社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜市中部地域療育センター

2022年03月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター

② 施設・事業所情報
名称 横浜市中部地域療育センター 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 横浜市地域療育センター 定員 児童発達支援センター 50名、医療型児童発達支援センター 40名、児童発達支援事業所  12名 (週48名) 名
所在地 232-0007
横浜市南区清水ヶ丘49番地
TEL 045-253-0358 ホームページ http://www.aoitori-y.jp/yokohama-central-ryoiku/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1996年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 青い鳥
職員数
常勤職員:61 名
非常勤職員:37 名
専門職員
医師:1 名
臨床心理士:5 名
理学療法士:3 名
作業療法士:2 名
言語聴覚士:2 名
保育士:11 名
児童指導員:20 名
看護師:3 名
ケースワーカー:5 名
栄養士:1 名
臨床検査技師:1 名
学校支援担当:2 名
施設・設備の概要
指導室:15
(設備等):集団指導室、相談室、診療室、訓練室、水治療室、検査室、家族研修室等、駐車場など

③ 理念・基本方針
社会福祉法人 青い鳥~法人の理念~「道なきところに道を」                              ~法人のビジョン~
1.障害児・者が地域で育ち、地域で暮らすことを支援します。
2.障害児・者のライフステージに沿った伴走性を重視します。
3.質の高い専門的なサービスを提供できる人材を育成します。
4.医療と福祉が一体となった卓越した経営を目指します。

~横浜市中部地域療育センター運営方針~
私たちは、親子支援、家族支援、地域支援を療育の基本と考えます。そして、公正、公平、有用な地域療育を目指します。
1)療育内容を十分に説明し、その了解の上で、利用者の選択と自己決定を尊重します。
2)利用者の安全に配慮し、安心な療育を提供します。
3)利用者の暮らす地域に出向き、保育所、幼稚園、学校、地域活動ホームなどとの連携をとりな
がら、利用者とその家族の地域での生活を支援します。
4)療育の専門職として、現状に満足することなく絶えず技術の向上を心がけます。さらに、職員間の連携を大切にし、療育センター全体の質を高めます。
5)横浜市民によって支えられている療育センターです。効率良い運営を目指します。
6)運営協議会などの第三者の指摘を真摯に受け止め、療育センターの運営改善を絶えず図ります。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
横浜市中部地域療育センターは、心身に障害のある児童及びその疑いのある児童の地域における療育体制の充実及び福祉の向上を図るために設置されています。センターでは、(1)児童に対する療育訓練、(2)児童に関する相談及び指導、(3) 児童の医学的、心理的、教育的及び社会的な診断、治療、検査、判定及び評価、(4)地域への巡回相談及び指導の4つの事業を行っています。センターは、児童福祉法の児童発達支援センターと医療法の診療所の2つの施設から成り立っています。担当区域は南区、中区、西区となっています。
1 診療の在り方、個別・集団指導の在り方を検討しています。児童発達支援の考え方を導入し、多様性に合わせた療育指導を展開するための取り組みを、療育センタースタッフ全員で検討し開始しています。
2 早期療育にモデル事業を取り入れ、米国UCLAで開発されたJASPERプログラムを心理士を中心に研鑽を積みながら、その評価や個別指導を基盤にした療育の在り方を検討し、導入を図っています。
3 地域ニーズ事業を展開し、本人支援のみでなく、米国シンシナティにある医療センターで開発されたPCIT(Parent Child interaction Therapy )、そこから生まれた心理教育であるCARE(Child Adult Realationship Enhancement)を基本とした家族のメンタルヘルス支援に取り組んでいます。
4 保育所訪問支援事業で、中等度~重度の発達障害児に対して、アウトリーチ支援を実践しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/05/07(契約日) ~2022/02/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆子どもの個別性に配慮した、様々な療育支援の工夫を行っています
センターでは、診療のほかグループ療育や通園を運営し、子どもの健全な成長・発達と個性を伸ばす個別療育と社会性・協調性を育む集団療育を行っています。子どもの個別性に配慮し、子どもが自ら活動内容やおもちゃを選ぶ機会を設けるなど、子どもが自分で選び、決めることを尊重するほか、個々のコミュニケーション方法を職員間で共有し、子どもの意志表示を積極的に理解・受容することで、意欲を高め主体性を引き出す関わりに努めています。また、センター独自に様々な電動工具や木工機械を備えた工房を設置し、支援の実情に応じた安全で見た目にも統一感のあるパーテーションを自作するほか、子どもの特性に合わせ専門職の意見を反映した椅子・装具等を製作するなど、備品にも個別性を重視した対応を行っています。診察や身体計測などが苦手な子どもに対し、等身大イラストを用いて手順を分かりやすく伝えたり、ごっこ遊びを通じて診察場面をシュミレーションするなど、子どもが地域生活に円滑に順応するための様々な工夫を行っています。

◆保護者の心理的負担の軽減とともに、養育力を高めるためのサポートを行っています
センターの運営方針に「親子支援」「家庭支援」を掲げ、保護者支援にも力を入れています。診療までの待機期間中の保護者の不安軽減に配慮し、新規申し込み後はソーシャルワーカーが面談を行うとともに、必要に応じて心理士や保育士も相談対応を行っています。通園では、親子通園の療育場面を通じて子どもの特性を理解し、関わり方を学ぶことが出来るようサポートを行うほか、年間を通じて保護者向けの勉強会や家族同士の交流機会を設け、知識や技術・情報の積極的な提供に努めています。通園卒業後も、ソーシャルワーカーが中心となって相談に応じ、必要に応じて子どもの保育所・幼稚園、小学校等と連携し支援しています。また、センター独自の地域ニーズ対応事業として「メンタルヘルスサポート事業」を推進し、心理士が個別の相談に応じることで、不安感など保護者の心理的負担の軽減を図るなど、各々の家庭の養育力の向上にも取り組んでいます。

◆より良質なチームアプローチの実践に向け、センター全体で職員の資質向上に取り組んでいます
センターでは、診療所・通園課・地域支援課それぞれに専門職を配置し、子どもや保護者・家庭等の状況に応じた多面的な支援を行っています。通園では、保育士や児童指導員などのクラス担任が各専門職と相互に連携し、各々の専門性を活かした質の高い療育の実践に努めています。法人・センターとして職員教育と人材育成にも力を入れ、全体研修や階層別研修のほか、各職種の専門研修を実施して常に新しい知識・技術の習得機会を確保し、各々の専門性向上に努力しています。センターでは、所長のリーダーシップの下、PCIT(親子総合交流療法)やCARE(子どもと大人の絆を深める心理教育プログラム)など、新たな療育手法の導入に積極的に取り組み、今年度はJASPER(自閉症児の他者交流・社会性を高める療育プログラム)の実践をテーマにワークショップ形式の職員研修を開催し、グループワークを通じて事例検討を行っています。様々な研修機会を通じて組織全体の資質向上を図るとともに、個々の職員の自信やモチベーションアップにも繋げています。
改善を求められる点 ◆センターとして利用者の権利擁護に関する姿勢・方針を明文化することが期待されます
センター職員は対人援助の専門職として職業倫理を理解し、利用者の人権や思いを尊重した支援に努めています。また、子どもの羞恥心や保護者のプライバシー保護についても、配慮し対応を行うことを共通認識として日々実践しています。一方で、マニュアル等に具体的な配慮事項や意識・行動を明文化するまでには至っていません。人事異動や世代交代の影響を受けることなく、センターの職員一人ひとりが常に利用者の人権を意識し、組織としてさらなる権利擁護の認識を高めるために、倫理綱領の策定やマニュアル等に明文化するなど、センターとしての姿勢・方針の明文化と共有化を図る取り組みが期待されます。

【さらなる取り組みが期待される点】
◆地域の実情に即した、新たな療育体制の構築に向けた取り組みが期待されます
センターでは、社会情勢の変化や障害児数の増加、共働き世帯の増加など、療育ニーズの変化を受け、療育体制会議を通じて新しい療育のあり方に関する議論を重ねています。多様化する地域療育の課題への対応に向け、診療待機期間中の相談支援の充実化や初期療育対象児の受け入れ拡大、地域の児童発達支援事業所等との連携強化など、様々な対策を講じ意欲的に取り組んでいますが、初診申し込み数の増加や人員・設備の不足など、従来の基準では対応に限界が生じています。横浜市及び法人との協議を重ね、地域の実情に即した新たな療育体制の構築と充実化が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価機関の方々には、新型コロナウイルス感染症の流行による制約が多い中、複数回にわたる訪問およびオンラインでの調査・報告など丁寧に対応していただき、感謝申し上げます。また、職員の声にも耳を傾けていただき、職務に対する姿勢を高く評価してくださったことは、職員一同、大変嬉しく思いました。ご指摘いただいた課題は、すぐに解決に向けて話し合い、対策を実行し始めています。今後、さらに療育センターとしての使命を全うできるよう精進して参ります。
  福祉サービス第三者評価結果を通して、療育センターを客観的に見つめ直す貴重な機会であったと深謝いたします。職員が日々取り組んでいることを好意的に認めていただき、また至らない点については具体的対応を示していただきました。今後の療育センター運営に役立ててまいりたいと存じます。

横浜市中部地域療育センター
所 長 高木 一江

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人理念・4つのビジョンとともに、センターの運営方針として「親子支援、家族支援、地域支援を療育の基本に、公正、公平、有用な地域療育を目指す」ための6つの方針を掲げています。理念・方針はセンター内に掲示し、ホームページや案内文書等にも掲載して周知に努めています。職員には新人研修や年度当初の全体会等で説明するほか、運営方針をクレドカードとして全職員に配布し、常時携行を促しています。また、個々の目標管理面接の個人目標にも連動し、職員に意識付けを図っています。保護者には重要事項説明書等を用いて説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人として、小児療育相談センターや就労支援・援助センター等の医療・福祉に係る事業を広域的に展開し、行政機関や地域の関係事業所等と連携して障害福祉全体の動向を把握・分析しています。横浜市中区・西区・南区を管轄する指定管理者施設として、市及び各区の担当課と随時情報共有を行うほか、横浜市療育センター長会議や横浜市療育センター連絡会等の専門会議に参加し、療育全体の動向と最新の情報収集に努めています。法人及びセンター独自にも各年度の相談・診療件数、通園の稼働状況等の推移と統計を分析し、事業運営に反映しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

主任会議や管理職会議のほか、「中部療育センターあり方検討プロジェクト」など、センター内に複数職種が参加する検討の機会を設け、定例開催して運営課題の明確化と改善のための対策を協議しています。協議内容は法人本部と共有し、理事会や評議員会でも分析・検討して対処方針を定めるほか、横浜市こども青少年局や他の療育センターの運営法人と合同で開催する「地域療育センターあり方検討会」を通じて相互に意見交換し、横浜市全体の療育センター運営の方向性を協議しています。センターの改善課題は中期経営計画や事業計画に明示し、主任会議等で周知し、様々な対策に取り組んでいます。ただし、初診申し込み数の急激な増加など、従来の基準では対応に限界が生じていて、課題となっています 。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人として2019~2023年度の5ヵ年に亘る「第一期中期経営計画」を策定し、法人全体の事業運営の方向性と関連施設の現状評価に基づく重点課題、中期財務計画などを詳細にまとめています。センターの中期計画では、診療・療育の待機への対応及び療育システムの見直し、相談支援・保育所等訪問支援事業の拡大など8つの重点項目を掲げ、段階的に取り組むこととしています。一方、指定管理者施設として事業の実施可否や予算化など、横浜市との綿密な協議・調整が必要であること等を踏まえ、実施時期及び期間、工程等の明確化は難しい状況です。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

年度ごとに事業計画書を策定し、療育体制の見直しや人材育成、財務状況の健全化、地域の公益的な取り組み等、中期経営計画と連動した明確な施設目標を掲げています。事業計画の内容は、診療課・通園課・地域支援課など課ごとに実施するミーティングや会議等を通じて全職員に説明するほか、当該年度に取り組む事業の内容や具体的な数値目標等を示して、職員間で意識の共有化を図っています。また、地域ニーズ対応事業や横浜市モデル事業、法人モデル事業など、新たな療育課題に対応するための取り組みも計画に位置づけ、順次実行しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

各課で開催するミーティングや会議を通じて、各年度の事業の実施状況の検証を行うほか、次年度に実施予定の事業内容や役割分担等を「業務計画」または「運営計画」として課ごとに作成して明確化し、センター全体で共有しています。また、各課で作成した業務計画及び運営計画を主任会議で集約し、事業計画を策定して、法人本部に提示しています。年度事業計画の内容は、閲覧用ファイルに綴りセンター受付に常置するほか、センター内共通のPCネットワークを介して随時閲覧可能としています。課ごとに開催する会議等を通じて、全職員に説明し周知を図っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

センターの運営協議会で親の会の代表者等に事業計画の内容を説明しているほか、受付に外部者閲覧用の事業計画を配置して随時開示しています。年度ごとに「事業概要」を作成し、運営方針及び施設・事業の概要と各年度の事業報告をまとめ、ホームページで公表しています。通園の保護者に対しては、年度ごとに作成する「通園のしおり」を通じて当該年度の事業内容や療育体制等を説明するほか、親の会で利用者に直接関係する事業計画の内容を選定して説明しています。一方、事業計画の説明や掲示は行っていないほか、新型コロナウイルス感染症による運営状況の変更等に伴い、事業概要の更新も停止しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

センター内の各課それぞれで年度の取り組み状況を振り返り、次年度の運営計画を策定する流れを形成しているほか、センター全体の事業の実施状況を主任会議や管理職会議で検証し、次年度の事業運営に反映するしくみを構築するなど、PDCAサイクルに基づいてサービスの改善を図る組織体制を確立しています。通園では、毎年保護者アンケートを実施するほか、「事業所自己評価シート」に沿って年度ごとに自己評価を行い、課題と改善策の明確化を図り、日々実践に努めています。横浜市の指定管理者として、定期的に第三者評価を受審もしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

診療、通園など各課で毎月会議やミーティングを開催し、業務の実施状況について協議するほか、年度末に振り返りを行い、課題を明確化して次年度の事業目標に位置づけ、各課の業務計画や運営計画に反映しています。「中部療育センターあり方検討プロジェクト」を発足し、各課の業務状況や稼働実績、支援件数等の統計・分析を行うとともに、各課の課題を集約して検討し、事業計画の内容に反映しています。また、センター内に留まらず、横浜市の療育全体に係る運営上の課題は、法人開催の運営会議や横浜市主催の「療育センターあり方検討会」等で提言しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

所長は年度当初の全体会を通じて事業計画書の内容を説明し、療育に関する方針や事業運営の方向性を示すほか、ホームページや事業概要にも療育の方針や信条を掲載して、自らの所信表明を行っています。管理者の職務内容や職責は、職務分掌や運営規定のほか、人事考課規程に職員の等級別職務グレードの一覧表を明示し、職員間で共有化を図っています。災害や事故発生時の対応マニュアル及び連絡体制のフローチャートを策定・活用し、有事の連絡体制及び指示系統、管理職不在時の権限移譲を明確化して、職員間で認識を共有しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターの法令遵守責任者に所長を選任するとともに、各種事務規程において、関係機関との適正な関係性の保持を明示しています。就業規則・服務規律において、法人が定める規程・規則の遵守を義務付け、ハラスメント等の不適切行為の禁止を明示しているほか、個人情報保護や権利擁護に関する方針等を明文化して全職員に周知し、組織全体で法令遵守の徹底に努めています。所長をはじめ、各課の管理職は法令遵守に関する法人内外の勉強会や研修に参加し、最新情報の収集に努めるほか、内部研修や会議等の機会を通じて全職員に周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

所長は、センターの管理業務とともに児童精神科医として診療にも従事し、センターの運営全般に関する質向上に努めています。児童精神医学に関する様々な学術研究機関の会合等に参加し、最新の医療やリハビリテーションに関する知識・技術の習得に努めるほか、専門職のさらなる熟練に向けた研修受講や資格取得を推奨するなど、スペシャリストの育成にも力を入れています。センターの大規模改修工事に伴う休所期間を有効活用し、新たな療育手法を用いた職員研修をワークショップ形式で開催するなど、療育支援の質向上に意欲的に取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

人事・労務・財務等に関するセンターの運営状況は、管理課長を中心に統計・分析し、所長と情報を共有して法人本部に報告しています。報告の内容は、法人の運営会議等を通じて法人内の各療育センターと情報を共有し、中期経営計画に反映して法人内共通の課題として位置づけ、改善に努めています。また、事業計画に反映し主任会議等を通じて全体周知するとともに、各課の年度目標等に取り入れ、ミーティングや会議等でも説明し業務実効性の向上に繋げています。職員の休暇取得や時間外労働の最小化など、労働環境の改善にも努力しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

横浜市の指定管理者として基準に基づく職員配置を実施するほか、法人独自に加配を行い、支援体制の充実化に努めています。医療・福祉の有資格者を必要数配置し、育児休暇等で欠員が生じた場合は随時非常勤職員を採用するなど、必要人員を確保しています。法人内共通の人材育成計画に基づき、段階的な職員の育成も行っています。法人事業の積極的な情報発信と次代の福祉人材の確保・育成に向け、毎年定例で「青い鳥セミナー」を開催し、障害児者支援の基礎講座や業務内容等の紹介を行っています。令和3年度は感染防止に配慮し、Webによるオンライン開催としています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

人事考課制度を導入し、人事考課規程に基づいて給与体系と昇降格基準を明確化しています。人事考課シートを活用し、職員ごとの年度目標と達成時期、行動計画を具体化して明示するとともに、意欲評定と能力評定、実績評価の組み合わせによる総合的な評価を実施しています。また、各職種の専門性や業務特性に応じた意欲・能力評定の基準を用い、より正確に人事評価が行われるよう配慮しています。毎年定例実施の意向調査を通じて、職員から要望を聴取し実務に反映していますが、職員が将来の姿を描けるキャリアビジョンの構築は今後の課題となっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

管理課長を中心にセンター全体の労務管理を行っています。安全衛生委員会を発足し職場内の労働安全衛生について協議を行うほか、休暇取得の推奨や時間外労働の最小化など、職務環境の適正化に努めています。法人内の各事業所にハラスメントの相談窓口を設置し、随時相談対応が可能な体制を整備しています。ワーク・ライフ・バランスに配慮し、産休等の取得や時短勤務の希望等に応じるほか、福利厚生の充実化にも配慮しています。一方、障害児・共働き世帯の増加など、療育ニーズの変化に伴う職員負担の増加や人員不足の深刻化等の実情を踏まえ、センターとしてさらなる労働環境の改善が必要と捉えています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「人事評価(意欲評定と能力評定)」に求められる職員像を示し、組織全体で認識共有を図っています。一般職・専任職・管理職など、職員の階層別に「求められる勤務態度」として規律や責任などの期待水準を示すほか、職種別に「求められる職務遂行能力」として、知識・技術、判断力・提案力等の水準を明示しています。法人理念及びセンターの運営方針に沿って職員ごとに年度目標を設定し、目標設定シートに目標と達成時期、行動計画等を記載するほか、定期的に実施する目標管理面接を通じて、上長と職員で進捗確認と達成度評価を行い、各々が着実にスキルアップできるよう配慮しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「人事評価(意欲評定と能力評定)」において、職員の階層別・職種別に求められる勤務態度と求められる職務遂行能力を明示し、全体研修を通じて職員に周知しています。各種療法士や保育士等の専門資格の所持を採用条件としているほか、児童発達管理責任者等の資格取得を管理職の昇格要件に位置づけるなど、組織運営に必要な専門資格・技術を明示し、センター全体で認識の統一化を図っています。人材育成委員会を設置し、研修計画の策定と企画・運営を実施するほか、職員の要望等を踏まえ研修成果の検証と見直しを行い、次年度の研修内容に反映しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人共通の職員教育・研修体制を構築し、入職後3年間の新人研修のほか、全体研修・階層別研修・職種別専門研修の3つを体系化し、法令遵守や組織運営、専門性の向上など、職種や職務経験等に応じた段階的な職員教育・育成を行っています。また、非常勤職員に対しても、一定の勤務時間数を満たす場合は常勤職員と同様の研修を実施するほか、子どものケースカンファレンスや各種ミーティング等にも参加し、知識・技術の習得を図っています。研修の情報は課ごとに回覧等で周知し、可能な場合は各々の要望を反映して、外部研修等への派遣も行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

法人共通の実習生受入規程に基づき、保育士や言語聴覚士、公認心理師、作業療法士等の現場実習の受け入れを行うほか、横浜市立大学付属市民総合医療センターから研修医の臨床実習を受け入れています。実習担当者に各課の主任を選任し、養成校との連絡調整を実施するほか、実務を通じて次期実習指導者の育成も行っています。センター独自の実習プログラムを用い、療育に関するより深い理解・考察が得られるよう工夫しています。なお、法人及びセンターとして、実習生など福祉サービスに関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢を明文化することが望まれます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページで理念や設立経緯・沿革、運営施設等を詳しく紹介し、決算報告及び資金収支予算書、中期経営計画(2019~2023年度)、年度事業計画などの情報も公開して、運営の透明性確保に努めています。センターのホームページでは、運営方針のほか保護者向け勉強会、就学関連の資料・動画等を掲載しています。定期的に第三者評価を受審し、評価結果は福祉医療機構の総合情報サイト等で閲覧が可能です。苦情の対応結果は、第三者委員を介した場合に事業報告や事業概要等で公表することとしていますが、事例がないほか、ホームページの事業概要は情報更新されていません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務管理規程や経理規程、文書取扱規程など、法人共通の各種規程を用いて、適正な組織運営のためのルールを明確化しています。各規程類は、PCを活用した情報共有システムを通じて全職員が随時閲覧できるようにしています。法人の監事による内部監査のほか、会計監査法人による外部監査も定期的に実施して、運営の適正化を図っています。社会保険労務士など外部の専門家による助言・指導を取り入れ、経営改善と効率化にも努めています。法人のホームページで社会福祉法人現況報告書や各年度の決算報告及び監査報告書、収支予算書を公表しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人理念・ビジョンには「障害児・者が地域で育ち、地域で暮らすことを支援します」とあり、中部地域療育センター運営方針には「公正・公平・有用な地域療育をめざす」とあり、地域包括支援を掲げ明文化しています。外来待合室には、訓練会、兄弟児の会、地域子育て支援拠点などのお知らせ等を掲示し、地域情報を提供しています。担当区内のケアプラザに相談員が出向き、子育て支援や障害児、発達障害、療育などについて理解して貰うための講座を開き地域住民に学びの機会を提供し、人々の理解を得ることが出来るようにしています。個々の利用者のニーズに応じて地域で過ごせる場を知らせる情報発信を行っていますが、地域との交流はおこなっていません。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

「ボランティアのしおり」には、「療育センターと地域のかけ橋となって頂くことを期待する」という基本姿勢が明文化されています。ボランティアの受付はソーシャルワーカーが行い、マニュアルに沿って、活動内容・子どもたちと接する時の留意点や感染症対策・個人情報保護の重要性などを説明しています。おもちゃ修理のボランティアが月1回センターに来ています。教材作成のボランティアには材料を郵送して自宅で作成をしてもらっています。次世代の職員や地域住民の育成の観点から、近隣の高校からのボランティア導入などが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の関係機関・団体・事業所などのリストをソーシャルワーカーが作成し、福祉相談室で保管しています。個々のニーズに応じて勉強会などで紹介し説明しています。保育所・幼稚園の巡回相談、小学校の研修・コンサルテーションや各区の障害者自立支援協議会など多数の会議に参加して、積極的に情報交換と連携を図っています。中区障害者自立支援協議会では親の会と協働で「障がい児のためのポレポレマップ」というパンフレットを作成し、区内の関係機関や施設等に配布し活用できるようにしました。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

「運営協議会」を主催し、横浜市こども青少年局・各区の福祉保健センターや地域の保育所・幼稚園、児童相談所、特別支援教育総合センター等が参加して、それぞれの立場からの意見や要望を聞いています。また、地域の保育所・幼稚園への巡回訪問時に地域の福祉ニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

把握した地域ニーズに基き、研修会などに講師を派遣しています。グループ療育が開始するまでのの期間、安心して過ごしたいという利用者ニーズに対応して、グループ療育の期間を工夫しました。保護者、兄弟、支援者を対象としたメンタルヘルスサポート事業を心理士を中心として行っています。また、地域の保育所・幼稚園の巡回指導や小学校に出向き、個別ケースに関するコンサルテーションに応じるなど専門機関として地域ニーズに応えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

中部地域療育センター運営方針に「利用者の選択と自己決定を尊重します」として、センター入り口に掲示すると共に、全職員にクレドカードを配布し、いつでも確認できるようにしています。全職員が利用者を尊重したサービス提供ができるように各課ごとの研修で指導しています。通園課の入園のしおりに通園療育のねらいとして「・・・一人一人の子どもに応じた療育支援を行います。」とあります。地域支援課の業務マニュアルには、「『すべての人は平等』であり、『価値ある存在』であり、『尊厳を有している』ことを尊重しなければならないという基盤がある。」と明記していますが、今後、福祉事業所としての療育センターの「倫理綱領」等を作成し、「利用者尊重」「基本的人権の尊重」について、明文化して標準的な対応方法について周知することが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:c】

保護者からの相談には空き部屋を利用して対応したり、診察室・訓練室・療育の部屋は一人ひとりの利用者に相応しい場を提供するよう工夫しています。色や高さをそろえたパーテーションで区切り、着替えの時も個人に応じて落ち着ける場を提供するようプライバシーに気を配っています。子どもの羞恥心に配慮し、特に女児の排泄には同性介助を意識して行っています。今後は、経験豊富な専門職集団の中で人材交代が行われても、同じ様にプライバシーに配慮した対応が出来るよう、療育センターの特性とあり方を踏まえつつ、子どもや保護者のプライバシーを守る為の基本姿勢を明文化することが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

ホームページに「運営方針・施設概要・利用の流れ」をアップし誰でも分かりやすく資料を入手することが出来ます。中部療育センターのリーフレットは、言葉や写真を使ってわかりやすく作成し、区役所などにおいています。ソーシャルワーカーが説明する時には、利用者のニーズに合わせていくつかのバージョンに分けて工夫し、作成したパンフレットを使い説明をしています。見学は希望があれば対応しています。利用説明会の前には、その都度、その時に応じた資料を通園課で作成し直しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

サービス開始前に早期療育では、オリエンテーション時にスライドとしおりを用いてサービス内容を説明し、同意を得ています。通園課のサービスや児童発達支援事業所「フルール」では、利用前に重要事項説明書を利用してサービス内容及び利用者の選択と自己決定を尊重する運営方針などについて説明し同意を得ています。外国籍の方に通訳を紹介したり、個別に対応が必要な方には相談課が個別に対応するなど配慮しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

集団療育等の終了後、外来で医師やリハビリ専門職の診療や訓練を継続できることを書面にして事前に渡しています。就学後も医師や地域担当のソーシャルワーカーにいつでも相談できることを伝えています。個別支援計画書の最後にはまとめを記載し保護者に渡しており、民間の事業所に移る時などは、保護者を通じて見てもらうようにしています。就学後も学校からの依頼があれば、ソーシャルワーカーや心理士職が学校に助言できることを就学前に書面で知らせています。保護者から希望があれば、幼稚園や学校へ保護者を通じて申し送り書を渡しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

通園課および児童発達支援事業所「フルール」では、毎年年度末にアンケートを実施し、職員の自己評価と合わせて分析を行い、次年度の取り組みに反映する仕組みがあります。また、様々な勉強会のあとには必ずアンケートを取り、満足度を把握して次年度の取り組みに反映しています。どのサービスも年に複数回保護者とクラス担当者との個別面接を実施し、個別の支援に対する利用者満足度を把握しています。親の会「虹の会」には主任が参加し要望を聞いています。運営協議会には親の会の代表も参加し事業運営に関する検討に参画しています。把握した情報を分析、検討して改善につなげています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「社会福祉法人青い鳥苦情対応規定」があります。各サービスの重要事項説明書にも苦情受付体制が記載され、説明し配布するとともに、センター内の各掲示板に掲示しています。中部療育センターとしても苦情申出書から終結に至る書式を整備し、苦情を組織内で共有する流れを整備しています。苦情受付に基づいて適切に対応している記録を確認することができましたが、今後は、苦情の公表が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者や保護者が相談したいときには、クラス担任、担当主任、地区担当ソーシャルワーカー以外にも他の課の主任や管理職に直接話をすることが出来ることを説明し、利用者に周知しています。第三者委員、横浜市福祉調整委員会、かながわ福祉サービス運営適正化委員会などに相談出来ることを重要事項説明書で説明し、館内にも掲示しています。相談があるときは、空き部屋を適宜利用し、プライバシーに配慮した場所で安心して相談や意見を言うことができます。今後は、気軽に苦情等を伝えられるよう、意見箱等の設置が望まれます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

日々職員が受けた利用者の意見は、主任会議を臨機応変に開き迅速に対応しています。また、アンケートに基づいて課毎に集計・分析し、「自己評価シート」で振り返りを行い、改善への取り組みを文書化し、新たな取り組みにいかしています。また、接遇に関する意見に対しては個別に接遇研修を受け、その後管理職が面接を重ねて改善を確認するなどきめ細かい対応をしています。マニュアルの見直しも行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネージメントに関する責任者は所長です。防災委員会、安全衛生委員会が組織されており、定期的に会議が開催されています。事故発生時の対応については「緊急時対応マニュアル」があり、各部屋の分かりやすい場所にフローチャートを掲示し、各課のミーティングで周知しています。事例の収集は各課で前期・後期に分けてまとめ、主任会議で分析し、その後各課の職員にミーティングを通じて周知されています。年度初めに、通園課では、考えられる事故をシミュレーションした対応を検討し、全職員が対応できるよう研修を実施しています。事故、ミス、ヒヤリハットは所定の書式で担当者から主任を通じて所属課長に報告され、主任会議で共有し、各部署の職員に周知しています。事故事例は市や法人本部に報告をしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症予防マニュアルがあり、感染症対策についての責任者は医師である所長です。安全衛生委員を毎月開催し、感染症に関する体制の整備を話し合い、各課の職員ミーティングで周知しています。特に新型コロナウイルス対策については、横浜市のマニュアルに基づき所長を中心にセンターでの対応方法を作成し、主任会議を通じて文書で各課に周知しました。保護者にも協力依頼の文書を配布し、換気・消毒・除菌の方法を掲示しています。全室に空気清浄機を設置し、空調管理にも気を配っています。吐瀉物処理研修は毎年新人向けに行いますが、11月には現場実習を全職員で行っています。インフルエンザ等の感染症が発生した場合は、クラス名、バス名を公表してメールを配信し周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

防災委員会を毎月行っています。所長不在時は、管理課長が責任を代行します。地震・津波や火事を想定して、園庭での対応やプールでの対応などに分けたわかりやすいマニュアルがあります。保護者には入園のしおりや重要事項説明書で災害対応について記載し、災害ごとの避難場所やお迎えのお願い、災害用伝言ダイアルの利用方法の説明をしています。防災計画を整備し、避難訓練は毎月、総合防災訓練は年2回実施しています。消防署立ち会いでの避難訓練や、同じ建物にある清水が丘地域ケアプラザと合同の避難訓練も実施しています。児童発達支援事業所フルールでは「浸水ハザードマップ」「大雨から身を守るために」を準備し、障害者自立支援協議会の防災研修に参加し伝達研修も行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

地域療育センターは専門家集団であり、各部署ごとに業務が違うため、標準的な業務マニュアルは部署ごとに作成しています。それぞれの部署では、随時手順の見直しを行っています。マニュアルは、各部署で大切にしていることや支援の工夫の仕方などを記載し丁寧に作成しています。利用者の特性を理解した専門家としての対応の仕方が詳しく記載されています。今後は、「利用者の尊重」「プライバシー保護」「権利擁護」などに関して、センターとして明文化することが期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

各部署のマニュアルは、それぞれのミーティングや会議で話し合い変更しています。各サービス終了時にアンケートを取り、その結果に基づき見直しをしています。個別支援計画は前期・後期終了後に振り返りを行い、個別ケースへの対応についての見直しに生かしています。通園課では毎年保護者・職員アンケートを基に自己評価・振り返りを行い、次年度のプログラムやサービス提供のあり方を検討しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は、各サービスに応じて、児童発達管理責任者が責任をもって作成しています。アセスメントは、利用開始前にサービスごとに異なる書式で行なう保護者アンケートで行います。ソーシャルワーカーが作成する相談支援計画を踏まえて利用者一人ひとりの特性やニーズに合わせて担当者が原案を作成し、児童発達管理責任者・園長が確認して作成しています。必要に応じてソーシャルワーカーが中心となり、理学療法士、看護師、言語聴覚士、作業療法士など関係職種が集まり、多職種で意見を出し合います。他機関の支援が必要なケースの対応にはソーシャルワーカーが窓口となり区福祉保健センター・児童相談所などと連携して対応しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は、サービスごとに長期目標に基づき、前期の目標や具体的な支援内容を踏まえて作成し、保護者に説明・同意を得て支援を開始します。開始後、日々観察とモニタリングを実施・記録し、前期の支援内容を振り返ります。目標の達成具合を確認し、後期個別支援計画の案を職員間で話し合い、児童発達支援管理責任者が確認し、作成したものを保護者面談で説明し同意を得て実施しています。目標が子どもの状況に合わない場合は保護者と再度話し合い、途中で目標や計画を変更することも出来るようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

各部署毎に記録様式を作成し、記録しています。部署ごとに書式の見直しは定期的に行っています。個別支援計画のモニタリングをするという視点で日々の記録をしています。他職種による情報共有が必要なケースは診療記録に各自記入することで共有しています。他の専門職の意見を聞きたい時はコンサルテーションを気軽に依頼し意見を柔軟に貰えるようになっています。必要に応じて申し送り書を利用して情報を共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の「個人情報保護に関する規定」以外に、「横浜市中部地域療育センター個人情報保護と開示に関する取扱い要綱」があり、個人情報管理責任者は所長で、個人情報管理者は管理課長、通園課園長、地域支援課長です。個人情報記録項目、安全対策、廃棄、研修などについて明文化されています。個人情報の取扱いについては、重要事項説明書を使って、利用開始前に保護者に説明・同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本方針に「利用者の選択と自己決定を尊重」を掲げ、様々な場面で子ども・保護者の意向を把握し、必要な情報提供と選択肢を提示し主体的に意思決定ができるように支援しています。療育の利用の決定等の場面では、保護者の思いに寄り添いながら、子どもの状況を伝えて選択肢それぞれのメリット、デメリットも含めた情報を客観的に提供して相談にのり、保護者が自己選択できるよう支援しています。通園では、2つのおもちゃを呈示して選択したり、遊びたいおもちゃを出してもらうように職員に伝える機会を多く設定し、子どもが自己選択して伝える経験を重ねることで、主体的に生活していくための基礎作りをしています。言葉でのコミュニケーションが難しい子どもには、絵カードや写真、実物等を用い、子どもが意思を表出できるようにしています。好きな遊び等子どもの好みを保護者から聞き取り、活動に取り入れています。保護者にも子どもが自分でできる姿を実際に見てもらい、環境設定や関わり方を学べるようにしています。知的な遅れがない発達障害の子どもを対象とした児童発達支援事業所「フルール」では、順番や交通ルールなどについて話し合う機会を作っています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

センターの倫理綱領はありませんが、専門職ごとの倫理綱領を用いて部課ごとに研修や振り返りを行い、権利擁護の視点にたった支援を実践できるように努めています。法人研修等でも権利擁護について取り上げ、確認しています。虐待対応マニュアルを整備し、職員に周知しています。職員は子どもと保護者の様子を見守り、虐待等の早期発見に努めています。「不適切な養育防止委員会」を設置し、虐待等不適切な養育を疑われるケースについて情報共有し、対応について協議しています。また、虐待防止と早期発見・対応に向けたセンターの役割や他機関との連携等も協議しています。利用者に対しては、重要事項説明書に対応方法を記載し、利用開始時に保護者に説明しています。通園では、今年度から主任会議のメンバーで「虐待防止委員会」を組織し、具体的な事例をあげて職員の利用者への関わり方が適切であったか検討しています。虐待防止ミーティングで、園バス使用時の腰ベルトの使用等の具体的な場面をあげて安心・安全面からも検討し、保護者にも確認して、個別支援計画に落とし込み、実施しています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターの新規利用時は、ソーシャルワーカーが初回面談し、子どもの生育歴や心身の状態、要望等を聴取しています。グループ療育や通園では独自のアセスメントシートを用いて利用者の状況を把握し、個々の課題に沿った目標を設定して支援しています。指導室は、パーテーション等を用いて空間を仕切り、視覚的にも分かりやすい導線を設定しています。その日のスケジュールを掲示し、絵カードや写真等、個々に合わせた手がかりを用いて担任が子どもと一緒に確認し、見通しを持って次の活動に移れるように支援しています。身体検査が苦手な子どもに、本番前に人体の模型を用いてクラスで身体検査ごっこをするなど、子どもが先の見通しを持ち、やりたくないことも参加できるように働きかけています。朝の会で着席して担任の話を聞いたり、支度や片付けなどの日々の動作を通して、子どもが自立・自律した生活に向けた基礎を身に付けられるようにしています。保護者に対しては、クラスで福祉制度や社会資源について勉強会を行うほか、自助具や座位保持椅子等の選定、制度の活用に向けた支援など、各専門職が連携して必要な支援をしています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況を踏まえて、各診療科の専門医の治療方針に基づき、言語聴覚士や臨床心理士、作業療法士等の専門職が検査・評価を実施して、個々の状況に応じた支援をしています。通園では、医師や専門職などの評価結果を基に多職種のコンサルテーションを受けて個別支援計画に落とし込み、コミュニケーション能力を高められるように支援しています。避難訓練前にはビデオを見せたり、身体測定前には人形を使ってごっこ遊びをするなど、視覚的で分かりやすい方法を工夫し、子どもが理解し、見通しを持てるように支援しています。意思表示が難しい子どもには、多職種で連携して評価をし、身振りや絵カード、写真、視線など、子どもが理解できるコミュニケーション手段を獲得できるように支援しています。医療型児童発達支援では、音が出るスイッチ等のコミュニケーション機器も用いています。個別支援計画に、理解、表出とともに対人についての目標も設定し、お代わりやおもちゃなどを自分で選択して意思表出したり、担任に困ったことを伝えて助けを求めるなどの経験を重ねることで、子どもが他者を意識し、人と関わる意欲が育つよう支援しています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

センターでは、ソーシャルワーカーを複数配置し、地区担当制で個別の相談に応じる体制を整えています。保護者からの相談には、ソーシャルワーカーをはじめ、必要に応じて各専門職も面談の機会を設けています。センター内に行政や関係機関の情報や制度の紹介、地域資源など様々な情報を掲示し、必要な保護者には個別にも提供しています。通園では、年3回の個別支援計画作成時の個人面談のほか、保護者から相談があれば随時面談を設定し、悩みや不安を聞き取り、相談にのっています。必要に応じて担任だけでなく、主任や園長も保護者との面談に立ち合っています。また、連絡帳や電話でも随時相談に応じています。相談内容は、個人記録にファイルするとともに、内容によっては専門職も交えて話し合い、対応を検討しています。子どもに対しては、意思決定や選択の機会を多く設定し、個々に合わせたコミュニケーション方法で自分の意思を表出できるように支援しています。活動に参加したくないなど子どもから訴えがあった場合には、その原因を探り、環境を見直すなど対応しています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

通園課では子どもの興味や関心、保護者の意向等を踏まえて個別支援計画を策定し、子どもの一人ひとりの目標に沿った様々な活動プログラムを実施しています。課題に沿った机上課題を個別に行うとともに、集団療育として、サーキット運動やゆれ遊び、季節の製作、机上遊びなど様々なプログラムを用意しています。製作等は同じ内容でも、個々の目標に応じて内容や量を調整しています。自由遊びでは、子どもの興味・関心を広げられるような遊びを取り入れています。週5日通園のクラスでは、クリスマスや豆まきなどの季節行事を実施し、全体集会として4クラス合同でダンスを楽しむなどし、子どもが慣れた環境の中でいつもと違う経験ができるようにしています。現在はコロナ禍のため実施していませんが、遠足や親子レクリエーション等も行っています。センター内に、地域の子ども向けイベントやおもちゃ文庫などの情報を掲示し、保護者に情報提供しています。また、中区の障がい児子育て情報「ポレポレマップ」を置いています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、職種別研修や部門ごとの勉強会などを通し、障害に関する専門知識の習得と向上を図っています。所長によるワークショップには通園課を中心とした診療や外来などの専門職も参加し、最新の療育手法の講義とグループワークによる事例検討をしています。最新の情報を得たことで療育手法の向上が図られるとともに、チームとしての団結が深まる効果がでています。子どもが活動に参加しないなど不適応が見られる際には個別対応して子どもの様子を観察し、保護者からも聞き取りをして要因を探り、子どもが安心を得られるように環境調整を行うなどしています。併行通園しているクラスでは、保育所・幼稚園の行事が集中する時期に不適応行動をする子どもが多いことから、センターでのプログラム内容を軽くするなど工夫しています。クラス分けは、子どもの障害特性や目標、体験保育等で把握した子ども同士の相性等を考慮して行っています。子ども同士のトラブルの際には、グループ分けを変えたり、活動の人数を調整したり、プライベートスペースで個別対応するなどしています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

給食は、栄養士が家庭で応用できるような献立を作成し、外部の委託業者がセンター内の厨房で調理しています。普通食の他、経口接種準備食などの特別食事形態食を用意し、摂食外来の医師の指示に基づき提供しています。子どもに合わせて食具や食器、椅子やテーブルの高さ等を調整しています。食事時には、看護師や作業療法士、言語聴覚士が応援に入り、摂食状況を評価し、とろみやカットの仕方を調整するなどしています。コロナ禍以前は、担任も一緒に食事し、楽しい雰囲気作りをしたり、食事マナーを伝えるなどしていましたが、現在は食事場所を分けたり、パーテーションを設置する等の感染防止策をしています。食物アレルギーのある子どもには、主治医の意見書の指示に従い、除去食や代替食を提供しています。安全に提供できるよう、毎月栄養士と保護者で献立を確認し、アレルギー対応マニュアルの手順に沿ってダブルチェックする体制を整えています。排泄は個々の子どもの状況に合わせて支援し、お漏らしなどで汚れた場合には、清拭をしています。児童発達支援事業所「フルール」では、就学に備えて定時にトイレに行く練習をしています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

清掃は、共有部分については外部の業者に委託し、通園の療育室は担任が清掃・消毒を行っています。新型コロナウィルス感染症対策として、空気清浄機、サーキュレーターを設置し、常時窓を空けて換気し、おもちゃや教材は使用後には消毒しています。廊下に授乳スペースを設置するなど、利用者のプライバシーへの配慮もしています。屋上園庭があり、肢体不自由な子どもでも安全に利用できるブランコや傾斜がなだらかで幅が広いローラー滑り台が設置されています。指導室は、仕切りを用いてプライベートスペースを確保し、子どもが集中して個別の課題に取り組んだり、落ち着いて過ごすことができるようにしています。仕切りは、センター内の木工室で職員が手作りしていて、高さも2種類に統一し、視覚的にも落ち着いた雰囲気を作り出しています。週5回クラスでは、家庭訪問をして家庭環境を確認し、多職種で連携して必要なアドバイスや支援をしています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの心身の状況は、医師の診察結果や専門職による検査・評価を基に、子どもの療育課題に応じた訓練実施計画を策定し、心身機能の改善に向けた支援を行っています。訓練計画の内容は必ず保護者に説明し、同意を得ています。各専門職が参加して子どもの支援に関するカンファレンスやミーティングを定期あるいは随時に開催し、訓練経過の評価・見直しを実施して段階的にレベルアップ出来るよう支援しています。通園では、作業療法士や心理士によるクラス評価に基づいて子どもの状況を把握し、個々の課題に応じた目標を設定して、運動や学び、創作活動など様々な活動プログラムを策定して支援しています。就学前には横浜市特別支援教育総合センターでの心理評価を案内し、その結果を基に必要な就学支援をしています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康状態は、診療の際の問診や検査を通じて状態を把握するほか、子どもの成長や発達、障害や疾病の状況に応じて定期の健康チェックを行っています。通園では、週2回以上登園する子どもを対象に、内科健診と歯科健診、身体計測、尿検査、耳鼻科健診、視覚検査を実施しています。身体測定の結果を受けて栄養士による栄養相談で食生活のアドバイスをしたり、トランポリンや階段の上り下りなど家庭でできる身体を使った遊びを提案するなどしています。通園では連絡帳を活用し、登園時の状況と家庭の様子を相互に情報交換しています。登園時に担任が子どもの健康状態を確認し、検温をするとともに、通園担当の看護師がラウンドして確認しています。医療型児童発達支援では看護師が常駐し、毎朝バイタルチェックをしています。子どもの怪我や体調変化などには、看護師・園長で状態を確認し、緊急時マニュアルに沿って迅速に対応しています。子どもの精神・発達に関する保護者向け勉強会を開催するほか、随時看護師が保護者からの健康相談に応じています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

所長を医療安全の責任者として、医療的ケアの対応方針を明確化し、通園課の看護師が中心となって医療的な支援を実施しています。医療的なケアや医療的な配慮が必要な子どもには、所長、園長、主任、看護師、担任、作業療法士、栄養士等による医療ケアミーティングを開催して情報共有し、緊急時対応や、危機管理体制等について検討しています。服薬管理は原則行わない方針ですが、必要に応じて医師の指示書に基づき服薬支援を実施しています。毎回薬を持参してもらってクラスでチェックして受け取り、看護師が管理しています。保護者と協議して緊急時に備えて小児用抗けいれん薬等の処方薬の預かりもしています。医療的ケアを要する子どもについては、医師の意見書を基に個別の緊急時対応マニュアルを作成するとともに、様々な場面を想定したシミュレーション訓練をセンター全体で実施し、緊急時には皆が補助に入れる体制を作っています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターでは、子どもと保護者が安定した地域生活を送っていけるよう支援しています。週5回クラスでは、年1回の遠足で野毛山動物園等に出かけ、子どもの経験値をひろげるとともに、保護者が電車に乗る経験やその子どもに合わせた視覚支援を実際に経験することで、家庭での支援に活かせるようにしています。コロナ禍以前は、肢体不自由児が隣の公園や近隣の保育園の年長児との交流もしていました。外泊支援等はしていませんが、保護者から就園先の宿泊行事等について相談があればアドバイスするなど間接支援をしています。就学前には、保護者教室で進学についての情報提供や、学校に子どもの情報を伝える「サポートブック」作成のワークショップ等をしています。また、面談等で保護者の思いや悩みを聞き取り、就学に向けての取り組み状況を確認し、意思決定できるようサポートしています。知的な遅れがない発達障害の子どもを対象とした児童発達支援事業所「フルール」では、学校の教室を意識した環境設定をし、時間を意識する、約束を守る、集中して話を聞くなど、就学に向けて基本的な姿勢が身に付くように支援しています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センター運営方針に則り、センター全体で子ども・保護者の地域生活を尊重する支援の実践に努めています。地域の保育所・幼稚園と併行通園している場合には、園を訪問したり、通園先の職員に向けて療育参観を行ってカンファレンスを開催し、子どもの特性を共有し支援方法のアドバイスをしています。就学にあたっては、就学先の学校と引継ぎを行っています。就学後もソーシャルワーカーが中心となって、進路などの個別相談に対応したり、小学校からの依頼に基づき学校訪問しアドバイスをするなどの支援をしています。児童発達支援事業所「フルール」では、普通学級に進学した1・2年生を対象に進学後の相談支援を行っています。ソーシャルワーカーによる保育所や幼稚園訪問、学校訪問でのコンサルテーションや保育士や幼稚園教諭に向けたセミナーを開催するなどし、地域関係機関と連携して子どもと保護者の地域生活を支えています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センター運営方針に「親子支援」「家庭支援」を掲げ、保護者支援に力を入れています。新規申し込み後には、ソーシャルワーカーが面談に応じ、保護者の不安解消を図っています。年間を通して心理士による「家族のための心理勉強会」を開催する他、早期療育課、通園課、児童発達支援事業所「フルール」でもそれぞれ勉強会を実施し、家庭の養育力の向上を図っています。早期療育課では、週1回のグループ療育で心理士、保育士、作業療法士、理学療法士等の専門職がチームを組み、保護者も一緒に遊びながら子どもとの基本的な関わり方を伝えるとともに、保護者の不安・悩みを傾聴し相談に応じるなど、心理面でもサポートしています。通園では、親子通園日のミニ懇談のほか、年3回の保育参観、懇談会、家族勉強会等を実施し、障害への理解を深めるとともに、保護者同士が交流できるようにしています。また、地域ニーズ対応事業として心理士による「メンタルヘルスサポート事業」を実施し、必要に応じてソーシャルワーカー等の多職種と連携して保護者の精神的問題を支援しています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターでは、各部門・職種が連携してチームとして子どもの発達支援をしています。通園では、多職種による評価を基に個別支援計画を作成し、子どもの課題に沿った個別療育とともに、集団での療育プログラムを通して、子どもが人との関わり方や社会性を身に付け、社会生活を送る上での基礎を養われるように支援しています。知的に遅れがない発達障害の子どもを対象とした児童発達支援事業所「フルール」では、集団での活動やルールのある遊び、友だちと協力して行う遊びなどを多く取り入れています。持ち物など自分の身の回りのことを自分で管理したり、友だちの話を聞いて自分の意見を言うなどの経験を通して、子どもが自立・自律した生活を送れるような支援をしています。保護者勉強会等で保護者に必要な情報を提供するとともに、必要に応じて保育所や幼稚園、児童発達支援事業所、区の福祉保健センター等と連携し、必要な支援をしています。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】