社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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東戸塚こども園

2020年04月27日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 アクティブ ケア アンド サポート

② 施設・事業所情報
名称 株式会社こどもの森 東戸塚こども園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(69) 名
所在地 244-0801
横浜市戸塚区品濃町563番地8
TEL 045-823-9221 ホームページ http://kodomonomori.co.jp/tt/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2004年11月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社こどもの森
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:4 名
専門職員
保育士:13 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室数 1(ワンフロアのため):保育室1、事務室1、厨房1、午睡室1 保育室はワンフロアをクラス別に仕切って使用しています。
設備等 :園庭、空調設備、厨房設備、沐浴設備

③ 理念・基本方針
1)子どもが愛されている、大切にされていると実感できる保育
2)自立、自律を目指し、積極的に色々な経験を積む
3)いろいろな経験を通して、心と身体のバランスのとれた成長をめざす
4)お互い認め合える人間関係を築く
5)自分の子どもを入れたい園にする 

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 保育に関わる色々な業務を支援するアプリの利用に取り組んでいます。アプリをインストールし、端末に保育園と保護者が登録することにより、登降園を管理し、連絡帳、フォト、個別連絡等を無料で利用できます。朝の忙しい時間帯に保護者はスマホで簡単に子どもの状況を報告できるようになっています。電車の中からも報告でき、保護者の負担を軽減しています。職員は必要に応て子どもの写真を送ることができ、その写真を遠方に住んでいる祖父母が見ることもできます。
 食育活動の一環として、近隣の畑を借り、栽培活動を行っています。主に5歳児クラスの子どもが取り組んでいて、キャベツ、大根、スイカなど季節の野菜や果物を種蒔きから、芽欠き、収穫までを体験しています。植物だけでなく、農作業中に見つけた青虫を蝶になるまで育てるという経験もしています。収穫したものは給食やおやつで味わっています。自分で育て収穫したものはおいしく感じられ、食べられなかったものが食べられるきっかけにもなっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/07/09(契約日) ~2020/03/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2010年度、2014年度年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.行事を多く実施しており、充実しています。
 行事は季節行事等月4~9回実施しています。4月の入園式に始まり、毎月行われる避難訓練や誕生日会、懇談会、園庭開放、プール開き、夕涼み会、運動会、遠足等年間計画を立てて、行っています。保護者からは、保育サービスのアプリから繰り返し連絡がくるので助かっています、日曜日に行事を行うのが良いと思います、との感想が寄せられています。
2.職員全員が子ども一人ひとりの成長を見守っています
 クラスに関わらず、職員全員が子ども一人ひとりの成長を見守る保育を心がけています。個別記録を通して一人ひとりの発達を理解し、担任以外でも対応できるように心がけています。送迎時の保護者対応の中で得た情報は、受入表に記載し、職員間で共有しています。子どもは多くの目で見守られており、情緒の安定や意欲に繋がっています。
3.異年齢での関わりを大切にしています
 年齢クラスごとの活動だけでなく、異年齢での活動を多く取り入れています。年下との関わり中で育まれる思いや年上との関わりの中で学べる機会がたくさんあります。子どもが自分達で学んでいける環境です。年上の子どもは、年下の子どもを助けたり、優しくしたり、お手本になろうと身の周りのことを率先して行なおうとする姿が見られます。年下の子どもは遊びやルール、着替えなどの身近な生活習慣を年上の子どもの姿から学んでいます。子どもの負担にならないよう配慮しています。
改善を求められる点 1.安全対策として、防災分担を決め定期的に防災訓練や避難訓練を行っています。
 環境整備研修を年間4回行っています。今回の利用者調査では、安全対策に対する質問(問6)に対し「はい」という回答者割合は63%で、安全及び設備の面で「空調や加湿、除菌に不安がある。設備の向上を希望します。柵の先の見えないところで走りまわって危ない。」等の感想がありました。安全面及び環境面の改善が期待されます。
2.苦情解決に関する規程があり、目的として利用者からの苦情は利用者の権利として擁護し、事業の迅速な改善を図るもので、園に対する社会的な信頼を向上するものとしています。
 苦情解決責任者や受付担当者、本部事務局相談連絡先を規定しています。しかし、使用者調査での質問(問17)「あなたは困ったときに、職員以外の人にも相談できることをわかりやすく伝えてくれましたか」に対し「はい」という回答者割合は34%でした。中立的な第三者委員を置き、行事等の際に紹介し、認知度を挙げていくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 評価基準が神奈川県のものに変わってから初めて受審しました。多くの項目を確認する中で保育所として求められる大切な部分を改めて確認し、振り返る機会になったとともに、保育所の役割や責任を改めて実感することができました。
 保育に関する内容に関しては自信を持って出来ていると言える部分もありましたが、安全面等の環境設定や相談窓口の周知等、引き続き力を入れていかなければならない部分も今まで以上に見えてきました。園で改善に努めるのは勿論、会社全体でも必要な所は改善に向けて取り組んでいきたいと思います。
また、細かい項目ごとに確認する事で職員一人ひとりが自らを見つめ直し、反省し、自らの保育を高めるために必要な事に気付くきっかけにもなりました。今回の受審結果も職員間で確認し、意見交換を通して改善策を考えていきたいと思います。
ワンフロアである利点を最大限に活かし、クラスに捉われず職員全員で子ども一人ひとりを愛情を持って見守ると共に、異年齢での関わりを大切に伸び伸びとした保育をこれからも心がけていきたいと思っております。
 保護者の皆様にはお忙しい中アンケートにご協力いただきまして、ありがとうございました。いただいたご意見を参考に、よりよい園運営を行い、ご満足いただける保育園となるよう、より一層努力して参りたいと思います。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 運営会社(以下、本部)の「教育経営計画書」に園基本方針として、自分の子どもを入れたい園として感動させる園を目指すことを掲げています。子ども一人一人を大切にすることを方針に盛り込んでいます。毎日の昼礼において職員全員でこれを唱和しています。研修の機会に、理念・方針について具体例を交えながら理解を深めています。保護者には基本方針を明記した「入園のしおり」で説明しています。懇談会において保護者に説明しているほか、玄関に掲示し周知しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 社会福祉事業全体の動向は、本部の園長会で入手しています。地域の福祉に関する情報は区の園長会等から入手し把握しています。区の園長会には小規模園から認可園等約50園が参加し、地区ごとの入所・待機児童数等の情報を入手しています。区の保育担当部署にコンシェルジュが配置されていて相談や指導・助言に応えています。地域における経営環境の変化や課題は、園庭開放等の際、地域の子育て家庭の保護者から聞くよう心がけています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 地域に、小規模な園を含め30を越える保育園があり、よく出かける公園では約10園と交流しています。その交流を通して、新規開園の情報や入所状況、待機児童数等の情報を入手し、本部に報告しています。職員体制を明確にするため、職員体制図と組織図を作成しています。園長が不在の時は、副主任が代わって職務を行い、他の職員と情報共有しながら課題解決に取り組みます。急にその日の保育内容に変更(改善を含む)する必要が生じた場合は、園長や副主任が判断しています。本部の園長会や区の園長会で入手した課題は持ち帰り、職員会議で職員に伝えると同時に検討しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 本部の「教育経営計画書」を長期計画と位置付けています。教育経営計画書に園運営理念として、「子どもの十全なる発達と保育を通じて子育て家庭をサポート」を掲げています。教育経営計画書を踏まえ、保育園の保育理念を「子どもが健康・安全で情緒の安定した生活を送る中で、心と身体のバランスの取れた成長を目指す」としています。経営課題として若手職員の育成を取り上げ、仕事に責任を持たせています。子どもには、非認知能力(心の部分で自分で考える力)を伸ばすような保育を実践しています。子どもたちは自主的に手伝うようになっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 長期計画を踏まえ、年度事業計画を策定しています。年度計画では、子育て支援事業として通常保育や延長保育、一時保育、育児相談等を実施するとしています。さらに、職員配置や業務分担表、職員育成のための研修計画、防災分担表、避難訓練計画、行事予定表等を明示しています。経験の浅い若手職員を育成するため、研修参加を促し、特に子どもの非認知能力を伸ばす研修を通してより良い援助の仕方を学ぶ機会を設けています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 年度事業計画は、年度初めに主な職員が参画する中で策定し、職員会議等で周知しています。事業計画は、職員会義で1年間の実施状況や達成度合いを振り返り、園長が職員の意見を聞き、評価・見直しを実施しています。職員に事業計画がどのように実施されたかを確認しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 年度事業計画を玄関に掲示し、保護者が自由に閲覧し、確認できるようにしています。保護者懇談会等でその内容を説明しています。特に職員の配置や異動は掲示し、わかりやすく通知しています。年度事業計画の主な内容は、①子育て支援事業を行うこと、②職員体制(職員配置や業務分担、③内部・外部の職員研修計画、④防災分担と防火管理者の管理担当一覧、⑤避難訓練計画、⑥年間行事計画等で、分かりやすいコメントをつけて説明しています。 

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 保育の質を向上させるため、本部の保護者アンケートや保育園の運営委員会において保護者の意見を汲み上げています。日々の保育に関する職員の意見も参考にしています。保育園全体の組織的な取り組みとして、例えば、運動会では、前回の反省を踏まえ、半年前に保護者に実施することを通知していましたが、台風のためやむを得ず延期することになりました。体育館を借りる際、事前に予備日を確保しておく必要があったと反省しました。こうした改善策を次回に生かすことを玄関に掲示し、保護者の理解を求めています。 

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 取り組むべき課題は、定期的に実施している第三者評価や本部が行う保護者アンケート等で明確化しています。明確になった課題は、職員会議で話し合い、改善計画を策定しています。例えば、降園時の保護者対応に工夫が必要との課題に対し、遅番職員への申送りを徹底し保護者に確実に伝えるよう改善しています。また、ワンフロアで隔離するスペースの確保が難しいため、感染症対策の課題に対しては、うがいや手洗いの徹底、発生時の消毒やマスク着用等の対策をとることにしています。改善策は、職員会議で周知するとともに、必要に応じ見直しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 職務分担表を作成し、園長を先頭に職員の役割責任を明示するとともに、管理・運営の方針と取り組みを明確にしています。年度初めの職員会議で理念や方針を説明しています。本部の「こどもの森のお約束」には、保育士の基本や保護者とのコミュニケーションの取り方を明示し、園長は職員会議等で説明し理解を深めています。園長が不在の時は副主任が職務を代行しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は市や区の担当部署、食材業者などと適宜連絡を取り、適正な関係を保っています。倫理研修を受講したり、職員会議で「保育士倫理綱領」を確認したり、法令遵守の理解を深めています。新聞やニュース、研修での事例を取り上げ、話し会い、同種の過ちを犯さないよう徹底しています。例えば、他市で起きた交通事故を参考に散歩用に「東戸塚こども園のお約束」を作成しています。その中で、散歩時は、①車止めポールより前に出ないこと、②2クラス以上の時は、4列で素早く横断報道を渡ることを決めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長は保育の現場に出て、職員の意見や悩みを聞き、困っているときは一緒に考え、指導や助言を行っています。職員が相談しやすいリーダーを中心に意見を集約し、得られた情報を生かし、保育に反映するよう努めています。リーダーから上がってきた意見をもとに、例えば、お泊り保育の食事をどうするかなどを聞き、決定しています。保育理念や保育園の目標に沿った保育を実践しているか、クラス代表の振り返りの際に確認しています。園長をはじめ副主任・リーダー挌の職員が中心となって、保育の質の向上に取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 日々の子どもの状態に合わせて職員配置を行っています。休む子どもがでた場合は、職員に余裕が生まれることから、例えば、普段なかなかできないでいる制作の仕事に力に注ぐよう心がけています。そうした工夫の結果、時間内に効率的に業務を進めるようになっています。人員配置ではベテランの職員と新人職員を組み合わせ、新人職員にベテランの良いところを学ぶ機会を作り、ベテランの職員には、新人の個性を引き出したり、生かしたりする機会を与えています。本部の教育経営計画書を職員会議で読み合わせることによって、職員が同じ方向を目指すようにしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 教育経営計画書に、職員に対する方針として、常に子ども第一で子どもを守る先生等を掲げています。保育園は職員に求めている人材像として、①相手を大切に思っていることが態度でわかる職員、➁前向きに取り組める職員等を掲げています。職員の採用は本部が行い、養成学校ごとに採用担当者を配置しています。採用後、職員は各保育園に配属され、その後は職員全員で育成に取り組みます。保育園も採用活動に協力し、本部の採用担当者と園長が養成学校に求人票をもって出向き、面接を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 職員の育成、活用、処遇等の総合的な人事管理は、「スタッフシート」(人事評価シート)を活用しながら行っています。「スタッフシート」には、挨拶・礼儀等の基本項目と園児の受け入れ・送り出し等の業務遂行項目が設定されています。園長は、毎年4月に、担任の決定に合わせ、「スタッフシート」をもとに個人面談を行います。個人面談でクラスの計画や個人の目標、研修計画等を話し合っています。12月から1月にかけて振り返りの個人面談を行い、職員の意見や意向を聞き、成果や貢献度、仕事に対する姿勢等を評価しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 園長が勤務シフト表を作成し、職員全体の勤務を管理しています。職員のワーク・ライフ・バランスを考慮し、希望に沿って有給休暇を取得できるよう勤務体制を調整しています。時間外労働の削減に努め、働き方改革に取り組み業務を見直しています。例えば、運動会の製作はこれまで手で貼って作っていたものを画像を印刷したものに変更するなど簡略化を進めています。経験の浅い若い職員には、話しやすいリーダーを相談相手としています。福利厚生制度として、劇場優待をはじめ、保養施設利用、社員旅行補助制度等を整備しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 教育経営計画書に、「”先生”=”聖職”であり、”先生”と呼ばれる仕事には責務がある、仕事に対して責任感ある先生、子どもの模範となるような身だしなみ」等を記載し、「期待する職員像」を明確にしています。園長は、毎年4月に、職員と「スタッフシート」をもとに個人面談を行い、個人目標、希望する研修や個人的な悩み等について話し合っています。8月に、個人面談を行い、中間時点の業務の振り返りを行っています。12~1月にかけて最終の振り返りを行い、評価・反省からさらに育成へ反映しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 より良い保育を目指すため、内部研修や外部研修に参加し、自己研鑽に努めることを必要としています。毎月職員が適した研修に参加できるよう計画を作成しています。園内研修として、職員の階層に応じた研修やスキルアップの研修、他の系列園の視察研修等を設定しています。外部研修には、自治体や関係業界団体等の研修があり、職員の希望を聞きながら園長が受講する研修を決めています。研修終了後、研修報告書を作成し、職員会議等において報告するなど共有化を図っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 内部研修として、新卒から、2年目、中堅、リーダー、主任、園長、さらには、栄養士等色々な職位・職務に合わせた研修を用意しています。行事実施方法、気になる子どもへの対策や読み聞かせスキルの向上研修等幅広い研修を用意しています。園長は日常の職員の保育内容を見て、その職員の職務、知識や技術に適した研修を推奨しています。職員が研修に参加しやすいよう勤務シフトを調整しています。職員の専門性を高めるため、必要な研修を受講できるよう配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 実習生受け入れマニュアルやオリエンテーション資料を用意しています。実習生受け入れ責任者は園長とし、担当者は各クラス担任としています。オリエンテーションでは実習上の服装など注意点を説明しています。職員には、「実習生受け入れマニュアル」の研修を行い、受け入れの心構えを指導しています。実習生には、オリエンテーション資料に沿って説明し、マニュアルを理解したうえで個人情報保護の誓約書に署名をもらっています。実習生の実習目的を考慮し、クラス配置を決定しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 本部のホームページに、保育園のページがあり、基本方針や概要を紹介しています。基本方針を、「様々な人とのかかわりの中で自ら考え、判断し、行動できる常識ある人に育ってほしい」等としています。年度事業計画書や年度事業報告書を玄関に常備し、保護者に公開しています。第三者評価をこれまで2回(2010年度、2014年)実施し、その結果を公表しています。地域に向けて、「入園のしおり」や園だより等を配布しているほか、ポスターを掲示し、秋祭り等行事の参加を呼びかけています。子どもが就学する小学校へ、園だよりを届けています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 職務分担表によると、園長の職務は、毎月の運営費の算定・支払い、本部への請求や納入業者への支払い等です。月末に翌月の予算を申請し、月初めに予定額が振り込まれます。経費の主なものは食費、教材費や消耗品費等です。入出金管理は経費ノートと通帳で行い、園長不在の時は副主任が管理しています。責任を明確にするため、園長や遅番職員は経費ノートに署名しています。本部には確認のためそのコピーを送付しています。設備の設置や修繕等の工事が必要な物品は、本部と相談しながら発注しています。 

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画に、地域との関わりとして、一時保育の実施、特に乳児保育を含む3歳未満児の受け入れ、近隣の保育園との交流会、小学校との交流、地域イベントへの参加を挙げています。園庭開放やプール開放だけでなく、夕涼み会や運動会への参加を呼びかけ、地域子育て支援拠点「とっとの芽」にポスターを掲示しています。ボランティアを受け入れ、小学生や中学生に夏祭りや運動会等に参加してもらっています。小学校の運動会や音楽祭の見学、幼稚園の芋ほりに参加し、交流を深めています。地域の子育て家庭向けの育児相談等も実施しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 学校教育に対する協力として、小・中学生のボランティアを受け入れています。「ボランティア受け入れマニュアル」に沿って説明し、理解したうえで個人情報保護の誓約書を提出してもらいます。学生ボランティアは夏祭りや運動会に協力してくれました。中学生と小学生(卒園児)の職場体験も受け入れ、運動会などの行事を手伝っています。ボランティア活動終了時に、「楽しかった。子どもとの関わりは難しい。」という感想が寄せられています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 市の戸塚地域療育センターをはじめ、保健センター、区役所、消防署、警察署、児童相談所等地域の関係機関のリストを作成し、事務室に掲示しています。区の園長会で入手した、例えば、読書活動推進月間のイベントやグループ討議内容等の情報を職員会議で職員に伝え、情報共有を図っています。区の園長会は定期的に開催されています。地域のネットワークとして近隣の保育園や小学校、区の保育担当課との連携を大切にしています。子どもや保護者に虐待が疑われる時は、「虐待マニュアル」に従って対応します。市の戸塚地域療育センターから担当の職員必要に応じ来園し、職員の相談に応えてくれています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 区の園長会や幼保小の総会に出席し、情報の入手に努めています。園長会は2か月ごとに開催され、研修開催の通知のほか、各保育園で困っていることなどを話し合っています。幼保小の総会は、年2回、参加者数は50人ぐらい、主なテーマは小学校への接続をいかに円滑に進めるかや、小学校に入学する際に準備する物は何か等です。地域の在宅子育て家庭の支援のため、育児相談会を開いています。小学校の行事参加の要請に応え、夏祭りで「ヨ-ヨ-すくい」を出店し、地域の人と交流を図っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 福祉避難場所としては指定されてはいないものの、災害時に地域の人に役立つことができないかと話し合っています。例えば、災害時に必要な水ヤアルファ米(一度炊いたご飯を乾燥させた米)、簡易トイレ等保育園の子どもが3~5日間は過ごせるよう備しています。これを地域の人が困っている時に提供できないかと考えています。地域コミュニティの一員として、地域の祭りのポスターを園内に掲示し、祭りを盛り上げることに貢献しています。保育園の育児相談会やリトミック等に地域の子育て家庭の親子が参加しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育方針に「一人ひとりを大切に、愛されていると実感される子ども第一主義の保育」を掲げ、園長は職員に子どもの尊重、基本的人権、虐待やジェンダーフリーに関する研修を受講するよう促しています。学習したことを職員全員が共有し、実践に生かしています。保育の記録から、子どもの考え、ペースや個性を受け止め、信頼関係を大切に保育を行っていることがうかがえます。子どもが玩具を取り合う場面では、互いの気持ちを尊重することの大切さを学ぶ機会と捉え対応に努めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 「権利擁護に関するマニュアル」を整備し、読み合わせをするなど職員に対し周知を図っています。排泄時をはじめ、着替えやシャワー時等生活場面におけるプライバシーを保護するため、外部から見えないようすだれをかけたり、パーテーションを設置したりして配慮しています。子どもが一人になりたい時は、午睡室や事務所等その状況に応じた空間を作り、そこで過ごせるよう工夫しています。子どもには、成長に応じて分かる言葉や表現でプライバシーを大切にすることを伝えています。保護者にも「園だより」で伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 市のホームページ、区の保育所案内や地域子育て支援拠点「とっとの芽」等にパンフレットを常置しています。区内で子育て支援を行っている各種団体が開催する祭り「とことこフェスタ」や秋祭り等でパンフレットを配付したり、ポスターを掲示したりしています。見学者には、パンフレットを手渡すとともに、アルバムを見せながら詳しく説明しています。アルバムには、保育園の大切にしていること、1日の様子やイベントなどの写真を収録し、入園後のイメージを描くことができるよう編集しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園時の保護者との面談で、「入園のしおり」を使い丁寧に説明し、同意を得ています。保育園の目的、運営の方針、保育内容や職員の勤務体制等保育園の選択に資する情報を記載した重要事項説明書を配布し、内容を確認してもらったうえで、同意の署名を得ています。進級時、子どもの発達や生活の節目に配慮して設定した期間ごとに、保育内容と一人一人の子どもの状況に応じた個別的な対応の変更等について、説明しています。配慮が必要な保護者には、園長がより丁寧に分かりやすく説明することとしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 中途退園や転園、卒園をした子どもには、利用中の思い出が残るよう保育園生活のアルバムを作り贈っています。転園の場合、保育の継続性について配慮し、書類等は転園先の求めるフォーマットで対応しています。中途退園や転園、卒園をした子どもやその保護者に対し、いつでも遊びに来て、日ごろの様子、不安なことや心配なことが相談したり話したりすることができると伝えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子ども一人一人が満足感を持って過ごしているか、子どもの様子や会話から汲み取るよう心がけています。園長は週1回程度、子どもと一緒に昼食を摂り、子どもの様子の把握に努めています。本部が年1回保護者アンケートを実施し、保育園でも行事毎にアンケートを取っています。それらの結果をもとに職員会議で協議し、次の取り組みに生かしています。アンケートの結果と改善策は掲示し、保護者に周知しています。年2回の懇談会や個人面談でも保護者とのコミュニケーションを図りながら満足度の把握と向上に努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 苦情解決制度を、利用者保護の視点と保育の質の向上の視点で捉え、対応しています。苦情相談窓口は、重要事項説明書に記載しているほか、玄関に苦情解決制度に関するポスターを掲示しています。苦情を受け付けた場合は、「苦情簿」に記入し、解決に向けた対応の経過及び苦情を申し出た保護者に対する経過と結果を記録し、職員会議で全員に周知、改善につなげています。相談や苦情を話しやすい雰囲気を醸成し、コミュニケーションを密にするよう努めています。 

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 職員全員が担当するクラスにかかわらず、子ども一人一人の成長を見守る保育を心がけ、どの職員も相談に応えられるよう努めています。保護者の特性に応じた声かけも心がけています。相談された際は、事務室等の静かな空間で気兼ねなく話しやすい環境を整えています。職員以外の第三者委員を委嘱していて、懇談会やポスターの掲示などによって周知しています。保育園に言いにくい場合、本部に直接伝えることができる仕組みを整えています。意見箱を設置したり、アンケートを実施したり意見等を述べやすい環境を作っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 登降園時に、保護者が相談や意見を述べやすい雰囲気を作るよう努めています。行事ごとにアンケートを実施し、保護者から寄せられた意見や要望、提案等は、取り組み可能なものは直ぐ対応するよう心がけています。相談や意見を受けた場合は、「苦情対応マニュアル」に従って対応し、その内容、対応状況や保護者への説明内容等を「苦情簿」に記録しています。その内容は、職員会議等で全職員に周知し、改善につなげています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 リスクマネジメントに関する責任者は明確で、体制も整えています。「事故防止・対応マニュアル」に沿って、安心と安全が得られるよう努めています。園内研修を実施し、事故が発生した際の対応を学習しています。AEDの使い方も確認しています。ヒヤリハット記録を活用し、類似事例が起きないよう、また、最悪の事態を想定して環境を整えるよう心がけています。保育に関わる設備・遊具等の安全確認も定期的に行っています。職員会議等で改善策や注意点を協議しており、関係マニュアルの見直しは年1回行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策として「感染症マニュアル」と対応体制を整備し、職員全員に周知しています。嘔吐物の処理等について、事務室内の見やすい場所に掲示し、使用する処理セットを各クラスに用意していて、職員全員が直ぐに対応できるようにしています。感染症の流行時期が到来する前に研修を行い、共有しています。感染症が発生した時は、玄関に感染症名、日付、人数と主な症状や潜伏期間などを掲示し、保護者に注意を喚起しています。ワンフロアで仕切りがないため、発生すると広がりやすい環境であることを共通認識とし、迅速な対応に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 火災等の災害時に対応するため自衛消防隊を組織し、その体制と任務を事務室に掲示しています。毎月避難訓練を行い、年1回は実際に避難する公園まで子ども全員が歩く訓練を行っています。区のハザードマップを確認し、地震、火災等に加え、土砂災害に対する備えも取り組み始めました。9月の引取訓練では、「緊急時引き渡しカード」を使用して引き渡しを行い、災害時に混乱が生じないよう備えています。安全対策として、大きな家具には転倒防止の突っ張り棒を、低い家具や棚には耐震マットを取り付けています。食糧備品は毎月確認しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 本部の「こどもの森のお約束」をもとに、保育園独自の手順書「東戸塚こども園のお約束」を作成しています。これには、散歩のための持ち物をはじめ、不審者対応、事故発生時の対応、一日の仕事の流れなどを文書化しています。子どものプライバシー保護に配慮し、戸外活動では名札を付けないことや帽子は名前が見えないよう記名部分を内側にしてかぶるといった工夫が見られます。年度初めの園内研修で、マニュアルや手順書の理解の促進を図っています。マニュアルや手順書はいつでも閲覧できるよう事務室の見やすい書棚に保管しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 職員会議等で職員から提案されたマニュアルや手順書の見直し項目を検証し、必要に応じ見直しています。見直した項目は、その内容を全職員に周知しています。他の系列園における事故事例を参考に、手順書を見直しています。例えば、日頃の散歩道が工事等によって幅が狭くなった場合の安全確認の仕方を見直しました。また、遊具を適正年齢の範囲内で遊ぶことを徹底するという変更をし、手順書を追加修正しています。必要な場合、年間指導計画や月間指導計画に反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画に基づき年間、月間の指導計画を策定しています。年間指導計画は各クラスごとに年度初に策定し、最終的に園長が決定します。計画策定に際し、発達に遅れが見られる子どもの場合は市の戸塚地域療育センター等の専門家の意見や助言を受けています。乳児の場合は個人記録をもとに作成した計画を振り返り、次月の計画を作成しています。複数担任のクラスは、担任全員と園長、副主任が協議し、一人担任のクラスは園長と副主任が意見を述べ、担任が計画を作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 年間指導計画は3か月ごとに評価・見直を行っています。月間指導計画や個別指導計画は月ごとに見直しています。指導計画の見直しでは、目標そのもの妥当性や具体的な支援の有効性、例えば、ねらいが子どもに合っているどうかを確認しています。保護者には懇談会などで、指導計画の変更を伝え、指導計画の内容を子ども一人一人のタイミングを見ながら実施しています。変更した指導計画は職員会議等で関係職員に伝え共有しています。緊急に指導計画を変更する場合は、職員会議等で変更の手順に沿って検討し、変更内容を関係職員に周知しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 保育の実施状況は、個別指導計画に基づき、所定の発達記録、個別記録に記入し、全職員がいつでも閲覧して子どもごとに発達状況や保育提供の状況を確認できるようにしています。特別の配慮が必要な子どもが急に落ち着きがなくなったりした場合の対応などについて、配慮した状態の記録を、臨時のミーティングや職員会議で検討し情報を共有しています。記録内容や書き方にばらつきが生じないよう園長や複数の担当者が互いに確認しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 園内研修によって、個人情報保護規程の理解を深めています。発達記録、健康台帳や写真等の取り扱いには十分注意を払い、園外へ持ち出すことを禁止すると掲示し、徹底しています。保護者には個人情報の取り扱いについて個人面談等で説明し、同意書をもらっています。個人情報が含まれる記録は、規程に従い事務室のカギのかかる書棚に保管しています。園長が記録管理の責任者となっています。個人情報保護に関する研修は園長が講師となって行っています。保護者から情報開示の請求があったときは、規程に従って対応します。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画は、園長がたたき台を作成し、年度初めのミーティングにおいて職員全員で話し合い、完成させています。全体的な計画は、児童福祉法、保育所保育指針、保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの発達過程に応じ、子どもの生活や発達の連続性に留意して作成します。1頁にまとめられていて、保育の全体像を把握しやすいよう構成しています。全体的な計画の評価は年度末に行っており、次年度に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 子どもが安心して、くつろぎ、心地よく過ごすことのできる環境の整備に努めています。朝、換気を行い、換気扇は常時稼働させています。午睡時以外はカーテンをひかず、陽光を取り入れるようにしています。掃除用チェックシートに職員が気づいた箇所を加え、清掃を心がけています。ワンフロアのため、保育や子どもの状況に応じて、家具の配置やパーテーションで区切る等工夫して、相応しい環境を作っています。本部も環境整備に力を注ぎ、毎月他の系列園の園長のチェックを受ける等、より良い環境を目指しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら子どもとの信頼関係を築いています。子どもを理解するために、入園時、保護者に発達過程や生活のリズム、家庭環境などに関する調査票を提出してもらい、子どもの状況や取り巻く環境を把握しています。登降園時、保護者対応の中で得た情報は受入表に記載し、職員間で共有しています。個々の発達を発達記録に記載し、事務室で保管していて、どの職員もいつでも確認することができます。保育計画や保育の記録から、子どもとの信頼関係を大切にしていることがうかがえます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 生活に必要な基本的な習慣は、子どもの状態に応じ、子どもが自分でしようする気持ちを尊重しています。励ましたり、具体的な助言をしながら、必要以上の援助をせず、子ども自身の頑張りを見守っています。トイレトレーニングは、記録ボードを活用し、個々の状況に応じて進めています。手洗い場に絵を貼って、手洗いの正しい仕方を伝えたり、絵本等を通して健康への関心を高めたりしています。日々の声かけから基本的な生活習慣を身につけることの大切さを伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 環境構成を工夫し、子どもの主体性を尊重する保育を行っています。コーナー保育を行い、自分の遊びたいことに没頭できるような環境を用意しています。年齢に合わせて玩具等を揃えていますが、時には他の年齢の保育室に行って遊んだり、玩具を移動させたりして楽しむ機会を作っています。戸外活動も積極的に取り入れ、自然に触れたり、地域の人と挨拶を交わしたりするなど、社会的ルールや態度を知る機会になっています。朝夕の自由遊びでは、それぞれ好きな場所で好きなことをして、過ごすことができます。  

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 子どもの生活や発達過程を理解し、子ども一人一人の反応に温かく応え、援助するなど、受容的、応答的な保育を心がけています。発達記録を通して一人ひとりの発達を確認し、それに基づいて個別記録を作成しています。子どもの状態や状況に合わせて、棚等で部屋を仕切り小さな空間を作るなど、環境の工夫をしています。送迎時や連絡帳を通して保護者と密な情報交換を行い、相談にも応じています。必要な情報は、ミーティングを通して全職員に周知し、保育に生かしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 適切な保育環境を整備し、一人一人の子どもの状態に合った保育を行っています。生活に必要な習慣を身につけることは、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、家庭と連携しながら取り組んでいます。部屋を仕切り狭い空間を作ったり、空間を広げて十分な探索活動ができるようにしたりと様々な遊びを取り入れています。子ども同士がそれぞれの主張をぶつけあった時、双方の思いを大切にしながら、具体的な対処の仕方を伝えるよう配慮しています。ワンフロアのため、異年齢の子どもとの交流が自然な形でできています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 一人一人の子どもの成長に合った基本的な生活習慣の定着をはじめ、友だちや他の人との関わりを深めたり、ものごとへの関心が高まったりするよう配慮しています。集団で楽しむ遊びを一緒に楽しむ中で、友だちへの関心が徐々に高まるよう援助しています。発達や年齢に合わせた遊びを選び勧めています。小学生との交流会や教諭との情報交換のほか、保育所児童保育要録を通して就学児の育ちや様子について伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 障害のある子どもが安心して生活できるよう可能な範囲内で保育環境を整えることに取り組んでいます。保育園における様子を保護者の同意を得て市北部地域療育センター等に伝え、同センターから指導やアドバイスを受けたり、保護者が同センターから受けたアドバイスを教えてもらったりしています。アドバイスに基づいて子どもに対する対応を工夫しています。職員は、統合保育を行うため、研修や助言を受け、学びを深めています。障害のある子どもと他の子どもが互いに認め合って生活できるよう配慮しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 長時間の保育園生活となることから、子どもの状況に配慮した保育、環境整備に努めています。延長保育を利用する子どもには補食を提供しています。子どもの生活リズムに合わせ、静と動の活動を取り入れています。異年齢・合同での保育となるので活動量の違いを考慮し、小さい子どもも安全に遊べるよう配慮しています。夕方の時間帯は一日の疲れが出てくる子どももいるので、そのことにも配慮しています。子どもが安心して降園まで過ごせるよう職員が密に関わっています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 小学校との連携や就学を見通した保育を行い、子どもが小学校以降の生活について見通しが持てるようにしています。小学校との交流会で子どもが小学校を訪問したり、小学生が保育園に遊びに来て小学校の話をしてくれる等、様々な交流を通して就学への見通しを持てるようにしています。保護者にも懇談会で話しています。小学校の教諭との情報交換を通して保育園での情報を伝え、保育所児童保育要録を作成することで就学児が安心して小学校生活を送れるようにしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 「健康管理マニュアル」に沿って保健年間計画を作成し、子どもに適切な健康管理を行っています。年度初めに、健康台帳を保護者へ返却し、修正や追加記入を依頼しています。入園時の面談でアレルギー疾患や喘息などについて確認し、適切な対応に努めています。0・1歳児は、5分毎に呼吸を確認し、SIDS(乳幼児突然死症候群)チェック表に記録しています。登園時に検温を行い、前日以降の健康状態を聞き、「受入表」に記入しています。日中の健康状態など保護者に対する連絡事項は「受入表」に記入し、降園時にもれなく伝えるようにしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 子どもは年2回、健康診断と歯科健診を受けています。その結果は健康台帳と歯科健康診査表にそれぞれ記録し、職員に周知するとともに保育に反映しています。保護者には結果を伝えています。健康診断当日に欠席した子どもは、後日嘱託医で健康診断を受けてもらっています。日々、登園時の保護者の話、職員の観察で心身の状態を把握するよう努めています。子ども自身が健康への関心を持つよう絵本や手洗いの図等を利用して働きかけています。  

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 食物アレルギーのある子どもには、アレルギー疾患生活管理指導表や主治医意見書に記載された医師の指示に合わせ除去食で対応しています。アレルギー疾患にかかる定期通院後に、保護者から状態を聞き、対応しています。食事は指定の席で摂ることを職員に伝えています。配膳は、専用のトレーを使い、食器にラップをかけ、名前を確認して行っています。他の子どもにもアレルギーについて説明し、注意を呼びかけています。職員は、栄養士の情報や研修を通して、全員がアレルギー疾患に対する理解を深めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 子どもが食に対し関心を深め、食を楽しむことができるよう工夫しています。全体的な計画に基づき、年齢ごとに食育年間計画を作成しています。5歳児は畑で栽培活動を行っていて、種まきから収穫までを体験しています。収穫は他の年齢の子どもと一緒に行い、調理された給食やおやつを美味しく食べています。苦手な物も自分で収穫したものは美味しく感じられ、食べられるようになるきっかけになっています。食事のテーブルにクロスをかけるなど雰囲気作りに努めています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 子どもにとって、食事が美味しく安心して食べられる魅力的なものとなるよう工夫しています。献立を作成する際、必ず旬の食材を入れる等季節感のある献立となるよう意識しています。盛り付けは、食欲を促すような工夫を取り入れています。食事量は、保護者と相談したり、子ども自身に聞いて調整し、完食の達成感とおかわりの楽しみを味わえるよう配慮しています。好き嫌いに対し、一口食べることを目標に子どもと相談しながら進めています。給食日誌に、食事の様子、残食状況、今後の工夫等を記録し、活用に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 家庭と連携し、子どもの育ちを促し、子どもが充実した生活を送ることができるよう保育しています。保護者とは、登降園の対話、連絡帳、受入表などを活用し、子どもの様子を共有しています。保育のねらい、内容、実際のクラスの様子等は懇談会や園だよりなどで伝えています。保育参観や保育参加はいつでもできますが、子どもの誕生会への案内が保育参観の良いきっかけとなっています。相談にはいつでも応える態勢を整えているほか、年2回個人面談の機会を設けています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保護者が安心して子育てすることができるよう保護者支援に努めています。相談しやすい関係となるよう心がけています。保護者の様子を見ながら、職員から声かけしたり、話しやすい雰囲気を作ったりすると同時に、継続的にフォローしていけるよう配慮しています。状況によって子育て支援の機関等を案内することもあります。相談内容は記録しています。より良い支援ができるようカウンセリング等の知識や技術、気になる子どもの保護者への対応等を研修で学び、ミーティング等で情報共有しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 虐待が疑われる子どもの早期発見・早期対応と予防的な保護者支援に努めています。日頃から子どもの身体状況、怪我の有無、衣服、生活等に注意を払っています。保護者には子育ての相談に応じるなど子育ての大変さに理解を示す声がけを心がけています。「虐待防止マニュアル」を用意し、園内研修を通して全職員に周知しています。虐待が疑わしい場合や明白になった場合、園内で情報共有するとともに、本部及び関係機関に相談または通告をする手順を定めています。事務室に関係機関の連絡先を掲示しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 職員は、指導計画に基づいて行った保育を所定の期間終了時に振り返り(自己評価)、その結果を保育の改善や向上に生かしています。年間指導計画には保育士の自己評価の欄、月間指導計画には食育自己評価をはじめ、保育に関する自己評価、長時間自己評価、子どもの評価の欄、週案には活動及び反省・評価、食育(給食)の様子及び反省・評価、長時間の活動及び反省・評価の欄がそれぞれ設けられています。それぞれ実践した内容を振り返り、職員相互の話し合いを通して課題の抽出・確認を行い、以後の保育の改善に反映しています。職員は、互いの良い所を認め合い、研修等を受講することによって専門性を高めています。