社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

横浜市松見保育園

2024年03月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信

② 施設・事業所情報
名称 横浜市松見保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 98(103) 名
所在地 221-0005
横浜市神奈川区松見町1-28-4
TEL 045-432-6621 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1980年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 横浜市
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:32 名
専門職員
園長:1 名
保育士:35 名
調理員:5 名
その他(事務・保育補助):12 名
施設・設備の概要
乳児室:1室
保育室:5室
調乳室:1室
多目的ルーム:1室
トイレ:3ヵ所
多目的トイレ:1ヵ所
事務室:1室
調理室:1室
ホール:1室
屋上広場/園庭あり:

③ 理念・基本方針
【保育理念】
未来を担う子どもたちの健やかな幸せを願って
【保育方針】
子どもの「生きる力・伸びる力」を大切にする
【園目標】
いっぱい遊ぶ子ども・生き生きと活動する子ども・豊かな表現のできる子ども・自分もまわりも大切にする子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【育児支援事業、ネットワーク構築事業を通して、広く地域や関係施設に貢献しています】
 園は育児支援事業の拠点園となっており、育児支援担当保育士を配置し、様々な育児支援事業に取り組んでいます。これまでの取り組みとして、園庭開放、育児講座、交流保育、ランチ交流、ホール開放、誕生会、育児相談等が挙げられます。
 育児支援担当保育士は、毎月の園庭開放の利用者数等を分析し、地域福祉のニーズの把握に努めています。保護者同士の交流の場や子育て等について話せる人の存在の必要性、同じ年齢ぐらいの子どもと遊ばせたいという思いなど、細かな地域の福祉ニーズや生活課題等の把握をしています。また、園庭開放を利用する家庭との交流の中で、個々の家庭におけるニーズの把握にも努めています。園では、把握された福祉ニーズにもとづき、育児支援計画を作成し、年間カレンダー及び月の育児支援カレンダーを記載したチラシを地区センターや地域ケアプラザ、また、地域の親子広場や図書館等の施設に郵送するとともに、地域の子育て支援拠点で配布しています。さらに、園外の掲示板や区のホームページでも伝えています。育児支援事業の中で、子どもとの接し方や遊び方など、日常の様々な心配事の相談を受けるとともに、一人ひとりの保護者の長所を引き出し、育児支援事業を利用して良かったと感じられるよう取り組んでいます。
 園は市の保育資源ネットワーク構築事業の事務局園であり、ネットワーク専任保育士が常駐しています。保育資源ネットワーク構築事業としては、「保育の質及び専門性の向上」「地域子育て支援の充実」「保育のセーフティネットの構築」「地域の保育・教育施設の連携推進」の4つの事業に取り組んでいます。ネットワーク専任保育士は、区の保育・教育施設間の連携や交流のための「つなぎ役」を担い、保育の実践研修、子育て支援に関するイベントを共同実施する等、それぞれの持っている特徴を生かした様々な取り組みを行っています。「保育の質及び専門性の向上」では、神奈川区保育資源ネットワーク構築事業研修計画を作成し、各種保育要録の書き方、コーチング研修、防災研修、こどもの救急法など幅広い分野の研修を実施しています。オンラインによる研修の申し込みの案内や、各研修内容を紹介したチラシ等も作成しています。また、ネットワーク通信を定期的に発行し、研修案内や研修報告の写真の掲載、防災イベント案内の掲載などを行っています。「地域の子育て支援の充実」では、神奈川区保育所子育て支援連絡会と連携し、地域子育て支援イベント『みんなdeこそだてワイワイパーク』を実施しています。神奈川区内の保育・教育施設の職員他、子育て支援拠点『かなーちえ』『子がめ隊』のスタッフも参加し、区内の地区センターや、子育て支援拠点等で実施しています。
 その他に、保育資源ネットワーク構築事業では、かめかめレンタルと呼ばれる、保育用品貸出事業を行っています。レンタルでは大型絵本やパネルシアター、また心肺蘇生の研修で使用する人形等の貸出を行っています。貸出一覧のカタログや利用方法、申込フォームのURLはクラウドサービスを使用し確認できる体制が整っています。また、ネットワーク専任保育士は区内の保育・教育施設を訪問し、園の困りごとに対して、区内の情報を伝えたり、研修の案内等を行っています。その際に、保育の楽しさを感じてもらえるよう配慮しています。区には、127の保育・教育施設がありますが、区内にネットワーク専任保育士は1名のみです。今後は、区内のネットワーク専任保育士の配置人数を増やすことで、保育・教育施設の訪問回数の増加やネットワーク専任保育士間で協議する場を構築するなどの取り組みにつなげることが期待されます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/18(契約日) ~2024/03/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【保育理念である『未来を担う子どもたちの健やかな幸せを願って』の実現に向けて、職員間の共通認識や連携を通して、全職員で取り組む体制を整えています】
 園では、保育理念である『未来を担う子どもたちの健やかな幸せを願って』の実現に向けて、様々な取り組みを実践しています。園では分野ごとにプロジェクトチームを形成し、定期的な会議を行い、共通理解のもと、具体的な実践につなげています。プロジェクトチームには、園内研修、みどりアップ事業、行事、第三者評価プロジェクトがあり、全職員がいずれかのプロジェクトに所属しています。園内研修では、SDGsの取り組み、嘔吐処理や不審者対応、第三者評価、乳幼児突然死症候群、虐待に関するガイドライン等について取り上げ、会計年度任用職員も参加し実施しています。さらに、日々の保育内容については、ドキュメンテーション日誌を作成し、園長や主任と写真を通して具体的な子どもの様子や取り組みを共有しています。その際に、子どもの発達的視点が示されているかなどについて確認し合い、保育内容について共通認識が持てるよう取り組んでいます。
 このような共通認識は他職種とも図られています。一例として、調理師は子どもの喫食状況を観察するだけでなく、食材についてのクイズを出すなど、直接子どもと関わることで、日ごろの子どもの様子についても把握し、保育者との共通認識にもつなげています。共通認識をもとに、食育の実施や調理方法の工夫などの取り組みをしています。また、職員会議や毎月の保育の振り返りと次月に向けての取り組みについて検討するカリキュラム会議では、全職員で共通理解を持てるよう、参加できない職員に対する報告会を設けています。
 これらの職員間の共通認識は、子どもの園庭遊びにも反映されています。園庭では自然と異年齢交流が行われ、保育者全体で子どもを見る体制が整っています。保育者が子どもの傍を離れる際は、引き継ぐ保育者に遊びの過程等も共有することで、一人ひとりの子どもが遊び込めるよう配慮しています。また日ごろから、定期的な会議以外の場においても、子どもの様子や活動について伝えあう風土が醸成されています。これらの取り組みを通して、保育理念である『未来を担う子どもたちの健やかな幸せを願って』の実現に向けて全職員で取り組む体制を整えています。


【保育の中に子どもの発想を取り入れた活動が展開されています】
 園庭ではダンゴムシ、テントウ虫、バッタなど様々な昆虫と触れ合う機会があります。テントウ虫の発見から飼育を行い、子どもの興味関心に寄り添って、栽培物のアブラムシ退治などの活動が広がるように援助しました。また、カイコの飼育からカイコ博物館を実施するなど、日ごろから子どもの言葉に耳を傾けながら、興味関心に寄り添い、子どもの活動が、自発的に展開できるようにしています。さらに、園庭にはさつま芋畑だった場所に、子どもたちの発想で、山やトンネルを作りました。現在は、全年齢の子どもがジャンプしたり、トンネルをくぐったりして遊べる場所となっています。 

【園独自の中期計画の策定と振り返りの仕組みづくりが期待されます】
 園では、区の運営方針である、誰もがいきいきと暮らし続けられるまちづくり、地域がつながり魅力にあふれるまちづくり、安全・安心なまちづくりの3つの施策にもとづいて、単年度計画となる、「松見保育園 目標共有のために職員で取り組みたいこと」をまとめ、具体的な実施内容を記載しています。一例として、「誰もがいきいきと暮らし続けられるまちづくり」では、食(食べる事)への取り組み、「地域がつながり魅力にあふれるまちづくり」では、ネットワーク構築事業への取り組み、「安全・安心なまちづくり」では、地域防災力への取り組みなどが記載されています。年度末に保育所自己評価を実施し、保護者に公表するとともに、次年度以降の課題に取り組んでいます。
 今後は、区の運営方針に基づき、会計年度任用職員(日額職)の採用と、日々のシフトの体制等、園独自の課題に対しての中期計画を作成し、実施状況を評価する仕組みづくりが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
職員数が多く、いろいろな雇用形態の職員がいます。その全職員が松見保育園の保育を見つめ直す良い機会となりました。
話し合う中で、一人ひとりが自分の業務を保育を振り返り「保育の語り合い」ができました。そして、園としての良い点と課題が見えました。
具体的に保育の取り組みや気付きを出し合う事で職員間の連携を深め、一層風通しの良い保育環境作りにつながりました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や方針、園目標及び保育姿勢は、重要事項説明書や園のしおりに記載され、玄関、事務室に掲示されています。保育理念は『未来を担う子どもたちの健やかな幸せを願って』で、保育方針は、『子どもの「生きる力・伸びる力」を大切にする』が掲げられ、理念との整合性が確保されています。園目標は、「いっぱい遊ぶ子ども・生き生きと活動する子ども・豊かな表現のできる子ども・自分もまわりも大切にする子ども」です。
・理念や方針を踏まえ、「子どもの最善の利益の実現を第一に考える」「一人ひとりの発達過程に応じ、見通しを持った保育をする」などの「保育姿勢」が掲げられ、職員の行動規範となる具体的な内容となっています。
・理念や方針は、全職員が出席し、月1回実施される職員会議や、園内研修等を通して共有しています。また、年に1回、保護者アンケートの結果を踏まえて、職員全員で実施する保育所自己評価の際にも、理念や方針を前提として、課題をクラスごとに話し合い、振り返りを行っています。
・保護者との共有について、入園説明会の際に、園長が理念や方針について説明しています。また、各クラスで行われる懇談会の際に、理念や方針を踏まえた各クラスごとの配布資料を作成し、保護者と共有しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向については、代表園長会、責任職会議、市立園全体責任職会議等を通して把握しています。会議にはこども青少年局の担当者や18区の園長が出席し、情報共有等を行っています。一例として、不適切保育、安全対策等についての区内の保育所における取り組み状況や実績などを把握しています。
・地域の各種福祉計画の策定動向等については、幼保小連携研修や社会福祉協議会の会議に参加し、把握しています。当園は幼保小連携推進事業の対象園に指定され、近隣の小学校との連携状況についてこども青少年局に報告しています。
・当園は地域育児支援センター園として、育児支援担当保育士を配置し、園庭開放、育児講座、交流保育等様々な育児支援事業に取り組んでいます。担当保育士は、育児支援事業の利用者数等について、毎月、地域での特徴・変化等の課題を把握し分析しています。また、区の地域子育て支援拠点である、かなーちえに出張保育等で参加し、地域の情報を収集しています。
・毎月の実施児童人数や一時保育の利用者数、また育児支援等の利用者数の報告を通して、定期的に保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等の分析を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・職員会議やカリキュラム会議、また保育所の自己評価等を通して、具体的な課題や問題点を明らかにし、解決・改善に向けた具体的な取り組みを進めています。一例として、会計年度任用職員(日額職)の採用と、日々のシフトの体制等が挙げられます。採用に関しては市のホームページを通した公募や、区内の公立園3園が協力し求人チラシを作成するなど、具体的な取り組みが行われています。今後、園外の掲示板にチラシを掲示する予定です。日々のシフト体制の把握については、事務室に全職員のシフトを確認できるホワイトボードを設置しています。ホワイトボードには、各職員の勤務時間に合わせた長さの棒状のマグネットが用意され、都度張り替えることでシフトの変更等が迅速にできる体制となっています。
・経営課題については、月2回実施される、区責任職会議を通して共有されています。また、月1回、全職員が参加する職員会議にて共有されています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・市が策定する基本構想を基に、区が運営方針を定めています。区の運営方針では、誰もがいきいきと暮らし続けられるまちづくり、地域がつながり魅力にあふれるまちづくり、安全・安心なまちづくりの3つの施策を掲げています。園では3つの施策にもとづいて、単年度計画である、「松見保育園 目標共有のために職員で取り組みたいこと」をまとめ、具体的な実施内容を記載しています。年度末に保育所自己評価を実施し、保護者に公表するとともに、次年度以降の課題に取り組んでいます。今後は、区の運営方針にもとづき、会計年度任用職員(日額職)の採用と、日々のシフトの体制等、園独自の課題に対する中期計画を作成し、実施状況を評価する仕組みづくりが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・園では、区の3つの施策にもとづいて、単年度計画である「松見保育園 目標共有のために職員で取り組みたいこと」を作成しています。「誰もがいきいきと暮らし続けられるまちづくり」については、食(食べる事)への取り組み、地域の親子への子育て支援等、「地域がつながり魅力にあふれるまちづくり」では、ネットワーク事業、幼保小連携、「安全・安心なまちづくり」では、地域防災力、安心・安全な保育等が挙げられています。また、「親しみのある保育園」「組織力の向上」「心身共に健康に、明るく、楽しい職場にすること」などの項目が挙げられ、具体的な取り組み内容が記載されています。今後は、数値目標や具体的な成果等を設定することなどにより、実施状況の評価を行える計画の策定が期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・単年度計画である、「松見保育園 目標共有のために職員で取り組みたいこと」は、月1回全職員が参加し実施される職員会議等で得られた職員の意見等を鑑み、区の3つの施策にもとづいて園長が作成しています。
・単年度計画の評価については、年に1回実施される保護者アンケートを踏まえた、保育所の自己評価を通して実施しています。また、年度末の職員会議を通して、振り返りが行われ、次年度の計画に反映させています。単年度計画に関連する行事等については、各行事担当者で振り返り、その後職員会議等で共有され計画に反映しています。また、単年度計画の内容は、各職員が記載する目標共有シートにも反映され、各職員の振り返りを通して評価されています。
・単年度計画は、職員会議等を通して周知されるとともに、計画内の組織力の向上の項目に記載がある、各種マニュアルの理解・見直し等、具体的な取り組みを通して理解を促しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・単年度計画については、入園説明会で全体的な計画の説明をする際に、関連する内容について保護者との共有を図っています。また、クラス懇談会の配布資料に保育内容に関連する計画について記載するなど、周知、説明の工夫を行っています。今後は、単年度計画で示される「安心・安全なまちづくり」「誰もがいきいきと暮らしつづけられるまちづくり」「地域がつながり魅力にあふれるまちづくり」等について、入園説明会等を通して、広く周知されることが期待されます。
・全体的な計画を各クラスに掲示するとともに、毎月の園だよりで各クラスの保育内容を伝えるなど、保護者等がより理解しやすいような工夫を行っています。また、写真と文章を通して、活動の過程を分かりやすく伝えるために、ドキュメンテーションを作成し、クラスごとに掲示しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・保育の質の向上に向けて、年間指導計画、月間指導計画等の各種指導計画を時期に応じて振り返るとともに、カリキュラム会議、クラス会議、リーダー会議、乳幼児会議等を通して組織的にPDCAサイクルにもとづく取り組みを実施しています。会議に参加できない職員に対しては、別途報告会を設け、全職員で共通認識を持てるよう取り組んでいます。
・日々の保育内容については、ドキュメンテーション日誌を作成し、園長や主任と写真を使って具体的な子どもの様子や取り組みを共有しています。
・毎年、年度末に保育所全体の自己評価に全職員で取り組み、評価された内容については単年度計画にも反映させています。また、評価結果を園内に掲示し、保護者との共有が図られています。5年に1度、外部機関による第三者評価を受審しています。
・職員会議で、行事等の振り返りを行うとともに、行事後の保護者からの感想やコメントについて分析、検討する場が組織として位置づけられ実行されています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・保育所全体の自己評価については、園の保育方針と園目標をもとに、今年度の課題、取り組み状況、次年度の課題・改善点の項目を設け、具体的な課題や取り組み状況が記載されています。課題等については、職員会議で共有され、会議録に記録されています。
・保育所全体の自己評価を踏まえ、防災教育、感染症への取り組み、保育の見える化の課題を挙げ、具体的な取り組みにつなげています。防災教育では、避難訓練の一環として防災キャンプを行い、防災用アルミシートや簡易トイレの使い方を体験しました。感染症への取り組みについては、状況等が分かりづらいという意見を踏まえ、感染症の状況を伝えるホワイトボードを作成しました。ボードには、病名、発生日、提出が必要な書類、クラス等の項目が設けられ、一目で状況が分かるよう工夫されています。また、マグネットで貼り替えられるように工夫され、迅速な対応が可能です。保育の見える化については、写真と文章で保育の様子を伝えるドキュメンテーションを通して、取り組んでいます。一例として、パーランクの取り組み過程等を子どもの様子や出来事を交えながら、分かりやすく伝えるなどの取り組みが行われています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、区の運営方針をもとに、園の状況を鑑み、事業計画(MBO)を作成し、年度初めの職員会議で、園として取り組むことについての、自らの役割と責任を表明しています。
・毎月の園だよりの冒頭には、園長の文書を記載し、子どもの活動の様子や今後の行事について等を伝えるなど、自らの役割と責任について表明する取り組みを行っています。また、災害対応(地震・火災・風水害等)マニュアルや苦情解決制度を通して、園長の役割が明確に示されています。
・有事(災害、事故等)における園長の役割と責任については、保育教育施設活動班マニュアルに明確化されています。園長不在時には、代行保育士へ報告をすることなどの権限委任等についても明確化されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は区の経理研修や人権に関する研修、パワーハラスメントに関する研修等を受講するなど、遵守すべき法令等の把握をしています。また、毎年、市の保育士責任職研修に参加し、人材育成等について学ぶなど、法令遵守の観点での経営に関する研修や勉強会に参加しています。
・園長は、環境への配慮等も含む幅広い分野について遵守すべき法令等を把握し、具体的な取り組みにつなげています。一例として職員と共に、ゴミの分別やエネルギーカルテシステムを使用した光熱費の削減等に努めています。また、プラスチックの廃材などを工作に利用するなど、SDGsを意識した取り組みを行っています。SDGsの取り組みについては、保育所の自己評価の結果に記載され、園内研修のテーマに取り上げるなどして、さらに考える機会を設けています。
・園長は、定期的に情報セキュリティー、不祥事防止、リスクマネジメント、人権に関する研修を実施するなど、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取り組みを行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、ドキュメンテーション日誌や各種指導計画をもとに、保育の現状の把握、評価、分析を行っています。また、毎日実施されるミーティングの中で、各クラスの子どもの様子や伝達事項、特記事項等を把握しています。
・園長は、全職員が参加して、月1回実施される職員会議、カリキュラム会議に参加し、行事等の進捗状況や、当月の保育内容等について定期的に評価、分析を行うなど、保育の質の向上について組織内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画しています。
・園長は、年に3回実施される職員面談を通して、各職員の意見を把握し、具体的な取り組みにつなげています。一例として、面談の中でわらべうたに興味を持つ職員がいた際に、同様にわらべうたに興味がある職員同志を仲介し、職員間の学び合いの場を作るなどの取り組みにつなげています。
・園長は、こども青少年局の年間研修計画と神奈川区保育連携ネットワーク構築事業研修を踏まえ、園の保育・教育研修年間計画を作成しています。作成した内容を踏まえ、職員が研修に参加できるよう、シフト等の体制を整えています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・毎年11月に、職員が市の人材システムに来年度の意向等を入力、園長はその内容を踏まえた職員面談を実施し、詳細を把握します。面談内容等は、異動やクラス担任の配置に生かすなど、経営の改善や業務の実効性の向上に向けた具体的な取り組みにつなげています。
・園長は、働きやすい環境整備の一環として、職員の研修参加時間の確保、事務作業時間の確保、情報共有に取り組んでいます。事務作業時間については、クラス内で相談し子どもの出席人数等に合わせて、時間を確保する仕組みがあります。クラス内で調整が難しい際は、主任が園全体の職員体制を踏まえ調整しています。情報共有については、職員会議やカリキュラム会議等に参加できない職員に対し、別途報告会を開き、直接内容を伝えています。
・園では分野ごとにプロジェクトチームを形成し、保育の質の向上につなげています。プロジェクトチームには、園内研修、みどりアップ事業、行事、第三者評価プロジェクトがあり、全職員がいずれかのプロジェクトに所属し、定期的な会議を実施しています。園長は各プロジェクトの状況把握と業務推進に努めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方については、こども青少年局が作成した、保育士分野人材育成ビジョンに示されています。人材育成ビジョンには、保育士職の人材育成の3つの基本方針や人材育成体系にもとづく保育士の人材育成の取り組みとして、1.OJTにおける人材育成、2.人事考課、3.研修・自己評価、4.人事異動の4点を挙げ、職員一人ひとりの能力開発とキャリア形成を支援し、個々の能力を最大限に引き出すことが記載されています。
・正規職員の雇用に関しては市が担い、会計年度任用職員の採用については、会計年度任用マニュアルにもとづき、園長が区の担当課に相談し、人材の確保につなげています。また、区内の公立園3園が協力し求人チラシの作成を行っています。今後は、園として経営課題にも挙げている、会計年度任用職員(日額職)の効果的な人材確保の仕組みづくりが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」については、横浜市職員行動基準に示されています。行動基準には、「市民・社会の要請を実現するために行動します」「市民から信頼されるよう誠実・公正に行動します」「人権と環境に配慮し、行動します」等が記載されています。名刺サイズにまとめられた職員行動基準を、全職員が携帯しています。
・事務所には、保育士の姿勢として、「子どもの最善の利益を第一に考える」「一人ひとりの発達過程に応じ、見通しを持った保育をする」「広い園庭や畑などの環境を活かし、体験的な保育をする」等が掲示されています。
・人事考課として、正規職員は、目標共有シートを記載しています。目標共有シートに、年度初めに各職員が目標を立て、具体的な取り組み事項・達成時期について記載しています。記載された共有シートは、年に3回振り返りが実施されています。会計年度任用職員は、園独自の書式で振り返りを行っています。振り返られた内容を評価・分析し、処遇改善につなげています。
・職員が、自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みづくりとして、保育士キャリアラダーを使用しています。キャリアラダーには、3段階の職位別に、それぞれ求められる能力が記載されています。具体的には、保育理念、子どもの発達の援助、保護者・地域に対する支援等の項目について求められる姿の記載があります。研修等を通して求められる姿を身につけていくことで、ステップアップしていく仕組みとなっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・正規職員については、園長及び主任が勤務状況システムを使用し、休暇、時間外労働等の就業状況を把握しています。会計年度任用職員については、紙面で管理し園長が把握しています。把握された内容については、毎月末に区に実績報告をしています。
・職員の心身の健康と安全の確保の観点で、定期健康診断、腰痛頸肩腕チェック、ストレスチェック、健康相談員への相談等心身の健康と安全の確保に取り組んでいます。
・職員の悩み等を相談する機会として、年3回の職員面談を設けるとともに、市の相談窓口を紹介しています。また、日ごろから職員同士が声を掛け合う職場づくりに努めるなど、職員が相談しやすい組織内の工夫をしています。
・総合的な福利厚生として、市の職員厚生会を利用し、実施しています。
・ワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みの一環として、ストレスチェックを行っています。ストレスチェックは、市から各職員にアンケート用紙が配布され、回答内容を市が分析し園にフィードバックしています。フィードバックされた内容を踏まえ、必要に応じて職員面談等を行い、体調確認や休暇の取得など、必要な対応に取り組んでいます。
・働きやすい職場づくりの一環として、次年度の勤務体制や希望担当クラス等について紙面で職員に聞き取りを実施しています。職員一人ひとりの意欲と思いを尊重し、モチベーションを保てるよう配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」については、市の職員行動基準、保育士キャリアラダーに示されています。職員は行動基準やキャリアラダー、単年度計画である、「松見保育園 目標共有のために職員で取り組みたいこと」を踏まえ、目標共有シートを記載しています。目標共有シートは、業務目標に対し具体的に取り組む内容や達成時期などを記載するとともに振り返り内容を記載する書式となっています。また、業務の質、業務の量、積極性等の担当業務に関する自己評価を5段階で実施し、総合評価を記載しています。
・職員一人ひとりの目標管理のための仕組みとして、目標共有シートを使用した、年3回の職員面談があります。園としての目標、区としての方針を周知し、年度初めの個別面談にて、各職員の目標を設定しています。会計年度任用職員は、園独自の書式で目標を立て、振り返りを行っています。中間面談や年度末の面談では、目標共有シートの達成度や担当業務に対する自己評価を通して、適切な進捗状況の確認が行われています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・保育士分野人材育成ビジョンには、「1.保育士は高い専門性を持つ重要な人的財産であることを念頭に育成を進める」、「2.保育士は主体的に学び、身に着けた力を発揮できるよう職場全体で取り組む」、「3.人材育成体系に基づく経験を積むことで、力が発揮できるよう育成する」の3つの人材育成の基本方針が掲げられています。
・園が職員に必要とされる専門技術や専門資格について、キャリア自己分析表で明示しています。分析表は、これまでに身に着けた能力・経験、行政職員として身に着けた実務能力、保育士として身に着けた専門能力等について評価しています。また、今まで受講した研修内容に印をつけ、受講内容を確認することができます。園長は、年度末の面談にて、キャリア分析表の評価、見直しを通して、必要とされる専門技術や専門資格を伝えています。
・こども青少年局の年間研修計画と神奈川区保育連携ネットワーク構築事業研修を踏まえ、園で保育・教育研修年間計画を作成しています。保育・教育研修年間計画をもとに、受講対象者を募り、必要な研修が受講できるよう体制を整えています。また、園内研修では会計年度任用職員も参加し、嘔吐処理や不審者対応、第三者評価等についての研修を実施しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況等については、キャリア自己分析表を通して把握しています。
・新任職員に対しては、個別的なOJTを行い、いつでも相談できる体制が整っています。OJTで取り組む内容については、所定の書式により1年目、2年目ごとに内容が定められ、1年目は市のトレーナー研修を受講した保育者が担当し、2年目以降は園長が担当しています。取り組み内容については、市の担当課に報告しています。
・園では、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じて、こども青少年局が主催する研修に積極的に参加できるよう配慮しています。こども青少年局が主催する研修では、初級、中級、上級、施設長・園長向け研修等、階層別研修が計画され、職種や経験に応じた研修を受講することができます。受講後は、職員会議等で研修報告を行い、情報共有に取り組んでいます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢は、実習生受け入れ基本方針・受け入れマニュアルに明文化しています。マニュアルに沿って、オリエンテーションから実習終了まで、実習依頼書や評価表等の各種書類のやりとりを迅速に行っています。オリエンテーションの際は、「ようこそ松見保育園」の資料を使用し、実りのある実習となるよう実習全容について説明しています。
・県が発行する、「実習生と実習指導者が共に育ちあう保育実習」を使用し、職員に対して、実習受け入れ時の指導ポイントを周知しています。また、実習指導者は、こども青少年局が主催する、実施指導者研修を必要に応じて受講しています。
・学校との連携については、実習前に実習生の様子等について学校担当者から聞き取りを行い、その後学生とのオリエンテーションを実施しています。実習中は学校担当者の巡回等を通して、継続的な連携を維持していくための工夫を行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や基本方針、保育の内容、育児支援事業等については市のホームページ等で公開しています。市のホームページでは、育児相談、園庭開放、交流保育等、園の育児支援事業の開催日や時間等を公開しています。
・苦情・相談の体制については、重要事項説明書の保育内容に関する相談・要望・苦情の項目にまとめられ、入園説明会で説明しています。苦情解決のための仕組みを図で示し、第三者委員の連絡先を記載するなど分かりやすく示しています。これらの内容は玄関にも掲示されています。
・第三者評価の受審については、重要事項説明書の保育所および保育の質の評価の項目にまとめられ、実施方法や実施回数等が示されています。結果については、こども青少年局や社会福祉協議会のホームページで公表しています。
・園で実施する育児支援について、園庭開放、ホール開放、交流保育、誕生会等の写真を掲載したチラシを作成し、区の地域子育て支援拠点で配布するとともに、門外の掲示板に育児講座等の内容を掲示するなどして、園で行っている活動を紹介し、社会・地域に対して園の存在意義や役割を明確にするように努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育所における事務、経理、取引等に関するルールについては、物品事務の手引き、保育園割り当て予算等に示されています。また、区の総務課が実施する保育園向け経理研修にも取り扱われています。
・園には、物品担当者がおり、職員からの物品購入の依頼を受けています。依頼を受けた物品担当者は、在庫を確認し、必要物品の発注を行います。発注の際は、物品購入内訳書等の所定の様式に発注内容を記載し、園長が確認します。園長は確認後、区の担当課に提出し、受理後に購入となります。物品購入に関係する園長、主任、物品担当者は社会的責任を意識し、取り組んでいます。
・園では、内部監査を定期的に行っています。園長と主任は保育所自己点検票に沿って運営面、保育内容について、各種マニュアル等の必要書類も含め確認します。実施された内容を、こども青少年局の担当者が確認する仕組みとなっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域とのかかわり方については、全体的な計画や市のホームページに記載されています。全体的な計画には、地域とのかかわりの項目が設けられ、盲特別支援学校との交流、療育センターとの交流、ボランティアの受け入れ、中学生職業体験受け入れ等、具体的な取り組み内容が記載されています。また、保護者・地域に対する子育て支援の項目が設けられ、育児相談、園庭開放、交流保育、育児講座、ランチ交流等の育児支援事業内容が記載されています。
・玄関には、子育て期の情報・お役立ちファイルが常備されています。ファイルは、親子の居場所、預け先、親と子の相談、暮らしの情報等、各分野のインデックスを貼り、利用しやすいように工夫されています。また、各クラスの入り口には、身近なイベントや日常の暮らしに関する情報交換等ができる地域SNSアプリを紹介したピアッザと呼ばれるチラシや、学童や児童発達支援のチラシを置くなど、個々の子ども・保護者のニーズに応じた、地域における社会資源を利用するよう推奨しています。
・盲特別支援学校や近隣小学校との定期的な交流を行っています。支援学校では学校で使用している器具や絵本の体験などを通して、音を頼りとして認識することを学びました。近隣小学校には子どもの作品を展示しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・ボランティア受け入れに関する基本姿勢については、受け入れマニュアルや誓約書に明文化されています。
・ボランティア受け入れの際は、受け入れマニュアルに沿ってオリエンテーションを実施します。その際に、個人情報の取り扱い等に関する説明を行い、誓約書を受け取るなど、実習生・ボランティア受け入れの体制が整えられています。
・コロナ禍前は、中学生職業体験の受け入れを実施していました。現在は、保育士養成校の見学実習のみ受け入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・玄関に散歩マップが掲示されています。散歩マップには、公園の遊具等の写真を紹介するとともに、夏は緑がきれい、桜を楽しめるなど、公園の特色や、公園までの経路等を記載しています。また、各配布物や掲示物はクラス別ファイルに保管し、各クラスに常備することで、保護者がいつでも閲覧できるよう整備しています。
・事務所内には、児童相談所、療育センター、県の医師会等、関係機関の連絡先が掲示されています。また、
消火器配置図や救急・火事の際の連絡、緊急時連絡系統などが掲示され、職員間での共有が図られています。
・関係機関や団体との定期的な連絡会として、子育て支援連絡会、児童相談所と区との要保護児童について検討するカンファレンス、スクールゾーン対策協議会に参加しています。子育て支援連絡会では、地域の方が授乳やおむつ替え等で利用できる赤ちゃんの駅の取り組みのルール化について検討しています。スクールゾーン対策協議会では、近隣の土木事務所関係者、警察官、小学校教員などが参加しスクールゾーンにおける安全等について話し合っています。具体的な取り組みとして、通学路に設置されているカーブミラーの位置の見直し等について検討しています。
・家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、虐待対応マニュアルに沿って対応する体制が整えられています。また、必要に応じて児童相談所や区の担当課とカンファレンスを実施する体制が整えられています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の福祉ニーズについては、赤ちゃんの駅の取り組み、園庭開放、交流保育、育児相談等を通して把握しています。園では育児支援担当保育士を配置し、担当保育士は月の園庭開放の利用者数等を集計し分析しています。分析内容からは、保護者同士の交流の場や子育て等について話せる人の存在の必要性、同じ年齢ぐらいの子どもと遊ばせたいという思いなど、細かな地域の福祉ニーズや生活課題等の把握に努めています。また、園庭開放を利用する保護者とも積極的に交流し、個々の家庭に応じたニーズの把握にも努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・把握された福祉ニーズにもとづき、園では、育児支援計画を作成し、様々な育児支援事業に取り組んでいます。園庭開放、育児講座、交流保育、ランチ交流、ホール開放、誕生会、育児相談等が挙げられ、計画等で明示しています。これらの活動については、年間カレンダー及び月の育児支援カレンダーとして予定を示しています。また、育児新事業の紹介として活動の写真を掲載したチラシを作成し、地区センターや地域ケアプラザ、また、地域の親子広場や図書館等の施設に郵送するとともに、地域の子育て支援拠点で配布しています。さらに、県が発行する広報誌や市のホームページで紹介しています。
・園庭開放を利用する家庭との交流の中で、個々の家庭のニーズに応じた取り組みを実施しています。同じ年齢の子どもと遊べるように仲立をしたり、年齢に合わせた遊具を用意したりするなどの取り組みを行っています。また、交流の中で子どもとの接し方や遊び方などの日常の様々な心配事の相談を受けるとともに、一人ひとりの保護者の長所を引き出し、育児支援事業を利用して良かったと感じられるよう取り組んでいます。
・社会福祉分野のみならず、地域コミュニティの活性化やまちづくりなどの一環として、子どもと一緒に近隣の公園にチューリップの球根を植える取り組みを行っています。
・地域との連携として、地域の親子が、園の防災訓練に参加することもあります。今後は、地域の防災対策や、被災時における福祉的な支援を必要とする人びと、住民の安全・安心のための備えや支援の取り組みが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもを尊重した保育の実施については、全体的な計画、保育目標、保育姿勢に明示され、玄関、事務室に掲示されています。具体的な取り組みついては、遊びの約束、おむつの交換手順、園外保育手順等が納められた業務マニュアルに示され、マニュアルを各クラスで配置し、職員が理解し実践するための取り組みにつなげています。
・子どもを尊重した保育の提供に関する「倫理綱領」については、よこはま☆保育・教育宣言やよこはまの保育に明示されています。明示された内容については、年間指導計画、月間指導計画、週案等の各種指導計画に反映させ日々の保育実践につなげています。
・子どもの尊重や基本的人権への配慮については、区が主催する人権研修、コンプライアンス研修をeラーニングも含め受講しています。人権研修では、子どもの人権をはじめ、インターネットと人権、犯罪被害者と人権、性的マイノリティの人権等について、幅広く学んでいます。
・子どもの尊重や基本的人権への配慮について、月2回実施される乳幼児会議や月1回実施されるカリキュラム会議を通して、定期的に状況の把握・評価等を行い、必要な対応を図っています。
・子どもが互いを尊重するための具体的な取り組みとして、日常の活動の中で異年齢交流による取り組みが行われています。一例として、三輪車にまたがっている0歳児がバランスを崩しそうになると、1歳児の子どもが「大丈夫」と言葉をかけ、優しく体勢を整えてあげるなど、自然に年下の子どもに対して、思いやりの気持ちをもって接する姿が見られました。
・性差への先入観による固定的な対応をしないよう、職員は、市が作成した動画「より良い保育のために」の視聴や、区が主催するLGBTに関する人権研修等を受講しています。また、区が主催する外国人の人権、職業をめぐる偏見や差別等の研修を受講し理解を深めています。子どもの人権、文化の違い、互いに尊重する心についての方針等は、重要事項説明書や懇談会の資料等を通して、保護者の理解を図る取り組みを行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どものプライバシーの保護については、横浜市職員行動基準に、「人権」と「環境」に配慮し行動するなど、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務等が明記されています。職員行動基準は名刺の大きさに記載され、全職員が携帯しています。また、区が主催する人権研修及びコンプライアンス研修を全職員が受講しています。さらに、個人情報保護月次研修として、市の担当課が作成する、個人情報について留意すべき点が記載された書面について、毎月、全職員が内容の確認をしています。
・一人ひとりの子どもにとって、生活の場にふさわしい快適な環境を提供し、子どものプライバシーを守れる設備等の工夫として、夏期シャワー時のシャワーカーテン、おむつ替え時の衝立等の使用をしています。
・入園時には必ず、重要事項説明書にて、写真や動画の使用について、保護者に説明するとともに、同意書をいただいています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・市のホームページや保育所等の情報紹介サイトである「えんみっけ」や、区の広報誌等で園の理念や基本方針、保育の内容、育児支援事業等について掲載するなど、多くの人が必要な情報を入手できるよう取り組んでいます。
・保育園のしおりには、保育理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等の紹介の他、食育活動、リズム遊び、異年齢交流・障害児保育等、園の特色が記載されています。また、育児支援センター園として子育てに関わる情報提供や施設の活用など、地域の子育て家庭を支援することが記載され、育児支援事業を紹介したQRコードを載せています。
・園の利用希望者に対して、園見学を実施しています。また、園庭開放の利用時に案内をしたり、電話でも対応しています。園見学は、園長と主任が担い、日程調整をし、個別に丁寧な説明を実施しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・保育の開始にあたっては、重要事項説明書を使用し入園説明会、個別の入園面接で説明し保護者等の意向の聞き取りに配慮しています。持ち物については見本の提示をするなど、わかりやすく説明する工夫が図られています。説明内容を踏まえ、保護者からの同意を得ています。
・保育の開始・変更時には、重要事項説明書で説明し、保護者等は同意をしたうえで、利用契約書、契約児童情報変更票等、必要書類を提出しています。
・特に配慮が必要な保護者への説明については、ルール化され、適正な説明、運用が図られています。一例として、アレルギー児への対応は、市の書式である生活管理指導票、緊急時個別対応票を使用し説明しています。アレルギー面談には、保護者、園長、調理士、担任が参加し、毎月の献立を照らし合わせ、提供する食材の確認を行っています。また、園では月に1回、園長、調理師、アレルギー児が在籍するクラス担任が参加し、献立のアレルギー確認をするなど、アレルギー会議が実施されています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・保育所の変更にあたっては、区の担当課を通して、入園時面談票等の共有など、必要に応じた情報共有が行われています。
・園は区の育児支援センター園として市のホームページに公表しています。相談窓口として、育児支援担当保育士を配置するなど、園として子どもや保護者等が相談できる体制が整っています。
・保育所の利用が終了した後の相談窓口として、元担任や主任、園長等が中心となり必要に応じて丁寧な対応していますが、現在、文書化は行っていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育の中で、子どものやりたいこと、興味を持っていることを把握し保育の中に取り入れています。また、ドキュメンテーション日誌を作成し、園長や主任と写真を通して具体的な子どもの様子や取り組みを共有する中で、子どもの満足を把握するように努めています。
・保護者に対し、利用者満足に関する調査として、年に1回の園全体に関する保護者アンケートをはじめ、保護者参加の行事の後に感想を寄せてもらっています。また、玄関にはコミュニケーションボックスを設置し、利用者満足の把握に努めています。
・利用者満足を把握する目的で、年に1回、個人面談及び保育参加を行うとともに、年に2回、懇談会を実施しています。
・コロナ禍以前は、年に1回開催される、保護者会の総会に園長が出席していました。コロナ禍は書面総会を実施し、園長は書面にて内容を確認しました。
・アンケート結果に関しては、職員会議において全職員で共有するとともに、分析・検討につなげています。一例として、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、保育参加を再開する取り組みにつなげました。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の体制については、相談・苦情受付窓口をクラス担任または主任保育士とし、相談・苦情解決責任者を園長としています。また、第三者委員を設置しています。これらの内容は、重要事項説明書に保育内容に関する相談・要望・苦情の項目を設け、苦情解決制度(保育サービス改善のためのシステム)、相談・苦情窓口、苦情解決第三者委員について、図や表などを使用し、分かりやすく記載しています。記載内容は玄関にも掲示しています。
・苦情内容については、苦情申し出・保護者対応記録簿に記載し、適切に保管されています。また、日々の保育の中で把握された苦情内容や意見等に関しては、園長を含め職員で検討した上で、迅速な対応を行っています。一例として、屋外でシャワーを実施する際の改善の申し出があり、子どものプライバシーを守る設備の工夫として、シャワーカーテンを設置しました。また、苦情相談内容は、保育所の自己評価の課題として取り上げ、保育の質の向上に関わる取り組みが行われています。一例として、昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、保育室への保護者の入室制限があり、園の様子が分かりづらいなどの意見がありました。そのため、写真を多く取り入れたドキュメンテーションの導入、クラス懇談会での動画の上映を行いました。また、電子媒体である保育園業務システムの使用機能を拡大し、「成長記録」「連絡(遅刻欠席)」で使用するとともに、お知らせ配信の頻度を増やしました。課題への取り組みについては、保育所の自己評価の結果を公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・保育内容に関する相談・要望・苦情については、重要事項説明書に記載され、苦情受付担当者はクラス担任または主任保育士、苦情解決責任者は園長と記載されています。また、2名の苦情解決第三者委員の氏名や連絡先とともに、直接第三者委員へ申し出を行うことができる旨も記載されています。さらに、横浜市福祉調整委員会にも申し出ができる旨を記載しています。これらの内容は玄関に掲示しています。
・相談をしやすい、意見を述べやすいスペースの確保として事務所の面談スペースを利用し、面談を実施しています。また、コミュニケーションボックスを設置し、保護者等が苦情を申し出しやすい工夫を行っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・写真と文章で活動の過程や保育で大切にしている点などを伝えるドキュメンテーションの掲示や、連絡票、また送迎時にコミュニケーションをとりながら情報共有を行うことで、保護者が相談しやすく意見を述べやすいように配慮しています。
・コミュニケーションボックスの設置や行事後の保護者の感想、また、年に1回実施される、園全体に関する保護者アンケートを通して、保護者の意見を積極的に把握する取り組みが行われています。保護者からの意見等は、苦情対応マニュアルに沿って、職員間で検討し常に迅速な対応を行っています。
・意見等にもとづき、保育の質の向上に取り組んでいます。一例として、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、夏と秋に1カ月ずつの期間を設け、保育参加を実施しました。保育参加では、保護者が参加希望日を提出し、園が参加人数を調整し実施しました。保護者は、午前中の活動で子どもと遊んだり紙芝居を読むなど、保育に参加できる機会となりました。
・苦情対応についてのマニュアルは、その都度必要に応じて見直すとともに、年度末に定期的な見直しが行われています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントに関する責任者の明確化については、安全管理マニュアル、リスクマネジメント、事故対応マニュアル、通院マニュアル等で責任者を明確にしています。
・事故発生時の対応と安全確保についての責任、手順等については、事故対応マニュアルに示され、職員に周知が図られています。
・子どもの安心と安全を脅かす事例の収集については、事故報告書及びヒヤリハット報告にて積極的に行われています。事故報告書やヒヤリハットの内容については、ミーティングや各種会議で再発防止策を検討し、改善につなげています。また、他園での事例についても共有しています。
・職員に対して、リスクマネジメント研修等の共有を通して、安全確保・事故防止に関する周知を行っています。
・事故防止策等の安全確保策の実施状況や実効性については、遊びの約束、散歩マニュアル、避難訓練計画SIDS表、アレルギーの対応等のマニュアル類を通して、定期的に評価・見直しを行っています。見直しは、各マニュアルを職員が分担して行い、期限内に園長と主任に提出します。見直された内容について、園長と主任が確認し、改定等につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策について、園長・主任を中心に管理体制が整えられています。感染症の予防と発生時等の対応として、感染症防止マニュアルを整備し、日々のミーティングや、月1回実施される職員会議にて、周知を図っています。
・市立園在籍の看護師が年に2回巡回し、園児に健康についての指導等を行うとともに、職員に対して感染症や嘔吐処理の情報を提供しています。巡回の際は、看護師への質問事項を子どもに募るなど、子どもが興味関心を持てるよう配慮しています。指導の一例として、咳をした際の飛沫の様子をゴムなどを使って視覚的に伝える取り組みが行われます。また、絵本を通して、日ごろの手洗いの仕方を伝えています。看護師から話を聞くことで、子どもの理解の深まりにつながっています。
・感染症が発生した際には、感染防止マニュアルに沿って迅速な対応が行われています。嘔吐処理セットは各クラスに設置されています。
・感染症が発生した際は、感染症の状況を伝えるホワイトボードを使用し、情報提供を行っています。ボードは、病名、発生日、提出が必要な書類、クラス等の項目が設けられ、一目で状況が分かるよう工夫されています。また、保健だより等を通した情報提供も行われています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の対応体制は、災害対応(地震・火災・風水害等)マニュアル、区保育・教育活動班マニュアルに明記され周知されています。
・立地条件等から災害の影響を把握し、防災備蓄品の把握、落下防止対策、耐震工事、施設・設備点検を実施するなど、建物・設備類や保育を継続するために必要な対策を講じています。また、土砂災害に備えた避難訓練計画を策定し、訓練を実施しています。
・子ども、保護者及び職員の安否確認の方法については、電子媒体である保育園業務システムを使用し、園の状況等を一斉配信しています。また、災害伝言ダイヤルを利用しています。
・食料や備品類等の備蓄については、備蓄品担当による管理が行われています。備蓄品は備品台帳、物品管理簿を作成し、整備されています。
・安全計画を作成し、毎月の避難訓練、消防署立ち合い訓練、区役所との無線訓練、土砂災害訓練を実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・標準的な実施方法については、保育業務マニュアル、横浜市職員行動基準、全体的な計画、よこはま☆保育・教育宣言等に適切に文書化されています。
・子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護については、重要事項説明書や全体的な計画に記載されています。重要事項説明書には、プライバシーの保護の項目が設けられ、職員は、保育所保育指針にもとづき、子どもの人権およびプライバシーの保護に努めることが明記されています。また、全体的な計画には、保育理念の項目に、一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え、保育を通してその福祉を積極的に増進するように努める旨が明記されています。
・標準的な実施方法については、職員会議やカリキュラム会議、また日々のドキュメンテーション日誌の共有を通して具体的な保育内容についての意見交換を行い、標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかを確認しています。
・標準的な実施方法により、保育実践が画一的なものとならないよう、子ども一人ひとりの興味や関心、発達に応じた月間指導計画及び個別指導計画を作成し実践しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・標準的な実施方法については、区内市立園での共有や、こども青少年局の監査による注意事項を踏まえて、職員会議、カリキュラム会議、クラス会議等を通して振り返りが行われています。一例として、以前は怪我等があった際に、通院する事項も通院が必要ない事項も同様の書類に記載していましたが、現在は、別の書類に記載するようにしました。また、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、子どもの席の配置や職員が休憩する際の席の配置等の見直しを行いました。
・検証・見直しにあたっては、年に1回、保護者アンケートの結果を踏まえて、職員全員で保育所自己評価を実施するなど、保護者や職員からの意見や提案が反映されるような仕組みになっています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の策定は、電子媒体である保育園業務システムを使用し各クラス担任が作成し、園長が確認、承認をしています。
・入園の際は、入園面談を行うとともに、保護者が提出する児童票、健康台帳等を通して子どもの成育歴や生活状況、身体状況等の把握をしています。在園児については、保育園業務システム内の発達記録等を使用し、適切なアセスメントにつなげています。また、配慮が必要な子どもについては、一覧を作成し、全職員で共有しています。
・療育センターによる巡回相談、児童相談所との連携、小学校や区のこども家庭支援課との情報共有、また、保健師との情報共有を行っており、さまざまな職種の関係職員や、必要に応じて保育所以外の関係者も参加して、アセスメント等に関する協議を実施しています。
・全体的な計画にもとづき、年間指導計画、月間指導計画、週案、日案が策定されています。
・送迎時の保護者からの聞き取り内容を個別の指導計画等に反映させるなど、子どもと保護者等の具体的なニーズを反映させた計画を策定しています。計画の策定にあたっては、保護者面談や療育センターによる巡回相談の内容も反映させています。
・職員会議やカリキュラム会議、クラス会議を通して、指導計画にもとづく保育実践についての振り返りや評価を行う仕組みが構築され、機能しています。
・支援困難なケースの対応については、療育センターの巡回相談、こども家庭支援課との連携を通して、積極的かつ適切な保育の提供を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は年度末に見直し、年間指導計画などの各種指導計画は、定められた時期に見直しが行われています。
・見直しによって変更した指導計画の内容については、カリキュラム会議、クラス会議、回覧を通して関係職員に周知する手順となっています。
・指導計画を緊急に変更する場合は、クラス会議、乳幼児会議、カリキュラム会議を踏まえ、園長に報告され、全体に周知する仕組みとなっています。
・支援計画の評価・見直しにあたっては、家庭との連携を踏まえ、支援計画に反映するよう取り組んでいます。個別支援計画には、家庭及び専門機関との連携の項目が設けられ、振り返りを行うことで課題等が明確になるよう取り組んでいます。
・評価した結果については、各種指導計画の作成に生かされています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況等は、個別支援計画、個人記録、クラス日誌、児童健康台帳、連絡帳等の、市が定めた統一様式によって把握し記録しています。
・個別の支援計画等にもとづく保育が実施されていることを、記録により確認することができます。
・クラス日誌やドキュメンテーションは、園長と主任が確認した際に、子どもの発達的視点が示されているかなどの記載する際の留意点を伝え、記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないよう取り組んでいます。
・園における情報については、基本的に全職員で共有する仕組みとなっています。ミーティングノートや会議報告等は事務室に常備し、いつでも確認できるような仕組みが整備されています。月に1回実施される、職員会議やカリキュラム会議の欠席者には、別途報告会を設け、担当者から直接内容を伝えています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する方針については、個人情報保護マニュアルに定められ、事務所内の鍵付き書庫への保管、保存文書期間遵守後の廃棄などの取り組みが行われています。
・個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応方法については、個人情報漏えい事故防止等マニュアルに規定されています。
・記録管理の責任者を園長とし、個人情報の記載がある書類等は事務室内で閲覧するなど適切な管理が行われています。
・記録の管理については、区の担当課長による個人情報マニュアル・個人情報研修を全職員が受講しています。また、個人情報について留意すべき点が記載された、情報セキュリティ・個人情報保護月次研修の内容を回覧し、毎月全職員が確認をしています。
・個人情報の取り扱いについては、写真撮影の有無等、重要事項説明書を通して保護者等に説明し、同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、子どもを権利の主体として位置付ける児童福祉の理念をもとに作成されている「よこはまの保育」をとらえて作成しています。保育所の理念、方針、目標にもとづき、子どもの発達過程、地域の特性、長時間にわたる保育への配慮をした内容になっています。保育士の姿勢に「子どもの最善の利益の実現を第一に考える」とあり、職員は、子どもの最善の利益を最優先すべき価値観として捉えて作成しています。計画は、会計年度職員などが参加しやすい会議で検討するなどの工夫をし、保育に関わる全職員が参画して作成しています。
・全体的な計画は、それぞれの実践後の会議で振り返りを行い、評価・反省を行うとともに、年度末に全体的な振り返りを行い、次年度に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・室内の適切な温度や湿度などについては、看護師巡回訪問の手引きにもとづいた衛生管理マニュアルに掲載されており、常に決められた状態に保ち、日誌への記録を行っています。生活の環境として保育者の声量にも配慮しています。毎日、安全点検簿のリストに沿って遊具等の点検を行うとともに、月に一度位の頻度で、建物、設備、備品に関する点検を業者の協力のもとで実施しています。布団乾燥は、年6回実施しています。遊びと食事の空間を分け、遊び毎にコーナーを設け、子どもの動線に配慮した家具の配置をしています。遊びのコーナーには、それぞれにマットが敷かれ、落ち着いて遊べる環境となっています。2階廊下には、ベンチを設置し、静かに過ごしたい子どもが使用できるように工夫しています。ホールも必要に応じて使用することがあり、子どもが安心してくつろげる環境を整備しています。
・トイレは明るく清潔に保たれ、1階には園庭で遊んでいる幼児も使用できるように、ドアが付いているものが用意されるなど工夫されています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・新入園児については、入所書類や面談などを通し、また進級児は、保護者との会話や面談などから子どもの発達過程や家庭での生活の様子を把握し、職員間で共有しています。日ごろから、ゆったりとした姿勢で、子どもの気持ちを肯定的に受け止めるように関わることで、子どもが安心して自分を表現できるように取り組んでいます。自分を表現する力が不十分な子どもには、表情やしぐさから思いをくみ取り、見守ったり代弁したりしています。クラスの枠を超えて、子どもが話しやすい職員と対話をすることもあります。子どもからの要求や提案については、極力応えるように努めていますが、応えられない場合は、理由を伝え、しっかり話を聞く、他の場面で叶えられるようにするなどの工夫をしています。
・実践の場で場にそぐわない言葉の発信があった場合には、職員同志、声を掛け合うとともに、良い言葉がけの時にも声を掛け合うような体制が出来ています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子ども一人ひとりの発達に加え、意欲なども観察しながら、子どもの姿に合った援助を行い、基本的生活習慣が身に付くように支援しています。遊びの中にスナップ、ボタン、シュシュ等を配置しておくことで着脱時に指先を器用に使えるようになったり、低いイスを用意することでズボンを履きやすくなったりするように日ごろから工夫し、子どもが達成感を味わい、自分でやろうとする気持ちに繋がるようにしています。保育活動に時間的な余裕を持つことで、子どもが安心して身の回りのことに取り組めるように配慮しています。手洗いの方法や流し台の並ぶスペースには、マークを表示するなどして、視覚的にもわかりやすいようにしています。
・食事や睡眠、排せつ、清潔、着脱など、基本的な生活習慣の大切さについては、保育の中で伝えたり、子どもと考えたりするとともに、看護師巡回訪問時に紙芝居や模型の資料を活用した指導を受け、理解が深まるように取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・遊びごとにコーナーを設置し、子どもは自分の好きな遊びを選択して遊んでいます。棚や玩具入れに写真を貼り、片付ける場所がわかりやすいようにし、自主的・自発的な活動を促しています。子どもの持ち物入れや衣類を入れる棚にも個人用マークを貼り、主体的に活動が出来る環境を整備しています。職員は、カイコの飼育から「カイコ博物館」の作成に展開したように、日ごろから子どもの言葉に耳を傾け、興味関心に寄り添い、子どもの活動が、自発的に展開できるようにしています。朝夕の園庭遊びに加え、定期的なリズム遊びや運動遊び、戸外散歩を積極的に取り入れ、子ども同士の関わりを深め、身体を動かすことを楽しむことが出来るように取り組んでいます。子どもたちは、園庭開放利用者の親子やカイコ飼育でお世話になった土木事務所、郵便局、散歩時の消防署など、地域の人たちと接する機会を持ち、社会体験が得られています。
・自由な表現活動が出来るように、廃材や折り紙、テープ、絵画用品などを用意する一方で、子どもの姿を職員間で共有し、じっくりと表現活動に取り組める環境を工夫しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの発達やリズムに合わせて生活が出来るように、生活と遊びの空間を分けています。子どもの状態によって睡眠の時間帯が異なることを考慮し、隣接した多目的室を活用するなどの工夫をしています。愛着関係が形成できるように、緩やかな担当制を導入し、同じ職員が応援に入るように配慮しています。子どもの表情を大切にし、目線、喃語、指差しに応答的に対応するとともに、スキンシップをとり、優しく語り掛けています。遊びのコーナーには、座って遊べる玩具、寄りかかって遊べる玩具、勾配のあるマットなどを用意し、発達に応じて楽しめるように工夫をしています。
・家庭とは、連絡票や送迎時の会話から情報の共有を行い、子どもの姿、保護者の要望など考慮し離乳食の対応などを行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、ズボンが履きやすいようにベンチを用意したり、食事の際の食具を子どもに合わせたりして、子どもが取り組みやすい環境を用意しています。ゆとりをもった言葉かけやさりげない援助をすることで、自分で出来た喜びを共感するように努めています。探索活動が十分できるように毎日の安全点検に加えて、園庭での死角をつくらないように保育者間で連携を図り、安全に遊べるように取り組んでいます。子どもの興味関心に寄り添い、保育者が一緒に遊んだり、見守ったり、代弁したりしながら安定して友だちと関わって遊べるように配慮しています。言葉が十分でなく、不安定な感情の表出が見られた場合には、受容的に受け止め、感情をコントロールする事への気づきに繋がるように援助しています。異年齢の日、園庭遊び、リズム、カイコ博物館への招待などで様々な年齢の子どもと関わり、園庭開放の親子や調理員などの大人とも日常的な関わりを図っています。
・保護者とは、子どもの自我の育ちや特に排泄にかかわる事柄について、連絡帳や送迎時の会話で共有し、連携を図って取り組んでいます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児は、遊びを中心とした活動に取り組めるよう、パズルやブロックなど子どもの興味関心のある玩具を用意するなど、環境を整えています。また、イメージを表現することを楽しめるように、ままごと・なりきり・見立て遊びなどで、友だちと一緒に安定して遊べるように関わっています。 テントウ虫の発見から飼育、栽培物のアブラムシ退治につながったように、子どもの興味関心に寄り添い、活動が広がるように援助しています。4歳児は、ビー玉やパズルブロックなどで、友だちと同じ遊びを楽しむことができるようになることから、廃材を使用してビー玉転がしなどに発展させていくなど、友だちと一緒に取り組むことで充実感が味わえるように支援しています。5歳児には、カイコの飼育から発展した「カイコ博物館」の取り組みのように、子ども同士の話し合いから主体的に活動を進め、やり遂げた充実感や達成感が味わえるように援助をしています。園行事においても、どんなことをしたいのか、最初に子どもと話し合いを行い、主体性をもって取り組めるようにしています。
・子どもの育ちや協働的な活動は、ドキュメンテーションにして保護者に伝えたり、神奈川区役所に食育活動のパネルを掲示し、区民に伝えたりしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・園舎には、多目的トイレ、階段の手すりなどが設置されています。特別な支援を必要とする子どもに対しては、イラストの表示や絵カードの使用に加え、必要に応じてパーテーションやクールダウンできる部屋を用意し、安心して生活できるように配慮しています。子どもの様子や経過を会議で話し合い、個別の指導計画を作成し、クラスの活動と関連付けて保育を行っています。子どもの状態や配慮すべき点などについて、会議に参加できなかった職員には、会議報告をしたり、議事録で確認したりして全職員の共有化が図れるように取り組んでいます。加配職員やフリー職員が仲立ちすることで、子ども同士の関わりを増やし、ともに成長できるように支援しています。職員は、要配慮児研修に参加し必要な知識や情報を得るとともに、東部地域療育センターと連携し、巡回相談で対応の方法などの助言を受け保育に生かしています。
・保護者には、入園説明会や懇談会で、多様な子どもたちが一緒に生活していることを伝え理解を深める取り組みを行っています。必要に応じて相談を受け、神奈川区発行のリーフレットの活用や関係機関の情報提供を行っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・長時間にわたる保育については、1日の生活を考慮して年間指導計画、月間指導計画に位置づけを行い、計画性をもって取り組んでいます。子どもの人数やその日の様子によりローテーションを工夫し、乳児には、可能な限り同じ職員が対応し、朝・夕の保育はクラス担当が対応するように配慮しています。子どもの状況に応じて、ホールを活用するなどし、穏やかに過ごせる環境を用意しています。18時30分以降の延長保育では、捕食の提供を行っています
・子どもの状況について職員間では、クラスごとの引継ぎ簿を活用しながら口頭でも引継ぎを行い、保護者には、送迎時のコミュニケーションを図りながら、引継ぎ内容を伝え、チェックマークを付けています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画の中に、幼保小連携教育事業やアプローチカリキュラムの記載があります。5歳児の指導計画は、幼児期にふさわしい生活を通じて、創造的な思考や主体的な生活態度の基礎を培う内容になっています。近隣の小学校への訪問や運動会の練習見学、ネットワーク選任保育士が関わる近隣園との公園交流を行い、小学校以降の生活への見通しが持てるようにしています。上履きの使用、ハンカチの携帯など、就学以降の生活が安心して行われるように配慮する一方で、当番活動などの役割を持った取り組みや交通ルールに目を向けられるように配慮しています。近隣小学校の教員が来園し、保育参観、幼保小連携会議、研修などを行い連携を図っています。
・保護者には、個人面談、懇談会、就学時健診での情報共有、就学に向けてのリーフレット配布などを通して、就学以降の見通しが持てるようにしています。保育所児童保育要録は、書き方研修を受け、多くの職員が関わって作成しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・健康管理マニュアルにもとづき、子どもの心身の健康状態を把握しています。毎日の健康状態は、乳児は連絡票、幼児は検温記録で保護者と園とで共有しています。子どもの急な体調悪化や、ケガについては、担任が主任や園長に報告した上で保護者に連絡をしています。健康状態に関する情報は、ミーティング等で職員間で共有し、特にケガについては、振り返りや今後の対策を話し合うとともに、保護者から事後の様子を確認し、記録に残しています。子どもの健康に関する計画を作成し、アレルギー疾患や熱性けいれんなどの既往症情報は、職員間で周知・共有しています。入所後の予防接種の情報などは、個人面談の際に確認し追記してもらうようしています。園で預かっている薬の情報は、一覧表にまとめクラスファイルに綴じ、閲覧出来るようになっています。
・保護者に対し、子どもの健康に関する方針や取り組みは、入園時の説明会やこども青少年局の「すくすく」の配信を通して伝えています。乳幼児突然死症候群については、予防マニュアルを活用し、園内研修を実施する一方で、保護者には、入園説明会での説明やポスター掲示をして伝えています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・健康診断・歯科健診の結果は、健康台帳、歯科健診票へ記録し、健診後のミーティングで関係職員に周知出来るようになっています。健康診断のために園医が訪問した際は、健康に関する最新の情報や事前に保護者から寄せられた質問に関してアドバイスを受け、保護者に伝えています。健康診断の機会を利用し、絵本を使った健康教育を行い、歯科健診後に歯磨き指導を受けるなど、子どもの健康に関する意識が深まるように取り組んでいます。
・保護者には、園医からの返答などの詳細とともに口頭で個別に結果を伝えるようにしています。園だよりで、健診結果の情報や園医からの子どもの健康生活に必要な情報提供をするとともに、横浜市で発行している保健だより「すくすく」を配信し、家庭での健康生活に生かされるように配慮しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー疾患のある子どもに対しては、アレルギー対応ガイドラインにもとづいて、医師の指示書をもとに保護者、園長、担任、調理員との面談を毎月実施し、献立や提供内容の確認を行っています。実際の提供にあたっては、園独自のマニュアルをもとに、ミーティングで提供内容を確認し、トレー、食器、テーブル、台布巾は専用のものを使用するなど誤食の無いようにしています。他児には、除去食の必要性について理解できるように説明をしています。慢性疾患のある子どもに対しては、生活管理表、与薬に関する主治医意見書にもとづいて、日中の活動の節目で様子を確認するなどの対応をしています。職員は、アレルギー疾患、慢性疾患等に関する研修に参加し、知識・情報を得て、職員間で共有しています。
・保護者には、入園説明会で食物アレルギーや与薬についての園としての方針を説明し、理解を図るようにしています。なお、災害時には、アレルギー疾患のある子どもは、名前と除去品を書いたビブスを着用することになっています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・年間食育計画を作成し、食に関する経験が計画的に出来るように取り組んでいます。遊びと食事のスペースを分け、子どもの体格に合わせて足が床につくように台を使用して座る、発達に合わせた食具を使用するなど、落ち着いて食事がとれる環境を整えています。午前中に十分な活動を保障し、空腹の状態で食事をとることが出来るようにする一方で、食事の量を加減したり、保育士が子どもと一緒に指導食をとったりすることで、楽しく食事がとれるように工夫をしています。おくらやピーマンに触れる、枝豆のさやとり、トウモロコシの皮むきなど野菜の下ごしらえや、ポップコーンやゴーヤの佃煮、スイートポテト作りなど、収穫した物でのクッキング等、食育に関する計画を作成し、食に関心を深めるための取り組みを行っています。
・保護者には、提供した食事の写真を掲示したり、懇談会時にサンプルや離乳食の写真を使用し内容や量を伝えたりしています。また、子どもが行った食育活動の様子は、ドキュメンテーションにして配信を行っています。毎月給食だよりや園だよりに人気メニューのレシピを掲載して配信しています。食に関する相談は、担任や調理員が直接話を聞いています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・担任と調理員、家庭との連携を図り、子どもの年齢や発達、体調に合わせた献立や調理の工夫をしています。特に離乳食については、未食が無いように予め家庭で摂取をお願いしています。職員は、日々の保育の中で、子どもの苦手な食材や食する量を把握した上で、子どもと相談しながら量を調整し、給食日誌やミーティングで喫食状況を共有しています。献立検討会や給食日誌の記録は、次の調理に反映されるようになっています。横浜市立保育園共通の献立は、地域の文化や他国の文化、行事食などを取り入れ、旬の食材や季節を感じられるように作成されていますが、子どもの栽培した収穫物を加えることで、より季節感が感じられるように工夫しています。調理員は、食事中やクッキング活動の際にクラスを巡回し、直接子どもの様子を見たり、話しを聞いたり、食に関する話をしたりしてコミュニケーションを図っています。
・横浜市で作成している、衛生管理マニュアル、衛生管理チェック表にもとづいて衛生管理を実施するとともに、調理員が衛生管理研修に参加し、日々の調理業務に生かしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・乳児は「乳児連絡票兼個人記録」で体調や生活の様子を、幼児は、送迎時の会話に加えて、クラスごとにドキュメンテーションを掲示し視覚的にも伝えるようにしています。入園説明会で保育の方針や内容を説明し、各クラスにも園目標や全体的な計画を掲示しています。懇談会、個人面談、保育参加、保護者参加行事は、直接子どもに触れ合ったり、写真では味わえない子どもからの直接の反応が実感できたりして、保育内容についての理解を得、子どもの成長を共有し、子育ての喜びに繋がる機会になるよう取り組んでいます。保護者からは、保育参加後や行事後に、感想を聞き、園内に感想を貼り出しています。
・家庭の状況や相談内容、個人面談などの情報は、面談記録、カリキュラム会議録などに適切に記録・保管しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、送迎時の挨拶や子どもの様子についてなどの会話を通して、保護者が話しやすい雰囲気を作り、信頼関係を築けるように努めています。個人面談は、予定を立てやすいように1か月前にお知らせを配布して日程調整を行っています。また、保護者から相談の要望があった場合には、直ちに対応する体制を整えるとともに、送迎時や電話、コミュニティボックスを活用した相談などにも応じられるように取り組みを行っています。懇談会や園行事で保護者と顔を合わせる機会を持ち、子育てに共感し合ったり、相談内容に応じた関係機関を紹介したりして、安心して子育てが出来るように支援しています。
・相談を受けた職員は、主任や園長に相談し、対応について話し合うとともに、面談は複数で受けるように主任や園長が同席するなどの工夫をしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように、送迎時の親子の様子や、着替え等の際の心身の変化に注視しています。権利侵害を疑われるケースが認められた場合には、直ちに園長に報告し、園全体で対応する体制が整っています。クラス日誌や個人日誌に記録を残すとともに、対応マニュアルに沿って行政や児童相談所等の関係機関に報告をしています。日ごろから保護者に声かけを行い、話を聞きながら、一緒に子どもの対応を考えていくなど、予防的に保護者の精神面、生活面を援助するように取り組んでいます。行政区や児童相談所との連携が図られ、関係機関が集まりカンファレンスを行うケースもあります。虐待に関するガイドラインが整備され、園内研修や行政区の実施する研修に参加し、権利侵害が疑われる子どもの状態や行動等の情報や知識を習得し、内容を共有し理解を深めています。「より良い保育のためのチェックリスト」を活用し、人権に関しての意識を高めています。
・入園説明会で配布する重要事項説明書の中の項目に、虐待が疑われる場合の報告義務について記載があり保護者に説明をしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

・職員は、日々、実践後に自らの保育内容を振り返り、次の活動に繋げています。週・月・期・年の指導計画を作成する際に、子どもの状況や姿に適切に対応できていたか、子どもの心や意欲などの内面に配慮していたかなどを評価・反省し、次回の計画に反映しています。各会議で職員が話し合う事で、客観的な視点での子どもの捉え方や思いに気づき、互いの学び合い、保育の改善や専門性の向上になるよう努めています。年度末に行う様々なマニュアル等の見直しを行う際に、保育の方針や園目標を再確認しています。保育所の自己評価の結果について公表することで、説明責任を果たす一方で、園の特色や良さの理解を深め、園としての課題や改善点を可視化し、組織的な保育の質の向上に繋がるように取り組んでいます。
・職員は、目標共有シートを用いて、自らの目標を設定し、園長との面談を行い、助言や意見を得て、さらなる保育力の向上に繋がるように取り組んでいます。
今後は、園の保育方針や目標に沿って、保育実践の場面について全職員の保育観のすり合わせをし、さらなる質の向上が図られることが期待されます。