミュニケーションを大切にし、地域社会に貢献できる保育園を目指しています。

●職員の教育については、法人全体で共通の「ポリシーブック」を作成し、統一ある教育を進めています。「ポリシーブック」の根幹には、外に対しては「地域社会から期待される保育園」を目指し、子どもに対しては「自分を大切にできる」個々の育成を目指し、“自分を大切にするから人の気持ちを大切にできる”ことを教えています。この教えは、全職員、保護者にも同様に伝えています。「ポリシーブック」の内容は、観念的な内容で構成され、「~すべき」、「~べからず」と言う同化的な強要ではなく、各項目について職員が参加型で話し合う研修を行い、その過程・ディスカッションの結果を大切にする教育を実施しています。職員自身は「自分を大切にできる」を常に心がけ、子ども・保護者に対しても「自分を大切にするから人・子ども・保護者の気持ちを大切にできる」を実践し、育成及び成果が日々の保育に生きています。

●心花保育園建物の内装及び間取りは法人で担当し、間取り等は如何にも保育園という作りにせず、装飾・備品を含め、わが家のような雰囲気を大切に設計されています。階段の途中には丸窓を作り、子どもたちが階段の上り下りに外が見えるようにし、厨房はガラス張りの中で美味しい給食が出来上がる過程が見える等、「たのしいお家」をイメージして設計されています。ホームページのイメージ戦略にも拘りが感じられます。保育園の名前は、「いつも心に花を」の意味を込めて命名されています。

◇特に評価の高い点
1.【縦割り保育】
●心花保育園では、3歳以上児の各クラス(3歳児:ローズ、4歳児:オリーブ、5歳児:ミント)の他、3歳~5歳児合同で7人ずつの縦割りクラス(ミルク・ココア)を設定して活動しています。基本的に、日中は縦割りのクラスで過ごしていますが、年齢別保育の活動をしっかり設定した上で実施し、年齢別のクラスを超えて異年齢で関わりながら活動する保育を積極的に取り入れています。縦割り保育では、子どもたちが兄弟姉妹のように助け合いながら成長し、職員と共に大家族のような雰囲気の中で愛情をいっぱい受け、心花保育園の子どもたちは伸び伸びと明るく、豊かな感性を育んでいます。縦割り保育により、自分よりも小さな子どもとの関りの中で育まれる思いや、大きなお兄さん、お姉さんとの関りの中で自然と自分達で学び、育っていける環境を提供し、職員はその関りの手助けをすることで人間関係の基礎を培っています。また、異年齢の子どもと関わることにより、年下の子どもに優しくする気持ち、他人をいたわる気持ちが芽生え、年下の子どもは年上の子どもの行動を見て自分もやってみようという意欲・憧れを抱くようになる等、異年齢間の遊びのルールを自然と覚え、互いを認め合える関係を構築しています。「人」との間に必要で大切な豊かな感情を育んでいます。 

2.【子ども・保育士・保護者、三者の良い関係性】
●心花保育園は、保育士が元気で伸び伸びと保育に当たっています。「環境が人を作る」にあるよう、洒落た雰囲気の「お家」のような環境の中、職員間は仲が良く、良好な人間関係が構築され、明るく、自信を持って仕事に当たり、働きやすい職場環境が作られています。勤務状況では有給休暇、代休等も比較的本人の思い通りに取得できており、ワーク・ライフ・バランスも概ね満足し、充足したエネルギーが日々、保育に生かされているように見受けられます。この職員間の良い関係が、連携・「報連相」・共有を確立し、それが子どもや保護者へ伝播し、子どもたちは保育士を慕い、保護者は信頼を寄せ、さらに、地域住民とも良好な関係が築けています。保育園は先ず人間関係を第一(おもいやり)とし、円滑な環境の中でこそ子どもたちも伸び伸びと育まれると考え、継続して良好な関係作りに努めています。

3.【特別レッスン】
●心花保育園では、特別レッスンとして、3歳~5歳児対象に「お楽しみ英会話」(週1回)、「美術教室」(月2回)、「体操教室」(月2回)を行っています。また、有料にて保育時間内に「スイミング」、「ECCジュニア(英会話)」、「ピアノ」(各、週1回)を希望者のみ、レッスンを受けることができます。保育時間内に行う「お楽しみ英会話」、「美術教室」、「体操教室」については、保育向上につながる目的で採用しているプログラムであり、「英会話」では、異文化に接する目的で英語に触れ、「美術教室」は自然を愛し、デッサン・構図等の感覚・感性のスキルアップを図り、「体操教室」は、転倒予防の為に運動能力を高め、身体の発達促進を目的に取り入れています。希望者のみの「スイミング」、「ECCジュニア」、「ピアノ」については、子どもに習い事をさせたい家庭でも保護者の就業事情により土日に集中せざるを得なく、子どもが週末にゆっくりと家庭で休む時間が削られることを考慮して、園側で保育時間内に習い事のサポートとしてサービスを提供しています。この企画は有料ですが保護者に歓迎されています。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1.【心花保育園らしい園風土の醸成について】
●園長は、園運営、保育園の概念として、子どもたちや保護者の方々に「もう1つのお家」として体感してもらいたい思いを持ち、理想の園作りに尽力しています。保育園内は、壁は木目調を基本にし、落ち着いた色合いの内装で、装飾・備品はシックな雰囲気の物を取り入れ、職員の服装も華美に走らず、かと言って作業衣ではない雰囲気を標準として、利用者に対して心地良い環境を提供しています。まだ、園長の理想の園作りは途上にあると思われますが、系列園と同じである必要は無いと思います。地域性も異なることから、方向付けのベクトルさえ同じであれば、「これが心花保育園」と言えるようなアイデンティテイを確立し、園名の源である「いつも心に花を」のビジョンが完成することを期待しております。

2.【多種多様なボランティアの受け入れ】
開園して4年目の保育園であり、ボランティアの受け入れ要請は少ない状況です。中学生の体験学習の受け入れ実績がありますが、教育的観点からも、さらに近隣の中学校・高校に呼びかけ、未来の保育従事者の発掘・育成に向けて、受け入れ実績が増えるような試みを期待いたします。中原区社会福祉協議会に積極的に働きかけ、「お話ボランティア」等、紙芝居や絵本の読み聞かせのグループの紹介や、地域の老人会との交流等、様々な切り口からボランティアの受け入れ・活用方法が考えられます。新型コロナウイルス感染症拡大という社会情勢の中、ボランティア受け入れが難しい側面もありますが、収束後を見据え、地域の中から、積極的に情報を収集し、マニュアル策定、オリエンテーションの実施等、受け入れ体制を構築し、「地域と共に歩む心花保育園」を目指していかれると良いと考えます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 心花保育園


<評価に取り組んだ感想>
   
 園として初めての第三者評価を受審するにあたり、まずは私たちが行っている保育の姿をそのまま確認いただくという考えのもと受審しました。受審から評価を通して園として保育の自己評価が出来たこと、また、職員間でも保育のさまざまな面においての再認識や内容(情報)の共有ができたこともあり、大変有意義な機会となりました。あわせて保護者からのアンケートでは園に対する評価、ご意見等をいただくことにより、保護者の持つ園に対する思いや期待を確認することができ、私をはじめ職員一同の今後の励みとなりました。評価結果でご指摘いただいた各事項は、今後のより良い保育を実践する上での具体的な示唆となり、改善点を来年度や長期的な事業計画の中に生かしていきたいと考えています。これからも保護者の方や地域の方から喜んで頂けるような保育園を目指して努めていきたいと思います。


<評価後取り組んだ事として>

1.第三者評価結果内容の共有と園全体としての自己評価や保育内容の棚卸し
第三者評価結果内容の共有のための園内研修を実施し、保護者対応を含む園全体としての自己評価を行った。

2.保護者対応を中心とした研修の実施
保護者アンケートに基づいた園内研修を実施し、連絡帳を含む保護者への周知方法や具体的な対応について検討した。私たちの思いの全てが伝わっていない部分もあったことから、よりわかり易く、伝わりやすくするための工夫(文言だけではなくイラストや動画等の活用)を今後行っていく。

3.地域に開かれた園として認知・定着化させる
このような状況下ではあるが近隣園、高齢者施設等と交流を再開させる。令和3年度より徐々に再開できるよう手配した。今後はボランティアの受け入れをはじめ、より開かれた園として認知いただけるよう取り組んでいく。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

●心花保育園は、子どもたちの未来像を描きながら保育に取り組んでいます。理念では、①「『心のふるさと』になるような保育園づくり」、②「地域のみなさまにも暖かく受け入れてもらえる保育園づくり」、③「安心して子育てができる保育園づくり」を掲げ、保護者や地域の方々とのコミュニケーションを大切にし、地域社会に貢献できる保育園を目指しています。心花保育園が目指す子ども像とは、①「自分を大切にし、人の気持ちを大切にできる子ども」、②「心身ともにたくましく、みんなと元気に遊べる子ども」、③「思っていることをはっきり言える子ども」、④「自分のもっている力を出し、最後までやり遂げる子ども」としており、保護者には入園説明会時に詳細説明をしています。職員の教育については、法人系列園共通のポリシーブックに沿って実施しています。ポリシーブックの根幹は、外に対しては「地域社会から期待される保育園」を目指し、子どもに対しては「自分を大切に出来る」育成を目指し、自分を大切にするからこそ、人の気持ちを大切にできることを教えています。この「自分を大切に出来る」ことは職員・保護者同様に伝えています。職員は、園内研修で理念について話し合う機会を設け、理解を深めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

●法人は、福岡県久留米市に2園、福岡市、横浜市、川崎市、東京都渋谷区にそれぞれ1園を運営しています。法人の理事長にヒアリングした際には、開園している自治体の方針はまちまちであり、助成金等の公的補助等の形態も多様であるため、本部機能を強化して一括対応するよりも、保育園が各地で、それぞれに順応する形で対応をした方が、行政との距離は非常に近くなるとの考えを持ち、運営権限を大幅に各園長に委ね、各園で独立経営を実施する方針で行っています。園長の経営責任が問われる運営方法を踏まえ、園長は、経営セミナーに参加し、市や区の園長会に参加して地域等の情報を収集し、予算関係については法人役員会、理事会で検討しています。各自治体の動向については法人系列園の園長会で共有し、園の運営に生かしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

●経営課題の検討の流れは原則、各園で中・長期計画、事業計画を作成して法人へ提出し、役員会、理事会で承認される体制となっています。計画の可否のアドバイス等については、法人顧問の税理士、社労士、弁護士との定期的な打ち合わせにより助言を得ています。中・長期計画・事業計画の検討、決定事項の周知は、系列園の園長が参加する役員会で共有し、決定事項は園長経由で各園の職員会議で職員へ周知する体制ができています。園長会は毎月実施して情報共有を図っています。データの共有については、クラウドシステムを導入し、役員は役員、職員は職員レベルの定められた範囲内でのデータ共有が系列全園でネットワーク化されています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期的計画については、5ヶ年計画が収支予算化されています。基本的に各園独立の形態を敷いているので、中・長期的計画は各園の計画の集合体であり、役員会で承認を受け、系列各園の5ヶ年計画は決定されます。中・長期的計画の主な内容は経営指標に基づいた収支計画であり、さらに、必要な職員の採用計画、老朽化を踏まえた建物の建て替え、改修費用を加味した計画が作成されています。事業拡大(新園の新設、新規事業等)については法人本部として策定し、各園へ提案しています。これら計画を決定する役員会には系列園各園長が出席して検討しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期計画に沿い、各園で単年度の事業計画を策定し、法人へ提出して承認を得ています。スキルマップと自己評価表を基に目標を設定し、課題の設定には保護者の希望、職員の要望等を加味して検討し、実現を前提に取り組んでいます。課題は、実行可能なおおよそ4項目に絞り、先ず、期初に2項目を決め、残りは次期のテーマを決めて実施しています。計画は期の途中で見直し、期末で反省を行い、次年度計画へつなげています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画については、系列各園で策定及び法人へ提出し、理事会・評議員会で承認を得ています。行事計画については、前年度の事業計画実施後の反省に基づき、評価・見直しを行い、次年度行事計画に反映させています。現状、事業計画は年度末までの年間目標としており、必要に応じて修正することにしています。保育の企画提案時には、併せて職員から費用提案もするように促しています。会議録は全員に回覧し、確認及び共有をしています。シフトに関しては、職員の雇用の形態の差異に配慮しながら主任がフォローしています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

●園の事業計画は基本的に、年間行事予定に展開し、年度初めの保護者会、クラス懇談会で口頭及び資料で説明し、参加を促しています。また、行事以外の事業計画の内容に関しては、保護者に関係のあるものについても併せて説明しています。基本的に予算や園の問題点等については園内での職員への説明に留めていますが、社会福祉法人であるので、数字の計画、実績についてはホームページで開示しています。重要な変更に関しては、特に保護者会で説明するようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●保育の質の向上について、職員会議の後に必ず研修の時間を設けて保育の状況を確認しています。計画にチェックのポイントを付け、4月にP(計画)を作成し、6月にはD(実施)を開始し、問題点があればC(チェック)を入れ、A(改善活動)を行い、次期計画のD(実施)につなげています。計画書の立案と振り返りについては、組織上では各リーダー→副主任→主任→園長の順で取り組みを行っています。自己評価と組織的評価を有機的に活用し、常に分析・検討を行うようにしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

●評価結果、取り組むべき課題の抽出については、自己評価の結果及びチェックシートを活用しています。各職員の自己評価についてもチェックシートを用いて実施し、年間2回程度、組織としてチェックシートによる課題の抽出から、改善のアクション計画を立てて取り組んでいます。組織としてのチェックは、職員会議で改善報告を行い、問題点は議事録に残し、共有するようにしています。職員一人ひとりの目標は、チェックシートに沿って園長と面談を行い、業務、意識、能力等を確認し、考課・昇給に反映しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長の権限と職務については就業規則に明文化されており、事故やトラブル等、保育園での全ての責任は園長の責任であることを常に保護者や職員に伝えています。対外的にも、園長の役割、責任についてホームページや毎月の「園だより」等で説明しています。業務の詳細は、一般職員を含めて役割分担表を作成し、その範囲内の業務についての権限の委譲を行っています。平常時のみならず、有事(災害、事故等)における園長の役割と責任については主任に委ねることを明確化しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園長は、遵守すべき法令等を十分に理解しており、社会福祉法人経営者セミナー等に参加(年2回程度)し、利害関係者(取引事業者、行政関係者等)との適正な関係の維持を確認しています。園長は、職員に対して、守秘義務、園児の個人情報の取り扱いについて注意喚起を行い、施設外へ持ち出しての入力作業の禁止等について職員会議や昼礼で周知徹底を図っています。職員の法的、労務的相談(税務、勤務、組織体制等)に関しては、法人顧問の社労士と面談ができる体制があり、確認の上、必要に応じて園長が同席することもあります。環境に関しては、現状、新型コロナウイルス感染症予防対策について模索しながら取り組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●園長は、保育の質の現状について、指導計画書等の内容や進捗の確認、分析、把握、承認を行い、保育の質の向上にリーダーシップを発揮しています。職員会議やミーティング等、日々の保育の振り返り、個人面談、社会保険労務士同席での面談を通して意見聴取を行い、保育の質に関する課題を把握し、改善のための具体的な取り組みを確認し、指導に努めています。改善課題に関しては、責任者を決め、改善のための活動を行っています。保育の質の向上については、職員の教育・研修の充実を図り、常勤職員、非常勤職員に関わらず園内外での研修の機会を作り、研修結果はフィードバックする体制を構築し、研修報告会を研修終了後10日以内に実施しています。緊急対応の実施例として、コロナ禍で保育の自粛、それに伴う家庭保育実施の実態把握についてリモートで、状況確認を行いました。今後、全職員が同じベクトルで進める体制作りに期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●法人では、人事、労務、財務等に対する大幅な範囲の権限を各園長に委譲している為、園長が承認すれば範囲内で取り組みや改善が可能であり、環境整備についても相当な範囲で、園長決裁で推進できる体制にあります。権限拡大に伴う園長の経営スキルの向上については、社会福祉法人経営者セミナー等に参加して研鑽すると共に、法人各顧問との定期的な面談により園長スキルの向上に努めています。経営の改善や業務の実行性の進捗等については、職員会議及び園内回覧で周知するようにしています。職員との面談は年2回行い、組織全体のレベルアップを目指しています。研修に動画を取り入れる企画を実施し、撮影してYou Tube(限定公開)に掲載し、職員が自宅で閲覧できるよう、編集作業の得意なスタッフとプロジェクトを組んで展開中であり、具体的改善につながる取り組みを検討して進めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●行政の施策である、副主任手当を含めたキャリアパス体制に呼応し、職員の処遇改善を優先した就業規則の変更を行い、必要な福祉人材の確保、定着に努めています。キャリアパスについては行政のキャリアパスと法人内のキャリアパスの融合を図っています。働き方改革については、系列各園の環境、立地も地域自治体の扱いも異なる為、同業種の近隣施設の勤務・待遇関係等を確認し、社会保険労務士と打ち合わせをしながら人事、労務、財務等が適切に、条件で上回るよう検討しつつ、系列各園長と財務関係を定めるようにしています。法人との連携により、面接から就労まで行い、若手職員(保育士、看護師)の確保に努めています。求人面接は園長、主任で実施しています。職員の定着に関しては、園長は社会保険労務士と共に職員の不満や要望を聞く機会を設けていますが、意見を述べにくい職員に対しても考慮し、要望、意見等を吸い上げる工夫を一考されると良いと思います。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人では、職員の「職位別期待像」及び「職員に必要な経験の目安」を定め、全職員に示しています。また、年間の目標を基に園長と面談する制度があり、各職員で自己目標を決め、チェック項目に沿って自己評価を行い、自己評価表に基づいて面談を実施しています。チェック項目に関しては、職位別期待像をより細かく示していかないと職員が正しく理解できない面があると考え、検討しています。経営者の判断用として人事考課表があり、具体的に下せるものは職員へ示すよう検討しています。法人内外で、他園の現状等から経験年数、能力の明確化、雇用形態等を研究し、より分かりやすく、改善、向上に寄与できるチェック項目を今後も検討していく予定でいます。さらに、透明性の高い職位別期待像と人事考課、給与との統一性を検討されることを期待いたします。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員の就業状況については、職員面談を定期的に行い、就業状況等に対する意向を把握し、短時間勤務等、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行うようにしています。勤務の形態については、時間、曜日等、様々な勤務形態を検討し、柔軟なシフトによる人手不足の解消の検討をしていきます。そのコントロールについては主任がシフト作成を担当し、職員の希望に配慮しています。系列各園では、全職員が年に最低1回、連続1週間程度の休暇取得の推進を図り、有給休暇の取得についても差異が無いよう主任が調整し、園長が承認する体制としています。園では変形労働時間制を採用し、年1回、健康診断を受診できるようにしています。退職金共済にも加入しています。職員の悩み相談窓口には法人雇用の社労士が対応し、雇用計画の際にもホットラインとして担当を担っています。また、園長及び社労士でメンタルケアの研修を行い、職員の心身のケアに努めています。職員との懇親会は春と冬に実施して懇親を図っています。今後、医療に関わるメンタル対応を備えると尚良いと思われます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●職員一人ひとりの育成については、法人として育成計画を作成し、「職位別期待像」及び「職員に必要な経験の目安」を基に自己評価の目標を設定し、年間で取り組んでいます。目標については、各職員がレポート提出をした上で定期的に面談を設け、一人ひとりの思いを汲み取り、共に目標設定が行えるようにしています。職員面談を通して、人事の意向についても把握しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「職位別期待像」及び「職員に必要な経験の目安」は、全職員に示しています。園長は、日頃より職員の業務を観察し、個別に面談を行い、職員は自らが定めた年間の自己目標・課題達成に向け、個々の資質向上に努め、年度末にはその進捗状況を確認しています。面談の他、法人顧問の社会保険労務士同席での面談も行い、生活をしていく上での社会的、法的な契約や届け出等での不明点、相談等が行えるよう配慮しています。評価については勤務態度や保育に対する姿勢を重視して面談で職員と話し、評価につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園内研修一覧表を作成し、非常勤職員を含む全職員が参加できるよう、周知しています。教育内容として、入職時に一般的な新入職員研修と併せて、衛生・安全教育を必ず行うようにしています。中堅職員については園内研修の他、外部の必要な研修への参加を促し、主任候補者はキャリアパス研修の処遇改善2の研修に参加しています。また、防災訓練に併せた消防署による救急救命法の研修や、AEDの実習も実施して誰もが習得できるようにしています。外部研修の場合は原則、時間内で有給・交通費も支給されます。非常勤職員の場合も希望すれば外部研修参加は可能です。職員それぞれが希望する研修内容を中心に申し込み、参加しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

●実習生については、従来、積極的に受け入れを行っており、年間3校程度から実習生を受け入れています。実習生を受け入れた際には、園内の掲示やお便りにて、保護者へ実習生受け入れの情報を伝えています。受け入れでは、本人の修得希望のスキルを確認し、希望に沿えるよう臨機応変に対応しています。実習生等の受け入れについてのマニュアルを備え、専門職種の特性についてもプログラムを配慮しています。職員のスキルアップも併せて、系列園での研修や園長会等を実施し、実習指導者の育成にも努めています。実習依頼校と連携し、実習単位が未取得の場合や進捗が芳しくない等の学生に対しても対応しています。園長は、必ず実習の様子を観察するようにしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

●法人は社会福祉法人であり、運営の透明性に努め、理念・基本方針、保育の内容、事業計画、予算、決算関係等は公開し、ホームページにも掲載しています。運営の透明性の確保についてはホームページ等で具体的な活動をお知らせする他、社会福祉法人の報告書の閲覧もできるようにし、行政等関係機関に対しても報告書を提出しています。保育所における地域の福祉向上のための取り組みの実施状況、第三者評価の受審、苦情・相談の体制や内容についても公表しています。また、園の広報紙を作成し、園長は保育における思いを掲載し、区役所、嘱託医の待合室等にも設置して情報提供に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●運営の透明性に関しては、当該保育園の園長以外の他園の園長数人及び経理担当(各園の事務専任職員)が系列園に定期的に訪問し、内部監査を実施しています。労務、経理については税理士、弁護士、社会保険労務士等と顧問契約を締結し、監査と指導を受けています。保育所の情報等や内部監査等の指摘も踏まえ、実情に即した経営改善への取り組みを各園で実施しています。また、毎年、川崎市の監査を受け、助言等を運営に生かしています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域との関係については理念の中に「子どもたちの幸福のために、保護者、地域社会と一体となって子どもたちの福祉を積極的に推進する。」と記載し、全体的な計画で、「保護者、地域への支援」「地域の実態」「地域との交流」の項目により、地域との交流を広げるための取り組みを展開しています。月1回の園庭開放(予約制)、講演会、地域支援講座、兄弟児同一園への配慮や、一時保育、園見学等に関する区担当者との連携、区の情報誌への掲載等を実施しています。ハロウィン等の行事については近隣商店へ協力を依頼し、子どもたちが訪問し、さらに、高齢者、障害者施設との交流も行っています。園行事の際は地域の方や園見学者に案内を出し、区の保育まつりでは園児が参加・協力しています。町内会との交流では、お正月に住吉神社に子どもたちと初詣で出かけ交流しています。今年度は社会情勢を受けて、各種行事を通した地域交流は控えています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティアとしては中学生の体験学習を受け入れた実績があります。体験学習ボランティアの受け入れ時には、基本的に学校側から提示された約束事項を踏まえ、ボランティア受け入れ人員に応じてレジュメに沿い、園の基本方針・活動内容、注意事項を説明した上で受け入れています。受け入れは園の保育活動に支障のない範囲で実施しています。今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からボランティアの受け入れはありません。ボランティア受け入れの基本的考え方、受け入れの具体的な方法を詳細に記述してマニュアルを整備されることが望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

●関係機関等とは連携強化に努め、常に連絡を取りながら情報交換を行っています。園長は、川崎市及び区の施設長会議において関係機関の関係者とも連携を図る機会を得ています。公的な社会資源では警察署、消防署、川崎市中央療育センター、こども家庭センター(中央児童相談所)、公立の小中学校、幼保小の関連施設、病院等と連携しています。家庭での虐待等が疑われる場合には、区役所や専門機関と連携し、子どもへの対応を適切に取り、必要に応じて児童相談所等関係機関と連携を図っています。虐待の早期発見に関しては、着替えやおむつ交換等の際に意識して観察するよう指導しています。また、川崎市中央療育センターと連携し、助言を保育に生かしています。関係機関とのやり取りは記録に残しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズの把握については、川崎市及び区の施設長会議で情報を入手し、地域との交流活動を通して、地域の福祉ニーズや生活課題を把握するよう努めています。また、市主催の食育まつりや、保育まつりに参加し、地域のニーズを得る機会にしています。地域の福祉ニーズ等を把握する工夫、利用を希望する団体等の発掘等により力を入れて行かれると尚良いと思います。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズに応じて、定期的に園庭開放や講演会の実施、近隣の小規模保育園との交流を行っています。また、地域の福祉施設(高齢、障害)との交流も行い、町内会に加入して地域のお祭りの寄付や参加も行い、交流を図っています。育児スペースで行う誕生日会や観劇会には地域の方も招いています。講演会や園来訪時に育児相談を受けるケースが多くあり、予約制で地域の子育て親子等の育児相談も積極的に受け付けています。さらに、公立認可保育園のネットワーク専任保育士の活用によるニーズの発掘等や、地域子育て支援拠点との連携等も一考されると良いと思われます。防災対策については、食料、衛生材料を中心に、バーベキューセット、簡易トイレ、マット類等を備蓄し、地域への緊急な対応が可能となるよう配備し、地域にも貢献しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●理念や基本方針に、「乳幼児期の最も重要な時期の記憶に愛情をたっぷり与える保育を実施する。縦割りを意識した保育を中心に思いやりのある子を育てる。」、「周囲への感謝の気持ちを育み、地域社会と共に生きる保育園を目指す。」「子どもの第二の家庭として暮らしを大家族のような雰囲気で包み込む。」と掲げ、子どもを尊重した保育の実施について明示しています。保育の提供に関する「倫理」を含めた職員の指針は、法人の「ポリシーブック」に記載され、これを基に園内研修で各職員の考え方を確認し、「ポリシーブック」により職員は自らの心を培い、自己肯定感を最も大切にした保育の実践につなげています。また、子どもに、配慮した計画書を策定し、子どもの主張を受け入れ、子どもの人権、性別、人種、宗教、生活習慣、食生活等の違いを尊重した保育に努めています。職員は、要配慮児研修、臨床心理士研修等に参加し、子どもの人権等は園内研修で指針や綱領等を共有して理解を深め、保育に生かしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

●職員は、入職時に服務規程の説明を受け、機密保持契約を締結し、子どものプライバシー保護と虐待防止に関する知識、社会福祉事業に携わる職員としての姿勢・責務を理解し、子どものプライバシー保護に配慮した保育に従事しています。活動に応じた環境設定も常に考え、子どもを主体にして配慮しています。トイレ、プール時での周囲への目隠し等に関する子どものプライバシー保護や、帳票・秘密文書類の持ち出し禁止等、秘密保持に配慮し、プライバシー保護や権利擁護に関する規程・マニュアル等を基に研修を実施しています。不適切な事案に関しては、子どもに状況を確認し、職員にも注意喚起を促しています。園児等の写真取り扱いについては、保護者から入園時に同意書を得ています。個人情報の取り扱いについては規定化し、新入職員は入職時に説明し、全職員から同意を得ています。退職者については知り得た情報の漏洩、守秘の誓約書を交わしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

●理念や基本方針・保育内容や、保育所の特性等は入園のしおりに記載し、法人及び各園のホームページにも情報を提供しています。入園のしおりは中原区役所の窓口、園の嘱託医先にも設置しています。入園希望予定者については園見学会を開催し、入園のしおりを活用して説明し、個別相談を実施しています。例年、約400世帯の見学希望者があり、園見学会の曜日を周知して予約の上、2部制で園見学を実施しています。また、園見学時におけるよく出される質問に関しても説明時にその項目も追加して説明するようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●入園決定後、入園前に日時を設定して入園説明会を実施しています。入園説明会では重要事項説明書に沿って保育園の概要を説明し、重要事項説明書の必要な項目について確認の上で、同意書を得ています。通常保育や水遊び等の持ち物については、イラストを活用した資料を作成し、保護者にわかりやすく説明しています。保育内容変更時等には、保護者が理解しやすいよう資料の配付及び説明を行い、メーリングリストでも周知しています。また、一般的な情報の周知については園内の掲示板を活用しています。延長保育の申し込みは「延長保育申請書」の提出により受けています。ここでいう「開始・変更」には施設の新・増改築等、生活環境が大きく変わるものも含まれるため、その場合には事前の説明と了承が必要です。さらに、考え方の異なる保護者等の存在も考慮し、十分な説明と同意が必要と思われます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●保育の連続性、継続性の問題は守秘義務との兼ね合いもあり、転園、転勤に依る保育園の変更については、転園生の保護者の了解、もしくは行政の正式な依頼が必要と思われます。卒園児についても、利用終了後も園長・主任が相談窓口となり、必要に応じて保育の継続性に配慮した対応を行い、運動会への招待をする等、継続した関係を続けています。就学後のケアについては、就学先との連携もさらに必要になってくるかと思われます。卒園時等に、子どもや保護者等に対し、その後の相談方法や担当者について説明及び、その内容文書の作成、または、園のしおり等に一文記載しておくと良いと思われます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者満足度の把握に関しては、行事後のアンケートの中に行事の意見の他、通常保育への意見記入欄を設けて意見を聞き、利用者が意見を述べる機会を提供しています。保護者の意見については、懇談会、送迎時の会話、毎日の連絡帳、意見箱、日頃聞き取った苦情・相談受付簿等から抽出しています。保護者の声に常に耳を傾け、対応可能と判断した内容については速やかに対応し、意見に対する反省会も実施しています。一例として、保護者意見を反映させ、祖父母参加型(祖父母参観)の行事を企画・実施したところ、大きな反響と賛同が得られました。子どもについては、職員に直接、訴えかけてきたものや、普段の様子を観察することで満足の度合いを確認しています。苦情・相談受付簿は発生から問題解決に至るまでの経過を記入し、事後の保育に反映するようにしています。苦情・相談受付簿は、クラス担当が主任に相談し、必要と思う事例については書面で園長に提出し、関係者で事実確認をした後、対応策の実施までが記載されています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについては、「重要事項説明書」の中に苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員等を設置し、苦情解決の方法の説明を記載し、仕組みがわかりやすいよう書面にて玄関に掲示しています。個別相談の実施や意見箱の設置、アンケートの実施・分析等も行っています。第三者委員を交えた会議は定期的に年度末に1回開催し、その他、事例があれば随時実施する体制を敷いています。さらに、意見に差異のある保護者とのコンセンサスの図り方や、事後処理の的確さについて一考されることを期待いたします。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●保護者が意見を述べやすい機会の設定として、意見箱の設置、行事ごとのアンケート、毎日の連絡帳、送迎の際の対応、保護者会、個人面談、電話での相談等、保護者が相談しやすい環境の整備に努めています。苦情については、対応マニュアルを備え、重要事項説明書に苦情解決の仕組みを記載し、園内掲示板にも掲示していつでも活用できるよう周知しています。受けた意見は、職員会議やクラス会議で検討し、改善策を早急に知らせるよう努めています。意見の主要な内容については園だよりに記載し、周知しています。個人面談については、今年度はコロナ禍につき、リモートで対応しました。さらに、送迎時に意見を述べるのが苦手、遠慮される保護者について、職員は「気づき」を持って配慮する等、対応について一考されることを期待いたします。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●保護者からの相談や意見は、意見箱に記入用紙を一緒に置いて保護者の目のつきやすい場所に設置しています。行事ごとにアンケートを実施・集計を行い、送迎時は保護者が相談しやすい雰囲作りに努めています。把握した相談や意見は、職員会議やクラス会議で話し合い、改善策を策定して実施する等、問題の組織的かつ迅速な対応に心がけています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●園のリスクマネジメントに関しては、組織体制(組織表、役職)及び責任者を明確にし、事故発生時の対応・手順を明確にしています。責任者は園長とし、具体的な担当者は主任と看護師を定め、事例は「リスクマネジメント委員会」で検討を図り、対策及び対応を会議録に残しています。特に、法人の責務とされている利用の継続に関しては、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を持ち、法人系列5園での協力体制が確立しており、利用者の為に事業を継続できるように備えています。リスクマネジメントについては、事故対応マニュアルを基に事故報告書、ヒヤリハットを収集し、得た情報に基づいて園内研修を定期的に行い、分析・改善策を話し合い、定期的な見直しを行うことが定着しています。事故が発生した場合には、事例検証による再発防止を実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●感染症の予防や発生時については感染症マニュアル等を活用し、職員会議内で看護師を中心に感染症予防の園内研修を行い、感染症に関する知識の習得と対応についても対策しています。感染症の情報については、区役所等からの情報(サーベイランス)を確認し、保健だよりで保護者に知らせ、注意喚起を促しています。感染症が園内で発生した場合は、発生した段階で病名、症状、登園判断基準等を速やかに保護者へ周知し、該当児の保護者へ連絡すると共に医療機関での受診を勧め、園内掲示板で蔓延情報等を知らせ、注意喚起を促しています。感染症の予防策として、玩具や備品等の消毒に努め、子どもに対しては手洗いの徹底を行い、蔓延防止に努めています。職員は、おむつ交換時等に視診を徹底し、変化を早期に発見するよう努めています。朝の体温を自宅で測ってきていない家庭に対しては検温を実施し、熱のある子どもは自宅での静養をお願いし、病児保育の施設があることも伝えて配慮しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

●災害時の安全確保の取り組みとして、防災体制、防災責任者を決め、災害マニュアルを作成し、食料・備蓄品のリストを作成して災害に備えています。地域的に火災、地震に加えて多摩川、矢上川の水害に対する防災を考え、毎月の防災訓練に加えて年2回程度の水害訓練も実施しています。不審者・防犯については警備会社と契約し、非常ボタンにより早急に安全が確保される体制を整備しています。保護者に対して安否確認の方法については、緊急一斉メールの体制を確立し、園児引き渡し訓練の実施、救急救命法の研修も実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

●保育の標準的な実施方法として、各マニュアルを作成し、それに沿った指導計画書を文書化し、教育を実施しています。基本的には保育所保育指針に沿った全体的な計画、年間指導計画、月案、週案、デイリープログラムを作成し、それらに沿って保育を実施しています。各マニュアルについては、職員会議やクラス会議等で各クラスの課題等の検証、改善の打ち合わせを行い、取り入れるべき活動も常に変わっていくので最新情報を取り入れるよう心がけています。園で課題の1つとしていた、「体操」の必要性について、2年前から外部の専門講師を起用した体操教室を導入した事例があり、保護者からも好評を得ています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

●標準的な実施方法の見直しは、計画書の立案、振り返りにより確認しています。見直しは職員会議やクラス会議で改善点を話し合い、見直しに当たっては、保育所保育指針の内容や職員・保護者からの意見等を加味して見直しを図り、反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

●全体的な計画等については、職員会議、系列園の園長・主任会、ケースワーカー、区の保健師との打ち合わせ等を実施し、各園で地域等の特性を加味して作成しています。全体的な計画の策定では、先ず、園長・主任が中心となって全体的な計画の骨子を作成し、骨子に沿って全体的な計画の素案を策定し、職員会議で、前年度の指導計画の振り返り・評価に基づいて職員全体で話し合いを行い、決定しています。決定した全体的な計画に基づき、各年齢別の計画をクラスリーダーが中心となって年間指導計画を作成し、3歳未満児クラスの個人別指導計画は異職種の関係者でアセスメントを行い、策定しています。特に配慮を要する子どもについては、個別指導計画を作成し、加配担当職員を配置し、配慮家庭への専属窓口も設定しています。専属窓口は保護者が話しやすい職員を配置し、原則的に主任が担当しています。ネグレクトの関係については区役所、児童相談所からの問い合わせもあり、関係を継続しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

●指導計画の見直しについては、毎月、各クラスの担当職員で話し合い、基本的には月案レベルで実践した保育内容の自己評価を行い、月末の進捗予想により未達の部分については次月の月案に加味して盛り込むようにしています。毎月の子どもの姿やねらいに関する活動が実践されているか、また、ねらいの目的が達成されているかを検証し、次の計画に織り込むよう話し合っています。決定した指導計画は毎月、園長の承認を得、関係職員に周知しています。年1回、年度末には必ず反省・見直しを行い、各クラスの新・旧担任が今年度の評価・反省を基に、担任間で継続性を考慮して次年度の年間指導計画を策定するようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの発達状況や生活状況等、子どもに関する保育の実施状況は、職員会議で必ず共有化を図り、議事録、子ども個別記録に記録を残しています。発達状況や生活状況等に関して、職員間の記録の書き方を統一し、記録方法に差異が生じないよう、記述に関する研修も実施しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

●個人情報の取り扱いについては服務規律及び機密事項契約があり、職員と誓約書を締結しています。職員が服務規律及び機密事項契約等の扱いについて不明点等がある場合は、社会保険労務士から説明の機会も設けています。保護者に対しては、入園説明会で守秘義務について説明し、理解を促しています。機密保持についてはマニュアルを作成し、職員会議等の場において職員に周知徹底を図り、研修も実施して理解を深めています。実習生やボランティア受け入れの際にも守秘義務を徹底しています。業務上については、USBや写真データ、仕事の持ち出し禁止等を徹底しています。子どもに関する記録等は、確認後、必ず決められた鍵のかかる書庫へ戻し、園長を責任者とした保管・管理体制を確立しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

●保育所保育指針に沿った全体的な計画については、職員会議、系列園の園長・主任会、ケースワーカーや保健師との打ち合わせ等を実施して原案を作成しました。保育課程時には法人として原型を作成しましたが、全体的な計画は保育課程と大きくは変わらない為、フォーマットは基本型を踏襲して、法人原案を策定し、各園は原案に地域等の特性を加味して園の全体的な計画を作成します。心花保育園では、園長・主任・リーダーが中心となって骨子を作成し、これを職員会議で、前年度の計画の振り返り、評価に基づいて職員全体で話し合いを行い、主任が確認し、園長が承認して決定しています。3歳以上児は異年齢保育を実施しており(ミルク組とココア組)、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」については5年間の経過の中で育めるよう計画に組み込んでいます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

●生活の場としての環境の整備には十分配慮し、室内の温度・湿度についてはガイドラインを設定しています。室内、室外に温湿度計を設置し、毎日記録を行い、エアコンの設定と窓開けを併用し、1日2回は自然換気を実施して子どもが心地よく過ごせるようにしています。寝具はコットを活用し、衛生状態にも気を付けています。成長過程、活動人数により部屋の配置を変え、保育環境の向上に努めています。チェック項目表を用いて、危険個所を確認する等、安全点検を毎日行っています。衛生面については、早番が必ず掃除を行う他、汚れを発見次第、随時、掃除をすることを推進しています。消毒方法についてはノロエース、次亜塩素水等を用途に応じて使い分けて実施しています。次亜塩素水については各保育室に定期的に噴霧しており、手指の消毒についてはアルコール系の薬剤を使用して徹底するようにしています。建物は木目を基調とした内装で、全クラスに床暖房が設置され、1階廊下と事務室前のホール、2階各クラスにはブックコーナーを設け、絵本に触れることができる環境作りが成されています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの成長と発達過程、家庭環境等から生じる一人ひとりの子どもの個人差等の把握については、年1回の個人面談及び必要に応じた随時の面談を通じて、家庭の状況や要望を把握しています。同一年齢による画一的な保育を避け、縦割り保育により、年齢に拘泥されない、成長に合った保育の実施を推進しています。子どもが安心して自分の気持ちを表現できる、子どもの欲求を受けとめる保育が推進できるよう法人独自のポリシーブックにより、職員の保育指導を進めています。支援が必要な子どもについては、年2~3回ケアカンファレンスを実施し、職員と保護者が共有を図り、一人ひとりの子どもと向き合い、子どもの気持ちに沿って対応しています。川崎市の保育士の具体的な事例集があり、そちらも参考にしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●心花保育園では、縦割り保育による成長に合わせた保育を実施しています。基本的には0歳~2歳児までは年齢別、個人別に保育を行い、月齢差が大きい時期を考慮し、0歳児に近い子どもたちについては職員との愛着関係を大切にしつつ、2歳児に近づくと成長に合わせながら、自分のことは自分で行うことの手助けを行い、3歳~5歳児での縦割り保育につなげています。3歳~5歳児が縦割り保育の部屋で行うアクティビティを0歳~2歳児が見に来たり、誕生日会は全クラス一緒に行っています。食事についても1歳児と5歳児が一緒に食事をする等、年上の子どもから生活習慣を学ぶ機会を様々な場面で設けています。歯みがき、手洗い、パジャマへの着替え等の生活習慣を身に付けるよう紙芝居、絵本や、ベープサート等を活用して伝えています。一人ひとりの子どもと向き合うことで、苦手としている事もじっくり時間をかけて対応するようにしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●縦割り保育の実施がスムーズに促せるよう、子どもが主体的に活動できる環境整備を心がけ、縦割り保育による人間関係や他人への配慮を経験し、援助ができるよう工夫しています。近隣公園での異年齢での活動及び散歩により、戸外活動の補完と季節の移り変わりを体験しています。遊具の譲り合い、どんぐりや桜などの自然の享受、偽兄弟姉妹体験などを子どもたちは満喫しています。また、近隣の商店街を見学したり、散歩時に近くの商店を訪問したりする等、地域の方たちとの社会体験・交流の機会を持てるようにしています。さらに、様々な表現活動が自由に体験できるようお楽しみ英会話、美術教室、体操教室を実施し、これらの成果をお遊戯会につなげ、保護者と子どもの成長を喜び合う機会を設けています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●乳児保育(0歳児)では、養護と教育が一体的に展開されるよう環境整備に努めています。大人の目線に子どもを合せるのではなく、子どもの目線に大人が合わせる保育が実施できるよう職員との愛着関係(情緒の安定)を築き、0歳・1歳の合同保育により、0歳児の活動意欲をさらに高める活動も行っています。家庭との情報の共有では、連絡帳及び登降園時の声かけによってコミュニケーションを図り、家庭との一体感・関係強化に努めています。0歳児は定員5名であり、緩やかな担当制を取り、どの職員もが愛着関係を持てるよう体制を整え、子どもの記録を付ける担当者は決めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳未満児(1・2歳児)の保育につては、養護と教育の一体的な展開を開始する期間と位置付けられていますが、まだ養護の比重が大きい時期であることを考慮し、一人ひとりの子どもの状況に応じて、子どもの気持ちを尊重して保育を行っています。食事、排泄、活動や移動等、成長に合わせながら、子どもが自分で行えること、やりたいことを尊重し、生活習慣を自然に身に付けられるよう支援しています。また、規則正しい生活を行い、散歩や戸外活動を通して社会性の育成、生活動作を身に付ける等、様々な経験が積めるよう援助しています。室内では自由に遊具を選べるよう設定し、年上の子どものアクティビティを見学したり、参加して交流することにより、箸の持ち方を真似る、カルタを取る、色や形に興味を持つ等、日常の中で体験し、覚えて行く機会を多く提供しています。家庭とは、保育参加や祖父母参観での交流、連絡帳、登降園時の声かけにより関係の強化を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●3歳以上児の保育においては、縦割り保育による成長に合わせた保育と、個性に配慮した計画書の作成により、集団の中で安定しながら、遊びを中心とした興味、関心のある活動に取り組めるよう環境を整え、職員が適切に関わりながら養護と教育を意識して保育を進めています。縦割りでのグループ、行事ごとのグループ作り等、多様な関係を設定して経験する機会を設け、それぞれ異なる関係性の中から、関係ごとの達成感や肯定感を味わい、経験できるよう環境設定を行っています。3歳になったら先ず集団と役割を理解し、時計の針を見て数字を覚える等、教育的な要素も組み入れています。家庭にはお便りで活動報告、行事の目的の周知を行い、近隣の方々へは行事のパンフレット等を配布して案内し、参加を呼びかけています。今後の取り組みとして、アプローチカリキュラムの定着を推進していかれると良いと思います。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●障害を持つ親子等に対する施設環境に配慮して、施設のバリアフリー化、障害者トイレ、エレベーターを設置しています。障害を持つ子どもへは、保護者と密に連携を図り、情報を把握し、さらに関係機関(川崎市中央療育センター)と連携し、子どもの状況に配慮した個別指導計画を作成しています。園としては一般の子どもと一緒に保育を行う統合保育を行っており、個々の関わりを大切にしながら、集団生活の中でお互いの存在を尊重し、思いやりの心や、助け合う気持ちが育めるよう保育を進めています。計画の策定と実施に役立つよう、職員は障害児研修、臨床心理士研修、要配慮児研修等に積極的に参加し、職員のスキルアップを図り、保育に生かしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●長時間にわたる保育のために、子どもたちの状況に合わせ、環境の設定を行っています。家庭で過ごす時間と同様に保育園でも寛いで過ごせるよう、内装や職員の服装等、全てにおいて家庭的な雰囲気を意識して設定するよう心がけています。延長保育を含めて、早朝から夜遅くまで保育園で過ごす子どもについては、合同保育の時間は年齢、遊び方、安全対策とも異なることに配慮して保育に当たっています。園では午後6時過ぎから縦割り保育、合同保育による延長保育に入り、環境活動に合わせ部屋を分けることで子どもたちはゆっくり過ごす事ができています。延長保育での園児の受け渡しは、口頭及び書面で申し送りされた事項を必ず保護者へ伝えるよう、伝達漏れの無いよう留意しています。園では、連絡帳は全年齢に用意しており、家庭と園との情報交換ができるよう配慮されています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

●小学校との連携や就学に関連する事項は指導計画の中に示し、地区の幼保小連携会議や連携行事、小学校との交流に参加しています。就学予定の小学校の教員と意見交換を行い、幼保小の連絡会による交流も実施しています。例年では卒園予定児は近隣の就学先の小学校と連携を行っています。年長児担当職員は、保育所児童保育要録を作成して就学先の小学校へ送付しています。昨年度、保育所保育指針に沿った「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」等を含む新しいタイプの児童要録を作成し、提出しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの健康管理に関するマニュアルを備え、マニュアルに基づいて一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。子どもの健康に関しては児童健康台帳により管理し、朝のミーティングで健康状態を周知し、共有を図り、保育につなげています。SIDSに関する睡眠時の呼吸確認等のマニュアルを整備し、全職員に配布して理解を促し、0歳児は5分ごと、1歳児10分ごと、2歳児15分ごと、3歳以上児は適宜、目視で確認しています。SIDS対策強化月間には玄関にその旨を掲示して保護者へも啓蒙しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●内科健診・歯科健診は保健計画に定めて年2回実施しています。健診結果については、速やかに保護者へ伝え、健康診断・歯科健診の結果を家庭の生活に生かすように伝えています。特に、要受診の際はかかりつけ医への受診を強く勧めています。健診結果は「保健記録」として保管しています。歯科健診と併せて歯科衛生士による歯みがき指導を行っています。さらに、診断結果において、園医から要受診を告げられた家庭の状況把握、フォローについて見直しをされることが必要に思われます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●アレルギーのある子どもに関しては、1年に1~2回、医師の診断書を提出してもらい、厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に適切に対応しています。職員は、このガイドラインに沿って園内研修を行い、早い段階から取り組みを行い、知識・技術を備えています。アレルギーのアナフィラキシー対応としてエピペンを預かることもあります。食事の提供方法では、「アレルギー対応(配膳)の手順」を作成し、掲示して確認できるようにしています。配膳時は栄養士、保育士で十分に確認を行い、他職員へも周知徹底を図り、提供する体制を整えています。配膳台や机や椅子・器・トレイには個人の名前を記入し、色を変えて誤食が起こらないよう万全の体制で取り組んでいます。子どもたちへはアレルギーの危険について、紙芝居で伝え、理解を促しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●食事を楽しむことを大切に考え、給食調理は業務委託しています。食材や味付け、調理方法を工夫し、一人ひとりの咀嚼能力等に応じて食材の量、切り方、形状等、発達に合わせた献立とおいしい調理を提供しています。食育計画を作成し、個人の好き嫌いを把握し、苦手な食材が食せたら職員も一緒に喜び、苦手な食材が好きになるよう促しています。給食当番の活動を行い、食に関心が持てるようにし、新しい食材に挑戦する機会も取り入れています。配膳後、子ども自身で量の加減を申告し、完食できる喜びを味わえるようにしています。食器は陶磁器の物を採用し、年齢に合った形状にこだわって多種揃えています。保護者の給食試食会は誕生日会に実施し、子どもたちが食べているメニュー、味付け、離乳食の様子等の理解を促しています。誕生日会の後にはお楽しみ会を設け、給食に関する話をして興味が持てるようにしています。連絡帳に家庭でその日の食事内容を記入してもらい、子どもの栄養バランスを把握し、献立に生かしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●子どもの発育状況や体調等を考慮し、食べる量や好ましい形状、好き嫌い等を把握し、子どもがおいしく安心して食べられるよう、安全な食材、味付け、調理方法を常に意識して工夫に努めています。また、咀嚼力に応じで食材を刻む等、発達に合わせた献立と調理を提供し、季節感のある献立、旬の食材、地域の食文化や行事食等を取り入れています。給食の残量、喫食状況を確認し、月2回の献立サイクルの次回へ反映するようにしています。献立は月単位で策定し、日誌に残量記録を記しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

●家庭との連携は、連絡帳と登降園の送迎時を利用してのコミュニケーションにより、情報交換を行っています。配慮が必要になるケースでは、基本的に担任が対応し、主任が同席して話を聞く場合もあります。1クラス少人数の為、保護者とのコミュニケーションは密に取れる体制にあり、連携を図ることを心がけています。保護者との面談では面談記録を取り、確認し、保育に生かすようにしています。子どもの成長等を確認してもらう機会として、クラス懇談会、保育参観や行事への参加等を組み入れた行事計画を構成するよう配慮しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●日々のコミュニケーションを通して、保護者の言動に関心を持ち、相談しやすい環境作りを心がけています。定期的には年1回、保護者面談を設定し、学年ごとに1週間程度の日程を設け、保護者の就業等の都合に合わせて面談を実施しています。クラス担任では対応できない事案に関しては、園長・主任に報告し、対応できる仕組みを整えています。保護者からの相談、面談は定期面談期間以外もいつでも受け付けていることを保護者に伝えています。面談等の内容は記録に残しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

●家庭での虐待等権利侵害に関しては、キャリアアップ研修や外部研修を受講した職員から、研修報告を受け、全職員が学びを深める機会を設け、知識を備えて対応しています。子どもの身体、言葉の異変を感じた場合には、速やかに園長に報告し、専門機関との連携(ケースワーカーや保健師、関係各所)システムは構築されており、経過等も含め助言を得て対応しています。要件に応じて園長、クラス担任が専門機関職員と面談を行い、対応に生かしています。家庭での虐待等、子どもへの権利侵害事件は近年増加傾向にある状況を踏まえ、園における早期発見・早期対応が必要と考え、虐待の予防に努めています。「虐待に関するマニュアル」を作成し、家庭での養育の状況・保護者と子どもとの関わり、送迎時の視診、親子の表情・態度等を観察し、保護者の気持ちを丁寧に受け止め、虐待の予防に努めています。また、虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう十分注意を払い、虐待発見のポイントとして子ども、保護者の様子や持ち物、服装、アザ等の身体的症状等に注視し、症状があれば写真に残すようにしています。虐待等権利侵害の可能性があると職員が判断した場合は、速やかに園内で情報を共有し、対応を協議することにしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

●職員は主体的に保育実践の目標を定め、目標を記入した自己評価シートの作成と自己評価を行い、園長と面談を実施し、目標の進捗と保育実践の改善や専門性の向上について話し合い、保育内容の改善に努めています。職員に対して、社労士と面談する機会を設け、組織・社会人としての考え方等について相談、指導を受けられるよう工夫し、資質向上に生かしています。また、職員の自己評価に基づき、園全体の保育の改善や専門性の向上に取り組み、全体の保育実践の自己評価につなげています。また、各職員の課題から園全体の課題を見つけ、改善に向けて実践し、より良い園作りに努めています。