社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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未来わかまつ

2021年02月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 未来わかまつ 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 20 名
所在地 252-0334
相模原市南区若松1-1-42
TEL 042-705-8241 ホームページ http://tomoni.or.jp/office/adult/care.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
職員数
常勤職員:10 名
非常勤職員:12 名
専門職員
管理者:1 名
サービス管理責任者:1 名
生活支援員:11 名
看護師:1 名
医師:1 名
施設・設備の概要
作業室:4室(1階:2、2階:2)
事務室:1
相談室:1
食堂:1
厨房:1
トイレ:6
洗面所:3

③ 理念・基本方針
<県央福祉会 理念>
1.共生社会を目指します。2.先駆的で開拓的な事業を展開します。
この二点を中心に据え、その達成のため人権尊重とサービスの向上・インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者主体の支援・地域との共生・ニーズの多様化複雑化への対応・コンプライアンスの徹底・説明責任の徹底・人材確保育成・ガバナンスの強化・財政基盤の安定化・国際化・積極的な社会貢献活動への取り組み等11項目の基本方針をあげています。

<施設での方針>
利用者の個性を尊重し、利用者が中心となり、作業内容や作業量などを自分たちで決め、安定した日中活動の場を保障し、地域における生活の安定化を目指します。
働くことを通して一人ひとりにふさわしい地域での生活の実現を目指します。利用者一人ひとりの個性やニーズに応じた個別支援計画利用者と共に作成し、地域での生活の充実を図ります。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
知的障がい者の主に指定生活介護事業などの支援を行なう施設で、主として昼間に入浴や排泄、食事などの介護、生活相談、創作的活動の提供を行なっています。
1日の定員は20名とされています。登録は28名。男女比は16:12。利用者の平均年齢は32.9歳で、10代から60代まで幅広い年齢層の方が利用しています。平均の障がい支援区分5.5と重度の方が多いのが特徴です。
利用者特性から機能維持支援よりは、より快適な居心地の良い日中活動の場の提供を支援の柱としています。
特徴的な取り組みとして利用者の特技や趣味を広げるために、音楽サークル等を作り施設での楽しみを増やしています。ミラクル祭で発表を行ない、豊かな心を育めるようにします。施設の庭を開墾し自分たちで野菜や果物を栽培・収穫し、育てる喜び・食べる喜びを提供しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/05/22(契約日) ~2021/02/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(平成29年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)支援会議や「利用者特性と支援配慮表」で統一した支援に取り組んでます
支援会議の詳細な検討内容をホワイトボードに記録しています。そのホワイトボードを写真に撮り個人の支援記録に張り付けて、情報の共有が確実にできるように取り組んでいます。
個別に「利用者特性と支援配慮表」に利用者のさまざま情報(好きな事、苦手、天候、車内行動、注視行動,自傷、食事提供、現在出来ること、挑戦したい事など)を記載し、具体的状況に応じた対応(こんな時はこうすれば)や環境的配慮などを記載しています。職員が、共通認識でサービス支援の統一した対応で、一人ひとりが楽しく、落ち着て過ごせるように支援に取り組んでいます。

2)職員を担当制とし積極的に相談に応じてコミュニケーションを図っています
日々の支援の中で関係性を構築して話をしやすい状況を作り、支援をより深いものにするための取り組みとして職員は担当制をとっており、出勤体制も利用日に合わせ、積極的にコミュニケーションをとれる体制を作っています。
家族とも毎日の連絡ノートや送迎時、家族会で、情報交換や相談に応じています。在宅での家族支援の相談や、ヘルパーやショートスティの利用などの情報を提供しています。利用者・家族アンケート調査でも、利用者本人や家族の意向・要望を聞いてくれる、利用者の様子や生活についての説明・報告がある、相談したり意見を言いやすいと等が回答が多く、インフォームド・コンセントに力を入れています。

3)働くことの喜びと地域での生活の実現を図っています
就労支援施設ではありませんが、働くことを通して利用者の生活実現を目指しています。作業活動や社会貢献活動で働くことは、障害が重くても、役割を担っていることの実感は生きることの喜びに繋がるとして取り組んでいます。
利用者の意向や障害の状況に応じ、無理なく活動できるよう仕事の時間や内容(縫製作業・再生紙製品・食品製造)を話し合い本人の得意とする工程で作品作りに携わり、販売し地域に還元しています。賃金を受け取りやりがいに繋がっています。
地域活動では、地域道路の清掃活動、リサイクル活動のエコキャップ回収と選別やアルミ缶の回収、リサイクルはがきの作成など行っています。
改善を求められる点 1)理念・支援方針のヴァージョンアップと周知・共有する機会作り
法人の理念や支援方針については入職時に研修で紹介され、折に触れ周知されています。事業所の支援方針については利用希望者に配られるパンフレットの一部に掲載されていますが、職員・利用者共に振り返られたことは無いようです。
日常の支援の中で細則については理解され支援を提供しまた、提供される中で、立ち返るべきときの指針として職員・利用者とも共有できる環境が構築されることが期待されます。また全職員一丸となって職務にあたることを中期目標にしており、現在の利用者中心の支援方針は活かしつつ、職員の関わり方等を網羅する支援方針へのヴァージョンアップと共有が期待されます。

2)中期計画を共有し、職員の意識づけ実施
事業所としての中長期計画マスタープラン2020を作成して、所長の考える中期の目標とそれを実現させるためにすでに現在行われていること等を整理しています。事業所の理念・支援方針の実現のため、職員の能力強化を目的とした研修受講の促進や担当制による多数職員参加型の支援会議の開催等が挙げられています。
この中期計画を全職員間で目標を共有し、目標達成のため職員の意向を加えて個々の目標を確認し、職責や就業形態を超えて意識づけを行なうことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回の評価を受け、不十分で改善するべき項目は早急に改善いたします。今後も利用者さんが毎日通いたくなる施設作り、職員が働きやすい職場環境を目指します。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念が職員ハンドブックに掲載されており、入職時の研修で理解・共有されています。それを踏まえたうえでの事業所の支援方針が、玄関横に置かれているパンフレットに記されており、利用者に周知されています。
個々の利用者を主体とした安定した日中の活動場所を保障し地域での生活の充実を図る旨が記載されています。しかし職員間では共有されることが無く、顧みることもありませんでした。事業所の目指す方向性を定期的に職員間で共有する機会を持つなど継続的に確認する取り組みが望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

所長は経営状況につき法人の判断を重視しながらも、利用者特性と行われるべきサービスの在り方を第一に据えています。サービスの維持・進展のための人材確保・育成や、事業所のおかれた地域のニーズの把握に努めており、IT等の技術のかかわり方にも注意を払っています。
地域に根差した事業所を目指しており、自治会や近隣の保育園や病院等社会資源との関係を検討しています

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

重度の利用者が多いことから時間をかけてでも自分の力で達成するよう勧めるのではなく、その時間をより快適に過ごせるようにという支援方針を明確にしています。そのサービスの維持・拡張のための人材確保・育成のための施策を講じるなど現状分析に基づいた取り組みが行われています。
事業所としての支援方針、中長期的な方向性などについて職員に示し、また意向を確認する機会を持つなど周知を図る施策が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の中長期計画等はホームページよりダウンロードできますが、事業所の中長期計画については明らかにされていません。3年後、5年後、10年後の事業所の在り方についてマスタープラン2020として作成しています。
3年後の姿として「所長以下全職員が一丸となって支援に当たる」ことが目標とされ、更に支援にかかわる技術的な進歩にも対応してゆく旨が記載されています。この計画が職員に周知され、職員の意向が加味され、温度差無く共有されるように進めています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

現在まで法人内部用に事業計画書、事業報告書が作成されていたような傾向にあり、中長期計画とのリンクは希薄です。マスタープランで3年後の姿を目標として、現在の事業報告書などを関連付けています。
支援の向上を図り職員の意識を高めるため、勤務形態を問わず権利擁護及び自閉症支援に関する研修等に積極的に参加を促す等しています。3年後の姿を実現するために年次計画の中で実行されています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は法人用に作成されており、職員及び利用者に周知されることはありません。作成に当たっては職員の意見を取り入れるなどの手順に基づいて行われていますが、進捗や見直し評価、共有については曖昧な形になっています。
施設独自の中長期計画等で目標・方向性を周知し、単年度の事業計画で進捗管理を行なうことで職員のモチベーションのアップを図ることが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画を利用者に周知したことはありませんが、機関紙である「みらくる新聞」等でその年一年の予定や目標等を掲載し、利用者および家族に知らせています。
利用者の障害状況から事業計画の周知・説明にまで至ることは難しい状況です。
様々な行事の中のアンケート等で把握したニーズと共に実現への工程進捗を顕在化することで、利用者のモチベーションや来所することの楽しさが増すことが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

事業所としての年次の事業報告で重点課題に対する活動結果を記載しています。権利擁護や自閉症についての理解を深める等活動を行っています。
職員育成や外出レクリエーションの充実などの課題を抽出しています。それをもとにパーテーションで空間を仕切ったり、散歩を勧める等、利用者の過ごしやすい環境整備やレクリエーションを分析・確認して充実させています。事業報告の重点課題の結果ではその対応を記載しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

前回、福祉サービス第三者評価を受審しましたが、評価結果が対策に完全に活かされず今回の受審となっています。しかし年次の事業報告でも表記していますが、利用者の過ごしやすい環境のため、利用者の意向を踏まえて自己評価を行ない課題を抽出、改善を行なっています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

管理者の権限について法人の内規として規定されており、職務分掌について書面に記載されています。管理者は、福祉施設の管理に関する方針と取り組みを明確にして、その役割と責任について、組織内に掲載し表明しています。施設には課長がおり、平常時および有事における所長不在時の権限委任についても明確に記載されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人としてコンプライアンス強化に取り組んでおり、所長は年に一回の法人の研修に参加しています。職員に常勤・非常勤を問わず入職時に配布される職員ハンドブックの中で遵守すべき法令について触れられています。
拘束防止について、セクシュアルハラスメントなど、重大な項目について別途対応マニュアルを作成し注意喚起を行っています。事業所として定期的に職員ハンドブックを読み返し、再確認する機会を持ち意識付けを行うことも検討しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

提供するサービスの質の向上を図るため、質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行っています。常勤職員にはサービス提供管理者・相談支援初任者研修の他、非常勤職員にも行動援護従事者研修等に参加を促しています。
障害特性の研修だけでなく虐待についてや、記録の取り方の研修等にも参加することで支援の見直しを全員で行なっています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

所長は経営改善にむけて人事・労務・財務等多角的に分析を行なっています。財務的には事業所を開ける日数を増加することが収益増加に繋がります。提供するサービスの質を維持し拡張するためには職員の充足と養成が欠かすことが出来ません。職員希望の応募者がなかなか集まらない中で、課題の抽出と対策を行っています。中長期、年次の事業計画等で方針を職員と共有して、職員の意向とアイディアを取り入れ、実現に向けて指導力を発揮しようとしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の採用は常勤職員については法人本部採用となっており、非常勤職員の採用については事業所の裁量で行われています。事業所では提供するサービスの質の維持拡張のための人材確保について、非常勤職員募集などの施策を行っています。利用者の性別は凡そ半々ですが同性介助を行っており、維持継続するためには、応募者の偏りがある等の課題の抽出が行なわれています。今後の就労状況も踏まえて、必要な福祉人材の募集方法の検討が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人作成のガイドブックなどで法人の理念・基本方針に基づいた「期待する職員像」を明確にしています。常勤職員の採用・配置・異動などについての権限は法人にあり、非常勤職員の募集・採用については事業所で行われています。
常勤職員については目標管理等の制度がありますが、非常勤職員についてはこの制度は適用されていません。事業所としての中長期計画などで方向性を示すことで職員の意向・目標設定を喚起することが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況や意向の把握は定期的な個別面談で行なっています。時間外勤務や有給取得率のデータも随時確認しており、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。
職務上メンタル面に重圧がかかるため、メンタルヘルス面談を受けるよう法人で指導されていますが、職員は元気な時でもカウンセリングでアドバイスを受けてとても気持ちが楽になったと好評です。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人では常勤職員に対し新人研修や中堅職員研修・中間管理職養成研修等、能力・経験に応じた階層的な教育・研修プログラムが整備されています。また定期的な個別面接等を通して個々の職員の意向を確認し、介護福祉士等の資格取得を補助する制度があります。 一人ひとりの育成に向けた取り組みの職員周知と理解が課題となっています。
非常勤でフルタイムで働く職員について、今年から地域限定職員として常勤職員化する制度が始まりました。所長の推薦、面接、筆記試験等を経て、常勤職員となります。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人では常勤職員に対し新人研修や中堅職員研修等、能力・経験に応じた階層的な教育・研修プログラムが整備されていますが、非常勤職員に対しての教育・研修の機会は整備されていません。しかしテーマ別や対象者を限定しない研修等の開催の要項などは知らせており、参加を呼び掛けて非常勤職員も参加できます。
所長は非常勤職員の研修の機会を確保・参加の呼びかけをしており、法人内・施設内及び法人外の研修への参加実績が事業報告書にも示されています。また研修に参加しやすいようにリモートでの研修など開催方法の多様化を求めています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

事業所としてのマスタープランの3年後の長期目標として、「所長・常勤・非常勤職員が一丸となった組織作り」を掲げております。職員間の意識づけ・温度差を解消するため、利用者毎に担当制をとり、個別支援計画の作成に当たってはなるべく多くの職員が参加し、多くの意見を出し合い、密度の高いOJTを実行しています。
法人内・施設内の研修として「中間管理者研修」「自閉症研修」、常勤・非常勤問わず「行動援護研修」などの法人外の研修への参加を促しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢を明確にしています。実習生の受け入れマニュアルに基づいて、毎年年2回春秋に教育実習や保育士を目指す学生等の外部からの実習生を受け入れています。また職場体験など中学生の実習を受け入れた実績があります。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営法人である社会福祉法人県央福祉会のホームページには法人としての理念、基本方針の他、事業計画書・事業予算書・法人報告書・法人決算書・年間研修計画等が公開されています。
事業所では年次の事業計画書・事業報告書を作成し、法人に提出するほか、職員や利用者に要旨を伝えています。地域に向けての事業所のアピールという点ではさらに透明性を高める施策が今後の課題です。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業所における事務、経理、取引等に関するルール、職務分掌と権限・責任が明確にされ、職員等に周知しています。法人の規定に則り事業所の事務・経理等は法人本部総務部により定期的に内部監査を受けています。法人では外部理事等により監査支援を行なっており、その指摘を受けて対応しています。職員には会議などで経営・財務状況等に触れ、周知を図っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

近隣の保育園とは運営法人が同じこともあり交流を持っています。地域の自治会に参加し、地域の防災訓練やお祭りに職員・利用者が参加しています。また社会福祉協議会の町づくりセンターの年2回のお祭りには、事業所で作成した「えびせん」を販売したり、事業所のお祭りではポップコーンマシーンを借りる等の関係を構築しています。今後は掲示やSNS等を用いて広く地域に事業所で行なわれていること知らせる等、交流の幅をさらに広げていくことが期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れについては受け入れマニュアルが整備されており、順じて受け入れを行なっています。9月の事業所でのお祭りの手伝いなどにボランティアセンターを通した方、学生、家族等、例年25~40名程度が訪れます。
地元のボランティアセンターでは作業を伴ったボランティアの派遣は行なっていません。今後、外出レクリエーションの手伝い、裁縫、農作業などを利用者・職員と楽しんでもらえるボランティアの募集を、事業所が直接外部への掲示やSNS等を通じて行えるように整備することが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者の多くは養護学校を卒業する際の進路先として、利用を始めるケースが多く、養護学校の進路担当等との連携が確立されています。また相談支援専門員の紹介で利用を始めるケースもあり連携を深めています。
利用者の意向によりガイドヘルパー、外出ボランティア等ボランティアの調整を行なうためボランティアセンターとの連携を深めています。今後は利用者も使用する機会の多いインターネットでの情報取得・交流なども含め幅広い社会資源との連携が行われることが期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

自治会に参加し、運営会議への参加を要請、地域のお祭りへの参加などの活動は行なっていますが、事業内容等を広く知られていないため福祉ニーズや生活課題を把握する取り組みとしては、あまり広がっていません。
掲示やインターネットを利用した情報の開示や、事業所で蓄積した自閉症対応などのノウハウを地域の人々に示す機会を持つなど、認知され、理解されることで、より深い地域ニーズの把握が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

セルプ活動としてえびせんの製造やペットボトルの回収を行なっていますが、付近のゴミ拾いを行なうなどの公益的活動も定期的に行っています。地域の方の見学など個別に対応していますが、事業所の持つノウハウを用いた相談等の受け付けを広く行なうようなことはありません。
地域コミュニティーに事業所の存在と事業内容を認知してもらうことで、地域のニーズの掘り起こしにつながることが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

運営法人の理念からも「人権の尊重」「インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の推進」を掲げています。更に事業所では重度の利用者が多いこともあり「利用者の個性を尊重し利用者が中心と」なる支援を行なっています。
個々の状態や個性が違うため、利用者個々に担当者を設けてコミュニケーションを深めるようにし、個別支援計画作成や見直しの際は多くの職員が参加し、職員の意見を取り入れています。そのため個々の利用者別ファイルがそのままその利用者専用のマニュアルとなり、職員全員で共有しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人作成の職員ハンドブックでも利用者のプライバシー保護に関する規定が掲載されており、マニュアルとして整備されています。利用者の個人情報の取り扱いについて、法人作成の個人情報保護規定に順じて行なわれています。
実際のサービスにおいても、可能な限り同性介助を行なっているほか、他者の視線に過敏になる利用者の特性に合わせて、2階にはデスク毎にパーテーションで仕切り、落ち着いて過ごせる環境を作っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

利用者の大半は養護学校の進路担当からの勧めで見学に訪れ利用につながったケースで、相談支援専門員の紹介や近隣にお住まいの方の利用もあります。見学については近隣の病院に通院される方が突然見学に訪れることもあり、随時個別に対応しています。
入り口には事業所で行われている活動や支援方針を写真を配して見やすく説明したパンフレットを置いていますが、他の場所では配布していません。ホームページもありますが、利用方法や活動内容についての記述は乏しく、地域に対する発信力を高める取り組みが期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

事業所でのサービスを始めるにあたり、利用者本人および家族にサービスの内容や利用規約を重要事項説明書とサービス利用契約書を用いて説明し、同意を得ています。契約書にはルビを振る等読みやすく工夫しています。
サービスの変更についても利用者本人・家族の同意を得ていますが、重度な利用者が多いこともあり意思疎通や意向の確認には家族等を介すことも多く一定のルールは設けていないものの、個別に対応しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者により就労型の施設への移行や、入院、家庭への移行等、事業所でのサービスを終了し移行するケースもあります。日中活動の様子などをお伝えすることはありますが、利用者の年齢が比較的若いこともあり引継ぎ文書等は現在まで用意したことはありません。
今後サービス終了後の体制の整備がなされることが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

外出先などのレクリエーション案を作成し、また食事メニューなど必要に応じアンケートを行い、結果を踏まえ支援に繋げています。定期的な調査は行っていませんが、施設長と利用者担当が利用者と個人面談を年1回行い、希望やニーズの把握に努め、個別支援計画、日々の支援に反映しています。家族会を定期的に開催し、出席率は8割と良好です。
施設長が参加し、事業報告や事業計画、日常生活や活動・イベントの報告や相談に応じています。楽しく過ごせるプログラムの提供や希望される個別の送迎などニーズの多様化・複雑化に対応しています。第三者評価を受審し、利用者・家族アンケートも実施、施設の様々な対応についての満足度を確認しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決制度について、利用者や家族には重要事項説明書に利用者相談窓口に相談員名、苦情解決責任者に施設長名、第三者委員名、施設でなく他にも相談できる窓口も記載し、説明し配布しています。施設長は年1法人の研修に参加しています。苦情解決制度やオンブズマン制度のポスターは玄関の見やすい場所に掲示しています。
ご意見箱も設置しています。オンブズマンが毎月入り、定期的に会議をしています。「苦情に関する規則」の中に苦情解決手続きのマニュアルや記録用紙などもあります。相談しやすく意見を言いやすい雰囲気づくりに取り組み、今までに苦情に至った例はありません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

契約時の重要事項説明書に利用者の相談・援助を行うことを記載し、利用者はいつでも自由に意見を言えること、また職員が相談に乗ることを詳細に説明し配布しています。利用者には、担当制を敷き、担当職員を紹介し、また利用者の利用日の合わせ勤務形態を組むなど相談しやすく、意見を言いやすいように配慮しています。
行事や食事、活動内容などは利用者にアンケートを実施したり、直接相談し意見を徴集しています。個別面談や個別に相談に応じる時は、本人の希望する時間や場所、会議室などに配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

利用時は職員から積極的にコミュニケーションを図り、様々な生活や活動場面で思いや意見を傾聴し、確認しています。相談を受けた担当者は、課長、施設長に相談する体制になっています。問題によっては、迅速に対応できるように権利移譲し対応しています。相談の受け方や対応の仕方については、法人の職員ハンドブックの利用者支援マニュアルや倫理行動マニュアルに具体的に記載し、職員に配布しています。
施設長はその都度、職員の対応について指導やアドバイスをしています。職員は年1回自己の振り返りをし、支援の対応について見直しをするなどサービスの向上に取り組んでいます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

法人ではリスクマネジメント委員会があり、マニュアルを作成し、体制を整備しています。施設長はリスクマネジメントの研修に毎年参加し、事業所職員にフィードバックしています。事業所では事故報告書とヒヤリハット報告書を作成しています。
事故やヒヤリハットが発生した場合は速やかに報告書を作成し、職員会議で、発生要因、改善策を多職種職員で検討し、見直し、再発防止を図っています。昨年はインシデントが6件、ヒヤリハットが14件、車両事故が3件発生しています。検討した事故分析から、定期的に安全確保の実施状況や実効性の再評価・再確認をしたり、研修に活用できるように一層の取り組みに期待いたします。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人として感染症対策マニュアルは作成され、管理体制が整備されています。施設の感染症対策では、看護師が責任と役割を果たしています。季節に応じノロウィルスやインフルエンザ、今回のコロナなどの感染予防や対応を利用者、職員に説明し、掲示もしています。
事業所でのコロナ感染症対策については利用者や家族に書面で通知しています。職員は「感染症の基本的知識」の外部研修を受け、他の職員に会議で伝達しています。感染症が発生しないよう、室内の換気や清潔など衛生管理に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

地域の特質から火災と地震の災害訓練を実施しています。年2回消防署の協力で消防計画書をもとに、また2ヶ月毎に事業所主体で訓練を実施しています。職員は利用者を避難場所までの誘導訓練や安否確認、消火訓練など、担当役割を決め実施し、対応の振り返りをしています。
備蓄品として利用者、職員の2~3日分の食品を保管して施設長が管理しています。今後、備蓄品として多種の食品や防災用品の備えと共に、地域の自治会の防災訓練の参加など協力体制の強化などに取り組むことを期待します。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

職員は入職時に法人の研修で「福祉サービス」についてマニュアル等に基づき習得しています。入職時に配布される職員ハンドブックでは、利用者の排泄や入浴、食事などサービス支援時は、利用者の気持ちを尊重し、プライバシーに配慮した支援対応と言葉遣いなど具体的に記載しています。
プライバシー保護や虐待防止、身体拘束禁止などの権利擁護についても記載しています。施設長は職員が不適切な支援をした時は、その場で指摘し指導をしています。また職員は年1回、自己評価でサービスの提供について振り返りをし、適切な支援ができているか確認をしています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

法人のマニュアルを基に利用者サービス支援の基本である利用者尊重、プライバシー保護、権利擁護の視点で支援に取り組んでいます。施設では障害の状況に応じ支援内容が様々なため、独自に「利用者特性・支援配慮表」を作成しています。
それぞれの障害の特性や注意事項を記載し、それに対する支援方法や環境への配慮を具体的に記載しています。職員はそれに基づき共通認識で支援の実施を図り、実施した支援内容を詳細に記録しています。支援会議で定期的に支援内容の適性を見直し、個別支援計画書に反映しています。職員が支援計画書に基づき、適切な統一した支援が出来るようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画書はサービス管理責任者が作成しています。入所前に家族が家庭での生活や医療情報、希望をなどを記載した生活調査表を提出しています。責任者はそれを基にアセスメントし、個別支援会議を開催し、利用者、家族、多職種の職員で協議しています。計画書は利用者や家族の希望と検討されたニーズを課題とし、具体的なサービス内容を記載しています。作成された計画書は全てにフリガナをふり、分かり易く作成し、利用者や家族に説明し同意を得ています。
サービスの実施は個別支援記録や活動日誌に記録しています。自傷行為のある利用者など困難ケースは会議で原因を究明し対応を検討し、適切な支援が行われるよう取り組んでいます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画書は、1年ごと、また状態の変化時に作成しています。サービス責任者、施設長、看護師、担当職員が個別支援会議や職員会議でサービス内容の実施状況や適性を検討しています。家族や利用者も個別支援会議に参加しています。不参加時は電話で確認をしています。
責任者はモニタリング用紙で計画書のサービス内容の実施状況や達成度、利用者の満足度、計画の変更の有無を記録し、評価・見直しをしています。課題を明確にし、計画書の更新や作成をしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の身体状況や生活状況等は、基礎調査表やアセスメントシート、検査結果表などに記録しています。日々のサービスの支援実施は「支援手順兼記録用紙」や「個別支援記録」「活動日誌」などに記録しています。職員は課題の引き出しや文章の構成に必要な重要ポイントなど「記録」に関する研修を受講しています。
情報は申し送りノートや職員会議録や支援会議録などで共有しています。支援会議内容はホワイトボードに記録し、写真をとり、個別の支援記録に張り付け、会議の詳細な内容、情報を共有し支援に取り組んでいます。記録類はパソコンで一括して管理し、「作業マニュアル」を作成し、情報共有の仕組みを整備しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人として個人情報保護規程を作成し個人情報の管理責任者を決め、情報や記録の保管方法、情報提供、漏洩等問題発生時の対応などを記載しています。個人情報保護規程は、利用者や家族には契約時に説明しています。個人情報の取り扱いや記録の保管期間など重要事項説明書に記載し説明しています。
情報提供について、提供先、目的、提供条件などを記載し、利用者や家族に同意を得ています。職員には守秘義務の誓約書を取り交し、個人情報保護規程の研修を行い、規程の遵守について説明をしています。また職員倫理行動マニュアルにもプライバシー保護、守秘義務を記載し、職員が理解し、支援、対応ができるようにしています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

入所時、更新時、随時、利用者や家族から活動や食事、仕事の内容などの意思や希望を聞き取っています。利用者のエンパワーメントを大切にした主体的な支援、自立支援を目指し「利用者特性・支援記録」を作成し個別支援をしています。日々の活動状況を見て、個々の能力に応じているか、得意とすることが生かされているかなど、支援会議で各種職員が検討しています。利用者主体、利用者権利の尊重を基本にしています。利用者に寄り添い、強要せず、好きな事をして、また明日も施設の利用者や職員に会いに来たいと思えるような支援を心掛けています。
毎日の申し送りで支援状況の振り返りをしたり、職員会議で支援内容を共有し、共通認識で支援に努めています。生活上のルールは「利用者特性支援記録」に記載し、個人面談やその都度(例えば休んでいる人の部屋には入らないなど、他利用者に迷惑のかかる事はしないなど)話し合いや注意をして理解を促しています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

家族や利用者には、利用者の権利の尊重、権利擁護、虐待や身体拘束などの権利侵害について、契約時に重要事項の中で説明しています。身体拘束は原則禁止、緊急やむを得ない場合の手続きや実施方法を明確に説明しています。病状から転倒の危険性が非常に高い場合は身体拘束同意書を家族に説明し、同意を得て、経過を記録し、会議で拘束廃止に向けて検討しています。
急に外に飛び出してしまう利用者に、職員が入口に立ち予防をするなどの対策に取り組んでいます。職員には、身体拘束や虐待などの権利侵害、人権の尊重について、身体拘束禁止マニュアルや職員倫理行動マニュアルなどに基づき説明や研修をしています。また虐待防止マニュアルには、行政への届出・報告手順も明確に記載し具体的な事例を用いて職員に研修をしています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個々の心身状況を踏まえ、利用者にとって、何が重要課題であるか、本人がどの様に自律・自立したいと願っているかを、家族や本人と話をして、サービスの方向性、支援内容を決めています。利用者には自立に向け、前もって話し合いをしています。職員が行動を示し、自分でやるように促して動機づけを図っています。自分で行い、困難な状況になったら介助に入り、アドバイスして見守ることをしています。
日々の支援状況から個別に「利用者特性・支援記録」に挑戦したいことを記載し、個別支援計画書に基づいて行っています。靴を履く、トイレでペーパーを取る、着替えをする、えびせんを作りたいなど生活上のさまざまな場面で、自律・自立に向けて取り組んでいます。認定調査や更新手続きなど行政の手続きを行っています。地域サービスとしてガイドヘルパーを利用し個別の外出や訪問マッサージを利用して身体機能の維持など図っています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

朝の来所時は、職員から積極的に一人ひとりにコミュニケーションを図り、状況や状態を確認しています。当日の利用者スケージュールをわかり易くするため、写真や絵などで活動内容をホワイトボードに掲示しています。活動時には意思の確認や内容の説明などを行い、利用者とのコミュニケーションを図っています。
声掛けは、次の行動を促す大切な事として、言葉遣いに気を付けています。言葉による意志表示や伝達が困難な利用者にはカードやジェスチャーなど視覚的表示(文字・数字・番号・写真・絵・矢印など)を行っています。またうなづきや手のひらの動きなどで意思を汲み取ったり、じっくり時間をとり、自ら言葉を発するようにしています。
職員は毎日家族からの連絡帳で家庭での状況や変化した状況など情報を共有し、利用者とのコミュニケーションを図っています。また家族とは、施設での状況を伝え、家庭でコミュニケーションを図るよう家族にも協力を得るなど連携しています。今後もカードを増やし、多様なコミュニケーションが図れるよう工夫を期待します。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者は個別面談で個々の支援内容や提供できる情報や相談事などを話し合っています。作業内容や趣味活動などは、活動プログラムを提示・説明しています。レクリエーション案を作成し、利用者に相談することでニーズに応じ、楽しく過ごせるように配慮しています。ニーズや相談内容は、支援会議で検討し個別の支援計画書にフィードバックし、適正な支援に繋げています。職員から毎朝声をかけ、健康チェック時にも話しかけて相談にも応じています。
職員は申し送り時や職員会議でそれらの情報を共有し、必要に応じて検討し、支援に反映しています。施設長は職員に、インフォームドコンセントを大切にした利用者主体の支援と説明責任の徹底を図る重要性を伝えています。相談に応じる時の「聞くことにおける基本」の研修をしています。オンブズマンが毎月来所して利用者から相談を受け会議をしています。利用者アンケートの「相談したり、意見を言いやすい雰囲気」の質問にほどんどの利用者が「はい」と答えています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者が楽しく満足して過ごせるようにアンケートを取り、外出やレクリエーション、セルプ活動(障害者に生産活動等の機会提供)など多様化するニーズに応じられるようにしています。公園やモールでの買い物、水族館・博物館、バスツアーなど外出の機会を設けています。利用者のニーズで一泊旅行も実施しています。タコライス、ピザや月見ハンバーガー作り、そうめん流しなどレクリエーションを実施しています。
バランスボールの設置、パーティーションで個室作りなど、活動の環境を整備しています。セルプ活動では手工芸作品やえびせんの製菓作りをして、給料をもらうことが楽しみになっています。音楽療法の音楽レクリエーションでの楽器演奏を祭りで披露し家族などに喜ばれています。
自治会だよりや地域社協だよりから地域のイベント(町や小学校の祭りなど)などに参加しています。日中の活動の支援内容は、個別支援計画に盛り込まれ定期的、必要時に見直しを図っています。利用者や家族は計画書の見直し時に要望をきちんと聞いてくれるとの意見が聞かれます。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

「自閉症」「重心児童の理解」「ポジショニング」「行動援護」「重症心身障碍児者に対するライフステージ」「摂食」「問題行動とその解決」など研修を通し専門知識の習得とその対応を学んでいます。職員会議で研修報告をし、専門知識など共有を図り、個別の支援方法の検討や見直しを図っています。
落ち着けるようなスペース確保や事故防止の個別対応、環境整備をしています。「自閉症」の研修では様々な行動による対応を理解するなど、他の障害にも通じるため年6回実施しています。日々に生じる障害による行動と対応を「利用者の特性と支援記録」に詳細に記載し、支援会議で支援方法の見直し・検討をしています。
問題的行動が出た利用者は、必要に応じ席や向きを変えたり、個室への誘導や利用階を分けるなど対応しています。また他者との関わりを好まない利用者は衝立を立てた席を提供するなど個々の状況に配慮し対応しています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っています。利用者に配食業者から届いた食材を調理し提供しています。偏食やアレルギーに対して食材を変更し、本人の選択に応じて味に敏感な方には味つけの調整をする工夫をしています。食形態を常食や刻み、ミキサー食など摂食状態により対応しています。外食やレクリエーションでの簡単な調理、外出時のお弁当など楽しみとなるように配慮しています。
自作の農園で採れた野菜や果物を付け合わせて提供しています。入浴支援も個浴を提供し支援しますが、現在は該当者がいません。失禁時はシャワー浴、排泄の自立支援に向けた工夫、立位不安定者の二人介助などに取り組んでいます。
移動は心身の状況に応じて車いす・歩行器・杖を使用し、自操や見守り、介助を行っています。車いす操作や移乗介助の勉強会、介助時のポイントレクチャーなど介護技術の向上に取り組んでいます。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

利用者の活動の場は1階と2階に心身の状況や希望、活動内容で分かれています。活動の場や食事の場は窓が大きく、明るい環境になっています。職員はサーキュレーターやエアコンで適切な温度や湿度の管理をしています。
パーティーションでの個室や畳の部屋、ベッドの設置など生活環境の整備を図っています。例えば個別に、他利用者との関係で1階と2階と利用環境の調整をしたり、キッチンでの食事やお気に入りの畳の部屋で落ち着いて過ごしたり、臥床での排泄交換の場や休息・安眠のためになど、その都度配慮して環境を提供しています。
清掃は利用者が退所後に職員が行っています。調理場は利用者の製菓作りがあるため衛生面や調理器具の工夫など安全に取り組めるように配慮しています。今夏の猛暑でエアコンの効きが悪く買い替えを検討中、より良い環境整備を図ることを期待します。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練士は配置していませんが、看護師や職員が個々の身体状況に応じ積極的に生活上での訓練を行っています。毎日午前・午後とラジオ体操に利用者が主体的に取り組み、可動域の維持・向上が図れるようにしています。毎日の靴の履き替え動作をする、移動を車いすから歩行器を使用する、自助具を活用して自力で摂取を促すなど、本人の状況を見ながら能力の引き出しをおこない、より自立した生活に向けて日々取り組んでいます。
整形外科受診時に施設で取り組める訓練内容のアドバイスを受けたり、訪問マッサージ師がマッサージのみでなく筋力の維持向上のケアをしています。訓練などの支援内容は、個別の支援計画書に盛り込み、支援実施とモニタリングをし、支援訓練内容の検討見直しを図っています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回健康診断の実施と往診医が毎月1回訪問し、健康管理を図っています。看護師を3名配置して、毎日一人は出勤するようにしています。毎朝、来所時にバイタルチェックをして服薬を預かり、与薬など服薬管理をしています。利用者の排便状況を確認し、服薬や食事内容の検討や摂取状況や量をみています。看護師は医師と相談し食事内容と形態の変更を検討しています。家族にも報告をし、関係者が連携して健康管理を図っています。
看護師は日々の健康管理を往診医に報告し指示を仰ぎ、職員付き添いで他科受診に繋げています。職員は、「自閉症やてんかん発作など障害の特性と対応」など勉強を定期的に行っています。「病気の症状と対応」や「緊急連絡先一覧」を見やすい場所に掲示しています。家族から急変時の搬送先を事前に聞き取り、状態変化の状況判断が難しい時は、救急隊を要請するなど対応をしています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

医療的な支援の実施についての方針を重要事項説明書に明記しています。個別の障害に応じた対応をアセスメントや基本情報に記載しています。個別計画書には健康管理として個々の症状に応じた支援内容を記載し、実施に取り組んでいます。看護師は来所時に持参薬を預かり必要時に与薬しています。持参薬忘れのための予備薬や急な状態変化に対応できるように常備薬、また緊急時として3日分の服薬を、鍵にかかる書庫で保管し服薬管理をしています。
疾患に応じ往診医やかかりつけ医の指示を仰ぎ、連携して健康支援をしています。アレルギーや糖尿病疾患者、食事量低下の利用者には、食材の変更や治療食の提供、食事量と与薬量の調整、食事形態の変更、高栄養補助食品の提供など支援しています。職員は「感染症の基本的知識」「自閉症」「支援現場における医療との連携」のなど医療に関する研修や現場で直接看護師から指導やアドバイスを受けています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設は、社会貢献活動や作業活動など働くことは、障害が重くてもライフサイクルに関わる営み、役割を担っていることの実感とは生きることの喜びに繋がるとして取り組んでいます。自治会やボランティア団体と連携して地域道路の清掃活動、リサイクル活動としてエコキャップ回収と選別(ワクチン寄付)やアルミ缶の回収、リサイクルはがきの作成などを行っています。
関係機関との連携により製品の販売会を通し食品製造(えびせん)、布製品の製造(バッグ、ビーズ小物)、などの販売をしています。PCやスマートフォンを使った利用者の好むSNSや動画サイトの使い方など職員と共に随時学習しています。利用者の書いた絵をインターネットに載せたところTシャツにプリントし好評でしたので販売に繋げられるように進めています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

障害のある方が地域社会の一員として、社会参加を果たすための支援をしています。福祉サービスの利用、自立に向けた働きかけに取り組み、家族支援を行っています。自治会便りや地域社協だよりなどで、社会参加のイベントや外出先などの情報を提供しています。地域に出て、生活の拡大や潤いのある生活を図をため、ガイドヘルパーやヘルパー、介護タクシーなどの利用の手配や紹介をしています。
利用者の希望に応じ、毎日ヘルパーと介護タクシーを利用して個別に買い物や映画鑑賞、カラオケ、ケーキを食べに行くなどしています。また自宅で入浴ができないなど自宅で困っていることや家族支援も含めヘルパーの利用の提案をしています。ケアホームの体験入居の調整を行っています。多くの地域からの施設利用ができるよう送迎サービスの充実を図っています。介護タクシーの送迎を利用して新たな送迎ルートにも取り組んでいます。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用時には毎回連絡帳を通し、施設での生活状況や活動状況、健康状況などの報告や自宅での生活状況の確認や相談に応じ助言などしています。また受診報告など必要時は電話連絡や送迎時に直接話をしています。利用者の体調不良時や急変時の対応として緊急連絡先や救急搬送先の病院名などを確認しています。「未来新聞」をイベント開催時に発行し、作業や活動風景の写真をメインに載せ配布しています。
利用者や家族が支援会議に参加して、生活の支援内容の希望やニーズの相談や確認をし、作成した個別支援計画書を説明し同意を得ています。年3回家族懇談会を開催し約8割の家族が出席し、施設運営や事業報告・事業計画の説明、サービス内容の変更や取り組み、利用状況等話し合っています。
家族の介護ストレスの軽減のためショートスティの利用などを紹介しています。家族からちょっとした小さなこと、気になることが聴ける、また利用者の様子、生活の報告があるとの意見が聞けています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】