社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

梅の実

2021年04月12日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 梅の実
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2002年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 紅梅会
③ 理念・基本方針 法人理念は「私たちは、利用者の方々が、地域社会で明るく豊かな生活が送れることを目指します。」です。『今の私に出来ることは何だろう。』『利用者がいとおしい、何とかして幸せな日々を送ってもらいたいと思う。』としています。

この理念のもと利用者が、人間としての尊厳が守られ、豊かな人生を自己実現できるよう支援することを責務として、職員の倫理綱領(職員行動規範)を定め、規範としています。
1.生命の尊厳 私たちは、一人ひとりを、かけがいのない存在として大切にします。
2.個人の尊厳 私たちは、ひとりの人間としての個性、主体性、可能性を尊びます。
3.人権の擁護 いかなる差別、虐待、人権侵害も許さず、人としての権利を擁護します。
4.社会への参加 私たちは、年齢、障害の状態などにかかわりなく、社会を構成する一員と
         しての市民生活が送れるよう支援します。
5.専門的な支援 私たちは、自らの専門的役割と使命を自覚し、絶えず研鑽を重ね、一人ひと
         りが豊かな生活を実感し、充実した人生が送れるよう支援し続けます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 グループホーム「梅の実」は、神奈川県内で創立65年の歴史を持つ「社会福祉法人 紅梅会」が運営するホームです。建物は2階建てで、男性専用のホームです。
①車で5分ほどの地区に入所施設「紅梅学園」、15分ほどで就労支援施設「紅梅園」、地域での共同生活住居「紅梅ホーム」(複数のグループホーム)などがあり、各施設が連携して利用者の支援をしています。
②利用者一人ひとりの尊厳を尊び、地域社会で明るく豊かな生活が送れることを目指し、ホームでは職員は利用者とコミュニケーションの機会を多く持ち運営しています。
③食事や入浴などの日常生活は自主性を尊重した運営になっています。プライバシーに配慮し、居室の前で必ず声掛けし、利用者の了解なしに職員は室内に立ち入ることはありません。
④利用者が健康で楽しく生活が送れるように取り組んでいます。それぞれ自発的に通勤時や帰宅後に、30分ほどのウォーキングを実施し、健康づくりに取り組んでいる利用者もいます。
⑤コロナ禍の生活では三密を避け、手洗い・換気・消毒を徹底しています。朝食、夕食共に食事は1~2名ずつ入れ替え制とし、外食も避けて感染防止に努めています。玄関やリビングには、くまモンポスターで利用者に分かりやすく感染予防対策を伝えています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2020年07月14日
終了:2021年03月19日(評価結果確定日)
受審回数:初回(0年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 〇利用者の尊厳を守ることを使命と定め、人権への配慮に優れています
法人では例年ほぼ毎月1回程度の外部講師を招いた「人権研修」や法人内の階層別研修、外部研修などを実施し、職員は利用者の権利擁護や人権を尊重した行動規範を具体的に学んでいます。平成30年新たに「人権手帳Ⅱ」を作成して、職員は常にこれを携行して、介護の支柱としています。「人権手帳Ⅱ」には倫理綱領や平易に書かれた人権目標などが示されています。また、毎月「人権目標」の標語を職員が交代で作成し、標語として掲示し、職員の人権意識を高めるよう努めています。毎月「人権チェックリスト」の23項目をチェックすることで職員は自身とホームでの、この1ヶ月の支援行動を振り返り、温かい心で利用者に接するよう努めています。

〇利用者の自主性を尊重した生活を支援しています
利用者の自己決定を尊重し、一方的な介助や支援は行っていません。利用者が6名という小人数の団体生活の中で、入浴、着替え、洗濯や居室の清掃など居室内での生活全般が各自に任されています。職員は見守りつつ必要な支援をしています。利用者はフローリングの居室を思い思いに使用し、テレビ、冷蔵庫などを用意し、快適な部屋作りをしています。好きなタレントのポスターを貼ったり、カレンダーの写真を楽しんだりしています。共同生活の中で、お互いに生活のパターンを定め、安心・安全な生活を送っています。自然豊かな環境の中、コロナ禍以前は自転車で楽しんだり、地域の散策を楽しんだり、外出して多彩な余暇活動を楽しんでいました。
改善を求められる点 〇ホーム独自の業務マニュアルの更新と活用
 「日録」ファイルにはホーム独自の業務マニュアルが綴じられて、職員は業務マニュアルに沿って、利用者の支援に当たっています。マニュアルの記載事項は必要の都度、赤字で修正されていますが、半年以上更新されていません。定期的に更新し、利用者の生活状況の変化に対応した最新のマニュアルを常備し、標準化された支援が確実に実施されることが期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

職員は採用時に、「人権手帳Ⅱ」により、「倫理綱領」と、具体的事例が書かれている「人権目標」を学んでいます。法人の理念「私たちは、利用者の方々が、地域社会で明るく豊かな生活が送れることを目指します。」及び「倫理綱領」(職員の行動規範)はホーム内に掲示し、職員がいつでも確認できます。

◇課題と考えていること

Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

毎月、事業所単位の収支の状況を施設長が確認しています。退所者が出た時は、厚木市・愛川町などの相談支援事業所と連携し、部屋の空きが長く生じないように努めています。

◇課題と考えていること

Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

法人の中期計画(5年計画)を踏まえ事業計画を策定しています。事業所は重点目標を掲げ、それらの課題に向けて職員一同で取り組んでいます。新年度の家族会にて説明を行い、周知に努めています。また不参加の家族には家族会ニュースを送付しています。

◇課題と考えていること

家族会の参加者が少なく、情報の周知を課題としています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

福祉サービスの主要な一環として、住環境の整備に取り組み、提供する福祉サービスの質の向上に取り組んでいます。月2回実施する運営会議では、事業所間の情報を共有し法人全体で、利用者支援に取り組んでいます。

◇課題と考えていること

Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

施設長は管理者として、現場の利用者支援にも積極的に携わり、職員が安心して業務に当たれるようコミュニケーションを図り、風通しの良い職場環境づくりに努めています。指導に当たっては職員を支援の場で孤立させないよう情報共有を心掛けています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

法人の求人媒体を利用して職員採用活動を行っています。職員紹介制度による採用者もホームに2名います。入職後見習い勤務を数回実施し、支援方法などの徹底に努めています。また階層別研修や外部研修への参加、資格手当支給など人材確保・育成の工夫をしています。

◇課題と考えていること

法人では「人権・研修委員会」を設置し、新任研修をはじめとして、階層別(中堅)研修やリスクマネージメント研修など、研修体系を整備し職員育成に努めています。一方、現在は働き方の多様化により従来の研修システムでは対応出来ない職員もいます。今後、研修内容の見直しを課題としています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

法人の運営方針、事業所概要、決算報告書などは法人のホームページに掲載しています。毎月の非常勤職員も交えたホーム全体職員会議では、不安なことやサービス内容の相談など、支援方法について話し合い検討し、合わせて各ホーム間の情報の共有を図っています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

自治会に加入し、地域との関係を大切にしています。運営法人主催の行事(納涼祭等)では、日頃より世話になっている地域住民やサッカー少年団、高校生ボランティアなども参加し、太鼓・寸劇・ゲームなどで交流を図っています。

◇課題と考えていること

今年度はコロナ禍の為、行事や会議、地域懇談会は行われていません。例年はお祭りなどの行事や催しについて、利用者に情報提供し、希望者は参加出来るようにサポートしています。来年度の開催を課題としています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

「障害のある人たちが、人間としての尊厳が守られ、豊かな人生を自己実現できるよう支援する責務がある」ことを倫理綱領に定めて掲示し、職員に周知しています。半期ごとの「人権研修」や「人権手帳Ⅱ」の携帯などにより、利用者に対する人権擁護意識の一層の高揚を図り支援しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

ホームを紹介する資料は大きな文字、ルビ付きで分かりやすい内容になっています。入居時には、重要事項説明書等を利用者・家族に管理者から丁寧に説明、確認し同意を得ています。利用者個々の特性に配慮し出来る限りの自己選択、自己決定が出来るように支援しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

日頃から相談し希望を確認しています。合わせて個別支援計画の作成時など年2回以上は個別面談を行い、また利用者・家族・後見人向けに利用者満足度調査を定期的に行って満足の向上に努めています。余暇外出で移動支援サービスを利用し、日産自動車工場見学やガイドヘルパーとズーラシアで楽しんだ利用者もいます。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

苦情解決の体制(苦情解決責任者・受付担当者、第三者委員の設置)を整備し周知しています。厚木地区福祉ネットワーク「Aネット」制度で、オンブズマンが訪れ、利用者が気軽に相談できる機会を設けています。職員は利用者から相談を受けた場合、その場で解決できることは迅速に対応し、そうでない場合は関係機関を交えて相談し利用者の希望に沿うよう努力しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

防災防犯など非常時にはサポートを受けられる体制を法人として取っています。ホーム室(本部)職員に時間外でも連絡が取れる携帯電話を2台常備しています。防災対応マニュアルを作成し、避難訓練も年2回実施しています。非常食は3日分、リストを作って管理しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

重要事項説明書には基本的な生活、日中活動、社会生活等の支援について、標準的実施方法を明文化し、プライバシー保護や権利擁護の姿勢を明示しています。マニュアル関係では、服薬のチェック方法やトイレ掃除など、各業務の手順等を定め、業務の標準化を図っています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

入居時、利用者・家族から日常生活動作、健康管理についてや、社会生活についての本人の希望などを聞き取り、アセスメントシートに記載しています。サービス管理責任者はこれを個別支援計画に反映させ、以降、半年毎に利用者面接や通所先等の情報確認の上、計画を見直しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

利用者状況は支援観察記録と記録システムに記載します。日録には夜間巡回時・服薬チェック時の確認欄も設け、リスク管理に役立てています。記録は主観を交えず事実を記載する旨職員に伝えると共に、記録の見本や留意事項を記載した書面をラミネート加工の上、日録にはさみ職員に周知を図っています。

◇課題と考えていること

日録の記録や支援観察記録は現在手書きで記載されています。記録はマニュアルに従い事実だけを記載するようにして、ホーム内で活用されていますが、パソコンを活用することにより、紅梅ホーム本部でもリアルタイムで利用者の状況が把握でき、支援に活かせるようになります。職員全員のPCスキルの向上を今後の課題としています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者が納得してよりよい意思決定が出来る様に、職員は自分の考えを押し付けず、選択肢を用意したり十分な情報提供を行う様に努めています。就労に向け新たな事業所の利用を考える場合などは、体験の機会を提供し本人の意向や動機づけに留意しながら事業所や相談支援事業所等と連携し自立へのステップを慎重に進めています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

毎月全職員が人権チェックリストを用いて振り返りを行い、集計結果を配布の上、職員会議で検討しています。この取組みにより、自身がよかれと思って行う支援も人権侵害につながりうることを知る機会となっています。
法人の人権研修では職員全員に案内を配布し研修の感想文の提出等を義務付けるなど積極的な参加勧奨を行っています。開催時間を午後1~3時とし、交通費を法人で負担するなどの工夫により、多くの世話人の参加につながっています。


◇課題と考えていること

A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

自立した生活への支援を基本とし、個々の性格や障害特性に応じて「その人らしく」生活できるように支援しています。本人が安心して職員と話が出来たり、「梅の実に居たい」と思えることが大切であると考えています。利用者に対しては穏やかな声掛けに努めています。職員間では日録等の活用による引継ぎにより、安心安全な支援を目指しています。

◇課題と考えていること

A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

朝食は世話人の手作りで、夕食はメニュー選択が可能な宅配サービスを利用しています。クリスマスや正月などの行事では宅配の特別メニューやスーパーから取り寄せた料理等を提供しています。メニュー選択では利用者の要望も取り入れています。
居室清掃や洗濯等は利用者の主体的な取組みを支援しています。3ヶ所の風呂場をそれぞれ1~2名で利用し、各自、自分の好みのペースや方法で入浴することができます。


◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

共用部分の清掃は夜勤者が毎日行っています。特にトイレは清掃の仕方について写真入りの分かりやすい説明を掲示し、清潔の保持に努めています。
コロナ禍においては感染防止対策により利用者間の交流がやや困難な状況です。リビングは利用者が集う場でしたが、現在は密を避けるためテーブルから椅子の数を減らしました。食事時間は一堂に会し会話を楽しむ場でしたが、現在は時間を区切り1~2名ずつの入れ替え制とし短時間で食事を済ませる形としています。


◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

散歩や通勤時のウォーキングなど利用者の健康づくりへの取組みを支援しています。ホームに帰宅後散歩を日課とする利用者、職場等へ徒歩で通勤する利用者、バス停を1駅分歩く利用者などがおり、個々に応じた取組みを行っています。食堂には体重計を置き、体重の推移のグラフを壁に貼っている利用者もいます。利用者は毎日体重計に乗り、日々体重をグラフに記入することで、自身の体重への関心や減量への意欲を高め、成果も上がり始めています。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

主に看護師が通院付き添いやホーム内の巡回などを行い利用者の健康管理を担っています。通院後は通院報告書により情報共有に努めています。薬のセット、服薬支援、事後確認は与薬マニュアルに基づく手順でダブルチェックを徹底すると共に、毎月の世話人会議で事故報告やヒヤリハット報告の検証を行っています。
コロナ禍においてマスク着用に向けた支援では、当初拒否的な利用者も、粘り強く情報を伝え説明を行う中で着用可能となりました。


◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

利用者の特性を踏まえ、個々の意向を尊重した支援を行っています。ガイドヘルパー等のサービス利用により本屋やファミレス等への外出を支援しました。その他、交通機関の利用による本厚木駅周辺への単独外出や宮ケ瀬までの自転車による外出など、利用者の多様なニーズに応える支援を行ってきました。今年度は新型コロナウイルスの感染予防対策により外出は自粛してきましたが、今後感染状況を注視しつつ、実施を判断する予定です。

◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

現時点では、地域での一人暮らしを希望する利用者はいませんが、個別面接等で情報提供や意向確認をしながら、個別支援計画に基づく支援を行っています。ホーム内では、居室清掃、洗濯、シーツ交換、布団干しなど、自立した生活への支援を行っています。
厚木地区施設のグループホーム職員が2ヶ月に1回、ホーム連絡会議を開催し情報交換を行っています。ここで得た地域の情報を利用者の地域生活支援に役立てています。


◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

各利用者は家庭状況に応じた形で家族と交流しています。帰宅する利用者には、帰宅ノートを作成し家族との情報共有に努めています。定期的に家族と外出し、食事や買い物を楽しむ利用者もいます。
法人主催で毎月「家族の会」を開催し、情報交換等を行っていますが、家族の参加は少ない状況です。不参加の家族には議事録を家族会ニュースとして配布しています。各家族には随時、行事開催を案内し参加を募っています。


◇課題と考えていること

家族会の参加者が少ないことが課題です。家族の高齢化や近親者がいない利用者もおられ、成年後見人制度の利用等も含め、家族会の運営や参加者の増大を課題としています。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 専門知識を活かした、利用者の障がいの特性に合わせた支援の実施に向け、非常勤職員も含めた全職員育成の仕組みづくりを期待します。
法人は職員育成については、法人内の人権研修や階層別研修、外部研修受講の支援など、きめ細かな体系を確立していますが、現場でのOJTによる育成指導の時間などが十分とは言えない状況です。また、社会の多様化働き方の多様化により、研修時間が取りにくい職員もいます。年々、利用者の高齢化が進行する状況の中、職員が専門知識を学び、自ら自信を持って支援が出来る新たな研修体制づくりが必要とされています。
分類 利用者が地域社会でより豊かな生活を送れる基盤作りのため、今後更に、グループホーム「梅の実」として、地域との交流や余暇活動などに多彩な利用者支援の実施が期待されます。
営法人全体では行事などで、地域住民や少年団、高校生ボランティアなどと地域交流が多彩に実施されています。自治会に加入し、地域との関係を大切にしています。自治会行事への参加も利用者に積極的に情報提供していますが、「梅の実」利用者の参加は少なく、またグループホームでの行事への地域住民の参加の機会も殆どありません。今年はコロナ禍で余暇活動も実施が難しい環境下にありますが、今後は利用者の希望を取り入れ、豊かな社会生活が送れるよう支援の強化が期待されます。
分類 ホーム独自の業務マニュアルの更新と活用
「日録」ファイルにはホーム独自の業務マニュアルが綴じられて、職員は業務マニュアルに沿って、利用者の支援に当たっています。マニュアルの記載事項は必要の都度、赤字で修正されていますが、赤字の記載が増え、半年以上更新されていません。定期的に更新し、利用者の生活状況(身体状況や健康状況)の変化に対応した最新のマニュアルを常備し、標準化された支援が確実に実施されることが期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <ヒアリング対象者>
利用者本人 6名(男性 6名、女性  0名)
<ヒアリング方法>
各利用者本人と評価調査者2名とで面談
<ヒアリングで分かったこと>
① スタッフの言葉遣いは丁寧ですが、たまに乱暴なことがあります。言葉は丁寧です。乱暴な言葉遣いや態度はないです。丁寧に話してくれる。怒られることがあります。
② ノックして声かけする。「さん」づけしている。部屋にはあんまり入って来ない。サインする時、小遣いもらう時に入る。鍵をかけているのでスタッフが部屋に勝手に入ることはないと思います。
③ 風呂は気持ちよく入っている。食事は嫌いなものはない。魚も肉も好き。おいしい。食事は量が多く、味が濃いです。食事おいしい。辛子とネギきらい。1階の風呂に入っている。背中流してもらっている。風呂は夕食後入る。隣室の音が大きく気になるので、静かにしてほしいです。
④ スタッフは生活の目標など一緒に考えてくれます。話して一緒に考えてもらった。目標は健康のためバスを使わないで、歩いて帰ってくること。歩いている。30分くらい歩く。川のほとりを週3日位。
⑤ お金を使ったら領収書を渡している。毎月お金の報告をしてくれる。家に預けている。毎週土曜夕方に家に帰って、日曜の夕方ホームに帰ってくる。
⑥ 相談したことない。相談したことないし1人で病院にも行く。相談はスタッフにしている。
⑦ 仕事のことは家族に話さない。相談はスタッフよりも後見人にした方がよいと思います。誰にも相談しない。相談できる人はいない。
⑧ 怪我した。サッカーで足突き指した時、手当てしてくれた。紅梅園の人が手当てしてくれた。怪我したことない。
⑨ 外出は今コロナで出来ない。コロナ前は1人で海老名に行き映画を見たり、本厚木でカラオケに行ったりしていた。乃木坂46が好き。仕事のない時は、散歩に行きます。家の人とスポーツ教室に行き、体操をした。コンビニに行ってコーヒーを買って飲みます。
⑩ 大事にしてもらっている。ここが好きです。ずっといたい。スマホも買って楽しみ。ここが好きです。管理者が良くしてくれる。大事にされている。ここが大好きです。ずっといたい。家がないので仕方なくここに居ます。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
先日は、社会福祉法人紅梅会 プラムハウス事業所「梅の実」の第三者評価を実施していただきまして誠に有難うございました。
私は、グループホームに配属を受けて初めての第三者評価受審でしたので、緊張していました。
調査書を受け取り、読み進めていく中で、「気づき」を改めて感じたこと。また、日々行っている業務の内容を文章化することの難しさを感じました。
グループホーム職員が一丸となり、利用者の皆様が良い環境で、良い支援、サービスを受けられるよう切磋琢磨し取り組んでいるため、私たち職員は、自己評価に△等を付けず◎を付けていたことに対して第三者目線から見ると、過大評価につながってしまうと話されていたことがとても印象に残りました。

日々の業務の中で、目まぐるしく変化する社会情勢や、多様化するニーズに応えるべく業務を行っていると気が付かぬまま時が過ぎてしまうこともありますが、指示や、情報が隅々までいきわたらず、書類の整備に不備がありました。今後、利用者支援に影響を及ぼしてしまう恐れも考えられますので職員同士のコミュケーションを積極的に行い今後は、注意し取り組んでいます。
今回、第三者評価を受審し、利用者支援の見直し、環境の確認と整備、課題の整理や書類の見直しや確認し、話し合いをしたことにより改めて気づいた課題などがありました。
今回のことを踏まえ、利用者の皆様が、安心・安全により豊かな生活ができるよう役立て業務を行いさらに質の向上を目指したいと存じます。