社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜市大熊保育園

2022年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 横浜市大熊保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 119 名
所在地 224-0041
横浜市都筑区仲町台3丁目6−6
TEL 045-942-9884 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1971年07月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 横浜市
職員数
常勤職員:33 名
非常勤職員:28 名
専門職員
保育士:36 名
幼稚園教諭:23 名
小学校教諭:3 名
施設・設備の概要
居室:0歳児保育室
居室:1歳児保育室
居室:2歳児保育室
居室:3歳児保育室
居室:4歳児保育室
居室:5歳児保育室
設備:調乳室
設備:乳児用トイレ
設備:厨房
設備:休憩室
設備:予備室
設備:教材倉庫
設備:事務室
設備:更衣室
設備:遊戯室

③ 理念・基本方針
<理念>
~子どもたちの健やかな成長と幸せを願って~
子どもたちが生まれながらにして持っている「育つ力」「生きようとする力」を十分発揮し、
自分を「かけがえのない存在」と感じ自信を持って生きていかれるような保育をする。

<基本方針>
1. 子どもが安心できる環境を作り、一人ひとりの心に寄り添う保育を実施する。
2. いろいろな文化や自然の中で体験を通し考える力、感動する力を育てる保育を実施する。
3. 地域の子どもとの関わりを通し、共に育ちあえる保育を実施する。
4. 一人ひとりの子どもにすべての職員で関わり、保護者に信頼される保育を実施する。

<保育目標>
●いっぱい遊び、いっぱい考え、いっぱい感動できる子

<保育姿勢>
1.子どもが安心できる環境を作り、一人ひとりの心に寄り添う保育を心がけます。
2.いろいろな文化や自然の中での体験を通し、考える力、感動する心を育てます。
3.地域の子どもとの関わりを通し、ともに育ちあえるように 見守ります。
4. 一人ひとりの子どもにすべての職員で関わり、保護者に信頼される保育を心がけます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<横浜市大熊保育園の特徴的な取り組み>
●子どもの最善の利益を考慮し、人権やプライバシーを守ることを重要視しています。
●子ども一人ひとりの個性を大切にし、応答的なかかわりをし、子ども主体の保育を推進しています。
●給食委託業者と連携をはかり、食育を大切にする保育を行っています。
●保護者に保育を理解してもらうよう工夫を凝らして取り組むとともに、保護者の悩みなどに丁寧に対応するよう心がけています。
●職員全体で子どもたちを育てる姿勢が保護者に伝わり好評をいただいています。
●地域との交流を積極的に取り組み地域で子どもを育てています。
●保育の質の向上のために職員の連携と情報の共有、学びを大切にしています。
●公立保育園の役割として、セーフティーネット、地域の子育て支援、ネットワーク事業に取り組んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/04/01(契約日) ~2022/02/07(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【横浜市大熊保育園の概要】
●横浜市大熊保育園は、昭和46年7月1日に開園し、設立50年を迎える歴史ある保育園です。横浜市営地下鉄仲町台駅から徒歩7分の住宅街の中に位置し、周辺は緑豊かな自然環境に恵まれています。園の建物は、鉄筋コンクリート造り2階建てで、広い園庭が特徴的であり、子どもたちが伸び伸びと元気に遊ぶ姿が印象的です。
定員は0歳児から5歳児まで合計119名ですが、全年齢児定員外で入所しており、現在、132名の子どもを預かっています。
●保育サービスは、乳児・幼児保育、障害児保育、延長保育、一時保育、園庭開放、交流保育、給食体験、離乳食体験、育児講座、出前保育事業を実施し、地域の子育て支援に積極的に尽力し、地域に貢献しています。園の特徴の1つに、敷地内に丘陵傾斜を利用した上下二つの園庭があり、土と芝生の園庭は斜面でつながっています。園庭には、プール、鉄棒、滑り台、ブランコ、砂場、ジャングルジム等の他、柿や杏等の樹木が植栽され、子どもたちは樹木や木の根っこを飛び越え、木登りをする等、自然の産物で遊ぶ機会は創造力、体力を養い、子どもたちは健やかに成長しています。

◇特に評価の高い点
1.【子どもの育ちと学びを支える保育】
横浜市大熊保育園(以下、大熊保育園という)では、子どもを尊重した保育の基本姿勢を「素敵な保育」としています。園には学び合う風土が定着しており、園内研修で「こんなこと素敵よね!」と語り合い、「素敵な保育」を職員が共有し、保育に実践しています。語り合いの研修で挙げられる保育は、事例集として綴られています。事例集には、「段ボールを使った制作でおうち、びっくり箱、ロケット等子どもたちがアイデアを出しながら順次発展する制作活動」、「午睡前、子どもたちが布団に入る時間『誰が上手に寝られるかな~』優しい、ゆったりとした声かけが魔法の言葉かけのようで素敵」等が有ります。この「素敵な保育」を指導計画に位置づけたカリキュラムに「保育ウエブ」が有ります。「保育ウエブ」では、子どもたちが最初に思いついたアイデアに順次関連するアイデアを出しながらアイデアを蜘蛛の巣状につなげて図表示にし、子どもたちは、図表示されたアイデアから更に思いを広げて制作します。制作完成品の機能・でき具合を試し、思いを形にする達成感につなげています。実際に、5歳児は最初のアイデア「夏」からアイデアを「船づくり」につなげて船を制作しました。試みでは、段ボールで作り水に浮べて乗ると沈んでしまい、次は、牛乳パック、ペットボトルと、順次船作りに挑戦し、何回も乗っている内にテープが剥がれて壊れ、それでも完成を目指し、乗っても沈まない船を完成させました。職員は、試行錯誤に考える過程、何度も失敗から学ぶ子どもたちの成長を温かく見守り、自主性・主体性を援助しています。

2.【食育活動の工夫・取り組み】
大熊保育園の食育目標は、「楽しく食事をする中で食事に関心を持つ」、「自分の身体に必要な食べ物に興味を持つ」、「栽培など様々な経験を通し命の大切さを知る」と掲げ、食育計画に沿って積極的に食育活動に取り組んでいます。5歳児の活動例では、春にトウモロコシ、じゃがいも、小玉すいか、枝豆の種まき・苗植えから栽培を始め、夏での収穫では調理師と一緒に下ごしらえから調理に参加し、収穫したじゃがいもはポテトフライにして給食メニューに加えました。また、栽培物の調理体験の他、調理師による魚の三枚おろし実演等、実物を見て触れ、食への興味・関心及び命の大切さを知ることにつなげています。3色食品群表では栄養バランスを学び、調理室前の食育ボードに食材のカードを貼り、「今日のメニュー」の栄養バランスを周知しています。「パクパクだより」は保育室に掲示し、食材調べにより子どもが食に関心を持つよう工夫しています。さらに、調理室前にポストを設置して子どもと調理員の「お手紙ごっこ」を通して、給食の感想やメニューのリクエストのやり取りをしています。食への興味・関心を様々な工夫、取り組みにより促し、楽しく食に接する機会は、子どもたちの未来を生き抜く力につながっています。

3.【地域交流への積極的な取り組み姿勢】
大熊保育園は、地域との交流を例年、活発に実施しています。養護学校高等部の受け入れ、高校生の実習受け入れ、デイサービス訪問、特別養護老人ホーム訪問、おはなし会等で交流を図り、地域に対する子育て支援では、育児相談、園庭開放、交流保育、育児講座、一時保育、出前保育、出張育児相談赤ちゃん会等を実施しています。今年度は、新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍という)であり、大熊保育園では、そのような状況下でもでき得る地域交流を思案しました。年長児交流の手紙交換、地域の方への暑中見舞いを送付し、「文書交流」を行いました。給食体験では、地域の親子を迎え、栄養士と保育士が食に関するテーマに保護者と話す機会を作り、個別の質問に直接答える等、実施後のアンケートでも栄養士と直接話ができたことに喜びの声をいただいています。また、地域親子を迎えての交流保育、芋堀りを通じてJA農協と交流し、保育園広場でのおひさままつりや、出張保育も実施しています。園では、コロナ禍においてもこれまでに近い、でき得る交流は何か、を考え、実行する積極的な姿勢は、高評価に値します。さらに、大熊保育園は、都筑区の保育資源ネットワーク構築事業として横浜市の活動を行い、都筑区内の保育・教育施設の子ども同士の交流や、職員研修の企画・実施、園児のイベント参加の調整、地域のイベントの手伝い等を行い、地域に貢献しています。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1.【単年度、中長期事業計画の実施に向けた取り組みについて】
大熊保育園では、単年度、中・長期事業計画(令和2年度~令和5年度)が策定されており、これらの計画への取り組みは公立保育園として際立っています。今年度の事業計画では、「子どもが主体的に遊び込める楽しい保育園」、「安全保育」、「コロナ禍においても日中の子どもの様子や職員を保護者に知ってもらう機会をつくる」、「保護者に相談しやすい、話しやすい保育園」等を挙げ、中・長期事業計画令和4年度、令和5年度には、「IT(コドモン)の活用」、「リスクマネジメント」、「Zoom活用」等が盛り込まれています。単年度、中・長期事業計画には、今回の第三者評価調査で挙がった7項目に呼応した対応策が既に挙げられてもおり、事業運営上の課題も認識されています。それらの改善策は計画的に実施されつつあり、この取り組みが今後も計画に沿って進捗していかれることを期待いたしております。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 横浜市大熊保育園         

<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
   
これまでも子どもの主体性を大切にした、共感と応答的な保育を職員一同大切にしてきましたが、第三者評価を受審するにあたり、職員と勉強を重ねる機会を多く持つことができました。
保育やマニュアルを見直すことで、良いところを再確認し、そして更により良いものに作り上げる過程は、職員と何度も話し合いを重ねる必要があり、それが質の高い保育への取り組みにつながりました。その取り組みが、結果として、風通しの良い職場作りにつながる等、充実した時間となりました。
コロナ禍でできないことはたくさんありましたが、工夫を凝らして行ってきたことが、保護者の皆さまにご理解いただけたことを感謝しています。
同時に課題もみえましたので、職員一同、気持ちを一つにして、引き続き取り組んで行きたいと思います。


<評価後取り組んだ事として>

1. 保育の理念等がよくわからないとのアンケート結果だったため、評価者から教えていただいた漢字一文字を職員間で出し合い、『和』として、園だより、園外の掲示板、コドモン配信で周知しました。それを見た方から「素晴らしいですね」と何度も絶賛していただいています。

2.対面での懇談会を開催しました。また、Zoom懇談会の練習をしました。保護者と練習会も開催しました。

3.ビデオ上映をしました。Zoomでも流します。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念「~子どもたちの健やかな成長と幸せを願って~子どもが生まれながらにして持っている『育つ力』『生きようとする力』を十分発揮し、自分を『かけがえのない存在』と感じ自信を持って生きていかれるような保育をする」を掲げ、4つの保育方針と園目標に沿って、子どもを尊重した保育を展開しています。理念・方針・目標・姿勢はホームページに掲載し、園玄関にも掲示しています。保護者には、横浜市大熊保育園利用のご案内(兼重要事項説明書)等に記載して入園説明会で説明し、クラス懇談会や毎月の園だより等で、折に触れ保護者周知を図っています。10月よりICTアプリ「コドモン」により、園だより、保健だより、パンフレットを保護者に配信しています。職員への周知については、毎年年度末に保育理念等、全職員で振り返りを行い、次年度へ向けて方向性を話し合い、全体的な計画や指導計画に反映させています。保護者に向けて、機会を得て説明、ICTの活用により周知を図っていますが、保育方針、保育目標についての保護者への周知度は十分な結果が得られていませんので工夫の継続が望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向等について、横浜市の方針に基づき、第2期横浜市子ども・子育て支援事業計画(令和2年度~令和6年度)や横浜市地域福祉保健計画、都筑区地域福祉保健計画を通して、人口減少や少子高齢化等、社会状況の変化と複合的課題への包括的対応を分析、把握しています。園が所在する地域の特徴・変化等の経営環境や課題については、公民園長会議、地域ケアプラザ、第三者委員会、自治会等で把握し、分析しています。また、子育て支援会議に出席して情報交換を行っています。園長は、葛が谷地域ケアプラザの理事として就任し、課題の分析、改善に取り組んでいます。日常業務の中では、大熊保育園として保護者・地域に対する子育て支援を行っており、その中での育児相談等で保護者の声、福祉ニーズの把握に努め、改善につなげています。また、保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等については、都筑区役所と連携し、利用者推移や毎月の空き状況等、利用率を共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

経営環境や保育の内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等について、横浜市や都筑区の計画・地域の状況及び社会状況等より保育園の課題を把握しています。一方、大熊保育園として、保育士による各クラスの評価チームや、園長・主任による自己評価のチームが検討及び改善を図り、月1回、事務所会議を行い、確認しています。改善内容は、改善事項の一覧とその過程、解決策を記載して職員会議、アルバイト会議、福祉員会議、ミーティング、掲示等で周知しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画において、理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)について、横浜市では平成17年度~令和7年度「横浜市基本構想」(長期ビジョン)が示され、中期ビジョンとして平成30年度~令和3年度「横浜市中期4か年計画」により、次世代を担う子どもたちについてのビジョンが明文化されています。また、中・長期計画では、具体的な内容について、「市立保育所のあり方に関する基本方針」(平成26年度)において、公立保育園は将来54園になることが示されています。第2期横浜市子ども・子育て支援事業計画(令和2年度~令和6年度)が策定され、保育園の課題や役割を明示しており、それを踏まえ、大熊保育園では、4年間の中・長期計画として策定し、項目ごとに実施目標を掲げています。計画の課題で目標を数値化できるものについては実施回数、参加人数、アンケート集計等、目標達成の評価にしています。中・長期計画は、年度末に評価を行い、次年度に生かしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の計画は、中・長期計画の内容から作成した今年度計画、行事計画、全体的な計画及び指導計画の3つになり、大熊保育園では、この3つの単年度計画が策定されています。また、都筑区区制運営方針を踏まえ、大熊保育園の単年度計画を具体的に定めています。そして、収支計画を作成し、予算に合わせて事業を進めています。さらに、保育理念や保育所の自己評価等を踏まえ、単年度の各計画(全体的な計画、保育計画、食育計画、避難訓練、不審者対応訓練、行事計画等)を具体的に策定し、評価を行っています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画には、中・長期計画の今年度計画、今年度の行事計画、今年度の全体的な計画及び指導計画の3つが有ります。事業計画は、保育所の自己評価、保護者アンケート、指導計画の振り返りを基に策定され、職員に配付し、会議で説明及び実施状況の報告を園長、主任が行っています。園長は、年度末に都筑区の課長、部長級と面談をし、助言や訂正等の意見を受け、新年度の事業計画に反映しています。従って、事業計画は、評価、見直し、計画、実行というPDⅭAサイクルが講じられています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画の保護者等への周知については、4月、10月にクラス目標や事業計画を園だよりに掲載し、保育所の自己評価や保護者アンケート結果については掲示や配布物で報告を行い、年間カリキュラムは通年各クラスに掲示しています。全体的な計画は通年、打刻コーナーに掲示しています。上期及び下期の懇談会(今年は配布)と月間カリキュラムは、クラス目標、子どもの育ちを具体的にお知らせしています。行事計画は、前年度及び、入園説明会で配付し、保護者参加の行事予定の周知を図り、ねらいや取り組み過程については随時伝えています。必要に応じてひらがな、ルビ付き資料、ポケトークを活用しています。横浜市の事業における設備計画については、決定事項を保護者に周知しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

職員の資質向上については、職員の外部研修への参加、キャリアラダーの活用、人事考課、園内研修を実施し、PDⅭAサイクルを継続的に行っています。保育内容については、日誌、年・月カリキュラムの中の「振り返り欄」に成果や反省点を記し、会議でクラスごとに発表し、共有しています。主任、リーダー保育士は保育内容を把握し、改善に関わり、組織的に保育の質の向上に努めています。また、子どもの満足度調査を行い、保育日誌に記載して保育に反映させています。保育の質の向上として、毎年の自己評価及び5年に1回、第三者評価受審を実施し、評価結果を園全体で分析及び検討を図り、次年度へ生かしています。さらに、第三者委員を設置して苦情内容に対する改善に向けた活動を継続しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

横浜市公立保育園共通の自己評価様式にまとめ、今年度の取り組み状況、保護者アンケート結果、次年度の課題・改善点を明文化して公表しています。事業計画には、自己評価や第三者評価で上がった課題を明確に記し、改善するよう作成しています。自己評価、事業計画、評価改善、計画表の順に文書化され、職員会議で課題の共有化を図り、実施状況の表に進捗状況を記し、改善内容や計画を職員会議で毎月見直しを図っています。また、横浜市の計画により、設備改善・人員配置・予算課題の詳細の決定を基に園運営を実施しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

保育所保育指針に「施設長の責務」として、専門性の向上や職員の研修機会の確保等が明文化されており、大熊保育園の業務マニュアルに規定しています。園長は、園の運営管理責任者として「園長の行動計画(MBO)」を全職員に配付すると共に、会議にて自らの役割と責任を説明及び周知しています。日々の保育や保護者対応、ケガや事故、感染症等の危機管理等、職員と報告・連絡・相談を密に行い、園運営に関する全ての最終判断と責任を果たすことを組織として明確化しています。また、園長不在時は、主任と連絡を取り合い、指示・判断を行うことを明確化しています。大熊保育園組織図には、平常時・有事における役割と責任、不在時の権限の委任を明確化しています。そして、MBOには目指す組織、職場作りを挙げ、質の高い保育の実現を目指しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

横浜市のコンプライアンスの考え方は、単に法令を遵守するだけでなく、市民や社会からの要請に全力で応えていくという姿勢が示されています。園長は定期的に、横浜市コンプライアンス推進委員会からの報告を受け、事例を通して意識の向上を図り、職員へ委員会での報告を行い、コンプライアンスの周知徹底と共に再発防止に努めています。また、横浜市からの通知に沿い、定期的に法令研修を実施し、横浜市の服務規程の周知を図り、法令遵守に努めています。園では、寄贈品を断り利害関係者との適正な関係を保持し、組織内に相談窓口を設置して質問、疑問に応じています。環境面では、グリーン購入、エネルギーカルテシステムによる環境への取り組みを行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質に関する課題表を作成し、課題に対する取り組みを会議、園内研修で討議し、保育の改善に向けて研鑽を図っています。また、専門機関と連携を図り、職員研修を計画・実施し、受講後は研修報告を重視して職員教育の一環としています。園長は、マネージメント研修を受講して学びを深め、安全委員会に参加する等、自らを律し、事務所会議でも各クラスの課題や改善の状況を把握し、保育の質の向上に尽力しています。主体的な保育や保育環境の質については、主任を中心に職員で考え・話し合う仕組みを構築し、職員の意見を保育に反映させる等、職員参加型の体制を質の向上につなげています。保護者に対しては、動画や写真、クラスだより等で保育を発信し、保護者の声をより良い保育へと生かしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画書に経営資源の有効活用を謳っています。人事、労務、財務の検証に課題表を作成し、活用しています。予算執行簿、予算計画書により、経営、コストバランスの分析を行い、さらに、情報通信技術を活用して実効性が向上しています。職員配置表、保育者換算表、個別申請による加配等により、適正な人員配置を行い、働きやすい職場環境に努め、主任、事務主任、乳・幼児リーダー、クラスリーダーを配置し、各会議で経営改善や、業務の実行性への関心、意識向上に努め、指導力を発揮しています。エアコン工事等の環境整備については、園だよりや園内掲示で保護者に伝えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

大熊保育園では、組織が適切に機能するために、保育者換算表を基に人数を確保し、体制表を作成しています。園には管理栄養士が常駐し、給食体験、離乳食講座、食の情報発信を積極的に行い、看護師による巡回相談は年2回あり、都筑区担当看護師を確保しています。計画に基づいた人材の確保については、都筑区役所が採用情報を広報やチラシで採用募集を行います。保育所として効果的な福祉人材確保については、横浜市職員採用試験、再任用職員採用等での人材確保や職員の異動によりキャリアバランスを形成するようにしています。未資格者には、資格取得促進制度があり、保育士講座の受講を促しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

期待する職員像等は、横浜市の行動基準、大熊倫理要綱、人材育成ビジョンを基に研修を行い、職員に対して周知及び資料を配付しています。人事基準は、横浜市の基準によるキャリアパスの仕組みがあり、また、開かれた保育園として職員が相談や希望・意向を伝える縦の仕組みも有ります。人事考課では、職員のキャリアに応じた業務、目標を振り返り、成果を自己評価で確認し、園長との面談で共有しています。新人育成では2年間のトレーナー制度があり、職Ⅱ、職Ⅲの昇格時に研修及び園長の面談制度を設けています。人事管理に関する規定(基準)を備え、詳細はYCAN、人事委員会、人事管理任用課、任用課、総務局が担当しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

横浜市の人事関連規程に基づき、労務管理、有給休暇取得状況、時間外労働状況等を管理しています。園長は毎月の休暇・超勤等の職員の勤怠状況を把握し、区と情報共有しています。園長は、普段から職員に声かけを行い、働きやすい雰囲気作りに努め、適宜、個別面談を行い、職員の心の安定に気を配っています。また、園長によるメンタルヘルス研修の実施や、横浜市のメンタルヘルス調査を行い、職員の心身の健康管理に配慮しています。さらに、保健師による職場訪問や、保健師相談事業、健康相談室を備え、安全衛生委員会では産業医からアドバイスを得る機会も設けています。公務災害、労災を申請できる体制を整え、横浜市の頚腕検査、無料がん検診等も受診できるようにしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

横浜市行動基準に「期待される職員像」を明確にしています。人材育成については、「横浜市人材育成ビジョン」(職域別)及び、「保育士分野 人材育成ビジョン」があり、求められる役割・能力・知識や、OJTやOFF-JT、自己評価・外部評価、人事考課、人事異動に関する人材育成の取り組みが示されています。人事考課制度では、年度当初・中間・年度末に面談を行い、年度末に評価を実施しています。キャリア、職責に応じたアドバイスと主体的な取り組みを支援し、キャリアラダーを基に目標の達成状況を確認し、各職員の目標達成を組織全体の質の向上につなげ、次年度のキャリア計画につながるようにしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

横浜市保育士人材育成ビジョン、職員行動基準、保育士倫理綱領、区制運営方針等を職員に提示し、「期待する職員像」を周知しています。園長は、各職員の「個人育成計画書」を作成し、キャリアラダーを活用してキャリア形成を行っています。研修計画は、「個人育成計画書」を基に、職員一人ひとりの目標、研修履歴及び希望する研修を加味して計画に組み込み、年度末に振り返りを行っています。研修計画と研修内容は、園長が四半期ごとに評価を行い、見直しを図っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園長は、「保育士キャリアラダー」、「自己分析表(保育士)」から職員の知識、技術、専門資格や研修履歴等を把握し、人事考課の面談等を通して個々の目標や希望を共有し、習得してほしい研修を促し、保育の専門性を高めるよう努めています。知識や技術水準については、人事考課での面談や日々の保育の中で確認し、「個人育成計画」により業務に生かせるようにしています。また、トレーナー制度による新人職者の育成体制を整え、園長が育成者とし、指名職員がトレーナーとなり、年間計画を立てて継続的に援助・育成を行っています。2年目から他職員同様、面談(年2回)を人事考課面談以外に実施しています。職Ⅱ、職Ⅲへの昇格時についても研修及び面談を行っています。園内研修は、全体研修、階層別、職種別、テーマ別に研修計画を立案し、自主研修では4チームに分かれ、主体的に学びを深めています。外部研修は、職員の希望を募り、園長及び主任で相談の上、参加を推奨しています。都筑区主催の公立保育士の研究会は5種あり、各保育所から参加した職員が主体的に研究し、園長がアドバイザーを務めています。研修受講後は、職員が自己分析した研修報告に園長がコメント・評価・アドバイスを行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生の受入れについては、日程調整できる範囲で受け入れを行い、職員の人材育成、保育の振り返りの場につなげています。実習生受入れに当たり、担当は「実習指導者研修」を受講した保育士であり、横浜市福祉関連施設における社会福祉系学生の実習実施要綱を整備し、園独自の「実習生受け入れマニュアル」も備え、基本姿勢を明示し、オリエンテーションを実施しています。また、マニュアルを職員に周知し、全職員が次世代育成の意識を持ち受け入れに当たっています。実習では、実習依頼校のプログラム及び本人の希望を反映させ、充実した実習となるよう、実習スケジュール作成、日々の振り返り、丁寧な指導、責任実習等のフォロー等を行い、最終日には反省・質疑応答を行い、主任がアドバイスを行う等、育成の体制を整えています。実習担当者訪問時には、実習状況の報告や情報交換を行っています。実習生受け入れ時には保護者に周知しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

横浜市のホームページに、大熊保育園の概要、保育理念、保育方針、園目標、受け入れ可能数を掲載しています(外部紹介サイト)。毎年、都筑区の園紹介イベントではパネル展の他、地域の子育て親子に向けて離乳食や遊びの紹介を行っています。運営の透明性に関しては、第三者評価結果は横浜市のホームページ等で開示し、毎年の保育所自己評価も園内掲示にて公表しています。園では、ドキュメンテーション、園だより、クラスだより、広報、パンフレット、万華鏡新聞により情報提供を行い、保護者へは、コドモンのアプリ、ホームページ、タブレットで写真を紹介する等、保育に関する情報を発信しています。地域へは、園だよりを小学校や区役所等に配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

横浜市で定められた事務・経理等の範囲があり、予算の執行については横浜市こども青少年局と都筑区からの予算に基づき、区役所の担当者と連携し、経理、物品委託の取引を実行しています。予算については、園内の経理担当2名が管理し、財務会計のダブルチェックを行い、最終確認は園長が行っています。そして、横浜市こども青少年局による「市立保育所調査基礎資料」に園の概要・保育所の状況、年間計画実施状況、危機管理・安全管理、児童の健康診断等の状況、配慮の必要な児童に関する対応、職員の健康管理の状況、保育の実施状況、帳簿類の整備状況を記載し、提出しています。今年度からは指導監査にて実地監査があります。さらに、横浜市では、区役所ごとに行う情報セキュリティ内部監査、事務の適正な執行を確保するための内部統制、個人情報の取り扱いに関する自己点検等を園でも行い、公正かつ透明性の高い適正な運営が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「市立保育所のあり方に関する基本方針」の中で、市立保育所が地域で担う役割・機能の一つに「地域の子育て支援の推進」を掲げ、基本的な考え方を明確にしています。大熊保育園では、地域活動への取り組みの意義やねらいを書面化し、職員会議にて職員に周知しています。例年は、地域との交流として養護学校高等部受け入れ、高校生実習受け入れ、デイサービスへの訪問、特別養護老人ホームとの交流、おはなし会等を実施しています。また、保護者・地域に対する子育て支援として、園だより等の配布、個人面談、懇談会、育児相談、園庭開放、交流保育、育児講座、一時保育、出前保育、出張育児相談赤ちゃん会等を実施しています。今年度は、新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍とする)でもできる地域交流を思案し、年長児交流の手紙交換、地域の方への暑中見舞いでの「文書交流」を行いました。また、地域の子育て親子を迎えて交流保育や、芋ほりを通じてJA農協との交流、保育園広場、おひさままつり、出張保育を実施しています。また、掲示やパンフレットの設置により、園の利用や社会資源の情報提供を行い、大熊保育園独自に保育内容を掲載したパンフレットも用意しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受け入れや学校教育への協力は、保育園の社会的役割の一環として行っています。「ボランティア受け入れマニュアル」を整備し、ボランティアの登録、手続き、配置、ボランティアや保護者、職員への事前説明、記録等をマニュアルに沿って行っています。マニュアルは毎年見直し、改善を図っています。ボランティアの受け入れでは、主任が事前オリエンテーションを行い、活動・学習時の注意点を説明して、受け入れクラスの担任からも活動中の注意事項や役割等を促しています。コロナ禍では、みどり養護学校の依頼を受け、保育園の書類の名前書きの作業等を行い、ボランティア活動を通して園児と交流を図りました。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

関係機関一覧連絡表を整備し、専門機関の性質や、取り扱い内容が分かるパンフレット等を用意し、職員に周知して保育に活用しています。カリキュラム会議で専門機関との連携報告は必ず行い、園長、主任、担任で事前打ち合わせにより、各ケースに応じて社会資源が適切に活用できるようにしています。関係機関とは、定期的な連絡協議会に参加し、仲町台を拠点とする子育て支援ネットワーク会議ではコロナ禍の子育ての課題検討を行い、園庭開放、育児支援イベントを提供しています。認可保育所園長会、第三者委員との連絡会では地域の子育て事情の情報交換を行い、他、児童相談所等の関係機関とも連携を図っています。また、公立保育所として保育資源ネットワーク事業を展開しており、保育士の資質向上を目指し、発達障害保育支援コーディネーター等の研修を年数回、企画・運営し、地域の育児支援や保育施設の交流も園が中心となって企画・運営を行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

横浜市、区役所が運営する地域の困りごとを議論する会に参加し、子育て支援ネットワーク会議、認可保育所園長会、地域の子育て拠点ポポラ、民生委員・児童委員との会議、地域向け園庭開放(おひさま広場)等を通して地域のニーズを把握しています。保育園ひろば、地区センターのイベント、赤ちゃん会の他、園では育児相談、育児講座、給食体験を計画的に実施し、アンケートを取り、地域住民へより良い保育資源の還元に努めています。特に、直接的なコミュニケーションの場として、園庭開放(おひさま広場)があり、民生委員がおひさまスタッフ、児童委員が第三者委員を担っています。また、計画的に保育士が地域に出向き、イベントや出前保育で育児に関する相談を受けています。保健師と連携し、地域の親子の状況把握や、制度利用の相談にも応じています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

横浜市の行政の役割として、大熊保育園は福祉ニーズの解決、緩和、事業の主体を担っています。また、地域住民の主体的な活動を促進及び支援を行っています。育児講座、交流保育、離乳食体験、給食体験、相談会、園庭開放、保育園ひろば、積木の育児講座、出前保育等の計画を策定及び実行し、毎月、一時保育説明会、見学会等を地域に向けて行っています。横浜市の取り組みとして、災害時の対応に職員は園に参集する体制を敷き、防災訓練、メールによる配信確認訓練と徒歩、自転車を使っての園までの経路確認を行い、災害時の備蓄品の確保を行い、有事に備えています。園では、地域ケアプラザ、第三者委員と連携を図り、地域貢献の可能性を話し合っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

大熊保育園では、人権に関する研修を継続的に行っています。その中で、大熊保育園倫理綱領、全国保育士会倫理綱領の読み合わせを行い、理解しています。保育の基本姿勢に関しては、「素敵な保育」を職員全体で共有し、学び合いの風土を作っています。人権を含む子どもへの対応を職員間で学び合い、各会議で振り返り、評価し合える職員関係が構築されています。多文化共生、インクルージョンの取り組みもその一環としています。保護者に対しては、園の方針を、園だよりや懇談会等で子どもへの人権感覚の共通認識を促しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

「プライバシー保護マニュアル」を整備し、姿勢、責務を会議やミーティングで周知しています。保育の環境整備では、衝立で個の空間を作り、予備室やホールを活用し、必要に応じて個人への配慮を行っています。排泄時は、トイレに扉が設備され、乳児はおむつ替えの場所を決め、衝立等で仕切り、シャワーが必要な時はシャワーカーテンを引いて活用し、子どもの羞恥心、プライバシーを守っています。保護者へは、個人情報を含む伝達や、配付物・掲示物・写真・電話連絡時の伝言等について内容を精査し、配布専用個人封筒やファスナー付きケースを活用し、情報漏洩に十分留意しています。子どものプライバシーに関して園だよりで伝えると共に、保護者に取り組みを周知しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

社会福祉法第75条を理解し、区役所、園庭開放、地域のイベント等で、園の情報が記載された冊子を置き、ホームページや子育て支援サイトで積極的に情報提供を行っています。令和3年度版のパンフレットでは写真や保育内容を一新して作成しています。園見学希望者に対しては、毎月見学会を開催し、電話で見学日の調整を図り、施設見学、入所や子育てに関しての質問に答えています。園見学は特に、8月~10月は、毎月20件程度の電話があります。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始、変更にあたり、入園説明会、保護者説明会、おたよりの配付、掲示等で同意の確認及び、保護者の意向に応じた対応をしています。説明の仕方を重要視し、対応職員は同じ手順方法で保護者へ説明を行い、文言、写真・図・絵等を活用した分かりやすい資料とパワーポイントを活用して丁寧に説明しています。そして、重要事項説明書を配付し、説明後に同意を確認し、利用契約書を交わしています。全体または個別の保育内容の変更が生じた場合は、園だより、掲示、懇談会や個人面談で説明を行い、承諾を得ています。説明内容と質問内容等は、懇談会の報告書、アセスメント表、経過記録等に記録して保管しています。状況に応じて、園長、または園長・担当保育士とで面談を行い、意向を確認し、入所時の面談表、面談報告書に記録しています。保護者の個別意見に関して、行事アンケートや乳児連絡ノートで吸い上げ、対応しています。また、抽出した他の保護者の意見は園だよりでお知らせする等、分かるようにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

変更に伴う引き継ぎや申し送りの手順については文書化しています。関係機関との連携を図り、密に連絡を取っています。引き継ぎに関しては、保護者の意向に応じて転園先の保育所や幼稚園に情報を提供しています。利用終了後も継続して相談できるよう、園長が相談窓口とし、転園、退園者に向けて相談窓口の案内文を配付しています。手続きに関しては、大熊保育園で起案を立て、部長承認を受けています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもが自分の意志を保育者にいつでも伝えることができるよう心がけ、子どもの気持ちを汲み取り、共感する保育を実践しています。意見や考えを尊重した保育は、カリキュラムや、日誌、クラスだよりに記載し、特に、子どもが満足している姿や言葉の「気づき」は日誌に記載し、印をつけて子どもの満足度を園長、職員間で共有しています。各クラスでは、子どもの満足度の観点で改善することを毎月挙げ、事務所会議で改善策や、改善方法を話し合い、園全体で共有し、満足度の向上に努めています。保護者の満足度については、保育所の自己評価の振り返り、行事後のアンケート実施、ドキュメンテーションへのコメント募集等で把握し、個人面談、懇談会、保護者会や、日頃より要望や意見を聞くようにしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「苦情解決マニュアル」を整備し、園長を責任者とした苦情解決の体制があることを、入園時に重要事項説明書を基に説明しています。第三者委員の連絡先を掲示し、意見箱の設置や保護者アンケートで苦情の申し出を受ける仕組みを構築しています。苦情内容・話し合いの記録、解決までの過程を記録し、申し出た保護者に配慮の上、園だより等で公表し、他の保護者へも情報を共有しています。園では、苦情になる前に改善できる点を園長に報告し、職員間で解決策を話し合い、改善に努めています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者の相談、意見を受ける方法を複数設け、重要事項説明書や掲示等で、相談する選択があることを示しています。入園説明会時に説明を行い、打刻コーナーに意見箱や第三者委員の連絡先を設置し、登降園時に保護者が見やすいよう配慮し、意見を述べやすい環境を整備しています。また、区役所への投書、広聴、福祉保健サービスへの申し出の仕組みを周知しています。職員は、日頃より保護者とコミュニケーションを取り、信頼関係の下、話しやすい関係作りを心がけ、事務所に面談スペースを用意しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

保護者とは普段より信頼関係を築き、相談しやすい関係作りに努めています。保護者対応研修ではカウンセリング等を学び、意見収集の仕組みとして、意見箱の設置、行事・自己評価のアンケート調査を整え、苦情の他、相談や提案を積極的に受けています。受けた内容等は、会議やミーティングで職員間で共有し、チームで改善策を話し合い、協力して迅速な対応に努めています。苦情や提案は真摯に受け止め、相談・苦情に関するマニュアルを参考に解決にあたり、また、園の記録シートに内容と取り組みを記載し、保育の質の向上につなげています。年度末にマニュアルの見直しを行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

園では、リスクマネージャーを選任して話し合いの場を持ち、事故防止対策を行っています。ヒヤリハットについては毎日、ミーティングで共有し、期ごとでは各クラスの事例と改善をまとめ、各クラスの傾向や改善点を職員会議で発表し合い、園全体でどのようなリスクに向き合っているのかを分析し、数値化して共有を図っています。「安全管理マニュアル」、「危機管理マニュアル」を整備し、重大事故について確認を行い、リスクマネジメント研修につなげています。毎日、安全点検を行い、危険個所の早期発見に努め、異常時は直ぐに園長に報告し、対応しています。保育では、遊具の使い方や遊び方の確認を行い、安全面に配慮し、また、通院グッズを用いて迅速かつ適切な通院を行っています。大熊保育園では、安心・安全な保育サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの安全確保のため、園では「安全衛生委員会」を設け、園長も参加して職員で話し合いを行い、衛生に関する改善に取り組んでいます。各月で衛生管理担当者と医師、課長、園長が参加して職場巡視を行い、主に感染症予防、保育環境、職場環境等の問題点の改善に努めています。看護師の年2回の訪問では、保健衛生の相談・指導を受けています。厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」、「衛生マニュアル」を活用し、感染症等に関する最新情報を掲示や保健だよりを通して保護者に情報を提供しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応体制、職員体制、避難先、避難ルートを定め、自治体と連携の下、方針や計画、事前対策を講じています。ハザードマップで園の立地条件での安全を確認し、園舎の耐震対策、消火設備の点検、什器等の落下防止策を講じ、備蓄品の確保・保管は責任者の下にリスト化しています。職員は参集メールによる安否確認を行います。保護者への安否確認については、保護者から園の電話・携帯電話に連絡をもらう確認方法の他、災害時伝言ダイヤルを活用し、安否状況をメッセージで残せる仕組みも整備しています。子どもの安全のため、園では、0歳は防災頭巾を、1歳以上はヘルメットを用意しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法については、保育所保育指針を基に、カリキュラムや手順書、業務マニュアルを網羅し、全体的な計画を作成し、保育の基本・根幹部分を共通化し、実施しています。保育方針、保育姿勢、運営方針、各種マニュアル、倫理綱領は職員がいつでも確認できるようにしています。標準的な実施方法は、園内研修や個人相談、助言及び指導にて改善を図っています。また、クラス会議、乳・幼児会議、事務所会議、カリキュラム会議、職員会議において標準的な保育の実施状況を振り返り、職員間で意見交流の場を設けています。園では、子ども主体の保育を目指し、子どもの意見や気持ちを反映した保育を実践しています。保育の計画の変更、追加等は状況に応じて柔軟に対応する体制を整えています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアル及び指導計画は、自己評価、年間の反省(年度末)、カリキュラム会議(月1回)、行事、公開保育を通して振り返り、検証及び見直しができています。指導計画は、職員、保護者等の意見を反映して作成しています。保護者の希望や要望を聞く機会を活用し、意見を抽出して実施方法の見直しや工夫につなげています。職員の共通意識を図り、PDCAサイクルにより継続的に保育の質の向上について検討し、年度末会議では次年度の計画を加味した話し合いを実施しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、役割分担を行って作成に当たり、全体的なカリキュラム、年間カリキュラム、月間カリキュラム、個人カリキュラム、食育・リズム計画等は担当者が作成しています。各アドバイスは主任が行い、園長が最終確認しています。乳児クラス、障害児のカリキュラムは個別カリキュラムであり、保育士の他、管理栄養士、看護師の参加及び助言を指導計画に盛り込み、食育活動や保健指導を実施しています。また、入園時の面談シート、個人面談、クラス会議、経過記録、アセスメントシートを基に、個別の配慮を計画に記しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画については、継続的なPDCAのサイクルにより恒常的に取り組んでいます。会議やミーティング等で指導計画の内容の変更事項を確認し、計画の急な変更に関しては保護者、関係者へ連絡し、報告説明を基本として連絡体制及び協力体制が取れるよう、主任や担当者、リーダー保育士が職場内のチームワークで対応しています。また、保育の課題を抽出し、クラス会議やカリキュラム会議で明確にして評価、見直しを実施しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況は、横浜市公立保育園の共通様式により、入園時の面談シート、児童票、健康台帳、個別の発達・生活状況を把握しています。記録については、日誌の書き方シート、ドキュメンテーションのフォーマットを作成し、記録の書き方や記録項目について職員間で差異が無いよう指導を行い、ミーティング、職員会議、カリキュラム会議で情報を共有しています。会議内容は記録し、全職員が閲覧できるようにしています。また、会議動画を数回上映し、全職員に周知しています。動画会議の報告では園長主任が職員から質問を受け、共有化につなげています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録については、横浜市規定の「個人情報の保護に関する法律」・「ガイドライン」に沿って管理しています。「個人情報事故漏洩防止マニュアル」を備え、園長を責任者として記録管理を行っています。職員に対しては、ミーティング、職員会議の中で個人情報取り扱いの研修を行い、共通理解を図っています。記録の管理は鍵付き書庫に格納し、個人情報保護の観点から職員に対して園内研修やeラーニングで教育を行い、また、配送・誤送信防止のダブルチェック、外部からの電話対応についても全職員に周知をしています。個人情報の取り扱いに関しては、保護者から写真掲載等の了承確認と確認サインを得、書類を保管しています。また、個人情報の適正管理を依頼し、園内で知り得た情報をSNS等で漏洩することの無いよう注意喚起を行っています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、職員間で児童憲章や児童の権利に関する条約等を読み合わせ、文面での確認を行い、保育所保育指針、保育所の理念、保育方針等に基づいて作成しています。地域との関わりや子どもの家庭環境等、様々な要素を含めた保育の計画及び子どもの発達を考慮して保育に当たっています。全体的な計画は、年度末に内容を見直し・振り返りを実施し、次年度の計画と保育に反映させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室に温・湿度計、加湿器・空気清浄機を設置し、タイマーを活用して室内の環境を適切に保っています。活動に応じて遮光カーテン、カーテン、照明等を利用して調整を図り、毎朝、園内の消毒・各クラスの清掃、安全点検を行い、玩具は入れ替えや消毒を行い、常に衛生面にも配慮しています。寝具は隔月、窓ガラス清掃・床清掃は3か月ごとに業者に依頼し、トイレ、手洗い場は毎日担当者が清潔に保っています。園内の危険個所が確認された場合は、直ぐに報告を行い、ミーティングで周知し、応急措置や業者に修理依頼等を行うことにしています。環境設定は各クラスの状況に合わせて都度、見直しを図り、子どもたちが安心・安全に過ごせるようにしています。職員は、園内研修で保育環境について学び、より良い環境設定に取り組んでいます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入所理由、個人面談、日々の個人連絡ノートや送迎時の会話等を含め、子ども一人ひとりの状況を把握して保育に当たっています。子どもの状況についてはクラス会議、ミーティング、全体会議等で共有し、経過記録や日誌、指導計画に記録し、継続的な対応ができるようにしています。子どもとの関わり方については、都筑区や園内での
研修で「子どもの人権」を学び、ミーティングで毎日「子どもの素敵な姿」を伝え合い、園内研修や研究会で「子どもとの関わりにおいて大切にすること」を考え、職員間で確認し合っています。指導計画では、子どもの心身が安定して過ごせるよう、手立てや成長を促す関わり方の視点を持ち、計画を作成しています。園では、子どもたちの存在を大切に思い、一人ひとりの特性を生かし、健全な発達、成長が遂げられるよう保育を様々な角度から考え、実践につなげています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

生活に必要な用具の配置及び設置について、子どもの動線や発達に合わせて検討し、整備に努め、活動や子どもの成長に合わせて都度、見直しを図っています。基本的な生活習慣については、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重し、手洗いや支度等の手順を掲示し、絵カードの使用や、椅子の高さを調節し、衣服籠を取りやすいよう設置する等、身に付けられるよう援助しています。また、子ども一人ひとりの意欲・気持ちに配慮し、強制することがないよう心がけています。保育中は、体調や睡眠状況等、家庭での生活にも配慮しながら、午前中は戸外で体を動かす活動を取り入れ、必要に応じて休息を取れるようにしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが主体的に活動できるよう、遊具の設置場所に配慮し、子どもの要求や提案を尊重して柔軟に対応しています。友だちと関わりを持てるよう、保育士が仲立ちをしてきっかけを作る等、保育士の応答的な関わりを心がけ、人間関係の育ちを支援しています。保育計画は子どもの発達や心身の健康に配慮した内容とし、十分な外遊びを保障しています。「環境プロジェクト」を設定し、子どもの発達や興味に応じて環境整備についてメンバーで検証し、より良い環境を研究しています。子どもたちは、戸外活動や豊かな園庭で四季折々の自然に触れ、散歩時には地域の方と挨拶を交わし、さつま芋の苗植えや芋ほりではJA農協の職員と交流を図っています。また、季節ごとの制作や描画活動、わらべ歌やリズム、体操等、体・言葉・音楽表現の様々な活動を行い、子どもが主体的に活動できる環境を整え、豊かな保育を展開しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育では、緩やかな担当制とし、子どもが信頼している保育士が対応する等、愛着関係の構築に努め、子どもの気持ちや思いに寄り添い、職員間の理解と連携で柔軟に対応しています。乳児保育室は、消毒・清掃で清潔に整理され、安全・安心のある環境作りをしています。遊びスペースを確保し、成長に合わせて棚等を設置し、休息や午前寝する際は、遊びスペースと分けて眠れるようにしています。活動の内容は月齢差や発達に考慮し、テラスや乳児園庭で気分転換や探索行動が十分できる環境作りをしています。遊びでは、手作りの玩具や動く玩具、音が鳴るもの、手先を使うもの等、子どもの興味や好みの玩具を用意しています。食事では、月齢に応じた食器・食具を用意し、食事介助は担当制で対応し、食への関心や育ちに向き合うようにしています。保護者とは連絡帳で密に連携を図り、掲示、面談、懇談会、保育士体験を通して子どもの成長を喜び、共有しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児の子どもの状況・発達は、クラス担任間で共有し、子どもの意欲を尊重し、見守り、援助しています。保育室・廊下に遊具を用意し、自由に使えるようにし、園庭では保育士が安全に見守る中、四季折々の自然に触れながら遊んでいます。また、子どもの発見や、やりたいこと、思いを敏感にキャッチし、自我の育ちを受け止め、気持ちに寄り添い、子どもが安心して活動できるよう支援しています。異年齢交流では、乳児園庭で他の乳児クラスと自然に交流があり、例年は幼児との交流も行っていました。また、保育士以外の栄養士や園医、実習生、ボランティア等、様々な大人と交流をしています。保護者とは、連絡ノート、懇談会、個人面談を通して情報共有を図り、子育ての支援に努めています。一人ひとりの子どもの状態に対応し、家庭と連携をした保育を実践しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児保育では、保育室にコーナーを設け、それぞれが好きな遊びを選んで主体的に遊べるよう配慮しています。保育士は、遊びを通して子どもの楽しいアイディアや思いを代弁し、子ども同士の良さを伝え、一緒に遊ぶ楽しさや心地良さを伝えています。4歳児は、保育士が見守る中、子ども同士で解決しようとし、困ったことは自分で伝えようとする姿を大切にしています。協力して遊ぶ楽しさを知り、共通のテーマで遊ぶ機会を作り、自分の意見やアイディアをみんなで提案し合い、遊びを展開しています。5歳児は、運動面での発達が著しく、春の運動会から継続して自発的な運動遊びを展開し、園庭で竹馬や縄跳び等に夢中になる姿が見られます。また、仲間と協力する取り組みや成長を友達同士で実感できる成長が見られています。保護者への保育内容や伝達は、ドキュメンテーションの掲示で知らせています。年長児の就学先へは、クラスだよりと園だよりを送付し、毎月子どもたちの様子を伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

建物・設備面での環境整備は、トイレや廊下の手摺設置、予備室やホールを利用できるよう考慮しています。個別指導計画を作成し、誰もがそれぞれ持った大切な個性としてクラスの中でみんなで生活しています。集団の中で友だちと一緒に遊びや生活をすることを基本とし、該当児が難しいと感じる部分は大人が声かけや環境の設定を通してフォローすると共に、好きなことや得意なことが十分に伸ばせるように個別に対応しています。また、北部地域療育センターの巡回相談を受け、専門的な立場の意見を反映して、より良い保育を提供できるようにしています。障害児保育の研修では、全職員が同じ研修内容を動画で視聴して知識・技術を共有し、北部地域療育センターへの見学や、ケースワーカーによる研修を毎年受講して研鑽を図っています。研修を併せた巡回相談の報告会では、一人ひとりの個性、日常の具体的な姿の理解が深まり、関わり方をより適切にできるよう保育士の技術の向上につながっています。保護者とは、個人面談や個人ノート等により密にコミュニケーションを図り、巡回相談の報告や専門機関への訪問報告等、情報を共有しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの生活背景に配慮し、家庭での様子の聞き取りを丁寧に行っています。24時間のサイクルで園生活を捉え、休息や入眠時間等、個人差がある場面では、その子の生活リズムに合った対応と見通しを持って関わっています。ゆとりのある時間配分を心がけ、子どもたちに合わせて保育活動を工夫し、子どもが主体的に行動できるようにしています。異年齢の交流は日常的に行い、職員はクラス以外の子どもの把握に努め、関わり合いを援助しながら安心して過ごせるよう配慮しています。年度末には次年度担任への引き継ぎを行い、子ども一人ひとりの状況について伝えています。延長保育では、「延長ノート」により職員間で引き継ぎを行い、遅番職員が保護者対応できるよう伝達漏れのないよう留意しています。延長保育では18時半におやつやミルクの提供をしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

現在、コロナ禍で小学校との交流に制限があり、最近は限られた交流に留まっています。例年は、計画的に小学校訪問や小学生が来園し、交流をしています。散歩では小学校の通学路を歩く等、就学に見通しを持てる散歩に取り組んでいます。幼保小研修では、接続期のカリキュラム、アプローチカリキュラム等の研究が行われ、接続期の研修や要録研修に参加し、職員に報告を行い、周知をしています。保護者との関わりでは、特に、就学時健診の報告を受け、心配なことがあれば相談、面談で話せる機会を作り、必要に応じて、園から面談を申し入れすることもあります。年度末には年長児の担任が就学先の担当者と面談や電話で個別の引き継ぎを行っています。保育所児童保育要録は、年長児の担任が作成し、園長が確認をして送付しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

「健康管理マニュアル」を整備し、保健計画、健康台帳を活用して子どもの健康管理を適切に行っています。子どもの心身の健康維持のため観察を行い、健康状態を把握し、毎日のミーティングで発熱・ケガ等の健康状態を伝えています。体調悪化やケガがあった場合は電話連絡や連絡ノート、降園時等で保護者へ報告しています。保護者に対しては、健康だよりの配付や、感染症情報を掲示し、また、感染症予防や体力作り等、保育の取り組みを園だよりやクラスだよりで伝えています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関しては、職員へ資料を回覧し、入園説明会で保護者に十分説明しています。SIDSチェックは、0歳児は5分ごと、1歳、2歳児は10分ごとにブレスチェックを行い、記録しています。園医と連携し、報告・相談を行い、健康管理に生かしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による年2回の健康診断・歯科健診を実施し、健診結果は健康台帳、歯科健診表、健康カードに記録し、関係職員で情報を共有しています。健診結果により、健康に関わる内容を保育に取り入れ、予防や生活習慣について子どもに伝えています。保護者には事前に健診があることを知らせ、健康に関わる心配や質問等を嘱託医に聞くことができ、回答は保育士を介して保護者に伝えています。また、健診結果は必要に応じて受診の声かけをしています。健康診断や歯科健診、尿検査、視聴覚検査等を全体的な計画に反映させ、保育に生かしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについては、ガイドラインを基に適切に対応しています。入園時に保護者面談を行い、薬や食事の除去の確認をしています。医師からの「保育・教育施設におけるアレルギー疾患生活管理指導表」の指示の下、除去食の対応を行い、指導表に沿って園で出来ることを保護者と確認し、毎月、アレルギーの除去面談を行っています。年度末には確認事項を見直し、最新情報に基づいて適切に対応しています。また、薬の預かり確認表、エピペンの使用確認を行っています。食事では、専用のトレイ、誤配膳予防、座席の区別、他児へ理解を促し、⓵検食時の園長、調理員との確認、②運搬時の調理員、保育士とのメニューの復唱、③配膳時の保育士同士のダブルチェックを行い、十分に留意しています。また、毎日、ミーティングにおいて複数の職員と調理員で次の日のメニューの除去確認を行っています。園長、職員はアレルギー研修に参加しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の下、食育計画、食育指導計画を作成しています。計画は定期的に振り返り、必要に応じて改善を図っています。栽培した食材での調理体験や、調理員による魚の三枚おろし実演等、実際に見て触れて、食への興味や楽しみを提供しています。0歳児、1歳児は立ち上がり食器を使用し、発達に合わせて椅子やテーブルの高さを調整する等、食事をおいしく取れるよう配慮しています。食事では「おいしいね」と声をかけ、楽しい雰囲気を作っています。現在、感染症対策として、テーブルにはアクリル板を設置し、配膳は保育士が行っています。保護者へは、給食サンプルを掲示しています。行事食の場合は、「万華鏡新聞」でもお知らせしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

メニューは横浜市公立保育園共通の献立であり、調理は給食委託業者へ委託しています。調理員とはミーティングや会議等で連携し、子どもの発達やその日の体調により食材の切り方・刻み方の調整、量の調節等、配慮して提供しています。子どもが意欲的に食べられるよう盛り付けも工夫しています。また、季節の行事食を提供し、旬の食材や季節感のある献立、地域の食文化に触れる献立等もメニューに組み込んでいます。乳児は、離乳食の食材一覧表を作成し、中期後期の分類をさらに詳細にし、子ども一人ひとりの発育や食べ具合等を考慮し、安心・安全な離乳食を提供しています。毎日のミーティングで献立の反省を行い、食べ具合や喫食状況を確認し、横浜市の献立検討会に参加して情報共有を図り、改善に努めています。「パクパクだより」を各保育室に掲示し、食材調べを行う等、子どもが食に関心を持つよう取り組んでいます。さらに、調理室前にポストを設置し、子どもと調理員との「お手紙ごっこ」を通して、給食の感想やメニューのリクエストを行う等、楽しみのある食育活動を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児クラスは個人連絡ノート、幼児クラスはクラスノート、保育ドキュメンテーション、iPadによるスライドショー、万華鏡新聞、送迎時の会話を通して保護者と情報交換を行い、連携を図っています。特に、保育ドキュメンテーションでは保護者へメッセージカードを配付し、返事をもらう取り組みを行い、その内容は園だよりで紹介しています。大熊保育園では、コロナ禍という状況の中においても、日頃の様子や子どもの成長を見てもらえるよう、工夫をしてできることを十分に行い、行事の開催をしています。行事アンケートでは感想や意見をいただき、園だよりで共有する等、保護者と共に子育てをする姿勢を重要視しています。また、入園説明会、園だより、クラス掲示等で保育方針や全体的な計画、月間指導計画を伝えています。例年は、保護者の保育体験参加でも子どもたちと関わる中で、子どもの様子や日々の保育を知ってもらう機会を設け、保護者会として様々な行事やイベントの手伝いに参加してもらっています(今年度はコロナ禍で中止)。保護者とのやり取りについて、必要に応じて他職員との情報共有、次年度への引き継ぎ等を抽出し、個人面談の記録、個人ノート、経過記録等に記載をしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の送迎時、個人ノート、個人面談、懇談会等で保護者からの相談を大切にしています。相談内容に応じて、園長や主任が面談に同席し、アドバイスやフォロー、相談機関の紹介が行えるよう体制を整えています。個人面談の記録は、園のフォーマットに記入し、継続性により保存を行い、必要な情報はミーティングや会議で共有しています。また、保護者への適切な対応や支援について、会議で職員が学ぶことができるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

保護者支援を行う仕組み作りがあり、職員にも周知しています。日々の保育の中で子どもと保護者の状況を把握し、早期発見に努め、虐待や虐待につながる様子が確認される場合には、必要な情報を職員間で共有し、「虐待防止マニュアル」に基づき早急に対応することを周知しています。職員は、横浜市や都筑区開催の研修に参加する他、会議の中で園内研修として虐待に関する研修を行い、共通理解を図っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育について、保育日誌で振り返りを行い、子どもの活動や結果だけでなく子どもの育ちや心の動き、意欲等、プロセスを大切にし、記録から話し合っています。また、ドキュメンテーションでその日の活動を報告し、ミーティングや会議等で保育を語り合う場を設け、保育の質の向上につなげています。さらに、主体的な園内研修が行われており、保育士が講師になり学び合う機会を設けています。園内のその時々の課題に対する学び合いが、どの職員の関心にも当てはまり、充実した研修となり、保育へのモチベーションにもつながっています。年間指導計画・月間指導計画については、毎月のカリキュラム会議、乳・幼児会議、各クラス会議等で定期的に情報共有を行い、保育の振り返りや自己評価を行っています。職員の自己評価については、年度末に人事考課で園長からの助言・指導を受け、各職員の保育の振り返りを行い、反省や振り返りを基に、改善点を考え、次年度の目標共有シートを作成し、新たな目標を定め、保育の専門性の向上に努めています。園では、自己評価のチェックリストを活用し、継続的に保育の振り返りを実施し、個人の自己評価から抽出した課題を集約し、全体の保育の課題として捉えるべき内容を次年度の研修や取り組みとする等、より良い保育、さらなる良い質の向上に取り組んでいます。