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東寺尾どろんこ保育園

2024年03月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研データサービス

② 施設・事業所情報
名称 東寺尾どろんこ保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 154 名
所在地 230-0077
横浜市鶴見区東寺尾1-35-5
TEL 045-642-8640 ホームページ https://www.doronko.jp/facilities/doronko-higashiterao/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2016年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人どろんこ会
職員数
常勤職員:23 名
非常勤職員:15 名
専門職員
保育士:30 名
栄養士:2 名
看護師:1 名
調理員:1 名
事務員:1 名
保育補助:3 名
施設・設備の概要
居室数:保育室4室、調理室、事務室、
    育児相談室、地域交流室、
    一時保育室
設備等:園庭、エレベーター、
    駐車場、沐浴室、畑

③ 理念・基本方針
「にんげん力」を身に付けるために必要な遊び・野外体験を提案実践し”自分で考え、行動する思考”を育みます。
10よりも100の経験を与え、子どもが”したいと思う活動”を安全に行えるように見守り、支援してゆきます。
”感じたこと・考えたこと”を言葉でジェスチャーで、表情で、描いて、造って、表現できる子どもを育成します。
「0を1にかえる力」を日本中の子ども達につけ、物事を投げ出さずに向き合う若者が社会を支える世の中を創ります。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 東寺尾どろんこ保育園は定員154名の認可保育所です。どろんこ会グループの中でも最大規模ともいえる当園は、広大な園庭や畑のほか、周囲には自然豊かな環境が広がっています。子どもたちは戸外活動をのびのびと楽しみ、子育て目標「センス・オブ・ワンダー」を体験しています。
 どろんこ会グループ共通の保育理念「にんげん力。育てます。」のもと、異年齢保育や障がいのある子どもも共に過ごすインクルーシブ生活を実践し、すべての子どもが頼りあい、ぶつかりあい、手を差し伸べあって過ごすことを大切にしています。地域交流では、地域の商店などを毎週訪問する「商店街ツアー」、公園で地域の親子と交流する「青空保育」、3~5歳児が銭湯へ行く「銭湯でお風呂の日」のほか、「自然食堂」や「どろんこ祭り」など、地域と交流できる機会が多くあります。
 食育は年間を通して行い、大根やほうれん草、なすなどの野菜を畑で栽培し、みんなで育てた野菜を食べるなど、食べることの喜びや意欲を育んでいます。また、「縁側給食」や自分たちで盛り付ける経験をし、異年齢とも関わりながら食事を楽しんでいます。3~5歳児になると「就学前教育」を導入し、読み書き、計算、体操、音楽などの活動を就学に向けて取り入れています。
 子どもたちは、どろんこ会グループならではの様々な取り組みを日々経験し、周囲と協力しながら自分で考え行動していけるように職員は支援しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/14(契約日) ~2024/03/06(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◆ 園全体のレベルアップを図り、各種研修など人材育成に努めています
 事業計画にもとづき、充実した園内外の教育・研修を実施しています。新任職員対象の「現場OJT研修」や「保育品質マニュアル研修」のほか、職員は「コンピテンシー研修」や「子育ての質を上げる会議」に参加し共通認識を図り、保育の課題把握に努めています。また、どろんこ会グループが運営する研修プログラムでは、幅広いテーマで動画による研修が行われ、得た知識は園会議で全職員に共有しています。主任や施設長も、毎月「主任会議」や「施設長会議」に参加し、保育の課題を把握しています。施設長は、職員の研修参加状況の確認やシフト調整を行うなど、職員が様々な研修に参加できるよう配慮し、園全体のレベルアップに努めています。

◆ 保育の質の向上に向けて、共通認識を持ちチームワークを高めています
 職員は、各クラスでの話し合いを通じて日々の保育を振り返り、子ども一人ひとりの様子を共有して指導計画の評価を行っています。また、職員個々の自己評価に取り組み、「コンピテンシー自己採点」で自己チェックを毎月行うとともに、各職員が設定した年間目標をもとに自己評価を行っています。その上で年2回施設長と面談し、目標達成状況を確認します。年度末になると園全体の自己評価を作成し、保育実践の振り返りや職員の自己評価結果を反映させています。自己評価結果から把握した課題点は、次の指導計画に生かしています。保育の質の向上に向けて全職員で共通認識を持ち、チームワークを向上させながら、保育実践に取り組んでいます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 園の規模の大きさから日々に追われ、特に幼児クラスの養護面や伝達面の向上は、引き続きの課題であると考えています。運営面での評価は、法人と作り上げた「保育品質マニュアル」「運営マニュアル」が評価ポイントとして大きく感じました。
 引き続き、事業計画で示している通り、マニュアル遵守を遂行していきます。第三者評価を通して課題が改めて明確になりましたが、同時に成果・園のストロングポイントにも気づくことができたと考えています。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループの子育て理念は「にんげん力。育てます。」、子育て目標(基本方針)は、「センス・オブ・ワンダー」「人対人コミュニケーション」となっています。施設長が、2月、3月に開催される策定会議や3月のキックオフミーティングにおいて、全職員に理念、基本方針を説明します。動画配信などを使いながら、全職員が、秋のどろんこ会グループの「全体研修」で、理事長からグループの理念や基本方針の説明を受けます。保護者に配付される「入園のしおり」は、園の理念や基本方針を、写真などを使いながらわかりやすく説明しています。年2回の保護者懇談会でも保育内容の説明資料を通じて説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 社会福祉事業全体の動向は、月2回、どろんこ会グループの広報部が配信する職員向けの情報サイトより、職員に提供されています。動向分析は運営本部が行い、施設長会議などで情報共有されています。横浜市からは、メールなどにより地域の各種福祉計画の情報が提供されます。鶴見区とは、周辺の園の開設状況や今後力を入れたいサービスなどの情報交換を行っており、その情報を運営本部と共有しながら課題分析を行っています。運営本部が、定期的に保育のコストや園の利用者の推移、利用率などの分析を行っており、園と情報共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループにおいて、経営環境、組織体制、人材育成などの現状分析を行い、具体的な経営課題や問題点を明確にしています。どろんこ会グループは定期的に役員会議(月1回)、経営会議(週1回)を開催し、経営課題と経営状況の確認、分析を行っています。全職員が動画視聴などで参加する「全体研修」において、理事長より、グループの経営状況や改善すべき課題について職員に周知がなされています。運営本部が策定した「運営本部Mission」という形で、施設運営方針が示され、グループ各園の事業計画という形で具体的な取り組みが進められています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 どろんこ会グループの中・長期計画は、収支計画も含めグループ本部で作成しています。運営本部が策定した具体的な施設運営方針が示されている「運営本部Mission」を受けて、施設長が、園の中・長期計画を策定しています。2023年度の園の目指す姿は、「子ども中心の保育園。子どもたち同士で話しあい、保育者と相談しながらその対話力を園外にも広げる。」となっています。毎年更新される事業計画において、必要に応じて中・長期計画の見直しを行っています。園の3か年計画は作成されていますが、評価がしやすいように、今後は、数値目標や具体的な成果をより明確にされることを期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 園の単年度の事業計画には、中・長期計画や、前年度の基本方針などの進捗状況や反省を踏まえ、年度のテーマ、目指すべき姿が明記されています。さらに、保育内容の充実・質の向上、保護者への支援、地域の子育て支援、危機管理、実習生の受け入れ、スタッフ育成と研修計画なども記載された総合的なものとなっています。基本方針、各種運営方針は、「計画・ねらい」「実践予定内容」という構成となっており、具体的で成果が明確になっています。また、会議、研修なども具体的な数値目標を設定し、後日、実施状況の評価がしやすいものとなっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 次年度の事業計画は、2月、3月の年間策定会議で、園の職員全員でまとめます。2月は施設長が次年度の方針を示し、3月に具体的な活動計画を立てます。会議において、今年度の事業報告をもとに、職員間で、どのように次年度の保育・教育の充実を図っていくか、園目標をどのように達成していくかなどを話し合っています。2月に行われる年間策定会議において、事業計画は、職員に周知され、毎月の園会議や昼礼などで進捗を確認しています。内部監査室が行う内部監査で、事業計画の進捗状況確認、評価が行われています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 毎年、園の事業計画は、どろんこ会グループのホームページで公開されており、誰でも見ることができます。入園時に配付される「入園のしおり」は、写真や図表を使い、保育内容がわかりやすく説明されています。事業計画の主な内容は、保護者に入園前説明会や入園面談で説明しており、年2回行う保護者懇談会においても周知、説明をしています。保護者懇談会においては、スライドを使用し、日頃の園内での活動をわかりやすく説明しています。保護者には、4月に連絡用アプリで年間行事計画を配信するとともに、毎月の「園だより」で行事案内を行い、行事への保護者などの参加を促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループは、PDCAサイクルに基づく、保育の質の向上に向けた取り組みを行っており、全職員に配付している「保育品質マニュアル」に具体的な記載がなされています。各職員は、目標管理シートを活用し、目標設定を行い、中間面談、最終面談で実施状況の確認を行います。どろんこ会グループで開催する毎月の「子育ての質を上げる会議」に園の担当者が参加し、園の保育に反映させています。毎年、園の自己評価として、事業報告書を作成し、園、どろんこ会グループで評価・検討がなされています。第三者であるISO9001の認証機関による定期的な審査や第三者評価(2回目)を受審しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 毎年、園の自己評価として、事業報告書を作成しています。2月の年間策定会議において、職員間で課題の共有化が図られます。また、3月の年間策定会議では、職員が課題を考慮しながら、次年度の具体的な活動計画を立てて、事業計画を作成します。事業計画の進捗状況は、10月の職員の中間面接で振り返りを行い、後期につなげています。毎年、内部監査室による内部監査を行っており、評価結果は、その場で課題としてリスト化されます。リストにもとづき、園で是正計画を立て実行します。後日、運営本部が、リストにもとづき是正されるまで繰り返し確認を行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、2月の年間策定会議において、園の経営・管理に関する方針と取り組みを明確にし、事業計画に反映させています。施設長の職務分掌などは、どろんこ会グループの「保育園運営規程」に明記されています。また、保育所の事業経営における責任者として、施設長の責任を事業計画で表明し、ホームページにも公表しています。そのほか、施設長は自らの役割と責任について、職員には園のキックオフミーティングで、保護者には園の行事や保護者懇談会の冒頭の挨拶などで表明しています。「自衛消防隊の編成と任務」の書類は、玄関にあり、隊長(施設長)、副隊長(主任)となっています。有事(災害、事故など)の時、隊長が不在の際は、副隊長が現場責任者となることが明記されており、園会議において全職員に周知されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、遵守すべき法令などを十分理解しており、利害関係者との良好な関係を築いています。どろんこ会グループが運営する研修プログラムを受講し、法令遵守の知識を習得しており、労働環境への配慮に努めています。得られた知識を、園会議などで職員に周知しています。運営本部からも、職員に対し、社内イントラネットを通じて、遵守すべき法令などの情報がタイムリーに提供されています。年2回、全職員がどろんこ会グループの「児童・保護者の人権に関するチェックリスト」を用いて、児童・保護者の人権保護のための自己採点を行うほか、3月のキックオフミーティングでも理解の確認をしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、毎月、どろんこ会グループが運営する研修プログラムを受講し、グループ他園との比較をしながら、自園の保育の質について評価・分析を行っています。施設長は、現場での職員への直接指導とともに、一人の保育者として実践し、保育の質向上を推進しています。どろんこ会グループが運営する研修プログラムと「子育ての質を上げる会議」で得られた情報を、園会議における身近な職員の教育・研修として活用しています。園会議においては、職員の様々な意見を吸い上げることに心がけています。施設長は、「子育ての質を上げる会議」に参加した職員に、振り返り、感想レポートの提出を求め、一層の知識の定着を期待しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 人事、労務、財務などの分析は、どろんこ会グループが行い、各園にフィードバックしています。園では、分析結果を参考にしながら、施設長と運営本部が連携し、経営の改善や業務の実効性の向上に取り組んでいます。施設長は、俯瞰した視点と現場視点での課題解決を図り、課題のあるスタッフのフォローなどを行っています。施設長は、毎月開催される園会議に、どろんこ会グループのコンピテンシー(職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性)を使い、職員一人ひとりに課題の振り返りを行わせることにより、組織内に同様の意識を形成させることを目指しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 必要な福祉人材の確保は、本部人事採用部が行っています。園は、候補者が採用水準に満たしているかの最終判断を行います。人材の確保の方法としては、求人情報サイト、SNS、自社ホームページなどを活用していますが、実習生からの職員採用に特に力を入れています。人員体制の管理は、どろんこ会グループで行っており、計画的な系列園への異動などにより、グループ内の各園の適正な人員体制を構築しています。どろんこ会グループの「保育品質マニュアル」に「求める人材像」が記載されており、それに見合う人材の確保や人材育成、研修計画が行われています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループの理念・基本方針にもとづく「求める人材像」は、「保育品質マニュアル」に明記されています。資格等級制度を導入しており、人事評価、処遇体系、人材活用、人材育成と連動しています。評価制度は、「目標管理シート」を活用し、組織目標と個人目標を設定し、個人の取り組み内容を判定指標に照らし合わせた達成基準によって評価します。9月に行う全職員の個々の意向調査を反映させ、最終的に、異動、昇進・昇格を決定しています。また、希望者に対し、自らの将来の姿を描く支援として、どろんこ会グループのキャリアアップ相談室にて外部のコンサルタントによる「キャリア面談」を実施しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 施設長が、総合人事管理システムを活用し、職員の有給休暇の取得状況や時間外労働データなどの就業状況を毎日把握しています。残業についてはどろんこ会グループでもチェックしており、一定時間を超える職員は、施設長もしくは人事総務部担当が個人面談し、原因把握と改善に向けて動きます。施設長が職員に適宜声かけを行い、一人ひとりの心身の状況を把握するとともに、人事総務部によるストレスチェックを行っています。年3回の施設長との個別面談や、どろんこ会グループ相談窓口の設置など、職員が相談しやすい環境を整えています。どろんこ会グループで福利厚生団体に入会しており、職員は、ホテル、テーマパーク、旅行などが割安で利用できます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループの人事制度説明会の資料において、人事制度の目指すべき姿が明確になっています。職員一人ひとりが「目標管理シート」を活用し、個々の目標を設定し、自分が描くキャリアや目標に向けて進めるようになっています。シートは、目標(組織目標と個人目標)、具体的な取り組み、判断指標、達成基準が明記され、組織目標は事業計画と、個人目標は「コンピテンシー」と連動しています。年度初めの面接で目標を確認し、中間面接では進捗を、年度末に評価を行い、職員に結果をフィードバックしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 「保育品質マニュアル」の人材育成・研修の欄に、「求める人材像」が明記されています。園が職員に必要とする専門技術などについては、園の事業計画書の基本方針に明記しています。教育・研修は、どろんこ会グループが運営する研修プログラムを受講、神奈川県が主催する「エキスパート研修」、毎月の園会議での「コンピテンシー」を活用した研修などを年間事業計画にもとづき行っています。年度末のフィードバック面談時に、次期の育成計画を、施設長が職員個々に伝えています。毎年、どろんこ会グループおよび園で研修内容やカリキュラムの評価と見直しを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、統合人事管理システムで、一人ひとりの職員の専門資格の取得状況を確認することができます。新任職員は、オリエンテーション、現場OJT研修、保育品質マニュアル研修などを受けます。主任は、「主任会議」、職員は毎月の「子育ての質を上げる会議」、施設長は「施設長勉強会」に参加し、どろんこ会グループ他園の職員と現場の状況を伝えあいながら、園の課題に取り組んでいます。職員一人ひとりが、教育・研修の場に参加できるようにシフトの調整を行い、eラーニングの活用も推奨しています。2022年度には、園職員がインターンシップで2週間デンマークの保育園で勤務しました。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 実習生などの受け入れについて、「保育品質マニュアル」に、意義、心得、受け入れ手順が明記されています。さらに、「受け入れのてびき」があり、実習開始時には、実習生向けの「オリエンテーションシート」に基づきスケジュールを決める、実習ハンドブックの配付など、効率的な仕組みができています。受け入れ時に担当者が、どろんこ会グループのサイトの「実習受け入れ動画」を視聴、確認をします。実習期間中は、実習指導の学校の先生が来園し、学生の様子を確認します。先生と振り返りも電話で共有します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループのホームページに、理念や基本方針、保育内容、決算情報が公開されています。多くの写真や動画を使い、理念がわかりやすく表現されています。苦情解決体制、料金などが記載されている「入園のしおり」も一般に配布しています。また、園の毎年の事業計画、事業報告、第三者評価の受審結果はホームページに公開されています。月1回園が発行する「ちきんえっぐだより(地域子育て支援センターだより)」では、地域の方が誰でも参加できる園開放やイベントの紹介を行っており、近隣の公園で行う「青空保育」に来られた方に園のホームページのQRコードを渡しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 園の事務、経理、取引などに関するルール、職務分掌、権限・責任は、「保育品質マニュアル」に記載されています。内部監査室による事務や経理などの内部監査を定期的に行っています。園の小口現金についても、内部監査室による巡回監査が行われています。どろんこ会グループの事業、財務に関しては、法人内監事による監査と、外部の会計監査人による監査が行われています。提供サービスの品質維持・向上の取り組みについては、第三者であるISO9001の認証機関による定期的な審査を受けています。直近では、外部の専門家からの指摘事項はありません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園の事業計画では、地域との関わり方について、「地域の具体的な福祉・子育てニーズを把握するため地域の子育て支援事業を積極的に行う。地域の子育ての拠点として機能が発揮されるよう努め、地域の行事にも積極的に参加するなど主体的に活動する」となっています。子どもは、毎週訪問する「商店街ツアー」や月1回の「銭湯でお風呂の日」などで地域の人たちとふれあう機会を多く持っています。毎年開催する「どろんこ祭り」は、多くの地域の人たちに園を知ってもらう良い機会となっています。保護者に、鶴見区地域子育て支援拠点「わっくんひろば」や自治体の「歯の講習会」などの地域情報を提供しています。地域の祭りの日には、園の駐車場を神輿の中継所として開放しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 ボランティアなどの受け入れは、「保育品質マニュアル」に、積極的に行う姿勢と意義、手順、心得などが明記されており、全職員で共有しています。園の事業計画では、「学生の各種ボランティアの受け入れでは、ワークショップを開催し、随時いつでも受け入れる体制と雰囲気を、横浜市のどろんこ保育園の筆頭になり確立していく」となっています。いつでも、どんな時も受け入れる気持ちと体制を職員間で作っています。職員は、実習生受け入れと同等の研修を行っています。実際、ボランティア、園見学希望の大学・専門学校からの依頼を積極的に受け入れ、中高生の体験学習などの学校教育に対する協力を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 園と連携している横浜市中央児童相談所、鶴見区こども家庭支援課、鶴見区保健所、警察署、消防署、横浜市東部地域療育センターなどの関係機関の連絡先をリスト化しており、園会議で職員間の情報共有がなされています。施設長は、「横浜市要保護児童等対策地域協議会 鶴見区実務者会議」に参加し、情報交換や連携を図っています。虐待などの権利侵害が疑われる子どもがいる場合には、対応フローに則り、児童相談所などの関係機関と連携して対応します。園、どろんこ会グループ、自治体、関係機関と連携の視野を広げ、見守る目を増やすことを心がけています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 横浜市から送られてくるメールなどにより地域の福祉ニーズを把握しています。青空保育を実施している近隣の公園にある「こどもログハウス運営協議会」との連携や、毎週訪問する「商店街ツアー」、月1回の「銭湯でお風呂の日」などで地域の人たちとふれあう中で、地域の生活課題などの把握を行っています。青空保育や園開放は、参加した人たちの施設見学、相談につながっています。園の門前に設置した不要となった衣料の交換ができる「勝手籠」などからも地域の福祉ニーズを掴んでいます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 毎月、地域に向けての子育て支援事業が記載された「ちきんえっぐだより」を発行し、ホームページ、園掲示板、公園などで知り合った親子への配布などで、地域に発信しています。じゃがいもおやき、七草粥作りなどを行う「自然食堂」、野菜スタンプ、はじき絵遊びなどを行う「芸術学校・自然学校」などをそれぞれ月1回以上行っています。園の門前に設置した不要となった衣料の交換ができる「勝手籠」は保護者だけでなく、地域の人たちも利用しています。園庭及び地域支援室は、予約なしで地域の人たちが利用できます。毎年炊き出し訓練を行っており、地域の人たちの利用も考慮し、定員以上の備蓄品を用意しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループは、「私たちの子育て」として、「言うことを聞く子を育てるのでも、指示を待つ子を育てるのでもなく、共に遊び、共に労働し、頼りあい、ぶつかり合い、手を差しのべあう。年齢の違う子同士、障害の有無に関係なく、どの子も、やってみたいこと・思い通りにならないこと、すべて実際に経験します」と明示しています。3月のキックオフミーティングで、子どもの尊重や基本的人権への配慮について確認するとともに、職員が、年2回チェックリストを用いて自己評価を行っています。子どもが主体的に活動できるように、子どもだけの話し合いの場を設け、今年度は3~5歳児を対象に、「お店屋さんごっこ」を企画実施しました。また、5歳児を対象に、性教育の時間を2日間設けています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

 「保育品質マニュアル」に、子どもや保護者に対するプライバシー保護についての記載があり、年2回チェックリストを用いて振り返りを行っています。プールの着替えの時、園外から子どもの体などが見えにくくなるように日除けシートやパーティションなどを用意し、テラスで着替えず、できるだけ部屋の中で着替えをするようにしています。保護者が共有する連絡用アプリ内の写真や販売用の写真は、プライバシー保護の視点を持ち、よく確認したうえで配信しています。保護者には、プライバシー保護の取り組みを入園時の入園面談や保護者懇談会で周知をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループのホームページには、保育理念、どろんこの保育で身につく6つの力、食育についてなどを掲載し、グループ全体のビジョンと保育の方向性をわかりやすく説明しています。園のホームページには、定員や保育時間、利用料金、年間スケジュールなどのほか、園だよりや食育だより、保健だより、献立表を掲載し、利用希望者が知りたい情報を積極的に提供しています。見学対応は、希望者の都合に合わせて日時を設定し、「入園のしおり」を配付して、施設長か主任が案内を担当し、丁寧に説明を行っています。ホームページや入園のしおりの掲載内容は、どろんこ会グループの担当部署で、適宜見直しを行っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園時には、入園説明会と個人面談を行い、「入園のしおり」と「重要事項説明書」を用いて、保育内容や利用料金、準備する持ち物などについて、保護者への説明を行っています。慣れ保育については、保護者の就労状況と子どもの様子に応じて、相談しながら行うことを伝えています。進級時に保育内容等に変更がある場合には、変更箇所を記載した書面を在園児の保護者に配付して懇談会などで説明を行っています。入園時及び進級時とも、説明内容に承諾した旨の同意書を保護者より受領しています。外国籍の保護者に対しては、翻訳アプリを用いるほか、ルビ付きの入園のしおりや重要事項説明書を準備する体制を整えており、個別に対応することとしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 転園に際しては、必要な手続きについて保護者に説明を行って、鶴見区こども家庭支援課の担当部署につないでいます。転園先の保育所等より、子どもに関する情報の提供について申し出があった場合は、保護者の同意を得たうえで、子どもの記録に基づいて書面にて引き継ぎを行うこととしており、保育の継続性に配慮しています。転園後や卒園後など、園の利用が終了したあとでも、施設長が窓口となって、いつでも相談を受け付けることを口頭で伝えています。今後はさらに、転園後や卒園後の相談受付の方法などを記載した書面を作成し、転園時や卒園時に保護者に配付されると良いでしょう。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 毎週水曜日にウェブマップ(活動記録法)を用いて保育の振り返りを行っています。行事を行う際には、子どもの姿や興味を捉えて計画・立案、実行、振り返りを行い、次回につなげています。毎年、保護者に「利用者アンケート」を行い、「ご意見シート」に意見を記録し、どろんこ会グループ担当者、園内で共有しています。把握した課題については、毎週金曜日に行うリーダー会議で分析・検討を行い、具体的な改善を行っています。「まずは、やってみよう」と、できることはすばやく実行することを心がけています。保護者の希望により、随時、個別で個人面談に応じており、保護者懇談会は、年2回開催しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 苦情解決の体制は、苦情解決責任者(施設長)、苦情解決受付担当者(どろんこ会グループで2名)、第三者委員(どろんこ会グループで4名)となっており、入園のしおりに明記しています。どろんこ会グループに苦情・意見受付窓口として「ご意見ご提案デスク」を設けていますが、今回の利用者調査では、「職員以外の人にも相談できる」の保護者の理解が低めの数値となっており、より一層、保護者への周知の工夫を期待します。苦情などの第一受付である施設長は、いつでも言いやすい場と雰囲気を作り、第一受付でまずは対応できるように心がけています。苦情内容については、受付と解決を図った記録がサーバー上に保管されています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

 保護者は、日常的には職員との登園・降園時の対話や連絡用アプリでのやりとりで相談や意見を述べています。また、施設長などによる相談対応、メールや電話によるどろんこ会グループの「ご意見ご提案デスク」での対応、玄関の意見箱の利用、毎年の「利用者アンケート」なども行っています。「入園のしおり」に、複数の意見・要望を申し出る方法を掲載しており、入園時に配付、説明しています。当該方法を記載した書類は、他の書類と一緒に玄関の壁に束ねられており、一目で見えるようになっていません。わかりやすい場所への掲示を期待します。相談内容によっては、園内の相談室での対応を保護者に提案しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 朝の受け入れと、夕方のお迎えの際に、保護者と担当職員が、家庭や園内での様子を相互に確認しています。その際、相談の申し出があった場合は、即日対応できるように、施設長、主任のスケジュールの調整を行います。相談内容により、検討に時間がかかる場合は、毎週金曜日に行うリーダー会議において、分析・検討の上、改善策を実施しています。どろんこ会グループの「保育品質マニュアル」に苦情・ご意見に関しての処理手順が掲載されています。マニュアルは、年に一度どろんこ会グループ全園の施設長が見直し提案を行い、改善しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 施設長がリスクマネジメント責任者となり、衛生管理係、安全対策係、防火管理者などを選任しています。月1回、事故防止委員会を開催し、担当職員が事故記録簿やヒヤリハット、インシデントを確認しながら、全職員に改善策などを聞き、一覧表にまとめています。事故や災害が発生した時の対応手順は、フローチャートになっており、事務所に掲示されています。施設長、主任不在時でも対応できるようになっています。事故などの事例は、どろんこ会グループの他園事故記録を参照しています。全職員に向けて、リスクマネジメント研修を行い、プール開始前には、プール事故防止訓練を実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症の予防と発生時などの対応は、「保育運営マニュアル」の衛生管理マニュアルに記載されています。事務所内に緊急連絡先を掲示し、感染症発生時フローチャートは、事務所内に掲示されています。3月のキックオフミーティングにおいて、全職員が嘔吐処理方法を確認しながらロールプレイングを行います。保護者には、どろんこ会グループより月1回「保健だより」が送付され、衛生関連の様々な情報提供がなされています。感染症が発生した場合には、連絡用アプリで速やかに保護者に一斉配信し、家庭と連携して拡大防止に努めています。マニュアルは、年に一度どろんこ会グループ全園の施設長が見直し提案を行い、改善しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

 「保育運営マニュアル」の危機管理の項目に、災害時の園の対応について記載されています。毎年、「避難確保計画」の見直しを行い、事務所内に掲示し、全職員がいつでも確認できるようになっています。備蓄品リストを作成し、年2回点検を行い、安全な状態か確認しています。災害時の子どもの安否の確認は連絡用アプリを使用し、保護者向けのテスト配信を行っています。毎月消防計画に基づいた避難訓練の実施をしています。なお、事業継続計画(BCP)は、2024年1月に策定されたばかりのため、今後はそれに基づく研修・訓練が始まる予定です。今後の取り組みに期待します。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 保育についての標準的な実施方法は、「保育品質マニュアル」「保育運営マニュアル」に記載され、全職員が年2回、チェックリストで子どもの尊重、プライバシーの保護などの保育の標準的な実施方法を確認しています。毎年内部監査室による内部監査が行われ、保育全般の課題出しを行っています。施設長は、その時に使用する「内部監査チェック表」を活用し、園内の課題出しを行い、昼礼、リーダー会議で園の改善策を提示しています。以前は職員が独自の方法で保育するケースが多かったため、現在はベースとなるマニュアルをもとに一定水準を保ちながら保育の実践を目指しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 毎月のどろんこ会グループの施設長会議における各園の日々の運営の報告をもとに、年1回、各園施設長が中心となって、どろんこ会グループの「保育品質マニュアル」の見直しを行っています。施設長は、園の業務の中で気になること、不具合、園会議で議論したことなどをもとに、「園から提案」として、標準的な実施方法の見直し箇所を整理します。保護者からの意見や提案があった場合には、その都度、運営本部に連絡し、検討するか確認をとっています。標準的な実施方法の検証・見直しがあった場合には、園内の会議を経て、指導計画の見直しも検討します。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

 指導計画は全体的な計画に基づいて作成しており、各クラスの話し合いを経て、担任職員が中心となって作成し、主任が確認後、施設長が最終確認を行って完成させています。入園時は、「入所前児童面談票」や「園児台帳」を基に、0~2歳児の「個別指導計画」や3~5歳児の「個別記録」を作成し、入園後は、各クラスで行う振り返りに基づいて、子どもの姿を「個別指導計画」や「個別記録」に記載して、次期の計画作成に生かしています。指導計画の作成にあたっては、保護者の意向のほか、看護師や栄養士の意見なども反映させています。障がいのある子どもに対しては、療育機関の助言を参考にして「個別支援計画」を作成し、適切な援助を行えるよう努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 年間指導計画は、4半期ごとに振り返りを行い、年度末の園会議で総括を行っています。月間指導計画と週案は、計画の終了時期に、振り返りを行っており、各クラスの振り返り内容は、月案会議や週案会議で報告し合い、意見交換を行って、次期の計画作成につなげています。週案などの内容を緊急に変更する場合は、社用携帯のチャット機能を使って職員に周知を図っています。指導計画の評価、見直しを行う際に、各種マニュアルに反映すべき事項があれば、各種会議で提案し、マニュアルの見直しにつなげています。また、子どもや保護者への対応のあり方や保育の質に関わることについての課題を明確にして、指導計画の評価欄に記載しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループの統一様式である「個別記録」や「個別指導計画」「保育日誌」に子どもの発達状況や生活状況を記録し、個別指導計画に基づく保育が実施されていることを確認できるようにしています。「保育品質マニュアル」に、記録の作成方法について明記しているほか、必要に応じて、施設長や主任が個別に指導を行って、記録の記載方法に職員間で差異が出ないようにしています。日々の情報共有は、チャットやパソコンを使用して、的確に行う仕組みを確立しており、定期的に各会議を開催して、必要な情報を共有できるようにしています。子どもの情報に関する記録類は、電子媒体で効率的に共有する仕組みが整備されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 「秘密情報管理規程」に、記録管理責任者を施設長とすることを明記しており、個人情報の適切な取り扱いについて定めています。内部監査室による内部監査では、園における個人情報のデータ及び文書の管理について、定期的にチェックを行っています。職員に対しては、年に2回、情報セキュリティチェックを実施して、個人情報保護に関する法令等を遵守できているかなどを自己点検しています。また、ニュースになった事例等を採り上げて、注意喚起を行っています。保護者に対しては、個人情報保護方針と写真・動画の取り扱い方針を記載した文書を配付し、入園説明会で施設長より説明を行って、保護者の同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループの施設長会議で協議を行い、全体的な計画の骨子を作成しています。全体的な計画は、児童福祉法や保育所保育指針などの趣旨をとらえ、保育所保育の基本原則、保育所の社会的責任のほか、養護と教育を一体的に行うことなどを明記しています。また、どろんこ会グループの保育理念と保育方針に基づいて「どろんこ会が育てる6つの力」を掲げ、特色ある教育と保育の内容を設定しています。どろんこ会グループが運営している各保育所では、全体的な計画の骨子を基に、園の保育目標、園内研修、保育時間などの項目を設定して、園ごとに全体的な計画を完成させています。当園では、毎年度末に年間策定会議を開催し、事業全般について、職員間で意見交換を行いながら年間の振り返りを実施して、全体的な計画の評価と見直しにつなげ、園が追記する箇所を作成しています。各園で出された意見を基に、施設長会議で全体的な計画の評価を行い、次年度の計画策定に生かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 各保育室は、子どもが伸び伸びと過ごすことができる広々としたスペースが確保されており、壁一面の大きな窓から適度に陽射しを取り入れて、明るく開放的な空間となっています。温湿度計や空気清浄機を設置し、こまめに換気を行って常に適切な状態を保持できるよう努めています。背の低い可動式の棚や机、いすなどの家具は、子どもの動線や安全面に留意して適宜配置を変更しています。子どもが落ち着いて過ごせるよう、マットなどを用いてスペースを作っているほか、縁側や廊下の一角などを使い、場所を変えて子どもがクールダウンできるよう工夫しています。食事と睡眠は保育室内で場所を分けているほか、縁側で食事をするなど、ゆったりと食事や睡眠ができるよう空間づくりを行っています。手洗い場やトイレの清掃とおもちゃや備品の消毒は、清掃チェック表に沿って適切に行っており、子どもたちが気持ち良く生活を送ることができるよう、環境整備を行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 日々の保育実践の振り返りを各クラスの話し合いの中で行いながら、子ども一人ひとりの成長の様子を職員間で共有し、子どもの個人差を把握するよう努めています。日常的に異年齢保育を多く取り入れていることもあり、週に1回実施している週案会議などを通して各クラスの状況を報告し合い、担当以外の子どもの様子も把握して保育に生かせるようにしています。また、子ども一人ひとりに「個別記録」を作成し、個々の特性などについても共有して、一人ひとりが個性を発揮できるよう環境づくりを行っています。職員は、子どもの立場に立って同じ目線で対応し、職員側の都合で子どもを待たせることがないよう心がけて保育にあたっています。各会議の中で、事例を採り上げながら、子どもへの適切な言葉かけについて意見交換を行っており、否定的な言葉や命令口調などを用いないこと、子どもにわかりやすい言葉づかいでおだやかに話すことを共通認識として確認し合っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 基本的な生活習慣の習得にあたっては、子どもの気持ちを尊重し、自分のペースで取り組むことができるよう、環境を整備しています。職員は、見守りながら言葉かけを行い、できたときには、一緒に喜んで子どもが達成感を感じられるようにしています。日々の保育の中で、絵本や紙芝居を用いて、着替えの順番やおもちゃの片付け方を伝えるなど、遊びを通して楽しみながら身に付けられるよう工夫しています。訪問調査日には、保育士に見守られながら、自分で靴を履いたり、ジャンパーを着たり、散歩の準備をしている2歳児クラスの子どもの姿が確認できました。「雑巾がけ」の活動では、雑巾の絞り方を自然と覚えているほか、自分たちが普段使っている縁側をきれいにする大切さを感じながら成長できるようにしています。毎朝1分間の「座禅」を2歳児クラスから導入し、一日の始まりに「静」の時間を設けて、外遊びなどの「動」の活動とのバランスを考慮しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 各保育室には、様々な種類のおもちゃや絵本、素材や道具などを背の低い棚に収納し、子どもの目線で選べるよう準備しています。マットや机を用いてコーナーを作り、やりたい遊びができるよう環境づくりを行っています。どろんこ会グループでは「ケガをしない強い体を育てる」「自分でできることを自分でする」と掲げ、裸足保育や、園庭での木登り、リズム体操、徒歩遠足などを活動に組み入れて戸外遊びを中心に子どもが様々な体験を通して成長できるようにしています。3~5歳児クラスでは、散歩の行き先を子どもたちで相談して決める機会を設けているほか、野菜の栽培活動やインコの世話を協力し合って行うなど、遊びや生活を通して友達同士の関係性を深めながら、子どもたちの主体性が育まれるようにしています。近隣の高齢者施設を訪問し、歌や手遊びで高齢者と交流しているほか、週に一度の「商店街ツアー」では、近隣の商店に出かけ、店の人に質問するなど、地域の人と接する機会も多く設けています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児の保育においては、授乳や離乳食、おむつ替えの援助をできるだけ、同じ職員が行えるよう体制を整えており、応答的な対応を心がけて、愛着関係を築けるようにしています。保育室内は、常に清潔な状態を保持し、ハイハイやつかまり立ち、伝い歩きなどで子どもが安全に動き回れるよう、環境を整備しています。小麦粉粘土やどんぐりを入れたペットボトルなどを準備して、感触や音を楽しみながら、興味と関心を広げられるようにしています。園庭では、落ち葉の上で足踏みをしたり、虫を見つけようと歩き回ったり、体を動かして遊べるようにしています。保育士は、看護師と連携を図って、保育活動中や食事中、午睡時などの子どもの様子を注意深く観察し、一人ひとりの生活リズムを大切にして援助を行っています。保護者とは、登降園時の会話や連絡用アプリでのやり取りを通して、子どもの状況を伝え合い、成長の様子を共有して保育の実践に生かせるようにしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 1、2歳児の保育においては、子どもの思いを受けとめながら対応し、子どもが自分の気持ちを安心して表現できるよう、保育にあたっています。公園で拾った木の実や小石を芋虫や青虫に見立て葉っぱの上に寝かせるなど、子どもがイメージを膨らませて遊んでいる時には、保育士もその世界観を一緒に楽しみ、自由な発想を大切にしながら遊びが展開できるよう援助しています。ままごと遊びやかくれんぼなど、遊びの幅を広げていき、友達とのやり取りを楽しみながら遊べるよう環境づくりを行っています。3歳以上児とは、園庭遊びなどで一緒に過ごす時間が日常的に多くあり、手をつないでもらったり、靴を履かせてもらったりしています。商店街ツアーや高齢者施設を訪問する活動を通して、保育士以外のおとなと触れ合う機会も多く設けています。保護者とは、子どもの成長の様子を双方で見守る関係性を大切にして、トイレットトレーニングなどを相談しながら進めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 3歳児の保育においては、フルーツバスケットやかるたなど、ルールのある遊びを取り入れながら、集団で遊ぶ楽しさを経験できるようにしています。生活発表会では、合唱の発表を行うことで、みんなで力を合わせて練習したり、達成感を共有したりして成長しています。4歳児の保育においては、様々な経験を通して、自分で感じたことを発言したり、友達の意見を聞いて共感したりできるよう援助しています。生活発表会では、言葉遊びを行い、一人ひとりが自分のセリフに意識を持って発表し、集団の中で個性を発揮しながら成長しています。5歳児の保育においては、子どもたちが意見を出し合い、遊びの内容を決めているほか、言葉づかいや生活態度などについても話し合う機会を設け、子ども同士で学び合える環境づくりを行っています。生活発表会の役やセリフなども自分たちで相談し合って決めています。こうした子どもたちの取り組みについては、園のホームページに掲載して地域に向けて発信しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループでは、障がいのある子どもの保育について、「障害の有無で分ける保育ではなく、すべての子が、頼りあい、ぶつかりあい、手を差しのべあうインクルーシブ保育を実践する」としています。子ども同士が自然に関わりを深めていく中で、できない時は、互いに助け合う関係性を大切にして保育にあたっています。園舎は、段差のない造りで、エレベーターやみんなのトイレを設置し、障がいのある子どもが安心して生活できる環境を整備しています。横浜市東部地域療育センターや系列の発達支援施設と連携し、助言を受けているほか、保護者の意向を尊重して個別支援計画の作成につなげています。職員は、法人研修や外部研修に参加して、発達障がいの特性などについて知識を深め、実践に生かせるようにしています。「入園のしおり」と「重要事項説明書」に、障がいのある子どもの保育に関するどろんこ会グループの方針などを掲載し、入園説明会で保護者に説明しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 各クラスの指導計画に、「長時間にわたる保育」についての項目があり、落ち着いた雰囲気の中で過ごせるように環境整備を行うことなどを明記しています。年齢に応じたデイリープログラムに沿って、それぞれの子どもの在園時間を考慮し、一日の生活を見通して日案を作成しています。異年齢で一緒に過ごす合同保育の時間帯は、安全面に配慮して、座って遊べるおもちゃや絵本を準備し、落ち着いて過ごせるようにしています。子どもの状況に応じて、体を休めることができるよう、空間づくりにも工夫しています。降園時間や保護者の希望に応じて19時に夕食を提供しており、ゆったりとしたスペースを確保して、和やかに食事ができるよう、配慮しています。各クラスにある伝達簿には、子どもの個別の状況について記載して、職員間で共有し、降園時に保護者に園での様子を伝えています。担任の職員を朝夕の時間帯に配置できるよう、シフト調整を行い、保護者と直接会話ができるようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループでは、3~5歳児クラスで「就学前教育」を導入して、読み書きや計算のほか、体操や音楽などの指導を行い、子どもたちが楽しみながら習得できるようにしています。全体的な計画に、小学校と連携し、保育所保育と小学校教育の円滑な接続に努めると明記しており、5歳児クラスの指導計画には、就学に向けた活動内容と配慮事項を記載して保育の実践につなげています。子どもたちは、近隣の小学校を訪問し、小学生と交流したり、近隣の保育園と交流会を行い、ボール遊びをしたりしています。保護者に対しては、年に2回、個人面談を行って、就学に向けた個々の課題や配慮事項などを確認しているほか、保護者からの相談に対応しています。幼保小連携連絡会の会議や研修に施設長や主任、5歳児クラスの担任職員が参加して、小学校教員と接続期に向けて、意見交換を行っています。保育所児童保育要録は、担任の職員が作成し、主任と施設長が確認後、就学先の小学校に提出しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 「衛生管理マニュアル」の児童保健衛生の項目に、登園時や保育中の健康観察のポイントを明記し、子どもの日々の健康状態を把握しています。保育中に体調の悪化やけががあった際は、施設長と主任、看護師に報告して、処置方法を確認するとともに、保護者への電話連絡を行って対応方法などを相談しています。既往症や予防接種の状況については、連絡用アプリを通して保護者に記録してもらい、最新の情報を職員間で共有できるようにしています。「保健だより」には、子どもの健康対策に関する情報を記載して、毎月1回アプリで配信しています。「年間保健計画表」には、子どもへの保健指導の内容のほか、職員の研修内容を明記して、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防対策や発生時の対応方法などを学び合っています。0、1歳児クラスでは、午睡時間中に呼吸や顔色、うつ伏せになっていないかなどを確認し、結果を連絡用アプリに記録して、子どもの午睡時の状況を保護者と共有できるようにしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 全クラスで、園の嘱託医による健康診断と歯科健診を年に2回ずつ行って、毎月、身体測定を実施しています。また、3~5歳児クラスで尿検査を年に1回、3歳児クラスで視力検査を年に1回行っています。健康診断と歯科健診の結果は、「乳幼児健康診断票」と「歯科健康診査票」に記載して、保護者に報告を行っており、毎月の身体測定の結果は、連絡用アプリに記録して、保護者と園とで共有できるようにしています。健康診断等の結果により、個別の配慮などが必要になった場合には、個別指導計画や個別記録に記載して、職員間で対応方法を確認し、保育の実践に生かしています。また、保健計画にも健診結果を反映させて、保育士と看護師が連携し、手洗い方法や鼻のかみ方などの保健指導を行っています。歯科健診時には、3~5歳児クラスを対象に歯科衛生士による歯磨き指導を行い、歯の模型や紙芝居を使って、歯の働きや歯磨きの大切さを子どもにわかりやすく伝えています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」とどろんこ会グループが作成している「給食提供マニュアル」に基づいて、アレルギー疾患や慢性疾患のある子どもの対応を適切に行っています。また、医師が作成した生活管理指導表の指示に従って、個々の子どもの状況に応じた配慮事項を職員間で確認しています。食物アレルギーのある子どもに対しては、毎月の献立内容や除去食について、保護者に確認してもらうほか、定期的に面談を実施して、子どもの状況や対応方法を共有しています。食事を提供する際は、栄養士と保育士がダブルチェックを行って、専用のトレイや食器を使用し、おかわり分の食事も専用の容器に配膳して、誤食事故の防止に努めています。園内研修では、マニュアルの読み合わせを行って、事故発生時の対応方法などを学び合っています。食物アレルギーに関する除去食の申請方法などについては、「入園のしおり」に記載して、入園説明会で保護者に説明しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 「食育年間計画」を作成し、梅シロップづくりや味噌汁づくりのほか、みんなで育てたさつま芋を収穫し、焼き芋にして食べるなど、子どもたちが様々な経験を通して、食について関心を深められるようにしています。異年齢で一緒に給食を食べていて、年上の子どもが年下の子どもの食事を盛り付けたり、職員や栄養士も一緒に食べたりして、家庭的な雰囲気の中で食事ができるようにしています。月に一度の徒歩遠足の日には、おにぎりやから揚げなどの弁当を準備して、毎月子どもたちが楽しみにしています。陶磁器を使用して、丁寧に扱うことを自然に覚えられるようにしています。職員は、子どもの様子を見ながら、苦手な食材も少しずつ食べられるよう、言葉かけを行って援助しています。保護者へは、給食とおやつの写真を毎日連絡用アプリで配信しているほか、「給食だより」と「献立表」も毎月アプリで配信し、食育活動の様子などを伝えています。また、保育参加の時に、給食を食べてもらい、レシピを伝えるなどしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 どろんこ会グループでは、食育の6か条を設定し、「素材を味わう」「献立は和食中心で、薄味に」などを掲げています。給食米を系列会社で自給自足しているほか、できるだけ、国産の食材を使用し、カレーのルーも手作りするなど、子どもたちがおいしく、安心して食べることができる食事を提供するよう努めています。栄養士は、残食を毎日記録するほか、子どもたちと一緒に給食を食べながら、感想を聞いたり、保育士と情報交換を行ったりして子どもの喫食状況を把握しています。残食が多かったメニューは、調理方法を変更して、食材の硬さを調整するなど、よりおいしく食べてもらえるよう工夫しています。旬の食材を多く使用し、七夕やクリスマスなどの行事食を提供して季節感を大切にしています。また、日本各地の郷土料理や世界各国の料理やおやつを献立に取り入れています。「給食提供マニュアル」に基づいて、給食室内の衛生管理や食材の保管管理を適切に行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は、保護者との日々の会話を通して、子どもの様子を共有し、保育の実践に生かしています。降園時には、「3分間対応」を心がけており、その日の子どもの姿をエピソードを交えながら個別に伝えるようにしています。0~2歳児クラスでは、連絡用アプリで家庭での様子と園での様子を毎日伝え合い、3~5歳児クラスでは、必要に応じて、連絡用アプリでやり取りを行っています。クラスごとの活動の様子は、写真とコメントで連絡用アプリの機能を使い、全クラスで、毎日配信しています。保護者懇談会を年に2回実施しているほか、「園だより」を毎月アプリで配信して、行事や活動のねらいなどを保護者にわかりやすく伝えています。保育参加は、保護者の都合に応じて積極的に受け入れており、子どもと一緒に活動しながら、園での様子を知ってもらう良い機会となっています。保護者とのやり取りの中で、記録が必要な事項がある場合は、「個別記録」や「伝達簿」に記載して、職員間で共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 施設長はじめ職員は、日々の保護者とのコミュニケーションを大切にして、笑顔で明るく対応し、信頼関係を築けるようにしています。保護者から、相談や意見、質問などを受けた際は、傾聴する姿勢を心がけ、個人の判断で対応せずに、確認をしてから回答する旨を丁寧に伝えることとしています。相談を受けた職員は、施設長、主任に報告し、対応方法や回答についてアドバイスを受けるなどして、適切に対応できるようにしています。ゆっくりと時間をかけて話を聞く場合は、保護者の都合に合わせて、日時を設定し、相談に応じています。相談の内容によっては、看護師や栄養士が対応しているほか、施設長や主任が同席して複数での対応を行っています。相談内容は、面談記録に経過などを記録して、相談後も状況を確認しながら、保護者への支援を継続できるようにしています。職員は、保護者対応に関する外部研修に参加して、研修内容を共有し、実践に生かせるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 「虐待対応マニュアル」に、虐待の定義や早期発見のためのチェックリスト、発見時の対応方法などを明記しています。園内研修では、マニュアルの読み合わせを行うとともに、発見時の初期動作を確認しています。登園時と保育中の着替えやおむつ替えの時に、体に傷やあざなどが無いか、確認しているほか、子どもの言動や衣服の洗濯状況などを確認して、家庭での虐待等権利侵害の早期発見に努めています。虐待等権利侵害の可能性がある場合には、マニュアルに基づいて、施設長、主任への報告を行い、関係職員に周知して、対策会議を実施することとしており、必要に応じて、写真を撮るなどして記録を作成し、経過を観察しています。保護者に対しては、さりげなく言葉かけを行って、家庭の様子や就業状況などを聞き、不安に思っていることなどがあれば、丁寧に相談に応じています。鶴見区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所などの関係機関とは、連携を図れるよう体制を整えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 各クラスの話し合いでは、保育実践の振り返りを行い、職員間で互いの気づきや反省点を伝え合い、子ども一人ひとりの成長の様子をとらえて、指導計画の評価を行っています。職員個々の自己評価は、どろんこ会グループが作成している「コンピテンシー自己採点」の冊子を用いて、毎月、自己チェックを実施しているほか、職員個々が年間の目標を設定して、年度途中と年度末に目標に対する自己評価を行い、施設長との面談で目標の到達度や課題点などを確認しています。園全体の自己評価は、年度末に実施しており、各クラスの保育実践の振り返りや職員個々の自己評価の結果を反映させています。自己評価の結果を踏まえて、各クラスの話し合いやクラスリーダーで行う週案会議の持ち方を充実させており、保育実践の振り返りの内容を次の活動に生かすことや、保育のねらいを意識して指導計画を立案することなどについて、職員間の共通理解を深め、チーム力を高めながら、保育の質の向上を目指して取り組んでいます。