社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜文化保育園

2024年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 横浜文化保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 150(利用人数:140名) 名
所在地 245-0018
横浜市泉区上飯田町4613番地
TEL 045-303-5551 ホームページ https://www.city.yokohama.lg.jp/izumi/kurashi/kosodate_kyoiku/hoiku/hoikujo/ninka/yokohamabunka.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1979年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 愛育会
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:25 名
専門職員
園長:1 名
副園長:1 名
保育士:33 名
管理栄養士:1 名
調理員:2 名
調理補助:3 名
看護師:1 名
保育補助:2 名
事務員:1 名
環境整備:1 名
施設・設備の概要
保育室:10
ホール:1
トイレ:8ヶ所
調理室:1
職員室:1
休憩室:2
相談室:1
園庭:有り (敷地2,262㎡)
テラス: 1階・2階

③ 理念・基本方針
【保育方針】
「のびのびとすくすくと育ちゆく その子らしさの芽を見守る保育」を保育方針とし、入園された園児に対し、適正な保育と教育を提供することを目的としています。保育士は 「一人ひとりの子どもとの関わりを大切にする保育」の姿勢に立ち、子どもと心を通わせ、育ちを温かく見守りながら安全と健やかな成長への援助を心がけています。
隣接する森や畑や果樹園の自然の恩物は、子ども達に豊かな感性と科学する眼を与えてくれています。                                       
遊びを通して「自分で考え行動できる子「相手を思いやれる子」の育成を目標としたカリキュラム編成をしています。子ども達が「明日もまた保育園で遊びたいな」と感じてもらえるような保育園を目指しています。 
                                                                                                【保育目標】
「あ」いする心を育てる
「り」ずむある生活を身につける
「が」っこうへの準備をする
「と」もだちと仲良くする       
「う」んどう大好きな子に育てる              
そして、「ありがとう」と感謝する気持ちを育て、自分や自分の周りの人を大切にできる子に育って欲しいと願っています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【豊かな園環境】                                        保育園は、果樹園や畑、森等、自然を感じられる立地にあり、広々した園庭で思いきり遊べる環境にあります。園児1人辺り4倍多い基準の園庭を有しています。保育園生活の中ですぐに外で遊ぶことができることは大きな魅力です。近隣の畑では、5才クラスがジャガイモの種植えから収穫までの体験をさせていただいており、調理体験も行っています。
                                    
【活動が広がる園舎】 
保育室では、安定して生活できるよう、広さや安全が確保されています。0才、1才、4才(夕方の乳児合同保育クラス)は床暖房となっており、乳児の活動が活発となるよう、配慮しています。トイレも明るく、トイレトレーニングが進みやすいよう工夫しています。園舎の園庭側にはテラスを設けており、夏のプール遊びやおやつを食べたり、遊ぶスペースとなっています。2階には舞台付きのホールがあり、雨天時の活動の場や発表会の会場ともなっています。 
                           
【専門の先生によるサポート】    
幼児クラスでは、毎月、英語と体操の講師による保育提案があり、新しい挑戦を楽しむと共に就学準備もすすめています。0才、1才クラスでは、毎月アレルギー専門医による健康診断を取り入れており、他学年においての健康相談にも応じています。また、4才、5才クラスでは、女子サッカーチームとの交流があり、ボール遊びの提案があります。さらに、姉妹園の善隣館幼稚園の温水プール施設を利用してのプール指導があり、25mプールならではのダイナミックな運動を楽しんでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/01(契約日) ~2024/03/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2014年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)安心・安全な保育を展開しています。
保育理念である「のびのびとすくすくと育ちゆく」を実現すべく、「事故防止・事故対応マニュアル」に、安心/安全な保育を目指すことが明記されています。保育園を創設した時からの園長の保育に対する思いは、「よりよい保育をめざして」という冊子に込められていて、職員もそれに共感し、保育の支柱となっています。空気清浄機や暖房設備など、子どもの育ちを考えた設備を整えています。栄養士や看護師はそれぞれの専門性をしっかり発揮して、衛生管理や感染症対策を行っています。

2)のびのびと活動できる広い庭園など、恵まれた環境を保育に生かしています
のびのび活動できる広い園庭 周囲には畑や果樹園があり、のどかな風景の広がる環境です。広々とした解放感のある園庭には、ぶらんこやよじ登ったり滑ったりできる大型遊具、ごっこ遊びもできるような汽車などが、園庭を取り囲んで設置されています。子どもたちは、日々、戸外での自由遊びを楽しんでいます。就学後も「文化保育園の子は足が早い」と言われるほどで、思い切り走り回れる素晴らしい環境です。

3)体験を重視した多彩な保育に取り組んでいます
近隣の畑では、5歳クラスがジャガイモの種植えから収穫まで体験し、収穫したジャガイモを使って調理体験も行っています。幼児クラスでは、英語学習や体操教室、5歳児は女子サッカー選手とのボール遊びや、姉妹施設の温水プールでの水泳教室など多彩な活動を専門講師の指導により受けることができ、「その子らしさの芽を見守る保育」が実践されています。

4)職員が参画した事業計画の策定が期待されます
事業計画はこれまで職員等の参画がない状況で策定されて来ています。今後は、職員等の参画や意見の集約・反映のもとで園の中・長期計画を策定されることが期待されます。子どもたちの成長に向けた保育計画をはじめ、質の向上、人材計画、環境整備等について、実行可能な具体的計画で、目標の数値化等、定量的な分析が可能な内容であることが期待されます。

5)目標管理制度(PDCA)の導入が期待されます
これまで職員は、担当したいクラスを自己申告し、自ら保育目標を設定して取り組み、年度末に自己評価・振り返りを実施して来ました。今後は目標管理(PDCA)システムを導入し、組織的に職員の保育知識・技能の向上に取り組むしくみが期待されます。職員の保育目標の設定・取組等のアドバイスの面談を、目標設定時・中間・期末に実施し、併せて期末には職員の自己評価を園としてまとめ、次年度以降の保育に生かすことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回、第三者評価を受審し職員全員で自己評価に取り組んだ事は、共有できている事や強み、弱みなどを把握するために、とても良い機会となりました。また自己評価を行った事で、職員の仕事への取り組みに前向きな姿勢が芽生えました。
評価していただいた項目については今後さらに推進していくとともに、改善を必要とされる項目については保育の質の向上に努め、職員一丸となってより良い施設を目指して努力していきたいと考えています。
また、アンケートにご協力いただきました保護者の皆様に感謝申し上げます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

園の保育方針・保育目標に基づいて保育が行われています。保育方針・保育目標は明文化され、パンフレットや玄関の掲示などで、職員、保護者等へ周知されています。創立者である園長は、新年度の職員会議をはじめとして都度職員に、園の保育に対する基本の考え方を語り伝えています。職員は朝礼で毎日、方針を唱和し、自身の行動規範としています。保護者に対しては、保育園のしおり等に保育方針などを記載し、新入園児説明会や毎年の新クラス説明会などで丁寧に説明し、周知を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

園は社会福祉法人「愛育会」の運営で、法人は保育園と幼稚園を泉区内でそれぞれ1ヶ所運営しています。法人では理事会と評議委員会を定期的に開催し、事業経営を取り巻く環境や経営状況を把握、分析し、保育事業を展開しています。ここ数年の最大の課題は、保育士の確保・増員です。事業の展開にあたっては横浜市とも調整して推進しています。決算は外部会計士が担当し、法人・園共に経営状況を把握しています。今回の調査では、経営環境の課題や経営状況分析資料等の文書が確認できませんでした。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人の理事会、評議委員会等では園の経営状況や取り組み課題を把握し、役員(理事・評議員等)間で共有され、協議しています。一方、経営環境や経営状況等については職員への周知が出来ていません。日々の保育活動の中で、園長・副園長と職員が課題を共通認識することが期待されます。保育の内容、組織体制や諸設備の整備、職員体制、人材育成等、園の経営上の課題を共通認識し、課題解決に向けて具体的な取組を進めて行く過程において、職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定するなどの組織的な取組が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

今回の調査では、法人・園共に経営や保育に関する中・長期計画並びに中・長期収支計画が確認出来ませんでした。保育事業を取り巻く環境変化に対応し、園のビジョンを明確にして、3年~5年先の保育内容や建物・設備の改修、園庭の整備、職員体制、職員の育成、保護者とのコミュニケーションツール等の現状分析を行い、課題・問題点を明らかにして、課題解決策を織り込んだ「中・長期計画」の策定が期待されます。併せて「中・長期の収支計画」の策定も期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

園は保育目標や職員構成を主体とした事業計画(単年度計画)を策定していますが、中・長期計画を反映した内容にはなっていません。今後、中・長期計画を策定し、中・長期計画の内容を反映した初年度(単年度)の事業計画・収支計画策定が期待されます。計画には、子どもたちの成長に向けた保育計画をはじめ、質の向上、人材計画、環境整備等、中・長期計画初年度(単年度)の実行可能な具体的計画とし、数値化等出来る限り定量的な分析が可能な内容であることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

園は、これまで園長が現状の経営状況の把握・分析を踏まえて事業計画を策定し、年度末には事業報告書を作成してきました。事業計画書はこれまで同じ形式で毎年横浜市に提出して来ましたが、計画策定にあたって職員等の参画や意見の集約・反映の機会はなく、職員の参画がない状況で計画策定されています。今後、職員の参画や意見の集約・反映のもとで園の事業計画を策定し、内容を職員に周知し、毎月の職員会議等で実施状況の検討をし、都度見直し取り組まれることが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

新入園児説明会等で「ご入園のしおり」等により、園の保育方針や保育目標等を周知しています。また、行事等はカリキュラムやメール配信サービスを活用・工夫して周知していますが、事業計画の説明は実施されていません。今後、職員の参画や意見の集約・反映のもとで、園の事業計画を策定し、事業計画の主な内容である保育計画や施設・設備を含む環境の整備等を保護者に説明し、周知されることが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

毎朝の朝礼で職員は保育方針「のびのびとすくすくと育ちゆく その子らしさの芽を見守る保育」を唱和して、保育の質の向上に向けて意識を高め実践しています。毎月の職員会議では各年次ごとの保育の状況や課題を報告し、情報共有すると共に保育の質の向上に向けた話し合いを実施しています。年度末には職員の自己評価をまとめ、掲示して保護者に周知しています。今後、園としての自己評価結果をまとめ文書化し、職員を交えて分析・検討する場を設け、保育の質の向上に向けて組織的に取り組むことが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

日々の振り返りや週案・月案での振り返りを実施して課題を明確化し、職員会議等で状況を共有化して保育カリキュラムに反映しています。職員は子ども一人ひとりの成長へ取り組み、保育の質の向上に努めています。保育内容の改善は、都度実施されていますが、課題事項の文書化や改善計画書を策定する仕組みにはなっていません。年度末の職員の自己評価のまとめを分析し、評価結果に基づく課題の明確化や改善実施計画等を策定し、次年度の事業計画の重点施策などに反映されることが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園の創立者は現在の園長です。保育園開設にあたり、自身の保育に対する基本的な考え方を「よりよい保育をめざして」の冊子にまとめています。園長は必要の都度職員会議等で趣旨を周知しています。園の経営・管理に関する基本的な考え方や職員の職務内容等は「運営規定」に概要が記載されています。災害・事故等における園長の役割と責任について、また不在時の副園長・主任への権限委譲等を文書で明確にすることが期待されます。保護者に対しては、広報誌等に園長・副園長自らの役割と責任について表明し、掲載することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は外部の施設長研修会や泉区園長会等に参加して遵守すべき法令等の研修を受講し、研鑽を積んでいます。利害関係者(取引事業者、行政関係者)とは適正な関係を保持しています。コロナ禍が続く昨今は研修の機会等が減少し、最新の法令内容の把握を課題と捉えています。今後、職員会議や園内研修で、園のコンプライアンス(法令順守)規定や個人情報管理の見直しをすすめ、人権研修等の実施を検討しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、園の創立以来、一環として保育の質の向上に意欲を持ち、取り組んでいます。職員会議(クラスの代表者が参加)の場では副園長が中心となり、話し合いや、カリキュラム内容等で保育の質の向上に取り組んでいます。今年度は障がい児支援においても、課題・悩みを聞いて話し合い、具体的に取組を進めています。毎月の職員会議で話し合い、クラスリーダー等との連携は出来ていますが、今後、全職員とのコミュニケーション強化に向け、職員の意見の集約や情報の周知、きめ細かな指導が期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園は「保育方針・保育目標」の実現に向けて、毎年職員から自身が受け持ちたいクラスの希望を聞き、職員の人員配置や働きがいある職場づくりに取り組んでいます。今年度は常勤職員の増員に取り組み、職員体制を強化しました。経営状況についてはクラスリーダー等が参加している職員会議で伝えています。今後、諸会議等への園長・副園長の参加により、全職員と話し合いが出来る場づくりが期待されます。また、業務効率化に向けて、現在手書きが主体の週報・月報・個人指導案等のICT化の検討も期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

看護師や管理栄養士などの専門職も含め、福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方や、福祉人材の確保と育成に関する方針が確立しています。採用活動は多岐に実施していますが、福祉人材の確保は年々厳しさが増しています。職員には社宅制度(横浜市保育士宿舎借り上げ支援事業を活用)により、地方出身者も採用しています。今年度は、入園後に障がい児対応が必要なケースがあり、職員の負担が大きくなっている状況にあります。引き続き人員体制の強化が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

人事管理の基本は、園の保育方針にもとづき園長が編纂した「よりよい保育をめざして」冊子で明確にしています。職員はキャリアアップ制度等で資格取得が進んでいます。人事基準(採用、配置、異動等に関する基準)については「人事規定」で定めて職員に周知されていますが、昇進・昇格等の基準は明示されていません。今後、職員育成のツールとして「目標管理制度」や「考課票」等で目指すべき能力・技能等を明示し、職員自らが次のステージに昇進・昇格を目指す制度等の導入が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

園長・副園長は、職員の有休休暇取得状況や時間外勤務の実態を把握しています。園では以前より業務の効率化を図り、業務処理のための残業がないように取り組んでいます。有給休暇は大多数の職員が自身の休暇日数を取得していますが、次年度に持ち越しもできます。時間単位の有給休暇制度を導入しています。保育園児や小学生を持つ職員に対しては当日の休暇申請も認め、職員がお互いに協力しあい、ワークライフバランスに配慮した取組を行っています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、担当したいクラスを申請し、同時にそのクラスで取り組みたい保育内容を申告し、自らの保育目標を設定しています。面談は中間時点(10月末)、年度末の2回実施して、自己評価をし、成長と課題を振り返っています。園では「よりよい保育をめざして」冊子の中で「期待する職員像」を明確にしています。現在は園長・副園長の職員面談は常勤職員と一部の非正規職員の実施になっていますが、今後は個々の目標をもとに全職員との面談を実施し、職員士気を高め、育成の強化を図ることが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園では、「よりよい保育をめざして」冊子の中で「期待される職員像」を描き職員に示しています。職員研修は内部研修・外部研修とキャリアアップ研修に取り組んでいます。キャリアアップ研修対象者に対しては、受講を支援し、資格取得を推進しています。殆どの職員が職務分野別リーダー資格を取得しています。また、専門リーダー資格取得対象者の資格取得も進んでいます。現在、各種の研修の取組が、事業計画に明示されていません。教育・研修計画の内容を事業計画に明記することが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園内研修は「よりよい保育をめざして」冊子や各種マニュアルを整備して実施されています。外部で実施されるキャリアアップ研修は、本人の希望に配慮して、研修への参加を支援し、資格取得に繋げています。園では職員の外部研修も積極的に支援しています。研修は勤務時間扱いとして交通費も助成し、研修受講を支援しています。研修受講者は昼のミーティング時に研修内容を報告し、資料はコピーされ職員間で研修内容の共有が図られています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生等の研修・育成に関する基本姿勢を明文化し、マニュアルを整備しています。各学校との連携は主任・副主任が担当し、実習生の指導は各クラスリーダーが担当しています。リーダーに対してはオリエンテーションを実施し指導しています。実習生に対しては丁寧に指導をし、保育者の仕事の楽しさや、やりがいを理解し、期待をもてるよう取り組んでいます。毎日の実習終了時にその日の反省や翌日の打ち合わせをして、保育実習の充実を図り、実習後保育に関わる専門職を目指してもらえるよう心掛けています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:c】

園のパンフレットには保育方針や保育目標などが記載され、保育園の一日が写真入りで紹介されています。園の見学者には園を紹介した小冊子を渡して理解が深まるよう努めています。地域に向けては、パンフレットを区役所等で配布していますが、地域で配布する活動は出来ておらず、課題としています。横浜市の基準に沿った第三者評価の受審と内容に基づく改善・対応の状況の公表が期待されます。ホームページを再開し、ホームページ上で保育の基本方針や保育の様子、事業計画や報告、予算・決算情報等の公開が期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園は社会福祉法人傘下の運営で、会計業務は公認会計士が実施し、正しい決算に向けた取組が実施されています。一方、公正かつ透明性の高い経営の実現に向けては、職員に対して決算書の開示や経営状況の報告及び施設の補修・改善等経営改善に向けた取り組み等の周知に課題があります。外部の専門家による経営管理や組織運営、事業等に関する指導・助言、その他の専門的な支援を活用することが期待されます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍の社会環境となって以降、地域の行事や活動に参加する機会が作れず、地域との交流は限定的になっています。以前は3、4、5歳の子どもたちが老人施設を年2回訪問して歌を披露するなどの活動で交流し、喜ばれていました。現在は近くの畑に出向き、ジャガイモの植え付けを農家の方の指導のもとに実施し、生育状況の観察や収穫作業などで交流しています。今後、感染症の状況等に留意しながら、地域のイベントや幼・小・中・高の保育・学校関係者等との交流に取り組むことが期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明文化し、登録手続き、ボランティアの配置、事前説明に関する項目が記載されたマニュアルを整備しています。今年度は感染予防に十分配慮して、地域サマースクールの小中学生職場体験学習の受け入れ協力をしました。今後新型コロナの感染状況を見ながら、環境が改善された時点で地域の小中学校教育等への協力や、子どもの保育の支援につながるボランティアの受け入れを実施する予定です。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の関係機関の連携は、泉区役所を中心としてネットワークが構築されており、保育園間の連携が取りやすい環境にあります。また、要保護児童連絡会議を通して、児童相談所、療育センター、地域医療や育児サポートと連携をとりながら、要保護児童の認識や対応を学び、職員へ周知しています。園では、関係機関との連携について職員会議等で説明し、支援児ファイルを作成するなど、職員間で情報の共有化を図っています。問題があった際は、まず区役所に連絡を取り相談しています。児童相談所からの要請で、子どもの様子を見守るケースもあります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

地域支援活動として、毎月園庭解放やホールの開放などを実施してきましたが、コロナ禍の現在は支援活動は休止しています。今後は、感染症の状況に注意しつつ、従来の園庭解放や育児相談、絵本の読み聞かせ、看護師や栄養士の相談会等を実施し、各関係者との交流を再開されることが期待されます。コロナ禍が長引いている環境下ですが、運営委員会の開催や民生・児童委員、保護者の代表者等との意見交換の実施等、地域の具体的な福祉ニーズ・生活課題等を把握するための取組が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

園は44年前に設立されました。現在も園の周囲には果樹園や畑、森等が広がり自然環境に恵まれた立地です。現在は地域との連携による共同行事等の交流事業は実施出来ていませんが、今後、地域の防災訓練への参加や、災害時に親子に安心出来る場所を提供するなどの活動が期待されます。AED設置を掲示板や自治会の回覧板等で告知するなどの活動も期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

創立者である園長の保育に対する思いは、「よりよい保育をめざして」という冊子により、職員に伝えられています。冊子の中で、理念・保育に対する基本姿勢・子どもの尊重や基本的人権への配慮が述べられています。パンフレット、全体的な計画などに「のびのびとすくすくと育ちゆく、その子らしさの芽を見守る保育」という保育方針が明示されています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

「よりよい保育をめざして」の中に、子どものプライバシーや人権保護に関する事項、守秘義務が記載されています。初任者には必ず、「よりよい保育をめざして」についての研修を行っています。職員会議で子どもの個々の状況が話し合われる事がありますが、家庭状況など、内容によっては担任と数人の職員での共有に留める配慮も行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

見学の希望に対応し、来園した入園希望者に丁寧な説明や対応をしています。泉区で開催された「いずみっこひろば」にパネル展示を行ったり、横浜市によるサイトで情報提供していますが、園として公表しているホームページは現在閲覧が出来ず、更新もされていません。適宜、情報提供出来る環境が望まれます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

重要事項は「入園のしおり」に記載されていて、同意書が提出されています。保育の変更などについては、メール配信サービスを利用し、より保護者に伝わりやすく、内容を良く理解できるよう配慮しています。9月から完全給食になり、幼児では主食を提供することについても文書・メール配信での説明を行っていますが、同意書は書面で残っていません。重要な事柄については、同意書の提出を求めるなどの対応が望まれます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転園の際は、求められれば子どもに関する情報提供を行うこととしていますが、引き継ぎ文書は特に定めていません。小学校への就学については、担当教員と懇談を行ったり、電話での伝達を行い、引き継ぎをしています。各小学校に園長の責任の下、保育要録を送付しています。卒園後の相談について、文書に内容は記載していませんが、その都度伝えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

意見箱を設置しています。日々の連絡帳や送迎時のコミュニケーションでも保護者の意見を聞くことができています。年1回個人面談も実施していますが、園への要望を聞いたり定期的なアンケート実施などは行っていません。行事の後や年度末など、定期的にアンケートを実施したり、保護者会組織との意見交換など利用者の満足状況を把握する機会が望まれます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「入園のしおり」に苦情解決の体制として、受付責任者、解決責任者、第三者委員が設置されています。苦情解決の仕組みにおいては、第三者委員に直接相談できる体制が望まれます。第三者委員の連絡先を記載するとともに、保護者が理解しやすいよう、苦情解決の仕組みを示した掲示物等の掲示が期待されます。苦情に関しては記録を残し、保管管理を行っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

玄関に意見箱を設置し、投函しやすいように配慮しています。全クラス手書きの連絡帳を使用しており、保護者からの意見は伝えやすい状況にあります。長く在職する職員が多く、関係性が構築されていて、送迎時などにも保護者にとって相談をしやすい環境ですが、相談や意見を述べる際、複数の方法や相手を自由に選べることについてわかりやすく説明した文章の作成まではしていません。専用の相談室があり、他者を気にせず相談できるスペースがあります。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの相談は、各クラスの担任が受けて対応しますが、相談の内容によって対応が難しい場合は、主任や副園長が対応するという相談体制が整っています。改善が必要な場合は対応策を検討し、保護者へ伝えていくようにしています。コロナウィルス流行後の行事では、保護者の意見を尊重し、なるべく参加できるような取組を行いました。保護者からの意見を聞くために、アンケートを実施するなども期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故事例を収集して職員で共有し、それに対する対策を実施していますが、リスクマネジメントに関して、園長・副園長・主任・看護師の体制が明確になっていません。子どもに対するまなざしや思いと、安全管理のバランスを取るうえでは、体制の構築が必要です。責任者の明確化や要因分析、対応策の検討が望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

看護師が在籍し、感染症に関する対応を担っています。0才児の食事の場面では、介助する保育士が子どもごとに使い捨て手袋を使用する等、感染防止のための予防策を講じています。マニュアルや手順書もあり、研修も行われています。オゾン噴霧器を導入するなど、感染症予防には園として取り組む姿勢があります。保健だよりを発行し、保護者に情報が提供されています。感染対策の責任や役割を明確に示した体制整備が期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

周囲に建物もなく、風水害等の危険も少ない地域で、比較的安全な立地です。災害時の対応については、入園のしおりに記載され、周知されています。避難場所の指定や、緊急メールサービス、食料・物品の備蓄などの防災対策が行われています。管理権限者である園長が防火管理者になっているため、副園長が防火管理者となるよう体制を見直している最中です。地域との連携を含めて、さらなる取組が期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

デイリープログラム、手順書、「よりよい保育のために」など、標準的な保育に必要な実施方法は文書化されており、研修や職員会議により職員間でも共有されています。園として一定の水準、内容を常に実現することを目指していますが、それが実施されているかの確認は重要です。確認する仕組みづくりが望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

感染症ガイドラインなどの改訂や、行政からの通達、事故事例などにより、標準的な実施方法を見直していますが組織としての定期的な見直しについては定められていません。指導計画や職員、保護者からの意見によるボトムアップでの検証と見直しの仕組みを作り、園の保育の質を継続して検討できるような取組が、期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

副園長が指導計画作成の責任者を担っています。それぞれの指導計画については、アセスメントが行われ、指導計画会議が開かれ、個別のケースの検討も行われています。クラスにより、指導計画の書き方や項目に差異が見受けられます。話し合いが持たれていることが計画に反映されていないこともあるようです。アセスメントから計画までの体制の整備が望まれます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画では評価反省が行われ、指導計画会議で検討され共有されています。毎月のおたよりで、月ごとの指導計画が掲載されています。クラスによって、反省・前月末の子どもの姿といった評価から、次月の活動や保育の質の向上に関わる課題へと繋げていく流れや仕組みが異なります。指導計画についての実施状況の評価と計画の見直しの手順を整理することが望まれます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの児童票があり、期ごとの保育経過が記録され、保存されています。職員は、記録された情報をいつでも見ることができます。0才児~2才児は、個別の指導計画が立てられ、子どもの姿が記録されており、指導計画会議では個別のケースについても検討されています。園として、子どもと接する時間を大切にし、事務の省力化に務めており、書式の工夫をしています。朝礼、夕礼のミーティングが行われ、その都度保育に関する情報共有が行われています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規定があります。職員会議では、個人個別のケースなど多くの個人情報が取り扱われますが、職員と情報の共有を行う際に守秘義務も合わせて説明し、個人情報の保護に配慮しています。保護者から提出される児童票などの個人情報書類や、写真の取り扱いなどについての注意事項は、入園のしおりに記載があり、保護者に周知されています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、必ずしも「全体的な計画」という名称でなくても良いとされてはいますが、「保育課程」が「全体的な計画」にあたるものであるという説明がありません。内容としては、改訂以前の「保育課程」に「全体的な計画」として求められる要素が加えられています。一部の内容の文末が「行っている」などの表現となっており、見直しが期待されます。指針の改訂からすでに5年以上が経過していますので、職員の参画の下、全体を見直しての作成が望まれます。また、その後も、年度末など定期的に保育に関わる職員が参画して、見直す作業が求められます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

広々とした、園庭に面した保育室は、窓が大きく取られており、採光も十分で明るい環境です。1才児、2才児、3才児は2クラスずつの編成で保育室にもゆとりがあります。園の周囲には住宅がないため、子どもの声や活動時の音への問題がなく、子どもたちがのびのびと生活できる環境にあります。園庭には、多数の遊具が設置されて、思い思いの遊具で遊ぶ姿が見られました。各保育室には、エアコンが設置され、温水を使った身体に優しい暖房が設置されており、「オゾン発生器」で除菌もしっかりと行われています。トイレは改修後間もなく、ドライ式の床になり、衛生的に管理されています。築年数を経て園舎の老朽化もあり、整備の計画を立てているところです。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児は個別の指導計画が立案され、毎月の指導計画会議では、個々のケースについても検討が行われています。児童票に、成長発達の様子や保育経過が記載されています。身長体重の計測結果は、管理栄養士が成長曲線と対比して、発育状況を把握しています。「よりよい保育をめざして」には、保育士の姿勢として、子どもを受容するという事が述べられています。よりよい保育とは一人ひとりを大切にする保育であるということを明示しています。保育室の中でも、穏やかに接する保育士の姿を確認しました。園として子どもに対して、制止・制圧するような言葉がけがないよう、配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

各年齢の成長に合わせ、一人ひとりが基本的生活習慣を身に付けられるよう工夫しています。0、1才児では個別の指導計画を立案し、食事・排泄・睡眠・保健衛生という、基本的な生活習慣についての内容が記載されています。2才児クラスの前にはトイレがあり、トイレトレーニングがスムーズに出来るような環境になっています。幼児クラスでは自分でできることが定着するように、見守る時間を設け、言葉がけにも工夫をしています。年長児は毎年運動会後の時期から、午睡のない日を設けていますが、一人ひとりの状態に配慮して進めています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

園庭には様々な大型遊具が、複数設置され、ブランコを漕いだり、遊具によじ登ったり、子どもたちは身体を使って自由に戸外遊びを楽しんでいます。中央には走り回れるスペースも十分あります。広々としたホールがあり、雨の日に遊ぶスペースも確保されています。室内にはコーナーが設置され、廃材を利用して自由に制作遊びなども行われています。人間関係や、友だちと協同した活動など主体的な活動への援助は、生活の中の様々な場面で保育士が配慮しています。湘南台文化センターへの遠足や関係のある幼稚園のプールを利用したりの社会的な体験を得ています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0才児の保育室は2階の奥にあり、落ち着いた雰囲気になっています。大きな窓と開口部があり、テラスに出られるようになっていて、安全に遊ぶ場所が確保されています。食事の場面では、看護師が保育に入り、衛生面に配慮しながら応答的に対応していました。年度途中で低月齢児を受け入れていますが、他児の食事中にも応答的な配慮をする保育士の姿が見られました。保育室や調乳、トイレ、おむつ替えのスペースも確保されていて、清潔感があり、整理整頓されていました。連絡帳があり、クラスのお便りも子どもの姿や保育の内容を伝えています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1才児は2グループ、2才児は2クラスに分かれ、少人数の集団が形成されています。個別に指導計画が立てられ、一人ひとりの子どもの状況に応じた配慮がなされています。空気清浄機やオゾン発生器、温水による暖房、床暖房など、様々な保育環境が整えられています。保育士のかかわりは、配慮として指導計画の中にも記載されています。合同保育ではいろいろなクラスとのかかわりを持ち、違う年齢の子どもや担任以外の保育士とも接することができています。日々の様子は連絡帳で伝えられ、クラスだよりや園だよりの「あいいく」で、保育の様子が発信されています。 

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3才児は子どもの心身の成長発達や特性を考慮して、安定的に過ごせるよう2クラスに分けられ、十分なスペースの中で生活しています。4、5才児は園庭に面した保育室で、大きな集団として1クラスずつに統合されています。体操、英語の講師による指導やサッカー選手による指導などは、保育士も一緒に行い、様々な活動のきっかけとして保育に反映しています。特に制作活動は積極的に取り組んでいて、素材や表現方法など、保育士間でアイディアを出し合っています。「あいいく」という期ごとの園だよりを発行し、活動の様子を保護者などに伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

保育室には障害のある子どもが落ち着けるスペースが確保されており、自由に出入りできるようになっています。障害のある子どもには個別の支援計画を作成し、療育センターや民間の児童発達支援施設とも連携を取り、保育を進めています。職員は療育センターへの見学を含んだ研修にも参加しています。保護者が園行事に無理なく参加できるように取組を行っています。加配保育士と連携をとるだけではなく、保護者とともに、インクルージョンにも取り組むことが求められます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

朝夕は合同保育を行っています。特に乳児クラスでは、個人差が大きく、授乳やトイレトレーニングなど、個別の状況にも対応できるように、保育士のローテーションを工夫しています。また、乳児では、夕方になると不安定になる子どももいるため、一人でも慣れている保育士が担当できるように配慮し、職員間で調整を行っています。保護者との連絡は全クラス連絡帳を使用しています。その日の保育の様子は玄関に設置されたホワイトボードに書かれていて、延長保育利用であっても見ることができます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画には就学までにめざすべき10の姿が記載されています。また、保育の方針にもあるように、幼児クラスになると鉛筆に慣れる機会を多く持ったり、就学を意識した取組が行われています。クラス懇談会では、就学に関する情報の提供を行っています。保育所児童保育要録が園長の責任で作成され、小学校の担当者との引き継ぎも毎年行われています。来園できない場合は電話で情報交換を行っています。特に外国籍の子どもや特別に配慮が必要な子どもについては、保護者からの相談の機会を設け、区役所や関係機関へとつなげるなど、ていねいに就学への橋渡しをしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理マニュアルがあり、看護師は毎日巡回をして、子どもの健康状態を把握しています。毎朝の朝礼や職員会議では、けがや感染症の報告が行われています。保護者に感染症の状況を掲示して、情報の提供を行っています。児童票には、予防接種の状況や健康に関する履歴が記載されています。毎月「保健だより」が発行され、看護師による健康管理や保健についての情報が保護者に提供されています。SIDSについては、呼吸チェックやあおむけ寝など、園内での対策はとられていますが、保護者への情報提供は不足しています。掲示などにより、必要な情報を提供することが望まれます。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断については、結果を記録し、職員間で共有するとともに、保護者にもお知らせしています。毎月身長・体重測定を行い、その結果については、栄養士が管理し、「ひまん」「やせ」などの成長曲線と比較した情報を保護者に伝え、家庭での食生活や健康管理に役立つよう情報提供しています。健診は年2回以上行われ、園医との連携も取れています。歯科健診では、結果を確認し、虫歯の多さが虐待の兆候の1つとして考えられることも踏まえ配慮、確認がされています。特異な診断結果の情報は職員会議で共有するようにしています。歯みがき指導にも力を入れています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギーマニュアルは横浜市版「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」を使用しています。生活管理指導票などの必要な書類も提出され、保護者による献立の確認や面談を毎月行っています。マニュアルに従い、色が異なる食器や別トレー、名札を使用しています。口頭確認などマニュアルに記載してある方法で提供されていますが、2階保育室への運搬時の、ダムウェーターを使用する際の手順が明確に示されていません。手順の明確化が望まれます。片づける際は、他児と接触しないように配慮しています。エピペンを預かっている子どもが在園している時は、エピペンの使用方法を研修しています。「入園のしおり」には、アレルギーの対応についての記載があります。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育は、全体的な計画や指導計画の中に記載があり、畑で育てたじゃがいもでカレー作りをしていますが、年間を通した活動の充実が望まれます。幼児クラスでは、楽しくお喋りをしながら食べている様子が観察できました。食器はスプーンですくいやすい形状のものを使用するなどの配慮があります。年齢に応じた食具を使用し、5才児クラスの食事では箸を使用しています。個々の食事量に応じて盛付けを減らしたり、おかわりもできるように用意されています。栄養士は野菜が少しでも食べられるように細かく刻んで混ぜる等の工夫をしています。給食だよりが発行され、家庭と情報共有し、連携をとっています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの身長・体重の計測結果をもとに栄養量を計算しています。離乳食は初期・中期・後期・完了期と進めていますが、1回食です。ほとんど残食がなく、残食調査は行われていません。給食会議があり、メニューの検討が行われています。9月から主食を園で提供することになりましたが、基本的には、主食、おかず、汁物という献立です。完全給食になった事で、今後は様々な献立を提供でき、より豊かな給食になることが期待されます。調理員・栄養士が食事の様子を見たり子どもたちの話を聞く機会はあまりありません。衛生管理については、管理栄養士が適切に行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳(ふれあいノート)により、家庭との情報交換を行っています。0~1歳児クラスは連絡帳で各家庭と「ご家庭での様子」と「保育園での様子」をそれぞれ記入し、日々子どもの様子のやり取りをし、体調や睡眠・食事等の様子を共有しています。2歳以上のクラスでは、連絡帳(ご家庭と保育園の連絡帳)で毎日、子どもの園での様子を記録し伝えています。玄関にある掲示ボードでは、各クラスの今日の活動内容を掲示して伝えています。季刊誌「あいいく」では、各クラス担任の紹介やクラスでの保育の様子を伝えています。行事前には、その行事に向けての取組の様子や当日の演目に対してのお知らせを出しています。園では様々な機会を活用して、保護者と子どもの成長を共有できるよう支援しています。育児日誌として連絡帳(ふれあいノート)を保管する家庭も多くあります。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は保育園の一番大切な機能は「保護者が安心して子育てが出来るよう支援を行なうこと」としています。そのため「安全マニュアル」を作成し、職員に安全・安心の保育を周知し取り組んでいます。園では、毎日必ず職員と保護者が直接顔を合わせてコミュニケーションを取る機会を大切にしています。毎朝9:15に子どもの出欠確認をして、欠席の子の家庭に電話をし、病欠や家庭の事情等、欠席理由の確認をしています。乳児クラスは連絡帳を活用して保護者からの相談に応じることができます。幼児クラスでは送迎時に保護者の表情・態度等に気を付けて対応しています。相談等は、内容により即答せずに、他の保育士や園長・副園長に相談してから答えるようにしています。看護師・栄養士等の専門職とも連携して相談に応じています。保護者からの相談は日程を決め、相談室で「認定心理士」の資格を持つ園長が対応し話し合うケースもあります。相談内容は記録しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

園では日頃から虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように工夫し、子どもの心身の状態、家庭での養育の状況について把握に努めて来ました。着替え時はアザ等の確認をし、発見した場合は写真を撮り画像で残しています。副園長は園医や泉区役所の担当窓口に連絡・相談する等の対応をして、関係機関と連携を図り、子どもの安全を見守るよう努めています。必要に応じて、園での子どもの状況や、保護者の子どもへの対応、家族関係等の家庭状況を児童相談所へ報告しています。保護者への対応は、園長・副園長等担当者を決めて対応しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は毎月、各年齢クラスごとに振り返りを行い、月案、週案、個人指導案、日報等を作成し、保育の振り返りを実施しています。保育士は自己評価を行うことで自身の課題に気づき、研修受講をするなどして、専門性の向上に取り組んでいます。園では、保育士等は子どもと生活を共にする中で、一人ひとりの子どもの育ちを捉えることが出来る専門性が何よりも大切と考えています。保育士一人ひとりの自己評価から、園全体自己評価につなげ、園の保育の質の向上に向けての取組につながることが期待されます。