社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜市北部地域療育センター

2022年01月11日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま

② 施設・事業所情報
名称 横浜市北部地域療育センター 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 横浜市地域療育センター 定員 児童発達支援50名、医療型児童発達支援40 名
所在地 224-0062
横浜市都筑区葛が谷16番3号
TEL 045-942-3451 ホームページ http://www.yokohama-rf.jp/facilities/hokubu.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1994年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団
職員数
常勤職員:61 名
非常勤職員:27 名
専門職員
医師:1 名
看護師:5 名
ケースワーカー:10 名
理学療法士:3 名
作業療法士:2 名
言語聴覚士:2 名
心理士:7 名
保育士:21 名
児童指導員:13 名
臨床検査技師:1 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室数:訓練室2室、指導室12室、集団指導室1室、相談室6室、診察室3室、言語指導室2室、理学療法室1室、作業療法室1室、検査室1室、調理室1室、待合室2室、家族控室3室、会議室、研修室、プール等
設備等:5階建ての2階から5階が横浜市北部地域療育センター(1階は横浜市葛が谷地域ケアプラザ)

③ 理念・基本方針
 横浜市北部療育センターは、障害のあるお子さんのより豊かな地域生活の実現を目指し、お子さんとそのご家族を支援するセンターです。常に「利用者中心のセンター運営」を念頭におき、利用者の人権を尊重する視点に立った運営に努めていきます。

一、質の高い療育プログラムを提供します
 お子さんが地域で暮らすために必要な療育を行う上で、その内容の充実と向上を絶えず心がけていきます。
一、開かれたセンター運営を目指します
 個人情報の保護を徹底した上で、サービスの公平性と透明性を高め、開かれたセンター運営を目指します。
 同時に、利用者による自己決定を尊重し、インフォームドコンセントを保障します。
一、ほっとできる温かい雰囲気作りを大切にします
 当センターが利用者の方々にとって利用しやすく、常に安心して相談できる場所としてご満足いただけるよう努めていきます。
一、地域社会と連携し相互の理解を深めます
 地域の関係機関との連携や市民活動における交流・支援を通じて、相互の理解を深め、地域への貢献を果たします。
 これらの実現に向けて、利用者の方々を始め広く皆様からのご意見もいただきながら総合的な施設評価を行い、信頼される施設運営を目指していきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●質の高い療育プログラムを提供します
 お子さんが地域で暮らすために必要な療育を行う上で、その内容の充実と向上を絶えず心がけていきます。 
・子どもの療育と保護者支援を「療育の両輪」ととらえ療育を積み重ねています。
・保護者支援としては、個別の相談に加え、診療所など他部門と連携しながら保護者教室、家庭訪問、幼稚園・保育所訪問などを実施しています。
・障害特性や発達段階に応じた対応ができるように、週5日・3日・2日・1日という多様な登園頻度のクラスを設け、特に週3日・2日・1日の登園頻度クラスに在籍する児の多くは幼稚園や保育園を並行利用しながら通園にて療育を受けています。よって、保育所幼稚園の先生を対象とした療育参観を積極的に実施し、連携を強化しています。

●ほっとできる温かい雰囲気作りを大切にします
 当センターが利用者の方々にとって利用しやすく、常に安心して相談できる場所として満足いただけるよう努めていきます。
・センターでは、平成30年からマスコットキャラクター(名前:ほっく)を設定しています。「ほっく」は、イラストや写真でセンターのパンフレット、通園バス等にたびたび登場するほか、通園の保護者から寄贈された手作りのぬいぐるみなどが館内の随所に飾られています。マスコットの姿や名称は保護者や職員から広く公募し人気投票形式で決定したり、複数の賞を設定して受賞者には記念品を贈呈するなど、皆が共に楽しめる一大イベントとして開催した経緯があります。利用者と同じ目線で、交流や親睦を深めながら事業を運営する姿勢は、センターの大きな特長の一つとなっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/05/28(契約日) ~2021/12/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ●センターの専門機能を生かし、地域と協働したソーシャルアクションを展開しています
 センターでは、専門機能の活用とともに、地域との連携・協働によるソーシャルアクションを実践しています。従来、通園のきょうだい児保育は親の会による運営に委託していたものの、コーディネーターを担う保護者負担の増大やボランティアの高齢化、新型コロナ感染症の影響などにより、数年前から運営に支障を来していたことから、センター長のリーダーシップの下、近隣の地域活動ホームやNPO法人、地域の民生・児童委員等の関係機関と連携しています。きょうだい児保育の事業化についても横浜市と粘り強く協議を重ね、公式事業として予算化の承認を得て外部のNPO法人に委託し、誰もが活用可能で、かつ事業が継続的に行われるようにした事例があります。このように、センター内の事業改変に留まらず、広く地域と協働・連携して、新たな地域資源を創出する取り組みを行っています。

●障害のある子どもと保護者の地域生活がより豊かになるよう、常に新たな取り組みを模索しています
 センターでは、障害のある子どもと保護者がより豊かに地域生活を送ることが出来るよう、従来の枠にとらわれない新たな取り組みに尽力しています。センター独自の取り組みとして、診療の待機期間の短縮化に向け診療を3診体制に拡充したほか、共働き世帯の実情に合わせた週1回の通園クラス「ふたば」や、知的発達に遅れのない自閉スペクトラム症の子どもを対象とした児童発達支援事業所「ぴーす」、診療後間もない未就園児と保護者を対象に、子どもの遊びの広場の提供と保護者の悩み・不安に寄り添い支援する「にこにこ・のびのび広場」など、療育ニーズに応じた新たなサービスを他に先駆けていち早く具現化し、実行しています。また、通園の行事を通じて職員が地域の公共施設や飲食店に働きかけを行い、障害児と保護者が利用可能な店舗を開拓した事例もあります。協力的な業種・店舗は積極的に保護者へ情報提供し、その後保護者が利用することで、障害児の理解及び療育の普及啓発に繋がるとともに、子ども・保護者の地域生活の自立(自律)に寄与しています。
改善を求められる点 ●利用者のプライバシー保護に向け、さらなる高みを目指す取り組みが期待されます
 センターでは、個人情報保護規程を策定して利用者の個人情報保護とプライバシーの確保に努めるとともに、個人情報保護に関する全体研修を毎年定例開催して職員の認識強化に努めています。通園では、年度ごとに策定する運営計画に、利用者に対する接遇態度や支援場面での留意事項など、プライバシーへの配慮について記載し、職員間で共有と実践に努めています。一方、プライバシー保護に特化したマニュアルの策定は行っていません。医療的ケアや身体介助を要するケースをはじめ、意思疎通の難しいケースについては、安全性が優先され利用者の羞恥心への配慮が疎かになりがちなことから、職員一人ひとりが個々のプライバシー保護について認識を深めることが重要です。今後さらなる高みを目指すために、プライバシー保護に特化した指針の策定と、認識共有化に向けた取り組みに期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回、福祉サービス第三者評価を受審し、評価機関である第三者の目で見ていただいたことで、客観的にセンターの現状を把握し、良い点と改善点を明確にすることができたことは大変有意義なことでした。利用者アンケート結果では多くの項目で満足度の高い評価をいただけましたが、一方で不満のご回答が一定割合ある項目もあり、センター内でさらなる工夫を行いながら、利用者の方に満足していただけるよう努めるべく気を引き締めたところです。
 また、事前に実施した自己評価においても、職員全員で各自の業務内容の確認を行い、今後に向けた課題等を明らかにするよい機会となりました。
 評価委員の方には、各事業等における詳細のご意見やご感想を直接聞ける機会が得られ、課題を見直すきっかけともなりましたので、今回、評価を受けたことだけで終わらせず、さらにサービス向上を図り、利用者の方から信頼されるセンターとなるようにしたいと思います。
 最後になりますが、お忙しい中、アンケートに協力していただいた方々、センター内を隅々までみていただいた評価調査員の方に対して感謝の言葉を申し上げます。本当にありがとうございました。

横浜市北部地域療育センター長 齊藤 共代

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 基本理念に「障害児のより豊かな地域生活の実現と利用者中心・人権尊重の視点に立った運営」を掲げ、①質の高い療育プログラムの提供 ②開かれた運営 ③温かい雰囲気作り ④地域社会との連携・相互理解の4点を示し、信頼される施設運営を目指すことを明文化しています。基本理念は年度当初のセンター長からの説明及び4月開催の全体研修等を通じて全職員に周知しています。通園の利用者には、「利用者ハンドブック」を通じて療育方針を重点的に説明し、基本理念の実現に向けた取り組みや姿勢について理解を得られるよう努めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 法人として、障害者総合リハビリテーションセンターや福祉機器支援センター、障害者スポーツ文化センターなど幅広い事業運営を展開し、法人内外の事業所・関係機関との連携を通じて、障害福祉全体の動向把握と分析を行っています。横浜市の指定管理施設として、横浜市こども青少年局・こども家庭課と密に連携し、随時情報共有と意見交換を行っています。年度ごとに相談件数や診療件数、通園の稼働状況及び推移・統計を分析し、地域の福祉ニーズの把握に努めるほか、運営上の重要課題は法人理事会や評議員会等で検討し、適宜事業運営に反映しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 センター独自に各課の活動収益や人件費率等の収支状況の比較・分析を行うほか、地域の療育ニーズや法・制度改正、社会情勢の変化等を踏まえ、センターの療育体制会議や管理職会議等で経営改善に向けた協議・検討を行っています。運営上の課題及び改善策は、横浜市及び各区の担当課と意見交換し、法人理事会・評議員会でも検討を重ね、事業運営の方向性を定めています。改善課題は中長期計画や年度の事業計画に位置づけ、年度当初のセンター長からの説明や各課の運営会議のほか、ITグループウエアを活用した情報共有システムで全職員に周知し、情報共有しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 基本理念の実現と地域の福祉ニーズへの対応、事業運営の課題改善に向け、横浜市の中期計画に沿って令和元~5年度の5か年にわたる中期計画を策定しています。運営課題に ①効果的な診療訓練枠の活用 ②障害特性に応じた多様で豊富な支援プログラムの展開 ③学齢期の支援体制の整備と充実化 を掲げ、達成に向けた具体的な取り組み内容も明示して、段階的に推進することとしています。一方、指定管理施設として、事業予算や実施時期などは横浜市との協議・承認が必要なことから、具体的な工程や実施時期・期間等は明確化が難しい状況となっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 法人共通の年度事業計画の中で、関連する4か所の地域療育センターをまとめた事業計画を策定しています。年度の重点項目に、新規利用者の心理個別相談や感染防止に配慮した講座のオンライン配信、集団療育体制の拡充・充実化等を挙げ、各センターの重点項目と通園の定員及びクラス体制等を数値で示しています。センター独自にも診療、通園、相談など部課ごとに年度事業計画を策定し、事業目標や具体的な取り組み内容等を明示しています。事業計画の内容はセンターの中長期計画や法人の事業計画に基づき、療育体制会議及び管理職会議で協議・決定しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 センターの事業計画は、前年度の実施状況や専門職のプロジェクトチームの意見等を踏まえ、部課ごとに協議し素案を作成するほか、療育体制会議や管理職会議でも確認して、センター長が年度末に取りまとめ法人本部に報告しています。事業計画の内容は、当該年度の療育方針や改善課題に併せ、年度当初にセンター長から全職員に説明し周知を図るほか、通園利用者の意見や地域の療育ニーズ等に応じて年度途中でも随時見直し・修正を行っています。法人共通の事業計画は、各センターの事業計画を法人本部で集約・精査し、理事会の承認を経て決定・実行しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画の内容に基づき、年度ごとに「運営計画」を策定して当該年度の療育方針及び具体的な支援内容を明確化するとともに、職員間で読み合わせを行い、認識共有と一貫した対応に努めています。通園利用者に対しては、運営計画の内容を保護者用に改編した「通園ハンドブック」を個別に配布し、クラス編成やタイムスケジュール、各種行事の開催予定のほか、各専門職の役割と関わり方を記載するなど、保護者がより理解しやすい内容構成に配慮し、保護者・職員間の認識共有を図っています。なお、保護者に対する事業計画の説明は行っていません。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 センターでは、リハビリテーションの考え方に則り、PDCAサイクルに基づくサービスの質向上に努めています。通園課の各事業で ①業務改善 ②適切な支援の提供 ③関係機関との連携 ④保護者への説明責任 ⑤非常時対応 の5項目による自己評価を行うとともに、保護者から ①適切な支援の提供 ②保護者への説明 ③非常時の対応 ④満足度 の4項目で評価意見を募り、客観評価を綜合した内容の分析と改善課題の抽出を行い、次年度の運営に反映しています。また、横浜市の指定管理者として、定期的な第三者評価の受審を継続して行っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 通園課の事業ごとに毎年自己評価を実施し、評価結果の分析を通じて各事業所の強みと改善点を明確化し、次年度の事業運営に反映する取り組みを行っています。「児童発達支援ガイドライン」に基づき、適切な支援の提供や保護者への説明、非常時対応等を自己評価の確認項目に設定し、サービス提供者側と利用者側が相互に評価した結果や相違点を比較対照することで、保護者の意向把握とニーズに即した対応をより効果的に推進できるよう工夫しています。自己評価の結果は、通園課会議や親の会等で周知し、法人ホームページでも公表しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 年度当初にセンター長から全職員に対し、基本理念とその実践に向けた具体的な取り組みについて所信を表明し、個々の職員の理解浸透と認識強化を図っています。職務分掌を通じて各職種や職責ごとの職務内容と役割を明確化するとともに、「各種会議・委員会委員一覧」を年度ごとに策定し、各部課に配付して周知しています。
 通園課では、年度の運営計画に業務ごとの担当者を明記し、読み合わせを通じて共有化しています。「非常災害時行動マニュアル」を整備し、管理者の役割と責務、不在時の権限移譲等を記載して全職員で認識共有しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人でコンプライアンス推進委員会を設置し、要綱に基づいて法令遵守の徹底と懲戒処分、公益通報者保護、ハラスメントへの対応等を明示し、利害関係者との公正な対応及び接待・便宜供与の禁止も明文化しています。要綱に不適切行為の内容に応じた懲戒処分表を添付し、職員の認識強化を図っています。
 センターの全体研修として、権利擁護やハラスメント防止、個人情報保護等をテーマに毎年定例で研修を開催し、法令遵守に関する職員の意識向上に努めています。各管理職は法人内外の各種研修に参加し、法令遵守のための情報収集と職員教育に注力しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 センター長は、関係機関との連携会議等への参加を通じて広域的なニーズ把握に努めるほか、ソーシャルワーカーとして現場業務も担当し、個別面談や地域の巡回訪問等で直接現場の意見・要望等を聴取して事業運営に反映するなど、絶えず運営改善に努めています。改善課題は療育体制会議や管理職会議等で検討し、緊急性や重要度に応じて計画的に推進しています。
 通園では、保護者アンケートや自己評価の結果に基づいて療育内容を分析・評価し、通園課会議やクラスミーティング等で職員意見を聴取して、療育方針や運営計画に反映し、継続して改善に取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 センターの財務・人事・労務管理は管理課長を中心に把握と分析を行うほか、センター長から地域特性や療育ニーズ等に基づく経営課題を法人本部に報告し、法人全体で認識の共有化を図っています。また、横浜市が示す療育の方向性や、法人・センターが目指す将来展望をすり合わせて中期計画を策定し、法人全体で経営改善と業務実効性の向上に努めています。運営課題は療育体制会議等で協議し、事業計画や通園の運営計画に反映して順次実行しています。適正な人員配置とともに時間外労働の最小化や休暇取得など、職場環境の改善にも取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 法人の経営理念の実現に向けた人材育成の基本方針として、「支援を必要とする人々に対し、最適なサービス提供を行うための“人間性”と“専門性”を備えた人材の確保・育成を行う」ことを明文化しています。職員の経験年数や職責に応じた等級基準を定め、等級別の業務遂行に関する期待水準を一覧表にして明確化し、職員に周知して自覚と実践を促しています。福祉人材の確保に向け、法人のホームページに採用案内を掲載するとともに、法人事業の概要や職種別の業務内容、福利厚生、先輩職員の声を掲載するなど、積極的な情報発信に努めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 職員に必要な資質と求められる職員像を明示し、法人ホームページに掲載しています。人事考課制度を導入し、年3回定期的に目標管理面接を実施して、目標設定と進捗管理、達成度評価を行っています。職員から年度後半に意向を聴取し、資格取得や配属希望、職場満足度等を確認して処遇改善に努めています。また、同職種でも配属課によって業務や役割が異なり、能力向上やキャリアアップできることを示した「お仕事マップ」を職員に配付し、目標に沿った複数の選択肢があることを各課長から説明するなど、職員が自身の将来像を描けるキャリアパスの仕組みを構築しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 管理課長を労務管理の責任者に位置づけ、各課の責任者と情報共有しながら職員の就業状況の把握と管理を行っています。衛生委員会を設置し、労働衛生に関する対応を協議するほか、各種休暇の取得や時間外労働の最小化推進など、適正な職場環境作りに取り組んでいます。ストレスチェックを定期実施し、法人本部にハラスメントの相談窓口を設置しています。状況に応じて随時職員と個別面談を実施し、必要な場合は休職や受診勧奨も行っています。法定及び法定外福利厚生の体制を整備し、法人ホームページでも福利厚生の内容を紹介しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 人材育成の基本方針として、「求められる職員像」と「果たすべき役割と求められる行動姿勢」について明文化し、職員に周知と実践を促しています。人事考課制度に基づき年3回の目標管理面接を実施して、職員一人ひとりの年度目標の設定と進捗確認、達成度評価を行っています。目標管理シートは「能力開発」「コミュニケーション・チームワーク」「組織力」「主体性」の4項目で構成し、職員と上席者のコメントを対比で記載するようにしています。また、評価時の留意点を付記するなど明確な基準を示し、より客観的な評価が行われるよう配慮しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 法人共通の人材育成計画に「求められる職員像」を明示し、業務場面での実践を促すとともに、職務経験等に沿って7段階の等級基準を設け、組織の活性化や企画力、渉外力など各々の職責等に応じた期待水準を明文化して、適切な職務遂行の意識付けを図っています。また、法人全体で人材育成の体系化を図り、OJTと人事考課、異動、研修が連動することで職員一人ひとりの意欲を高め、能力を引き出す仕組みを構築しています。研修委員会を発足し、研修計画の策定と企画・運営を実施するほか、研修成果の検証・見直しを行い、次年度の研修内容に反映しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 法人共通の研修体制を整備し、新任研修のほか、全体研修・階層別研修・職種別専門研修を準備して職員教育を行っています。職種・職務経験等に応じて法令遵守と組織運営、専門性の向上を図るほか、人材育成計画に基づく段階的な育成に配慮しています。
 通園では、クラス担任に経験の浅い職員とベテラン職員を組み合わせ、子どもと保護者の支援を役割分担することで、経験年数に応じた知識・技術を効果的に修得できるよう工夫するとともに、OJTを通じた実践的な新人の教育指導と中堅職員の効果的な育成の両立を図り、相互の資質向上と交流活性化に繋げています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 横浜市内外の養成校から看護師や保育士、理学療法士等の現場実習を多数受け入れています。実習マニュアルに基づき、センターの基本理念や創立経緯、事業概要、支援内容のほか療育の目的や障害児の特性、保護者・家庭への配慮等にも触れ、詳細かつ分かりやすい説明に努めています。外部研修への派遣や実習指導のOJT等を通じて、実習指導者の育成も行っています。養成校と随時連携して実習日程やプログラムの擦り合わせを行うほか、実習生の状況や要望等に応じて実習内容を柔軟に変更するなど、より深い理解と考察が得られるよう配慮しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人のホームページを開設し、経営理念や沿革などのほか、年度ごとの苦情解決・調整の状況報告や決算報告等も公表し、法人全体の運営の透明性確保に努めています。センターのページを設け、事業概要及び利用案内に加え、療育講座や就学関連の各種資料・説明動画等を掲載しています。横浜市の指定管理者として定期的に第三者評価を受審し、評価結果を独立行政法人福祉医療機構の総合情報サイト等を通じて公表しています。なお、横浜市の方針に従い、ペーパーレス化を推進し紙媒体の資料配布は行わない方針であるほか、一般向け広報誌は作成していません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人のコンプライアンス委員会を発足し、要綱を定めて職員の不適切行為及び利害関係者への便宜供与の禁止等を明文化するとともに、懲戒処分等を一覧化して全体周知し、法令遵守の徹底を推進しています。法人共通の各種規程を整備して組織運営のルールを明確化しています。社会保険労務士や税理士、公認会計士など外部の専門家から助言・指導を得て経営改善に努めるほか、法人幹事による内部監査と会計監査法人による外部監査を年1回ずつ実施し、運営の適正化に努めています。法人のホームページで社会福祉法人現況報告書の公表も行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 運営理念に基づき、地域交流を積極的に推進しています。通園では地元企業からの要請に応じて、作品展に協力し子どもたちの作品を出展するほか、秋祭り等の地域イベントに参加し、障害児理解と療育の普及啓発に努めています。散歩や遠足等の外出レクでも、公共交通機関や地域の公共施設、飲食店等を積極的に利用しています。職員が事前に下見を兼ねて利用予定の施設や飲食店に赴き、障害児の特性やケアに関する説明を行い、協力を要請して当日の安全な活動の実施に配慮しています。理解・協力のある飲食店等の情報は、保護者にも積極的に伝えています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 通園の保育ボランティアを受け入れ、現在10名程が登録し活動を行っています。主任保育士を担当窓口として、近接のケアプラザや福祉系大学等に募集案内を掲示し、法人のホームページにも掲載して随時募集を行っています。ボランティアマニュアルに基づき、受け入れの基本姿勢や対応手順を明確化するとともに、参加希望者には事前に必ず施設見学を実施して意思確認と見極めを行っています。また、オリエンテーションを通じて守秘義務や障害児への配慮等の留意事項を説明するほか、導入時には必ず健康チェック表を用いて体調確認を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域の関係機関をリスト化し、各課の会議やミーティング等を通じて各機関の機能・特性を職員間で共有しています。都筑区及び緑区が運営する自立支援協議会の各種部会に参画するほか、地域の様々な会合や研修会等への参加を通じて、相互の連携強化に努めています。診療を継続するケースのほか、通園卒園後の子ども・保護者からの相談にも随時対応し、関係機関と協働・連携して課題解決を図る体制を構築しています。なお、新設の障害児通所型支援事業所が増えている実情から、センターとして今後さらなる地域連携体制の構築及び充実化が課題と捉えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 横浜市及び区の担当課や児童相談所、教育委員会等の行政機関をはじめ、保護者代表、地域訓練会・幼稚園・保育所・小学校各々の代表者及び大学教授などの有識者等が参加し、毎年定例でセンターの運営協議会を開催しています。協議会では、センターの運営状況の報告とともに、各関係者との意見交換を通じてセンターに対する要望・意見等を聴取し、地域の療育ニーズの把握に努めています。また、見学受け入れや関係機関への巡回訪問、療育に関する研修会の開催及び講師派遣など、療育の普及啓発と障害児・保護者の豊かな地域生活の実現に向けた広域的な活動を推進しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域療育の拠点として、診療や通園等の専門機能のほか、地域の関係機関への巡回訪問や療育に関する研修会の開催及び講師派遣、関係機関同士の連携推進など、専門機能を活用した地域コミュニティの活性化に努めています。また、療育相談の総数と診療・通園の利用実数を統計・比較・分析し、社会情勢の変化や地域ニーズを踏まえた新たな療育サービスの創出とともに、事業化に向けた具体的な取り組みを実践しています。都築区の指定福祉避難所として、有事の要援護者の受入体制を整備するほか、併設の横浜市葛が谷地域ケアプラザと協働し、定期的に総合防災訓練も実施しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 基本理念に「障害児のより豊かな地域生活の実現と、利用者中心・人権尊重の視点に立った運営」を掲げ、通園の利用者ハンドブックや重要事項項説明書等に明示しています。全職員が必須参加の全体研修の中で人権研修を開催するほか、ミーティングやカンファレンス、目標管理面接等の機会を通じて、子ども・保護者の個別性尊重と利用者本位のサービスの実践について職員間で確認を行っています。通園では、園長・主任が各クラスを毎日巡回して助言等を行うほか、支援内容や職員間の連携状況を絶えず確認しながら、必要なサポートを行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

 個人情報保護規程に基づき適正な対応を実施するほか、毎年定例の全体研修を通じて職員の認識強化に努めています。プライバシー保護については、年度運営計画等に接遇態度や行動のあり方を示すとともに、特に配慮が必要な家庭には、個別に個人記録に具体的な留意点を記載して職員間で対応の統一化を図っています。子どもの年齢に関わらず排泄や更衣の際は外から見えないよう留意するほか、保護者からの相談も個別に応じています。一方、プライバシー保護マニュアルの整備など、組織全体の認識の共有化と対応の一貫化を図る取り組みが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

 ホームページを通じてセンターの機能やサービス内容を紹介し、各種資料や動画を掲載して積極的に情報発信を行うほか、センターの利用者に対し様々なテーマで保護者教室や療育セミナーを開催しています。なお、近年は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、動画配信やオンラインによるセミナー開催など、状況に応じた継続的な情報発信に努めています。ソーシャルワーカーが随時個別に相談対応を行うほか、希望者には通園の見学及び体験も行っています。なお、横浜市の方針でペーパーレス化を推進し、紙媒体の資料配布は実施しないこととしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 サービス開始時には、重要事項説明書を基に集団で説明を行っています。継続する利用者については保護者の話を充分に聞き前年度の課題を基に新たな支援計画を作成することの同意を得ています。変更する利用者に対しては変更理由を説明すると共に保護者がどう思うかを聞き出し、後日同意を得て変更しています。意思決定が難しいケースに対しては、十分な情報提供とともに、複数の選択肢を提案しながら説明を行うなど、個々の利用者が自己選択・自己決定できるようサポートを行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保護者の就労や転居など、各々の家庭の状況変化に伴いサービスの内容変更や利用を終了する場合は、保護者の希望や意向を踏まえて面談を行い、以降の生活のあり方を話し合い、確認しています。また、必要に応じて引き継ぎ書を作成するほか、診療課の医師や各療法士、相談部のソーシャルワーカー等を交えた三者面談を実施して、各々の療育課題に応じた支援方針の検討と情報の共有化を図っています。就学の際は、各種相談窓口の連絡先一覧や、卒園児向けの保護者会に関する資料を配布するほか、必要時はいつでも相談出来ることを説明しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 年1回実施する満足度調査や親の会の要望書の結果を分析し、次年度の運営に反映しています。通園の保護者を対象に茶話会を開催し、居住地域ごとに保護者をグループ分けして、相互に意見交換することで、生活に役立つ情報の共有化とともに保護者間の交流促進に繋げています。また、保護者の悩みごとを聴取しクラス全体で共有化する取り組みを行っています。障害特性から一般の理美容院の利用が難しい子どもが多いことを踏まえ、保護者の要望に基づいて通園のクラスに美容師を招いてヘアカットを受ける機会を設定した事例もあります。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 利用者から寄せられた苦情・要望の内容は、個別に記録を行っています。苦情・要望の対応の結果は、センター全体に関わる内容の場合は、苦情申出者のプライバシー等に配慮した上で全体公表を行うこととしています。子ども同士の関係性など個別性の高い苦情事例に対しては、面談を通じて詳しく状況を聴取するとともに、双方の保護者の同意を得た上で子どもの障害特性や対応方法を説明するなど、円満な解決に向けた対応に努めています。法人共通の第三者委員として法律専門家と福祉学識経験者を配置し、重要事項説明書等に明示しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 保護者が相談したり意見を述べたりする際に相手や手段を選ぶことができるよう、具体的に書いた書面を保護者会や勉強会などで配布しています。クラス担任、主任、園長が親子通園してくる保護者への声掛けを行い、保護者が相談しやすい雰囲気を作っています。相談がある保護者に対して、電話が良いか対面が良いか選べるようにしています。電話の方が良い保護者には電話する時間帯を確認しています。対面を希望する保護者には、空いている部屋を用意し意見を述べやすいようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 懇談会、個人面談、送迎時の会話、保護者連絡会などで「もやもやした時、言葉に出してみませんか」と保護者に呼びかけています。保護者からの相談や意見は、担任がその日のうちに園長・、主任に報告し、緊急性や重要度など、相談の内容に応じて迅速な対応に努めています。相談内容はケースファイルの保護者欄に記載し、クラス担任以外の関係職種間でも情報共有しています。把握された意見で重要な内容については、通園課の運営会議等を通じて検討し、組織として適切な対応ができるよう配慮しています。対応マニュアルは毎年4月に見直しを行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 園長と管理課長をリスクマネジメントの責任者に配置しています。緊急時マニュアルを作成して有事の体制整備を図るとともに、場面ごとの対応策を明示しています。管理職会議でインシデント報告を行うほか、他施設で発生した事例を取り上げ、センターで発生した場合の対策が十分か検証を行い、組織全体で対策を検討しています。自衛消防体制を整備し、火災発生時の現場確認は必ず複数人で実施すること、消火器を持参して可能な場合は初期消火を行うことなどをルール化しています。マニュアルについては毎年4月に見直しを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人の施設内感染対策ガイドラインに基づき感染症マニュアルを作成しています。新型コロナウイルス感染症への対策に鑑み、マニュアルを3ヶ月ごとに検証し、感染対策の評価を行っています。検温と手指消毒、換気、3密防止を推進するほか、法人の各療育センターから感染症マニュアルの見直し項目を集めた一覧を作成し、相互に改善点を取り入れるなど、感染防止の徹底に努めています。学校保健安全法に基づく感染症と出席停止期間を一覧化し、利用者ハンドブックに掲載を行うほか、センター内で感染症が発生した場合は、病名と感染者数を公表して全体周知し、注意喚起しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 管理課長を防災対策の管理者とし、対応マニュアルを策定して災害発生時の対応体制を明確化しています。また、火災や大地震等の災害をはじめ、避難誘導や初期消火など様々な事態を想定した防災訓練を毎月実施しています。センターが高層階の建物で、利用者が障害児であること等を踏まえ、防災体制の充実化に力を入れ、数分で避難が完了できる体制整備を推進しています。横浜市都筑区の福祉避難場所として指定を受け、地域住民や要援護者58名の受け入れ体制を整備するとともに、センター利用者と職員分を合わせた防災用品の備蓄を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

 感染防止や事故対応などセンター共通の各種マニュアルを整備し、役割分担や対応手順等の統一化を図っています。また、通園では年度ごとに運営計画を策定し、当該年度の療育方針と具体的な業務内容、職員の役割分担等を詳細に定めて記載しているほか、子ども・保護者に対する接遇態度やプライバシー保護等の配慮事項も付記しています。運営計画の内容は、通園会議等で複数回読み合わせを行い、職員に周知して認識の共有化を図っています。運営計画は通園の職員全員に配付し、職員各々で運営計画に沿った業務遂行がなされているか随時確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 各種マニュアルの見直しは、センター運営会議や療育体制会議等を通じて毎年見直しを行い、制度変更や最新情報を反映するなど、必要に応じて随時内容を改訂しています。
 通園では、前年度事業の実施状況を踏まえて毎年運営計画を策定し、当該年度の療育目標や支援の重点項目、人員配置及び業務手順等を一新して職員間で共有しています。療育に関する内容は、事業所自己評価シートや保護者アンケートのほか、保護者から聴取した個別意見等も積極的に取り入れ、通園課の運営会議やクラスミーティング等で検討し、支援の質向上に努めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 診療や検査、アセスメント等の結果に加え、各専門職の意見や保護者の要望等を踏まえて通園課会議等で協議し、子どもの個別支援計画を策定しています。計画書は第1通園(児童発達支援)・第2通園(医療型児童発達支援)各々の様式を準備し、主に肢体不自由児を対象とする第二通園では、個別支援計画の裏面に訓練計画を掲載し、同時進行で支援しています。基本的生活習慣の確立や認知・感覚、社会性、コミュニケーション獲得のほか、家庭支援についても目標を設定し、健全な成長・発達と保護者・家庭の課題改善に向けた段階的な支援を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 通園課の主任を児童発達支援管理責任者に配置し、個別支援計画の作成と進捗状況の管理を行っています。個別支援計画の内容は、クラス担任と保護者が協働して年度当初の支援目標の設定及び年3回の振り返りを実施し、子どもの成長・発達の状況や保護者の意向に沿った支援の実践に努めています。また、子どもの心身の状態や家庭の状況に変化がある場合は、随時計画の見直し・変更を行っています。個別支援計画は子どものケースファイルに添付し、通園課会議等で周知して職員間の共有化を図るとともに、保護者にも必ず計画書を配付し、詳細に内容を説明しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 法人全体でITグループウエアを活用した情報共有システムを導入し、職員IDやパスワード設定などセキュリティ対策を施した上で、共有文書やデータを随時閲覧できる体制を整備しています。通園では、個別にケースファイルを準備し、子どもの基礎情報や診療結果及び検査・評価、関係機関の情報提供書類のほか、健康診断等の結果などの情報を集約して情報共有しています。また、日々の活動状況や保護者との面談結果、カンファレンスの内容等も詳細に記録し、管理を行っています。ファイリング順や記録方法・留意点等を運営計画に明示し、記録管理の統一化を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 法人共通の個人情報取扱ガイドライン及び個人情報保護に関するマニュアルを策定しているほか、毎年定例で全職員を対象に個人情報保護に関する研修を開催し、情報漏洩のリスクや罰則等について説明するとともに、都度誓約書の提出を受け、職員の意識向上に努めています。管理課長を記録管理の責任者とし、個人情報を含む書類等は施錠可能な書庫で管理・保管を行っています。保護者に対しては、利用者ハンドブックや重要事項説明書等を通じて説明し、書面での同意を得ているほか、写真や動画など子どもの肖像を活用する際は、都度必ず確認し同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 「個々のケースに対し、チームアプローチを通じたより専門性の高い支援を行う」ことを念頭に、子どもの個別性や保護者の意向を尊重した支援を行っています。子どもの自立と穏やかな家庭生活の実現に向け、子どもの興味・関心を大切にしながら個性を伸ばす関わりを行っています。イラストや数字を示したカードを用い、動作の順番や行動の仕方、ルール等を視覚的に理解できるよう配慮するとともに、フィニッシュボックスを準備し、使い終わったおもちゃや道具を箱に入れ動作の終了を明確化することで、行動にメリハリをつけるようにするなど、子どもが取るべき行動やルールを理解し、周囲とコミュニケーションをとることが出来るよう工夫しています。子どもに強いこだわりが見られる場合は、その要因等を分析し、客観的な視点から保護者に説明するほか、子どもが自分で自分の気持ちを言葉で表現出来るよう働きかけを行うなど、子ども・保護者に寄り添う支援の実践に努めています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

 虐待防止マニュアルを整備し、虐待の定義や対応手順等を記載して全職員に周知と理解浸透を促すほか、虐待及び権利侵害の早期発見のためのチェックシートを用いて子どもの状態や世帯の養育状況等を確認し、虐待の防止と早期発見に努めています。重要事項説明書に虐待防止の徹底を明記して、保護者に説明しています。CAPS委員会を設置し、各専門職が参加して虐待防止に関するセンター全体の取り組みを協議するほか、虐待が疑われる事例の検討を行い、情報を共有しながら対策を協議して対応方針を決定・実践する仕組みを構築しています。CAPS委員会の検討事項は、児童相談所等の関係機関や各区の児童虐待防止連絡会等と共有し、連携して対応を行うこととしています。身体拘束は原則として行わない方針としていますが、緊急やむを得ない場合など、実施する際の基準や連絡体制、所轄行政への届出など必要な手順を明確化し、組織全体で認識共有を図っています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 センターでは、乳幼児期の段階から保護者が子どもの障害を受容し、正しい認識の下で地域生活に適応を図るための基礎づくりを支援しています。相談やアセスメントを通じて子どもや家庭の状況を詳細に把握し、生活上の課題を明確化するとともに、保護者の意向・要望を尊重し、各々の家庭の主体性を高める支援の実践に努めています。子どもの特性に応じた訓練や活動プログラムを通じて、排泄や更衣等の生活動作やコミュニケーション能力の習得、集団への適応など「自立」に向けた支援を行うほか、保護者に対しても、学習機会の提供や公的制度・サービスの活用支援、各種情報提供を実施して、地域・社会で「自律」した生活を実現出来るようサポートしています。また、「言語化すること」をキーワードに掲げ、社会生活を送る上で保護者が子どもの状態をより客観的に説明できること、自分の意思を正しく伝えることが自立(自律)に不可欠であることを説明しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 センターでは、子どもの成長・発達とともに、特長や個性に応じたコミュニケーション・スキルの獲得に向けた支援を行っています。医師の診療結果や言語聴覚士・臨床心理士などの専門職の評価結果を踏まえ、意思表示及び伝達方法の獲得と相手の意図を理解するための訓練を実施するほか、通園では、保護者からの聴き取りや日々の様子観察を通じて、子どもの興味・関心や意思表示のサイン、反応などを把握し、より円滑な意思疎通に向けたかかわりに配慮しています。また、好きなキャラクター、キーワード等を活動プログラムに取り入れるほか、絵カードやジェスチャーを活用するなどして、コミュニケーションの活性化に繋げています。通園で実践する関わりの工夫を保護者に説明するとともに、保護者から家庭で行うコミュニケーション方法を聴取し、支援に取り入れるなど、家庭との連動性にも配慮しています。外国籍のケースには随時通訳ボランティアを導入・活用しています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 パンフレット等の配布文書にいつでも相談できることを明記するほか、地区担当別にソーシャルワーカーを配置し、診療前の待機期間中から保護者の相談に応じています。診療から間もない未就園児・保護者を対象に「のびのびひろば」を開設し、あそび場の提供と保護者からの悩み相談を受け付けています。
 通園では、クラス担任を中心に随時保護者の相談対応を行い、保護者の変化を見逃さないよう配慮しています。個別面談や保護者連絡会、クラス懇談などのほか家庭訪問や保護者教室等も定期的に実施して、交流の促進と療育課題の共有化に努めています。また、トイレトレーニングの実施時期など、子どもの発達段階と保護者の希望が一致しない場合でも、保護者の要望を反映しながら子どもの状態にあった支援方法を提案するなど、保護者の意向を尊重し、自己選択・自己決定を促す関わりを行っています。面談内容はケースファイルに記録し、職員間の情報共有と対応の統一化を図っています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

 センターでは、児童発達支援の「第1通園」と医療型児童発達支援の「第2通園」、一般の幼稚園・保育所等と週1回の併行通園を行う発達障害の子どもが対象の「ふたば」、知的遅れのない就学前の発達障害の子どもが対象の児童発達支援事業所「ぴーす中川」を運営しています。保護者の意向や子どもの状態、障害特性など一人ひとりの状況を踏まえた個別支援計画を策定し、クラス担任の児童指導員・保育士と作業療法士等の専門職が相互に連携して、より健全な成長・発達と心身機能の向上のための支援を行っています。
 通園では、運動遊びやリトミックなどの「動」と描画や創作、楽器演奏等の「静」の活動を組み合わせるほか、集団療育の中でも子ども一人ひとりの個別性に配慮した支援を行っています。個別支援計画の内容は、個別面談を通じて職員・保護者とで定期的に振り返りを行い、療育課題と進捗状況、家庭での様子などを共有・確認し、支援のあり方を検討しています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人内の職種別専門研修や研究発表会のほか、外部研修等への参加を通じて、個々の職員の専門知識・技術の習得に努めるほか、各課で開催するミーティングや事例検討に複数の職種が関わり、相互の専門性を活用してサービス全体の質向上を図っています。
 通園では、子どものアセスメント結果に基づいて処遇会議を開催し、子どもの障害特性に配慮した支援内容を協議するとともに、個別支援計画の振り返りやカンファレンスに各専門職が参加し、複数の専門的視点を踏まえて、個別支援計画に沿った支援が適切になされているか確認しています。子どもの不適応行動に対しては、子どもの心理や行動に至る背景・要因を保護者に説明し、関わり方を助言するなど、障害特性の理解が深まるよう支援しています。子ども・保護者の地域生活の安定化に向け、保護者が子どもの障害特性や関わり方を「言語化」して周囲に説明できるよう支援するほか、子育て支援センター等の利用調整も行っています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 通園の提供食は外部業者に委託し、センターの厨房で調理を行っています。センターの栄養士が献立を作成し、子どもの嚥下機能や嗜好等を踏まえ、食べやすさに配慮した食事提供に努めています。食事のしやすさと安全性に留意し、子どもの状況に合わせた食器や食具、テーブル、椅子などの備品を導入・活用しています。センターの提供食を各々の家庭でも実践できるよう、調理レシピの配布を行っているほか、令和3年度からは料理レシピのウェブサイトへの掲載を通じて公表を行うなど、広く障害児の食事提供のノウハウについて情報発信しています。また、トイレトレーニングや移動・移乗など、様々な生活動作の習得に向けた支援を行っています。入浴の支援は行っていませんが、発汗やおもらし、屋外での活動等で汚れてしまった場合は、随時清拭やシャワー浴を実施しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 センターは、1階部分に横浜市葛が谷地域ケアプラザが併設された5階建ての構造で、診療室や各種検査室、訓練室、相談室のほか、通園には指導室や水治療室、遊戯室があり、様々な遊具も配置しています。新型コロナウイルス感染症に鑑み、検温及び手指消毒用の備品や空気清浄機、サーキュレーター等を随所に設置し、常時換気を行い感染防止の徹底に努めています。トイレにディスペンサー式便座除菌クリーナーを設置するほか、保護者の要望を反映し、除菌シートも配置しています。
 清掃は外部業者に委託し、共用部分の清掃を毎日実施するほか、年3回ワックス清掃も行っています。通園入口に粘着除塵マットを設置し、職員が各クラスの清掃と消毒を行い、遊具や設備の安全点検とおもちゃ・備品の消毒も毎日実施して衛生管理に配慮しています。
 子ども同士の円満な関係性を保てるよう支援するとともに、個別対応を実施してクールダウンを図るなど、状況に応じ柔軟に対応しています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

 医師の診療や各専門職による評価に基づき、子どもの心身機能に応じた訓練計画を策定し、健全な成長・発達のための機能訓練を行っています。訓練計画の内容は、必ず保護者に説明し同意を得るほか、訓練結果を定期的に評価し、必要に応じて見直し・修正を行っています。通園では、医師の集団診察や理学療法士等専門職の評価に基づいて子どもの状態を把握し、個々の課題に応じた機能訓練を行っています。肢体不自由児が対象の第2通園(医療型児童発達支援)では、個別支援計画の裏面に訓練実施計画を掲載し、個別支援計画と連動して訓練が行われるよう工夫しています。子どもの障害特性に配慮し、活動を行う際は場所や流れを変えないようにするほか、トイレトレーニングを兼ねて活動前のトイレを習慣化しています。また、遊具やおもちゃを共用する際、「貸して」をキーワードに掲げ、子ども同士の関係性構築や自身の意思表示、社会性・協調性の獲得に向けた支援も行っています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 通園の看護師を専任で配置し、各クラスを随時巡回して子どもの健康状態の把握を行っています。通園看護師マニュアルに基づき、子どもの医療対応を実施するほか、小児救命救急など外部研修の情報を随時随時マニュアルに取り入れ、実務に反映しています。通園では、医師による個別診察とクラス診察を実施するとともに、学校保健法に準拠した内科・歯科の定期健診を年2回、ブラッシング指導と検尿を年1回、身体計測を年2回行っています。医療対応や発作など、急変時や体調不良時の対処方法を一覧化して全職員で共有し、有事の一貫した対応に備えています。障害特性などから、医療機関の受診が苦手な子どもに対しては、保護者に障害児歯科等の情報を提供するほか、歯科受診の手順を示した文書を作成・配付するなどのサポートを行っています。また、肢体不自由により体位保持が難しいケースには、姿勢維持や検査時の留意点等の対処法を保護者に説明しています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

 園長を医療安全責任者として、通園の医療的対応の実施手順や安全管理体制を明確化するとともに、緊急時の対応や預かり薬の一覧表等の作成・管理を行っています。緊急時対応として、子どもの疾患や障害に基づき、それぞれの症状に応じた対応や救急搬送が必要な状況等を明示し、職員間で共有しています。服薬が必要な子どもに対しては、主治医の指示書に基づき、通園看護師が服薬支援を行っています。
 年度当初に要配慮時会議を開催し、通園課の職員と医師・看護師・栄養士等の専門職が参加して、対象児の医療的ケアに関する方針を明確化するとともに、カンファレンスを定期開催して、子どもの状態に関する情報共有と適切なケアの実践に向けた認識の統一化を図っています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 センターでは、子ども・保護者の社会参加とともに、就学のための支援を実施しています。センターの専門機能を活用し、地域の保育所・幼稚園・小学校等と連携して個別のケースに対する支援を実施するほか、巡回訪問や講演会等を通じた啓発活動など、子ども・保護者の豊かな地域生活の実現に向けた支援を行っています。
 通園では、就学前の子どもを対象に、鉛筆の持ち方や読み聞かせなど、学習準備と集団適応のための支援を行っています。児童発達支援事業所「ふたば」「ぴーす中川」では、上履きを履く・休み時間にトイレに行くなどのほか、通学を想定して起床時間を設定するなど、家庭と連動して学校生活に必要な生活習慣を獲得し、新たな生活に円滑に移行出来るよう支援しています。遠足や課外活動を通じて地域の公共施設や飲食店に障害児の受け入れを呼びかけ、協力を得られるようにするなど、障害児と保護者が利用可能な地域資源の開拓にも力を入れています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 センター運営の基本理念の下、子ども・保護者が地域で安定して生活するための様々なサポートをを行っています。子どもの個別支援計画の策定にあたっては、保護者の意向や要望や各々の家庭の事情等を踏まえた療育課題を掲げ、社会生活や家庭での暮らしと連動した目標を設定するほか、子どもの心身の成長・発達と子ども・保護者の自立(自律)の実現に向けた、具体的な支援の実践に努めています。お買い物ごっこの後で実際に買い物に出かけたり、登下校の練習に見立てた散歩や、電車を利用するための切符の購入など、ごっこ遊びを通じて社会生活に必要な様々な行動を学び、習得するための関わりを行っています。また、保護者のレスパイトケアに鑑み、活動ホーム等の地域の子育て支援機関の情報提供を行うとともに、早い段階から利用調整を実施して、必要時に円滑な利用が可能となるよう配慮しています。卒園後も随時相談に応じ、必要に応じて関係機関との連絡調整も行っています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 センターの運営理念に「より豊かな地域生活の実現に向け、子どもとその家族を支援する」ことを明示し、保護者・家庭への支援にも力を入れています。個別面談やクラス懇談会、保護者参観など、保護者との定期的な交流機会のほか、保護者教室や家族講座等の学習機会も多数設定しています。また、親子通園や送迎の受け渡しの際など、日常場面を通じて随時保護者と意見交換し、積極的な交流を図るとともに、保護者の不安や悩みに寄り添い、各々の養育力を高めるサポートを行っています。ことばの習得など、個々の療育課題に関する相談には、言語聴覚士等の専門職を交え、生理学的な観点から説明を行うほか、家庭でも実践可能な支援方法をアドバイスするなど、保護者が障害特性を正しく理解し、適切な対応が可能となるよう配慮しています。子どもの不調時や急変時の対応を一覧表にまとめ、職員間で情報共有し、有事の迅速な対応に備えています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 通園課内で定期的にクラスミーティングを開催し、個々の子どもの療育課題と支援の進捗状況、家庭との支援の連動性等について協議しています。子どもの発達状況を評価し、理学療法士等の専門職と連携して心身機能の改善に向けた支援を行っています。子どもの興味・関心や得意なこと、苦手なこと等を事前に把握し、描画や創作、音楽、運動など様々な活動プログラムを準備するほか、個別と集団の活動を組み合わせて、子どもの個性を伸ばす関わりを行っています。訓練室内に仕切りを設置し、子どもが集中して活動参加できるようにするほか、死角を作らない環境作りにも配慮しています。
 保護者に対しては、活動状況の観察を通じて子どもの反応とその要因を伝えるなど、子どもの支援のポイントを説明しています。療育参観週間を設け、併行通園先の幼稚園・保育所等の職員を招き見学を実施するほか、通園先に直接出向いて障害特性や関わり方について説明を行っています。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外(就労支援以外の福祉施設・事業所)

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外(就労支援以外の福祉施設・事業所)

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

評価外(就労支援以外の福祉施設・事業所)