社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜こども保育園

2025年04月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 ナルク神奈川福祉サービス第三者評価事業部

② 施設・事業所情報
名称 横浜こども保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90(利用人数 85) 名
所在地 〒234-0054 
横浜市港南区港南台7丁目42-30
TEL 045-834-2373 ホームページ https://yokohama-hoiku.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2004年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 医療法人宏和会グループ 株式会社育成会
職員数
常勤職員:27 名
非常勤職員:8 名
専門職員
保育士:33 名
看護師:2 名
事務員:1 名
施設・設備の概要
乳児室(0~2歳児室):3室
幼児室(3~5歳児室):3室
調理室 :1室
トイレ:2室
事務室:1室
RC造り 6階建ての2階部分 :建物延べ床面積: 415.8㎡
園庭:264㎡

③ 理念・基本方針
【保育理念】           
子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され地域に愛される保育園を目指します。
【基本方針】 
豊かな人間性を持った子どもを育成する心と身体の自立を促す保育

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【立地および施設の概要】    
当園は、2024年度から、運営法人の株式会社育成会が、医療法人宏和会グループの一員となり、同時に運営法人の代表者、園長が変更になったのを機に、園名を育美保育園から横浜こども保育園に名称変更しました。JR京浜東北線港南台駅からバスで7分、臼杵バス停から徒歩1分の広い道路沿いの住居ビルの2階にあります。周囲には閑静な住宅街が広がり、街全体が落ち着いた感じとなっています。近隣にはハイキングコースのある円海山や、子ども達が散歩に利用する自然豊かな公園がいくつもあります。

【園の特徴】
園は、多様化するニーズに対応し、すべての子どもたちに平等な保育を提供することを目指しています。特に医療的ケア児や重症心身障害児、難病児等の障がい児を受け入れ、サポートが必要な子どもたちに対して、専門的な知識と技術を持つ職員が安心・安全な環境を提供し、このニーズに応じたケアを行なっています。
子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊び体験の中で、周囲の人々や友だちとのかかわりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。地域や保護者と共に、元気で生き生きと遊び、命や物を大切にし、仲間とともに育ち合えるような環境作りと子どもの最善の利益を尊重する保育を行なっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/06/14(契約日) ~2025/04/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
1.職員の意欲を高め、子どもが楽しめる行事への取組
今年度から夏祭りやお正月会等の各行事については、担当者(複数もあり)に全面的に任せるということを基本に取り組んでいます。企画から準備、運営等について全部自分たちで決めるということで、職員たちのやる気やモチベーションが大いに上がりました。全クラス参加の夏祭りでは、お店屋さんにどんな商品を出したら0~2歳児は喜ぶか、各クラスの月の制作で提灯を作ろう、浴衣や甚平も着てもらおうなど、アイデアが続出し、子どもも職員も一緒に楽しむことができました。反省会では、今年は卒園児を招待したので、来年は保護者にも声をかけたらどうか、さらに地域のお店にも協賛の呼びかけをしてみたいなどの声が上がっています。

2.子どもの生活を充実させる家庭との連携
0~2歳児クラスは、個別の連絡帳でそれぞれ家での様子や園での活動の様子、睡眠時間、体調等を詳細に伝え合い、子どもの生活の連続性に配慮しています。また、全クラスの毎日の活動を、ホワイトボードに書いて保護者に知らせています。
保育室は、ワンフロアのオープンスペースで、玄関から保育室への出入口の扉を取ったため、玄関を入るとすべての園児を見渡すことができます。建物の構造上、通路での子どもの受け渡しがしにくいため、お迎え時には、保護者は保育室の中で、職員と直接顔を合わせ、コミュニケーションをとることができます。職員は、子どもの様子については、単に出来事を伝えるのではなく、子どもが初めて体験したことや、異年齢での関わり、制作した作品等をできるだけ伝えるようにして、家庭との連携を深めていけるよう取り組んでいます。

3.野菜の栽培等を通じた豊かな食の体験
食を営む力の基礎力を培うために食育年間計画を作成し、子どもたちの興味・関心が湧くようなプログラムを計画しています。幼児クラスはクッキング、野菜の栽培等に取り組んでいます。自分たちで野菜を育て、食材にも旬があることを学び、すべての命を大切にする心を育てています。またみかん狩り、さつまいも掘り等を通して、四季の変化によりいろいろな食材が収穫されることを知らせ、自然と食事とのつながりに気づけるように図鑑を多く用意しています。2歳児クラスはスイカやトウモロコシの特徴を歌や絵本で伝え、遊びや制作で楽しみ、旬の野菜を味わう取組を行なっています。

◇今後期待される点
1.子どもが主体的に活動できる環境の整備
保育室はワンフロアというスペースの関係もあり、子どもの希望や様子から職員が玩具を用意しています。子どもの手の届くところに玩具を置き、子どもが自ら玩具を選び、集中して遊んだ後、自分で片付けることができるよう環境を整備し、子どもたちがより主体的に活動できる環境の整備が期待されます。

2.「人材育成計画」のさらなる充実と実施
「人材育成計画」を保育所が目指すユニバーサル保育や医療的ケア児・重症心身障害児等の障がい児保育の特性に合わせてさらに具体的に充実させ、計画に基づいた人材育成に取り組んでいくことが期待されます。

3.中長期計画および単年度事業計画につき、実施状況が評価できるようにする工夫
中長期計画および単年度の事業計画は、一部については具体的な成果を設定していますが、全体として実施状況の評価が行なえる内容になっていません。数値目標や具体的な成果等を年度ごとや半期ごとに設定すること等により、実施状況の評価を行なうことができるよう工夫することが期待されます。

4.「苦情解決の仕組み」についての保護者への周知
利用者家族アンケートでは、「苦情解決の仕組み」についての認知度は、35%と低い状況です。苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備されていることを保護者にさらに周知していく工夫が望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
横浜こども保育園では、今回の福祉サービス第三者評価を通じて、日々の保育実践や運営体制を客観的に振り返る貴重な機会となりました。評価項目一つひとつを職員全員で確認し、意見交換を重ねることで、園全体の課題や強みを再認識することができました。
特に、保護者の皆様からの高い満足度や、職員の丁寧な対応に対する評価をいただき、大変嬉しく思っております。一方で、情報発信の方法や保育内容の明文化など、改善すべき点についても具体的なご指摘をいただきました。これらの課題に対しては、職員間での共通認識を深め、保護者の皆様にとってより分かりやすく、安心していただけるような情報提供の方法を検討・実施してまいります。
また、地域との連携や防災対策についても、今後さらに強化していく必要性を感じております。地域の皆様と協力しながら、子どもたちが安全で健やかに成長できる環境づくりを進めてまいります。
最後に、評価にご協力いただいた保護者の皆様、評価機関の皆様に心より感謝申し上げます。今回の評価を糧に、今後も保育の質の向上に努めてまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・理念・基本方針は、園のホームページおよび「入園・進級のしおり」等に記載しています。
・今年度から新たに医療法人のグループの一員となったことに伴い、全職員が参画して法人の理念を基本に新たな理念を作り上げました。理念は、「子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園をめざします」で、保育園としての使命や目指す方向、考え方がわかるものになっています。
・基本方針は「豊かな人間性を持った子どもを育成する心と身体の自立を促す保育」で、理念との整合性が確保されており、職員の行動規範となる具体的な内容になっています。
・職員には、園長から理念や基本方針について直接に話をする機会を設けています。
・保護者には、入園時に「入園・進級のしおり」で説明し、園の掲示板に掲げ、パンフレットに記載するなどして周知を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

・事業経営については運営法人の理事会等を通じ、社会福祉事業全体の動向や国・市の保育行政の動向について把握分析しています。
・園長は、園が栄区、磯子区と区界を接するところにあり、港南区以外から通う園児も在籍するなど、地域の状況を十分に理解・把握し、園が地域でどのような役割が求められているかを分析しています。
・港南区こども家庭支援課とは緊密な連携をとっており、子どもの数、利用者像、保育のニーズ等を収集するなどして、地域での課題を把握し分析しています。
・園長は、収支計画の策定にあたり、保育のコスト分析、保育所入所状況、利用率の推移等の分析を行なっています。
・地域の福祉計画である「第4期港南区地域福祉保健計画(2021~2025)(港南ひまわりプラン)」の内容の把握分析等を行ない、経営環境の変化等に適切に対応していくことが期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・組織、設備、職員体制、人材等の現状分析に基づく法人運営に影響のある重要な情報や課題は、理事会で話し合い、役員の共通理解が図られています。
・理事会や評議委員会での議題の中で職員に周知が必要なことについては、速やかに園長に伝えられ、職員会議で職員に周知徹底を図っています。また、その中で職員からの意見を吸い上げ、園長を通じて理事長に提案や報告を行なっています。
・園の経営状況や改善すべき課題については、中長期計画、単年度計画の中で具体的な問題解決に向けての方策が示され、職員に周知しています。
・中長期計画、単年度計画の中で、保育理念「子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園をめざします」に基づき、大きな柱として「施設設備計画および整備方針」「人材の育成に向けた基本方針および基本計画」の2つを課題にあげ、実現に向け取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・2024年度から2028年度までの5年間の中長期計画を策定し、園の理念・基本方針の実現に向けた中・長期的なビジョン(目標)、課題を明確にしています。また、平年度ベースでの、事業活動収支、施設設備等による収支見込みを明らかにしています。
・中長期計画は、中長期目標として、「施設設備計画および整備方針」「人材の育成に向けた基本方針および基本計画」を掲げ、経営課題や問題点の解決に向けた具体的な内容を設定しています。
・中長期計画は、計画期間のいつまでに何を行なうなど、具体的な成果等を設定することにより、実施状況の評価を行なえる内容とすることが期待されます。また、中長期計画は、初年度のためまだ見直しはしていませんが、今後は、年度別に計画を立て、毎年度見直しを行なっていくことが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・単年度の事業計画は、当該年度の重点項目、保育内容、保育者の関わる姿勢、地域の子育て支援、研修計画等具体的な取組内容となっています。
・単年度の事業計画の(全体的な計画、食育、保健等)には、ねらいや目標、内容が記載され、実施状況の評価が行なえる内容になっています。
・単年度計画の内容は単なる「行事計画」でなく、ねらいや目標、活動内容が記載されたものになっています。
・単年度の事業計画は、数値目標や具体的な成果等を設定することにより、実施状況の評価を行なえる内容とすることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画の策定は組織的に行ない、課題によっては職員の意見も吸い上げ、職員会議で検討して、園長が中心となってまとめ、職員の自己評価等も勘案して、策定しています。
・事業計画は、計画初年度であり、実施状況の把握、評価、見直しはまだ行なわれていません。
・事業計画は、全職員に資料を配付し、ミーティングや職員会議等で説明を行なって、周知を図っています。
・事業計画については、今後、実施状況の把握、評価、見直し等を、組織的に行なっていくことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画の主な内容は、入園・進級説明会で保護者に園の保育方針等と共に概要を説明しています。
・事業計画のうち、行事計画については、年間行事予定表を年度始めに保護者に配付し、園だよりやクラスだよりで説明し、保育参加・懇談会、運動会、生活発表会等の日程や内容を具体的に示すなどして、保護者が参加しやすいように工夫しています。
・事業計画の主な内容は、子どもたちがこの1年間をどのように過ごしていくかについて、年齢ごとに説明しています。また、食育計画や危機管理等の年間の活動内容について、保護者にわかりやすく説明した資料を作成しています。
・保護者には、園だよりやクラスだよりで、保育参加後の懇談会、0~5歳児保護者の「運動会」や全保護者対象の「おゆうぎ会」等、保護者が参加する行事について説明し、保護者が参加しやすくなるように配慮しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画に基づき、年間指導計画、月間指導計画等を作成し、各指導計画には評価・反省欄を設けて、定期的に実施状況の確認と振り返りを行ない、次期の計画につなげるPDCAサイクルに基づいて、保育の質の向上に取り組んでいます。
・指導計画の評価にあたっては、クラス担任間で評価・反省したものを、主任がチェックをする体制となっています。
・毎年度末に実施する保育士の自己評価等を基にして、園としての自己評価を行ない、「保育所自己評価」につなげています。
・毎年度末に実施する保育士の自己評価等を基にして、「保育所自己評価」として、「保育理念」「保育について」「家庭との連携」等の7項目につき、小項目ごとにA、B、C、Dの4段階で自己評価を行なっています。第三者評価は、5年ごとに受審しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・当年度の目標に対する実施状況の評価、毎年度末に実施する保育士の自己評価等をもとにして、園としての自己評価を行ない、「保育所自己評価」として、全体評価・来年度の課題を文書化しています。
・園としての自己評価を実施する中で課題を明らかにし、職員会議で検討を行ない、改善に取り組んでいます。
・次年度に改善策や改善の実施状況についての評価を行ない、次年度以降も改善の検討が必要な場合は、継続取組課題として、引き続き改善に取り組むこととしています。
・2024年度から運営法人が代わり、新たに2024年度から2028年度までの5年間の中長期計画を策定し、園の理念・基本方針の実現に向けた中長期的なビジョン(目標)を掲げ、保育所として取り組むべき課題を明確にしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・園長は、職員会議等の各種会議や、日々のやり取りの中で、園の経営・管理や園内研修に関する方針と取組を明確にしています。
・園長は、年度始めの入園説明会や毎月の園だよりの「園長だより」の中で、自らの役割と責任について表明して、園の経営・管理に関する方針と取組を伝えています。
・園長の役割と責任を含む職務分掌等については、運営規程に定め、職員会議や新任研修の機会に職員に対して表明し、周知を図っています。
・防災マニュアルに危機的状況が発生したときの指揮権順位は「園長→主任→副主任」とすると定めています。
・園長の役割と責任を含む職務分掌等については、「業務分担表」等に明確に定め、職員に周知していくことが期待されます。また、平時における園長の役割と責任について、運営規程の中で、不在時の権限委任等を含め明確化することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、社会福祉関係法令はもとより、保育所保育指針、「全国保育士会倫理綱領」、園の理念・基本方針や諸規程、社会的ルールをよく理解しています。設備改修等、一定以上の金額の契約取引については、法人の承認が必要であり、簡易な改修等についても必ず相見積もりをとるなど、利害関係者と適正な関係を保てるようになっています。
・園長は、横浜市医師会のコンプライアンス、人権擁護等の研修に、運営法人である医療法人の立場で参加し、遵守すべき法令等の理解に努めています。
・園長は、コンプライアンスのみならず、ごみの分別、廃材の活用、LED照明の採用、緑化の推進等、環境に配慮した取組を行なっています。
・園長は、職員会議等で、役職員の責務、法令等の遵守等について、職員に説明しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長・主任・副主任は、園の保育の質の現状を把握するために、日々積極的にクラスを巡回するよう心がけています。
・今年度から夏祭り等の各行事については、担当者(複数もあり)に全面的に任せるということを基本に取り組んでいます。企画から準備、運営等について全部自分たちで決められるということで、職員たちのモチベーションもあがっています。
・園長・主任・副主任は、職員会議、随時ミーティング等の諸会議、定期的な個人面談を通して、保育の質の向上について、職員の意見・要望を反映するようにしています。
・園長・主任は、作成したシフト表に基づき、必要に応じてシフトを調整するなどして、職員が積極的に研修に取り組めるようにしており、決められた研修のほか、職員が自発的に希望する研修に自由に参加することも推奨しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・人事・労務・財務管理の分析は、園長が行なっています。また、園長は、効率的な事務や保育園業務支援システムの積極的活用により、業務の実効性を高めるようにしています。
・園長・主任は、職員の経験年数、個々の能力、性格、得意・不得意、職員同士の相性等も十分考慮し、職員の意向も確認しながら毎年クラス編成を行ない、業務(行事)担当表を作成し、組織体制作りをしています。
・園長は、業務の実効性の向上に向けて、職員が働きやすい職場づくりや組織全体を考えた人事構成、財務の面からも運営を考え、その内容を主任・副主任と意見交換しながら、組織全体に意識づけられるように取り組んでいます。
・園では、保育の充実が図れるように、横浜市の配置基準以上の職員を配置し、保育士の事務時間の確保、昼の休憩時間帯のローテーション等により職員が働きやすい環境整備に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画の中に「人材の育成に向けた基本方針および基本計画」があり、施設長(園長)、基幹的職員(主任、副主任)、中堅職員(職務分野別リーダーおよび専門リーダー)、新任職員の各職務段階別に、業務遂行能力、達成目標、OJT、OFF―JT(各種研修)、SDS(自己啓発)について記載しています。今年度は計画初年度で、計画の端緒についたばかりであり、本格的な実施はこれからの段階です。
・人材確保については、関係機関、保育士養成校等への働きかけ、潜在保育士の発掘に加え、家賃補助制度等、地方からの職員が就労しやすい支援体制も整えています。法人のホームページや外部の人材採用サイトにも採用情報を掲載し、広く保育士の募集を行なっています。
・「人材育成計画」を、保育所が目指すユニバーサル保育等の特性に合わせて具体的に充実させ、計画に基づいた人材育成に取り組んでいくことが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・中長期計画の中に「組織が求める職員像」として、「子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行なう」「保護者の気持ちを受け止め、保護者の自己決定を尊重する」等を掲げています。
・配置、異動等に関する人事基準は、就業規則や給与規程等に定められています。就業規則や給与規程等については、今年度からの運営法人変更に伴い、随時必要な事項を改訂しています。
・職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等については、職員は年度始めに、「チャレンジワークシート」として、「保育士の自己評価用質問10問」につき、5段階で自己評価を行ない、さらに自己目標を記載して園長に提出します。その後、園長による個別面談を経て、評価を行ない、それをもとに、理事長が最終的に評価を行ないます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・園での労務管理に関する責任者は園長です。園長は主任と連携を図り、働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。
・園長・主任は、職員との定期的な個人面談のほか、職員の心身の状態や悩み等、気づいたことがあれば、随時面談でじっくりと話をするようにしており、日頃から気軽に声をかけ、職員が相談しやすいようにしています。
・再雇用制度、資格取得支援制度、家賃補助等の福利厚生を実施しています。
・ワーク・ライフ・バランスに配慮し、有給休暇の取得を奨励し、人員体制を整え、可能な限り休暇を消化できるようにしています。事務職員による業務効率化や充実した人員配置、変形労働時間制の採用により、時間外労働は発生していません。
・福祉人材の確保、定着の観点から、様々な家庭状況の職員でも働きやすい職場となるようにしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・「期待する職員像」を明確に示し、職員一人ひとりが自信をもって活躍できる場がもてるよう、職員との面談の中で職員の意向や要望、目指したい姿を話し合うなど、育成に向けた取組を行なっています。
・職員は年度始めに、チャレンジワークシートとして、「保育士の自己評価用質問10問」について、5段階で自己評価を行ない、さらに自己目標を記載して園長に提出します。その後、園長による個別面談を経て、評価を行ない、それをもとに、理事長が最終的に評価を行ないます。
・職員一人ひとりの目標設定については、目標項目、目標水準、目標期限が明確にされたものを作成し、中間面接で進捗状況の確認を行ない、年度当初・年度末(期末)面接で、目標達成度の確認を行なっていくことが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・職員に「期待する職員像」を明確に示しています。
・園では、中長期計画の中の「人材育成基本計画」に、6つの専門分野別研修(乳児保育、幼児保育、障害児保育、食育アレルギー対応、保健衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援)を定め、専門リーダーについては4つ以上の専門分野別研修を、職務分野別リーダーについては1以上の専門分野別研修を受けることとしています。
・2024年度研修計画に基づき、職員は、横浜市こども青少年局や、民間の研修機関の研修等を計画的に受講しています。また、園内研修は、全職員を対象に「発達障害児へのかかわりについて」「嘔吐処理」「救命講習」「スキンケアの大切さを知る」等の研修を実施しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況を職員データ等で把握しています。
・新任職員や経験の浅い職員に対しては、主任の助言を受けながら、クラスリーダーによるOJTを行なっています。
・キャリアアップ研修については、常勤職員・非常勤職員ともできる限り受講できるように職員に周知し、シフトを調整するなどして、研修の機会を確保するようにしています。
・外部研修については、園長・主任が、2024年度研修計画に基づき、職員が計画的に受講できるようにしています。また、研修案内回覧や掲示、ミーティング等で職員に伝え、各種研修への参加を推奨しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生等の受け入れに関しては、次世代の人材育成の機会と捉え、積極的に実習生の受け入れを行なっています。「実習生受け入れマニュアル」を整備し、実習生の育成・研修に関する基本姿勢を明文化しています。
・実習生の希望を聞き、実習目的に合わせた学年・クラスでの実習が行なえる内容のプログラムになっています。実習生により、部分実習や責任実習の機会を持ち、より実践に近い形で実習ができるようにしています。実習最終日には職員と一緒に振り返りを行ない、実習生の感想とともに、今後に向けたアドバイスや意見の交換等を行なうことで育成に努めています。
・実習担当職員は、実習生の日誌や指導案のチェック、毎日の振り返りを行ない、意見や質問にも対応しています。また、充実した実習となるよう、学校側と意見交換を行ない、教職員が当園を訪問時に懇談し、連携を深めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・ホームページ上で保育所の理念や基本方針、保育所の特徴、保育の内容等を適切に公開しています。
・令和6年度「重要事項説明書」に、苦情相談の窓口、第三者委員の設置等につき掲載し、園玄関に苦情・要望への対応として、苦情解決責任者・苦情受付責任者、第三者委員の氏名を掲示しています。 
・第三者評価の受審結果については、かながわ福祉サービス第三者評価推進機構のホームページ上で、確認することができます。苦情の記録ファイルはありますが、現在まで苦情の相談・受付はありません。
・ホームページ上で、保育所の理念・基本方針やビジョン等を社会・地域に対して明示し、保育所の存在意義や役割を明確にするように努めています。
・事業計画、予算決算情報等について、保護者に対して公表していくことが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・法人において適正な運営、経理処理のため、運営規程、経理規程を整備しています。運営規程に園長および職員の職務分掌を記載しています。
・理事長、園長による内部監査(書類監査)を定期的に行なっています。
・理事長、園長は、税理士と意見交換を行ない、指摘やアドバイスを受けています。また、公認会計士、司法書士、社会保険労務士等、外部の専門家による、監査支援等や指摘事項に基づき、経営改善を行なっています。
・「職務分担表」等を作成し、職員の職務分掌と園長の権限・責任を明確にして、職員に周知することが期待されます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域との関わり方については、運営理念、保育理念、中長期計画の中で、基本的な考え方を文書化しています。
・港南区育児支援事業や港南区地域子育て支援拠点、病児保育室からのお知らせ等、様々なチラシを玄関に置き、地域の情報を保護者に提供しています。
・港南区子育て連絡会や近隣の商業施設の七夕連絡会に職員が参加しています。
・港南区育児支援事業では園庭開放を行ない、4、5歳児クラスは公立保育園、介護施設の高齢者と共に近くの公園の清掃を定期的に行なっています。また、「港南台生き生きプレイパーク」のイベントや近隣の商業施設の七夕イベントの短冊飾りに参加しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・ボランティア受け入れマニュアルがあり、受け入れの意義や目的、受け入れ姿勢等を明文化しています。
・地域の学校教育等への協力について、ボランティア受け入れに準ずるとしています。
・ボランティア受け入れ担当者は園長、主任です。ボランティアを受け入れる際には、事前にオリエンテーションを行ない、活動内容、受け入れ手続き、活動時のルール、活動時間、子どもとの関わり方、緊急時の対応等を伝えています。
・保育の仕事に興味のある高校生や中学生の職業体験を受け入れ、学校教育への協力を行なっています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・港南区役所、病院、横浜市南部児童相談所、よこはま港南地域療育センター等、地域の社会資源をリスト化し、個々の子ども、保護者の状況に対応できるよう、職員会議の中で説明し、職員は共有しています。
・港南区の園長会、幼保小連絡会、横浜市南部児童相談所、よこはま港南地域療育センターと定期的に会合を行なっています。
・障がい児については、年1、2回よこはま港南地域療育センターの巡回を受け、相談できる体制を整えています。また、港南区こども家庭支援課と連携しています。
・虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、横浜市南部児童相談所、港南区こども家庭支援課等と連携をとる体制になっています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園長は港南区の園長会、幼保小連携事業等に参加し、地域の具体的な福祉ニーズや生活課題を把握しています。年2回、運営委員会を開催し、園の第三者委員である民生委員、医師、認可保育園施設長に参加してもらい、具体的な福祉ニーズの把握に努めています。
・港南区育児支援事業「あそびにきませんか」に参画し、育児相談を行なっています。また地域子育て連絡会や「港南台生き生きプレイパーク」のイベントに職員が参加し、地域の具体的な福祉ニーズの把握に努めています。
・一時保育の利用者や園見学者からの相談に応じています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・中長期計画の中で「地域の子育て支援」、全体的な計画の中で、「乳児保育を含む3歳未満児の受け入れを推進し対応すること、災害時緊急災害保育を行なうこと」を明示しています。
・ハロウィンでは商店の人と交流し、地域の子どもの居場所(一時避難場所)として、保護者の了解を得て、子どもが遊んだり、宿題をする場所を提供しています。
・災害が発生した際は、園を開放し、災害時緊急災害保育を行なうこととしています。
・保育の専門機関として地域に役立つ講習会を積極的に開催し、地域住民への周知方法を検討し、さらに地域に貢献することが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・保育理念や保育方針、保育目標に、子どもを尊重した保育の実践について明記し、職員会議やミーティング、乳児会議、幼児会議、園内研修の中で、話し合っています。
・指導計画を作成し、定期的に振り返り、次の計画に反映しています。
・子どもが互いを尊重する心を育てるために、職員は心を穏やかにして優しい言葉かけやしぐさで保育にあたっています。
・子どもの尊重や基本的人権への配慮に関する外部研修を受けた職員が職員会議等で報告し、意見交換を行なうなど虐待予防や人権擁護について園全体で勉強会や研修を行ない、さらに職員の理解を深められるよう取り組むことが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どものプライバシー保護に関して「プライバシー保護規程」を整備しています。また、保育マニュアルの中のおむつ交換手順書、プール・水遊び手順書等に、子どものプライバシー保護について記載しています。
・おむつ交換時は衝立等を使い、人目に触れないスペースでプライバシーが守られるようにしています。3~5歳児クラスのプール・水遊び等の着替えはカーテンを閉めて、男女の場所を変えて着替えるように配慮しています。
・入園・進級のしおりに、ホームページ等への写真の掲載や保育運営において写真を使用することについて記載し、実際に子どもの写真を掲載する場合は保護者の同意書をもらっています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園紹介のパンフレットは港南区こども家庭支援課に置き、ホームページには園の情報を掲載し、多くの人が見ることができるようにしています。
・パンフレットはカラー印刷で、イラストや写真を使い、わかりやすく説明しています。ホームページでは園の概要、園内の様子、年間行事、一日の流れ等について説明しています。
・園見学は1日5組程度を受け入れ、希望日に沿うように実施しています。パンフレットをもとに園内を丁寧に見学してもらい、質問に答えています。
・パンフレットや重要事項説明書、入園・進級のしおりの内容は、年度末又は年度始めに見直し、必要に応じて内容を変更しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園説明会で、重要事項説明書と入園・進級のしおりをもとに、保育の内容や日常生活に関する事項、留意事項、持ち物等を説明し、保護者から同意を得ています。入園後は、懇談会や運営委員会で変更点を保護者に伝えています。
・入園・進級のしおりはカラー印刷で、表やイラストを使い、わかりやすいように工夫しています。
・保育の開始・変更時には、保護者に同意を得たうえでその内容を書面に残しています。
・配慮が必要な保護者には園長・主任が個別に対応しています。日本語が理解しづらい外国籍の保護者に対しては、母語に訳した書面を用意しています。ホワイトボードに英語で掲示しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・途中で園を変更する場合は、必要に応じて保護者に在園証明書を渡しています。また引継ぎ文書や電話で転園先に必要な情報を伝えることもあります。
・退園や卒園児の保護者に対して、終了後の相談方法について記載した文書はありませんが、口頭で相談にのることができることを伝えています。
・保育所の利用が終了した際の相談体制について、文書を作成することが望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員は子どもの表情や発する言葉、動作や行動から気持ちを汲み取るようにしています。
・保護者に対しては行事後のアンケート、懇談会でのアンケートを行なっています。年2回の個人面談、懇談会、運営委員会、保育参加等で保護者の満足度を把握しています。年度末に保護者会が行なっているアンケートで、園への要望や願いを収集し、検討会を行なっています。また日々の保護者との会話の中で、保護者の笑顔や会話の内容によって保護者の満足度の把握に努めています。
・保護者アンケートは園長、主任が分析し、職員会議で改善方法について話し合い、改善しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・苦情解決責任者は園長で、苦情受付担当者は主任です。第三者委員3名の氏名を重要事項説明書に明記し、入園説明会で保護者に説明しています。
・玄関にある苦情(意見)ポストは裏向きに設置してあり、保護者が意見を申し出にくくなっています。保護者の目につきやすい場所に設置し、メモ用紙や筆記用具を置くなど、保護者が利用しやすい工夫が望まれます。
・利用者家族アンケートでは、「苦情解決の仕組み」についての認知度は、35%と低い状況です。苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備されていることを保護者にさらに周知していく工夫が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

・重要事項説明書に、要望・苦情等に係わる園の窓口、第三者委員の氏名を明記し、保護者に配付するとともに、玄関に掲示しています。外部相談窓口として行政機関の苦情相談窓口・かながわ福祉サービス運営適正化委員会・横浜市福祉調整委員会等を明記した「ご意見はこちらへ」のチラシを保護者に配付したり、保育アプリでも伝えています。
・保護者から相談の申し出があった場合は、事務室や空いている保育室等を使用して保護者が安心して相談できるようにしています。
・保護者の目につきやすい場所に、苦情・要望への対応、苦情受付窓口、第三者委員の氏名、外部相談窓口の電話番号等の連絡先等を掲示することが期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・職員は、送迎時の保護者と積極的にコミュニケーションを取り、個人面談、懇談会、保育参加の際には、保護者が相談や意見・要望を述べやすい雰囲気づくりに配慮しています。
・保護者参加の行事後や年度末のアンケートを実施し、保護者の意見を把握しています。相談や意見を受けた際の対応について、職員は速やかに園長や主任、上席職員に報告し、検討に時間がかかる場合は、保護者に経過報告をし、できるだけ早く回答するように努めています。
・相談や意見があった際には検討会議を開催し、解決に向けた取組・検討を行なっています。
・マニュアルの見直しは年度末に行なっています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントに関する責任者は園長で、現場担当者は主任です。
・保育所安全計画を作成し、月ごとに重点点検箇所の安全点検を行なっています。安全チェック表により毎日園内の設備、遊具・玩具、バギー等の安全チェックを行なっています。
・事故報告書、ヒヤリハット記録があり、毎月職員会議で事故報告書、ヒヤリハットを報告し、注意事項、再発防止策、保護者対応について検討し、改善を図っています。
・毎月1回以上の避難及び消火訓練を行ない、その都度振り返りを行なっています。また、散歩マップを作成し、危険個所の確認を行なっています。年度始めにマニュアルの見直しを行なっています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策の責任者は園長と看護師です。
・「感染症対応マニュアル」「嘔吐物処理マニュアル」を作成し、職員に周知しています。マニュアルは季節ごとに見直しを行なっています。
・看護師を中心に感染症予防や嘔吐物処理の研修を行ない、職員会議で感染症の知識や嘔吐物処理の確認や手順を共有しています。
・感染症対策として子どもが手洗い、うがいの習慣を身に付けられるようにしています。また、消毒薬を使っての拭き掃除や玩具の消毒を行なっています。
・感染症が発生した場合には感染症名と人数を玄関に掲示し、保育アプリで保護者に知らせています。
・保護者には保健だよりを配付し、感染症に関する情報提供を行なっています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・園の業務継続計画(BCP)に、事前対策、BCP発動時の対策が定められています。
・「防災マニュアル」があり、毎月様々な想定による防災訓練を実施しています。
・災害時における対応について、重要事項説明書に明記し、一時避難場所、地域防災拠点を記載し、保護者に周知しています。災害時は携帯メール配信システムと災害伝言ダイヤルを利用して、安否の確認をする体制があります。
・備蓄品リストを作成し、園長が使用期限をチェックするなどして管理しています。
・消防署立ち合いのもと防災訓練や通報訓練を実施しています。また、警察署の協力を得て不審者訓練を実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・入園・進級のしおりの中に「1日の流れ」があり、保育の手順等は各種マニュアルに文書化しています。
・各種手順書(睡眠中の呼吸確認、嘔吐処理、おむつ交換等)の園内研修を行なっています。また、学び合う風土を大切に、主任やクラスリーダーにより、入職年度の浅い職員には個別に指導を行なっています。
・保育について、標準的な実施方法に基づいて実施しているか、話し合うことを大切にし、ミーティングや職員会議で振り返りをしています。
・職員はマニュアルを基本にしながら、保育実践が画一的なものとならないよう、それぞれの子どもの状態や思いに沿った保育を実践するように心がけています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・マニュアルについては、年に1回、年明けから年度末にかけて職員会議で職員の意見を聞いて改訂する仕組みがあります。
・保育の実施方法の振り返りや見直しは、職員会議や、乳児、幼児会議等で話し合っています。
・保育マニュアルの見直しは、園内研修や職員会議等での振り返りから毎年定期的に行なっています。
・職員会議での意見や送迎時の保護者からの意見、反応をよく踏まえ、必要に応じて手順書に反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・児童票、家庭状況表、健康台帳等により家庭における子どもの姿、育児で気を付けていること、園への要望等を把握しています。
・看護師や栄養士、必要に応じて、よこはま港南地域療育センターと情報共有するなど連携し、アセスメントに生かしています。
・子どもの発達の連続性に留意して一貫性のある保育をする必要があり、指導計画は、全体的な計画に基づいて作成しています。
・指導計画は、看護師やよこはま港南地域療育センター等の外部の関係者と相談した結果を反映し、保護者の意向を踏まえた上で、作成しています。
・保育実践の振り返りや評価は月単位で振り返り、クラス会議で評価し翌月の指導計画に反映しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・年間指導計画は四半期ごと、月間指導計画は月末、週案は随時見直すことになっています。個人面談や日頃のやりとりで得た保護者の意向を踏まえて、各担当が話し合って見直しを行なっています。
・見直しにより変更した指導計画は、乳幼児会議で変更事項を職員に周知しています。
・子どもの様子や天候で緊急に日案を変更する場合は、随時のミーティング等で他のクラスの職員に周知しています。また、主任、園長に必要に応じて報告、相談しています。
・指導計画の見直しは、随時のミーティングや乳児会議、幼児会議で、話し合っています。また、見直した結果、課題を次月のねらいに反映するようにして、次の指導計画の作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況は、運営法人が定めた個人児童票(乳児は毎月、幼児は3か月に1回)、健康台帳、個人記録(0~2歳児は毎月、3~5歳児は3か月ごとに記載)、保育日誌に記録しています。
・0~2歳児は、月間個別指導計画を作成し、毎日の保育内容は保育日誌、個別の連絡帳に記録をしています。また、障がい児については「障害児指導計画」を作成しています。職員は記録をいつでも閲覧することができます。
・情報共有のため、随時のミーティングや乳児会議、幼児会議、職員会議を月1回定期的に行なっています。
・パソコンのデータは、クラウドを利用せず、ローカルサーバーに保管して情報を共有する仕組みがあります。職員は記録をいつでも閲覧することができます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの記録の保管・保存・情報共有については、運営規程に定めています。
・「個人情報管理規程」に、記録の保管、保存、廃棄、情報提供、個人情報の不適正な利用や漏洩に対する対応方法を記載しています。個人情報に関わる記録や文書は鍵のかかる書庫に保管しています。パソコンやタブレットはパスワードで管理しています。記録の管理の責任者は園長です。
・個人情報の取り扱いについて、保護者には入園・進級説明会、個人面談で説明し、同意書を交わしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法に示されている理念等を踏まえ、保育所保育指針に基づき、子どもの発達や生活の連続性を十分に考慮し、子どもの健全な育ちを中心に作成しています。 
・全体的な計画は、保育理念「子ども一人ひとりを大切にし、保護者から信頼され地域から愛される園を目指す、保育方針「豊かな人間性を持った子どもを育成する心と身体の自立を促す保育」に基づき、子どもの最善の利益を考慮して作成しています。
・全体的な計画は子どもの発達過程、子どもの家庭状況や7時から20時00分までの保育時間、保護者・地域への支援、地域の実態等を考慮して作成しています。
・全体的な計画は、主任、副主任が保育に関わる職員と協議して、立案した原案をもとに、職員会議等で見直しや修正、追加事項がないかを話し合ったうえで、最終的に園長が作成し、職員会議で職員に周知しています。
・全体的な計画は、年度末に見直し、振り返りを行ない、次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・各保育室には、空気清浄機、加湿器等を備え、夏場は23~26℃、冬場は20~22℃、湿度は50%としていますが、子どもの様子や体感で調節しています。換気扇は24時間稼働し、時々窓を開けるなど換気しています。職員は保育中の声の大きさに配慮し、子どもが遊びに集中できるようにしています。
・0、1歳児クラスは子どもが午睡中に玩具の消毒をしています。トイレや共用部分は個々の職員が毎日清掃し、清潔を心がけています。公園から帰った後とおやつや食事の後は床の消毒をしています。
・子どもの発達や生活動線に配慮して、低い家具や棚を配置しています。マットや机を用いてコーナーを設け、子どもが自由に遊んだり、くつろいだり、落ち着ける空間を作っています。
・0~2歳児クラスは、食事と睡眠は同じ保育室内でとりますが、場所は別にしています。
・手洗い場やトイレは子どもが使いやすい高さになっています。子どもがトイレを使用するときは常に職員がそばに寄り添い、安全に配慮しています。
・清掃チェック表を作成し、毎日清掃したことを確認し、清潔を心がけることが望まれます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子ども一人ひとりの発達過程や家庭環境から生じる個人差は個人児童票・家庭状況票・健康台帳等で把握しています。入園面談では授乳・離乳食の状況、排泄、睡眠、アレルギー等について保護者から情報を収集し、子どもの個人差を把握しています。入園後は連絡帳や送迎時の会話、年1回の個人面談を通して子どもの状況を把握し、毎月の個別指導計画に反映しています。
・職員は子どもが安心して自分の気持ちを表現できるように、その年齢に応じた言葉遣いで丁寧に応じるようにしています。職員は子ども一人ひとりを見守りながら気持ちを汲み取り、ありのままを受け止め、一人ひとりに寄り添った応答的な関わりを大切にしています。
・自分を表現する力が十分でない子どもには、表情やしぐさ、行動等からその子なりの表現を読み取り、やさしく問いかけ、わかりやすい言葉で代弁し、子どもの気持ちを汲み取るようにしています。
・職員は子どもの思いに共感し、気持ちを受け止め、優しく穏やかに話すように心がけています。
・職員はせかす言葉や制止する言葉、否定的な言葉を肯定的な言葉にするよう心がけています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもが排泄・睡眠・食事等の生活習慣を身に付けることができるように、一人ひとりの子どもの発達状況を確認し、保護者と連絡帳や送迎時のやりとりで情報交換を行ない、子どものペースに合わせて援助しています。衣服の着脱や排泄等の際には、子どもが自分でやろうとする気持ち、挑戦することを尊重し、一人ひとりに応じた援助をしています。
・基本的な生活習慣の習得にあたっては、身の回りのことに興味を持ち、子ども一人ひとりに合った時期やペースで進められるよう、個別に声をかけるなど援助しています。職員は、子どもが自分でできた時には大いに褒め、できたという達成感に共感し、子どもが主体的にチャレンジする気持ちになるように働きかけています。
・連絡帳や送迎時の保護者との会話から、前日の家での様子や睡眠時間、体調を確認し、一人ひとりの状況に応じて睡眠や休息が取れるようにしています。
・基本的な生活習慣を身に付けることの大切さや、手洗いのやり方について紙芝居や絵本等を使い、わかりやすく簡単な言葉で伝えています。歯磨き指導は看護師が丁寧に伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

・職員は子どもの興味に合わせて数種類の玩具を用意し、子どもが好きな玩具を見つけて遊べるようにしています。子どものやろうとする気持ち、挑戦することを大切にし、職員は子どもの遊ぶ様子を見守り、言葉をかけたり、一緒に遊ぶなど、子どもが安心して遊べるように配慮しています。
・天気の良い日は、積極的に公園や散歩等の戸外活動を取り入れ、ゲームや追いかけっこ、ボール遊び等、体全体を使って遊べるようにしています。
・ルールのある遊びを楽しんだり、自分たちでルールを決めて遊ぶなど、子どもが社会的ルールや態度を身に付けていけるように配慮しています。
・子どもたちは公園でドングリや落ち葉等を集め、季節の花を鑑賞し、野菜を栽培するなど、毎日身近な自然と触れ合っています。
・散歩で出会う地域の人たちと挨拶を交わすほか、避難訓練では消防署員に話を聞いたり、不審者訓練では警察署員と交流しています。
・子どもの年齢や発達に応じて好きな遊びを見つけ遊ぶことを楽しめるように、玩具が子どもの目に入り、自分で触れたり、取って遊べるよう環境を整えることが期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・朝の受け入れ時、子どもの体調や機嫌等を保護者と確認し合い、連絡帳の記録をもとに担当職員は子どもの一日の過ごし方を組み立て、子どもにとって無理のない安定した生活となるように配慮しています。
・月齢等の発達状況に応じて、ハイハイやつかまり立ち、歩くなどの探索活動や遊びが主体的に行なえるように、家具の角をクッション材で保護しマットを敷くなどの環境を整えています。
・1対1の関わりを大切にし、職員は子ども一人ひとりの表情をよく見て、子どもの思いを汲み取り、スキンシップをとったり、優しい言葉かけをするなど愛着関係を深められるように心がけています。
・一人ひとりの様子に合わせ、大きいブロック、音の出でる玩具、感触を楽しむ玩具等、安全で扱いやすい大きさの玩具を、子どもの興味に合わせて職員が用意しています。
・個々の子どもの発達に応じた個別指導計画や日誌、個人児童票があり、送迎時の会話や連絡帳、ホワイトボード等から子どもの生活リズム、体調、離乳食等を保護者と共有し、連携を密にしています。
・子どもが興味と関心を持ち自ら選んで遊べるよう、環境を整えることが期待されます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・遊びや生活の中で子どもが自分でしようとする気持ちを受け止め、見守りながら、自分でできた時は大いに褒め、できなかったときは寄り添いながら、自信につながるようにしています。
・絵本は自由に選んで読めるように環境を整えています。玩具は子どもの成長、興味、関心に合わせたものを整えて棚等にしまってあり、子どもにやりたい遊びを聞いて出しています。
・子ども同士の関わりの中で、職員はそばで見守り、必要に応じて仲立ちや代弁をしています。子どもがなぜそのような行動をとったか理由を推察し、自我を受け止め、抱っこ等スキンシップを取りながら子どもの気持ちを代弁するとともに、相手の気持ちに気づき、自分の言葉で伝えられるように努めています。
・朝夕の合同保育、土曜日保育等日常的に交流の場があります。栄養士や調理員、英語、習字、花育等の保育プログラムの専任講師等、保育士以外の園で働く大人とも積極的に関わる機会を持つようにしています。
・個々の発達に応じた個別指導計画や日誌があり、送迎時のやりとりや連絡帳、ホワイトボード、個人面談等で、保護者と情報を共有しています。
・子どもが探索活動を十分に行なえるような環境を整備することが期待されます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児は、集団遊びを取り入れながら、興味関心のある活動に取り組めるような環境を整え、友だちと関わる中で自分の気持ちを伝えられるようにしたり、集団生活の楽しさを味わえるように配慮をしています。
・4歳児の保育は、集団の中で自分の力を発揮し、友だちとともに楽しめるように集団遊びを積極的に取り入れています。友だちとの関わりの中で簡単なルールを知り、ルールを守ることでみんなが楽しく遊べることに気付けるようにしています。
・5歳児の保育は、友だちと協力して進めていき、達成感を味わえるような集団遊びを積極的に取り入れています。職員は、なかなか遊びに入れない子どもにも、集団の中で自己主張ができるように、相手の立場に立って考えられるように援助しています。
・書き初めや自由画等を保育室に掲示し、保護者に見てもらったり、職員が説明するなどしています。
・近隣の介護施設とは、ひまわりを一緒に植えるなどして交流しています。就学先の小学校には、運動会や発表会等、行事の開催について、園だよりを配るなどして伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・障がいのある子どもの状況に配慮した「障害児指導計画」を作成し、クラス全体の計画の中で、子どもができること、やりたいことに無理のない範囲で自主的に参加しています。日々の保育の様子は児童票、成長記録に記録しています。
・集団生活を共に過ごす中で、職員は他児と関わりを持っているときは見守り、必要に応じて間に入るなど仲立ちしながら子ども同士の関わりを大切にしています。
・送迎時や連絡帳、個別面談時に保護者から家庭での様子を聞き、園での様子を伝え、保護者の不安に寄り添った適切な援助に努めています。
・港南区こども家庭支援課やよこはま港南地域療育センターのケースワーカーの巡回相談を受け、関わり方についてアドバイスを受けたり、臨床心理士等に相談できるようにしています。
・職員は外部研修やキャリアアップ研修を受講し、障がいのある子どもの保育について必要な知識を得ています。
・重要事項説明書や入園・進級のしおりに、園の特長である医療的ケア児・横浜型医療保育、ユニバーサル保育、重症心身障害児、難病児等の障がい児保育の実施等について明記し、保護者に分かりやすく説明することが期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・各クラスの月間指導計画に「長時間にわたる保育」について記載しています。保育時間の長い子どもに配慮し週案/日案は子どもが安心して心地よく過ごすことができるよう、ゆったりとした計画になっています。内容は子どもの様子で必要に応じて変更できるようにしています。
・安全に配慮しながら、異年齢の子どもが一緒に過ごしています。体調に留意しながら、スキンシップを多くとり、子どもが安心して心地よく過ごすことができるように環境を整備し、どの年齢の子どもでも楽しめる安全な玩具や絵本、活動を用意しています。マットを敷いて絵本を読んだり、横になるスペースを作ったり、園庭で遊ぶなど静と動の活動を取り入れ、関わるようにしています。
・補食としてせんべいやクッキー等を提供しています。
・引き継ぎ事項は、職員同士が口頭で伝えるほか、「帰りのノート」に記入し、伝え漏れがあった時は翌日以降に伝えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画や5歳児クラスの年間指導計画の中に、小学校との連携(小学校教育との接続)が示されています。具体的な取組や内容については月間指導計画に幼保小のねらいを組み込み、就学に向けた取組が実施されています。
・小学校の庭にヒマワリの苗を植えに行ったり、近隣の小学校とのなかよし交流会では、1年生が小学校生活について話してくれたり、ランドセルを背負わせてもらっています。5年生とは学校探検やヒマワリの苗を植えるなどして交流し、子どもたちが小学校での生活に見通しを持てるようにしています。
・小学校の校長を懇談会に招いて、小学校生活について話をしてもらっています。また、きょうだいが小学校に入学している保護者に小学校の生活について話してもらう機会を設けています。
・5歳児の担任が保育所児童保育要録を作成し、上席職員が内容を確認して小学校に持参しています。また、小学校教諭が園を訪ねてきたり、電話等で個別にやりとりすることもあります。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理に関するマニュアル、感染症対応マニュアル・衛生管理マニュアル・嘔吐処理マニュアル等があり、それに基づいて子どもの健康状態を把握しています。
・保育中の子どもの体調悪化やケガについては、看護師が判断して保護者に連絡し、お迎え時に説明するとともに、翌日の登園時に家庭での様子を確認しています。
・看護師が中心となり保健計画を作成し、年間を通して子どもの健康管理を継続的に行なっています。
・職員は、入園時に保護者から提出された健康台帳や日々の会話、会議等で、子どもの健康状態に関する情報を共有しています。
・入園後の予防接種や疾病については、年度末に健康台帳を保護者に渡し、予防接種の状況を追記してもらい、子どもの健康に関する状況を把握しています。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)については、入園説明会や個人面談で説明しています。
・午睡の際は仰向きで寝かせ、顔色、胸の音に注意しています。0~2歳児は5分毎に呼吸チェックを行ない、午睡チェック表に記録しています。午睡中も電気をつけたままにし、顔色が確認できるようにしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・毎月の身体測定、年2回の内科健診・歯科健診、3歳児の視聴覚検査、3~5歳児の尿検査を実施しています。健康診断・歯科健診の結果は健康台帳に記録し、職員に周知しています。
・健診結果は保健計画に反映しています。看護師による歯磨き指導や手洗い、うがいの大切さを伝えています。また低身長、偏食等を受け、食育活動を行なっています。
・健診の結果は保護者に書面で知らせています。看護師が必要に応じて直接保護者に説明しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・横浜市の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に基づき、「食物アレルギー対応マニュアル」を作成し、子どもの状況に応じた対応を行なっています。
・入園面談、提出書類でアレルギーの確認を行ない、入園後は毎月アレルギー食の献立表を個別に配付し、保護者に確認してもらい、連携を密にしています。
・食事の提供の際は、献立表を読み上げてダブルチェックを行ない、口頭と目視で食材の確認を行なっています。食物アレルギーのある子どもは別テーブルで、トレイを使い、食器の色を変え、ラップをかけて最初に配膳しています。
・職員は、アレルギー疾患や慢性疾患の外部研修に参加し、年度始めの職員会議で確認を行ない、共有しています。
・アレルギー疾患について、子どもが理解できる範囲で伝えるほか、本人が意識できるよう声かけをしています。保護者には、入園・進級のしおりで食物アレルギーのある子どもへの対応等について説明し、園内に食べものを持ち込まないように伝えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食育年間計画を作成しています。年齢別に年間目標、ねらい(内容)、環境構成(援助)を設定し、子どもたちが食に関する豊かな体験ができるようにしています。
・子どもたちが友だちや職員と一緒に楽しい雰囲気の中で食事をすることを大切にし、職員は声かけをしながら介助を行ない、様々な食材を味わえるようにしています。
・0、1歳児クラスは、子どもが食べることに興味を持ち、手づかみでもしっかり食べることを大切にしています。
・食事は同じ量を盛り付け、2歳児は個別に量を減らすなど加減しています。3歳児から少なめに盛り付け、お代わりができるようにしています。
・職員は、苦手なものは無理強いせず、少しでも食べられたら褒め、食べられた喜びを味わえるようにしています。
・園庭で野菜を栽培し、生育の様子を観察し、試食する機会を設けています。できるだけ多くの種類の食材や料理を味わう機会を設け、健康と食べ物の関係について関心を持つよう取り組んでいます。
・毎月「きゅうしょくだより」を保護者に配付しています。給食のレシピや食に関する豆知識やクイズを掲載し、その月に合わせた内容を提供しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・食材の形状や柔らかさに気をつけて調理し、月齢でひとくくりにせず、一人ひとりに合わせた献立・調理の工夫をしています。毎日のミーティングで喫食状況を報告し合い、子どもの食べる量や好き嫌い等を把握できるようにしています。
・子どもの喫食状況と調理法・提供方法の改善は、職員会議で検討しています。残食については委託先で把握し、献立・調理の工夫に反映してもらっています。
・献立は旬の野菜や地域農家の食材を取り入れ、七夕のそうめん、クリスマスパーティメニュー等、季節感のある献立となるようにしています。また、「さつま汁」や「鬼まんじゅう(愛知の郷土料理)」等も提供し、地域の食文化にふれる機会になっています。
・委託先の調理員が子どもの様子を見たり、話す機会を設け、調理員が子どもの質問に答えることで、献立に興味を持ち、安心して食べることができるよう心がけています。
・HACCP(2020年6月に義務化された衛生管理手法)の考え方を取り入れた「衛生管理マニュアル」に基づいた衛生管理が適切に行なわれています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・0歳児は、複写式の個人連絡帳で詳細に子どもの様子を記載し、1、2歳児クラスは、個別の連絡帳で保護者に伝えています。また、全クラスの毎日の活動を、ホワイトボードに書いて保護者に知らせています。送迎時には、必ず保護者と直接顔を合わせる機会を設けて、家庭での様子を尋ねたり、園でのその日の子どもの様子を伝えたりして情報を交換しています。
・年1回の個人面談、年2回の保育参加・懇談会、運動会、生活発表会等の行事で、子どもの成長を共有する機会があります。
・家庭の状況、保護者との情報交換の内容は、個人面談記録や懇談会記録、経過記録等に必要なことを記録し、情報を共有できるようにしています。
・保護者からの日々の連絡は、朝のノート(0~5歳児、前日の体調の確認)、帰りのノート(0~2歳児)に記録して、職員で共有しています。3~5歳児は、子どもが自分で園での様子を伝えるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・個人連絡帳や毎日の活動の記録の掲示(ホワイトボード)で、日々の保育の情報を伝え、送迎時には挨拶をしてその日のエピソードを伝えてコミュニケーションを取り、保護者との信頼関係を築くようにしています。
・職員は、保護者にはいつでも相談できることを伝え、希望があれば面談時間を調整し、面談の際には、他の保護者に聞かれずに落ち着いて話せる場所として、事務室を案内しています。事務室の入り口にはスクリーンをかけ、中が見えないよう配慮しています。
・保護者の個々の事情に合わせて相談を受け、内容によっては複数の職員で話を聞き、相談内容は、個人相談記録に記載して、個別の園児ファイルに綴じ込み、継続的にフォローができるようにしています。
・保育士や看護師等が専門性を生かしたアドバイスや支援を行なっています。相談の内容によっては、港南区福祉保健センターやよこはま港南地域療育センター等と連携し、個々の状況に合わせて支援しています。
・送迎時に相談を受けた職員が適切に対応できるように、園長・主任から助言が受けられる体制になっています。相談内容によっては、主任が同席して対応しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

・送迎時の保護者の様子や保育中も含めた子どもの顔色、言葉、態度等について目配りしています。午睡前の着替えやおむつ交換の際に、原因の分からないアザやケガ、やけど等がある場合には確認をして、状況に応じて写真を撮っています。
・職員が虐待の疑いがあると感じた時は、複数の職員で確認し、園長、主任に報告し、職員間で情報共有するとともに、ケース会議を開いてその後の対応を協議しています。
・保護者の様子で気になることがあった場合には、声をかけてコミュニケーションを取り、保護者の不安な気持ちを聞いたり、相談を受けたりしています。
・気になる家庭に関しては、港南区こども家庭支援課と情報を共有し、横浜市南部児童相談所とも連携が取れる体制になっています。また、よこはま港南地域療育センターの巡回訪問時に、障がいのある子どもだけでなく配慮を要する子どももソーシャルワーカーに様子を見てもらっています。
・「虐待防止マニュアル」(子どもの虐待防止ハンドブック)が整備されていますが、マニュアルによる職員への研修の実施が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、ミーティング、乳児会議、幼児会議、職員会議等で子どもの様子を話し合い、日々の保育実践の振り返りをしています。月間指導計画には、自己評価(振り返り)欄があり、各担任が自らの保育実践について振り返りを行なっています。自己評価結果はクラス会議等で共有し、互いの学び合いや意識の向上に繋げるようにしています。
・職員は、自己評価にあたっては、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程に配慮して行なうよう心がけています。乳児会議、幼児会議では、その月の活動の様子を具体的に伝え合い、ディスカッションを通して職員間で意見を交換し合うことによってお互いの意識の向上につなげています。
・職員は、年1回、横浜市の「保育士の自己評価」「保育所自己評価」を実施しています。
・職員が自らの保育実践を振り返る中で、子どもの対応や保育内容について疑問や気づきがある場合は、話し合いを行ない、疑問点の解消、問題点の改善に取り組み、園全体の保育実践の自己評価につなげ、園全体の保育の改善や向上に取り組んでいます。