社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜矢向雲母保育園

2022年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 横浜矢向雲母保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 59名(52名) 名
所在地 230-0001
横浜市鶴見区矢向4丁目29-34
TEL 045-580-1210 ホームページ https://www.kirara-hoikuen.com/about/hoikuen/yokohamayako/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社モード・プランニング・ジャパン
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員: 名
専門職員
保育士:12 名
栄養士:3 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
保育室:4
トイレ:5
調理室:1
事務室:1
園庭:有(84.51㎡)

③ 理念・基本方針
<社訓> 「謙虚・素直・奉仕」

<企業理念> 今日も明日も笑顔が輝くように。人の力を大切にする。

<保育理念> 輝く大人が、輝く子どもと子どもの未来を育てる

<運営方針> 輝く大人が、輝く子どもと子どもの未来を育てる

<基本方針>・地域社会貢献、待機児童の解消
         ・利用者や行政と信頼関係を築く
         ・顧客満足度の向上、利用者本位のサービス提供

<保育スローガン> 興味・好奇心・挑戦 ~何事にも楽しむ心~

④ 施設・事業所の特徴的な取組
職員一人一人が一人一人の子どもとの信頼関係を築くために対話を重視し、健康な身体と心を育むようにしている。
保育内容としては、身体を使った遊びがたくさん経験できるように戸外活動を多く取り入れるようにしている。室内でも環境設定を工夫して様々な運動あそびを行っている。それにより、健康的な生活リズムが身に付くようにしている。
保護者にご負担は頂くが、きらら教室という教材を使った活動も2歳児クラスから取り入れている。年齢に合った教材を使用して、少人数ずつで取り組むようにすることで職員が丁寧に関わり、達成感や自信につながることを大切にしている。
食べる意欲を育むために全園をあげて食育に取り組んでいる。給食は全て自園調理で、管理栄養士が毎月テーマを考えて献立作成をしている。また、管理栄養士自らが地域のお店で食材を確認して購入し、安全性を高めた給食を提供している。
保護者の方との信頼関係を深めるために、毎日お迎えの際に5分間程度の直接話をする時間を設けている。その他にも連絡ノートや栄養ノート、個人面談や保護者会を通して家庭との連携を図っている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/07/14(契約日) ~2022/02/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)異年齢児保育の工夫
2~5歳児の4クラスで、2つの保育室を活動内容に応じて使い分けています。年度ごとにクラスの人数や子どもたちの性格を考慮し、使用する部屋やレイアウトを決めています。保育室は必要に応じてカーテンや衝立を使い、午睡・食事・活動のスペースに分けています。幼児クラスでは異年齢のペア(バディ)を決めて、ペア活動を行っています。子どもたちの希望をもとにペアを決めて、一緒に給食を食べたり、活動をする中で異年齢の関わりを深めています。子どもたちは自分の所属するクラスに関わらず、落ち着いて過ごせる部屋や安心できる職員のそばで過ごすことができます。

2)子どもが楽しむことができる食事の提供
子どもが毎日の食事を楽しめるように様々な工夫をしています。保育室は、子どもが落ち着いて食事ができるように、遊びの場、午睡の場を分けています。遊んでいるうちに別のスペースで食事の用意がされ、食事をしているうちに午睡のための環境が整えられています。食器は陶器製のものを取り入れ、手触り、重さを感じられるようにしています。食器が割れることも子どもの学びの一環と捉えています。保育士が同量の盛り付けを行い、子どものテーブルに配膳したあと、子どもの希望を聞いて量を減らすなど、個々にあわせて加減をしています。苦手な食材があるときも、「一口食べてみようか」等声かけをし、食べることができた時は褒めることで子どもの気持ちに寄り添い、次への意欲につなげています。栄養士は、毎月テーマを決めて献立を作成しています。法人内保育所全体で「給食フェア」を開催し世界の料理や郷土料理の提供を行っています。保育所間の献立の企画コンペで、優勝チームの献立にもとづく食事を全保育所の子どもに提供するなど食への取組を行っています。法人をあげて、子どもの楽しく、豊かな食を支えています。
改善を求められる点 1)子どもと地域との交流
全体的な計画には地域との関わりについて、「子育て家庭や地域に対して保育園の役割を果たす」と記載しており、保育所の玄関には「地域のおたより」のコーナーを設けたり、子どもの散歩の際に地域の方と挨拶をしています。子どもの地域との交流を広げることは、子どもの社会体験の場を広げ、社会性を育てるための大切なプロセスとされています。現在、コロナ禍であり地域との交流は困難な状況ですが、今後は子どもが地域の行事に参加するなどの積極的な交流の取組について検討されることを期待します。

2)キャリアパスの明確化
研修テーマに必要とされる研修の計画があり、受講する職員が身に付けられるように研修を実施しています。さらに、職員が自らのキャリアパスを描くことができるような仕組みづくりが必要です。昇進・昇格の基準、必要となるスキルの水準と獲得するための機会等について、職員が理解し信頼につながる仕組みづくりの検討が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価受審にあたって、園全体や個人での振り返りを行う中でそれぞれの課題がたくさんありました。より良い保育運営を行うために、園職員で進める中では課題の気付きが多いものですが、第三者の方からの評価結果を見ると、これまでに取り組んできた努力の軌跡に着目してくださっていて報われるような気持ちを感じています。そして、自園内だけでは気付きにくい、検討が更に必要な課題を知ることにもなりました。今後も引き続き、園全体で課題に向き合って子どもの最善の利益について考えていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針は、ホームページ、入園案内(重要事項説明書)、全体的な計画に記載され、法人、保育所の目指す方向が分かる内容になっており、職員に対して目標を与えるものになっています。職員とは、法人内研修で説明したり、会議や日常の保育の中で理念や保育方針を踏まえての保育の質の向上等について話し合っています。保護者には、入園説明の際に「入園案内」(重要事項説明書)をもとに説明をしていますが、さらなる周知が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、「日本子ども育成協議会」の会員として活動する中で、社会福祉事業の動向について把握しながら、全国的に保育事業を展開しています。地域での保育ニーズ等は、市や区の園長会での行政の説明や話し合いで把握しています。毎年の事業計画や収支予算は、保育のコスト分析や利用者の推移を分析しながら作成しています。市や区が策定している地域福祉計画等の策定動向と内容を把握されることを期待します。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営課題については、定期的に開催される役員会やリーダー施設長会議、グループ園会議等で現状分析をもとに話し合い、情報共有しています。全国展開している法人ですので、地域ごとにグループを作ってグループ園としてまとまり、それぞれのグループごとにリーダー施設長を選任しています。経営課題解決のために、それぞれの段階で役割を担い、組織全体として方針を共有し機能するような仕組みにしています。法人レベルの経営状況や課題について、職員の理解は十分でなく、周知が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人全体の5ヶ年計画の中で、新規園の開設計画や職員採用計画、人材育成計画等を策定し、課題や対応を明らかにしています。この5ヶ年計画は役員間で共有していますが、社外秘なので、今回の訪問調査では計画書の内容を確認することはできません。保育所の3ヶ年の収支計画は確認ができています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画書は、保育理念、運営方針にもとづいた子どもの処遇、健康管理、給食、行事計画、職員の研修、保護者への取組、緊急避難、苦情処理、地域との取組等について記載しています。行事計画だけでなく数値目標も入った具体的な内容となっています。毎年計画に対応した事業報告を作成して実施状況を確認をしています。中・長期計画の確認ができないため、それを反映した計画となっているかどうかの確認はできません。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画書にもとづき、職員参加のもと、食育計画、保健計画、研修計画、避難訓練、その他行事の企画作成等で事業の具体化につなげています。事業の実施状況については、職員会議、クラス会議、毎日の昼礼等で確認し、課題を解決しながら柔軟に対応しています。職員との話し合いで進めていますが、昨年からのコロナ禍にあって、職員から周知徹底の要望があります。行事の日程変更等、その都度事業の見直しをしています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

入園前に保護者には、入園案内や全体的な計画にもとづき、事業の主な内容を説明しています。年度当初に、保護者会で詳細な年間の行事予定を配布して説明し、保護者が行事に参加しやすい環境を作っています。昨年と今年はコロナ禍での事業の進め方等についての考え方を説明し、理解を得るように努めています。今年はコロナ禍で保護者会を開催できませんでしたので、個人面談の場や掲示板、園だよりを利用して周知、説明の工夫をしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画、月間指導計画、週の指導計画にもとづく保育実践について、期ごと、月ごと、週ごとに振り返りを行い、組織的に保育の質の向上に取り組んでいます。取組の実施状況については、職員会議、クラス会議、毎日の昼礼で確認し合い、職員間で共有しています。また、職員一人ひとり「自己評価チェックリスト」により自己評価をしており、年2回の施設長面談で現状や今後の課題などについて確認しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

自己評価チェックリストにより職員一人ひとりが自己評価をしており、その自己評価の結果にもとづいて明確にした課題を記載しています。職員一人ひとりの自己評価結果をもとに、保育所の自己評価を行っており、課題や改善策を策定しています。この内容は、職員会議や昼礼等で職員間で共有すると共に、保育所内に掲示して公開しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、施設長としての役割や責任を踏まえて、職員会議等で職員に考え方を伝えていまが、徹底されていません。法人のホームページ内に園長インタビューのページがあり、そこで施設長としての保育所運営の考え方が表明されています。施設長の役割と責任については、園規則に施設長の担当職務を規定すると共に「施設長向けマニュアル」の中で明確にされています。災害時における施設長不在時の権限委任は消防計画に記載されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、法令遵守について、園規則の「職務の心得」、業務マニュアルの「社員としての心得」、「コンプライアンスマニュアル」の規定にもとづき、適正に業務の執行をしています。また、施設長は法人や区の園長会に参加して法令遵守について学んでいますが、さらに幅広い法令等の研修が期待されます。環境への配慮として、無駄なゴミを出さない、廃材を活用しての教材づくりの取組をしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、各指導計画にもとづく保育実践について、定期的に評価・分析を行い、職員会議、昼礼等で職員と話し合い、指導力を発揮しています。職員の「自己評価チェックリスト」を活用した自己評価をもとに、年に2回の面談で保育の質の向上について確認をしています。法人の特徴的な取組として、保育士は日報を法人内他園の施設長にクロス送付して指導を受けたり、施設長同士の意見交換を通じて互いの園の状況を確認し、保育の質の高め合いをしています。職員は、組織内で具体的な役割を持ち、組織として保育の質の向上に向けて取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、経営の改善等のため、職員の働きやすい環境整備に取り組んでいますが、職員の状況に配慮したシフト調整、事務作業の時間内処理の体制づくり、風通しの良い人間関係づくり等、現状分析には課題もあります。職員には組織内の役割を担って貰うため、「保育リーダー」「食育・アレルギー」「障害児保育」「保護者支援」「安全対策リーダー」等の担当に任命し、施設長はその活動に積極的に関わっています。業務の実効性を高めるため、情報通信技術を活用しています。各指導計画の作成、保育記録、職員の勤怠管理、園児の登降園管理などのシステムを導入しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

理念を実現する意欲のある人材を職種ごとに確保する具体的な計画があります。ホームページの求人サイトには、代表メッセージ、職員インタビューの掲載、福利厚生事業等の紹介もあり求職者にとって必要な情報が掲載されています。効果的な採用活動として、職員による紹介、養成校への訪問、就職セミナーへの参加など積極的に取り組んでいます。採用面接を保育現場で行うことで、求人側と求職側のマッチングがよりスムースに進むようにしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像は、理念「輝く大人が輝く子どもを育てる」を実現する職員としています。採用、配置、異動、昇進、昇格等の人事基準は、就業規則に明確に定められています。他園の処遇水準を調査するなどして、職員の処遇水準に配慮しています。職員に対する評価にもとづいて園内の役割を付与する仕組みはありますが、評価の客観的な基準は確認できません。人事管理については、職員からも理解されていません。職員が将来の姿を自ら確認できるキャリアパスの仕組みが整備されていません。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況については、職員の勤怠管理システムを導入して常に確認できるようにしています。有給休暇の取得状況や時間外労働の把握も容易にできる仕組みになっています。職員の悩み事等の相談は、定例の2回と必要な時に行う施設長面談で随時受けており、心身の健康管理は、産業医と連携しながら行っています。福利厚生事業として、借上げ社宅制度、永年勤続表彰、リフレッシュ休暇、飲食店等の割引き制度などがあります。充実している福利制度を備えて、夏休みは5日付与されるなどワーク・ライフ・バランスへの配慮もあります。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、毎年法人の作成した「自己評価チェックリスト」を使用し、分野ごとに詳細な項目を自己評価しています。各項目のチェック後に記述式で数項目の評価点と課題点を記載していますが、この課題点を翌年度の目標としています。前年度に施設長と確認した目標を当該年度の「自己評価チェックリスト」に明記して、「目標水準」「目標期限」をさらに明確にすることが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

研修計画のテーマには、職員に必要とされる専門技術を掲げており、受講する職員が身に付けられるように実施しています。研修受講等によって身に付けた専門技術を評価して、保育所内の役割を任せています。栄養士が保育業務にも関わるため、法人として栄養士が保育士資格を取得することを奨励しています。研修受講後の研修報告書や研修報告会の実施で、研修内容、研修効果を評価しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの職員の知識、技術水準が評価され、評価に応じてそれぞれに園内業務の役割を付与されています。新人職員等には、知識・経験等に応じてOJTが行われていますので、指導する職員の研修等が期待されます。研修計画には、階層別研修、テーマ別研修、職種別研修が用意され、職員のニーズに応じた研修が実施されています。外部研修も情報提供したり、勤務シフトを調整するなど研修に参加しやすい環境を整えています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生のけ入れに関しては、受け入れフローを用意して適切な実習ができるようにしています。養成校からの受け入れ依頼にもとづき、養成校側と実習内容を話し合い、合意のうえ実習に入り、実習後に評価をする流れです。法人全体としては受け入れ実績はありますが、園は開設して間もなく、またコロナ禍等の事情により、実習生の受け入れ依頼はまだなく、実績はありません。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページや入園案内で、法人、保育所の理念や保育方針を説明しています。財務諸表については、保護者にはホームページで確認ができるようにパスワードをお知らせしています。苦情や相談の対応状況については、申し出者の意向を踏まえて玄関に掲示をしています。地区センターで子育てイベントが開催された際に、園を紹介する印刷物の配布をしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の業務マニュアルに事務処理のルール規定があります。職員へ伝える内容を検討し、理解を求める工夫が期待されます。園では物品等の購入のため小口現金の管理を行っており、施設長が担当しています。事務処理、経理処理については、法人の担当者から内部監査を定期的に受けています。法人は、外部の税理士による監査支援を受けており、経営改善につなげています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画には、「子育て家庭や地域に対して保育園の役割を果たす」と地域との関わりを記載しています。保育所の玄関には、「地域のおたより」コーナーを設けて、地域のイベント情報等を案内しています。散歩の際には、地域の方と積極的に挨拶をする等の交流をしています。また、公園では、他の子どもと一緒に遊べるように声を掛けています。コロナ禍でもあり、地域の行事や活動への参加は行えていません。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

業務マニュアルに、地域交流についての記述があります。実習生の受け入れと同様に、ボランティアの受け入れに関するフローが整備されています。学校教育への協力については、「小・中学校などの生徒の体験学習や実習を受け入れ」との記述があります。しかし、開設後間もないことやコロナ禍の状況により現在は受け入れが難しい状況です。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもや保護者の状況に合わせて、必要な病院等の関係機関について、リスト化し資料を作成しています。その関係機関等については、職員会議等で職員間で情報共有しています。区や市の私立園長会や研修会に参加して保育所間で保育ニーズ等について情報共有をしています。関係機関、団体と共通の問題に対して、さらなる協働が期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

市や区の保育園長会に参加して、地域の福祉ニーズ等の把握に努めています。地域の民生委員が運営委員会や第三者委員として園の運営に関わっているため、地域の情報を得ることができます。地域の町内会にも加入しており、町内の情報が得られています。ホームページには育児相談ができることを説明する記述がありますが、この保育所は開設から間もなくコロナ禍があり、まだ相談事業を実施する体制は整っていない状況です。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育所内にAEDを設置しており、玄関にAEDシールを貼って、地域住民が必要としたときに使用することができるようにしています。一時預かり事業や年度限定保育など、地域のニーズに応じたサービスを実施していますが、社会福祉事業にとどまらない地域貢献への取組までは不十分です。コロナ禍の現状では困難な面はありますが、今後、町内会活動等を通じて地域コミュニティーの活性化やまちづくりへの貢献が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

就業規則、園規則、全体的な計画、業務マニュアル等に子どもの人権の尊重について明示しており、職員はよく理解して子どもに接しています。園内研修では、人権尊重を踏まえた虐待防止の研修を実施しており、職員は理解を深めています。毎年、職員が実施している「自己評価チェックリスト」に子どもの人権尊重についての評価項目があり、自己チェックをするようになっています。給食に外国の献立を取り入れて、文化の多様性について学んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子ども・保護者の「他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由」について配慮したプライバシー保護の取組をしています。着替えは、裸にならないように上下別々に脱ぐようにしています。お漏らししたときは、他の子どもに気づかれないよう配慮しています。園庭で水遊びをするときは、周りをシートで囲い、外からの視線を遮るようにしています。子どもが一人になりたいときはコーナー等を活用して落ち着ける場所を用意しています。プライバシー保護について、職員の姿勢、責務等を明記した規程・マニュアル類の整備が期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のパンフレットは地区センターに置いてあり、園のホームページでも情報提供しています。パンフレットやホームページはイラストや写真を使い、分かりやすく説明されています。コロナ禍以前は集団の説明会や面談会を開催していましたが、現在は感染症に配慮して個別に対応しています。年間に約80組の見学を受け入れています。見学の際は初めに資料を基に理念や保育方針を説明したうえで、園内を見てもらっています。その際、子育ての相談にも応じています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始にあたっては、入園案内(重要事項説明書)を基に説明を行い、保護者の同意書をもらっています。入園案内はイラストや写真を使って、わかりやすい内容になっています。カバンなど入園にあたり準備する物は、実物を見せながら説明しています。保育の無償化など保育内容の変更の時には、説明後に保護者の同意書をもらっています。外国籍の保護者のために翻訳機を備えています。外国籍の保護者に書面を渡すときは、口頭でも重ねて説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

園児の転園先には保護者の同意を得たうえで情報提供をしていますが、定められた引き継ぎの文書はありません。転園の際には在園中の制作物を渡し、子どもが新しい園に期待がもてるように送り出しています。また、何かあればいつでも相談に応じることを保護者に口頭で伝えています。相談窓口は施設長ですが、状況に応じて法人の担当者もサポートしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で、職員は一人ひとりの子どもの表情や言葉から、思いをしっかりと受け止めるようにしています。保護者アンケートを毎年実施し、結果は書面で公開しています。行事後のアンケートも行い、次回以降に役立てています。また、園への要望や苦情についての回答も玄関に掲示しています。個人面談(年3回)、保護者懇談会(年2回)、保育参観・参加(年1回)を行っています。コロナ禍なので感染状況に応じてオンラインで保護者懇談会を行ったり、クラスだよりを通じて保育の様子を伝えています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制を整備し、その内容を重要事項説明書に記載しています。苦情解決の仕組みは玄関にも掲示しています。年度末に保護者アンケートを実施しています。寄せられた意見や苦情と、それに対する対応についても、苦情を申し出た保護者に配慮しながら公表しています。保護者懇談会では保護者同士の交流も図り、保護者が自由に意見を表明しやすい環境を作っています。卒園児の保護者を対象に、卒園後の5月に無記名のアンケートを行いました。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保育参観・保育参加・保護者懇談会(年2回)・個人面談(年3回)の際に保護者の意向を確認しています。玄関には苦情解決の仕組みと、横浜市福祉調整委員会のポスターの掲示をしています。懇談会では保護者同士の交流も図り、意見を出しやすい環境を作っています。相談の内容に応じて面談室を使用し、保護者が安心して話せる環境を確保しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

降園時に保護者と毎日5分間のコミュニケーションをとって、信頼関係を築いています。保護者からの質問や相談があった際には、登園の際にも職員が丁寧に話を聞くようにしています。保護者の思いをしっかりと受け止められるように、職員間の情報共有も大切にしています。毎年保護者アンケートを実施しています。苦情受付対応マニュアルを作成しています。保護者からの意見は職員会議で検討し、できる限り受け止めています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する責任者は施設長で、防災管理リーダーも定めています。「事故防止・事故対応マニュアル」を整備し、内容を職員に周知しています。事故やヒヤリハットはICTシステム上で記録を作成し、法人内の事故は事例を共有して再発防止につなげています。横浜市から送られてくる重大事故事例は昼礼で職員に伝えています。園内研修で救命講習(AEDとアナフィラキシー補助治療剤(エピペン)の使い方)を行っています。事故防止に関する外部研修に参加した職員は職員会議で研修報告をして情報を共有しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人作成の業務マニュアルでは感染症の対応について詳しく記載しています。看護師の業務マニュアルも作成し、マニュアルに沿って適切に対応しています。感染症発生の際には、玄関のホワイトボードで保護者に知らせています。感染症が疑われる場合には速やかに保護者に連絡し、お迎え・通院・状況報告をお願いしています。看護師の指導により、嘔吐処理の園内研修を行っています。毎月保健だよりを発行して、子どもの健康管理に関する情報発信を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアルの中に災害対応について規定し、防災管理リーダーを定めています。毎月1回、地震や火災など想定を変えて訓練を行っています。近くに鶴見川があるため、洪水を想定した避難計画も策定していす。BCP(事業継続計画)を作成して、非常事態が発生した場合の早期復旧や事業継続に備えています。園内研修では、自衛消防組織と各職員の非常時の役割について確認しています。アレルギーに対応した食料や水の備蓄を行い、備蓄品のリストも作成し、定期的な管理を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人共通の業務マニュアルを整備しています。マニュアルには、子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関わる姿勢が明示されています。さらに、園内のルール・就業規則、基本的な保育の取り組み方についても詳しく記載しており、職員はいつでも内容を確認することができます。標準的な実施方法にもとづいて保育が実施されているかについては、施設長による園内巡回指導や、保育日誌や指導計画のチェックを通じて確認しています。職員は子ども一人ひとりの表情や思いを丁寧に受け止めており、保育実践は画一的になっていません。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアルなど保育の標準的な実施方法の検証・見直しは必要に応じて行っています。リーダー施設長(法人内で構成されたグループ園のリーダー)の巡回で、適切に情報が更新されているかについて確認しています。定期的な指導計画の振り返りの中で、保育の質の向上を目指しています。年度の終わりや行事後に行う保護者アンケート、懇談会や個人面談で収集した意見を標準的な実施方法の見直しに活かすようにしています。おむつ外しや離乳食の進め方は、保護者と連携して行い、指導計画に反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画作成の責任者は施設長と主任です。入園時や入園後の個人面談や児童票などの書類を通じて、保護者や子どものニーズを把握し、指導計画に反映しています。また、定められた手法に沿って、アセスメントを実施しています。全体的な計画にもとづき、指導計画を作成しています。作成にあたっては、保育士だけでなく、調理・看護師などの関係職員の意見も取り入れています。指導計画にもとづく保育実践について、定期的に振り返り、評価する仕組みがあります。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画は年4回、月間指導計画は月末、週案は週末に評価と見直しを行っています。乳児に関しては個別指導計画の見直しも行っています。子どもの成長や様子を見ながら、指導計画の目標・ねらい・配慮事項などが適切であるかを検証し、指導計画の見直しや変更を柔軟に行っています。保護者とは日常的に情報交換をしており、おむつ外しや離乳食の進め方などについて保護者の意向を反映しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況や生活状況は設置法人共通のICTシステム上に記録しています。乳児に関しては、毎月個別指導計画を立て、それにもとづいて保育を実施しています。幼児でも特別な配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成しています。記録する職員で内容に差異が生じないように、記入後に主任と施設長が内容を確認し、必要に応じて指導を行っています。法人で保育の記録に関する指導者研修も行っています。毎日の朝礼・昼礼や職員会議で情報共有を行っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規程を作成し、年1回の職員研修とチェックテストを行っています。設置法人はPマーク(個人情報の適切な取り扱いの認定)を取得しています。個人情報に関わる書類は鍵付きの棚に保管し、データの園児名簿等は施設長パスワードを設定して管理しています。園児台帳などを管理するためのICTシステムは職員1名ずつにアカウントを作成し、職掌に応じて閲覧・編集できる範囲を定めています。保護者には個人情報の取り扱いに関して説明し、同意書をもらっています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、「輝く大人が、輝く子どもと子どもの未来を育てる」という園の保育理念をベースに保育方針、保育目標にもとづいて策定しています。保育方針は「健康な身体と心を育む」です。保育目標は①自分の気持ちを素直に相手に伝えられる子ども②感じる心を育み、自分を豊かに表現する子ども③集団の中で友だちを認識し、仲良く遊べる子どもの3つです。全体的な計画は設置法人で作成したベースに、各園の立地や状況を加味して作成しています。園の特色ある保育として、きらら教室(教材を使った学習)・生活発表会・給食フェア・異年齢保育をあげています。全体的な計画は、年度末に各クラスの担任・リーダー・主任・園長による振り返りを行い、次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室は明るく、季節に合わせて温度・湿度を適切な状態に保っています。全保育室に空気清浄機を備えています。看護師の指導に従って、保育室やおもちゃの消毒を行っています。家具や壁には木製素材を多く使用し、温かい雰囲気です。保育室の仕切りには低い高さの家具を利用しています。ままごとコーナーやマットを設置して、落ち着いて過ごせるようにしています。食事や睡眠のスペースは衝立で仕切り、清潔に保たれています。午睡には通気性が良く、メンテナンスが簡便なコット(簡易ベッド)を使っています。手洗い場やトイレは清潔に保たれており、蛇口や便器は子どもに使いやすい高さや仕様になっています。他園での実践も参考にしながら、子どもにとって心地よい環境を整えています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園前は児童票や面談で、入園後は子どもの経過記録や保護者との関わりの中で、一人ひとりの子どもの状態や家庭環境を把握しています。入園時には慣らし保育を行い、安心して生活が始められるようにしています。職員が子どもに話すときには、ていねいに、分かりやすい言葉で伝えています。応答的なふれあいや言葉かけを大切にしています。子どもが伝えようとしていることを汲み取り、気持ちを丁寧に受け止め、代弁し、自分の思いが伝わっていることを感じられるように関わっています。職員はせかす言葉や禁止の言葉を使わないようにし、子どものペースに合わせて行動しています。園長が職員の気になる対応や場面を目にしたときには、職員会議でチェックリストに取り組んだり、研修を行うことで職員自らの気づきを促すようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は一人ひとりの発達に合わせて、排泄・着脱などの基本的な生活習慣が身につけられるようにしています。職員は履きやすいようにズボンを置いたり、一緒にやって見せるなど必要な援助をしています。できたときは共に喜びあっています。職員は子どもの自分でやろうとする気持ちを尊重し、見守ることも大切にしています。外遊び・水遊び・散歩・昼寝など子どもの体調に合わせて時間を調整し、早めに休ませるなど活動と休息のバランスが保てるように配慮しています。発達に応じて、基本的な生活習慣の大切さを伝えています。時には看護師が絵本や紙芝居を使って、子どもに分かりやすく伝えています。公立の保育園が生活習慣や病気等に関する絵本や紙芝居の貸出を行っており、園で活用しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

コロナ禍以前から玄関での受け渡しを行っており、子どもは自分の荷物を片付ける習慣を身につけています。子どもの自立を促すことをめざしており、職員は子どもを見守り、必要な援助をしています。子どもが自ら片付けができるように、壁の低い位置に上着やカバンをかけるためのフックを設置しています。安全性を考慮しておもちゃの多くが扉のある棚に収納されています。主体的に遊びを選択できるように、おもちゃの収納に工夫がさらに期待されます。近隣の公園や緑道に散歩に出かけ、出会う方々と積極的にあいさつを交わしています。職員体制によっては園庭で活動をすることもあります。リトミック・制作などの時間を設けて、音楽や表現を楽しんでいます。寒天や海藻などの感触を楽しむ体験もしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの個別性に配慮して、眠りたいときに休めるような環境を整えています。合同保育の時間でも落ち着いて過ごせるように、職員間で子どもの体調や生活リズムを確実に伝達しています。園でも家庭と同じように安心して過ごせることをめざした保育をしています。保育室は睡眠と食事のスペースが分かれています。また、子どもの発達状況に応じて部屋のレイアウトを柔軟に変更しています。保護者とは毎日の連絡帳と、送迎の際の会話を通して信頼関係を築いています。栄養士は栄養ノートを通じて保護者と連携しています。保育士・看護師・栄養士がチームで子どもを見守り、快適に安心して過ごせる環境を整備しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

職員は気持ちや時間にゆとりをもって子どもに関わっています。着替え・手洗い・靴の着脱など時間がかかっても急かしたりせず、近くでゆったりと見守っています。職員は子どものやる気を高めるような肯定的な声かけをしています。着脱をゲーム感覚で行ったり、職員がさりげなく援助することで子どもに達成感を感じさせるなど一人ひとりに合わせた援助を行っています。職員は友だち同士の関わりができるように、子どもの気持ちを代弁したり、仲立ちをしています。クラスに関わる職員は、子どもの発達状況を共有し、同じ対応ができるように話し合いを重ねています。送迎時の会話・個人面談・連絡帳を通じて家庭と連携しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児クラスでは、職員は子ども一人ひとりの興味・関心に合うものが見つけられるように見守っています。職員は子どものやる気が引き出せるような声かけや関わりを心がけています。4歳児では3歳児と一緒に活動することで年長としての自信が持てるようにしています。簡単な集団ゲームを取り入れています。教材教育の時間では子どもが自信を無くすことがないように、グループ分けに配慮しています。5歳児には発表会での司会を任せるなど、リーダーとしての役割を少しずつ任せています。2~5歳児で2つの保育室を活動内容に応じて使い分けており、必要に応じてカーテンや衝立で午睡・食事・活動のスペースに分けています。幼児クラスでは異年齢のペア(バディ)を決めて、ペア活動を行っています。幼児クラスでは月に2回、一人ひとりの連絡帳に子どもの発達の様子を記入して、保護者と子育ての喜びを共有できるようにしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

園舎は段差のないバリアフリー構造になっています。業務マニュアルには障害児保育に対する考え方や配慮するべきことについて明記しています。障害のある子どもの指導計画は、所属するクラスの月案の内容を踏まえながら、担任・看護師・クラスに関わる職員で話し合って作成しています。療育センターの巡回を依頼しています。専門家の助言を受けながら、子どもが落ち着いて生活が送れる工夫や配慮について話し合っています。障がい児保育に関する外部研修の報告と、具体的な援助方法について園内研修を定期的に行っています。保護者には、入園前の説明の中で、園の障がい児の受け入れについて伝えています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

朝早くの登園や延長保育の人数は日によって異なるため、職員は子どもたちの様子を見ながら過ごし方を工夫しています。保育室には体を休めるスペースと、遊びに集中できるスペースを分けて設定しています。月間指導計画の中に長時間保育についての配慮事項を記載しています。年度ごとに朝夕の合同保育の時間帯を見直して、一人ひとりが落ち着いて過ごせるようにしています。18時以降の保育の場合には手作りの補食や夕食を提供しています。連絡ボードに子どもに関する情報を記載して、保護者に確実に情報を伝えています。朝礼や昼礼でも職員間で情報共有をしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

横浜市のアプローチカリキュラムをベースにした独自の計画を作成し、実践しています。全体的な計画や年長児の年間指導計画は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)を反映させた内容になっており、計画にもとづいた保育内容を組み立てています。職員は保育園と小学校の違いについて、子どもにも分かりやすいように伝えています。年長児には夏ごろから午睡時間を設けず、教材学習や静かな遊びをして過ごしています。年長児は1歳児の着換えなどの手伝いもしています。年長担任が中心となり、複数の職員が参画して保育所児童保育要録を作成しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアルの中に子どもの健康管理について規定しています。看護師マニュアルも整備しています。保育中に子どもの体調悪化やケガが発生した場合、保護者に連絡を取りながら対応しています。首から上のケガは必ず受診し、その他の場合も必要に応じて受診しています。年間の保健計画を作成し、毎月保健だよりを発行して子どもの健康に関する情報を保護者に伝えています。既往症や予防接種の状況など、子どもの健康に関する情報の更新が常に行われ、職員間で共有できています。入園の際に保護者にうつぶせ寝を避けるように伝えています。午睡時には全年齢にブレスチェックや体調チェックを行い、日誌に記録しています。常勤の看護師がおり、体調不良やケガの際に適切な対応を行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断、歯科健診を年2回行っています。健康診断と歯科健診の結果はファイルして、関係する職員で情報を共有しています。事前に保護者から気になることや質問を受け付けて、健診の際に医師に確認し、回答を保護者に伝えています。歯科医から歯磨きの方法についてアドバイスを受け、子どもたちに保育の中で伝えています。健康診断と歯科健診の結果は、健康手帳に記録して保護者に伝えています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー対応マニュアルの中でアレルギー対応の手順を明記し、対応しています。食物アレルギーのある子どもの保護者には、主治医に相談の上で、指示書を提出してもらっています。入園時の面談でアレルギーに関する情報を把握し、医師の指示やマニュアルにもとづいて適切な対応を行っています。食物アレルギーの子どもの保護者には、事前に献立内容の確認をお願いしています。食物アレルギーの子どもには、食器やトレイの色を分け、机も他の子どもとの間をあけて、食事を提供しています。アレルギー食と普通食が見た目に大きく変わらないように、盛り付けや代替品を工夫しています。保護者に対しては、入園前の説明で重要事項説明書の中の「アレルギーへの対応」について説明しています。全ての子どもにアレルギー食材チェック表を配布して、食物アレルギーに関する理解促進を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

栄養士の職員が全体的な計画にもとづいて食育計画を作成しており、子どもが毎日の食事を楽しめるように工夫しています。保育室は、食事の前後の遊びの場、午睡の場を工夫して分けることによって、落ち着いて食事ができる環境になっています。食器は陶器製を使用しており、手触り、重さを味わえるようにしています。食器が割れてしまうことがあることも、子どもにとっては学びにつながると考えています。栄養士と保育士は、同じ量を盛り付けて配膳していますが、配膳した後に子ども一人ひとりに希望を聞いて、苦手な食材は少し減らし、少しでも食べられるように「一口は頑張ってね」、「食べられてすごいね」等と声かけをしています。子どもの年齢や興味に合わせたテーマで、毎月クッキング保育の時間を設けて、食への関心を高めています。家庭とは、家庭と園それぞれの食事の量や内容について情報交換をしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

栄養士が、毎月テーマを決めて献立を作成し、季節感のある食事を提供しています。例えば、10月は「秋の食材を味わおう!献立」、12月は「世界のクリスマス献立」など、毎月工夫した献立になっています。また、法人内の保育所間で、献立の企画コンペを実施しています。優勝した企画の献立による食事は全園で提供される仕組みになっており、法人をあげておいしく楽しく食べられる食事作りを進めています。栄養士は、毎日子どもの食事の様子を見ながら声かけをして、子どもとの信頼関係を築いています。子どもの喫食状況を直接確認したり、残食簿をチェックするなどして、食材や調理方法の改善などにつなげています。毎週、安全衛生マニュアルにもとづいて衛生管理について確認し、安全な食事の提供に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

3歳未満児は、「連絡帳」で子どもの園での様子を伝え、家庭での様子を把握しています。また「栄養ノート」では離乳食の進行状況を伝えたり、栄養面に関する悩みなどの相談に応じています。3歳以上児は、主に出席確認の連絡帳になりますが、必要に応じて連絡事項を記載する欄を活用しています。また、クラス毎の活動状況は、玄関のホワイトボードで伝えています。個人面談は年3回実施し、きめ細かな情報交換ができるように配慮しています。保護者懇談会がコロナ禍で開催できなかったため、クラス便りで園の様子を伝えています。また、保護者とのコミュニケーションを積極的に図る取組として、降園時に「5分間運対応」活用しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは、登降園の際のコミュニケーションにより信頼関係を築けるように努めています。3歳未満児は、毎日の連絡帳や栄養ノートで、3歳以上児はホワイトボードを活用して、日々の活動状況を伝えています。コロナ禍もあり、保護者が保育室の様子を確認できない等の状況に対応して、降園時のお迎えの際に、「5分間対応」として保育士が積極的にコミュニケーションを図っています。保護者から相談の申し入れがあれば、定期的な個人面談の他にも随時応じる体制があります。相談場所は、保護者のプライバシーが守られるように、面談室を使用し、保護者が安心できる環境を用意しています。相談を受けた際には、施設長に報告してアドバイスを受けたり、昼礼や職員会議で職員間で対応を話し合って情報共有をしています。相談内容は、面談ノートに記録をしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

毎朝の登園の際に、子どもの様子を視診して異常がないか確認をしたり、保護者と子どもの関わりの様子を観察しています。保育の中でも、子どもの表情、衣服や身体が不潔でないか、基本的生活習慣が身についているかなど、虐待の兆候を見逃さないようにしています。虐待を疑われる保護者と接するときは、批判的な態度は避けて、保護者の気持ちを受け止めるようにし、肯定的なメッセージを伝えて、良好な関係を築いていくこととしています。虐待の兆候を感じたときは、速やかに施設長に報告し、昼礼で情報共有して必要に応じて関係機関に通報することとしています。児童虐待への対応のマニュアルにもとづき、早期発見、早期対応ができるように学んでいます。毎年、園内研修でも取り上げ、職員の虐待に対する理解を深めています。市からは、児童虐待防止等についての巡回指導があります。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育士は、各指導計画にもとづく保育実践について、評価と振り返りをしています。職員会議や昼礼では、日々の保育に関しての改善点や取組について検討をしています。クラス別会議、係別会議、行事担当別会議でもそれぞれ話し合う機会を持ち、保育の改善や専門性の向上に努めています。職員は、「自己評価チェックリスト」にもとづいて自己評価をしています。保育指針の内容に沿った評価項目(187項目)ごとにチェックを入れ、最後に総括として評価のまとめと課題を記述しています。この自己評価は、年度末に保育所全体の自己評価につなげています。評価項目は、「子どもの発達支援」、「保護者支援」、「地域交流」、「保育を支える組織的基盤」を設定しており、それぞれ改善策や次年度への取組が記載されています。保育所の自己評価は、玄関に掲示しており、保護者は閲覧することができます。